JP2008004239A - 光ピックアップおよびこれを備える光ディスクドライブ装置 - Google Patents

光ピックアップおよびこれを備える光ディスクドライブ装置 Download PDF

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紗友里 森田
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由紀夫 渡邉
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Abstract

【課題】受光素子への迷光の入射を抑制することができ、かつ、サーボ信号等の不具合を防止することができる小型の光ピックアップを提供する。
【解決手段】本発明にかかる光ピックアップには、記録媒体8の読み出しを行っている記録層から戻されかつビームスプリッター4によって光路が変えられた戻り光(信号光)を全て受光素子30側に反射する一方、該記録層以外からの戻り光(迷光)を受光素子30側には反射させない反射光学素子70が設けられている。該反射光学素子70としては、例えば、中央部に反射部を有し該反射部の周囲に非反射部を有する反射膜が挙げられる。該反射光学素子70によって信号光と迷光とを選別することが可能となるので、上記受光素子30に対する迷光の入射を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ピックアップおよびこれを備える光ディスクドライブ装置に関するものであり、より詳しくは、情報の記録又は再生が行われる記録層とは別の層で反射されたレーザー光の少なくとも一部を受光素子の受光部に入射しないようにし、迷光の発生を抑制または防止する光ピックアップと、これを備える光ディスクドライブ装置とに関するものである。
従来、光ディスクや光磁気ディスク等の記録媒体に情報信号の記録や再生を行うディスクドライブ装置としては、ディスク状記録媒体の半径方向へ移動され該ディスク状記録媒体にレーザー光を照射する光ピックアップが広く使われている。
このような光ピックアップにおいては、一般に、発光素子から出射されたレーザー光がビームスプリッター等の光分離素子を透過し、集光手段によって集光されて記録媒体の記録層にレーザー光のスポットが形成される。ディスク状記録媒体の記録層に集光されたレーザー光は反射されて再び光分離素子に入射され、該光分離素子によって光路が変換されて受光素子に入射される。
ディスク状記録媒体には、記録層が複数設けられている多層型のタイプがあるが、この多層型のディスク状記録媒体においては、第1の記録層(情報の記録や再生が行われる層)にレーザー光が集光されてスポットが形成され、該レーザー光が反射されている場合であっても、第1の記録層に隣接する他の記録層等でレーザー光が反射される。
その結果、多層型のディスク状記録媒体からの戻り光には、第1の記録層での反射光(以下「信号光」という)だけでなく、第1の記録層に隣接する他の記録層での反射光(以下「迷光」という)も多く含まれることになり、迷光が受光素子に入射される。それにより、RF(無線周波数)信号の品質の劣化やサーボ信号の不具合、フォーカス誤差信号の劣化及びトラッキング信号の劣化等を引き起こす原因となる。
そこで、この問題を解決する手段として、例えば、特許文献1には、以下のような対策が開示されている。
特許文献1に開示される光学的データ記憶装置は、不要な反射光を排除するためのフィルターを有しており、具体的には、図16に示すように、多重データ面フィルター120が開示されている。媒体の特定のデータ面に光線が合焦されると、反射された光線がそのデータ面からヘッドに戻る。しかし、光線の一部分は他のデータ面でも反射される。そのため、上記この多重データ面フィルター120は、正しいデータ信号及びサーボ信号を得るべく、この望ましくない反射光を排除する。
多重データ面フィルター120は、遮光板121およびコリメートレンズ122を含む。所望の光線130は、媒体のデータ面から反射される反射光線であり、図示しない合焦レンズを通ってミラー、ビームスプリッターで反射され多重データ面フィルター120に向かう光である。それゆえ、所望の光線130は合焦レンズによって正しく合焦された光なので平行である。所望の光線130は、レンズ123によって点124に合焦される。望ましくない光131は、上記合焦レンズによって正しく合焦されないので、平行ではなく、点124で焦点を結ばない。遮光板121は、点124に所望の光線130を通すアパーチャ125を有する。望ましくない光131の大部分は、遮光板121によって遮断される。所望の光線130は、コリメートレンズ122によって再び平行になる。
上記構成によれば、上記多重データ面フィルター120は、平行になった光を焦点に合焦させるためのレンズ123と、焦点の面内に位置し、焦点にアパーチャ125を有する遮光板121と、アパーチャ125を通過する光を平行にするためのコリメートレンズ122とを含む構成となっており、これにより信号光と迷光(望ましくない光)との分離を図っている。
ところで、一般に、光ピックアップを用いたディスクドライブ装置の技術では、光ピックアップのフォーカスおよびトラックが外れないように制御される。このような制御機能はフォーカスサーボ機能およびトラッキングサーボ機能と呼ばれ、これら各サーボ機能の動作中には、集光レンズを修正するための制御信号であるサーボ信号を計算することになる。
上記フォーカスサーボ機能に用いられるサーボ信号はフォーカス誤差信号(フォーカスエラー信号、FE信号)であり、集光スポットの焦点位置と記録媒体の記録面とのずれを表す。また、トラッキングサーボ機能に用いられるサーボ信号はトラッキング誤差信号(トラッキングエラー信号、TE信号)であり、ピットに対する光ピックアップのトラック幅方向の位置ずれ情報を表す。これらサーボ信号は、何れも受光信号に基づいて計算される。
特許第3082168号公報(特開平5−151609号公報、平成5年6月18日公開)
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、多重データ面フィルター120は、アパーチャを有する遮光板を備えるため、「望ましくない光」(不要光)を除去するためには、光学系として集束光がピンホールを通過する構成のものを採用する必要がある。このような光学系は、概して大型化するため、不要光を除去する構成そのものが大きくなるという問題を生ずる。
また、前述したように、フォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号等のサーボ信号は、受光信号に基づいて計算されるので、受光信号となる信号光に不要光が含まれると、これらサーボ信号を正確に計算することが困難となる。この点について、特許文献1には、信号光と迷光との光路長の差を同じにすることによりトラッキング誤差信号を同じ大きさにするとの記載はある。しかしながら、フォーカス誤差信号の劣化及びトラッキング誤差信号の劣化に対しては、具体的な対策が示されていない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、受光素子への迷光の入射を抑制することができ、かつ、サーボ信号等の不具合を防止することができる小型の光ピックアップを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、不要光を除去するための構成として、信号光と不要光とを選別可能とする反射光学手段を採用することで、小型かつ各種サーボ信号の劣化を回避可能とすることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る光ピックアップは、上記の課題を解決するために、記録媒体の記録層に光を発する光源と、上記記録層からの戻り光を受光する受光素子と、上記光源および受光素子の少なくとも一方と記録媒体との間に介在して光を集光可能とする集光手段と、光源から出射されたレーザー光の光路と上記記録層からの戻り光の光路を変えるための光分離素子と、上記集光手段の上記光源側の焦点位置でありかつ上記光源とは異なる位置に、読み出しを行っている記録層から戻されかつ上記光分離素子によって光路が変えられた戻り光を全て反射する一方、上記記録層以外からの戻り光を受光素子側には反射させない反射光学素子とが設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記反射光学素子によって信号光と迷光とを選別することが可能となるので、上記受光素子に対する迷光の入射を防止することができる。そのため、迷光を含まない信号光から各種サーボ信号を適切に計算することができるので、サーボ信号等の不具合を防止することができる。
しかも、上記反射光学素子は、反射光学素子という単一構成により信号光と迷光との選別を行うことができるので、アパーチャを有する光遮断部材を備える装置を採用する必要がない。その結果、装置の小型化が可能となる。
上記光ピックアップにおいては、上記反射光学素子は、読み出しを行っている記録層から戻されかつ上記光分離素子によって光路が変えられた戻り光を全て反射する反射部と、上記記録層以外からの戻り光を透過又は吸収可能とする非反射部とを備えていることが好ましい。
上記構成によれば、上記反射光学素子に反射部と非反射部という明確に反射機能の異なる構成が設けられているので、信号光と迷光との選別をより一層適切に行うことが可能となる。
上記光ピックアップにおいては、上記反射光学素子の反射面のうち、戻り光の入射光軸を含む中央部に上記反射部が設けられているとともに、当該反射部の周囲に非反射部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、中央部に反射部を設けることで、信号光となる戻り光を確実に反射できる一方、広い範囲で反射面に入射する迷光は非反射部で大部分を吸収または透過することになる。それゆえ、信号光と迷光との選別をより一層適切に行うことが可能となる。
上記光ピックアップにおいては、上記反射光学素子には複数種類の波長の戻り光が入射可能となっており、上記反射部としては、入射する全ての波長の戻り光を反射する完全反射部と、少なくとも1種類の波長の戻り光を透過または吸収する部分反射部とが含まれることが好ましい。
上記構成によれば、複数波長のレーザー光を用いた場合であっても、完全反射部および部分反射部の組み合わせにより、用途に応じて適切に迷光の選別を行うことができる。
上記光ピックアップにおいては、上記集光手段には、光源および記録媒体間の光を集光可能とする照射集光手段と、光分離素子および受光素子間で戻り光を集光可能とする戻り光集光手段とが含まれているとともに、上記光源、上記照射受光系集光手段、および上記光分離素子を含む系と、上記受光素子、上記光分離素子、上記記録層からの戻り光を上記受光素子に集光する戻り光集光手段、および上記反射光学素子を含む系とが、上記光分離素子で交差していることが好ましい。
上記構成によれば、上記光分離素子によって光路が変えられた戻り光が、上記反射光学素子で反射し、反射後の戻り光が反射前の戻り光と同じ光路を通る。それにより、戻り光の移動幅が小さくなる。その結果、光ピックアップそのものをより一層コンパクト化することができる。
上記光ピックアップにおいては、記録媒体の記録層にレーザー光の1つのスポットのみを形成することが好ましい。
上記構成によれば、レーザー光のスポット焦点が上記記録媒体上のトラックの中央にある場合には、そのファーフィールドパターンが左右同じ明るさとなる。プッシュプル法によりトラッキング誤差信号を得る場合には、ファーフィールドパターンの強度分布の左右対称性を検出することになるが、上記のように左右同じ明るさとなれば、本来不要なトラッキング誤差信号が検出されることがない。その結果、トラッキング誤差信号の劣化を防止することができる。
上記光ピックアップにおいては、光源から記録媒体までの光路中に、光源から出射されたレーザー光を主光束と一対の副光束とに分離する回折格子を設け、記録媒体の記録層に主スポットと一対の副スポットとによって構成されるレーザー光の3つのスポットを形成することが好ましい。
上記構成によれば、メインビームは記録された情報を取得するための主光束であり、サブビームは、メインビームの集光位置を制御する副光束である。したがって、上記回折格子を設けることにより、メインビームの集光位置は安定する。その結果、サーボ信号等の不具合をより効果的に回避することができる。
上記光ピックアップにおいては、上記反射光学素子の反射部のメインとサブの反射領域幅を変化させることが好ましい。
上記構成によれば、メインビームとサブビームとを区別することができる。フォーカス誤差信号は、メインビームのうち上記受光素子に入射する成分を用いて計算されるので、サブビームに対してはマージンを考慮する必要がない。その結果、上記反射光学素子の反射部の形状は、上記記録媒体の記録層にレーザー光が合焦した際に、反射光学素子上に形成される信号光のスポットが全て反射され得る最小の大きさとすることができる。
上記光ピックアップにおいては、上記光源として複数の異なる波長を有するレーザーを用いることが好ましい。
