JP2002374149A - 可変周波数フィルタ回路 - Google Patents

可変周波数フィルタ回路

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JP2002374149A
JP2002374149A JP2001177683A JP2001177683A JP2002374149A JP 2002374149 A JP2002374149 A JP 2002374149A JP 2001177683 A JP2001177683 A JP 2001177683A JP 2001177683 A JP2001177683 A JP 2001177683A JP 2002374149 A JP2002374149 A JP 2002374149A
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filter
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Hiroshi Isoda
浩 磯田
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H11/00Networks using active elements
    • H03H11/02Multiple-port networks
    • H03H11/04Frequency selective two-port networks
    • H03H11/12Frequency selective two-port networks using amplifiers with feedback
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
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    • H03H21/0001Analogue adaptive filters

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 gmアンプから成るLPFF1,F2を備
え、マイクロコントローラ24が電流値変換回路B1,
B2を制御して前記LPFF1,F2の基準電流IB
1,IB2を変化することでカットオフ周波数を変化す
るようにしたLPFF回路21において、カットオフ周
波数を調整する構成による影響を無くす。 【解決手段】 調整モードを設けて、実際の信号をフィ
ルタリングするLPFF1,F2のずれを検出し、補償
することで、別途にリファレンスフィルタ等を設けてず
れを検出し、補償する構成に比べて、回路レイアウト上
の回路素子の相対ばらつきによる影響を抑え、また消費
電流の低減および受信信号への妨害信号の回込みを防
ぐ。その場合に、リアルタイムで検出できない電源電圧
や周囲温度等のダイナミックな変化によるずれについて
は、シミュレーションによって予め正確に求めることが
できるので、データメモリ39に格納しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信高周波信号を
直接ベースバンド信号に復調するダイレクトコンバージ
ョン方式のデジタル衛星放送受信装置のRFフロントエ
ンド部に備えられるべースバンドLPF回路として好適
に用いられる可変周波数フィルタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】前記デジタル衛星放送受信装置をダイレ
クトコンバージョン方式で実現した場合には、ミキサか
らの出力は希望するIおよびQの直交変調信号に直接分
離されるので、ベースバンドに用いられるLPF(ロー
パスフィルタ)は、受信信号のデータレートを充分に通
過させる帯域を備えている必要がある。一方、放送信号
の帯域が圧縮され、かつ受信チャネル数が多くなるにつ
れて、隣接する信号に対する妨害特性を高めることが重
要になっている。このため、カットオフ周波数精度が高
い程、隣接チャネル妨害に対する減衰量を確保すること
ができ、受信品質(ビットエラーレート)を向上できる
ので、前記べースバンドLPF回路には、受信信号のデ
ータレートに応じた最適な帯域幅で、前記隣接する信号
に対して充分な減衰量を持たせるために、精度良くカッ
トオフ周波数を可変する必要がある。
【0003】図10は、そのようなカットオフ周波数可
変のLPF回路を集積回路上に実現した典型的な従来技
術のLPF回路1の電気的構成を示すブロック図であ
る。このLPF回路1は、3次のLPFであり、入力端
子2から入力されたミキサからのべースバンド信号は、
シリーズに接続された1次のカットオフ周波数特性を持
つLPFF1および2次のカットオフ周波数特性を持つ
LPFF2を通過した後に、出力端子3から出力され
る。LPFF1,LPFF2は、たとえば図11に示さ
れるように、gmアンプA1;A21,A22(総称す
るときには参照符Aで示す)から成り、各gmアンプA
1;A21,A22に関連して、Qを決定するコンデン
サC1;C21,C22がそれぞれ設けられる。
【0004】1つのgmアンプAは、図12のような回
路で表すことができる。電源電圧Vccを所定電圧だけ
降圧する電源11と、ダイオード構成で前記電源11か
ら定電流を供給するトランジスタQ1、前記トランジス
タQ1のエミッタ電流がコレクタに与えられ、ベースが
正転入力INとなって前記入力端子2からベースバンド
信号が与えられるトランジスタQ2およびトランジスタ
Q2のエミッタから定電流IA を引抜く定電流源12か
ら成る直列回路と、その直列回路と同様に構成され、ト
ランジスタQ3,Q4および定電流源13から成る直列
回路と、トランジスタQ2,Q4のエミッタ間を接続す
るエミッタ抵抗REと、前記トランジスタQ2,Q4の
コレクタ電圧がベースにそれぞれ与えられる一対のトラ
ンジスタQ5,Q6と、前記トランジスタQ5,Q6の
エミッタから共通に定電流IB を引抜く定電流源14
と、前記トランジスタQ5のコレクタへ定電流IB /2
を供給する定電流源15とを備えて構成され、トランジ
スタQ5のコレクタから出力信号outが導出され、ト
ランジスタQ4のベースが反転入力XINとなって前記
出力信号outが負帰還される。
【0005】このように構成されるgmアンプAのゲイ
ンgmは、
【0006】
【数1】
