JP4084757B2 - 光ヘッド及び光記録再生装置並びにそれを用いた光記録再生方法 - Google Patents

光ヘッド及び光記録再生装置並びにそれを用いた光記録再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、光記録媒体に情報を記録し又は記録された情報を再生する光ヘッド及び光記録再生装置並びにそれを用いた光記録再生方法に関する。
光記録再生装置は、例えば円板状の光記録媒体(光ディスク)の円周方向に沿って形成され且つ光記録媒体の半径方向に複数形成されたトラックの所定領域に情報を記録し、又は当該トラックの所定領域に記録された情報を再生する光ヘッドを備えている。光ヘッドには、光記録媒体に対して情報を記録するだけに用いられる記録専用型と、情報を再生するだけに用いられる再生専用型、及び記録再生の双方に使用可能な記録再生型とがある。従って、これらを搭載した装置はそれぞれ光記録装置、光再生装置、光記録再生装置となるが、本願では以下、それら全てを包含して光記録再生装置と総称する。
回転している光ディスクから得られる光記録再生信号には、コンテンツの情報が含まれる比較的高周波数帯域の信号(以下、RF信号という)の他に、光ディスクの基本回転周波数の変動成分及び基本回転周波数の数倍から数百倍に相当する高調波成分の変動成分によるRF信号より低い周波数のノイズ成分が含まれている。この変動成分は、エンベロープ変動とも呼ばれ、エンベロープ変動が大きい場合には、RF信号のジッタ値が劣化したり、光記録再生信号のエラーレートが劣化したりする。この低周波帯域のエンベロープ変動成分を除去するために、従来は光記録再生信号の高周波帯域のみを通過させる高域通過フィルタ回路が用いられている。
図9は、一次の高域通過フィルタのボード線図の一例を示し、遮断周波数fcの異なる3種類の高域通過フィルタの周波数特性を重ね合わせて示している。図9(a)は、高域通過フィルタの利得−周波数特性を示し、横軸は周波数(kHz)を対数で表し、縦軸は利得を対数で表している。また、図9(b)は、高域通過フィルタの位相−周波数特性を示し、横軸は周波数(kHz)を対数で表し、縦軸は位相(°)を表している。図9(a)、(b)共に、図中●印を結ぶ曲線は遮断周波数fc=100Hzの特性を示し、図中○印を結ぶ曲線は遮断周波数fc=1kHzの特性を示し、図中▲印を結ぶ曲線は遮断周波数fc=10kHzの特性を示している。図9に示すように、高域通過フィルタの位相特性は、遮断周波数fcを高く設定するほど、位相が変化し始める周波数が高周波側にシフトする。例えば、位相が変化し始める周波数は、遮断周波数fc=100Hzの場合は約2kHzであり、遮断周波数fc=10kHzの場合は約200kHzである。
高域通過フィルタの位相特性の変化はRF信号のジッタ値に影響する。ジッタ値は主に光ヘッドや光ディスクを含めた光ディスクシステム全体の信号品質を評価するために用いられる。図10は、高域通過フィルタの遮断周波数fcを変化させた場合のジッタ値を示している。実験に使用した信号源は規準信号発生器によるMD(ミニディスク)フォーマット信号のアイパターンを用いている。横軸は遮断周波数(kHz)を対数で表し、縦軸はジッタ値(%)を表している。遮断周波数fcが高いほど位相の変化し始める周波数が高周波側にシフトする高域通過フィルタの位相特性により、図10に示すように、ジッタ値は遮断周波数fcが高いほど劣化する。例えば、遮断周波数fcが100Hz程度ではジッタ値は10%と適切な値を示しているが、遮断周波数fcが180Hzより高くなるとジッタ値は増加する。
ところで、光ディスクは記録層が1層の単層光ディスクと、記録層が複数の多層(2層以上)光ディスクとが開発されている。単層光ディスクでは記録層での光の反射率が大きい。このため、回転する単層光ディスクに照射されたレーザ光の反射光を受光素子で受光して、受光光を電気信号に変換すると、出力振幅の比較的大きい電気信号が得られる。エンベロープ変動はRF信号出力振幅に比較してそれ程大きくないので、一次の高域通過フィルタで十分にRF信号を再生することができる。
一方、多層光ディスクは1枚の光ディスクにより多くの情報を記録したいという市場の要求に応えるため、複数の記録層を形成して記録密度の向上が図られている。多層光ディスクは、多層光ディスクへの光の照射方向に複数の記録層が積層された構造を有している。このため、同一方向から多層光ディスクに光を照射して各記録層に記録された情報を読み出すためには、多層光ディスクは各記録層で光を反射させると共に、適度な比率で光を透過させなければならない。従って、多層光ディスクの情報の記録再生を行う記録層(再生層)で反射する反射光の光量は、単層光ディスクの記録層で反射する反射光の光量より減少する。このため、多層光ディスクで反射した反射光を受光素子で受光して光電変換して得られたRF信号の出力振幅は、単層光ディスクの反射光から得られたRF信号の出力振幅に対して著しく減少してしまう。例えば、再生専用の1層の光ディスクの記録層での光の反射率は70%以上であるが、多層光ディスクの記録層での光の反射率は5%以下である。
多層光ディスクには、反射光の光量が減少してしまう問題に加えて、反射光にノイズ成分が重畳し易いという問題がある。多層光ディスクの反射光には、再生層からの反射光だけでなく、再生層以外の層からの反射光(戻り光)も無視できない量で含まれている。従って、多層光ディスクでの反射光を受光素子で受光して受光光から再生されたRF信号には、再生層での反射光と再生層以外の記録層での戻り光との間で生じる層間クロストークに起因する低周波のノイズ信号が含まれている。このため、再生されたRF信号の品質は劣化してしまう。