上記構成によれば、波長選択性を有する上記反射光学素子を用いる場合には、1種類の反射光学素子によって、複数の波長を有するレーザー光に対して異なる作用を示すことが可能となる。その結果、多波長の光ピックアップを実現することが可能となる。
上記光ピックアップにおいては、上記反射光学素子が波長選択性を有することが好ましい。
上記構成によれば、上記反射光学素子が、波長によって反射光を選択する。その結果、多波長のレーザーを用いることが可能となる。
上記光ピックアップにおいては、記録媒体の記録層にレーザー光の1つのスポットのみを形成することが好ましい。
上記構成によれば、レーザー光のスポット焦点が上記記録媒体上のトラックの中央にある場合には、そのファーフィールドパターンが左右同じ明るさとなる。プッシュプル法によりトラッキング誤差信号を得る場合には、ファーフィールドパターンの強度分布の左右対称性を検出することになるが、上記のように左右同じ明るさとなれば、トラッキング誤差信号が検出されることがない。その結果、トラッキング誤差信号の劣化を防止することができる。
上記光ピックアップにおいては、光源から記録媒体までの光路中に、光源から出射されたレーザー光をメインビームと一対のサブビームとに分離する回折格子を設け、記録媒体の記録層に主スポットと一対の副スポットとによって構成されるレーザー光の3つのスポットを形成することが好ましい。
上記構成によれば、メインビームは記録された情報を取得するための主光束であり、サブビームは、メインビームの集光位置を制御する副光束である。したがって、上記回折格子を設けることにより、メインビームの集光位置は安定する。その結果、サーボ信号等の不具合を防止することができる。
上記光ピックアップにおいては、上記反射光学素子の反射部のメインとサブの反射領域幅を変化させることが好ましい。
上記構成によれば、メインビームとサブビームとを区別することができる。フォーカス誤差信号は、メインビームのうち上記受光素子に入射する成分を用いて計算されるので、サブビームに対してはマージンを考慮する必要がない。その結果、上記反射光学素子の反射部の形状は、上記記録媒体の記録層にレーザー光が合焦した際に、反射光学素子上に形成される信号光のスポットが全て反射され得る最小の大きさとすることができる。
上記光ピックアップにおいては、上記反射光学素子と受光素子との間に、上記反射光学素子からの反射光を分割する波面変換素子が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、上記波面変換素子はレーザー光を分割する。分割されたレーザー光は、上記受光素子に入射される。その結果、受光素子により、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、及び、ラジアル方向・タンジェンシャル方向のトラック位置情報を取得することができる。
上記波面変換素子として、ホログラムを用いることが好ましい。これにより、ナイフエッジ法を用いてフォーカス誤差信号を得ることができる。また、波面変換素子として、シリンドリカルレンズを用いることも好ましい。これにより、非点収差法を用いてフォーカス誤差信号を得ることができる。
上記光ピックアップにおいては、上記光源と上記光分離素子との間又は上記光分離素子と上記反射光学素子との間の少なくとも一方に、コリメートレンズが設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、上記コリメートレンズによってレーザー光束の集光位置を制御することができる。その結果、サーボ信号等の不具合が生じない小型の光ピックアップを実現することが可能となる。
本発明にかかる光ディスクドライブ装置は、上記構成の光ピックアップを備えているものである。
上記の構成によれば、情報の記録および再生に関与する部位を小型化できるとともに、正確なサーボ信号に基づいて情報の記録および再生が可能となる。そのため、従来よりも小型かつ高品位の光ディスクドライブ装置とすることができる。
以上のように、本発明に係る光ピックアップは、集光手段の光源側の焦点位置であり光源とは異なる位置に、読み出しを行っている記録層からの戻り光を全て反射し記録層以外からの戻り光の大部分を反射しない反射光学素子が設けられているものである。
上記構成によれば、上記反射光学素子は、読み出しを行っている記録層からの戻り光(信号光)はすべて反射させるとともに、該記録層以外からの戻り光(迷光)の大部分は反射させないようにすることができるので、上記受光素子に対する迷光の入射を実質的に防止することができる。迷光の入射を回避できれば信号光からの各種サーボ信号を適切に計算することができるので、サーボ信号等の不具合を防止することができるという効果を奏する。
しかも、上記反射光学素子は、戻り光の反射のさせ方を、該戻り光の反射位置に基づいて変えるように設定しているので、実質的に記録層からの信号光のみを適切に反射することが可能となっている。それゆえ、反射光学素子という単一構成により信号光と迷光との選別を行うことが可能となり、アパーチャを有する光遮断部材を備える装置を採用する必要がない。その結果、装置の小型化が可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る光ディスクドライブ装置は、上記光ピックアップを備えているので、情報の記録および再生に関与する部位を小型化できるとともに、正確なサーボ信号に基づいて情報の記録および再生が可能となる。そのため、従来よりも小型かつ高品位の光ディスクドライブ装置とすることができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態で説明するすべての図において、X方向は円板状の記録媒体の半径方向(ラジアル方向)を示し、Y軸方向は記録媒体のトラックに平行な方向(タンジェンシャル方向)を示すものとする。
図1に示すように、本実施形態の光ピックアップ10は、レーザー光源(光源)1、対物光学系(集光手段、照射集光手段)2、受光素子30、ビームスプリッター(光分離素子)4、受光光学系(集光手段、戻り光集光手段)5、波面変換素子60、反射光学素子70、記録媒体8を備えている。レーザー光源1、ビームスプリッター4、対物光学系2はこの順で配置しており、レーザー光源1から出射されるレーザー光を記録媒体8に集光して照射するとともに、記録媒体8からの戻り光を受光するようになっている。説明の便宜上、これら手段を照射受光系と称する。
一方、反射光学素子70、ビームスプリッター4、受光光学系5、波面変換素子60、受光素子30はこの順で図中左から右に配置されており、後述するように、戻り光に含まれる信号光と迷光とを選別するようになっている。説明の便宜上、これら手段を選別系と称する。該選別系と上記照射受光系とは、図1に示すように、ビームスプリッター4で交差している。
上記レーザー光源1は、記録媒体8への照射光となるレーザー光を発するものである。その具体的な構成は特に限定されるものではなく、公知の半導体レーザーや固体レーザーを挙げることができる。本実施形態では、例えば、約650nmの波長を有するレーザー光や、約405nmや約780nm等の波長を有するレーザー光を出射するレーザー光源を好適に用いることができる。なお、レーザー光源1は、1種類の波長のレーザー光のみを発するようになっていてもよいし、複数の波長のレーザー光を同時に発するようになっていてもよい。
上記対物光学系2は、上記レーザー光源1を発したレーザー光を記録媒体8の記録層に集光するとともに、記録層からの戻り光を受光する手段である。その具体的な構成は特に限定されるものではなく、レーザー光源1および記録媒体8間の光を集光可能とする公知の光学系、例えばコリメーターレンズや対物レンズ等を好適に用いることができる。本実施形態では、図1に示すように、2つのレンズからなる一般的なコリメーターレンズを用いている。
上記ビームスプリッター4は、レーザー光源1から出射されたレーザー光を透過するとともに、記録媒体8からの戻り光の光路を変えて選別系に導くものである。なお、本実施形態では、図1に示すように、照射受光系におけるレーザー光源1と対物光学系2とが同一光軸となるように配置されているので、レーザー光源1からのレーザー光はビームスプリッター4をそのまま透過すればよいが、構成上、レーザー光源1の配置を、対物光学系2の光軸から外れた位置とする場合には、ビームスプリッター4は、レーザー光源1からのレーザー光の光路を変えるようになっていてもよい。
上記ビームスプリッター4の具体的な構成は特に限定されるものではなく、光ピックアップの分野で公知の構成を好適に用いることができる。また、レーザー光の光路を適切に変換することができれば、ビームスプリッター4でなくても公知の他の光分離素子を用いてもよい。
上述したように、上記レーザー光源1、対物光学系2、ビームスプリッター4により照射受光系が形成されるが、もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、光ピックアップの技術分野で公知の他の手段や部材を備えていてもよいことは言うまでもない。この照射受光系では、後述するようにレーザー光源1からの光を記録媒体8の記録層に照射し、それを受光して選別系の受光素子30に導くようになっている。
上記反射光学素子70は、記録媒体8からの戻り光に含まれる信号光と迷光とを選別する手段として機能し、ビームスプリッター4を介して照射受光系から選別系に入った戻り光を受光し、信号光のみを受光光学系5に反射するものである。その具体的な構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では、図2に示すように、反射部71aと非反射部71bとを有する反射膜71を挙げることができる。図2に示す構成では、反射膜71の反射面のうち、戻り光の入射光軸を含む中央部に反射部71aが設けられているとともに、当該反射部71aの周囲に非反射部71bが設けられている。
上記反射部71aは、記録媒体8の読み出しを行っている記録層から戻され、ビームスプリッター4によって光路が変えられた戻り光を全て反射するものであり、具体的には、例えば、金属薄膜からなる構成を好適に用いることができるが特に限定されない。上記反射膜71における反射部71aの具体的な配置は特に限定されるものではないが、基本的には、図2に示すように、反射膜71の中央部に反射部71aを設ける構成が好ましい。記録層からの戻り光である信号光は、他の迷光と比較して光路が定まっているため、この信号光を中央で受けられるように反射部71aが配置していればよい。言い換えれば、記録媒体8の記録層にレーザー光が合焦した際に、記録層で反射されたレーザー光(信号光)をすべて反射するように、反射部71aが形成されていればよい。図2に示す構成では、反射部71aは、正方形状になっているが、もちろんこの形状に限定されるものではなく、信号光を適切に反射できるような形状であればよい。
ただし、前記反射部71aの形状は、記録媒体8の記録層にレーザー光が合焦した際に、反射膜71上に形成される信号光のスポットが全て反射され得る最小の大きさであることが望ましい。なお、フォーカス誤差信号を得る際、スポットが記録媒体8上でデフォーカス状態(レーザー光が合焦していない状態)にあるときは、反射膜71上でのスポットがやや大きくなるため、そのマージンを考慮して、反射部71aの大きさを決める必要がある。具体的には、図2に示すように、反射部71aのラジアル方向の大きさ71cは、上記マージンを考慮する必要がある。
上記の理由から、上記反射部71aのラジアル方向の大きさ71cは、図1に示す構成の光ピックアップにおいて反射光学素子70を用いない場合を想定したときに、そのフォーカス誤差信号のマージンを損なわない大きさとなっていればよい。
また、非反射部71bは、記録層以外からの戻り光を透過又は吸収するものであり、図2に示すように、反射部71aの周囲に配置される。非反射部71bは、戻り光に含まれる迷光を実質的に反射しないで透過したり吸収したりするものであればよいので、反射部71aの配置位置が決定すれば、それ以外の部位は全て非反射部71bとすればよい。
非反射部71bは、読み出しを行っている記録層以外からの戻り光を透過又は吸収可能とされているが、全光量、すなわち、信号光の光量と迷光の光量との和に対する迷光の光量の割合(SN比)が10%以下であれば、読み出しを行っている記録層以外からの戻り光を反射しても、ノイズとして無視することが可能である。
非反射部71bの具体的な構成は、迷光を吸収するか透過するかによって適宜好適な構成を選択すればよく、特に限定されるものではない。
反射膜71中の反射部71aの具体的な作製方法については、屈折率の異なる複数層からなる反射膜を形成することにより、特定の波長を有するレーザー光のみを反射する反射膜を作製することができる。
例えば、ガラス基板BSC(屈折率=1.52)と高屈折率材料TiO(屈折率=2.40)と低屈折率材料MgF(屈折率=1.38)と空気(屈折率=1.0)とを用いて、4層の反射膜を形成することにより、波長550nm(一般的な光学材料の基準となる波長)を有するレーザー光の反射率は、0.987となる。これにより、全反射(反射率=1.0)に近い反射率の反射膜を作製することができる。