【0007】で表すことができる。IA ,IB は定電流
源の電流値、REはエミッタ抵抗値、kはボルツマン定
数(1.38×10-23 )、Tは絶対温度(K)、qは
電子1個の電荷(1.6×10-19 )である。
【0008】このgmアンプAを用いた前記LPFF
1,F2のカットオフ周波数ω1,ω2は、以下のよう
に示される。
【0009】
【数2】
【0010】gm1はgmアンプA1のgm、gm21
はgmアンプA21のgm、gm22はgmアンプA2
2のgmである。
【0011】ここで、カットオフ周波数ω1,ω2はg
m1;gm21,gm22に比例し、gm1;gm2
1,gm22は1/IB に比例することから、定電流I
B の値を半分にするとカットオフ周波数ω1,ω2は2
倍となり、この定電流IB の値を正確に制御できれば、
カットオフ周波数ω1,ω2も精度よく可変できる。こ
の定電流IB の値は、信号入力端子4に入力されるカッ
トオフ周波数選択信号S1,S2に応答して、LPFF
1,LPFF2に個別に設けられた電流値変換回路B
1,B2から、それぞれ基準電流IB1,IB2として
制御される。
【0012】図10のLPF回路1において、前記定電
流IB の値を正確に制御するための構成として、リファ
レンス用LPFF2aと、入力端子2aから入力される
基準周波数信号ω0のレベルを調整する入力アンプ5
と、レベル調整された基準周波数信号ω0とLPFF2
aの出力信号の位相差を検出する位相比較器6と、90
°付近での位相差における感度を確保するために比較出
力信号を増幅する高利得電圧増幅器7と、高利得電圧増
幅器7から出力された電圧値を電流値に変換し、カレン
トミラー回路の基準電流I0として取出す電圧−電流変
換回路8と、前記基準電流I0に基づいて、定電流IB
2a,IB12を作成し、前記LPFF2aおよび電流
値変換回路B1,B2にそれぞれ与える定電流源9,1
0とを備えて構成される。
【0013】前記リファレンス用LPFF2aには、本
体LPFの2次のLPFF2と同じ回路構成、回路素子
定数の2次のLPFが用いられている。これは、2次の
LPFでは、図13に示すように、周波数特性が−3d
B低下するカットオフ周波数ω。において、入力信号と
出力信号との位相差が90°となることを利用すること
で、位相比較器6への入力位相差と比較出力との関係に
おける絶対出力値のばらつきを回避するためである。そ
して、図14に示すように、位相差が90°のとき、位
相比較器6の出力レベルを増幅した高利得電圧増幅器7
の出力電圧は0Vとなり、その90°付近では位相差の
僅かな変化に対して出力電圧が大きく変化する、すなわ
ち高利得で動作する。
【0014】前記高利得電圧増幅器7の出力信号レベル
を電圧−電流変換回路8で電圧−電流変換して得られた
基準電流I0を基準とし、定電流源9に内蔵されたカレ
ントミラー回路によって作成された定電流値IB2aが
LPFF2aに与えられることで、該LPFF2aの入
出力信号の位相差が常に90°、したがって前記高利得
電圧増幅器7の出力信号レベルが0Vとなるように制御
され、結果として、該LPFF2aのカットオフ周波数
ω2aは基準周波数信号ω0の周波数に調整される。
【0015】前記の基準電流I0を基準に、定電流源1
0は、LPFF1,F2のカットオフ周波数可変用の基
準電流IB1,IB2を発生させるための定電流IB1
2を出力する。このLPFF1,F2のカットオフ周波
数ω1,ω2を所望の周波数に可変する場合、前記基準
周波数信号ω0の周波数を直接変化させることで行うこ
とができるものの、基準周波数信号ω0の基本波および
高調波がべースバンド信号に妨害を与える可能性を持っ
ている。そこで、図15に示されるようなカレントミラ
ー回路で構成される電流値変換回路B1,B2におい
て、前記定電流IB12を基準電流とし、カットオフ周
波数を決定するgmアンプA1;A21,A22の基準
電流IB1,IB2を発生させている。
【0016】すなわち、電流値変換回路B1,B2は、
相互に並列に配列され、かつ同じ特性の並列素子数比
が、1:2:4:8に形成され、ベースには前記電流I
B12が共通に与えられ、共通に接続されたコレクタか
ら前記基準電流IB1,IB2を出力する4つのトラン
ジスタQ11〜Q14と、各トランジスタQ11〜Q1
4のエミッタを個別にGNDに接続するスイッチSW1
〜SW4と、前記各スイッチSW1〜SW4のON/O
FF制御を行う電流源制御回路16とを備えて構成され
る。
【0017】前記入力端子4に入力される2ビットの前
記カットオフ周波数選択信号S1,S2に応答して、前
記電流源制御回路16はスイッチSW1〜SW4を択一
的にONすることで、前記基準電流IB1,IB2を、
トランジスタQ11を流れる電流を基準として、2倍、
4倍、8倍まで変化することができる。電流値変換回路
B2の基準電流IB2がトランジスタQ14がONとな
ったときにリファレンス用LPFF2aの基準電流IB
2aと同じになるように、定電流源10の定電流IB1
2の値が設定されている。こうして、表1に示すよう
に、受信信号に応じてカットオフ周波数選択信号S1,
S2を切換えることで、カットオフ周波数ω1,ω2を
4種類選択できるLPF回路1が実現されている。
【0018】
【表1】
【0019】さらに、定電流源9と定電流源10とから
出力される電流値IB2aとIB12との比を変える
と、カットオフ周波数ω1,ω2の基準周波数ω0を変
えることも可能であり、前記電流値変換回路B1,B2
と組合わせることで、可変範囲および可変の段階の設定
を調整することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述のように構成され
るLPF回路1では、設定されたカットオフ周波数が、
電源電圧、周囲温度および回路レイアウト上のばらつき
等の影響を受けても、前記カットオフ周波数選択信号S
1,S2の精度を保つために、電流値変換回路B1,B
2においてそのような影響に対して調整できるように構
成されている。また、LPFF1,F2は常時動作して
いるので、そのようなカットオフ周波数の調整を、本体
LPFF1,F2と同じ特性を持つリファレンス用LP
FF2a等を用いることで、ベースバンド信号の流れを
妨げないで行うように工夫されている。
【0021】そして、前記リファレンス用LPFF2a
には、受信したベースバンド信号の代わりに周波数精度
の高い基準周波数信号ω0を入力し、その基準周波数信
