JP4049291B2 - デジタルスチルカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の被写体に対して少なくとも2回連続撮影を行ない、この連続撮影によって得られた複数枚の撮影画像を所定の画像合成処理で合成して画質を改善したり、映像効果を高めた画像を得ることのできるデジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルスチルカメラの技術分野においては、連続して撮影した複数枚の撮影画像を所定の画像処理を行なった後、合成することで、各撮影画像よりも画質や映像効果を高めた画像を得ることのできるデジタルスチルカメラが商品化されている。
【0003】
例えばビクター社製のデジタルスチルカメラ「GC−X1“PIXSTER”」は、撮像素子を微小変位させて連続して2回撮影を行い、両撮影画像を合成することで解像度の高い撮影画像を得ることができる機能を備えている。また、このデジタルスチルカメラは、被写体の明るい部分と暗い部分とに合わせて2種類の露出制御値を設定し、それらの露出制御値で連続して2回撮影を行い、両撮影画像を合成することで暗い部分から明るい部分まで適切な濃度の撮影画像を得ることができる機能も備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、デジタルスチルカメラに適用される撮像素子の高画素化が進み、200万〜300万画素の撮像素子を用いたものも商品化されているが、このような高密度の撮像素子を用いたデジタルスチルカメラに上述の画像合成機能を設けた場合、画質及び映像効果の高い画像が得られるという優れた価値をデジタルスチルカメラに付加するができる。
【0005】
しかし、撮影画像のデータ数が増大すると、画像合成処理の時間が長くなり、合成結果がなかなか得られないという不都合が生じる。デジタルスチルカメラの場合、撮影した直後にその場で撮影画像を表示部に表示させて確認ができることが望ましいが、画像合成を目的として連続撮影される複数枚の撮影画像については、例えば合成画像を表示部に表示させる場合、画像合成処理に長時間を要するため、撮影直後に直ちに合成画像を表示部に表示させることは困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像合成用に撮影された複数枚の画像の内容を撮影後に直ちに確認することのできるデジタルスチルカメラを提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されていると、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行ない、少なくとも2枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、画像を表示する表示手段と、上記連続撮影された複数枚の撮影画像を用いて上記所定の画像合成処理に近似した他の画像合成処理を行なって表示用の画像を作成する表示画像作成手段と、上記表示画像作成手段で作成された画像を上記表示手段に表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラである。
【0021】
なお、上記所定の画像合成処理は、例えば階調の異なる複数枚の撮影画像を合成して当該撮影画像の階調を調整した1の画像を作成する階調調整処理である。また、上記表示用の画像を各撮影画像とは別に画像ファイルを作成して、各撮影画像の画像ファイルとともに、記録媒体に記録するとよい。
【0022】
上記構成によれば、特殊撮影モードで撮影された複数枚の撮影画像は、これらの撮影画像を用いて所定の画像合成処理に近似した画像合成処理を行なって作成された表示用の画像が表示手段に表示される。例えば階調調整処理の場合、複数枚の撮影画像は互いに位置合わせが行なわれた後、各撮影画像の対応する画素位置毎にデータを所定の演算式で演算処理して合成画像のデータが作成されるが、平均値演算等の簡単な近似演算により表示用の画像が作成され、その表示用の画像が表示手段に表示される。
【0023】
階調調整用の各撮影画像はそれぞれ適正な階調で撮影されていないので、それらは撮影内容の確認には適さないが、比較的短い処理時間で表示用の画像(撮影内容の確認に適した画像)が作成されるので、撮影後に比較的短時間で撮影内容確認用の画像を表示させることができる。
【0024】
また、表示用の画像は各撮影画像とは別の画像ファイルで記録媒体に記録されるので、再生モードでの再生処理では、この画像ファイルを開いて表示用の画像を再生表示させることにより、迅速に再生表示を行なうことができる。
【0025】
また、上記表示用の画像の上記表示手段への表示は、複数枚の撮影画像の画像ファイルが上記記録媒体に記録される前に行なうとよい。
【0026】
この構成では、複数枚の撮影画像を取り込んだ後、これらの撮影画像の画像合成処理や記録媒体への記録処理の前に表示用の画像を表示させるので、可及的に撮影直後に撮影内容を確認することができる。
【0027】
また、本発明は、請求項3記載のデジタルスチルカメラにおいて、再生モードにおいて、上記記録媒体に記録された上記特殊撮影モードでの撮影画像の再生が指示されると、指示された撮影画像に対応する表示用の画像を上記表示手段に再生表示する再生制御手段を更に備えたものである。
【0028】
なお、上記デジタルスチルカメラにおいて、上記再生制御手段は、表示用の画像の画像ファイルが存在しないとき、指示された特殊撮影モードでの撮影画像のうち、最初に撮影された撮影画像を上記表示手段に再生表示するとよい。
【0029】
上記構成によれば、再生モードにおいて、記録媒体に記録された特殊撮影モードでの撮影画像の再生が指示されると、指示された撮影画像に対応する表示用の画像が表示手段に表示される。これにより、迅速に撮影画像の再生表示を行なうことができる。なお、表示用の画像が壊れている場合は、指示された特殊撮影モードでの撮影画像のうち、最初に撮影された撮影画像を表示させるので、撮影画像の再生ができないという不都合が回避される。
【0036】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るデジタルスチルカメラのカメラ本体の正面図、図2は同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す上面図、図3は、同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す右側面図、図4は同デジタルスチルカメラの背面図である。
【0037】
デジタルスチルカメラ1は、カメラ本体2とこのカメラ本体2の正面略中央に着脱可能に装着されるズームレンズからなる交換レンズ3とからなる一眼レフレックスカメラで構成されている。カメラ本体2は、正面略中央に交換レンズ3が装着されるマウント部201が設けられ、正面左端部にグリップ部202が設けられている。
【0038】
グリップ部202の内部には電池収納室203とカード収納室204とが設けられ、電池収納室203には4本の単3形乾電池E1〜E4(カメラの電源電池)が収納され、カード収納室204には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカードMCが着脱可能に収納されるようになっている。
【0039】
マウント部201の下部には装着された交換レンズ3との電気的接続を行なうための複数個の接点STと機械的接続を行なうための複数個のカプラーCPとが設けられている。電気的な接点STは、交換レンズ3に内蔵されたレンズROM301(図3参照)から当該レンズに関する固有の情報(開放F値や焦点距離等の情報)をカメラ本体2内の全体制御部(図6参照)に読み出したり、交換レンズ3内のズーム用レンズの位置やフォーカス用レンズの位置の情報を全体制御部に出力するためのものである。カプラーCPはカメラ本体2内に設けられたズーム用レンズ駆動用のモータZM(図3参照)の駆動力とフォーカス用レンズ駆動用のモータFM(図3参照)の駆動力とを交換レンズ3側に伝達するためのものである。
【0040】
マウント部201に交換レンズ3が装着されたときの当該レンズ3の光軸L上であってカメラ本体2内の適所にカラー撮像素子205が配設されている。カラー撮像素子205(以下、CCD205という。)は、図5に示すようにCCD(Charge-Coupled Device)からなるエリアセンサ205Aの各画素の表面に、R(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタ205Bが市松模様状に貼り付けられた、いわゆるベイヤー方式と呼ばれる単板式カラーエリアセンサで構成され、例えば1600×1200=192万個の画素数を有している。
【0041】
なお、図5に示すようにエリアセンサのi行j列目の画素位置を(i,j)(i=1,2,…n、j=1,2,…m)とし、n=1600、m=1200とすると、R,G,Bの各カラーフィルタは、
R;(2h+1,2k+1)
G;(2h+2,2k+1),(2h+1,2k+2)
B;(2h+2,2k+2)
但し、h=0,1,2,…n/2(=800)、k=0,1,2,…m/2(=600)の画素位置に配置されている。
【0042】
カメラ本体2のグリップ部202の上面にはシャッタボタン206が設けられている。シャッタボタン206の半押し操作と全押し操作とは後述するスイッチS1,S2により検出されるようになっている。スイッチS1がオンになると(シャッタボタン206が半押しされると)、被写体の静止画を撮影するための準備動作(露出制御値の設定や焦点調節等の準備動作)が行なわれ、スイッチS2がオンになると(シャッタボタン206が全押しされると)、撮影動作(CCD205を露光し、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を行なってメモリカードMCに記録する一連の動作)が行なわれる。
【0043】
カメラ本体2の上面の略中央には電子ビューファインダ4(EVF;Electronic View Finder)とポップアップタイプのフラッシュ5とが設けられている。電子ビューファインダ4はCCD205で撮影された被写体のモニタ画像(撮影待機状態においてCCD205により動画撮影された被写体の画像)を表示するカラー液晶表示デバイスからなる表示部401(以下、LCD表示部401という。)とこのカラー液晶表示デバイスに表示されたモニタ画像をファインダ窓403の外側に導く接眼レンズ402とを備えている。
【0044】
撮影待機状態では電子ビューファインダ4に被写体のモニタ画像(動画像)が表示されるので、撮影者はファインダ窓403を覗くことによってモニタ画像により被写体を視認することができる。
【0045】
カメラ本体2の背面の略中央にはカラー液晶表示デバイスからなる表示部207(以下、LCD表示部207という。)が設けられている。LCD表示部207は、記録モードにおいて撮影モードや撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカードMCに記録された撮影画像を再生表示するものである。
【0046】
本実施形態では画像表示はLCD表示部207で行なわれるものとしているが、電子ビューファインダ4で行なうようにしてもよい。また、何れか一方で、若しくは両方で画像を表示させるようにしてもよい。
【0047】
