JP5024077B2 - 多層光記録媒体の特性評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は情報を多層に有する多層光記録媒体の特性を評価する特性評価方法に関する。
従来、ディジタル動画コンテンツの視聴や、ディジタルデータの記録のために、CD−DA、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD+/−RW、DVD−RAMなどの光記録媒体が広く利用されている。一方、この種の光記録媒体に要求される記録容量は年々増大してきており、その要求に対応する為に、大容量の動画やデータを収録できる、いわゆる次世代型光ディスクの商品化が始まっている。次世代型光ディスクは、記録再生に用いるレーザー光の波長を405nmと短くすることで記録容量の増大を図っている。例えば、次世代型DVD規格の一つであるBlu−rayDisc(BD)規格では、対物レンズの開口数を0.85に設定することで、1つの記録層に対して25GBもの記録再生を可能にしている。
この種の光記録媒体の品質を評価する項目として反射変動がある。この反射変動は、記録層を再生したときに得られる信号の変動を評価するものであり、光記録媒体の周方向の均質性を測る指標として有用である。この反射変動は、(1.7)変調方式においては次式で示される。
反射変動=(R8Hmax−R8Hmin)/R8Hmax
R8Hとは、記録マークの形成によって反射率が下がる情報記録層において、8Tスペース部分の反射率に相当する。従って、R8Hmaxは周内において8Tスペース部分の反射率に絞り込んで、その中で最も高い反射率を意味している。一方、R8Hminは、周内の8Tスペース部分において最も低い部分の反射率を意味している。このように、同一周内において、8Tスペース部分の反射率がR8Hmin〜R8Hmaxの範囲で変化するのは、情報記録層の膜厚や、材料組成の変動、カバー層の厚みムラ等のように、光記録媒体の素材又は形状特性が周方向に変動していることに起因している。これらの影響により、情報記録層の周内において、ボトムJitter値や最適な記録パワー値も変化する。例えば、周内で最適記録パワーにばらつきがあると、仮に、低い側の最適記録パワーで全周に情報を記録した場合、本来、より高い最適記録パワーとすべき箇所のjitterが大きく悪化してしまう。また、高い側の最適記録パワーで全周に情報を記録した場合、本来、より低い最適記録パワーとすべき箇所のjitterが大きく悪化する。従って、双方の要求を同時に満たす最適記録パワーを選定する際、周方向の最適記録パワーのばらつきが大きいほど、最適記録パワーのマージン幅が狭くなる。このような理由で、光記録媒体における反射変動を予め評価することは、この光記録媒体の均一性を測る指標として非常に重要となっている。
一方、動画やデータの容量は今後益々増大することが予想されている。従って、光記録媒体における情報記録層を多層化することで光記録媒体の容量を増大させる方法が検討されている。BD規格の光記録媒体では、6層〜8層の情報記録層を設けることで、200GBもの超大容量を実現する技術が提案されている。
I. Ichimura et. al., Appl. Opt, 45, 1974-1803 (2006) K. Mishima et. al., Proc. of SPIE, 6282, 62820I (2006)
3層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体では、反射光に影響を与える層間クロストークが生じることが知られている。具体的にこの層間クロストークとは、図17(B)に示すように、フォーカスをかけている情報記録層L0と他の記録記録層L2の多重反射によって、主信号RL0と迷光成分RL2の光路長が揃ってしまい、両信号の反射光が同軸状態で多層光記録媒体から出射する現象であり、このときの反射光の変動は、各々の情報記録層が反射光の変動(マーク・スペース)を持たなくても2つの光が干渉することで発生する。特に、主信号RL0と迷光成分RL2の光路長差が、ブラッグの条件を満たして干渉する際に、この反射光量が増大してクロストークが発生する。
この層間クロストークによる反射光への影響は、従来の光記録媒体において考慮されてきた情報記録層の膜厚や材料組成、カバー層やスペーサー層の厚みムラによる反射変動よりも遙かに大きい。例えば、図17(A)のSUM信号の出力例に示されるように、各情報記録層L0〜L3の層間距離を互いに異ならせることで層間クロストークを抑制した際の反射光の変動は比較的小さいが、図17(B)のように層間クロストークを生じさせた際の反射光の変動は非常に大きいことがわかる。