号ω0と該リファレンス用LPFF2aの出力信号との
位相差が一定となるように前記カットオフ周波数選択信
号S1,S2を調整することで、リファレンス用LPF
F2aのカットオフ周波数精度が基準周波数信号ω0の
周波数精度にほぽ等しくなっているので、高い精度が確
保されている。
【0022】しかしながら、本体のLPFF1,F2
と、リファレンス用LPFF2aとの特性が完全に一致
していれば問題は生じないけれども、集積回路の素子特
性のばらつき要素には、同じ半導体ウエハ上に生成され
た複数の集積回路同士の特性変動(絶対値ばらつき)
と、1つの集積回路内においても、回路素子の配置場
所、方向等の回路レイアウトに起因する特性の変動(相
対値ばらつき)との2種類があり、前者の絶対値ばらつ
きに対しては、従来のカットオフ周波数の調整手法で
は、本体のLPFF1,F2と、リファレンス用LPF
F2aとの回路構成、定数を合わせることで回避できる
ものの、後者の相対値ばらつきに対しては、2つのLP
FF1,F2;F2aは独立していることから、避ける
ことができないという問題がある。
【0023】具体的には、回路レイアウト時に、たとえ
ば抵抗であれば、所望の値を1つの抵抗素子で実現する
のではなく、複数の抵抗素子を直並列に接続して構成す
ることで前記相対値ばらつきの影響を小さくすることが
できる。しかしながら、本体のLPFF1,F2をI信
号用とQ信号用との2系統設けた上に、リファレンス用
LPFF2aという余分な回路を設け、さらにそれらの
間の相対値ばらつきの影響を考慮した回路レイアウトと
することは、面積的に極めて不利である。
【0024】さらにまた、上記のカットオフ周波数の調
整方法では、リファレンス用LPFF2a等の調整のた
めの構成が、電源電圧や周囲温度等のカットオフ周波数
の変動要因の有無に拘わらず、衛星放送の受信中は常に
動作しているので、受信信号と同じ周波数帯である基準
周波数信号ω0のリファレンス用LPFF2aから後段
のべースバンド増幅器への回込みに対して、回路配置お
よび配線に対する配慮が必要となる。そのため、集積回
路全体の配置へも影響を与えるという問題もある。
【0025】本発明の目的は、カットオフ周波数を調整
するための構成による影響を抑制することができる可変
周波数フィルタ回路を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の可変周波数フィ
ルタ回路は、フィルタに関連して調整手段が設けられ、
該調整手段が制御手段から与えられる選択信号に応答し
てカットオフ周波数を任意に選択するようにした可変周
波数フィルタ回路において、使用に応じてダイナミック
に変化する回路特性を補償するために、予めシミュレー
ションして求められる前記選択信号の第1の補正値を記
憶する第1の記憶手段と、基準信号源と、前記フィルタ
の入力段に設けられ、調整モード時に、入力信号に代え
て、前記基準信号源からの基準周波数信号を前記フィル
タに入力する入力切換手段と、前記制御手段が、前記基
準周波数信号に対するフィルタ出力が予め定める値とな
るように前記選択信号を調整し、その時の調整値を第2
の補正値として記憶する第2の記憶手段とを含み、通常
動作モード時には、前記制御手段は、前記選択信号を、
前記第1の補正値で補正することで前記回路特性の変化
によるカットオフ周波数のずれを補償するとともに、前
記第2の補正値で補正することで回路レイアウトによる
カットオフ周波数のずれを補償することを特徴とする。
【0027】上記の構成によれば、調整モードを設け
て、実際の信号をフィルタリングするフィルタを使用し
てカットオフ周波数のずれを検出し、補償することで、
別途にリファレンスフィルタ等を設けてずれを検出し、
補償する構成に比べて、回路レイアウト上の回路素子の
相対ばらつきによる影響を抑え、また消費電流の低減お
よび受信信号への妨害信号の回込みを防ぐ等のカットオ
フ周波数を調整するための構成による影響を抑制するよ
うにした可変周波数フィルタ回路において、そのように
カットオフ周波数のずれを検出する構成を別途に設けな
いことで検出できなくなるフィルタの回路特性のダイナ
ミックな変化、たとえば電源電圧や周囲温度等の変化に
よるカットオフ周波数のずれについては、シミュレーシ
ョンによって予め正確に求めることができるので、その
ずれを補償することができる補正値を第1の補正値とし
て第1の記憶手段に記憶しておき、実際に検出された前
記電源電圧や周囲温度等に対応した前記第1の補正値
と、個々の回路素子で異なるけれども、不変の値である
相対ばらつきに対応した前記第2の補正値とで前記選択
信号を補正することで、カットオフ周波数の前記相対ば
らつきによるずれも補償することができる。
【0028】これによって、カットオフ周波数を調整す
るための構成による影響はなくなり、回路配置および配
線への特別な配慮は必要なく、レイアウト時間を短縮す
ることができる。
【0029】また、本発明の可変周波数フィルタ回路で
は、前記選択信号の値は順次整数倍に選ばれ、前記フィ
ルタのカットオフ周波数もそれに対応して順次整数倍と
なるように、その特性が調整されていることを特徴とす
る。
【0030】上記の構成によれば、調整された選択信号
の値において決まるフィルタのカットオフ周波数を、選
択信号の値の整数倍に比例して変化するように回路素子
の設計を行うことで、前記選択信号を電流値で表す場合
に、カレントミラー回路を使用することで、簡単に電流
値を整数倍することができ、容易にカットオフ周波数を
可変することができる。
【0031】さらにまた、本発明の可変周波数フィルタ
回路では、前記制御手段は、前記通常動作モード時に
は、前記フィルタの入出力の位相差から前記カットオフ
周波数のずれ量を求める位相比較器の動作を停止するこ
とを特徴とする。
【0032】上記の構成によれば、前記電源電圧や周囲
温度等の使用に応じてダイナミックに変化する回路特性
によるカットオフ周波数のずれを補償するための第1の
補正値は予め正確に求められて第1の記憶手段に記憶さ
れており、制御手段は前記電源電圧や周囲温度等が変化
すると、その第1の記憶手段から第1の補正値を読出し
て調整手段に与えるだけでよく、その補正による結果を
検出する必要はないので、前記動作モード時には、前記
位相比較器の動作を停止さる。
【0033】これによって、消費電力を削減することが
できる。
【0034】また、本発明の可変周波数フィルタ回路