撮影モードにはAEモードと露光動作の制御方法に関するモードとが含まれる。AEモードには少なくともプログラムモード、シャッタ優先モード、絞り優先モードが含まれる。露出制御値は予め設定された複数のプログラム線図のいずれか1つを用いて設定されるようになっており、プログラムモードでは標準的なプログラム線図を用いて露出制御値が設定され、シャッタ優先モードでは絞り値よりシャッタ速度(露光時間)を優先するようなプログラム線図を用いて露出制御値が設定され、絞り優先モードではシャッタ速度より絞り値を優先するようなプログラム線図を用いて露出制御値が設定される。
【0048】
露光動作の制御方法に関するモードとは、1回のシャッタ操作で1回の露光動作を行い、その撮影によって得られた撮影画像をメモリカードMCに記録するモード(以下、通常撮影モードという。)と1回のシャッタ操作で撮影条件を変えて、若しくは撮影条件を変えないで連続して2回撮影を行ない、その撮影によって得られた2枚の撮影画像をそれぞれメモリカードMCに記録するモード(以下、特殊撮影モードという。)である。特殊撮影モードで連続して撮影された2枚の撮影画像は、後述するコンピュータ等からなる画像処理装置で所定の画像処理を行い、合成して元の撮影画像よりも画質や映像効果の高い画像を得るために用いられるものである。
【0049】
なお、本実施形態ではカメラ本体では画像合成処理を行なわないようにしているが、カメラ本体で画像合成処理を行ってその合成画像をメモリカードMCに記録するようにしてもよい。また、本実施形態では特殊撮影モードでの連続撮影回数を2回としているが、撮影回数はこれに限定されるものではなく、3回以上であってもよい。
【0050】
特殊撮影モードには少なくとも「ボケ味調整モード」、「階調調整モード」、「超解像モード」が含まれる。ボケ味調整モードとは、画像処理で主被写体(例えば人物等)に対して焦点を合せた撮影画像Aと主被写体の背景に焦点を合わせた撮影画像Bとを合成することにより所望のボケ具合を有する画像を得るために、1回のシャッタ操作で合焦位置を変化させて連続して2回の撮影動作を行い、撮影画像Aと撮影画像Bとを得るモードである。
【0051】
階調調整モードとは、画像処理で主被写体に対して露出を合せた撮影画像Aと主被写体の背景に露出を合わせた撮影画像Bとを合成することにより、例えば画面全体に適正な濃度分布を有する画像や主被写体と背景とのコントラストを意図的に大きくし、創作性の強い画像を得るために、1回のシャッタ操作で露出条件を変化させて連続して2回の撮影動作を行い、撮影画像Aと撮影画像Bとを得るモードである。
【0052】
超解像モードとは、主被写体に対する撮影位置が互いに微小変化した撮影画像Aと撮影画像Bとを合成することにより、元の撮影画像よりも解像度の高い画像を得るために、1回のシャッタ操作でピントや露出条件を変えないで連続して2回の撮影動作を行い、1回目の撮影と2回目の撮影とで僅かに異なるカメラアングルの相違により画面内の主被写体の位置が微小変化した撮影画像Aと撮影画像Bとを得るモードである。
【0053】
LCD表示部207の左側には電源スイッチ208が設けられている。この電源スイッチ208は記録モード(写真撮影の機能を果たすモード)及び再生モード(記録画像をLCD表示部207に再生するモード)を切換設定するモード設定スイッチを兼ねている。すなわち、電源スイッチ208は3点スライドスイッチからなり、接点を中央の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、接点を上方の「REC」位置に設定すると、電源がオンになるとともに記録モードが設定され、接点を下方の「PLAY」位置に設定すると、電源がオンになるとともに再生モードが設定される。
【0054】
LCD表示部207の右側上方位置には4連スイッチ209が設けられている。4連スイッチ209は円形の操作ボタンを有し、この操作ボタンにおける上下左右の4方向の押圧操作がそれぞれ検出されるようになっている。4連スイッチ209は多機能化され、例えばLCD表示部207に表示されるメニュー画面で選択された項目を変更したり、インデックス画面で選択された再生対象のコマを変更するための操作スイッチとして機能するとともに、左右方向のスイッチは交換レンズ3のズーム比を変更するためのスイッチとしても機能するようになっている。
【0055】
また、4連スイッチ209の下方位置にはLCD表示部207の表示や表示内容に関する操作を行なうためスイッチ群210が設けられている。スイッチ群210には取消スイッチ210a、確定スイッチ210b、メニュー表示スイッチ210c及び表示スイッチ210dが含まれる。
【0056】
取消スイッチ210aはメニュー画面で選択された内容を取り消すためのスイッチである。確定スイッチ210bはメニュー画面で選択された内容を確定するためのスイッチである。メニュー表示スイッチ210cはLCD表示部207にメニュー画面を表示させたり、メニュー画面の内容を切り換えたりするためのスイッチである。メニュー表示スイッチ210cを押圧する毎にメニュー画面に切り換わる。表示スイッチ210dはLCD表示部207への表示を行なわせたり、その表示を消したりするスイッチである。電源電池E1〜E4の節電を図るため、カメラ起動時はLCD表示部207の表示は行なわれないようになっている。表示スイッチ210dを押圧する毎にLCD表示部207の表示と非表示とが交互に行なわれる。
【0057】
メニュー画面では、例えば複数の項目が配列表示され、現在選択されている項目に選択状態を示す表示(例えばカーソルや反転表示等)が行なわれる。例えば露光動作の制御方法に関する撮影モードを選択する場合、LCD表示部207には、図6に示すようなメニュー画面が表示される。このメニュー画面における「通常撮影」の項目は通常撮影モードのことで、銀塩カメラにおける撮影動作と同様の通常の撮影を行なうモードである。また「ボケ味調整撮影」、「階調調整撮影」及び「超解像撮影」はそれぞれ特殊撮影モードの中のボケ味調整モード、階調調整モード、超解像モードのことである。
【0058】
図6のメニュー画面において、4連スイッチ209の上方向スイッチが押されると、黒三角印のカーソルKの表示位置(すなわち、カーソルKが示す項目)が上方向にサイクリックに移動し、4連スイッチ209の下方向スイッチが押されると、カーソルKが示す項目表示位置が下方向にサイクリックに移動する。そして、スイッチ群210の確定スイッチ210bが押されると、その時カーソルKで指示されている項目(図6では階調調整モード)が撮影モードとして設定される。
【0059】
従って、撮影者は撮影モード選択用のメニュー画面において、4連スイッチ209を上下方向に操作して所望の撮影モードを選択し、確定スイッチ210dを操作することでその撮影モードを設定することができる。なお、露出制御値の決定方法に関するモードについても同様の方法で所望の撮影モードを設定することができる。
【0060】
また、インデックス画面ではメモリカードMCに記録されている全ての画像から9コマ分のサムネイル画像が配列表示され、現在選択されているコマに選択されている表示(例えば点滅表示や枠表示等)が行なわれる。4連スイッチ209の上下左右の何れかの方向スイッチを押圧すると、メニュー画面やインデックス画面の選択状態を示す表示がその方向の項目やコマに移動する。例えば上方向スイッチを押圧すると、メニュー画面やインデックス画面の選択状態を示す表示が上方向の項目やコマに移動する。そして、何れかのサムネイル画像が選択された状態で確定スイッチ210dが操作されると、そのサムネイル画像のコマが再生される。
【0061】
交換レンズ3のズーム操作では、4連スイッチ209の右方向スイッチを押圧すると、交換レンズ3がワイド側に連続的に移動し、4連スイッチ209の左方向スイッチを押圧すると、交換レンズ3のズーム用レンズがテレ側に連続的に移動する。
【0062】
図7は、デジタルスチルカメラ1の内部構成を示すブロック構成図である。
【0063】
デジタルスチルカメラ1は、主にレンズ101、撮像部102、信号処理部103、発光制御部104、レンズ制御部105、表示部106、操作部107及び全体制御部108で構成されている。
【0064】
レンズ101は交換レンズ3に相当するものである。レンズ101はフォーカス用レンズ101a及びズーム用レンズ101bを備え、内部に透過光量を調節するための絞り101cが設けられている。
【0065】
撮像部102はレンズ101を通して入射した被写体光像を画像信号(電気画像)に光電変換して取り込むものである。撮像部102にはCCD205に相当するCCD102a、このCCD102aの撮像動作を制御するタイミングジェネレータ102b及びタイミングジェネレータ102bの駆動を制御するタイミング制御回路102cが含まれる。
【0066】
CCD102aはタイミングジェネレータ102bから入力される駆動制御信号(積分開始信号/積分終了信号)に基づいて被写体光像を所定の時間(露光時間)だけ受光して画像信号(電荷蓄積信号)に変換し、その画像信号をタイミングジェネレータ102bから入力される読出制御信号(水平同期信号、垂直同期信号、転送信号等)を用いて信号処理部103に出力する。このとき、画像信号はR,G,Bの各色成分に分離されて信号処理部103に出力される。すなわち、画素位置(2h+1,2k+1)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでRの色成分の画像信号が出力され、画素位置(2h+2,2k+1),(2h+1,2k+2)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでGの色成分の画像信号が出力され、画素位置(2h+2,2k+2)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでBの色成分の画像信号が出力される。
【0067】
タイミングシェネレータ102bはタイミング制御回路102cから入力される制御信号に基づいて駆動制御信号を生成するとともに、基準クロックに基づいて読出制御信号を生成し、CCD102aに出力する。タイミング制御回路102cは撮像部102の撮影動作を制御するものである。タイミング制御回路102cは全体制御部108から入力される制御信号に基づいて撮影制御信号を生成する。この撮影制御信号には記録モードにおいて撮影待機中に被写体の動画像(以下、ライブビュー画像という。)を電子ビューファインダ4にモニタ表示するための撮影の制御信号、シャッタボタン6が操作されて被写体の静止画(以下、記録画像という。)を撮影するための制御信号、基準クロック、CCD102aから出力された画像信号を信号処理部103で信号処理するためのタイミング信号(同期クロック)などが含まれる。このタイミング信号は信号処理部103内の信号処理回路103a及びA/D変換回路103bに入力される。
【0068】
信号処理部103はCCD102aから出力される画像信号に所定のアナログ信号処理及びデジタル信号処理を行うものである。画像信号の信号処理は当該画像データを構成する各画素の受光信号毎に行なわれる。以下、説明の便宜上、各画素の受光信号とこれらの集合により撮影画像を構成する画像信号とを区別するため、必要に応じて各画素の受光信号を画素信号(アナログ信号)もしくは画素データ(デジタル信号)という。
【0069】
信号処理部103にはアナログ信号処理回路103a、A/D変換回路103b、黒レベル補正回路103c、WB回路103d、γ補正回路103e及び画像メモリ103fが含まれる。なお、黒レベル補正回路103c、WB回路103d及びγ補正回路103eはデジタル信号処理を行う回路を構成するものである。