この層間クロストークの影響はRF信号のエンベロープ変動に現れる。図11は、記録層の層数が異なり、情報が未記録の多層光ディスクでの反射光を受光素子で受光して、受光光を光電変換したRF信号を示している。図11(a)は記録層が2層の光ディスク、図11(b)は記録層が3層の光ディスク、図11(c)は記録層が4層の光ディスクでの測定結果である。図11の横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表している。図11に示すように、光ディスクの記録層の層数が増加するに伴い、RF信号のエンベロープ変動の振幅は大きくなり、さらに周波数も高くなっている。
RF信号の振幅に対してエンベロープ変動の変動率が大きいと、再生信号の品質は劣化してしまう。記録層の層数の少ない多層光ディスクではエンベロープ変動の周波数が低いため、遮断周波数fcの低い高域通過フィルタ(fc=100Hz)を用いて再生したRF信号からエンベロープ変動を除去することができる。この場合、ジッタ値の劣化が殆どないので(図10参照)、再生信号の品質劣化は極めて少ない。ところが、多層光ディスクの記録層の層数が増加するとエンベロープ変動の周波数が高くなるので、遮断周波数fcの高い高域通過フィルタを用いる必要がある。この場合、ジッタ値は劣化して、再生したRF信号の品質は劣化してしまう。
また、高域通過フィルタの遮断周波数fc近傍の信号を遮断するために、高域通過フィルタの次数は高く設定すればよい。この場合、高域通過フィルタは急峻なロールオフ特性を有するので、減衰帯域での減衰率は大きくなり、遮断周波数fcより周波数の低い信号を十分に遮断できる。しかし、通過帯域における信号の位相は変化してしまうので、再生したRF信号のジッタ値は増加する。このため、光記録再生において、高域通過フィルタの遮断周波数fcの値をRF信号の周波数帯域の下限値に近づけて設定することは困難である。例えば、MDやCD(コンパクトディスク)でのRF信号の周波数帯域は196kHz〜720kHzである。これに対し、図11(c)に示すように、4層の光ディスクのエンベロープ変動の周期は約1msであるため、エンベロープ変動の周波数は1kHz程度になる。このように、エンベロープ変動の周波数(1kHz)がRF信号の周波数帯域の下限値(196kHz)に近い場合に次数の高い高域通過フィルタを用いると、RF信号からエンベロープ変動を除去することは可能であるが、RF信号の位相は変化してしまうので、ジッタ値は増加してしまう。このように、高域通過フィルタで除去できるノイズ信号の周波数には限界がある。
特許文献1には、RF信号に混入するウォブル信号を除去する光学式情報記録再生装置が開示されている。当該光学式情報記録再生装置は、ウォブル信号の周波数とその近傍の周波数成分とを除去するウォブル信号除去回路を有している。また、ウォブル信号除去回路は、ウォブル信号乃至その近傍以下の信号のみを抽出する低域通過フィルタを有している。さらに、ウォブル信号除去回路は、当該低域通過フィルタを通した信号の位相を変化させて元の再生信号に位相を合わせる位相回路と、位相回路を通した信号と元の再生信号とを入力する差動増幅回路とを有している。ウォブル信号除去回路は低域通過フィルタでウォブル信号乃至それ以下の周波数の信号を得て、その低域通過フィルタによる位相の変化分の位相ズレを位相回路で原信号と同じ位相に戻す。さらに、ウォブル信号除去回路は位相を戻したウォブル信号以下の信号と元の再生信号とを差動増幅回路で差動演算して、ウォブル信号乃至ウォブル信号周波数以下のノイズを除去する。これにより、光学式情報記録再生装置は再生信号の劣化及びこれにより生じる読み取りエラーを低減できる。
また、2層光ディスクにおいて、ビームスポットを形成して記録された情報を再生する記録面(第1記録面)での反射光と、ビームスポットを形成する記録面と異なる記録面(第2記録面)での反射光とを光検出器で受光すると、当該光検出器で得られた再生信号には第2記録面からのノイズが重畳してクロストークの生じた再生信号となり、再生信号の信号対雑音比が悪化する問題を有している。特許文献2には、この問題を解決するための光ピックアップ装置が開示されている。当該光ピックアップ装置は、複数の記録面を有する多層光ディスクを再生するために、第1記録面での反射光及び第2記録面での反射光を受光する第1光検出器と、第2記録面での反射光のみを受光する第2光検出器とを有している。第1光検出器での受光光を光電変換した電気信号は第1記録面での反射光成分と第2記録面での反射光成分とを含む信号である。一方、第2光検出器での受光光を光電変換した電気信号は第2記録面からの反射光成分のみを含む信号である。従って、第1光検出器から出力された電気信号と第2光検出器から出力された電気信号とを差動増幅回路で差動演算すると、第1記録面での反射光成分のみの再生信号が得られる。
特開2000−155942号公報 特開平11−16200号公報
特許文献1は、多層光ディスクに特有の戻り光による層間クロストークで生じるノイズ成分の除去については何ら開示していない。また、特許文献2で開示されている光ピックアップ装置は、光ディスクからの反射光を2分割しなければならないので、光ピックアップ装置を小型化することが困難である。