このことから、多層光記録媒体においては、性質と由来の異なる反射光変動の要因が同時に複数存在してしまい、記録再生特性に大きく影響する変動成分を抽出する評価方法が明確ではないという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、3層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体においても、記録再生特性に大きく影響する情報記録層の膜厚や材料、スペーサー層の厚みムラのような素材又は形状特性を的確に把握可能とする評価方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、層間クロストークによって発生する反射変動が大きな場合のJitterと、層間クロストークによる反射変動が小さな場合のJitterを比較し、両者の間で、最適記録パワーのマージン幅にはほとんど差が無いことを新たに発見した。つまり、3層以上の情報記録層を持つ多層光記録媒体では、従来と同様の方法、即ち、反射変動=(R8Hmax−R8Hmin)/R8Hmaxに基づいて測定しても、層間クロストークの影響のみが主に抽出されて多層光記録媒体の均一性を測る指標として有効に働かないが、その層間クロストークを適切に減衰させて、適切な反射変動を得ることができれば、十分に最適記録パワーのマージン幅を設定可能になることを見出した。
この発想から、本発明者らは、情報記録層の膜厚や材料組成の変動や、スペーサー層、カバー層の厚みムラといった記録再生特性に影響を与える反射変動のみを抽出する必要性を見出し、以下のような新しい評価手法を創出した。
(1)3層以上の情報記録層を持つ多層光記録媒体に対してレーザー光を照射し、前記レーザー光の反射光から得られる第1信号を周波数フィルタに通し、前記周波数フィルタを経て、少なくとも、前記情報記録層の層間クロストークに起因する前記反射光の変動成分を前記第1信号から減衰させることで得られる第2信号を用いて、該第2信号の変動を算出することにより、前記多層光記録媒体の周方向の均質特性を評価する多層光記録媒体の特性評価方法。
(2)前記周波数フィルタによって、少なくとも、前記多層光記録媒体の素材又は形状特性の周方向変動に起因する前記反射光の変動成分を第2信号に残存させることを特徴とする上記(1)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(3)前記周波数フィルタは、ハイパスフィルタであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(4)前記第1信号は、前記情報記録層における情報保持領域の反射光から得られるRF信号であり、前記ハイパスフィルタは、前記RF信号を通過させることを特徴とする上記(3)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(5)前記情報保持領域内のスペース部分に対応する前記第2信号の反射光量変動を用いて、前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする上記(4)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(6)前記情報保持領域内のマーク部分に対応する前記第2信号の反射光量変動を用いて前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする上記(4)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(7)前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が、前記情報記録層における最長マークと最長スペースの再生によって得られる前記RF信号の周波数より小さく設定されることを特徴とする上記(4)、(5)又は(6)に記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(8)前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が、前記情報記録層における最長マークと最長スペースの再生によって得られる前記RF信号の周波数の1/10以下に設定されることを特徴とする上記(7)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(9)前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が、0.45kHz以上に設定されることを特徴とする上記(3)乃至(8)のいずれか記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(10)前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が、3kHz以上に設定されることを特徴とする上記(9)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(11)前記第2信号における振幅変動を用いて前