【0070】
アナログ信号処理回路103aは主にCDS回路(相関二重サンプリング)回路及びAGC(オートゲインコントロール)回路からなり、CCD102aから出力される画素信号のサンプリングノイズの低減と信号レベルの調整を行う。AGC回路におけるゲインコントロールには、絞り101cの絞り値とCCD102aの露光時間とで適性露出が得られなかった場合(例えば非常に低輝度の被写体を撮影する場合等)の撮影画像のレベル不足を補償する場合も含まれる。
【0071】
A/D変換回路102bはアナログ信号処理回路103aから出力される各画素信号をデジタルの画素データに変換するものである。A/D変換回路102bは各画素信号を、例えば10ビットの画素データに変換する。
【0072】
黒レベル補正回路103cはA/D変換された各画素データの黒レベルを基準の黒レベルに補正するものである。WB回路103dは撮影画像のホワイトバランスを調整するものである。WB回路103dは全体制御部108から入力されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換することで撮影画像のホワイトバランスを調整する。なお、レベル変換テーブルの各色成分の変換係数は全体制御部108から撮影画像毎に設定される。γ補正回路103eは画素データのγ特性を補正するものである。γ補正回路103eは予め設定された補正テーブルを用いて各画素データのレベルを補正する。
【0073】
画像メモリ103fは信号処理の終了した画像データを一時保存するメモリである。画像メモリ103fは少なくとも2フレーム分の画像データを記憶し得る容量を有している。これは、ボケ味調整モード等の撮影では2回連続して露光が行なわれ、2フレーム分の画像データが取り込まれるから、これらをそれぞれ保存できるようにするためである。なお、1フレーム分の画像データを記憶し得る記憶容量は、例えばCCD102aの画素数を1600×1200=192万とすると、192万個の画素データを記憶し得る容量である。
【0074】
発光制御部104は全体制御部108から入力される発光制御信号に基づいてフラッシュ5の発光を制御する。発光制御信号には発光準備の指示、発光タイミング及び発光量とが含まれる。発光制御部104は全体制御部108から発光準備の指示があると、メインコンデンサを充電して発光可能状態にし、発光タイミング信号に同期してメインコンデンサの蓄積電荷を放電することによりフラッシュ5を発光させる。そして、全体制御部108から入力される発光停止信号に基づいてメインコンデンサの蓄積電荷の放電を停止させる。これによりフラッシュ5は所要の発光量で発光される。
【0075】
レンズ制御部105はレンズ101内のフォーカス用レンズ101a、ズーム用レンズ101b及び絞り101cの各部材の駆動を制御するものである。レンズ制御部105は絞り101cの絞り値を制御する絞り制御回路105a、フォーカスモータFMの駆動を制御するフォーカス制御回路105b及びズームモータZMの駆動を制御するズーム制御回路105cを備えている。
【0076】
絞り制御回路105aは全体制御部108から入力される絞り値に基づいて絞り101aを駆動し、その開口量を当該絞り値に設定する。フォーカス制御回路105bは全体制御部108から入力されるAF制御信号(例えば駆動パルス数等の制御値)に基づいてフォーカスモータFMの駆動量を駆動し、フォーカス用レンズ101bを焦点位置に設定する。ズーム制御回路105cは全体制御部108から入力されるズーム制御信号(4連スイッチ209の操作情報)に基づいてズームモータZMを駆動し、ズーム用レンズ101bを4連スイッチ209で指定された方向に移動させる。すなわち、ズーム制御回路105cは全体制御部108から4連スイッチ209の右方向の操作情報が入力されると、ズームモータZMを正方向に駆動してズーム用レンズ101bをワイド側に移動させ、4連スイッチ209の左方向の操作情報が入力されると、ズームモータZMを逆方向に駆動してズーム用レンズ101bをテレ側に移動させる。
【0077】
表示部106はLCD表示部207への表示と電子ビューファインダ4への表示とを行うものである。表示部106にはLCD表示部207に相当するディスプレイ106a及びVRAM106bと電子ビューファインダ4内のLCD表示部401に相当するディスプレイ106c及びVRAM106dとが含まれる。ディスプレイ106aは、例えば640×480=307200の画素数を有し、ディスプレイ106cは、例えば400×300=120000の画素数を有している。従って、VRAM106bはディスプレイ106aの画素数に対応して略30.7万個の画素データが記憶可能になされ、VRAM106dはディスプレイ106cの画素数に対応して略12万個の画素データが記憶可能になっている。
【0078】
撮影待機中ではCCD102aで撮影され、所定の信号処理の後に画像メモリ103fに格納される動画の各フレーム画像のデータが順次、全体制御部108に読み出され、データサイズがディスプレイ106cの表示サイズに調整されて(すなわち、192万画素の画像データが略12万画素の画像データに調整されて)VRAM106dに転送される。これにより被写体のプレビュー画像がディスプレイ106c(LCD表示部401の表示面)にモニタ表示される。また、表示スイッチ210dに操作によりLCD表示部207の表示が指示されると、全体表示部108に読み出された各フレーム画像のデータがディスプレイ106aの表示サイズに調整されて(すなわち、192万画素の画像データが略30.7万画素の画像データに調整されて)VRAM106bに転送され、これにより被写体のプレビュー画像がディスプレイ106a(LCD表示部207の表示面)にもモニタ表示される。
【0079】
更にメニュースイッチ210cの操作によりメニュー表示が指示されると、全体制御部108内のR0M108aに記憶されたメニュー画面の画像データがVRAM106bに読み出され、これによりディスプレイ106aの表示内容がメニュー画面に切り換えられる。
【0080】
再生モードでは全体制御部108によりメモリカードMCに記録された各コマ画像ファイルから撮影画像のサムネイル画像が読み出され、所定のフォーマットに従って配列されてインデックス表示用の画像データが作成され、その画像データがVRAM106bに読み出される。これによりディスプレイ106aにはメモリカードMCに記録された撮影画像の一覧が表示される。そして、4連スイッチ209の操作により再生すべきコマが指定されると、メモリカードMCに記録されたそのコマに対応する画像ファイルに記録された撮影画像の画像データが読み出され、ディスプレイ106aの表示サイズに調整されてVRAM106bに転送される。これにより撮影画像がディスプレイ106a(LCD表示部207の表示面)に再生表示される。
【0081】
操作部107はカメラ本体2に設けられた撮影や再生に関する操作部材の操作情報を全体制御部108に入力するものである。操作部107から入力される操作情報にはシャッタボタン206、電源スイッチ208、4連スイッチ209、スイッチ群210等の各操作部材の操作情報が含まれる。
【0082】
全体制御部108はデジタルスチルカメラ1の有する撮影機能及び再生機能を集中制御するものである。全体制御部108にはカードインターフエース109を介してメモリカードMCが接続されている。また、通信用インターフェース110を介してパーソナルコンピュータPCが外部接続されるようになっている。
【0083】
全体制御部108はマイクロコンクピュータからなり、撮影機能及び再生機能における種々の具体的な処理を行なうための処理プログラムや上述の撮像部102、信号処理部103、発光制御部104、レンズ制御部105、表示部106等の駆動を制御するための制御プログラムが記憶されたROM108aと処理プログラム及び制御プログラムに従って種々の演算作業を行なうためのRAM108bを備えている。
【0084】
全体制御部108の行なう具体的な処理には、ライブビュー画像を取り込んだり、被写体を撮影する際の露出制御値(CCD102aの露光時間Tv〔Ev値〕と絞り101cの絞り値Av〔APEX値〕)を算出する処理(露出制御値演算処理)、記録モードにおいてCCD102aから画像メモリ103fに取り込まれたライブビュー画像を電子ビューファイダ4に表示したり、再生モードにおいてメモリカードMCから画像メモリ103fに読み出した記録画像をLCD表示部207に表示する処理(画像表示処理)、記録モードにおいてCCD102aから画像メモリ103fに取り込まれた撮影画像をカードメモリMCに記録する処理(記録処理)したり、再生モードにおいてメモリカードMCから再生すべき撮影画像を画像メモリ103fに読み出す処理(再生処理)、ボケ味調整モード等の特殊撮影モードにおいて連続して露光動作を行なわせる処理(特殊露光制御処理)等が含まれる。
【0085】
なお、プレビュー画像にモニタ表示及びメモリカードMCに記録された撮影画像の再生表示の表示方法については後述する。
【0086】
露出値演算部108c、表示制御部108d、記録制御部108e、再生制御部108f及び特殊露光制御部108gは全体制御部108における上述の各処理を機能ブロックで表わしたものである。
【0087】
露出値定部108cは露出値演算処理を行なうもので、ライブビュー画像のGの色成分の画像データを用いて被写体の輝度を判定し、その判定結果に基づいて露出制御値を演算する。
【0088】
表示制御部108dは画像表示処理を行なうもので、上述の表示部106の表示動作、すなわち、画像メモリ103fに一時保存されている画像データを読み出し、必要に応じて画像サイズを表示先の画像サイズに調整した後、VRAM106cまたはVRAM106dに転送する動作を行なう。
【0089】
記録制御部108eは記録処理を行なうものである。記録制御部108eは、通常撮影モードにおいて、シャッタボタン206により撮影が指示されると、撮影指示後に画像メモリ103fに一時記憶された画像データ(静止画の画像データ)をRAM108bに読み出し、例えば2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG方式による所定の圧縮処理を行なって記録用の画像データを作成する。また、画像メモリ103fから縦横両方向でそれぞれ8画素毎に画素データをRAM108bに読み出すことで、画素数200×150のサムネイル画像を作成する。更に、これらの記録用の画像データに付随して記録される撮影画像に関するタグ情報を作成する。このタグ情報にはレンズ名称、コマ番号、撮影時の焦点距離、撮影時のFナンバー、焦点位置、被写体輝度、ホワイトバランス調整値、撮影モード、圧縮率、撮影日、フラッシュ発光の有無等が含まれる。
【0090】
そして、記録制御部108eは圧縮された撮影画像及びサムネイル画像の画像データにタグ情報を添付してEXIF(Exchangeable Image File Format)形式の画像ファイルを作成し、この画像ファイルをメモリカードMCに記録する。
【0091】
ボケ味調整モード、階調調整モード及び超解像モードの撮影モードにおいては、撮影画像がA/D変換された後に画像ファイルが作成されてメモリカードMCに記録される。
【0092】