また、再生されたRF信号の高周波成分と低周波成分の振幅は変化してしまうので、RF信号を復調(二値化)する前に、RF信号の高周波成分と低周波成分の振幅レベルを同じにする、いわゆる波形等化処理が行われる。このため、一般の光ヘッドには波形等化回路を設けなければならず、装置の高コスト化及び大型化の問題を有している。
本発明の目的は、記録媒体からの反射光に重畳したノイズ成分を除去して、高品質なRF信号を再生できる光ヘッド及び光記録再生装置並びにそれを用いた光記録再生方法を提供することにある。
上記目的は、回転する記録媒体に照射されたレーザ光の反射光を受光して電気信号に変換する受光素子と、前記受光素子から出力される前記電気信号から前記記録媒体に記録された情報を含むRF信号を除去してノイズ信号を抽出するノイズ信号抽出回路と、前記電気信号が入力される非反転入力端子と前記ノイズ信号が入力される反転入力端子とを有し前記電気信号と前記ノイズ信号とを差動演算する差動増幅回路とを備え、前記RF信号を抽出するRF信号抽出回路とを有することを特徴とする光ヘッドによって達成される。
上記本発明の光ヘッドであって、前記ノイズ信号抽出回路は、前記RF信号抽出回路から波形等化された前記RF信号が出力されるように調整されていることを特徴とする。
上記本発明の光ヘッドであって、前記ノイズ信号抽出回路は、積層された複数の記録層を有する前記記録媒体の前記複数の記録層のうち再生すべき記録層での反射光と、前記再生すべき記録層以外の記録層での反射光との間で生じる層間クロストークに起因する前記ノイズ信号を抽出することを特徴とする。
上記本発明の光ヘッドであって、前記ノイズ信号抽出回路は、低域通過フィルタを有することを特徴とする。
上記本発明の光ヘッドであって、前記低域通過フィルタは、前記RF信号の周波数帯域より低い遮断周波数を有していることを特徴とする。
上記本発明の光ヘッドであって、前記低域通過フィルタは、前記遮断周波数の値を変更可能な遮断周波数可変回路を有することを特徴とする。
上記本発明の光ヘッドであって、前記ノイズ信号抽出回路は、前記RF信号の周波数帯域より遮断周波数が低い周波数特性の増幅回路を有することを特徴とする。
上記本発明の光ヘッドであって、前記反射光を受光して電気信号に変換するさらに別の受光素子を有し、前記受光素子の前記電気信号に代えて、前記別の受光素子の前記電気信号を前記ノイズ信号抽出回路又は前記差動増幅回路の前記非反転入力端子のいずれかに入力することを特徴とする。
また、上記目的は、上記本発明の光ヘッドを備えることを特徴とする光記録再生装置によって達成される。
さらに、上記目的は、回転する記録媒体に照射されたレーザ光の反射光を受光して電気信号に変換し、前記電気信号から前記記録媒体に記録された情報を含むRF信号を除去してノイズ信号を抽出し、前記電気信号と前記ノイズ信号とを差動演算して前記RF信号を抽出することを特徴とする光記録再生方法によって達成される。
上記本発明の光記録再生方法であって、差動演算して抽出された前記RF信号は、波形等化されていることを特徴とする。
上記本発明の光記録再生方法であって、前記ノイズ信号は、前記記録媒体に積層して形成された複数の記録層のうち再生すべき記録層での反射光と、前記再生すべき記録層以外の記録層での反射光との間で生じる層間クロストークに起因することを特徴とする。
上記本発明の光記録再生方法であって、前記ノイズ信号は、前記電気信号を低域通過フィルタに通過させて抽出されることを特徴とする。
上記本発明の光記録再生方法であって、前記ノイズ信号は、前記RF信号の周波数帯域の下限値より遮断周波数が低い周波数特性を有する増幅回路で抽出されることを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体からの反射光に重畳したノイズ成分を除去して、高品質なRF信号を再生できる光ヘッド及び光記録再生装置を実現できる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態による光ヘッド及び光記録再生装置並びにそれを用いた光記録再生方法について図1乃至図7を用いて説明する。まず、本実施の形態による光ヘッドの概略の構成について図1及び図2を用いて説明する。光ヘッド1は、レーザ光を射出するレーザ発光素子としてレーザダイオード3を有している。レーザダイオード3は、コントローラ(図1では不図示)からの制御電圧に基づいて記録/再生毎に異なる光強度のレーザ光を射出できるようになっている。
レーザダイオード3の光射出側の所定位置には、偏光ビームスプリッタ5が配置されている。レーザダイオード3から見て偏光ビームスプリッタ5の光透過側には、1/4波長板7、コリメータレンズ9及び対物レンズ13がこの順に並んで配置されている。コリメータレンズ9は、レーザダイオード3からの発散光線束を平行光線束に変換して対物レンズ13に導くと共に、対物レンズ13からの平行光線束を収束光線束に変換して受光素子23、25に導くために設けられている。対物レンズ13はコリメータレンズ9からの平行光線束を複数の記録層を有する多層の光ディスク(記録媒体)15の情報記録面に集光して読み取りスポットを形成すると共に、光ディスク15からの反射光を平行光線束に変換してコリメータレンズ9に導くために設けられている。