また、反射率が0.987となるレーザー光の波長の範囲は454nm〜646nmである。したがって、レーザー光の波長の範囲が454nm〜646nmであれば、これらの材料を用いることにより、全反射(反射率=1.0)に近い反射率の反射膜を作製することができる。
なお、反射光学素子70の具体例は、上記反射膜71のように平板状に限定されるものではなく、読み出しを行っている記録層からの戻り光はすべて反射させ、該記録層以外からの戻り光の大部分は反射させないようになっていれば、立体的な形状を有していてもよいし、一つの光学素子ではなく、複数の光学素子からな構成であってもよい。
上記受光光学系5は、反射光学素子70から反射されたレーザー光、すなわち信号光を受光素子30に集光するものである。その具体的な構成は特に限定されるものではなく、ビームスプリッター4および受光素子30間で戻り光を集光可能とする公知の光学系、例えばコリメーターレンズや対物レンズ等を好適に用いることができる。
上記波面変換素子60は、上記反射光学素子70と受光素子30との間に設けられ、反射光学素子70からの反射光、すなわち信号光を分割するものである。この波面変換素子60は、フォーカス誤差信号を生成するために信号光を分割するもので、言い換えれば、記録媒体8に照射されるレーザー光が適切な焦点(フォーカス)を有しているかを判断するために設けられる。サーボ信号の生成方法によって適切な構成を適宜選択することができる。本実施形態では、後述するように、ナイフエッジ法でフォーカス誤差信号を取得するので、ホログラムを好適に用いることができる。
上記受光素子30は、記録媒体8から戻ってきたレーザー光を受光し、データ信号及びサーボ信号を生成するものであり、厳密には、記録層からの戻り光である信号光を受光して各種信号を生成するものである。受光素子30の具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば、公知のフォトダイオード等を挙げることができる。なお、受光素子30によるサーボ信号の取得等については後述する。
上述したように、上記反射光学素子70、ビームスプリッター4、受光光学系5、波面変換素子60、受光素子30により選別系が形成されるが、もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、光ピックアップの技術分野で公知の他の手段や部材を備えていてもよいことは言うまでもない。この選別では、照射受光系からの戻り光を信号光と迷光に選別するとともに、信号光を受光してデータ信号に加えてサーボ信号を生成するようになっている。
上記記録媒体8は、光ピックアップ10から照射されるレーザー光により情報の記録または再生が可能な記録層を有しているものであれば特に限定されるものではない。記録媒体8の具体的な形状は特に限定されるものではないが、通常は、ディスク状(円板/円盤状)の構成が挙げられる。
上記記録媒体8のより具体的な構成は特に限定されるものではなく、上記記録層を少なくとも1層有していればよいが、記録の高密度に対応するためにも、本発明では2層以上の多層型であることが好ましい。具体的には、例えば、図3に示すように、記録層L0およびL1を備える2層型の記録媒体8を挙げることができる。記録媒体8の図中下方の面をレーザー光の入射面81とすれば、記録層L0は入射面81に近接する第1記録層となっており、記録層L1は、入射面81から見て2番目となる第2記録層となる。特に本発明では、記録層を2層以上有する記録媒体8であっても、後述するように迷光によるサーボ信号の不具合等を効果的に回避することができる。なお、記録層は記録媒体8に入射されるレーザー光の光軸に平行な方向に積層されていればよい。
記録媒体8に対するレーザー光の照射方法は特に限定されるものではなく、公知の手法を用いればよい。本実施形態では、該記録層は前記レーザー光源1側に対物光学系2の焦点位置を有し、レーザー光の照射方向とは異なる位置に読み出しを行う例を挙げることができる。具体的には、図3に示すように、入射面81に対して図中中央部に傾斜して記録媒体8の記録層L1に入射する実線がレーザー光の照射方向であれば、読み出しの方向は図中外部に発散する方向に出射する破線の方向となっている構成を挙げることができる。
上記光ピックアップ10において、情報の記録または再生に伴う動作について、図1に基づいて説明する。
まず、レーザー光源1から発せられたレーザー光は前記ビームスプリッター4を通過し対物光学系2によって集光され、記録媒体8の記録層(図1には図示せず)にスポットが形成される。記録媒体8では、照射されたレーザー光が反射されて戻り光となり、この戻り光を対物光学系2で受光する(ただし、戻り光には反射光だけでなく回折光も含まれる)。対物光学系2を介してビームスプリッター4に再び入射した戻り光は、光路が変換されて反射光学素子70に入射する。
上記反射光学素子70では、前述したように、読み出しを行っている記録層からの戻り光はほぼすべて反射される一方、該記録層以外からの戻り光(迷光)の大部分は反射されない。反射光学素子70で反射された戻り光は実質的に信号光のみとなっているので、受光光学系5により集光され、波面変換素子60を介して受光素子30に入射される。受光素子30では、波面変換素子60により分割された信号光に基づいてフォーカス誤差信号を生成する。
このように、本実施形態では、照射受光系と交差するように選別系を設けるとともに、この選別系では、戻り光の反射のさせ方を変えることで信号光と迷光とを選別している。そのため、後述するように戻り光から迷光を実質的に除去可能にできるとともに、例えば、特許文献1のような遮光板とレンズとを備える多重データ面フィルターと比べると、光ピックアップをより小型化することができる。
さらに、本発明では、上記選別系を備えることにより、サーボ信号の劣化を回避してフォーカスおよびトラッキングの制御をより一層好適化することができる。この点について、次に説明する。
本発明では、フォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号というサーボ信号を取得する方法に応じて、適切な波面変換素子60を選択して採用することができる。本実施形態では、波面変換素子60としてホログラムを用いて、フォーカス誤差信号をナイフエッジ法により取得し、トラッキング誤差信号をプッシュプル法または位相差法により取得する構成を挙げて説明する。
本実施形態で用いられる波面変換素子60は、図4に示すように、受光した信号光を、記録媒体8のタンジェンシャル(光軸)方向及びラジアル方向に、合計3分割するタイプのホログラム61を挙げることができる。また、このホログラム61に対応して、受光素子30としては、図4に示す三並列型受光素子31を用いることができる。これら構成のホログラム61および三並列型受光素子31であれば、フォーカス誤差信号の取得方法としてナイフエッジ法を用いるとともに、トラッキング誤差信号の取得方法としてプッシュプル法または位相差法を用いることができる。
具体的には、図4の下方に示すように、円形のホログラム61において図中右上の1/4は第1分割部61aとなり、同右下1/4は第2分割部61bとなり、同左1/2は第3分割部61cとなる。これに対応する三並列型受光素子31は、図4の上方に示すように、図中右側から順に、長方形状の受光領域を有する第1受光部31a、第3受光部31c及び第2受光部31bにより構成される。各受光部は互いに長手方向が平行になるように並列配置している。
上記ホログラム61に入射した信号光のうち、三並列型受光素子31側から見て図中右上1/4の領域(第1分割部61a)により反射された光は、図中右側のラジアル方向に分割され、図中上方右側の第1受光部31aで受光される。同様に、ホログラム61に入射した信号光のうち、三並列型受光素子31側から見て図中右下1/4の領域(第2分割部61b)により反射された光は、図中左側のラジアル方向に分割され、図中上方左側の第2受光部31bで受光される。したがって、これら第1受光部31a・第2受光部31bでは、ラジアル方向のトラック位置情報を取得する。これらトラック位置情報により、プッシュプル法または位相差法によってトラッキング誤差信号を得ることができる。
さらに、ホログラム61に入射した信号光のうち、三並列型受光素子31側から見て図中左側1/2の領域(第3分割部61c)により反射された光は、図中上方中央の第3受光部31cにより受光される。ここで、第3受光部31cは、図中左右にさらに分割されており、サブ受光部31d・31eとなっている。第3受光部31cがこの構成を有してれば、サブ受光部31d・31eでの受光の仕方により、戻り光のタンジェンシャル方向の位置情報を取得することができる。つまり、ナイフエッジ法を用いる場合には、第3受光部31cのサブ受光部31d・31eが受光したそれぞれの光強度の差をとることによって、タンジェンシャル方向の位置情報であるフォーカス誤差信号を得ることができる。
もちろん、ナイフエッジ法およびプッシュプル法の併用、または、ナイフエッジ法および位相差法の併用に好適な波面変換素子60および三並列型受光素子31は図4に示す構成に限定されるものではなく、公知の他の構成を用いてもよいことは言うまでもない。
なお、図中左側のサブ受光部31dは、後述するように、レーザー光の照射目標となる記録層の手前側に焦点が位置する状態を検出するために利用され、フォーカス誤差信号としては正の数値を生成することになるので、説明の便宜上、正側サブ受光部31dと称する。同様に、図中右側のサブ受光部31eは、照射目標となる記録層の向こう側(奥側)に焦点が位置する状態を検出するために利用され、フォーカス誤差信号としては負の数値を生成することになるので、説明の便宜上、負側サブ受光部31eと称する。
次に、ナイフエッジ法によるフォーカス誤差信号の取得について具体的に説明する。ホログラム61の第3分割部61cから反射される信号光は、上記のように、正側サブ受光部31dおよび負側サブ受光部31eで受光される。これら正側サブ受光部31dおよび負側サブ受光部31eで検出される光強度をそれぞれI31dおよびI31eとすると、フォーカス誤差信号I(FES)は、次に示す式(1)の演算によって得られる。
I(FES)=I31d−I31e・・・(1)
つまり、図1に示すように、レーザー光源1から発するレーザー光は、対物光学系2により合焦されて記録媒体8の任意の記録層に照射される。ここで、対物光学系2によるレーザー光の焦点が、照射目標となる記録層の手前の位置にあるときには、記録媒体8(記録層)からの戻り光、すなわち反射光学素子70により反射されてホログラム61に入射する反射光は、三並列型受光素子31の手前に焦点が位置することになる。
この場合、ホログラム61に入射した信号光のうち、第3分割部61cから反射される光の受光位置は、正側サブ受光部31dよりも負側サブ受光部31eに大きくずれることになる。その結果、正側サブ受光部31dで検出される光強度I31dより、負側サブ受光部31eで検出される光強度I31eの方が大きくなり、I(FES)は負の符号となる。
一方、対物光学系2によるレーザー光の焦点が、照射目標となる記録層よりも向こう側(奥側)の位置にあるときには、記録層からの戻り光、すなわち反射光学素子70により反射されてホログラム61に入射する反射光は、三並列型受光素子31の位置よりも向こう側(奥側)に焦点が位置することになる。
この場合、ホログラム61に入射した信号光のうち、第3分割部61cから反射される光の受光位置は、負側サブ受光部31eよりも正側サブ受光部31dに大きくずれることになる。その結果、負側サブ受光部31eで検出される光強度I31eより、正側サブ受光部31dで検出される光強度I31dの方が大きくなり、I(FES)は正の符号となる。
次に、トラック位置情報を示すトラッキング誤差信号I(TES)は、前記のようにプッシュプル法によって得ることができる。プッシュプル法はトラッキング誤差信号を取得する代表的な方法の一つである。
プッシュプル法によるトラッキング誤差信号の取得について具体的に説明する。ホログラム61の第1分割部61aから反射される信号光は、前記のように第1受光部31aで受光され、第2分割部61bから反射される信号光は、第2受光部31bで受光される。これら第1受光部31aおよび第2受光部31bで検出される光強度をそれぞれI31aおよびI31bとすると、プッシュプル信号I(PP)は、次に示す式(2)の演算によって得られる。
I(PP)=I31a−I31b・・・(2)
つまり前記記録媒体8上に集光されたレーザー光が、該記録媒体8上のトラック又はピット形成部分で反射されると、反射光に回折パターンが現れる。この反射光がホログラム61を通過した後に、当該反射光のファーフィールドパターン(回折パターン)の強度分布の左右対称性を検出すれば、トラッキング誤差信号I(TES)を算出することができる。
より具体的には、レーザー光のスポット焦点が記録媒体8上のトラック又はピットの中央にある場合には、そのファーフィールドパターン(回折パターン)の強度分布が左右対称となる。そのため、第1受光部31a・第2受光部31bで検出される光強度I31a・I31bの値が等しくなり、上式(2)によって、プッシュプル信号I(PP)の値は0となる。その結果、プッシュプル信号I(PP)が得られず、トラッキング誤差信号I(TES)は算出されない。