これらの撮影モードでは1回のシャッタ操作で2枚の撮影画像A,Bが生じるので、各撮影画像A,Bについて非圧縮のTIFF(Tag Image File Format)形式の画像ファイルが作成されてそれぞれメモリカードMCに記録される。また、撮影画像A,Bはボケ味や階調や解像度などの優れた画像を生成するために用いられるので、両画像ファイルのタグ情報には画像合成用の撮影画像であることが認識できる情報が含まれる。また、撮影画像A,Bは画像合成によって画質を改善するためのものであるから、画質の低下要因となる圧縮処理は行なわないで、全画素データがそのまま記録される。
【0093】
図8は、メモリカードMCに記録された画像ファイルの構成例を示すものである。
【0094】
同図において、「P000001.TIF」、「P000002.TIF」等は画像ファイル名を示している。本実施形態では画像ファイル名を「PX.Y」で表記しており、「PX.Y」の「X」は画像ファイルが作成された順番を示す6桁の番号であり、「Y」は画像データの形式を示す記号である。「Y」に入る記号「TIF」はCCDから出力される画素データをそのまま記録する形式のデータであることを示し、記号「JPG」はJPEG形式で圧縮されたデータであることを示している。
【0095】
また、ボケ味調整モード、階調調整モード及び超解像モードでは連続して2枚の撮影画像が取り込まれ、これらの画像データについてそれぞれ画像ファイルが作成されるから、本実施形態では両画像ファイルを1つのホルダに纏めてメモリカードMCに記録するようになっている。従って、「1b」及び「2b」、「1t」、「2h」等はそれぞれボケ味調整モード、階調調整モード及び超解像モードで撮影された画像ファイルのホルダ名を示している。
【0096】
なお、本実施形態ではホルダ名を「Ni」で表記しており、「Ni」の「i」は撮影モードを示す記号(b,t,h)であり、「N」は各撮影モードにおける撮影順を示す番号である。例えば「1b」はボケ味調整モードで最初に撮影された画像の画像データが格納されたホルダであることを示し、「2b」はボケ味調整モードで2番目に撮影された画像の画像データが格納されたホルダであることを示している。
【0097】
従って、図8は、ボケ味調整モードで撮影され、作成された2個のホルダ1b,2bと階調調整モード及び超解像モードでそれぞれ撮影され、作成されたホルダ1t,1hと通常撮影モードで撮影され、作成された2個の画像ファイル1n,2nとがホルダPに纏められてメモリカードMCに保存されていることを示している。
【0098】
図9は、メモリカードMCへの画像ファイルの記録方法を示す図である。
【0099】
メモリカードMCの先頭の記憶領域にはホルダー情報と各ホルダーに属する画像ファイルの情報とを記憶するインデックス領域が設けられ、その後の領域に各画像ファイルがファイル番号Xの順に記憶されている。
【0100】
メモリカードMCにおける各画像ファイルの記録領域は3つの領域からなり、上から各領域にタグ情報のデータ、撮影画像のデータ及びサムネイル画像のデータが記憶される。タグ情報データ及びサムネイル画像データのデータサイズは画像ファイルによって変化しないが、撮影画像のデータサイズは圧縮率や撮影モードによって変化する。このため、メモリカードMCの画像ファイルの記憶領域に記憶可能なファイル数は各画像ファイルの撮影画像データのデータサイズによって変化する。
【0101】
再生制御部108fはメモリカードMCに記録された撮影画像のLCD表示部207への再生処理を行なうものである。再生制御部108fは、電源スイッチ208により再生モードが設定されると、メモリカードMCに記録された各画像ファイルからサムネイル画像を読み出し、順次、所定のインデックスフォーマットに従ってVRAM106bに記憶する。例えば1ページ当たり、9枚のサムネイル画像が3×3に2次配列されるようにVRAM106bに記憶する。従って、これによりLCD表示部207に9枚の2次元配列されたサムネイル画像がインデックス表示される。
【0102】
なお、撮影モードがボケ味調整モード、階調調整モード及び超解像モードである対関係の画像ファイルについては、両画像ファイルに同一のサムネイル画像が記憶されているので、一方の画像ファイルのみからサムネイル画像が読み出される。
【0103】
インデックス表示されたサムネイル画像に対して再生すべきコマのサムネイル画像が4連スイッチ209及びスイッチ群210によって指定されると、再生処理部108fは、そのコマに対応する画像ファイルから撮影画像のデータを読み出し、そのコマが通常撮影モードの場合は、データが圧縮されているので、所定の伸長処理を行なった後、画像メモリ103fに記憶し、そのコマが通常撮影モードでない場合は、データは圧縮されていないので、そのまま画像メモリ103fに記憶する。この画像メモリ103fに読み出されたデータは、上述したように表示制御部108dによりデータサイズが調整されてVRAM106bに転送され、これによりLCD表示部207に再生表示される。
【0104】
なお、再生すべきコマがボケ味調整モードで撮影されたコマである場合は、ピントの合っている撮影画像(本実施形態では後述するように2回目に撮影された画像)の画像ファイルから撮影画像のデータが読み出され、階調調整モード及び超解像モードで撮影されたコマである場合は、対応する画像ファイルの内、いずれか一方の画像ファイルから撮影画像のデータが読み出される。
【0105】
次に、本発明に係るデジタルスチルカメラ1の特殊撮影モードにおける撮影画像のモニタ表示(アフタービュー表示)について説明する。
【0106】
図10はボケ味調整モードでの静止画の撮影手順を示すフローチャートである。
【0107】
ボケ味調整モードにおいて、シャッタボタン206が半押しされると(#1でYES)、静止画撮影のための準備が行なわれる。すなわち、絞り101cの絞り値が開放絞り値(例えばF=2.8)に設定され(#3)、レンズ101の焦点が∞位置に調節される(#5)。また、CCD102aの露光時間が設定され、ホワイトバランス調整が行なわれる(#7)。
【0108】
この状態でシャッタボタン206が全押しされると(#9でYES)、CCD102aをステップ#7で設定された露光時間だけ露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#11)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#13)。この撮影画像はレンズ101の焦点を∞位置に調節しているので、画面の広い範囲でピントが合った画像となっている。
【0109】
続いて、全体制御部108の表示制御部108dにより画像メモリ103fからRAM108bに画像データが読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に表示される(#15)。この表示処理は撮影直後に撮影画像をモニタできるようにするためのもので、最初の撮影画像が所定の時間(例えば2秒間)だけ表示される。
【0110】
最初の撮影画像をモニタ表示しているのは、アフタービュー表示は撮影者が撮影直後に撮影画像の内容を確認し、撮り直しの要否を判断したいという要望を満たすものであるから、撮影者のシャッタ操作の最も近いタイミングで撮影され、しかも最もピント範囲を広くして撮影されている最初の撮影画像を表示させることがアフタービュー表示の目的にそうものと考えられるからである。従って、このようなアフタービュー表示との関係を考慮して、最初の撮影では絞り101cの絞り値を開放絞り値にして被写界深度を最も浅くするようにしている。
【0111】
続いて、レンズ101の焦点が、例えば被写体距離3mに対応する焦点位置に調節され(#17)、更にCCD102aの露光時間が設定されるとともに、ホワイトバランス調整が行なわれる(#19)。
【0112】
そして、CCD102aをステップ#19で設定された露光時間だけ露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#21)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#23)。この撮影画像はレンズ101の焦点を被写体距離3mに対応する焦点位置に調節しているので、ほぼ画面内の主被写体に対しピントが合っている。
【0113】
続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された最初の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、最初の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと最初の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。また、メモリカードMCにボケ味調整モードでの撮影画像に対するホルダが作成され、このホルダ内に最初の撮影画像の画像ファイルが記憶される(#25、図8参照)。
【0114】
なお、この撮影画像に対するタグ情報の撮影モードには「ボケ味調整モード1/2」(図8参照)のように、ボケ味調整モードで1回目に撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0115】
続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された2回目の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、2回目の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと2回目の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。そして、この画像ファイルはメモリカードMCの最初の撮影画像が格納されたホルダ内に記憶される(#27)。これにより撮影処理は終了し、撮影待機状態(ライブビュー画像の表示状態)に戻る。
【0116】
なお、ボケ味調整モードで撮影された2枚目の撮影画像に付いてもタグ情報の撮影モードには「ボケ味調整モード2/2」のように、ボケ味調整モードで撮影されたものであることを示す情報が付与される。このように撮影モードに関する情報をタグ情報に入れているのは、通常撮影モードの撮影画像と識別するとともに、後述するように画像処理装置でこの画像ファイルが選択されたとき、自動的にボケ味調整処理の処理プログラムを起動して直ちにボケ味調整処理ができるようにするためである。
【0117】
なお、この実施形態では、最初に遠景側に焦点を合わせた後、2回目に近景側に焦点を合すようにしているが、合焦位置の変更順はこの逆であってもよい。なお、カメラ起動後、ボケ味調整モードで撮影が行なわれる場合、カメラ起動時はフォーカス用レンズ101aが∞位置に初期設定されるので、最初の撮影では遠景側に焦点を合わせる方がフォーカス制御の無駄が無く、合理的である。
【0118】
また、2回目の撮影では合焦位置をカメラから3mの位置に固定しているが、これはボケ味調整処理により任意のピント状態の合成画像が作成されるので、合成前の撮影画像の合焦位置を正確に決定する必要性が低いことと、フォーカス制御の処理時間を出来るだけ短くして連続撮影を迅速に行なえるようにすることを考慮したものであり、合焦位置としてカメラからの距離を他の距離に固定してもよく、AF処理を行い、正確に主被写体までの距離としてもよい。
【0119】
図11は、階調調整モードでの静止画の撮影手順を示すフローチャートである。
【0120】
階調調整モードにおいて、シャッタボタン206が半押しされると(#31でYES)、静止画撮影のための準備が行なわれる。すなわち、レンズ101の焦点が主被写体に調節されるとともに、ライブビュー画像を用いて露出制御値(Tv,Av)が算出され、ホワイトバランス調整値が設定される(#33)。
