JP4085009B2 - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液と称す)の改良に関するものであり、特に電解コンデンサの長寿命化を図った電解液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、中高圧用の電解コンデンサは、エチレングリコールを主溶媒とし、カルボン酸またはそのアンモニウム塩を溶解してなる電解液が使用されていた(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−48460号公報(第2頁、表)
【特許文献2】
特公平7−63047号公報(第3頁、表1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電解液を用いた電解コンデンサは、高温での使用によりアルミニウム電極箔と外部端子とを接続するアルミニウムリードが溶解するので、電解コンデンサの長寿命化を図れないという問題があり、電解コンデンサを高温で長時間使用しても、アルミニウムリードの溶解を防止することができる電解コンデンサの電解液が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するため種々検討を重ねた結果見出されたもので、電解液に5−フェニル−2−フランカルボン酸を溶解することでアルミニウムリードの溶解を防止し、電解コンデンサの長寿命化を図ろうとするものである。
すなわち、エチレングリコールを主溶媒とし、カルボン酸若しくはその塩、および/またはホウ酸若しくはホウ酸アンモニウムと、5−フェニル−2−フランカルボン酸(化2)とを溶解したことを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液である。
【0006】
【化2】
【0007】
そして、上記5−フェニル−2−フランカルボン酸の溶解量が、0.1〜5.0wt%であることを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液である。
【0008】
また、カルボン酸としては、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸等を例示することができる。
【0009】
そして、上記カルボン酸の塩としては、アンモニウム塩の他、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン等の一級アミン塩、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン塩、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン塩、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、イミダゾリニウム塩等を例示することができる。
【0010】
また、エチレングリコールに混合する副溶媒としては、水の他、プロピレングリコール等のグリコール類、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクトン類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等のアミド類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等の炭酸類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のオキシド類、エーテル類、ケトン類、エステル類等を例示することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
電解液中の5−フェニル−2−フランカルボン酸は、アルミニウムイオンと錯体を形成するため、電解コンデンサを高温で長時間使用してもアルミニウム電極箔と外部端子とを接続するアルミニウムリードの溶解を抑制することができ、高温での電解コンデンサの長寿命化を図ることができる。
【0012】
【実施例】
本発明を実施例に基づき具体的に説明する。表1の電解液を用いて450V/270μFのアルミニウム電解コンデンサを各10個作製し、105℃中においてリプル電流重畳試験を実施した。リプル電流は製品温度上昇が10℃となる電流値を用いた。試験開始後1000時間毎に製品を分解し、アルミニウム電極箔と外部端子とを接続するアルミニウムリードの溶解の有無を調査し、表1の結果を得た。
【0013】
【表1】
【0014】
表1より、5−フェニル−2−フランカルボン酸を添加しなかった従来例は4000時間でアルミニウムリードの溶解がみられた。しかし、5−フェニル−2−フランカルボン酸を溶解した実施例は5000時間経過してもアルミニウムリードの溶解はみられなかった。
【0015】
実施例1の電解液を基本組成とし、上記と同様に電解コンデンサを作製し、5−フェニル−2−フランカルボン酸量に対するアルミニウムリードの溶解発生時間と、一定電流で電圧を上昇させたときの電解コンデンサのショートパンク発生電圧とを検討し、図1の特性図を得た。
【0016】
図1より、5−フェニル−2−フランカルボン酸の溶解量は0.1wt%未満ではアルミニウムリードの溶解抑制効果が不十分であり、5.0wt%を超える場合は、電解液の耐電圧の低下により電解コンデンサのショートパンク発生電圧が低下することが分かる。したがって、5−フェニル−2−フランカルボン酸の溶解量は、0.1〜5.0wt%の範囲が好ましい。
【0017】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、先に例示したカルボン酸またはその塩を単独または複数溶解しても同様の効果がある。
【0018】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る電解液は、5−フェニル−2−フランカルボン酸を溶解しているため、該電解液を使用した電解コンデンサは、高温で長時間使用してもアルミニウム電極箔と外部端子とを接続するアルミニウムリードの溶解を抑制することができ、高温での電解コンデンサの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】5−フェニル−2−フランカルボン酸量と、アルミニウムリードの溶解発生時間およびショートパンク発生電圧との特性図である。
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