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする上記(1)乃至(10)のいずれか記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(12)前記第2信号を前記第1信号によって規格化し、前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする上記(1)乃至(11)のいずれか記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(13)前記第1信号の反射光量によって前記第2信号を規格化し、前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする上記(12)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(14)前期第2信号を、該2信号の振幅量で規格化し、前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする上記(12)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(15)前記周波数フィルタは、ローパスフィルタであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(16)前記多層光記録媒体の回転数をN回転/秒とした際に、前記ローパスフィルタのカットオフ周波数は、1×N(Hz)より大きく設定されることを特徴とする上記(15)記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
(17)前記多層光記録媒体の回転速度の増大に応じて、前記周波数フィルタのカットオフ周波数を高周波側へ変えることを特徴とする上記(1)乃至(16)のいずれか記載の多層光記録媒体の特性評価方法。




本発明によれば、3層以上の情報記録層を持つ多層光記録媒体においても、情報記録層の膜厚や材料、スペーサー層の厚みムラ等の影響を明確に判断・評価することが可能になる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、本発明の第1実施形態の多層光記録媒体の特性評価方法を実現する特性評価システム100、及びこの特性評価システム100によって評価される多層光記録媒体1の構成が示されている。この特性評価システム100は、再生に利用するレーザー光Zを発生させるレーザー光源102、レーザー光源102を制御するレーザーコントローラ104、レーザー光Zを多層光記録媒体1に導く光学機構106、レーザー光Zの反射光を検出する光検出装置108、この検出信号を復号する復号処理装置110、光検出装置108の検出情報から信号(第1信号)を抽出する信号抽出装置117、この第1信号を周波数に依存させてフィルタリングする周波数フィルタ109、この周波数フィルタ109を経て得られる第2信号を規格化する規格化処理部111、周波数フィルタ109のカットオフ周波数を制御したり、規格化処理部111から得られる信号に基づいて、多層光記録媒体1の特性を評価する特性評価装置116、特性評価装置116の評価結果及び再生時のJitterに基づいて多層光記録媒体1の合否判定を行う媒体判定装置118、多層光記録媒体1を回転させるスピンドルモータ112、スピンドルモータ112を回転制御するスピンドルドライバ114、光検出装置108から送信された電気信号に基づいてフォーカスエラー(FE)を検出し、このフォーカスエラー信号を利用してレンズ駆動コイル106Bをフォーカス方向(光軸方向)に駆動制御するフォーカスコントローラ113、光検出装置108から送信された電気信号に基づいてトラッキング誤差を検出し、このトラッキング誤差を利用してレンズ駆動コイル106Bをトラッキング方向に駆動制御するトラッキングコントローラ115、レーザーコントローラ104・フォーカスコントローラ113・スピンドルドライバ114・トラッキングコントローラ115等を統合的に制御する制御装置120を備える。なお制御装置120は、特に図示しないCPU(中央演算装置)との間で復号後の再生データのやり取りを行うことで、必要な情報の記録・再生が可能となっている。
レーザー光源102は半導体レーザーであり、レーザーコントローラ104によって制御されて所定パワー及び波形のレーザー光Zを発生させる。光学機構106は、対物レンズ106Aや偏光ビームスプリッタを備え、レーザー光Zの焦点を情報記録層に適宜合わせることが可能となっている。なお、偏光ビームスプリッタは、情報記録層の反射光を取り出して光検出装置108に導く。
光検出装置108はフォトディテクタであり、レーザー光Zの反射光を受光して電気信号に変換する。複号処理装置110では、この再生信号を復号化し、復号化された2値の識別信号を特性評価装置116に出力する。