一方、レーザー光のスポット焦点が記録媒体8上のトラック又はピットの中心からずれると、そのずれ量に応じてファーフィールドパターン(回折パターン)の強度分布の左右対称性が崩れる。そのため、第1受光部31a・第2受光部31bで検出される光強度I31a・I31bの値が異なり、上式(2)によって、プッシュプル信号I(PP)の値は0ではなくなる。その結果、プッシュプル信号が得られ、トラッキング誤差信号が算出される。
さらに、トラッキング誤差信号I(TES)は、上記プッシュプル法だけでなく、前記位相差法(DPD法:Differential Phase Detection)によっても得ることができる。位相差法は、トラック位置情報を取得する方法の一つである。DPD法では、三並列型受光素子31の第1受光部31a・第2受光部31bによるそれぞれの受光結果、すなわち第1受光部31a・第2受光部31bで検出される光強度I31a・I31bの位相差によってトラック位置情報を検出する。
具体的には、位相差法(DPD法)によるトラッキング誤差信号I(DPD)は、次に示す式(3)の演算によって得られる。なお、式(3)の「ph」は、各光強度の間における位相差をとることを意味する。
I(DPD)=ph(I31a−I31b)・・・(3)
レーザー光が、記録媒体8上のトラック又はピットのどの位置を通過するかによって、発生する位相差が変化する。レーザー光が、トラック又はピットの中心位置を通過する場合には、上式(3)によって、検出される光強度の位相差は0となる。一方、レーザー光が、トラック又はピットの中心からずれた位置を通過する場合には、上式(3)によって、検出される光強度の位相差は0ではなくなる。その結果、位相差からトラッキング誤差信号を算出することができる。
次に、本実施形態において、前記反射膜71を備える選別系により、記録媒体8から反射される戻り光から迷光を実質的に除去可能とするメカニズムについて詳細に説明する。
上述したように、図4に示す三並列型受光素子31を用いた場合には、サーボ信号のうち、フォーカス誤差信号を式(1)により取得することができ、トラッキング誤差信号を式(2)または式(3)により取得することができる。ここで、図4において破線の領域50として示すように、ホログラム61には信号光以外に迷光が入射する。
前述したように、本実施形態で用いられる記録媒体8(図3参照)は、記録層L0およびL1が2層設けられている。もちろん記録媒体8に設けられる記録層の数は2層に限定されるものではなく3層以上であってもよい。このような多層型の記録媒体8は、記録層が複数あるために情報の記録を高密度化できる反面、迷光の発生が生じやすいという問題がある。
例えば、図3に示す記録媒体8において、第1記録層L0に対してレーザー光源1からレーザー光を照射したとする。このとき、対物光学系2による合焦は第1記録層L0の位置に設定されるので、第1記録層L0はレーザー光の照射目標の記録層ということができる。ここで、隣接する第2記録層L1は、レーザー光の入射面81から見て第1記録層L0の奥側に配置しているが、第1記録層L0に合焦しているレーザー光は、この第1記録層L0のみに照射されるわけではなく、第2記録層L1にも照射されることになる。
照射されたレーザー光は各記録層から反射されて戻り光となって対物光学系2に入射するが、このうち、照射目標の記録層である第1記録層L0からの戻り光は、適切なサーボ信号光(およびRF(無線周波数)信号光)となっている。これに対して、隣接する第2記録層L1からの戻り光は、迷光となって対物光学系2に入射する。
この迷光は、サーボ信号光とともに、ビームスプリッター4等を介してホログラム61に入射するが、その入射範囲は、図4に示すように、ホログラム61の中央部の広い円形の領域50に及ぶ。ホログラム61の第1分割部61a〜第3分割部61cは、何れもサーボ信号を検出するため信号光を反射する部位であり、第1分割部61aからの反射される迷光は、領域50の図中右上1/4の領域50aとなるので、第1受光部31aの図中右上方1/4程度に重なる範囲で受光される。
同様に、第2分割部61bからの迷光は、領域50の図中右下1/4の領域50bとなるので、第2受光部31bの図中左下方1/4程度に重なる範囲で受光される。また、第3分割部61cからの迷光は、領域50の図中左1/2の領域50cとなるので、第3受光部61cを構成する図中左側の正側サブ受光部31dのほぼ全面をカバーする範囲で受光される。
このように、ホログラム61の各分割部(波面変換素子60)の広い領域に迷光が入射すると、三並列型受光素子31(受光素子30)に含まれる複数の受光部でも迷光を相当な範囲で受光することになる。その結果、前述したナイフエッジ法やプッシュプル法、位相差法によるサーボ信号の取得に大きな影響を及ぼす。
これに対して本実施形態では、前述した反射膜71(反射光学素子70)を備えているため、上記迷光の影響を大幅に低減することができる。すなわち、図2に示すように、発生した迷光は、反射膜71の中央部の広い範囲となるように円形の領域50として入射する。ところが、反射膜71では、中央の反射部71aを除く大部分は非反射部71bとなっているので、迷光も反射部71aのみでしか反射されない。
それゆえ、図2に示すように、ホログラム61に入射する迷光は、円形の広い領域50から、反射部71aの形状に応じた狭い正方形状の領域40に大幅に縮小することになる。その結果、第1分割部61aから反射される迷光は、領域40の図中右上1/4の領域40aとなるので、第1受光部31aの中央部近傍の一部で受光されるに過ぎない。これを領域50aと比較すれば、第1受光部31aで受光する迷光が大幅に減少していることは明らかである。
同様に、第2分割部61bから反射される迷光は、領域40の図中右下1/4の領域40bとなるので、第2受光部31aの中央部近傍の一部で受光される程度となる。同様に、第3分割部61cからの迷光は、領域40の図中左1/2の領域40cとなるので、第3受光部61cの中央部近傍の一部で受光される程度となる。
三並列型受光素子31の各受光部では、受光領域が広ければ受光量も多くなるため、広い範囲で迷光を受光すれば、迷光に基づく誤信号が生成され、サーボ信号の信頼性が低下する。これに対して本実施形態では上記反射膜71を用いるため、大部分の迷光は、非反射部71bにて吸収または透過するので、三並列型受光素子31における迷光の受光範囲を、領域50から領域40へと大幅に狭めることができる。つまり、信号光の光量に対して迷光の光量はノイズとして無視することが可能となる。その結果、受光した反射光からサーボ信号を計算する上で迷光は支障を来たすことがない。
しかも、信号光そのものは照射目標の記録層に合焦した状態で記録層から反射されるため、反射部71aで十分に反射されてホログラム61に入射する。それゆえ、信号光の劣化も有効に回避することができる。その結果、サーボ信号の有効性をより一層向上させることが可能となる。
なお、反射部71aの形状は、前述したように、照射目標の記録層にレーザー光が合焦した際に、反射膜71上に形成される信号光のスポットが全て反射され得る最小の大きさに設定されればよいが、その具体的な大きさ、言い換えれば、反射膜71による迷光の反射抑制率は特に限定されるものではない。迷光の反射量を低減するほど迷光由来のノイズが減少するのでサーボ信号の信頼性も向上するが、迷光の反射量を低減しすぎると、反射部71aの面積が小さくなりすぎるので、信号光の反射量が十分確保できなくなる。したがって、迷光の反射抑制率は、光ピックアップや記録媒体8の具体的な種類や構成等に応じて、適宜設定すればよい。
本発明では、照射受光系から選別系に入射した戻り光を反射光学素子により選別し、一部でも迷光を除去して受光素子30に入射すれば、サーボ信号の信頼性を高めるという効果を得ることができることはいうまでもない。
以上のように、本発明では、光路中に反射光学素子を設けることにより受光素子への迷光の入射を抑制または回避することができる。また、反射光学素子を用いて信号光と迷光との選別を行うため、アパーチャを有する光遮断部材を備える装置を採用する必要がなく、装置の小型化が可能となる。また、迷光が受光素子に入射するのを防止することによりサーボ信号等の不具合を生じさせない。その結果、受光素子への迷光の入射を防止することができ、かつ、サーボ信号等の不具合を防止することができる小型の光ピックアップを実現できる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図5および図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じであり、適宜実施の形態1の図面も参照する。また、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1では、波面変換素子60(図1参照)としてホログラム61(図4参照)を、受光素子30(図1参照)として三並列型受光素子31(図4参照)を用いて、フォーカス誤差信号をナイフエッジ法により取得し、トラッキング誤差信号をプッシュプル法または位相差法により取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成の波面変換素子60も好適に用いることができる。
本実施形態では、波面変換素子60としてシリンドリカルレンズを用いて、フォーカス誤差信号をナイフエッジ法により取得し、トラッキング誤差信号をプッシュプル法または位相差法により取得する構成を挙げて本発明について説明する。
本実施形態で用いられる波面変換素子60は、図5に示すように、受光した信号光を、非点収差をもったビームスポットとして受光素子30に照射するシリンドリカルレンズ62を用いるとともに、これに対応して、受光素子30としては、図6に示す四分割型受光素子32を用いる例を挙げることができる。これら構成のシリンドリカルレンズ62および四分割型受光素子32であれば、フォーカス誤差信号の取得方法として非点収差法を用いるとともに、トラッキング誤差信号の取得方法としては、前記実施の形態1と同様にプッシュプル法または位相差法を用いることができる。
具体的には、図5に示すように、シリンドリカルレンズ62は、受光した信号光を、非点収差をもったビームスポットとして受光素子30、本実施形態では四分割型受光素子32に照射する。ここで四分割型受光素子32は、図6に示すように、記録媒体8のタンジェンシャル方向及びラジアル方向それぞれに2分割され、合計で4分割された構成を有している。説明の便宜上、図中左上1/4を第1サブ受光部32a、同左下1/4を第2サブ受光部32b、同右下1/4を第3サブ受光部32c、同右上1/4を第4サブ受光部32dと称する。各サブ受光部は何れも正方形状となっている。なお、図中の双方向矢印で示した方向が非点収差の方向であり、ラジアル方向(図中X方向)に対して45°の方向である。
非点収差法では、上記シリンドリカルレンズ62を経由して四分割型受光素子32で受光したそれぞれの反射光の光強度を用いて演算を行うことによって、フォーカス誤差信号I(FES)を得ることができる。具体的には、第1サブ受光部32a、第2サブ受光部32b、第3サブ受光部32c、および第4サブ受光部32dが受光したそれぞれの反射光の光強度をI32a、I32b、I32c、およびI32dとすると、フォーカス誤差信号I(FES)は、次に示す式(4)の演算によって得られる。
I(FES)=(I32a+I32c)−(I32b+I32d)・・・(4)
つまり、図1に示すように、対物光学系2によるレーザー光の焦点が、記録媒体8における照射目標となる記録層の手前の位置にあるときには、記録媒体8(記録層)からの戻り光、すなわち反射光学素子70により反射されてシリンドリカルレンズ62に入射する反射光は、四分割型受光素子32の手前に焦点が位置することになる。ここで、図6に示すように、非点収差の方向はラジアル方向に対して45°の方向であるので、これに沿ったサブ受光部である第1サブ受光部32aおよび第3サブ受光部32cで検出される光強度I32aおよびI32cが相対的に大きくなり、I(FES)は正の符号となる。
一方、対物光学系2によるレーザー光の焦点が、照射目標となる記録層よりも向こう側(奥側)の位置にあるときには、記録層からの戻り光、すなわち反射光学素子70により反射されてシリンドリカルレンズ62に入射する反射光は、四分割型受光素子32の位置よりも向こう側(奥側)に焦点が位置することになる。それゆえ、非点収差の方向よりもこれに直交する方向で検出される光強度が大きくなる。すなわち、第2サブ受光部32bおよび第4サブ受光部32dで検出される光強度I32bおよびI32dが相対的に大きくなるので、I(FES)は負の符号となる。
次に、トラッキング誤差信号I(TES)は、前記実施の形態1と同様にプッシュプル法によって得ることができる。具体的には、プッシュプル信号I(PP)は、次に示す式(5)の演算によって得られる。
I(PP)=(I32a+I32b)−(I32c+I32d)・・・(5)