1/4波長板7から見て偏光ビームスプリッタ5の光反射側には、センサレンズ17、ビームスプリッタ19がこの順に配置されている。センサレンズ17から見てビームスプリッタ19の光反射側には、光ディスク15の反射光を受光する受光素子23が配置されている。一方、センサレンズ17から見てビームスプリッタ19の光透過側には、シリンドリカルレンズ21を介して光ディスク15の反射光を受光する受光素子25が配置されている。また、レーザダイオード3から見て偏光ビームスプリッタ5の光反射側には、レーザダイオード3から射出されたレーザ光の光強度を計測するためのパワーモニタ用フォトダイオード11が配置されている。
センサレンズ17は、光ディスク15で反射された光ビームの合焦位置を光学的に調整するための反射光合焦位置調整部として機能する。また、センサレンズ17は、光ディスク15からの反射光に非点収差を発生させるとともに、反射光を所定の光学系倍率で拡大させて受光素子23、25の不図示の受光部上に結像させるようになっている。受光素子23で光電変換された電気信号はRF信号抽出回路27(図2参照)に入力され、RF信号抽出回路27で当該電気信号からRF信号が再生される。受光素子25で光電変換された電気信号はフォーカス誤差及びトラッキング誤差の検出に用いられる。
図2は、受光素子23から出力される電気信号から光ディスク15に記録された情報を含むRF信号を抽出するRF信号抽出回路27を示している。RF信号抽出回路27はノイズ信号抽出回路の低域通過フィルタ29と差動増幅回路31とを有している。低域通過フィルタ29は遮断周波数fcを決定する抵抗35とコンデンサ37とを有している。抵抗35の抵抗値をRとし、コンデンサ37の容量値をCとすると、遮断周波数fcはfc=1/(2πRC)である。抵抗35の一端子は入力端子33aを介して受光素子23(図1参照)に接続され、抵抗35の他端子はコンデンサ37の一方の電極に接続されている。コンデンサ37の他方の電極は基準電位(グランド)に接続されている。抵抗35、39、41、43、45の抵抗値は同じ値である。なお、各抵抗の抵抗値をそれぞれ所定の値にして、オペアンプ47の増幅率や低域通過フィルタ29の遮断周波数fcを所定の値に設定してももちろんよい。
差動増幅回路31はオペアンプ47と、オペアンプ47の入力保護や増幅率の決定に用いられる抵抗39、41、43、45とを有している。抵抗39の一端子は抵抗35の他端子に接続され、抵抗39の他端子はオペアンプ47の反転入力端子(−)に接続されている。抵抗41の一端子は入力端子33bを介して受光素子23に接続され、抵抗41の他端子はオペアンプ47の非反転入力端子(+)に接続されている。抵抗45の一端子はオペアンプ47の出力端子49に接続され、抵抗45の他端子はオペアンプ47の反転入力端子(−)に接続されている。抵抗43の一端子はオペアンプ47の非反転入力端子(+)に接続され、抵抗43の他端子はグランドに接続されている。
次に、光ヘッド1の動作について図1を用いて説明する。レーザダイオード3から出射された発散光のレーザ光は偏光ビームスプリッタ5に入射する。偏光ビームスプリッタ5において、所定の偏光方位の直線偏光成分は透過して1/4波長板7に入射する。一方、当該偏光方位に直交する直線偏光成分は反射してパワーモニタ用フォトダイオード11に入射し、レーザ光強度が計測される。
1/4波長板7に入射した直線偏光の光は、1/4波長板7を透過して円偏光の光となる。この円偏光の光は、コリメータレンズ9で平行光に変換され、コリメータレンズ9を透過して対物レンズ13により収束されて光ディスク15の所定の記録層へ入射する。光ディスク15の記録層で反射した円偏光の光は、対物レンズ13で平行光にされてからコリメータレンズ9を透過して1/4波長板7に入射する。1/4波長板7を透過することにより、円偏光の光は当初の直線偏光から偏光方位が90°回転した直線偏光になって偏光ビームスプリッタ5に入射する。この直線偏光の光は偏光ビームスプリッタ5で反射させられてセンサレンズ17に入射する。
センサレンズ17を透過した光はビームスプリッタ19に入射して、入射光のほぼ半分はビームスプリッタ19で反射して受光素子23に入射する。残余の入射光はビームスプリッタ19を透過してシリンドリカルレンズ21に入射する。シリンドリカルレンズ21に入射した光は受光素子25上に集光する。受光素子25は受光部71が田の字状に4分割された4個の受光素子パターンa、b、c、dを有している(図8参照)。対物レンズ13と光ディスク15との距離が変化したり、光ディスク15の径方向へビームスポットが移動したりするのに応じて受光素子パターンa、b、c、d上での光スポットの形状が変化する。これらの変化を受光素子25で検出してその検出信号から、基準位置に対して対称なS字特性を有するフォーカス誤差信号等が得られる。
次に、RF信号抽出回路27を用いた光記録再生方法について図2を用いて説明する。受光素子23で受光する受光光には、光ディスク15にレーザ光を照射して情報の記録再生を行う記録層(再生層)での反射光の他に、再生層以外の記録層での反射光(戻り光)や光ディスク15の複屈折及びその他種々の要因で生じるノイズ成分を含む光が含まれている。従って、受光素子23での受光光を光電変換した電気信号には、RF信号と、再生層での反射光と再生層以外の記録層での戻り光との間で生じる層間クロストーク等によるノイズ信号とが含まれる。この層間クロストーク等の影響はRF信号のエンベロープ変動に現れる。受光素子23から出力された電気信号は、入力端子33a、33bを介してRF信号抽出回路27に入力される。入力端子33aに入力された電気信号を低域通過フィルタ29に入力すると、電気信号の周波数帯域のうちの高周波成分のRF信号は除去されて低周波成分のノイズ信号のみが低域通過フィルタ29から出力される。低域通過フィルタ29で抽出されたノイズ信号は抵抗39を通して差動増幅回路31の反転入力端子(−)に入力される。一方、入力端子33bに入力された電気信号は抵抗41を通して差動増幅回路31の非反転入力端子(+)に直接入力される。差動増幅回路31は、電気信号とノイズ信号とを差動演算してRF信号のみを抽出し、当該RF信号を出力端子49から出力する。