周波数フィルタ109は、ここではハイパスフィルタであり、後述するカットオフ周波数によって、光検出装置108から得られる第1信号をフィルタリングして、第2信号として出力する。このカットオフ周波数は、特性評価装置116によって任意に変更することが可能となっている。
規格化処理部111は、この第2信号を規格化するための基準値を算出して、これを特性評価装置116に出力する。
なお、この特性評価システム100では、レーザー光Zの波長λが400〜410nmに設定されている。また、光学機構106における対物レンズ106Aの開口数NAは0.84〜0.86に設定されている。詳細に、レーザー光Zの波長λは405nm、対物レンズ106Aの開口数NAは0.85に設定されている。また、この光再生系のクロック周波数fは、66MHzに設定されている。スピンドルドライバ114によって回転制御される多層光記録媒体1の回転数は、0〜10000rpmの範囲内で自在に制御できるようになっている。
図2(A)には、特性評価システム100による特性評価対象となる多層光記録媒体1の全体構成例が示されている。なお、この多層光記録媒体1は、評価対象となる媒体の一つを例示するにすぎない。即ち、本発明は、この多層光記録媒体1を評価する手法に限定されないのは勿論である。
この多層光記録媒体1は外形が約120mm、厚みが約1.2mmとなる円盤状の媒体である。図2(B)に拡大して示されるように、多層光記録媒体1は、基板10と、L0情報記録層20と、L1スペーサー層30と、L1情報記録層22と、L2スペーサー層32と、L2情報記録層24と、L3スペーサー層34と、L3情報記録層26と、カバー層36と、ハードコート層38がこの順に積層されている。従ってこの多層光記録媒体1は、情報記録層が4層構造となっている。
これらのL0〜L3情報記録層20、22、24、26はデータを保持する層である。データの保持形態としては、予めデータが書き込まれており書換が不能な再生専用型や、利用者による書き込みが可能な記録型があり、ここでは記録型を採用している。データの保持形態が記録型の場合、詳細には、一度データを書き込んだエリアに再度データの書き込みが出来ない追記型と、データを書き込んだエリアに対してデータを消去し、再度書き込みが可能な書換型があるが、本実施形態では追記型を例示している。なお、L0〜L3情報記録層20、22、24、26において、データの保持形態を互いに異ならせることも可能である。
L1〜L3スペーサー層30、32、34、カバー層36及びハードコート層38は、全て光透過性を有しており、外部から入射されるレーザー光を透過するようになっている。この結果、ハードコート層38の光入射面38Aから入射されるレーザー光Zを用いれば、L0〜L3情報記録層20、22、24、26に対する情報の記録・再生が可能となる。なお、L3情報記録層26は、多層光記録媒体1の光入射面38Aに近い側の情報記録層となり、L0情報記録層20は、光入射面38Aから遠い側の情報記録層となる。本実施形態では、各情報記録層20、22、24、26の記録容量が25GBとなる場合を例示している。なお、情報記録層毎に記録容量を異ならせることも可能であり、また、記録容量は25GB以外にも自在に設定することができる。
図3に更に拡大して示されるように、基板10は、厚さ約1100μmとなる円盤状の部材であり、その素材として例えば、ガラス、セラミックス、樹脂等の種々の材料を用いることができる。ここではポリカーボネート樹脂を用いている。なお、樹脂としてはポリカーボネート樹脂以外にも、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等を採用することも出来る。中でも加工や成型の容易性から、ポリカーボネート樹脂やオレフィン樹脂が好ましい。また、基板10における情報記録層側の面には、用途に応じて、グルーブ、ランド、ピット列等が形成される。
L0情報記録層20は、基板側から順に、膜厚100nmのAgPdCu層(Ag:Pd:Cuモル比=98:1:1)、膜厚40nmのZnS・SiO2層(ZnS:SiO2モル比=80:20)、膜厚6nmのCu層、膜厚6nmのSi層、膜厚40nmZnS・SiO2層から構成されている。ここで、Cu層及びSi層は、無機反応膜として機能し、レーザー光Zの熱により溶融・混合されることで光反射率が異なるようになっている。
L1スペーサー層30は、L0情報記録層20とL1情報記録層22の間に積層されており、これらの間を離間させる機能を有する。L1スペーサー層30の光入射面38A側表面には、グルーブ(ランド)、ピット列等が形成される。スペーサー層30の材料は様々なものを用いることが出来るが、既に述べたように、レーザー光Zを透過させる為に光透過性材料を用いる必要がある。例えば、紫外線硬化性アクリル樹脂を用いることも好ましい。なお、L1スペーサー層30の厚みは17または15μmに設定される。
L1情報記録層22は、基板側から順に、膜厚10nmのTiO2層、膜厚34nmのBi−Ge−O層(Bi:Ge:Oモル比=28:2:70)、膜厚10nmのTiO2層から構成される。