つまり前記記録媒体8上に集光されたレーザー光が、該記録媒体8上のトラック又はピット形成部分で反射されると、反射光に回折パターンが現れる。この反射光がシリンドリカルレンズ62を通過した後に、当該反射光のファーフィールドパターン(回折パターン)の強度分布の左右対称性を検出すれば、トラッキング誤差信号I(TES)を算出することができる。
より具体的には、レーザー光のスポット焦点が記録媒体8上のトラック又はピットの中央にある場合には、そのファーフィールドパターン(回折パターン)の強度分布が左右対称となる。そのため、第1サブ受光部32aおよび第2サブ受光部32bで検出される光強度I32aおよびI32bの値と、第3サブ受光部32cおよび第4サブ受光部32dで検出される光強度I32cおよびI32dの値とが等しくなり、上式(5)によって、プッシュプル信号I(PP)の値は0となる。その結果、プッシュプル信号I(PP)が得られず、トラッキング誤差信号I(TES)は算出されない。
一方、レーザー光のスポット焦点が記録媒体8上のトラック又はピットの中心からずれると、そのずれ量に応じてファーフィールドパターン(回折パターン)の強度分布の左右対称性が崩れる。そのため、第1サブ受光部32aおよび第2サブ受光部32bで検出される光強度I32aおよびI32bの値と、第3サブ受光部32cおよび第4サブ受光部32dで検出される光強度I32cおよびI32dの値とが異なり、上式(5)によって、プッシュプル信号I(PP)の値は0ではなくなる。その結果、プッシュプル信号が得られ、トラッキング誤差信号が算出される。
さらに、トラッキング誤差信号I(TES)は、前記実施の形態1と同様に位相差法(DPD法)によっても得ることができる。DPD法では、四分割型受光素子32の4個のサブ受光部それぞれの受光結果、すなわち光強度の位相差によってトラック位置情報を検出する。具体的には、位相差法によるトラッキング誤差信号I(DPD)は、次に示す式(6)の演算によって得られる。なお、前述したように「ph」は、各光強度の間における位相差をとることを意味する。
I(DPD)=ph((I32a+I32c)−(I32b+I32d))・・・(6)
次に、本実施形態において、前記反射膜71(実施の形態1および図2参照)を備える選別系により、記録媒体8から反射される戻り光から迷光を実質的に除去可能とするメカニズムについて詳細に説明する。
上述したように、図6に示す四分割型受光素子32を用いた場合には、サーボ信号のうち、フォーカス誤差信号を式(4)により取得することができ、トラッキング誤差信号を式(5)または式(6)により取得することができる。ここで、前記実施の形態1と同様に、シリンドリカルレンズ62には信号光以外に迷光が入射する。
この迷光は、サーボ信号光とともに、ビームスプリッター4等を介して(図1参照)シリンドリカルレンズ62に入射し、さらに四分割型受光素子32に入射するが、その入射範囲は、図6に示すように、四分割型受光素子32全面をカバーするような大きな円形の領域50となる。つまり、四分割型受光素子32の第1サブ受光部32a〜第4サブ受光部32dの全てに重なる範囲で迷光が受光される。その結果、前述した非点収差法やプッシュプル法、位相差法によるサーボ信号の取得に大きな影響を及ぼす。
これに対して本実施形態では、前記実施の形態1で説明した、図2に示す反射光学素子70を備えているため、上記迷光の影響を大幅に低減することができる。すなわち、図2に示すように、反射光学素子70として前記反射膜71を用いれば、迷光は円形の領域50として入射するが、迷光は中央の反射部71aのみでしか反射されない。それゆえ、シリンドリカルレンズ62に入射する迷光は、円形の広い領域50から、反射部71aの形状に応じた狭い正方形状の領域40に大幅に縮小することになる。その結果、図6に示すように、シリンドリカルレンズ62から照射される迷光は、四分割型受光素子32の中央部近傍の一部で受光されるに過ぎない。これを領域50と比較すれば、四分割型受光素子32で受光する迷光が大幅に減少していることは明らかである。
このように、本発明では、波面変換素子60の種類や受光素子30の構成によらず、受光素子30における迷光の受光範囲を、領域50から領域40へと大幅に狭めることができる。これにより、信号光の光量に対して迷光の光量はノイズとして無視することが可能となるので、受光した反射光からサーボ信号を計算する上で迷光は支障を来たすことがない。しかも、信号光そのものは照射目標の記録層に合焦した状態で記録層から反射されるため、反射光学素子70の反射部71aで十分に反射されてシリンドリカルレンズ62に入射する。それゆえ、信号光の劣化も有効に回避することができる。その結果、前記実施の形態1と同様に、サーボ信号の有効性をより一層向上させることが可能となる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について図7および図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1および2と同じであり、適宜実施の形態1または2の図面も参照する。また、説明の便宜上、前記実施の形態1または2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の光ピックアップは、前記実施の形態1の構成において、光路中に回折格子9が備えられるとともに、反射光学素子70として、前記実施の形態1の反射膜71とは反射部の形状が異なる反射膜72を用いている。
すなわち、図7に示すように、本実施形態の光ピックアップ11は、レーザー光源1、対物光学系2、受光素子30、ビームスプリッター4、受光光学系5、波面変換素子60、反射光学素子70を備えている構成点は前記実施の形態1と同様であるが、さらに、レーザー光源1とビームスプリッター4との間に回折格子9を備えている。レーザー光源1から発せられるレーザー光はビームスプリッター4および対物光学系2を介して記録媒体8の記録層に照射されるが、回折格子9は、ビームスプリッター4に入射する前に、レーザー光をメインビームと二つのサブビームに分割して回折するようになっている。
具体的には、回折格子9は、入射光を回折するために表面に周期的な凹凸が形成されている。そして、この周期的な凹凸によって図8に示すように、レーザー光源1から入射したレーザー光90から二つのサブビーム92・93を生成する。サブビーム92・93はそれぞれメインビーム91を基準に線対称となるように生成される。上記表面の凹凸形状は特に限定されるものではなく、二つのサブビーム92・93、言い換えれば、プラスの1次回折光(+1次光)とマイナスの1次回折光(−1次光)を生成できるようになっておれば、公知の条件で形成された周期的な凹凸であればよい。
なお、図中左側(記録媒体のトラックに平行なY方向の負側)を第1サブビーム92と称し、同右側(Y方向の正側)を第2サブビームと称する。また、メインビーム91は記録媒体8に対する情報の記録または再生に用いられるビーム(主光束)であり、第1・第2サブビーム92・93はメインビームの集光位置を制御するために、言い換えればサーボ信号を生成するために用いられるビーム(副光束)である。このように一つのビーム(レーザー光90)から三つのビームが生成してビームスプリッター4に照射される。
本実施形態では、上記回折格子9を追加することに加えて、反射光学素子70として、図9に示すような十字型の反射部72aを有する反射膜72を用いている。反射膜72は、基本的には前記実施の形態1で説明した反射膜71と同様の構成を有しているが、その中央部に設けられる反射部72aの形状が、前記反射膜71の反射部71aの形状と異なっている。
上記反射部72aの形状が十字型となっている理由は、メインビーム91の照射位置に対してマージンを考慮する必要があることによる。
すなわち、前記実施の形態1で述べたように、反射膜72の反射部72aの形状は、記録媒体8の記録層にレーザー光が合焦した際に、当該反射膜72上に形成される信号光のスポットが全て反射され得る最小の大きさであることが望ましい。ここで、フォーカス誤差信号を取得するために、信号光のスポットが記録媒体8上でデフォーカス状態(メインビーム91が合焦していない状態)にあれば、反射膜72に入射する反射光のスポットもやや大きくなる。そこで、本実施形態の反射膜72では、入射する反射光のスポットが多少大きくなっても全て反射できるようにするために、反射部72aをラジアル方向(X方向)の大きさ72cが決定される。ただし、フォーカス誤差信号は、前記実施の形態1における式(1)(後述の式(7)も参照)に示すように、メインビーム91のうち受光素子30に入射する成分を用いて演算されるので、第1サブビーム92および第2サブビーム93に対してはマージンを考慮する必要がない。
それゆえ、メインビーム91を受光して反射する部位となる中央部はラジアル方向(X方向)に突出してマージンを確保しているのに対して、第1サブビーム92および第2サブビーム93を受光して反射する部位となる、タンジェンシャル方向(Y方向)の両端部は、ラジアル方向にマージンを確保する必要がないので、必要最小限の大きさとなって、結果的に、反射部72aは十字型となる。
もちろん、反射部72aの形状は十字型に限定されるものではなく、メインビーム91のマージンを確保でき、かつ、第1サブビーム92および第2サブビーム93を反射できる必要最小限の大きさを確保できるのであれば、三分割された形状であってもよいし、楕円形であってもよいし、その他の形状であってもよい。
次に、本実施形態にけるサーボ信号の取得について説明する。サーボ信号のうち、フォーカス誤差信号の取得方法は、前記実施の形態1で説明したナイフエッジ法または実施の形態2で説明した非点収差法を好適に用いることができる。
まずナイフエッジ法による取得方法の一例としては、波面変換素子60として図10に示す三並列型のホログラム63を用いる方法を挙げることができる。このホログラム63は、基本的には前記実施の形態1で説明したホログラム61と同様の構成を有しており、受光した信号光を、記録媒体8のタンジェンシャル(光軸)方向及びラジアル方向に、合計3分割する。また、このホログラム63に対応して、受光素子30としては、図10に示す三並列型受光素子33を用いることができる。これら構成のホログラム63および三並列型受光素子33であれば、フォーカス誤差信号の取得方法としてナイフエッジ法を用いるとともに、トラッキング誤差信号の取得方法としてプッシュプル法または位相差法を用いることができる。
具体的には、図10の下方に示すように、円形のホログラム63において図中右上の1/4は第1分割部63aとなり、同右下1/4は第2分割部63bとなり、同左1/2は第3分割部63cとなる。これに対応する三並列型受光素子33は、図10の上方に示すように、図中右側から順に、長方形状の受光領域を有する第1受光部33a、第3受光部33c及び第2受光部33bにより構成される。各受光部は互いに長手方向が平行になるように並列配置している。
ここで、各受光部の構成は、前記実施の形態1で説明した三並列型受光素子31とは部分的に異なっている。すなわち、第1受光部33aおよび第2受光部33bは、三つのサブ受光部33e・33d・33fおよびサブ受光部33h・33g・33iからなっており、タンジェンシャル方向(Y軸方向)の正方向に沿ってこの順で配列し、かつ、何れも等間隔の間隙を設けて互いに平行して配置される。
なお、説明の便宜上、第1受光部33aを構成するサブ受光部33e・33d・33fのうち、中央に配置するサブ受光部33dを中央サブ受光部33dと称し、図中左側のサブ受光部33eを、第1サブビーム92を受光することに基づいて、第1サブ受光部33eと称し、図中右側のサブ受光部33fを第2サブ受光部33fと称する。第2受光部33bも同様に、サブ受光部33g・33h・33iを、中央サブ受光部33g、第1サブ受光部33h、第2サブ受光部33iと称する。
第1受光部33aは、ホログラム63の第1分割部63aを通過した反射光のうち、メインビーム91による反射光を中央サブ受光部33dによって受光するとともに、第1サブビーム92・第2サブビーム93による反射光は、第1サブ受光部33e・第2サブ受光部33fによってそれぞれ受光する。
同様に、第2受光部33bも、ホログラム63の第2分割部63bを通過した反射光のうち、メインビーム91による反射光を中央サブ受光部33gによって受光するとともに、第1サブビーム92・第2サブビーム93による反射光は、第1サブ受光部33h・第2サブ受光部33iによってそれぞれ受光する。
つまり、第1受光部33a及び第2受光部33bは、ホログラム63の第1分割部63a及び第2分割部63bからの反射光をそれぞれ受光し、ラジアル方向のトラック位置情報を取得するようになっている。
一方、第3受光部33cは前記三並列型受光素子31の第3受光部31cと同様に、図中左右にさらに分割されており、サブ受光部33j・33kとなっている。説明の便宜上、図中左側のサブ受光部33jを正側サブ受光部33jと称し、図中右側のサブ受光部33kを負側サブ受光部33kと称する(前記実施の形態1の三並列型受光素子31の説明を参照)。第3受光部33cがこの構成を有してれば、正側サブ受光部33j・負側サブ受光部33kでの受光の仕方により、戻り光のタンジェンシャル方向の位置情報を取得することができる。