図3は、一次の低域通過フィルタのボード線図の一例を示し、遮断周波数fcの異なる3種類の周波数特性を重ね合わせて示している。図3(a)は、低域通過フィルタ29の利得−周波数特性を示し、横軸は周波数(kHz)を対数で表し、縦軸は利得を対数で表している。また、図3(b)は、低域通過フィルタ29の位相−周波数特性を示し、横軸は周波数(kHz)を対数で表し、縦軸は位相(°)を表している。図3(a)、(b)共に、図中●印を結ぶ曲線は遮断周波数fc=10kHzの特性を示し、図中○印を結ぶ曲線は遮断周波数fc=100kHzの特性を示し、図中▲印を結ぶ曲線は遮断周波数fc=1MHzの特性を示している。図3(b)に示すように、遮断周波数fcより低い周波数の信号は低域通過フィルタ29を通過しても位相の変化は生じない。従って、低域通過フィルタ29の遮断周波数fcをノイズ信号の周波数より高い値に設定すると、低域通過フィルタ29は効率よくノイズ信号を抽出できる。なお、低域通過フィルタ29では遮断周波数fcより高い周波数の信号の位相は変化する。しかし、ノイズ信号に比較して高周波のRF信号は低域通過フィルタ29で除去される信号なので、RF信号の位相が変化したり減衰したりしても、低周波のノイズ信号の抽出には影響しない。
図4は、低域通過フィルタ29の遮断周波数fcを変化させた場合のRF信号のジッタ値を示している。実験に使用した信号源は、規準信号発生器によるMD(ミニディスク)フォーマットのアイパターンを用いている。横軸は遮断周波数(kHz)を対数で表し、縦軸はジッタ値(%)を表している。図中■印を結ぶ曲線はRF信号抽出回路27で再生したRF信号のジッタ値を示し、図中◆印を結ぶ曲線は図10で示した高域通過フィルタで再生したRF信号のジッタ値を示している。図4に示すように、RF信号抽出回路27で再生したRF信号のジッタ値は遮断周波数fcを変えても劣化せず、ジッタ値はほぼ10%を維持している。これにより、RF信号抽出回路27の遮断周波数fcは広範囲に設定することができる。従って、光ディスク15の再生層での反射光と再生層以外の記録層での戻り光との間で生じる層間クロストークによるノイズ信号の周波数(エンベロープ変動の周波数)がRF信号の周波数に近づいても、RF信号抽出回路27は効率よくノイズ信号を抽出できる。これにより、RF信号抽出回路27は高品質なRF信号を再生することができる。
また、低域通過フィルタ29は所定のロールオフ特性により遮断周波数fcに近い周波数の信号成分ほど通過させてしまう。例えば、低域通過フィルタ29の遮断周波数fcをRF信号の周波数帯域の下限値より僅かに小さい値に設定すると、RF信号の周波数帯域のうち、遮断周波数fcに近い周波数成分ほど低域通過フィルタ29を通過する。このため、入力端子33aから入力され低域通過フィルタ29を通過した信号には、ノイズ信号と低域通過フィルタ29で遮断されなかったRF信号成分とが含まれる。RF信号の周波数帯域のうちの高周波成分ほど低域通過フィルタ29で減衰する。従って、低域通過フィルタ29を通過した電気信号と、入力端子33bから入力された電気信号とを差動増幅回路31で差動演算すると、RF信号抽出回路27から出力される信号は高周波帯域のRF信号成分を残したまま、遮断周波数fc近傍の低周波帯域のRF信号成分を適度に減衰させた信号になる。
図5は、RF信号抽出回路27で再生されたCDフォーマット信号のアイパターンを示している。図5(a)は、RF信号抽出回路27に入力されたCDフォーマット信号のアイパターンを示し、図5(b)は、RF信号抽出回路27で再生されたCDフォーマット信号のアイパターンを示している。横軸は時間を表し、縦軸は振幅を表している。I1はRF信号の振幅最大となる成分(低周波成分)を示し、I2はRF信号の振幅最小となる成分(高周波成分)を示している。低域通過フィルタ29の遮断周波数fcはクロック周波数の70%に相当する約3MHzに設定されている。
図5に示すように、I1とI2との振幅の差ΔIは、RF信号抽出回路27に入力された信号よりRF信号抽出回路27で再生された信号の方が小さくなっている。低域通過フィルタ29では、RF信号の低周波成分ほど減衰され難く、高周波成分ほど減衰され易い。このため、低域通過フィルタ29を通過した信号と低域通過フィルタ29を通過していない信号とを差動演算すると、周波数の低いI1の振幅は減衰し、周波数の高いI2の振幅はほとんど減衰しない。このため、I1の振幅がI2の振幅に近づいて、RF信号抽出回路27で再生された信号のΔIは小さくなる。このように、RF信号抽出回路27は波形等化(イコライザ)の機能を発揮する。波形等化の機能によりRF信号抽出回路27はRF信号のジッタ値をほぼ一定に維持できる。
以上説明したように本実施の形態による光ヘッド1は、低域通過フィルタ29と差動増幅回路31とを有するRF信号抽出回路27を有している。RF信号抽出回路27は、光ディスク15で反射した反射光を受光素子23で光電変換した電気信号からノイズ信号を低域通過フィルタ29で効率よく抽出できる。差動増幅回路31でノイズ信号と電気信号とを差動演算することにより、RF信号抽出回路27は高品質なRF信号を再生することができる。また、RF信号抽出回路27は波形等化回路と同様の機能を発揮できるので、RF信号抽出回路27の出力端子49を不図示の復調回路(二値化回路)に直接接続することができ、光ヘッド1の小型化、低価格化を図ることができる。