L2スペーサー層32は、L1情報記録層22とL2情報記録層24の間に積層されており、これらの間を離間させる機能を有する。L2スペーサー層32の光入射面38A側表面には、グルーブ(ランド)、ピット列等が形成される。なお、L2スペーサー層32の厚みは21μmに設定される。
L2情報記録層24は、基板側から順に、膜厚14nmのTiO2層、膜厚38nmのBi−Ge−O層(Bi:Ge:Oモル比=25:7:68)、膜厚14nmのTiO2層から構成される。
L3スペーサー層34は、L2情報記録層24とL3情報記録層26の間に積層されており、これらの間を離間させる機能を有する。L3スペーサー層34の光入射面38A側表面には、グルーブ(ランド)、ピット列等が形成される。なお、L3スペーサー層34の厚みは13または15μmに設定される。
L3情報記録層26は、基板側から順に、膜厚15nmのTiO2層、膜厚40nmのBi−Ge−O層(Bi:Ge:Oモル比=22:10:68)、膜厚15nmのTiO2層から構成される。
ハードコート層38を含んだカバー層36の厚みは50μmに設定されている。この結果、この多層光記録媒体1では、L0情報記録層20は光入射面3Aから110μmの位置に配置され、その他のL1〜L3情報記録層22、24、26が光入射面38Aから110μm未満に配置される。
各基板10及びL1〜L3スペーサー層30、32、34に形成されるグルーブは、データ記録時におけるレーザー光Zのガイドトラックとしての役割を果たし、このグルーブに沿って進行するレーザー光Zのエネルギー強度が変調される事によって、グルーブ上の各情報記録層20、22、24、26に記録マークが形成される。また、グルーブは媒体側アドレスを特定する役割を果たしており、トラッキング信号から特定の個所の媒体側アドレスを取得できるようになっている。
次に、本実施形態の特性評価方法が適用される特性評価システム100の周波数フィルタ109及び規格化処理部111について詳細に説明する。
ハイパスフィルタである周波数フィルタ109のカットオフ周波数は、L0〜L3情報記録層20、22、24、26に記録される最長マークと最長スペースの再生によって得られる周波数より小さく設定される。つまり、信号再生によって得られるRF信号の最低周波数よりも小さく設定されるようになっている。更に、確実性を考慮すると、このカットオフ周波数は、上記RF信号の最低周波数の1/10以下に設定されることが望ましい。一方、このカットオフ周波数は、0.44kHzよりも大きく設定される。より確実性を高めるためには3kHz以上に設定する。なお、本実施形態では、再生時におけるマーク/スペースの反射光量の相違による純粋な信号成分を変調信号とし、再生信号に含まれる変調信号以外の反射変動成分とは区別して説明する。
図4(A)に、3層以上の多層光記録媒体に記録された情報層を再生したときの第1信号(RF信号)を模式的に示す。また図4(B)に、このRF信号に含まれる反射光の変動成分を模式的に示す。図4(B)に示されているように、記録状態の多層光記録媒体1から出射される反射光が持つ変動は、先ほどに記述した層間クロストークによって生じる干渉変動Yと、記録された信号に応じて、記録マーク及びスペースによって変動する変調信号Xと、この変調信号X内に振幅変動として内在されており、多層光記録媒体1の材料・形状・膜厚等が周方向に変動することによって生じる媒体不均一変動Wと、を含んでいる。なお、干渉変動Yがあっても、変調信号Xの振幅量に変動は生じない。しかし、多層光記録媒体1の材料・形状・膜厚等が周方向に変動すると、変調信号Xの振幅量に変動が生じ、結果として反射光に媒体不均一変動Wが生じることになる。
なお、変調信号Xは、再生する情報記録層20、22、24、26に形成されるマークとスペースの反射率の相違に起因する信号であり、再生条件によって相違はあるものの、例えば10MHz程度の高周波となるのが一般的である。
媒体不均一変動Wは、情報記録層20、22、24、26やスペーサー層30、32、34の膜厚が不均一であったりすることが要因である。従って、再生条件によって相違はあるものの、仮に一周に亘って1回の膜厚変動が存在すると考えると、約20Hzの低周波となる。また、この媒体不均一変動Wは、主に、記録時における媒体の不均一性によって、マーク/スペース自体が不均一に形成されてしまうことによって発生する。
干渉変動Yは、ブラッグの条件より、次の式を満たすときに2つの光が干渉し反射が回折することによって発生する。
2n×d×sinθ=kλ
ここでnはスペーサー層材料の屈折率、dは主信号成分と迷光成分の光路長差、θは光の入射角、kは整数、λは波長である。なお、光路長差は、主に、スペーサー層30、32、34の膜厚変化に起因する。BDの光学系の場合、λ=405nmであり、集光された状態で入射される光の強度はガウシアン分布となり、垂直方向から入射する光が最も支配的であることからθ=0とすると、上記の式の展開によりd=135(nm)×kの条件を満たす場合に光の干渉によって反射が最も高くなり、半位相ずれた条件では反射が最も低くなる。この反射光の強度変化により干渉変動Yが生じる。