【0121】
この状態でシャッタボタン206が全押しされると(#35でYES)、ステップ#33で設定されたシャッタスピードTv(EV値)より2段階アンダーのシャッタスピード(Tv−2)が設定され(#37)、このシャッタスピードに相当する露光時間だけCCD102aを露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#39)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#41)。この撮影画像はCCD102の露光時間を適正値より短くしているので、全体的に暗い画像となっている。
【0122】
続いて、ステップ#33で設定されたシャッタスピードTv(EV値)より2段階オーバーのシャッタスピード(Tv+2)が設定され(#43)、このシャッタスピードに相当する露光時間だけCCD102aを露光して被写体の静止画画像が取り込まれる(#45)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#47)。この撮影画像はCCD102の露光時間を適正値より長くしているので、全体的に明るい画像となっている。
【0123】
続いて、全体制御部108の表示制御部108dにより画像メモリ103fから1回目の撮影画像Aの画像データと2回目の撮影画像Bの画像データとがRAM108bに読み出され、両撮影画像の平均濃度を有する画像C(以下、平均濃度画像Cという。)の画像データが作成される(#49)。すなわち、撮影画像Aを構成する画素データをga(i,j)(i=1,2,…n,j=1,2,…m)、撮影画像Bを構成する画素データをgb(i,j)とすると、gc(i,j)={ga(i,j)+gb(i,j)}/2を演算することで平均濃度画像Cの画像データが作成される。
【0124】
この画像データはデータサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に表示される(#51)。この表示処理は撮影直後に撮影画像をモニタできるようにするためのもので、平均濃度画像Cの表示は所定の時間(例えば2秒間)だけ行われる。
【0125】
なお、階調調整モードでは、モニタ画像として平均濃度画像Cを用いているのは、1回目と2回目の撮影画像の濃度はそれぞれ適正濃度よりそれぞれ−側と+側にずれており、いずれもモニタ表示には適していないからである。また、平均値演算という簡易演算により正規の画像合成処理に近似した処理画像を作成してアフタービュー表示をさせることで、比較的適正な濃度を有する画像を撮影終了後に速やかにモニタ表示させることができるようにしている。
【0126】
なお、本実施形態では画像合成処理に近似した処理として平均値演算をしているが、他の簡易演算、例えば最初の撮影画像と2回目の撮影画像との露出のバランスに応じた重みを付加した加重平均演算をするようにしてもよい。
【0127】
続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された最初の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、最初の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと最初の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。また、メモリカードMCに階調調整モードでの撮影画像に対するホルダが作成され、このホルダ内に最初の撮影画像の画像ファイルが記憶される(#53、図8参照)。
【0128】
なお、この撮影画像に対するタグ情報の撮影モードには「階調調整モード1/2」のように、階調調整モードで1回目に撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0129】
続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された2回目の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、2回目の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと2回目の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。そして、この画像ファイルはメモリカードMCの最初の撮影画像が格納されたホルダ内に記憶される(#55)。これにより撮影処理は終了し、撮影待機状態(ライブビュー画像の表示状態)に戻る。
【0130】
なお、階調調整モードで撮影された2枚目の撮影画像に付いてもタグ情報の撮影モードには「階調調整モード2/2」のように、階調調整モードで撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0131】
この実施形態では、適正な露出制御に対して±2段階だけずらした露出値で連続的に2枚の画像を撮影するようにしているが、適正露出値からのずれ量はこれに限定されるものではない。また、プラス/マイナスのずれ量を異なるようにしてもよく、撮影者がずれ量を設定できるようにしても良い。
【0132】
図12は、超解像モードでの静止画の撮影手順を示すフローチャートである。
【0133】
超解像モードにおいて、シャッタボタン206が半押しされると(#61でYES)、静止画撮影のための準備が行なわれる。すなわち、レンズ101の焦点が主被写体に調節されるとともに、ライブビュー画像を用いて露出制御値(Tv,Av)が算出され、ホワイトバランス調整値が設定される(#63)。
【0134】
この状態でシャッタボタン206が全押しされると(#65でYES)、ステップ#63で設定されたシャッタスピードTvに相当する露光時間だけCCD102aを露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#67)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#69)。
【0135】
続いて、ステップ#63で設定されたシャッタスピードTvに相当する露光時間だけCCD102aを露光して再度、被写体の静止画像が取り込まれる(#71)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#73)。この撮影画像は1回目の撮影画像と撮影条件は同じであるが、撮影タイミングが異なるため、1回目の撮影画像に対して撮影アングルが僅かに異なったものとなっている点で相違している。
【0136】
続いて、全体制御部108の表示制御部108dにより画像メモリ103fから最初の撮影画像がRAM108bに読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に表示される(#75)。この表示処理は撮影直後に撮影画像をモニタできるようにするためのもので、最初の撮影画像のモニタ表示は所定の時間(例えば2秒間)だけ行われる。また、2枚の画像を合成して解像度の高い画像を作成するには処理時間を要し、モニタ表示には適さないので、ステップ#75では処理前の撮影画像を直接表示するようにしている。
【0137】
なお、2回目の撮影(#71)をアフタービュー表示(#75)より先に行なうことにより、1回目と2回目のカメラアングルの相違が大きくなりすぎることを防止する効果がある。
【0138】
続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された最初の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、最初の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと最初の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。また、メモリカードMCに超解像モードでの撮影画像に対するホルダが作成され、このホルダ内に最初の撮影画像の画像ファイルが記憶される(#77、図8参照)。
【0139】
なお、この撮影画像に対するタグ情報の撮影モードには「超解像モード1/2」のように、超解像モードで1回目に撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0140】
続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された2回目の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、2回目の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと2回目の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。そして、この画像ファイルはメモリカードMCの最初の撮影画像が格納されたホルダ内に記憶される(#79)。これにより撮影処理は終了し、撮影待機状態(ライブビュー画像の表示状態)に戻る。
【0141】
次に、本発明に係るデジタルスチルカメラ1の再生モードにおける表示処理について説明する。
【0142】
本実施形態では、上述のようにカメラ側で画像合成処理まで行わず、画像合成用に撮影された2枚の撮影画像をホルダに纏めてメモリカードMCに記録するようにしているので、再生モードにおける各コマの撮影画像の表示部207への再生では、アフタービュー表示と同じ内容の画像が表示されるようになっている。
【0143】
図13,図14は、再生モードにおける表示処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【0144】
第1の実施形態に係る再生表示処理は、設定されている撮影モードで撮影されたコマについて記録された順にコマ送りを可能にし(各コマの画像ファイル若しくはフォルダは記録時の時刻が付されて記録媒体に記録されており、この記録時刻順のコマ送りを可能にする)、設定された撮影モードの中で記録順に撮影画像の再生処理を行うものである。すなわち、デジタルスチルカメラ1では通常撮影モード、ボケ味調整モード、階調調整モード及び超解像モードのいずれかの撮影モードが設定されるが、例えば通常撮影モードが設定されていると、再生モードでは通常撮影モードで撮影された画像の中から指定されたコマを画像がLCD表示部207に再生表示され、ボケ味調整モードが設定されていると、再生モードではボケ味調整モードで撮影された画像の中か指定されたコマの画像がLCD表示部207に再生表示されるようになっている。
【0145】
この再生処理は、撮影モードが分かっているとき、その撮影モードで撮影されたコマの中から所望のコマを検索して再生させる際の操作性を考慮したものである。撮影者は記録モードで撮影モードを所望の撮影モード(例えばボケ味調整モード)に設定した後、再生モードに切り換えれば、その撮影モード(ボケ味調整モード)で撮影された画像の中から比較的早く所望のコマを検索してLCD表示部207に再生表示させることができる。
【0146】