は、前記第2の記憶手段に記憶される第2の補正値が予
め定める正常値の範囲内であるか否かを判定する判定手
段と、前記判定手段の判定結果を外部へ報知する報知手
段とをさらに備えることを特徴とする。
【0035】上記の構成によれば、調整モードにおける
選択信号の値の上限下限を予め集積回路に固定値として
記憶しておくか、または通信によって外部から入力する
などして判定手段に設定しておき、前記第2の補正値を
求める自動調整終了時に、その第2の補正値の値が正常
値の範囲内に収まっているか否かを判定し、外部へ報知
する。
【0036】したがって、特別な検査装置を使用せず、
また、複数の集積回路を同時に検査でき、調整による歩
留まりの向上およびテスト時間の削減を行うことができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1〜図3ならびに前述の図11および図13〜図15
に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0038】図1は、本発明の実施の一形態のLPF回
路21の電気的構成を示すブロック図である。このLP
F回路21は、ダイレクトコンバージョン方式のデジタ
ル衛星放送受信用セットトップボックスのRFフロント
エンド部において、べースバンドLPF回路として用い
られ、カットオフ周波数可変のLPF回路を集積回路上
に実現した3次のLPFである。したがって、図面の簡
略化のために、この図1では1系統しか示していないけ
れども、フィルタに関する構成は、I信号用とQ信号用
との2系統設けられる。
【0039】図示しない集積回路内の前段回路であるミ
キサから入力端子22に入力されたベースバンド信号
は、シリーズに接続された1次のカットオフ周波数特性
を持つLPFF1および2次のカットオフ周波数特性を
持つLPFF2を通過した後に、出力端子23から出力
される。LPFF1,LPFF2は、たとえば前記図1
1に示されるgmアンプA1;A21,A22およびコ
ンデンサC1;C21,C22から構成される。そし
て、それらのカットオフ周波数ω1,ω2は、LPFF
1,LPFF2に個別に設けられた電流値変換回路B
1,B2からそれぞれ与えられる基準電流IB1,IB
2に比例して変化する。
【0040】前記電流値変換回路B1,B2は、たとえ
ば前記図15で示すように構成され、マイクロコントロ
ーラ24が後述する基準電流I0に対応したデジタル値
を出力し、それをD/A変換器25および電圧−電流変
換回路26でアナログ電流値に変換した電流に基づいて
定電流回路27が作成した前記基準電流I0を前記トラ
ンジスタQ11〜Q14から成るカレントミラー回路の
基準電流とし、前記マイクロコントローラ24が出力す
る所望のカットオフ周波数ω1,ω2に対応した2ビッ
トのカットオフ周波数選択信号S1,S2に応答して前
記電流源制御回路16がスイッチSW1〜SW4を択一
的にONすることで、前記基準電流IB1,IB2を作
成する。前記基準電流I0に対応したデジタル値が、後
述するように周囲温度、電源電圧および回路レイアウト
上のばらつきに対応して、微少に変化される。
【0041】注目すべきは、本発明では、このLPF回
路21は、通常の受信動作を行う動作モードと、基準周
波数信号を用いて前記回路レイアウト上のばらつき対し
てカットオフ周波数を調整する調整モードとを有する。
このため、前記LPFF1とLPFF2との間に入力切
換回路31が設けられており、この入力切換回路31
は、LPFF2に入力される信号を、前記マイクロコン
トローラ24が出力する切換制御信号に応答して、前記
動作モード時には前段のLPFF1からのベースバンド
信号とし、前記調整モード時には前記基準周波数信号と
する。前記基準周波数信号は、クロック発振回路32で
作成されたロジックの振幅レベルのクロック信号を入力
アンプ33において調整モード時におけるLPFF2の
規定入力レベルに調整することで作成される。
【0042】前記クロック発振回路32に関連して、通
信用端子P11,P12を介して外付けの発振子34が
設けられており、クロック発振回路32で作成されたロ
ジックの振幅レベルのクロック信号は、システム全体を
制御する前記マイクロコントローラ24等にクロック信
号として供給される。
【0043】また、本発明では、前記マイクロコントロ
ーラ24によって制御されて、調整モード時のみ動作す
るブロック35が設けられている。このブロック35
は、LPFF2への入出力信号の位相差を検出する位相
比較器36と、その出力の90°位相差近辺の検出電圧
を増幅し、検出感度を向上するための高利得電圧増幅器
37と、増幅後の出力電圧信号を前記クロック信号に応
答したタイミングでデジタル値に変換するA/D変換器
38とを備えて構成される。
【0044】前記LPFF2は、前述のように2次のL
PFであり、前記図13に示すように、周波数特性が−
3dB低下するカットオフ周波数ω。において、入力信
号と出力信号との位相差が90°となる。そして、位相
比較器36の出力レベルを増幅した高利得電圧増幅器3
7の出力電圧は、前記図14に示すように、位相差が9
0°のとき0Vとなり、その90°付近では位相差の僅
かな変化に大きく変化する。
【0045】前記A/D変換器38からの出力は前記マ
イクロコントローラ24にフィードバックされ、該マイ
クロコントローラ24は、そのフィードバック値がLP
FF2への入出力信号の位相差が90°に対応した値と
なるように、すなわちカットオフ周波数と基準周波数信
号の周波数と同じとなるように、前記D/A変換器25
へ出力する前記基準電流I0に対応したデジタル値を調
整する。これによって、集積回路の回路レイアウト上の
ばらつきを補償して、LPFF2を所望のカットオフ周
波数に設定することができるデータが得られ、第2の補
正値を含む該データはデータメモリ39に格納される。
【0046】前記データメモリ39は、通信用端子P2
を介して参照符39aで示すように外部に設けられても
よく、また通信用端子P3を介して前記マイクロコント
ローラ24と通信を行い、前記調整モードと動作モード
との切換えや、動作モード時における受信チャネルに対
応したカットオフ周波数の指示等を行う外部のCPU4
0のデータメモリ41と共用されてもよく、さらに参照
符39bで示すようにマイクロコントローラ24の内部
メモリと共用されてもよい。
【0047】一方、前記データメモリ39(39a,4