多層光記録媒体1における半径位置が40mmの地点において、線速=4.92m/sの条件で測定した場合を考える。図5に示されるように、周内のスペーサー層の厚みの最大と最小の差が1.5μm(往復で3μm)、厚み変化は周内で直線的に1回変化すると仮定した場合、0.0023秒毎に135(nm)の膜厚変動が生じてブラッグの条件を満たす。このため、発生する干渉変動Yの周波数は0.44kHzになる。
また、媒体不均一変動Wは変調信号Xに内在している。具体的に、変調信号Xを構成するマーク/スペースは、そもそも情報記録層20、22、24、26に形成されているものであるため、多層光記録媒体1における材料・形状が不均一であれば、記録されるマークやスペース部分も周内で不均一になるのは当然である。つまり、多層光記録媒体1における材料・形状等の不均一によって、変調信号Xの振幅量が影響を受けることから、この振幅量変動成分として、変調信号X中に媒体不均一変動Wが内在されることになる。
一方、干渉変動Yは、ブラッグの条件を満たすことによって生じる干渉に起因しているため、再生だけに影響が生じるものである。このため情報記録層へのマーク/スペースの形成にも影響を及ぼさない。この結果、干渉変動Yは、変調信号Xの振幅量自体に影響を及ぼすこともない。つまり、干渉変動Yによって変調信号Xの振幅量は影響は受けないために、変調信号Xの中に干渉変動Yは内在されない。
既述の周波数フィルタ109のように、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を0.44kHzよりも大きく設定することで、約0.44kHzとなる干渉変動Yだけでなく約20Hzとなる媒体不均一変動Wも第1信号(RF信号)から減衰することも予想されるが、上記のように、媒体不均一変動Wは、カットオフ周波数よりも高い周波数となる変調信号Xに内在しているため、このハイパスフィルターでは媒体不均一変動Wを減衰させることが出来ない。この結果、干渉信号Yのみを減衰することが出来る。
なお、干渉変動Yにも何らかの外乱を含む場合も考えられるので、余裕を含めて、好ましくはカットオフ周波数を3kHz以上に設定する。一方、カットオフ周波数を変調信号Xの周波数よりも大きくしてしまうと、変調信号X自体もカットされてしまい、媒体不均一変動Wを残存させることができない。従って、最長マーク、最長スペースの信号から得られる変調信号Xの最低周波数よりも、カットオフ周波数を小さくすることが望ましく、更に余裕を考えて、この最低周波数の1/10以下に設定しておくことが好ましい。このようにすることで、周波数フィルタ109を経て得られた第2信号は、干渉変動Yが適切にカットされ、変調信号Xと共に媒体不均一変動Wを残存させることが可能となる。
従って、この周波数フィルタ109のように、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を0.44kHzよりも大きく設定することで、約0.44kHzとなる干渉変動Yは第1信号から減衰され、フィルタリング後の第2信号には変調信号Xのみが残存することになる
既に説明した通り、媒体不均一変動Wは、この変調信号Xに内在していることから、変調信号Xと共に媒体不均一変動Wも残存することになる。なお、干渉変動Yにも何らかの外乱を含む場合も考えられるので、余裕を含めて、好ましくはカットオフ周波数を3kHz以上に設定する。一方、カットオフ周波数を変調信号Xの周波数よりも大きくしてしまうと、変調信号X自体もカットされてしまい、媒体不均一変動Wを残存させることができない。従って、最長マーク、最長スペースの信号から得られる変調信号Xの最低周波数よりも、カットオフ周波数を小さくすることが望ましく、更に余裕を考えて、この最低周波数の1/10以下に設定しておくことが好ましい。このようにすることで、周波数フィルタ109を経て得られた第2信号は、干渉変動Yが適切にカットされ、変調信号Xと共に媒体不均一変動Wを残存させることが可能となる。
規格化処理部111は、第2信号による反射変動の評価を容易にするために、この第2信号を規格化する基準値を算出する。規格化する基準値は、第1信号の平均反射光量や、第2信号の平均振幅量等を用いることができる。勿論、それ以外の信号を用いて規格化する基準値を算出することも可能である。
次に、特性評価装置116による特性評価方法について説明する。