※ナイフエッジ法におけるFE信号の算出法
次に、各サーボ信号の算出について具体的に説明する。まず、フォーカス誤差信号(FES)は、次に示す式(7)の演算によって得られる。なお、詳細は前記実施の形態1の式(1)およびその説明と同様であるのでここでは省略する。
I(FES)=I31j−I31k・・・(7)
次に、トラッキング誤差信号は、前記実施の形態1で示した位相差法(DPD法)の替わりに、差動プッシュプル法(DPP法:Differential push pull)によって検出してもよい。DPP法では、第1受光部33a及び第2受光部33bによるそれぞれの光強度を用いてトラッキング誤差信号I(TES)を取得する。
すなわち、DPP法によるトラッキング信号I(DPP)は、次の式(8)の演算によって算出される。なお、式(8)中の係数kは、メインビーム91(0次光)、第1サブビーム92(+1次光)及び第2サブビーム93(−1次光)の光強度の違いを補正するための係数であり、強度比が、0次光:+1次光:−1次光=a:b:bであるならば、係数k=a/(2b)となる。
I(DPP)=(I33d−I33g)−k×{(I33e−I33h)+(I33f−I33i)}・・・(8)
ここで、トラッキング誤差信号I(DPP)の(I33d−I33g)は、メインビーム91のプッシュプル信号I(PPM)であり、(I33e−I33h)および(I33f−I33i)は、それぞれ第1サブビーム92(+1次光)のプッシュプル信号I(PPS1)および第2サブビーム93(−1次光)のプッシュプル信号I(PPS2)に相当する。またこれらサブビームのプッシュプル信号I(PPS1)およびI(PPS2)の位相は、トラッキング誤差信号I(TES)に表れる対物レンズシフトによるオフセットをキャンセルするように、メインビーム91のプッシュプル信号I(PPM)の位相と180°異なるようになっている。すなわち、メインビーム91と、第1サブビーム92および第2サブビーム93との各位置は、トラック上において、プッシュプル信号の位相が互いに180°異なる状態で形成されるよう配置される。
次に、上記ホログラム63および三並列型受光素子33と前記反射膜72とを備える選別系により、記録媒体8から反射される戻り光から迷光を実質的に除去可能とするメカニズムについて詳細に説明する。
上述したように、図10に示す三並列型受光素子33を用いた場合には、サーボ信号のうち、フォーカス誤差信号を式(7)により取得することができ、トラッキング誤差信号を式(8)等により取得することができる。ここで、図9において破線の領域50として示すように、反射膜72には信号光以外に迷光(レーザー光の照射目標となっていない記録層からの反射光、前記実施の形態1参照)が入射し、それが図10において破線の領域50として示すように、ホログラム63にも入射する。
つまりホログラム63に入射する迷光の入射範囲は、その中央部の広い円形の領域50に及ぶ。ホログラム63の第1分割部63a〜第3分割部63cは、何れもサーボ信号を検出するため信号光を反射する部位であり、第1分割部63aからの反射される迷光は、領域50の図中右上1/4の領域50aとなるので、三並列型受光素子33における第1受光部33aを構成する中央サブ受光部33dの図中右上方1/4程度と、隣接する第2サブ受光部33fの上方約1/2程度とに重なる広い範囲で受光される。
同様に、第2分割部63bからの迷光は、領域50の図中右下1/4の領域50bとなるので、第2受光部33bを構成する中央サブ受光部33gの図中左下方1/4程度と、隣接する第1サブ受光部33hの下方約1/2程度とに重なる広い範囲で受光される。また、第3分割部63cからの迷光は、領域50の図中左1/2の領域50cとなるので、第3受光部63cを構成する図中左側の正側サブ受光部31jのほぼ全面をカバーする範囲で受光される。
このように、レーザー光源1から発せられるレーザー光を回折格子9によりメインビーム91と第1サブビーム92および第2サブビーム93に分割して記録媒体8に照射した場合であっても、前記実施の形態1の場合と同様に、レーザー光の照射目標以外の隣接する記録層から迷光が生成する。この迷光はホログラム63の各分割部の広い領域に入射すると、三並列型受光素子33に含まれる複数の受光部でも迷光を相当な範囲で受光することになる。その結果、前述したナイフエッジ法やDPP法等によるサーボ信号の取得に大きな影響を及ぼす。
これに対して本実施形態では、前述した反射膜72を備えているため、上記迷光の影響を大幅に低減することができる。すなわち、図9に示すように、迷光は反射膜72の中央部の広い範囲となるように円形の領域50として入射する。ところが、反射膜72では、中央の十字型の反射部72aを除く大部分は非反射部72bとなっているので、迷光も反射部72aのみでしか反射されない。
それゆえ、図10に示すように、ホログラム63に入射する迷光は、円形の広い領域50から、反射部72aの形状に応じた狭い十字形状の領域41に大幅に縮小することになる。その結果、第1分割部63aから反射される迷光は、領域41の図中右上1/4の領域41aとなるので、第1受光部33aを構成する中央サブ受光部33dおよび第2サブ受光部33fの中央部近傍の一部で受光されるに過ぎない。これを領域50aと比較すれば、第1受光部33a全体で受光する迷光が大幅に減少していることは明らかである。
同様に、第2分割部63bから反射される迷光は、領域41の図中右下1/4の領域41bとなるので、第2受光部33aを構成する中央サブ受光部33gおよび第1サブ受光部33hの中央部近傍の一部で受光される程度となる。また、第3分割部63cからの迷光は、領域41の図中左1/2の領域41cとなるので、第3受光部63c(正側サブ受光部63j)の中央部近傍の一部で受光される程度となる。
このように本実施形態でも、上記反射膜72を用いることによって、大部分の迷光を非反射部72bにて吸収または透過するので、三並列型受光素子33における迷光の受光範囲を、領域50から領域41へと大幅に狭めることができる。つまり、信号光の光量に対して迷光の光量はノイズとして無視することが可能となる。その結果、受光した反射光からサーボ信号を計算する上で迷光は支障を来たすことがない。しかも、メインビーム91、第1サブビーム92、および第2サブビーム93は照射目標の記録層に合焦した状態で記録層から反射されるため、反射部72aで十分に反射されてホログラム63に入射する。それゆえ、信号光の劣化も有効に回避することができる。その結果、サーボ信号の有効性をより一層向上させることが可能となる。
上述したように、本実施形態では、回折格子9を用いてレーザー光をメインビーム91と二つサブビーム(第1サブビーム92・第2サブビーム93)に分割した構成(図7に示す構成)であり、かつ、波面変換素子60としてホログラム63を用い、フォーカス誤差信号を取得する方法としてナイフエッジ法を採用する構成を例示して、本発明を説明した。しかしながら本発明はもちろん上記構成に限定されるものではなく、回折格子9を用いた図7に示す構成においては、波面変換素子60として、例えば、前記実施の形態2と同様に、図5に示すシリンドリカルレンズ62を用い、非点収差法によりフォーカス誤差信号を取得する構成にも好適に用いることができる。
前記実施の形態2で説明したように、シリンドリカルレンズ62は、受光した信号光を、非点収差をもったビームスポットとして受光素子30に照射する。ここで本実施形態では、対応する受光素子30として、図11に示す三並列型受光素子34を用いる。すなわち、三並列型受光素子34は、図11に示すように、タンジェンシャル方向に、図中中央の第1受光部34a、図中左側の第2受光部34b及び図中右側の第3受光部34cにそれぞれ3分割されており、各受光部それぞれもさらにサブ受光部に分割されている。
具体的には、上記第1受光部34aは、タンジェンシャル方向及びラジアル方向にそれぞれに2分割され、合計で4分割されており、メインビーム91の反射光を受光する。説明の便宜上、図中左上1/4を第1サブ受光部34d、同左下1/4を第2サブ受光部34e、同右下1/4を第3サブ受光部34f、同右上1/4を第4サブ受光部34gと称する。各サブ受光部は何れも正方形状となっている。なお、図中の双方向矢印で示した方向が非点収差の方向であり、ラジアル方向(図中X方向)に対して45°の方向である。このように、第1受光部34aは前記実施の形態2の四分割型受光素子32と同様の構成を有している。
また、第2受光部34bは、タンジェンシャル方向に2分割されており、図中左からサブ受光部34hおよびサブ受光部34iとなっている。同様に、第3受光部34cもタンジェンシャル方向に2分割されており、説明の便宜上、図中左側からサブ受光部34jおよびサブ受光部34kとなっている。第2受光部34bおよび第3受光部34cの何れの形状も長方形状となっており、さらにこれら長方形の長手方向に沿って2分割する形でサブ受光部が形成されている。なお、第2受光部34bが第1サブビーム92による反射光を受光し、第3受光部34cが第2サブビーム93による反射光を受光する。
前記実施の形態2と同様に、非点収差法では、上記シリンドリカルレンズ62を経由して第1受光部34aで受光したそれぞれの反射光の光強度を用いて演算を行うことによって、フォーカス誤差信号I(FES)を得る。具体的には、第1サブ受光部34d、第2サブ受光部34e、第3サブ受光部34f、および第4サブ受光部34gが受光したそれぞれの反射光の光強度をI34a、I34b、I34c、およびI34dとすると、フォーカス誤差信号I(FES)は、次に示す式(9)の演算によって得られる。なお、詳細は前記実施の形態2の式(4)およびその説明と同様であるのでここでは省略する。
I(FES)=(I34d+I34f)−(I34e+I34g)・・・(9)
また、トラッキング誤差信号は、前述したようにDPD法に代えてDPP法により取得すればよい。DPP法では、第1受光部33a及び第2受光部33bによるそれぞれの光強度を用いてトラッキング誤差信号I(TES)を取得する。具体的には、DPP法によるトラッキング信号I(DPP)は、次の式(10)の演算によって算出される。なお、式(10)中の係数kは、メインビーム91(0次光)、第1サブビーム92(+1次光)及び第2サブビーム93(−1次光)の光強度の違いを補正するための係数であり、強度比が、0次光:+1次光:−1次光=a:b:bであるならば、係数k=a/(2b)となる。
I(DPP)=(I34d+I34e)−(I34f+I34g)−k×{(I34h+I34j)−(I34j+I34k)}・・・(10)
ここで、トラッキング誤差信号I(DPP)の(I34d+I34e)−(I34f+I34g)は、メインビーム91のプッシュプル信号I(PPM)であり、(I34h+I34i)および(I34j+I34k)は、それぞれ第1サブビーム92(+1次光)のプッシュプル信号I(PPS1)および第2サブビーム93(−1次光)のプッシュプル信号I(PPS2)に相当する。またこれらサブビームのプッシュプル信号I(PPS1)およびI(PPS2)の位相は、トラッキング誤差信号I(DPP)に表れる対物レンズシフトによるオフセットをキャンセルするように、メインビーム91のプッシュプル信号I(PPM)の位相と180°異なるようになっている。すなわち、メインビーム91と、第1サブビーム92および第2サブビーム93との各位置は、トラック上において、プッシュプル信号の位相が互いに180°異なる状態で形成されるよう配置される。
次に、上記シリンドリカルレンズ62および三並列型受光素子34と、前記反射膜72と備える選別系により、記録媒体8から反射される戻り光から迷光を実質的に除去可能とするメカニズムについて詳細に説明する。
上述したように、図11に示す三並列型受光素子34を用いた場合には、サーボ信号のうち、フォーカス誤差信号を式(9)により取得することができ、トラッキング誤差信号を式(10)等により取得することができる。ここで、図9に示すように、反射膜72には信号光以外に迷光が円形の領域50として中央部の広い範囲に入射し、それがシリンドリカルレンズ62を介して三並列型受光素子34にも入射する。しかもその入射範囲は、図11に示すように、三並列型受光素子34全面をカバーするような大きな円形の領域50となる。つまり、三並列型受光素子34の第1受光部34a〜第3受光部34cの全てに重なる範囲で迷光が受光される。その結果、前述した非点収差法やDDP法等によるサーボ信号の取得に大きな影響を及ぼす。
これに対して本実施形態では、図9に示す反射膜72を備えているため、上記迷光の影響を大幅に低減することができる。すなわち、迷光は反射膜72に対して円形の領域50として広い範囲で入射するが、迷光は中央の反射部72aのみでしか反射されない。それゆえ、シリンドリカルレンズ62に入射する迷光は、円形の広い領域50から、反射部72aの形状に応じた狭い十字形状の領域41に大幅に縮小することになる。その結果、図11に示すように、シリンドリカルレンズ62から照射される迷光は、三並列型受光素子34を構成する第1受光部34aの中央部近傍の一部で受光されるに過ぎない。