図6は、本実施の形態による光ヘッド1を搭載した光記録再生装置50の概略構成を示している。光記録再生装置50は、図6に示すように光ディスク15を回転させるためのスピンドルモータ52と、光ディスク15にレーザビームを照射するとともにその反射光を受光する光ヘッド1と、スピンドルモータ52及び光ヘッド1の動作を制御するコントローラ54と、光ヘッド1にレーザ駆動信号を供給するレーザ駆動回路55と、光ヘッド1にレンズ駆動信号を供給するレンズ駆動回路56とを備えている。
コントローラ54にはフォーカスサーボ追従回路57、トラッキングサーボ追従回路58及びレーザコントロール回路59が含まれている。フォーカスサーボ追従回路57が作動すると、回転している光ディスク15の情報記録面にフォーカスがかかった状態となり、トラッキングサーボ追従回路58が作動すると、光ディスク15の偏芯している信号トラックに対して、レーザビームのスポットが自動追従状態となる。フォーカスサーボ追従回路57及びトラッキングサーボ追従回路58には、フォーカスゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール機能及びトラッキングゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール機能がそれぞれ備えられている。また、レーザコントロール回路59は、レーザ駆動回路55により供給されるレーザ駆動信号を生成する回路であり、光ディスク15に記録されている記録条件設定情報に基づいて、適切なレーザ駆動信号の生成を行う。
これらフォーカスサーボ追従回路57、トラッキングサーボ追従回路58及びレーザコントロール回路59については、コントローラ54内に組み込まれた回路である必要はなく、コントローラ54と別個の部品であっても構わない。さらに、これらは物理的な回路である必要はなく、コントローラ54内で実行されるソフトウェアであっても構わない。
次に、上記実施の形態の変形例について図7を用いて説明する。図7は、本変形例のRF信号抽出回路27の回路構成を示している。上記実施の形態では、低域通過フィルタ29の遮断周波数fcは固定されている。これに対し、本変形例では、低域通過フィルタ29に遮断周波数可変回路61が備えられ、低域通過フィルタ29の遮断周波数fcを変更できる点に特徴を有している。
遮断周波数可変回路61は、抵抗35の他端子に接続されたスイッチ65を有している。スイッチ65は3つの切替端子を有し、第1の切替端子はコンデンサ63aの一方の電極に接続され、第2の切替端子はコンデンサ63bの一方の電極に接続され、第3の切替端子はコンデンサ63cの一方の電極に接続されている。コンデンサ63a、63b、63cの他方の電極はグランドに接続されている。
光ディスク15の記録密度が同一でも、光ディスク15の回転数や光ヘッド1と光ディスク15の相対速度によって、RF信号やその再生信号のエンベロープ変動の周波数帯域は変化する。そこで、光ディスク15の種類(MDやCD等)や回転数等の使用環境に基づいてスイッチ65を切り替えれば、低域通過フィルタ29の遮断周波数fcを使用環境に対して最適な値に設定することができる。また、遮断周波数可変回路61の切り替え数は3つである必要はなく、2つ又は4つ以上であってもよい。さらに、抵抗35に並列に抵抗値の異なる複数の抵抗を設けて、当該抵抗を切り替えても遮断周波数fcを変更することができる。
このように本変形例では、光ディスク15の回転数等で生じるエンベロープ変動を除去できる。これにより、RF信号のジッタ値の劣化を抑制でき、RF信号抽出回路27はより高品質なRF信号を再生することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態による光ヘッド及び光記録再生装置並びにそれを用いた光記録再生方法について図8を用いて説明する。本実施の形態による光ヘッド及び光記録再生装置と、第1の実施の形態の光ヘッド1及び光記録再生装置50との共通する点については説明を省略し、以下では異なる点のみを説明する。図8は、本変形例のRF信号抽出回路85の回路構成及び利得−周波数特性を示している。図8(a)は、RF信号抽出回路85の回路構成を示し、図8(b)は、ノイズ信号抽出用のオペアンプ(増幅回路)77の利得−周波数特性を示し、図8(c)は、受光素子23で光電変換された電気信号を入力するオペアンプ(増幅回路)69の利得−周波数特性を示している。図8(b)、(c)において、横軸は周波数を表し、縦軸は利得を表している。
図8(a)に示すように、RF信号抽出回路85は、ノイズ信号抽出用のオペアンプ77と、受光素子23の出力信号をそのまま出力するオペアンプ69と、オペアンプ69、77のそれぞれの出力信号を差動演算するオペアンプ(差動増幅回路)81とを有している。オペアンプ77の非反転入力端子(+)は、受光素子25の受光部71に接続され、オペアンプ77の出力端子はオペアンプ81の反転入力端子(−)に接続されている。オペアンプ69の非反転入力端子(+)は、受光素子23の受光部67に接続されている。オペアンプ69の出力端子はオペアンプ69の反転入力端子(−)とオペアンプ81の非反転入力端子(+)とに接続されている。