1,39b)には、上述のようにして得られた回路レイ
アウト上のばらつきを補償したデータとともに、前記リ
ファレンス用LPFF2aのようなカットオフ周波数の
ずれを検出する構成を別途に設けないことで検出できな
くなるLPFF1,F2の電源電圧および/または周囲
温度の変化による回路特性のダイナミックな変化に対す
るカットオフ周波数のずれを補償することができる第1
の補正値が格納されている。前記電源電圧および/また
は周囲温度の変化による回路特性変化は、シミュレーシ
ョンによって予め正確に求めることができるので、メー
カ側で求められ、各値毎の第1の補正値が該データメモ
リ39(39a,41,39b)に格納されている。
【0048】したがって、前記D/A変換器25では、
調整モード時には、A/D変換器38で変換されたデジ
タル値がそのままアナログの電圧値に変換され、動作モ
ード時には、データメモリ39(39a,41,39
b)からマイクロコントローラ24に読出された所望と
するカットオフ周波数に対応した前記第2の補正値を含
むデータが、電圧検出器42によって検出された電源電
圧および/または温度センサ43によって検出された周
囲温度に対応してさらに該データメモリ39(39a,
41,39b)から読出された第1の補正値によって補
正されたデジタル値がアナログの電圧値に変換されるこ
とになる。前記電圧検出器42および温度センサ43
も、参照符42a,43aで示すように集積回路の外部
に設けられ、検出結果が、直接、またはこの図1で示す
ように前記CPU40を介して、マイクロコントローラ
24に入力されるようにしてもよい。
【0049】図2は、上述のように構成されるLPF回
路21の動作を説明するためのフローチャートである。
この図2は、電源を投入してからの動きを示している。
電源が投入された直後は回路動作が不安定であるので、
調整モードヘの投入を遅らせるために、タイマを用いて
規定時間の遅延処理を行う。具体的には、ステップS1
で前記タイマを初期化し、ステップS2において、タイ
マの計時を開始させる。ステップS3では前記規定時間
の終了まで待機し、終了したらステップS4に移って、
後述する調整モードを実行する。調整モードが終了する
と、ステップS5以降の通常動作モードに移る。
【0050】通常動作モードでは、先ずステップS5に
おいて、前記電圧検出器42および温度センサ43の検
出結果が取込まれ、ステップS6では、前記データメモ
リ39(39a,41,39b)に格納された条件で前
記検出結果に最も近い第1の補正値が前記データメモリ
39(39a,41,39b)から取込まれる。外部に
設けられる電圧検出器42aおよび温度センサ43aの
場合には、前記ステップS5では、CPU40から、通
信用端子P3を介して検出結果が取込まれる。
【0051】次に、ステップS7では、CPU40から
の受信チャネルの変更に伴うカットオフ周波数調整の要
求や、周囲温度および/または電源電圧の変化に伴うカ
ットオフ周波数調整の要求があるか否かが判断され、調
整の要求が無い限り前記ステップS5に戻り、調整の要
求が発生するとステップS8に移って調整が行われる。
【0052】前記カットオフ周波数の調整は、具体的に
は、前述のように、受信チャネルの変更に伴って通過さ
せるべきベースバンド信号の帯域自体が変化した場合に
は、マイクロコントローラ24は前記カットオフ周波数
選択信号S1,S2を変化し、前記電流値変換回路B
1,B2内のスイッチSW1〜SW4を択一的に切換え
制御することで行われ、周囲温度および/または電源電
圧の変化に伴う微調整を行う場合には、マイクロコント
ローラ24は、前記データメモリ39に格納されている
前記第2の補正値を含む回路レイアウト上のばらつきを
補正したデータを、検出された周囲温度および/または
電源電圧に対応した第1の補正値で補正した後、前記D
/A変換器25に出力し、前記基準電流I0を調整する
ことで行われる。外部に設けられるデータメモリ39a
やデータメモリ41の場合には、前記ステップS8で
は、マイクロコントローラ24は通信用端子P2,P3
を介して第2の補正値を含むデータおよび第1の補正値
を取込む。
【0053】図3は、前記調整モード時の処理を説明す
るためのフローチャートである。ステップS11では、
初期化処理が行われる、前記初期化処理は、データメモ
リ39(39a,39b)の初期化、D/A変換器25
への初期値の設定、入力アンプ33およびブロック35
の電源のON、入力切換回路31の基準周波数信号側へ
の切換え、前記カットオフ周波数選択信号S1,S2の
切換えによる電流値変換回路B1,B2の調整モードへ
の切換え等である。初期化処理が終了し、初期値のデー
タが与えられた直後は、アナログ回路の動作が安定して
いないので、ステップS12において安定するまでの時
間だけ処理待ちが行われる。CPU40を介するデータ
メモリ41の場合には、前記ステップS11では、マイ
クロコントローラ24は通信用端子P3を介して、調整
モードに必要なデータを取得する処理とともに、データ
メモリ41内でデータを格納すべきアドレスを取得し、
CPU40にそのアドレスの内容を消去させる処理をさ
らに行うことになる。
【0054】続いてステップS13では、基準周波数信
号に対するLPFF2の入出力間の位相差を電圧差で表
したデジタル値がA/D変換器38から読取られ、ステ
ップS14では、データメモリ39に格納されている1
つ前の値と比較が行われる。比較結果が一致しない場合
は、ステップS15からステップS16に移り、読取っ
た値が新しい値としてデータメモリ39(39a,39
b)へ格納されるとともに、ステップS17でD/A変
換器25に設定される。その後、ステップS18では、
D/A変換器25へのデータの変更だけであるので、前
記ステップS12よりも短い時間だけ、再びアナログ回
路が安定するまでの時間だけ処理待ちが行われた後、前
記ステップS13に戻って位相差が比較される。
【0055】比較結果については、一定の誤差範囲を許
容できる場合は、比較値の絶対値を誤差値と比較し、取
得した値が誤差値より小さい場合において、調整を終わ
っても良い。なお、ステップS11直後のステップS1
4の比較では、1つ前の値がないので、無条件にステッ
プS15へ進む。何回かの処理後、ステップS14の比
較結果が一致した場合は、ステップS15からステップ
S19へ進み、調整モードの終了処理が行われる。
【0056】前記調整モードの終了処理は、入力アンプ