具体的には、図中横方向(タンジェンシャル方向・Y方向)に並ぶ第1サブ受光部34dおよび第4サブ受光部34gと、同横方向に並ぶ第2サブ受光部34eおよび第3サブ受光部34fとの境界線部分に、上記領域41の図中横方向に伸びる部位が重なるように迷光が受光される。しかしながら、この状態でも、第1受光部34aを全て含むような広い範囲ではなく、第1サブ受光部34d〜第4サブ受光部34gの何れも迷光を受光しない領域が存在している。さらに、三並列型受光素子34全体として見れば、第2受光部34bおよび第3受光部34cはほとんど迷光を受光していない。それゆえ領域41と領域50とを比較すれば、三並列型受光素子34で受光する迷光が大幅に減少していることは明らかである。
本実施形態において、レーザー光源1から出射されたレーザー光が回折格子9によってメインビーム(例えば、図8に示すメインビーム91)とサブビーム(例えば、第1サブビーム92および第2サブビーム93)に分離された場合、これらサブビームの光強度は、例えばメインビームの光強度に対して10分の1程度となっている。そのため、メインビームとサブビームとが受光素子30(三分割型受光素子33または34)の各受光部でそれぞれ受光される時点で、同量の迷光が各受光部に入射したとすれば、信号光に対する迷光の寄与は、メインビームよりもサブビームの方が大きくなる。その結果、この迷光によって、サーボ信号に不要なノイズ成分やオフセット成分等が生じることになる。
しかしながら、本実施形態では、反射膜72を備える選別系を設けることにより、例えば、図10や図11に示すように、大部分の迷光を受光素子30に入射しないようにすることができる。それゆえ実質的に迷光が受光素子30に入射することを防止または回避することが可能となる。その結果、サブビームから算出される信号に対する不要なノイズを効果的に抑制することが可能となる。もちろん本実施形態でも、アパーチャを有する光遮断部材のような装置の大型化を招く構成を採用する必要がないので、光ピックアップの小型化が可能となる。
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施形態について図12および図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1ないし3と同じであり、適宜実施の形態1、2または3の図面も参照する。また、説明の便宜上、前記実施の形態1、2または3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1ないし3では、反射光学素子70として、信号光が照射される中央部に反射領域を設け、反射部以外の領域を非反射領域とする反射膜71または72を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射光学素子70として波長選択性を有するものを用いていることもできる。
すなわち、前記実施の形態1ないし3では、レーザー光源は1種類の波長のレーザー光を発振する単波長型であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の波長のレーザーを発する複数波長型であってもよい。複数波長型のレーザー光源としては、公知の2波長レーザー光源等を好適に用いることができる。このようなレーザー光源は、例えばCD用およびDVD用のそれぞれに対応する特定波長のレーザー光を一つの光源部材で発することになるので、複数種類の光ディスクの記録や再生に対応できる、いわゆるコンパチブル機種に用いることができる。
本発明では、反射光学素子70として、図12(a)または(b)に示すような、選択性反射部73または74を用いることで、複数波長型のレーザー光源を備える光ピックアップにおいても、迷光による影響を実質的に防止したり回避または抑制したりすることができる。
本実施形態では、DVD用の波長とCD用の波長の2種類を発する2波長型のレーザー光源を用いた場合を例に挙げて、本発明について具体的に説明する。
まず、本実施形態の光ピックアップの具体的な構成は、前記実施の形態1で説明した図1に示す構成や、前記実施の形態3で説明した図7に示す構成において、単波長型のレーザー光源1を2波長型(複数波長型)に代えるのみであるので、その具体的な説明は省略する。
次に、2波長型のレーザー光源が発するレーザー光について説明する。光ディスクのうちDVD(Digital Versatile Disc)では、約650nmの波長を有するレーザー光を用いて情報の記録や再生が行われる。一方CD(Compact Disc)では、約780nmの波長を有するレーザー光を用いて情報の記録や再生が行われる。ここで、CDは記録層を1層しか持たないタイプの記録媒体であるのに対して、DVDは複数層(例えば2層)の記録層を有するタイプの記録媒体である。したがって、DVD用の光ピックアップでは、レーザー光の照射目標となる記録層以外の隣接する記録層により迷光が発生することになる。それゆえ、CD/DVDの双方に利用する光ピックアップでは、DVD用の波長(約650nm)のレーザー光に対してのみ迷光が受光素子30に入射することを防止すればよい。
上記2波長型のレーザー光源が発するレーザー光のうち、相対的に短波長である約650nmのDVD用レーザー光に関しては、前記反射光学素子70によって迷光の影響を回避することになるが、相対的に長波長である約780nmのCD用レーザー光に関しては迷光の影響を回避する必要はない。したがって、本実施形態で用いられる反射光学素子70は、約650nmと約780nmという2種類の波長のレーザー光それぞれに対して異なる作用・機能を有していることが好ましい。
このような波長によって作用・機能の異なる、すなわち波長選択性を有する反射光学素子70としては、例えば図12(a)に示すように、各波長のレーザー光を両方とも反射可能とする二波長反射部73aと、短波長のDVD用レーザー光のみ実質的に反射しない一波長反射部73bを備える構成の選択性反射部73を好適に用いることができる。
この選択性反射部73では、図12(a)に示すように、前記実施の形態1と同様の形状となるように二波長反射部73aおよび一波長反射部73bを設ければよいが、一波長反射部73bでは、CD用レーザー光は反射してDVD用レーザー光は吸収または透過するようになっている。
より具体的には、公知の反射ミラーで二波長反射部73aを形成し、一波長反射部73bに相当する部位に波長フィルターを設ける構成が挙げられる。すなわち、反射ミラーと波長フィルターを組み合わせ、レーザー光を波長フィルター側から入射して反射ミラーで反射させ、再度波長フィルターを抜けるように構成すればよい。
二波長反射部73aは、DVD用レーザー光もCD用レーザー光も両方とも反射すればよいので、当該に波長反射部73aに相当する領域には波長フィルターを設けない。一方、一波長反射部73bは、CD用レーザー光のみを反射する必要があるので、DVD用レーザー光のみを吸収する波長フィルターまたはCD用レーザー光のみを透過する波長フィルターを用いればよい。つまり、上記波長フィルターとしては、約780nmのレーザー光を透過する一方、約650nmのレーザー光は吸収するか透過しないものを用いればよい。これによって一波長反射部73bから受光素子30に向かって反射される光はDVD用レーザー光のみとなる。その結果、受光素子30で受光する反射光は迷光の大部分が除去された信号光とすることができる。
ここで、DVD用レーザー光をほとんど透過せずCD用レーザー光を透過するような波長フィルターとしては、例えば、黄色、橙色、および赤色カットオフガラスフィルターRG665(メレスグリオ株式会社製、製品番号03FCG107)等を挙げることができる。このガラスフィルターは、約665nm以下の光をほとんど透過せず、約665nm以上の光を透過する特性を有しており、本実施形態の選択性反射部73として好適に用いることができる。もちろん本発明で用いる波長フィルターは上記製品に限定されるものではない。
あるいは、特定波長のレーザー光のみを反射する波長フィルターを組み合わせることによっても選択性反射部73を形成することができる。
例えば、約650nmの波長領域のレーザー光のみを反射する波長フィルター(フィルターI)と、約780nmの波長領域のレーザー光のみを反射する波長フィルター(フィルターII)とを用いたとする。この場合、図13に示すように、各フィルターIまたはIIは、約650nmまたは約780nmの波長において特異的に反射率が高くなっており、これら各波長をピークとして前後の波長領域で徐々に反射率が低下するような反射特性を有している。したがって、これらフィルターIおよびIIにおいて、図中ブロック矢印で示す反射率の重なりあう領域は、両方のレーザー光を反射できるようになる。
したがって、二波長反射部73aにおいては、上記フィルターIおよびIIを重ねた構成とし、一波長反射部73bにおいては、上記フィルターIIのみを配置する構成としておけば、選択性反射部73を形成することができる。
上述した例では、レーザー光としてCD用およびDVD用の2種類の波長を用いる光ピックアップについて説明したが、さらに3種類の波長のレーザー光を用いることもできる。
具体的には、例えば次世代DVDでは、上記約780nmよりも短い約405nmの波長のレーザー光(青紫色のレーザー光)が用いられる。そこで、CD用レーザー光(約780nm)、現行DVD用レーザー光(約650nm)、および次世代DVD用レーザー光(約405nm)の3種類のレーザー光を発振可能とする3波長レーザー光源を用いる場合にも、本発明を好適に適用することができる。
例えば、図12(b)に示すように、全ての波長のレーザー光を反射する三波長反射部(完全反射部)74aと、現行DVD用レーザー光(約650nm)およびCD用レーザー光(約780nm)を反射し、次世代DVD用レーザー光(約405nm)は反射しない二波長第1反射部(部分反射部)74bと、次世代DVD用レーザー光(約405nm)およびCD用レーザー光(約780nm)を反射し、現行DVD用レーザー光(約650nm)は反射しない二波長第2反射部(部分反射部)74cと、CD用レーザー光(約780nm)のみ反射し、現行および次世代DVD用レーザー光(約650nmおよび約405nm)は反射しない一波長反射部(部分反射部)74dを備える選択性反射部74を、反射光学素子70として好適に用いることができる。
上記選択性反射部74についても、目的の波長領域のレーザー光のみを反射し他の領域のレーザー光を吸収または透過する波長フィルターと、反射ミラーとを適宜組み合わせて構成することができる。
なお、上述した例では、レーザー光の波長の選択は波長フィルターを例示したがもちろん本発明はこれに限定されるものではなく、例えば波長選択性の回折格子など、公知の他の光学素子を適宜選択して用いることができる。
同様に、レーザー光の波長は上記例示した波長の組み合わせのみに限定されるものではなく、例えば、約405nmと約650nmと約780nmとの3種類の波長を有するレーザー光の少なくとも2種類以上の組み合わせのレーザー光を発するレーザー光源や、他の波長のレーザー光も発することができるレーザー光源や、レーザー光以外の光を発する光源とレーザー光源とを組み合わせた光源ユニット等であってもよい。
このように、本発明では、反射光学素子には複数種類の波長の戻り光が入射可能となっており、上記反射部には、入射する全ての波長の戻り光を反射する完全反射部と、少なくとも1種類の波長の戻り光を透過または吸収する部分反射部とが含まれる。これにより、複数の波長のレーザー光を用いた光ピックアップにおいても、迷光の影響を効果的に防止または回避しできるとともに装置の大型化を抑制して、サーボ信号等の不具合が生じない小型の光ピックアップを実現することが可能となる。
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施形態について図14および図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1ないし4と同じであり、適宜実施の形態1ないし4の何れかの図面も参照する。また、説明の便宜上、前記実施の形態1ないし4の何れかの図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明に係る光ピックアップの具体的な構成は、前記実施の形態1ないし4で例示した構成に限定されるものではなく、公知の他の構成と組み合わせたり変形したりすることにより、本発明の作用効果をより一層向上させることも可能である。
具体的には、本実施形態の光ピックアップの一例として、図14に示すように、照射受光系において対物光学系2の構成を変形する例を挙げることができる。すなわち、前記実施の形態1では、図1に示すように、レーザー光源1、ビームスプリッター4、対物光学系2の順で選別系を構成しており、対物光学系2を形成する二つのレンズのうちビームスプリッター4側に配置するレンズはコリメートレンズとなっていた。