受光素子25は、受光部71が田の字状に4分割された4個の受光素子パターンa、b、c、dを有している。受光素子パターンa、b、c、dに接続されたオペアンプ73はフォーカス誤差検出に用いられ、オペアンプ75はトラッキング誤差検出に用いられる。第1の実施の形態で説明したように、対物レンズ13と光ディスク15(図1参照)との距離が変化したり、光ディスク15の径方向へビームスポットが移動したりするのに応じて受光素子パターンa、b、c、d上での光スポットの位置や形状が変化する。そこで、フォーカス誤差検出出力信号は、受光素子パターンa、dの出力の和と受光素子パターンb、cの出力の和とをオペアンプ73で差動演算して算出される。また、トラッキング誤差検出出力信号は、受光素子パターンa、bの出力の和と受光素子パターンc、dの出力の和とをオペアンプ75で差動演算して算出される。
ところで、受光素子パターンa、b、c、dから出力される電気信号にはRF信号と、光ディスク15の再生層での反射光と再生層以外の記録層での戻り光との間で生じる層間クロストークによるノイズ信号とが含まれている。図8(b)に示すように、RF信号の周波数帯域より遮断周波数fcが低い周波数特性のオペアンプ77に当該電気信号を入力すると、オペアンプ77はノイズ信号を抽出し、第1の実施の形態の低域通過フィルタ29と同様の機能を奏する。また、受光素子23で受光して光電変換された電気信号もRF信号とノイズ信号とが含まれている。従って、図8(c)に示すように、RF信号の周波数帯域より遮断周波数fcが高い周波数特性のオペアンプ69に当該電気信号を入力すると、オペアンプ69はノイズ信号とRF信号とを有する出力信号を出力する。そこで、オペアンプ69の出力信号をオペアンプ81の非反転入力端子(+)に入力し、オペアンプ77の出力信号をオペアンプ81の反転入力端子(−)に入力して両信号を差動演算すると、オペアンプ81の出力端子79には再生されたRF信号が出力される。
このように、本実施の形態によるRF信号抽出回路85はオペアンプ77でノイズ信号を抽出できる。また、RF信号抽出回路85は、RF信号及びノイズ信号を有する電気信号と、オペアンプ77で抽出されたノイズ信号とをオペアンプ81で差動演算して、エンベロープ変動の少ない高品質なRF信号を再生することができる。さらに、RF信号抽出回路85は、ノイズ信号と電気信号とを差動増幅するだけで高品質なRF信号を再生できるので、複雑な信号処理回路を必要とせず、設計負担の軽減や光ヘッド1の低価格化を図ることができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施の形態では、RF信号抽出回路27は光ヘッド1に搭載されているが、本発明はこれに限られない。例えば、光ヘッド1とは別に光記録再生装置上に搭載されてもよい。
また、上記第1の実施の形態では、入力端子33a、33bには受光素子23で光電変換された電気信号が入力されているが、本発明はこれに限られない。例えば、入力端子33aに受光素子25で光電変換された電気信号を入力し、入力端子33bに受光素子23で光電変換された電気信号を入力してもよい。あるいは、入力端子33aに受光素子23で光電変換された電気信号を入力し、入力端子33bに受光素子25で光電変換された電気信号を入力してもよい。
また、上記第1の実施の形態では、RF信号抽出回路27に用いる低域通過フィルタ29はパッシブ型の低域通過フィルタであるが、本発明はこれに限られない。例えば、RF信号抽出回路27に用いる低域通過フィルタはアクティブ型でもよい。
また、上記第2の実施の形態では、オペアンプ69、77には、異なる受光素子23、25で光電変換された電気信号がそれぞれ入力されているが、本発明はこれに限られない。例えば、オペアンプ69、77には、同じ受光素子で光電変換された電気信号を入力してもよい。
また、上記第2の実施の形態では、受光素子23で光電変換された電気信号をオペアンプ69に入力し、受光素子25で光電変換された電気信号をオペアンプ77に入力しているが、本発明はこれに限られない。例えば、受光素子23で光電変換された電気信号をオペアンプ77に入力し、受光素子25で光電変換された電気信号をオペアンプ69に入力してもよい。
また、上記第2の実施の形態では、受光素子23で光電変換された電気信号をオペアンプ69に入力しているが、本発明はこれに限られない。例えば、オペアンプ69を用いずに受光素子23で光電変換された電気信号をオペアンプ81の非反転入力端子(+)に入力してもよい。
以上の種々の変形の光ヘッド及び光記録生成装置も高品質なRF信号を再生することができる。
本発明の第1の実施の形態による光ヘッド1の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による光ヘッド1に用いられるRF信号抽出回路27の回路構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による光ヘッド1に用いるRF信号抽出回路27の低域通過フィルタ29のボード線図の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による光ヘッド1に用いるRF信号抽出回路27であって、低域通過フィルタ29の遮断周波数fcに対するRF信号のジッタ値を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による光ヘッド1に用いるRF信号抽出回路27で再生されたCDフォーマット信号のアイパターンを示す図である。 本発明の第1の実施の形態による光記録再生装置50の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による光ヘッド1の変形例であって、RF信号抽出回路27の回路構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による光ヘッド1に用いられるRF信号抽出回路85の回路構成を示す図である。 従来の高域通過フィルタのボード線図の一例を示す図である。 従来の高域通過フィルタの遮断周波数に対するジッタ値を示す図である。 記録層の層数の異なる光ディスクの反射光から再生したRF信号を示す図である。