33およびブロック35の電源のOFF、入力切換え回
路31のLPFF1側への切換え等である。CPU40
を介するデータメモリ41の場合には、前記ステップS
19では、マイクロコントローラ24は通信用端子P3
を介して、CPU40にD/A変換器25へ出力したデ
ータや、周囲温度および/または電源電圧のデータを転
送し、前記データメモリ41に格納させる。
【0057】調整モードが終了すると、D/A変換器2
5には、最後にA/D変換器38において出力された値
が設定され、前記前記基準電流I0が初期設定されるこ
とになる。その後、周囲温度および/または電源電圧が
変化すると、それに応じてデータメモリ39(39a,
41,39b)から読出された第1の補正値で、前記基
準電流I0は逐次補正されることになる。
【0058】このように構成することによって、回路レ
イアウトの関係で、個々の集積回路で異なるけれども、
不変の値である相対ばらつきに対応した第2の補正値を
含む基準電流I0を調整モードで求めておき、使用によ
ってダイナミックに変化する周囲温度および電源電圧に
対する第1の補正値は、予めメーカでシミュレーション
によって高精度に求められ、データメモリ39,39
a,41等に格納されており、この第1の補正値によっ
て前記基準電流I0を補正するので、LPFF1,F2
のカットオフ周波数を高精度に制御することができると
ともに、ベースバンド信号が入力される前記LPFF
1,F2自体を用いて調整を行うので、動作モード時
に、後段のべースバンド増幅器へ前記のようにフィルタ
出力や基準周波数信号が回込む心配はなくなり、回路配
置および配線への特別な配慮は必要なく、レイアウト時
間を短縮することができる。そして、デジタル衛星放送
受信用のセットトップボックスでは、一旦電源がONさ
れると、OFF/ONされることは殆どないので、調整
モードを設けても、殆ど問題はない。
【0059】なお、LPFF1,F2は、回路構成やレ
イアウトは、カットオフ周波数の調整のための構成を除
いて、全く同一に構成され、相対値のばらつきについて
は有利になっている。したがって、回路の同一性から、
一方の基準電流IB2に連動して、他方の基準電流IB
1を調整することでカットオフ周波数を高精度に調整す
ることができる。しかしながら、前記図10のLPF回
路1のように、リファレンス用のLPFF2aを設け、
それを本体のLPFF1,F2と同一構成およびレイア
ウトとするのは面積的に不利であり、また基準電流IB
2a,IB12を供給する定電流源9,10間の誤差も
問題になる。
【0060】また、LPFF1,F2の特性を、基準電
流IB1,IB2の整数倍で複数の各カットオフ周波数
となるように調整するので、電流値変換回路B1,B2
にカレントミラー回路を使用することで、簡単にカット
オフ周波数を可変することができる。さらにまた、通常
動作モード時には、位相比較器36を含むブロック35
の動作を停止するので、消費電力を一層削減することが
できる。
【0061】本発明の実施の他の形態について、図4お
よび図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0062】図4は、本発明の実施の他の形態のLPF
回路41の電気的構成を示すブロック図である。このL
PF回路41は、前述のLPF回路21に類似し、対応
する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略
する。前記のLPF回路21では、調整モードと通常動
作モードとの2つのモードの切換えでカットオフ周波数
調整が可能であることを述べたけれども、実際の集積回
路では、半導体のウエハ上に同一回路をまとめて作りこ
んだ場合、それらすべてを良品とすることは不可能であ
り、必ず正常に動作することを確認するためのテストを
必要とする。このカットオフ周波数のばらつきのテスト
は、時間を必要とする項目であり、1つ1つを個別にテ
ストすることは、テスト時間の増加を招き、コストアッ
プの要因となっている。そこで、注目すべきは、このL
PF回路41では、特別なテスト機器を必要とせず、同
時一斉にテストを行うことができる構成を提供すること
である。
【0063】前述のように、マイクロコントローラ24
aは、通信用端子P3を介して外部のCPU40と接続
されている。また、このマイクロコントローラ24a
は、NchオープンドレインのFETQ21をON/O
FFする制御も行えるように接続されている。前記FE
TQ21ドレイン端子は出力端子P4に接続され、その
出力端子P4には発光ダイオードD1のカソードが接続
されている。発光ダイオードD1のアノードは、電流制
限抵抗R1を介して電源電圧Vccに接続されている。
したがって、マイクロコントローラ24aが、FETQ
21のゲート電圧をドレイン−ソース間がONするよう
な電圧とすることで、発光ダイオードD1のカソードは
GND電位となり、該発光ダイオードD1は点灯する。
【0064】図5は、上述のように構成されるLPF回
路41の調整モードでの処理を説明するためのフローチ
ャートである。ステップS11aの初期化処理では、デ
ータメモリ39の初期化、D/A変換器25への初期値
の設定、入力アンプ33およびブロック35の電源のO
N、入力切換回路31の基準周波数信号側への切換え、
前記カットオフ周波数選択信号S1,S2の切換えによ
る電流値変換回路B1,B2の調整モードへの切換え、
CPU40から調整モードに必要な各種のデータの取
得、データメモリ41内でのアドレスの取得およびその
アドレスの内容の消去等とともに、テストにあたっての
判定基準となる上限値および下限値を取得し、データメ
モリ39に設定する。
【0065】その後、ステップS12からステップS1
8の処理を繰返して補正値を決定後すると、ステップS
21では、決定した補正値と前記ステップS11aで設
定した上限値および下限値との比較を行い、ステップS
22で前記上限値から下限値の範囲内に収まっているか
否かを判定する。収まっているときには前記ステップS
19の調整モード終了処理へ進む。一方、補正値が上限
値から下限値の範囲内に収まっていないときには、ステ
ップS23に移り、判定結果をデータメモリ39へ格納
するとともに、FETQ21をONさせ、出力端子P4
をGNDレベルにして、発光ダイオードD1を点灯す
る。こうして、不良品であることが外部に報知された