これに対して、図14に示す構成の光ピックアップ12では、このコリメートレンズ21の配置を変更して、レーザー光源1とビームスプリッター4との間に配置してもよい。これによって、レーザー光源1から出射されたレーザー光を平行ビームとしてビームスプリッター4に入射することができる。同様に、選別系にもコリメートレンズを導入することもできる。例えば、図14に示す構成の光ピックアップ12では、反射光学素子70とビームスプリッター4との間にコリメートレンズ22を配置することができる。これによって、ビームスプリッター4からの戻り光を集光光束として反射光学素子70に入射することができる。
コリメートレンズは、光軸に平行でないレーザー光を平行光束にするため、又は、光軸に平行なレーザー光を集光光束にするものであり、光ピックアップに限らず光学素子として広く用いられている。本発明では、照射受光系および選別系の何れにもいてもコリメートレンズを用いることで、レーザー光または戻り光を適切に平行なビームとしたり集光ビームとしたりすることが可能となる。
それゆえ、例えば、レーザー光源1から記録媒体8にレーザー光を照射するときや、戻り光を反射光学素子70へ入射させるときに、適切な状態のビームを形成することができる。そのため、反射光学素子70による迷光の除去作用をより一層向上させることができる。
このように、本発明では、コリメートレンズ等の光学素子(集光手段)は、レーザー光源1および受光素子30の少なくとも一方と記録媒体8との間に介在していればよい。
さらに、本発明では、選別系に反射部材を追加することで、光ピックアップのさらなる小型化を図ることもできる。
具体的には、例えば、図15に示すように、波面変換素子60と受光素子30との間に、所定角度で固定されたミラー23を設ける光ピックアップ13を挙げることができる。この構成は、図1に示す構成の光ピックアップ10と比較して、ミラー23を備えている以外は同一構成であるが、ミラー23により光路を変えることにより、記録媒体8から見てレーザー光源1と受光素子30とを同一方向に配置することができる。その結果、反射光学素子70により、迷光除去の構成をより小型化できるだけでなく、レーザー光源1および受光素子30を一つの素子にまとめることが可能となるので、装置をより一層小型化することが可能となる。
このように本発明にかかる光ピックアップは、例えば、複数の記録層を有する記録媒体と、光源と、前記光源を発した光を前記記録媒体の記録層に集光する集光手段と、前記記録層からの戻り光を受光する受光素子と、光源から出射されたレーザー光の光路と前記記録層からの戻り光の光路を変えるための光分離素子と、前記集光手段の前記光源側の焦点位置であり前記光源とは異なる位置に、読み出しを行っている記録層からの戻り光をすべて反射し前記記録層以外からの戻り光の大部分を反射しない反射光学素子を設けるという構成を有しているものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
あるいは、本発明にかかる光ピックアップは、例えば、複数の記録層を有する記録媒体と、光源と、前記光源を発した光を前記記録媒体の記録層に集光する集光手段と、前記記録層からの戻り光を受光する受光素子と、光源から出射されたレーザー光の光路と前記記録層からの戻り光の光路を変えるための光分離素子と、前記集光手段の前記光源側の焦点位置であり前記光源とは異なる位置に、読み出しを行っている記録層からの戻り光をすべて反射し前記記録層以外からの戻り光の大部分を反射しない反射光学素子を設け、前記光源として複数の異なる波長を有するレーザーを用いるという構成であってもよい。
また、上記何れの構成の光ピックアップにおいても、例えば、記録媒体の記録層にレーザー光の1つのスポットのみを形成するようにするという構成、光源から記録媒体までの光路中に、光源から出射されたレーザー光を主光束(メインビーム)と一対の副光束(サブビーム)とに分離する回折格子を設け、記録媒体の記録層に主スポットと一対の副スポットとによって構成されるレーザー光の3つのスポットを形成するようにするという構成、前記反射光学素子の反射部のメインとサブの反射領域幅を変化させるという構成、前記光源として複数の異なる波長を有するレーザーを用いた場合、前記反射光学素子が波長選択性を有するという構成、波面変換素子としてホログラムを用いるという構成、波面変換素子としてシリンドリカルレンズを用いるという構成等を有していてもよい。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、以上のように、反射光学素子を設けて迷光の大部分を除去することにより、サーボ信号の信頼性を向上させ、小型の光ピックアップを得ることができるものである。それゆえ本発明は、光ピックアップおよびこれを製造する技術分野に広く利用できるだけでなく、当該光ピックアップを備える記録装置や記録媒体の分野、特に、多層の光ディスクに情報を記録及び/又は再生する情報記録再生装置やその部品、あるいはこれらを製造する分野等に好適に利用することができる。
本発明の一実施形態における光ピックアップの構成例を示す概略模式図である。 図1に示す光ピックアップが備える反射光学素子としての反射膜の構成例を示す概略平面図である。 図1に示す光ピックアップにより情報の記録または再生が行われる、上記光ピックアップにおける複数の記録層を有する記録媒体の構成例を示す概略断面図である。 図1に示す光ピックアップに用いられる波面変換素子としてのホログラムの構成例と、これに対応する受光素子の構成例とを示す概略平面図である。 本発明の他の実施形態の光ピックアップにおいて、波面変換素子として用いられるシリンドリカルレンズの構成例を示す概略斜視図である。 図5に示すシリンドリカルレンズに対応する受光素子の構成例を示す概略図である。 本発明のさらに他の実施形態における光ピックアップの構成例を示す概略模式図である。 図7に示す光ピックアップが備える回折格子によるメインビームおよび一対のサブビームを形成する例を説明する概略模式図である。 図7に示す光ピックアップが備える反射光学素子としての反射膜の構成例を示す概略平面図である。 図7に示す光ピックアップに用いられる波面変換素子としてのホログラムの構成例と、これに対応する受光素子の構成例とを示す概略平面図である。 図7に示す光ピックアップにおいて、波面変換素子として用いられるシリンドリカルレンズの構成例を示す概略斜視図である。 (a)および(b)は、本発明のさらに他の実施形態における光ピックアップにて用いられる、反射光学素子としての選択性反射部の構成例を示す概略平面図である。 図12(a)に示す選択性反射部に用いることが可能な2種類の波長フィルターについて、それぞれの反射率の特性を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施形態における光ピックアップの構成例を示す概略模式図である。 本発明のさらに他の実施形態における光ピックアップの構成例を示す概略模式図である。 従来例の光ピックアップが備える多重データ面フィルターの構成を示す概略模式図である。
符号の説明
1 レーザー光源(光源)
2 対物光学系(集光手段、照射集光手段)
4 ビームスプリッター(光分離素子)
5 受光光学系(集光手段、戻り光集光手段)
8 記録媒体
9 回折格子
10 光ピックアップ
11 光ピックアップ
12 光ピックアップ
13 光ピックアップ
21 コリメートレンズ
22 コリメートレンズ
23 ミラー
30 受光素子
31 三並列型受光素子
32 四分割型受光素子
33 三並列型受光素子
34 三並列型受光素子
40 領域
41 領域
50 領域
60 波面変換素子
61 ホログラム
62 シリンドリカルレンズ
63 ホログラム
70 反射光学素子
71 反射膜
71a 反射部
71b 非反射部
72 反射膜
72a 反射部
72b 非反射部
73 選択性反射部
73a 二波長反射部
73b 一波長反射部
74 選択性反射部
74a 三波長反射部
74b 二波長第1反射部
74c 二波長第2反射部
74d 一波長反射部
81 入射面
90 レーザー光
91 メインビーム
92 第1サブビーム
93 第2サブビーム
L0 第1記録層
L1 第2記録層

Claims (17)

  1. 記録媒体の記録層に光を発する光源と、
    上記記録層からの戻り光を受光する受光素子と、
    上記光源および受光素子の少なくとも一方と記録媒体との間に介在して光を集光可能とする集光手段と、
    光源から出射されたレーザー光の光路と上記記録層からの戻り光の光路を変えるための光分離素子と、
    上記集光手段の上記光源側の焦点位置でありかつ上記光源とは異なる位置に、
    読み出しを行っている記録層から戻されかつ上記光分離素子によって光路が変えられた戻り光を全て反射する反射部と、上記記録層以外からの戻り光を透過又は吸収可能とする非反射部とを備えている反射光学素子とが設けられていることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 上記反射光学素子の反射面のうち、戻り光の入射光軸を含む中央部に上記反射部が設けられているとともに、当該反射部の周囲に非反射部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
  3. 上記反射光学素子には複数種類の波長の戻り光が入射可能となっており、
    上記反射部としては、入射する全ての波長の戻り光を反射する完全反射部と、少なくとも1種類の波長の戻り光を透過または吸収する部分反射部とが含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の光ピックアップ。
  4. 上記集光手段には、光源および記録媒体間の光を集光可能とする照射集光手段と、光分離素子および受光素子間で戻り光を集光可能とする戻り光集光手段とが含まれているとともに、
    上記光源、上記照射受光系集光手段、および上記光分離素子を含む系と、
    上記受光素子、上記光分離素子、上記記録層からの戻り光を上記受光素子に集光する戻り光集光手段、および上記反射光学素子を含む系とが、
    上記光分離素子で交差していることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の光ピックアップ。
  5. 記録媒体の記録層にレーザー光の1つのスポットのみを形成することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の光ピックアップ。
  6. 光源から記録媒体までの光路中に、
    光源から出射されたレーザー光を主光束と一対の副光束とに分離する回折格子を設け、
    記録媒体の記録層に主スポットと一対の副スポットとによって構成されるレーザー光の3つのスポットを形成することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の光ピックアップ。
  7. 上記反射光学素子の反射部のメインとサブの反射領域幅を変化させることを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ。
  8. 上記光源として複数の異なる波長を有するレーザーを用いることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の光ピックアップ。
  9. 上記反射光学素子が波長選択性を有することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ。
  10. 記録媒体の記録層にレーザー光の1つのスポットのみを形成することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ。
  11. 光源から記録媒体までの光路中に、
    光源から出射されたレーザー光をメインビームと一対のサブビームとに分離する回折格子を設け、
    記録媒体の記録層に主スポットと一対の副スポットとによって構成されるレーザー光の3つのスポットを形成することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ。
  12. 上記反射光学素子の反射部のメインとサブの反射領域幅を変化させることを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ。
  13. 上記反射光学素子と受光素子との間に、上記反射光学素子からの反射光を分割する波面変換素子が設けられていることを特徴とする請求項1ないし12の何れか1項に記載の光ピックアップ。
  14. 波面変換素子として、ホログラムを用いることを特徴とする請求項13に記載の光ピックアップ。
  15. 波面変換素子として、シリンドリカルレンズを用いることを特徴とする請求項13に記載の光ピックアップ。
  16. 上記光源と上記光分離素子との間又は上記光分離素子と上記反射光学素子との間の少なくとも一方に、
    コリメートレンズが設けられていることを特徴とする請求項1ないし15の何れか1項に記載の光ピックアップ。
  17. 請求項1ないし16の何れか1項に記載の光ピックアップを備えていることを特徴とする光ディスクドライブ装置。
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