本実施形態における特性評価装置116は、2種類の評価手法を採用している。一つは、第2信号における変調信号Xのスペース部分のみを抽出し、そのスペース部分の反射変動(差)を評価する方法である。もう一つは、第2信号における変調信号Xのマーク部分のみを抽出して、そのマーク部分の反射変動(差)を評価する方法である。このように、マーク又はスペースのいずれかに絞り込んで、その反射変動を得ることで、媒体不均一変動Wによる反射変動を抽出することが可能となっている。なお、この検出精度を高めるためには、マーク又はスペースの中でも、最長又はそれに近いマーク又はスペースのみに絞り込んで、その反射変動を一周に亘って抽出することが好ましい。なお、反射変動を抽出に関しては例えば2つの方法がある。一つは、第2信号がSUM信号のように反射光量の絶対値である場合において、その数値を最大値と最小値から反射変動を抽出する方法であり、もう一つは、第2信号が0点を基準とした正負双方向の振動となる場合において、その振幅量の最大値と最小値から反射変動を抽出する方法である。
更に、媒体判定装置118では、この反射変動の抽出結果を利用して、多層光記録媒体1の特性の合否判定を行う。具体的には、評価基準となる閾値よりも変動量が大きい場合は周内の特性が不均一であり、例えば、最適記録パワーマージンを十分に確保できない可能性が高くなることから、不合格にする。一方、評価基準となる閾値よりも変動量が小さい場合は、周内の特性が均一であることから、合格にする。
図6には、本特性評価システム100の評価手順が示されている。まず、ステップ1000において、情報記録層20、22、24、26の再生を開始する。なお、評価の際には、全ての情報記録層20、22、24、26について評価してもよく、また、これらの情報記録層20、22、24、26から代表となる1つの情報記録層を選択して評価を行っても良い。
次に、ステップ1002において、再生によって得られる反射光を光検出装置108で検出して第1信号を得る。この第1信号には、既に説明した変調信号X、干渉変動Y、媒体不均一変動Wが含まれている。その後、ステップ1004において、この第1信号を周波数フィルタ(ハイパスフィルタ)109によってフィルタリングして干渉変動Yを減衰させて、媒体不均一変動Wが残存した状態の第2信号を得る。ここでは、高周波となる変調信号Xを残存させることで、間接的に媒体不均一変動Wを残存させている。更に、ステップ1006において、規格化処理部111が、第2信号を規格化するための基準値を算出する。次いで、ステップ1008において、特性評価装置116が、その第2信号におけるマーク部分又はスペース部分のいずれかに絞り込んで、その反射光量の変動を検出する。これにより、第2信号から媒体不均一変動Wが抽出されることになる。同時にその後の合否判定のために、この検出された反射変動を、上記規格化基準値を利用して規格化する。
最後に、ステップ1010において、媒体判定装置118がこの規格化された反射変動を利用して多層光記録媒体1の合否判定を行う。
具体的な評価例として、本特性評価システム100を利用して、多層光記録媒体1を評価する際の第1信号と第2信号の出力例を図7に示す。ここでは、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を3kHzに設定して評価した。ハイパスフィルタを通す前の第1信号の出力波形を図7(A)に、ハイパスフィルタを通した後の第2信号の出力波形を図7(B)に示す。この出力例からも分かるように、ハイパスフィルタを通す前は、干渉変動Yによって信号に大きなばらつきが生じるが、ハイパスフィルタを通すことによって、干渉変動Yがカットされ、変調信号Xと媒体不均一変動Wが残存していることが分かる。
以上、この第1実施形態に係る特性評価システム100では、周波数フィルタ109を利用することで、層間クロストークに起因する干渉変動Yを減衰させた第2信号を利用して評価を行うことで、多層光記録媒体1の媒体特性の周方向変動を確実に解析することが可能となっている。この結果、多層光記録媒体1において、製造時における材料や膜厚、形状等の誤差を高精度に検出することができ、品質を安定させることが可能となる。また、記録再生システム側においても、記録・再生中においても特性評価システム100を利用することで任意のタイミングで評価を行うことで記録・再生パワーの適切な制御が可能となり、記録・再生特性を向上させることが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態に係る特性評価方法について説明する。なお、この特性評価方法を実現する特性評価システムは、周波数フィルタの詳細と、特性評価装置の詳細評価手法を除いて、第1実施形態で示した特性評価システム100と同じである。従って、以降の特性評価システム200の説明においては、第1実施形態と下二桁を同一符号にすることで、図示及び重複する説明を省略し、かつ、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、評価対象となる多層光記録媒体は、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