後、前記前記ステップS19の調整モード終了処理へ進
む。
【0066】このような調整モード中には、特に特別な
テスト装置を必要とせず、1つの外部制御CPU40
で、複数の集積回路を切換えて制御できるようなテスト
装置を用いれば、同時に大量の集積回路の回路レイアウ
ト上のばらつきに対するカットオフ周波数調整を行うこ
とができ、かつ集積回路のテストおよび良品と不良品と
の選別まで行うことができる。
【0067】本発明の実施のさらに他の形態について、
図6〜図9に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0068】図6は、本発明の実施のさらに他の形態の
LPF回路51の電気的構成を示すブロック図である。
このLPF回路51は、前述のLPF回路21,41に
類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、そ
の説明を省略する。前記のLPF回路21,41では、
調整モードと通常動作モードとの何れにおいてもマイク
ロコントローラ24,24aを必要としたけれども、デ
ジタル衛星放送受信用のダイレクトコンバージョン集積
回路には、一般的に、復調用局部発振器の周波数制御P
LL回路(フェーズロックドループ)を搭載しており、
その周波数設定のための外部との通信手段を備えてい
る。そこで、注目すべきは、このLPF回路51では、
その通信手段を一部共用化することで、外部からカット
オフ周波数の調整のためのデータを受取り、2つのタイ
マT1,T2を用いて、カットオフ周波数調整を行うこ
とである。
【0069】前記タイマT1は、電源投入後のアナログ
回路の安定時間を計時し、タイマT2は、調整モードの
所要時間を計時する。タイマT1,T2には、図示しな
い前記通信手段を介してクロック信号CLOCKが入力
される。また、タイマT1には、電源が投入されたこと
を表すパワーオンリセット信号PONRSTが入力され
ており、該パワーオンリセット信号PONRSTがアク
ティブとなった時点から、クロック信号CLOCKの計
時動作を開始する。一方、タイマT2には、前記タイマ
T1のカウント出力T1ONが入力されており、該カウ
ント出力T1ONがアクティブとなった時点から、クロ
ック信号CLOCKの計時動作を開始する。
【0070】タイマT1のカウント出力T1ONとタイ
マT2のカウント出力T2ONとは制御信号発生回路5
2に入力され、該制御信号発生回路52は、入力切換回
路31の切換制御信号SMOD、調整モード時のみ動作
する入力アンプ33およびブロック35の電源を制御す
る電源制御信号PWONおよび調整モード終了直後のA
/D変換器38のデジタル値をデータメモリ39に格納
させるためのラッチ信号LENBを発生する。
【0071】図7は、各信号の発生タイミングを示す波
形図である。時刻t1で電源が投入され、電源電圧が上
昇して、時刻t2でパワーオンリセット信号PONRS
Tがアクティブとなり、かつクロック信号CLOCKの
供給が開始されると、タイマT1は計時動作を開始す
る。時刻t3でタイマT1がアナログ回路の安定時間の
計時を終了すると、切換制御信号SMODがアクティブ
となって入力切換回路31は入力アンプ33側に切換わ
るとともに、電源制御信号PWONがアクティブとなっ
てブロック35への電源供給が行われる。こうして、前
述の調整モードが開始されるとともに、タイマT2は計
時動作を開始する。
【0072】データメモリ39は、ラッチ信号LENB
がローレベルの非アクティブである間は、A/D変換器
38のデジタル値をそのままD/A変換器25に出力し
ており、時刻t4でタイマT2が調整モードの所要時間
の計時を終了し、ラッチ信号LENBがハイレベルのア
クティブとなると、A/D変換器38のデジタル値をそ
のまま保持する。このとき、切換制御信号SMODが非
アクティブとなって入力切換回路31はLPFF1側に
切換わるとともに、電源制御信号PWONも非アクティ
ブとなってブロック35への電源供給が停止される。
【0073】図8は、上述のように構成されるLPF回
路51の動作を説明するためのフローチャートである。
前述の図2に対応するステップには、同じステップ番号
を付している。ステップS1でタイマT1を初期化し、
ステップS2からタイマの計時を開始させ、ステップS
3でタイマT1の規定時間が終了すると、ステップS4
で調整モードが開始される。ステップS31ではタイマ
T2が初期化され、ステップS32から計時が開始さ
れ、ステップS33でタイマT2の規定時間が終了する
と、ステップS34で調整モード終了処理が行われる。
その後、ステップS5以降の通常動作モードに移る。
【0074】このようにタイマT2の規定時間が終了し
た時点でA/D変換器38のデジタル値が取込まれるの
で、図9に示すように、調整モードでは、ステップS1
3,S16,S17,S18を単純に繰返し、前記デジ
タル値を更新し続けることになる。
【0075】このようにタイマT1,T2を用いること
で、単純な回路構成で電源投入時に自動的に調整モード
を動作させる調整工程を実現することができ、カットオ
フ周波数調整済みの集積回路装置をレーザー加工機のよ
うに高価な調整装置を用いることなく提供できる。
【0076】前記データメモリ39,39a,39b,
41を不揮発性メモリとし、一度調整モードで得られた
調整値を電源を切っても保持できるようにすることで、
内蔵のデータメモリ39,39a,39bの場合は生産
時の調整のみとし、調整回数を削減することができる。
また、外部のデータメモリ41の場合も、生産時にデー
タを取得しておき、本集積回路にそのデータを設定する
ことで、調整を不要とすることも可能である。
【0077】
【発明の効果】本発明の可変周波数フィルタ回路は、以
上のように、調整モードを設けて、実際の信号をフィル
タリングするフィルタを使用してカットオフ周波数のず
れを検出し、補償することで、カットオフ周波数を調整
するための構成による影響を抑制するようにした可変周
波数フィルタ回路において、カットオフ周波数のずれを
検出する構成を別途に設けないことで検出できなくなる
フィルタの回路特性のダイナミックな変化によるずれを
補償することができる補正値を予め第1の補正値として
求めておき、個々の回路素子で異なるけれども、不変の
値であり、前記調整モードで求めた相対ばらつきに対応
した第2の補正値とでカットオフ周波数の選択信号を補
正する。
【0078】それゆえ、カットオフ周波数を調整するた