第1の実施形態に係る再生表示処理では、再生モードが設定されると、まず、設定されている撮影モードが判別され(#81,#93,#105)、ボケ味調整モードが設定されていると(#81でYES)、ボケ味調整モードで撮影されたコマの中から最初にボケ味調整モードで撮影されたコマのフォルダが検索される(#83)。そして、そのフォルダに格納された1回目の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像のデータがRAM108bに読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に再生表示される(#85)。
【0147】
この後、4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれると(#87でYES)、その操作に応じてボケ味調整モードで撮影されたコマの中からで順次、コマが送られて各フォルダに含まれる1回目の撮影画像がLCD表示部207に再生表示される(#85,#87,#89のループ)。4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれず、再生モードで可能な他の操作(例えば画像データの削除等)が指示されると(#87でNO)、その操作に対応した処理が行なわれる(#87,#91のループ)。
【0148】
階調調整モードが設定されていると(#81でNO,#93でYES)、階調調整モードで撮影されたコマの中から最初に階調調整モードで撮影されたコマが検索され(#95)、そのコマのフォルダに格納された1回目の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像と2回目の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像のデータがRAM108bに読み出され、両サムネイル画像のデータの平均演算により平均濃度画像が作成される。そして、この平均濃度画像はデータサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に再生表示される(#97)。
【0149】
この後、4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれると(#87でYES)、その操作に応じて階調調整モードで撮影されたコマの中から順次、コマが送られて各コマのサムネイル画像により作成された平均濃度画像がLCD表示部207に再生表示される(#97,#99,#101のループ)。4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれず、再生モードで可能な他の操作(例えば画像データの削除等)が指示されると(#99でNO)、その操作に対応した処理が行なわれる(#99,#103のループ)。
【0150】
超解像モードが設定されていると(#81,#93でNO,#105でYES)、超解像モードで撮影されたコマの中から最初に超解像モードで撮影されたコマが検索され(#107)、そのコマのフォルダに格納された1回目の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像のデータがRAM108bに読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に再生表示される(#109)。
【0151】
この後、4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれると(#111でYES)、その操作に応じて超解像モードで撮影されたコマの中から順次、コマが送られて各コマのフォルダに含まれる1回目の撮影画像がLCD表示部207に再生表示される(#109,#111#113のループ)。4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれず、再生モードで可能な他の操作(例えば画像データの削除等)が指示されると(#111でNO)、その操作に対応した処理が行なわれる(#111,#115のループ)。
【0152】
通常撮影モードが設定されていると(#81,#93,#105でNO)、通常撮影モードで撮影された画像ファイルの中から最初に通常撮影モードで撮影された画像ファイルが検索され(#117)、その画像ファイルに含まれるサムネイル画像のデータがRAM108bに読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に再生表示される(#119)。
【0153】
この後、4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれると(#121でYES)、その操作に応じて通常撮影モードで撮影された画像ファイルの中から順次、コマが送られて各々、サムネイル画像がLCD表示部207に再生表示される(#119,#121,#123のループ)。4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれず、再生モードで可能な他の操作(例えば画像データの削除等)が指示されると(#121でNO)、その操作に対応した処理が行なわれる(#121,#125のループ)。
【0154】
図15は、再生モードにおける表示処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【0155】
第2の実施形態に係る再生表示処理は、撮影モードに関係なく記録媒体に記録された順番にコマ送りを可能にし、記録順に画像ファイルもしくはフォルダの再生表示を行うものである。この実施形態では、第1の実施形態のように撮影モードを切り換えることなく全てのコマを検索することができる利点がある。
【0156】
第2の実施形態に係る再生表示処理では、再生モードが設定されると、まず、全てのコマの中から最初に記録媒体に記録されたコマが検索される(#131)。続いて、そのコマがフォルダであるか否か(特殊撮影モードで撮影されたコマであるか否か)が判別され(#133)、最初のコマがフォルダであれば(#133でYES)、そのフォルダに含まれる1回目の撮影画像の画像ファイルからタグ情報が読み込まれ(#135)、最初のコマが画像ファイルであれば(#133でNO)、その画像ファイルからタグ情報が読み込まれる(#137)。
【0157】
続いて、読み出したタグ情報から撮影モードが判別され(#139,#143,#147)、そのコマの撮影モードがボケ味調整モードであれば(#139でYES)、そのフォルダに格納された1回目の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像のデータがRAM108bに読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に再生表示される(#141)。
【0158】
また、そのコマの撮影モードが階調調整モードであれば(#139でNO,#143でYES)、そのフォルダに格納された1回目の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像と2回目の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像のデータがRAM108bに読み出され、両サムネイル画像のデータの平均演算により平均濃度画像が作成される。そして、この平均濃度画像はデータサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に再生表示される(#145)。
【0159】
また、そのコマの撮影モードが超解像モードであれば(#139,#143でNO,#147でYES)、そのフォルダに格納された1回目の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像のデータがRAM108bに読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に再生表示される(#149)。
【0160】
また、そのコマの撮影モードが通常撮影モードであれば(#139,#143,#147でNO)、その画像ファイルに含まれるサムネイル画像のデータがRAM108bに読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に再生表示される(#151)。
【0161】
そして、この後、4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれると(#153でYES)、ステップ#131に戻り、その操作に応じて記録順の先のコマもしくは記録順の後のコマが検索され、そのコマについてタグ情報に基づき撮影モードの判別(#135〜#139,#143,#147)とその判別結果に基づく撮影モードに対応した再生処理(#141,#145,#149,#151)とが行われる。
【0162】
一方、4連スイッチ209により順方向もしくは逆方向にコマ送り操作が行なわれず、再生モードで可能な他の操作(例えば画像データの削除等)が指示されると(#153でNO)、その操作に対応した処理が行なわれる(#153,#155のループ)。
【0163】
上記のように、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ1では、ボケ味調整モードにおいては最初の撮影画像が画像メモリ103fに格納された時点で、また、超解像モードにおいては2枚の撮影画像が画像メモリ103fに格納された時点で最初の撮影画像をLCD表示部207にモニタ表示させるようにしているので、露光動作の終了後、比較的早く撮影画像をモニタ表示させることができる。
【0164】
特に最初の撮影画像をモニタ表示させるようにしているので、撮影者はシャッタチャンスとして撮影した画像に最も近い画像を確認することができる。また、ボケ味撮影モードでは最初の撮影で被写界深度を最も深くし、ピントの合う範囲が最も広い画像を撮影するようにしているので、ピントずれの画像がモニタ表示されてアフタービュー表示の効果を低下させることもない。
【0165】
また、階調調整モードにおいては2枚の撮影画像が画像メモリ103fに格納された時点で、平均演算により両撮影画像の平均濃度を有する画像を作成し、その平均濃度画像をLCD表示部207にモニタ表示させるようにしているので、露光動作の終了後、比較的早く、適正な階調特性を有する撮影画像をモニタ表示させることができる。
【0166】
再生モードでは、撮影モード単位で撮影コマの画像を表示させるようにしているで、予め撮影モードが分かっている場合は、撮影モードを指定することで所望の撮影コマを迅速に検索して再生することができる。また、アフタービュー表示と同様に、特殊撮影モードで撮影されたコマの再生は2枚の撮影画像のうち、1の撮影画像を再生させるようにしているので、すなわち、撮影モードに関係なく各コマに対して1の画像を表示させるようにしているので、コマ送りをした場合にも撮影コマと撮影内容とが相違することがない。
【0167】
ところで、上記実施形態では、特殊撮影モードで撮影された画像の再生表示は、ホルダに格納された2個の画像ファイルのうち、1の画像ファイルに含まれるサムネイル画像を表示したり、両画像ファイルに含まれる2枚のサムネイル画像の簡単な合成演算により得られる合成画像をLCD表示部207に表示させるようにしていたが、特殊撮影モードで撮影されたコマの撮影画像について画像ファイルを作成する際、図16に示すように表示用の画像ファイルを別途作成して両画像ファイルを記録媒体に記録しておき、再生モードでは、指定されたコマの表示用の画像ファイルを開いて画像を再生するようにしてもよい。
【0168】