符号の説明
1 光ヘッド
3 レーザダイオード
5、偏光ビームスプリッタ
7 1/4波長板
9 コリメータレンズ
11 パワーモニタ用フォトダイオード
13 対物レンズ
15 光ディスク
17 センサレンズ
19 ビームスプリッタ
21 シリンドリカルレンズ
23、25 受光素子
27、85 RF信号抽出回路
29 低域通過フィルタ
31 差動増幅回路
33a、33b 入力端子
35、39、41、43、45 抵抗
37、63a、63b、63c コンデンサ
47、69、73、75、81 オペアンプ
49 出力端子
50 光記録再生装置
52 スピンドルモータ
54 コントローラ
55 レーザ駆動回路
56 レンズ駆動回路
57 フォーカスサーボ追従回路
58 トラッキングサーボ追従回路
59 レーザコントロール回路
61 遮断周波数可変回路
65 スイッチ
67、71 受光部

Claims (12)

  1. 回転する記録媒体に照射されたレーザ光の反射光を受光して電気信号に変換する受光素子と、
    前記受光素子から出力される前記電気信号から前記記録媒体に記録された情報を含むRF信号を除去してノイズ信号を抽出するノイズ信号抽出回路と、前記電気信号が入力される非反転入力端子と前記ノイズ信号が入力される反転入力端子とを有し前記電気信号と前記ノイズ信号とを差動演算する差動増幅回路とを備え、前記RF信号を抽出するRF信号抽出回路とを有し、
    前記ノイズ信号抽出回路は、前記RF信号抽出回路から波形等化されてジッタ値がほぼ一定に維持された前記RF信号が出力されるように調整されていること
    を特徴とする光ヘッド。
  2. 請求項1記載の光ヘッドであって、
    前記ノイズ信号抽出回路は、積層された複数の記録層を有する前記記録媒体の前記複数の記録層のうち再生すべき記録層での反射光と、前記再生すべき記録層以外の記録層での反射光との間で生じる層間クロストークに起因する前記ノイズ信号を抽出することを特徴とする光ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載の光ヘッドであって、
    前記ノイズ信号抽出回路は、低域通過フィルタを有することを特徴とする光ヘッド。
  4. 請求項3記載の光ヘッドであって、
    前記低域通過フィルタは、前記RF信号の周波数帯域より低い遮断周波数を有していることを特徴とする光ヘッド。
  5. 請求項4記載の光ヘッドであって、
    前記低域通過フィルタは、前記遮断周波数の値を変更可能な遮断周波数可変回路を有することを特徴とする光ヘッド。
  6. 請求項1又は2に記載の光ヘッドであって、
    前記ノイズ信号抽出回路は、前記RF信号の周波数帯域より遮断周波数が低い周波数特性の増幅回路を有することを特徴とする光ヘッド。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光ヘッドであって、
    前記反射光を受光して電気信号に変換するさらに別の受光素子を有し、前記受光素子の前記電気信号に代えて、前記別の受光素子の前記電気信号を前記ノイズ信号抽出回路又は前記差動増幅回路の前記非反転入力端子のいずれかに入力することを特徴とする光ヘッド。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光ヘッドを備えることを特徴とする光記録再生装置。
  9. 回転する記録媒体に照射されたレーザ光の反射光を受光して電気信号に変換し、
    前記電気信号から前記記録媒体に記録された情報を含むRF信号を除去してノイズ信号を抽出し、
    前記電気信号と前記ノイズ信号とを差動演算して、波形等化されてジッタ値がほぼ一定に維持された前記RF信号を抽出すること
    を特徴とする光記録再生方法。
  10. 請求項9記載の光記録再生方法であって、
    前記ノイズ信号は、前記記録媒体に積層して形成された複数の記録層のうち再生すべき記録層での反射光と、前記再生すべき記録層以外の記録層での反射光との間で生じる層間クロストークに起因することを特徴とする光記録再生方法。
  11. 請求項9又は10に記載の光記録再生方法であって、
    前記ノイズ信号は、前記電気信号を低域通過フィルタに通過させて抽出されることを特徴とする光記録再生方法。
  12. 請求項9又は10に記載の光記録再生方法であって、
    前記ノイズ信号は、前記RF信号の周波数帯域の下限値より遮断周波数が低い周波数特性を有する増幅回路で抽出されることを特徴とする光記録再生方法。
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