めの構成による影響はなくなり、回路配置および配線へ
の特別な配慮は必要なく、レイアウト時間を短縮するこ
とができる。
【0079】また、本発明の可変周波数フィルタ回路
は、以上のように、前記選択信号の値を順次整数倍に選
び、前記フィルタのカットオフ周波数もそれに対応して
順次整数倍となるように、その特性を調整する。
【0080】それゆえ、前記選択信号を電流値で表す場
合に、カレントミラー回路を使用することで、簡単に電
流値を整数倍することができ、容易にカットオフ周波数
を可変することができる。
【0081】さらにまた、本発明の可変周波数フィルタ
回路は、以上のように、通常動作モード時には、フィル
タの入出力の位相差から前記カットオフ周波数のずれ量
を求める位相比較器の動作を停止する。
【0082】それゆえ、消費電力を削減することができ
る。
【0083】また、本発明の可変周波数フィルタ回路
は、以上のように、前記第2の補正値が予め定める正常
値の範囲内であるか否かを判定し、その判定結果を外部
へ報知する。
【0084】それゆえ、特別な検査装置を使用せず、ま
た、複数の集積回路を同時に検査でき、調整による歩留
まりの向上およびテスト時間の削減を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のLPF回路の電気的構
成を示すブロック図である。
【図2】図1で示すLPF回路の動作を説明するための
フローチャートである。
【図3】調整モード時の処理を説明するためのフローチ
ャートである。
【図4】本発明の実施の他の形態のLPF回路の電気的
構成を示すブロック図である。
【図5】図4で示すLPF回路の調整モード時の処理を
説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態のLPF回路の
電気的構成を示すブロック図である。
【図7】図6で示すLPF回路の各信号の発生タイミン
グを示す波形図である。
【図8】図6で示すLPF回路の動作を説明するための
フローチャートである。
【図9】図6で示すLPF回路の調整モード時の動作を
説明するためのフローチャートである。
【図10】典型的な従来技術のLPF回路の電気的構成
を示すブロック図である。
【図11】前記LPF回路を構成するLPFの具体的構
成を示すブロック図である。
【図12】前記LPFを構成する1つのgmアンプの電
気回路図である。
【図13】2次のLPFの周波数特性および位相特性を
示すグラフである。
【図14】高利得電圧増幅器の出力特性を説明するため
のグラフである。
【図15】前記LPFの周波数を制御する電流値変換回
路の具体的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 電源 12〜15 定電流源 16 電流源制御回路 21,41,51 LPF回路 24 マイクロコントローラ(制御手段) 24a マイクロコントローラ(制御手段、判定手
段) 25 D/A変換器 26 電圧−電流変換回路 27 定電流回路 31 入力切換回路(入力切換手段) 32 クロック発振回路(基準信号源) 33 入力アンプ 34 発振子 35 ブロック 36 位相比較器 37 高利得電圧増幅器 38 A/D変換器 39,39a,39b,41 データメモリ(第1お
よび第2の記憶手段) 40 CPU 42,42a 電圧検出器 43,43a 温度センサ 52 制御信号発生回路 A1;A21,A22 gmアンプ B1,B2 電流値変換回路(調整手段) C1;C21,C22 コンデンサ D1 発光ダイオード(報知手段) F1,F2 LPF(フィルタ) P11,P12;P2;P3 通信用端子 P4 出力端子 Q1〜Q6,Q11〜Q14 トランジスタ Q21 FET R1 電流制限抵抗 RE エミッタ抵抗 SW1〜SW4 スイッチ T1,T2 タイマ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルタに関連して調整手段が設けられ、
    該調整手段が制御手段から与えられる選択信号に応答し
    てカットオフ周波数を任意に選択するようにした可変周
    波数フィルタ回路において、 使用に応じてダイナミックに変化する回路特性を補償す
    るために、予めシミュレーションして求められる前記選
    択信号の第1の補正値を記憶する第1の記憶手段と、 基準信号源と、 前記フィルタの入力段に設けられ、調整モード時に、入
    力信号に代えて、前記基準信号源からの基準周波数信号
    を前記フィルタに入力する入力切換手段と、 前記制御手段が、前記基準周波数信号に対するフィルタ
    出力が予め定める値となるように前記選択信号を調整
    し、その時の調整値を第2の補正値として記憶する第2
    の記憶手段とを含み、 通常動作モード時には、前記制御手段は、前記選択信号
    を、前記第1の補正値で補正することで前記回路特性の
    変化によるカットオフ周波数のずれを補償するととも
    に、前記第2の補正値で補正することで回路レイアウト
    によるカットオフ周波数のずれを補償することを特徴と
    する可変周波数フィルタ回路。
  2. 【請求項2】前記選択信号の値は順次整数倍に選ばれ、
    前記フィルタのカットオフ周波数もそれに対応して順次
    整数倍となるように、その特性が調整されていることを
    特徴とする請求項1記載の可変周波数フィルタ回路。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、前記通常動作モード時に
    は、前記フィルタの入出力の位相差から前記カットオフ
    周波数のずれ量を求める位相比較器の動作を停止するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の可変周波数フィ
    ルタ回路。
  4. 【請求項4】前記第2の記憶手段に記憶される第2の補
    正値が予め定める正常値の範囲内であるか否かを判定す
    る判定手段と、 前記判定手段の判定結果を外部へ報知する報知手段とを
    さらに備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに
    記載の可変周波数フィルタ回路。
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