なお、図16において、画像ファイル名「1b.THM」は、ボケ味調整モードで撮影された最初のコマに対する表示用の画像の画像ファイルを示し、画像ファイル名「2b.THM」は、ボケ味調整モードで撮影された2番目のコマに対する表示用の画像の画像ファイルを示している。また、画像ファイル名の「THM」は、ファイルの内容がサムネイル画像であることを示している。画像ファイル「1b.THM」には、ホルダ「1b」に含まれる最初の撮影画像の画像ファイル「P000001.TIF」に含まれるサムネイル画像の画像データと同一の画像データが格納されている。
【0169】
同様に画像ファイル名「1t.THM」は、階調調整モードで撮影された最初のコマに対する表示用の画像の画像ファイルを示している。画像ファイル「1t.THM」には、ホルダ「1t」内の2個の画像ファイル「P000005.TIF」,「P000005.TIF」にそれぞれ含まれる2枚のサムネイル画像を用いて簡単な合成演算により作成された表示用の合成画像と同一の画像データが格納されている。
【0170】
なお、本実施形態では、超解像モードや通常撮影モードについては、ファイル自身に含まれるサムネイル画像で表示されるため、表示用の画像の画像ファイルは設けていない。
【0171】
図17は、ボケ味調整モードにおける撮影処理で表示用の画像の画像ファイルを作成するようにしたフローチャートである。
【0172】
同図は、図10のフローチャートにおいて、ステップ#25とステップ#27との間にホルダ「Nb」に格納された最初の撮影画像の画像ファイル「PX.TIF」に含まれるサムネイル画像と同一のサムネイル画像について別の画像ファイル「Nb.THM」を作成し、この画像ファイル「Nb.THM」をホルダ「Nb」に格納する処理を挿入したものである。なお、このフローチャートの他のステップの処理内容は、図10のフローチャートと同一であるから、ここでは説明を省略する。
【0173】
また、図18は、階調調整モードにおける撮影処理で表示用の画像の画像ファイルを作成するようにしたフローチャートである。
【0174】
同図は、図11のフローチャートにおいて、ステップ#55の後にステップ#49で作成された平均濃度を有するサムネイル画像について別の画像ファイル「Nt.THM」を作成し、この画像ファイル「Nt.THM」を階調調整モードで撮影された2枚の撮影画像の画像ファイルが格納されたホルダ「Nt」に格納する処理を挿入したものである。なお、ステップ#57の処理は、ステップ#53とステップ#55との間に挿入してもよい。このフローチャートの他のステップの処理内容は、図11のフローチャートと同一であるから、ここでは説明を省略する。
【0175】
図19,図20は、特殊撮影モードで撮影されたコマに表示用の画像ファイルが作成されている場合の再生モードにおける再生処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【0176】
同図は、図13,図14のフローチャートにおいて、ステップ#83とステップ#87との間に表示用の画像の画像ファイル(以下、この画像ファイルをサムネイルファイルという。)の有無を判別する処理ステップ#84−1とサムネイルファイルが存在する場合にそのサムネイルファイルを開いて表示用の画像をLCD表示部207に表示させる処理ステップ#84−2を、また、ステップ#95とステップ#97との間にサムネイルファイルの有無を判別する処理ステップ#96−1とサムネイルファイルが存在する場合にそのサムネイルファイルを開いて表示用の画像をLCD表示部207に表示させる処理ステップ#96−2を挿入したものである。
【0177】
このフローチャートでは、ボケ味調整モードで再生が指示されたコマ(再生モード設定時の初期設定コマを含む)に対してホルダ内にサムネイルファイルが存在するか否かが判別され(#84−1)、サムネイルファイルが存在すれば(#84−1でYES)、そのサムネイルファイルを開いて表示用の画像(サムネイル画像)がLCD表示部207に表示され(#84−2)、サムネイルファイルが存在しなければ(#84−1でNO)、ホルダ内の最初の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像がLCD表示部207に表示される(#85)。
【0178】
また、階調調整モードで再生が指示されたコマ(再生モード設定時の初期設定コマを含む)に対してホルダ内にサムネイルファイルが存在するか否かが判別され(#96−1)、サムネイルファイルが存在すれば(#96−1でYES)、そのサムネイルファイルを開いて表示用の画像(最初の撮影画像のサムネイル画像と2回目の撮影画像のサムネイル画像とを合成して作成された平均濃度を有するサムネイル画像)がLCD表示部207に表示され(#96−2)、サムネイルファイルが存在しなければ(#96−1でNO)、ホルダ内の最初の撮影画像のサムネイル画像と2回目の撮影画像のサムネイル画像とを合成して表示用の平均濃度を有するサムネイル画像を作成し、そのサムネイル画像がLCD表示部207に表示される(#94)。
【0179】
図21,図22は、特殊撮影モードで撮影されたコマに表示用の画像ファイルが作成されている場合の再生モードにおける再生処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【0180】
同図は、図15のフローチャートにおいて、ステップ#139とステップ#153との間にサムネイルファイルの有無を判別する処理ステップ#140−1とサムネイルファイルが存在する場合にそのサムネイルファイルを開いて表示用の画像をLCD表示部207に表示させる処理ステップ#140−2を、また、ステップ#143とステップ#153との間にサムネイルファイルの有無を判別する処理ステップ#144−1とサムネイルファイルが存在する場合にそのサムネイルファイルを開いて表示用の画像をLCD表示部207に表示させる処理ステップ#144−2を挿入したものである。
【0181】
このフローチャートでは、ボケ味調整モードで撮影されたコマの再生が指示されると(#139でYES)、そのホルダ内にサムネイルファイルが存在するか否かが判別され(#140−1)、サムネイルファイルが存在すれば(#140−1でYES)、そのサムネイルファイルを開いて表示用の画像(サムネイル画像)がLCD表示部207に表示され(#140−2)、サムネイルファイルが存在しなければ(#140−1でNO)、ホルダ内の最初の撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像がLCD表示部207に表示される(#141)。
【0182】
また、階調調整モードで撮影されたコマの再生が指示されると(#143でYES)、そのホルダ内にサムネイルファイルが存在するか否かが判別され(#144−1)、サムネイルファイルが存在すれば(#144−1でYES)、そのサムネイルファイルを開いて表示用の画像(最初の撮影画像のサムネイル画像と2回目の撮影画像のサムネイル画像とを合成して作成された平均濃度を有するサムネイル画像)がLCD表示部207に表示され(#144−2)、サムネイルファイルが存在しなければ(#144−1でNO)、ホルダ内の最初の撮影画像のサムネイル画像と2回目の撮影画像のサムネイル画像とを合成して表示用の平均濃度を有するサムネイル画像を作成し、そのサムネイル画像がLCD表示部207に表示される(#145)。
【0183】
この実施形態では、各撮影画像の画像ファイルに含まれるサムネイル画像とは別に表示用のサムネイル画像の画像ファイルを作成しているので、再生モードでの再生処理を迅速に行なうことができる。また、操作ミスにより表示用の画像の画像ファイルを消失した場合にも画像ファイルに含まれるサムネイル画像を用いて再生モードでの再生処理を行なうことができる利点がある。
【0184】
次に、特殊撮影モードで撮影された2枚の撮影画像を用いて画像合成を行なう画像処理装置について簡単に説明する。
【0185】
図23は、特殊撮影モードで撮影された2枚の撮影画像について特殊撮影モードに応じた画像合成処理を行なう画像処理装置の構成を示す外観図である。
【0186】
同図に示す画像処理装置6は、パーソナルコンピュータ7とその出力装置であるプリンタ8とで構成されている。
【0187】
パーソナルコンピュータ7(以下、パソコン7という。)は、FDドライバ701a、メモリカードリーダ701b及びCD−ROMドライバ701cを備えたコンピュータ本体701(以下、パソコン本体701という。)とCRT若しくはLCDからなるディスプレイ702とキーボード703とマウス704とで構成されている。
【0188】
パソコン7は、ボケ味調整モードで撮影された2枚の撮影画像を合成して所望のボケ具合を有する撮影画像を作成するための処理プログラム(以下、ボケ味調整処理プログラムという。)、階調調整モードで撮影された2枚の撮影画像を合成して所望の階調を有する撮影画像を作成するための処理プログラム(以下、階調調整処理プログラムという。)及び超解像モードで撮影された2枚の撮影画像を合成して解像度の高い撮影画像を作成するための処理プログラム(以下、超解像処理プログラムという。)等の画像合成用の処理プログラムが記録されたCD−ROM9をCD−ROMドライバ701cに装着し、この画像合成用の処理プログラムをパソコン本体701内のハードディスク(主記憶装置)にインストールすることにより画像処理装置として機能する。
【0189】
なお、本実施形態では、CD−ROM9に記録された処理プログラムをコンピュータ7にインストールすることにより画像処理装置を構成するようにしているが、予め装置本体の主記憶装置に処理プログラムが記憶された専用の画像処理装置であってもよい。
【0190】
画像合成用の処理プログラムによる2枚の撮影画像の合成処理手順や合成された画像(ボケ具合や階調が調整された画像若しくは高解像度の画像)は、ディスプレイ702に表示される。また、合成後の画像はプリンタ8によってハードコピーを作成することができる。
【0191】
次に、画像処理装置6における画像合成処理について説明する。
【0192】
図24は、画像合成用の処理プログラムを起動するための処理手順を示すフローチャートである。
【0193】
ボケ味調整処理プログラム、階調調整処理プログラム及び超解像処理プログラムの各処理プログラムは、各処理プログラムに対応する撮影モードで撮影された画像の画像ファイルを備えたフォルダが指定されると、それに連動して起動されるようになっている。
【0194】
例えば、キーボード703若しくはマウス704の操作により上記各撮影モードで撮影後のメモリカードMCへのアクセスが指示され、上記各撮影モードで撮影された画像が格納されたフォルダを指定する、又はフォルダ内の画像ファイルを示すアイコンにカーソルを移動させ、そのアイコンの画像ファイルを開く指示が入力されると、メモリカードMCに記憶された当該画像ファイルからタグ情報がパソコン本体7内に読み込まれ(#161)、そのタグ情報内の撮影モードの内容が判別される(#163,#167,#171)。
【0195】
撮影モードがボケ味調整モードであれば(#163でYES)、ボケ味調整処理プログラムが起動され(#165)、撮影モードが階調調整モードであれば(#167でYES)、階調調整処理プログラムが起動され(#169)、撮影モードが超解像モードであれば(#171でYES)、超解像処理プログラムが起動され(#173)、撮影モードが通常撮影モードであれば(#171でNO)、通常の撮影画像を対象とする上記処理プログラム以外の所定の処理プログラム、例えば画像補正用の処理プログラムが起動される(#175)。
【0196】
次に、画像処理装置6で行なわれるボケ味調整処理、階調調整処理及び超解像処理の概要について簡単に説明する。
【0197】
ボケ味調整モード、階調調整モード及び超解像モードで連続的に撮影された2枚の撮影画像は、レジストレーション処理(位置合わせ処理)を行った後、両撮影画像の重なる部分について画素位置毎に両撮影画像のデータを用いて所定の演算処理を行って合成される。
【0198】
レジストレーション処理は、画像合成処理において画面内の同一の図柄を正確に合成するため、合成対象となる2枚の画像の位置を合わせるものである。レジストレーション処理では、例えば一方の撮影画像Aを基準にして他方の撮影画像Bを平行移動しつつ両撮影画像A,Bを照合して、両撮影画像A,Bが一致する撮影画像Bの平行移動量が算出される。一方の撮影画像Aに対する他方の撮影画像Bの一致度は、例えば撮影画像Bの平行移動量を引数とする両撮影画像A,Bのデータのレベル差の絶対値の総和(相関関数)が最小となる平行移動量が撮影画像Bを撮影画像Aに一致させるための移動量(すなわち、位置ずれ量)として算出される。
【0199】
ボケ味調整処理及び階調調整処理では、レジストレーション処理後に両撮影画像A,Bの重なる部分について、画素位置(k,h)毎に撮影画像Aの画素データDA(k,h)と撮影画像Bの画素データDB(k,h)とを用いて所定の演算処理を行なってボケ味、階調の調整された画像の画素データのDC(k,h)が算出される。ボケ味調整処理では、例えばセグメント法、反復法、逆フィルタなどの周知の種々の演算方法を適用することができる。また、階調調整処理では、例えば加重平均演算などの演算方法が適用される。
【0200】
また、超解像処理では、撮影画像A,Bについてそれぞれデータの補間処理が行なわれた後、レジストレーション処理が行なわれ、その後、両撮影画像A,Bの重なる部分について、画素位置(k,h)毎に撮影画像Aの画素データDA(k,h)と撮影画像Bの画素データDB(k,h)とを用いて所定の演算処理(例えば平均演算や加重平均演算など)を行なって超解像化された画像の画素データのDC(k,h)が算出される。
【0201】
上記実施形態では、デジタルスチルカメラ1で上述の画像合成処理は行なわないようにしていたが、デジタルスチルカメラ1で画像合成処理まで行い、再生モードではその合成処理後の画像をLCD表示部207に表示させるようにしてもよい。
【0202】
この場合は、合成後の画像に間引き処理を行なって表示用の画像(サムネイル画像)を作成し、このサムネイル画像を撮影画像の画像ファイルとは別に表示用の画像ファイル(サムネイルファイル)に格納する。そして、再生モードでは図19〜図22に示すフローチャートに従い、サムネイルファイルが存在する場合は、このサムネイルファイルから合成後の画像のサムネイル画像をLCD表示部207に表示する。このとき、図25に示すように、このサムネイル画像の表示に重ねて合成処理の内容を示す情報を表示させるとよい。同図の例では、超解像処理が行なわれた日の出の撮影画像がLCD表示部207に表示され、その表示画面の左下部に「超解像」の文字が表示されている。LCD表示部207の画素数は撮影画像の画素数よりも非常に少ないので、合成処理の効果が再生表示された画像の画質で認識することが難しいが、処理内容が表示されるので操作者は容易にどのような撮影モードで撮影された画像であるかを確認することができる。
【0208】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されている際に、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行ない、少なくとも2枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、連続撮影された複数枚の撮影画像を用いて上記所定の画像合成処理に近似した他の画像合成処理を行なって表示用の画像を作成し、その画像を表示手段に表示させるようにしたので、例えば階調調整処理のように各撮影画像が表示画像として適正でない場合も表示画像としてより適正な画像を比較的短時間で表示させることができ、表示目的を損なうことがない。
【0209】
また、表示用の画像は各撮影画像とは別の画像ファイルで記録媒体に記録するようにしたので、再生モードでの再生処理ではこの画像ファイルを開いて表示用の画像を再生表示させることにより、迅速に再生表示を行なうことができる。
【0210】
また、上記デジタルスチルカメラにおいて、再生モードにおいて、上記記録媒体に記録された上記特殊撮影モードでの撮影画像の再生が指示されると、指示された撮影画像に対応する表示用の画像を表示手段に再生表示するようにしたので、迅速に撮影画像の再生表示を行なうことができる。なお、表示用の画像が壊れている場合は、指示された特殊撮影モードでの撮影画像のうち、最初に撮影された撮影画像を表示させるようにしたので、撮影画像の再生ができないという不都合がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るデジタルスチルカメラのカメラ本体の正面図である。
【図2】 同デジタルスチルカメラの主要部材の配置を示す図である。
【図3】 同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す右側面図である。
【図4】 同デジタルスチルカメラの背面図である。
【図5】 カラー撮像素子の撮像面の構成を示す図である。
【図6】 撮影モードの選択方法を説明するための図である。
【図7】 デジタルスチルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図8】 メモリカードに記録された画像ファイルの構成例を示す図である。
【図9】 メモリカードへの画像ファイルの記録方法を示す図である。
【図10】 ボケ味調整モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【図11】 階調調整モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【図12】 超解像モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【図13】 再生モードにおける表示処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図14】 再生モードにおける表示処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図15】 再生モードにおける表示処理の第2の実施形態を示すフローチャートである
【図16】 メモリカードに記録された画像ファイルの他の構成例を示す図である。
【図17】 ボケ味調整モードにおける撮影処理で表示用の画像の画像ファイルを作成するようにしたフローチャートである。
【図18】 階調調整モードにおける撮影処理で表示用の画像の画像ファイルを作成するようにしたフローチャートである。
【図19】 特殊撮影モードで撮影されたコマに表示用の画像ファイルが作成されている場合の再生モードにおける再生処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図20】 特殊撮影モードで撮影されたコマに表示用の画像ファイルが作成されている場合の再生モードにおける再生処理の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図21】 特殊撮影モードで撮影されたコマに表示用の画像ファイルが作成されている場合の再生モードにおける再生処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図22】 特殊撮影モードで撮影されたコマに表示用の画像ファイルが作成されている場合の再生モードにおける再生処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図23】 画像処理装置の構成を示す外観図である。
【図24】 画像合成用の処理プログラムを起動するための処理手順を示すフローチャートである。
【図25】 合成処理後の画像と合成処理の内容とを重ねて再生表示した一例を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルスチルカメラ
101 レンズ
102 撮像部
103 信号処理部
104 発光制御部
105 レンズ制御部
106 表示部
107 操作部
108 カードI/F
108 全体制御部
108a ROM
108b RAM
108c 露出値演算部
108d 表示制御部(表示制御手段,表示画像作成手段)
108e 記録制御部(記録手段)
108f 再生制御部(再生制御手段)
108g 特殊露光制御部
109 カードインターフェース
110 通信用インターフェース
2 カメラ本体
205 カラー撮像素子
206 シャッタボタン
207 LCD表示部(表示手段)
208 電源スイッチ
209 4連スイッチ
210 スイッチ群
3 交換レンズ
4 電子ビューファインダ(表示手段)
5 フラッシュ
MC メモリカード
Claims (6)
- 所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されていると、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行ない、少なくとも2枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、画像を表示する表示手段と、上記連続撮影された複数枚の撮影画像を用いて上記所定の画像合成処理に近似した他の画像合成処理を行なって表示用の画像を作成する表示画像作成手段と、上記表示画像作成手段で作成された画像を上記表示手段に表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
- 上記所定の画像合成処理は、階調の異なる複数枚の撮影画像を合成して当該撮影画像の階調を調整した1の画像を作成する階調調整処理であることを特徴とする請求項1記載のデジタルスチルカメラ。
- 上記複数枚の撮影画像に対してそれぞれ画像ファイルを作成するとともに、表示用の画像に対して画像ファイルを作成し、各画像ファイルを記録媒体に記録する記録手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のデジタルスチルカメラ。
- 上記表示用の画像の上記表示手段への表示は、複数枚の撮影画像の画像ファイルが上記記録媒体に記録される前に行なわれることを特徴とする請求項3記載のデジタルスチルカメラ。
- 請求項3記載のデジタルスチルカメラにおいて、再生モードにおいて、上記記録媒体に記録された上記特殊撮影モードでの撮影画像の再生が指示されると、指示された上記特殊撮影モードでの撮影画像に対応する表示用の画像を上記表示手段に再生表示する再生制御手段を更に備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
- 上記再生制御手段は、表示用の画像の画像ファイルが存在しないとき、指示された特殊撮影モードでの撮影画像のうち、最初に撮影された撮影画像を上記表示手段に再生表示することを特徴とする請求項5記載のデジタルスチルカメラ。
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