この特性評価システム200における周波数フィルタ209は、ローパスフィルタを採用している。このローパスフィルタのカットオフ周波数は、多層光記録媒体1の回転数をN回転/秒とした際に、1×N(Hz)より大きく設定される。具体的に、半径位置=40mmにおいて線速=4.92m/sの条件で多層光記録媒体1を回転させる場合を考えると、Nが約20回転/秒となることから、カットオフ周波数は約20Hzより大きく設定される。このカットオフ周波数は、干渉変動Yの周波数よりも小さく設定する必要があることから、300Hz以下に設定しておくことが好ましい。より好ましくは200Hz以下に設定する。
第1実施形態においても説明したように、光検出装置208から得られる第1信号は、変調信号X、干渉変動Y、媒体不均一変動Wを含んでいる。そこで、本第2実施形態では、媒体不均一変動Wの周波数よりも大きく且つ干渉変動Yの周波数よりも小さいカットオフ周波数となるローパスフィルタによって、干渉変動Yを減衰させて、媒体不均一変動Wを直接的に残存させるようにしている。なお、一般的に、多層光記録媒体1における周方向の膜厚・材質変動等は、一周当たり1か所から数か所であるため、媒体不均一変動Wの周波数は10×N(Hz)以下となる。従って、本実施例のように、ローパスフィルタのカットオフ周波数を10×N(Hz)より大きく設定することで、媒体不均一変動Wを残存させ、干渉変動Yを適切に減衰させることが可能となる。
本第2実施形態の特性評価方法によれば、第1信号に変調信号Xが含まれない場合、即ち、未記録状態の情報記録層を再生した信号であっても、干渉変動Yと媒体不均一変動Wを分離することができる。従って、記録型の多層光記録媒体1であって、記録前の状態を評価する際に便利である。一方、干渉変動Yと媒体不均一変動Wの周波数帯域差が、それほど大きい訳ではないので、ローパスフィルタのカットオフ周波数を適切に設定する必要がある。特に、第1信号に含まれる干渉変動Yや媒体不均一変動Wの周波数は、評価時における多層光記録媒体1の回転速度に依存することから、この回転速度の変化に合わせてカットオフ周波数を適宜変化させることが好ましい。
<検証結果>
まず、被評価対象となる多層光記録媒体として、図2及び図3に示す膜構成を持ちながらも、図8に示されるように、L1〜L3スペーサー層30、32、34の膜厚を変化させ、且つ、L0情報記録層20の成膜時条件を「回転」「非回転」としたサンプル媒体A〜Dを作製した。
L0情報記録層20の成膜時のディスク回転有無は、L0情報記録層20を構成する膜厚に周方向の変動を生じさせるためである。例えば、成膜時にディスクを回転させる条件にてZnSSiO2層を成膜したサンプルA、サンプルDにおいて、半径40mmの場所にてZnSSiO2の膜厚を測定を行ったところ、膜厚変動は2%存在した。一方、成膜時にディスクを回転させないでZnSSiO2層を成膜したサンプルB、Dにおいて、半径40mmの場所にてZnSSiO2の膜厚を測定すると、膜厚変動は20%存在した。即ち、成膜中にディスクを回転させると膜厚変動が小さくなり、回転させないと膜厚変動が大きくなる。この結果、サンプルA、サンプルDでは、再生によって得られる第1信号に、膜厚変動に起因する媒体不均一変動Wはほとんど含まれないが、サンプルB、サンプルDから得られる第1信号には膜厚変動に起因する媒体不均一変動Wが十分に含まれることになる。
また、L1スペーサー層30とL3スペーサー層34の厚みを同じにしたサンプルC、サンプルDでは、第1信号の成分に、層間クロストークに起因する干渉変動Yが含まれることになる。一方、L1スペーサー層30とL3スペーサー層34の厚みを異ならせたサンプルA、サンプルBでは、第1信号の成分に、層間クロストークに起因する干渉変動Yがほとんど含まれない。
したがって、この4枚のディスクを用意することで、L0情報記録層20の膜厚ムラのみによって反射変動が生じる状況(サンプルB)と、層間クロストークのみによって反射変動が生じる場合(サンプルC)と、L0情報記録層20の膜厚ムラと層間クロストークの双方によって反射変動が生じる場合(サンプルD)と、いずれの要因による反射変動が生じない場合(サンプルA)の4種類を状態を区別して評価することができる。
<比較例>
まず、従来の特性評価方法の状態を把握するために、このサンプルA〜Dを用いて、従来の評価方法によって評価を行った。具体的には、レーザー光Zの波長=405nm、光学機構106のNA=0.85となる評価装置(ODU−1000:パルステック製)を使い、サンプルA〜DのL0情報記録層20を再生した際のJitterの記録パワー(Pw)マージン幅について評価を行った。JitterのPwマージン幅の測定するときの記録または再生条件として、回転線速を4.92m/s、測定位置を半径40mm、Jitterにおける評価での第1信号を取り込む長さを40msに設定し、Jitterが10%を超える時の最小Pw(Pwmin)と最大Pw(Pwmax)を求め、この結果からパワーマージン幅を次式より求めた。
JitterのPwマージン幅=(Pwmax−Pwmin)/((Pwmax+Pwmin)/2)
一方で、従来の方法によって反射変動を求めるために、ボトムJitterになる最適記録パワーを用いてサンプルA〜Dにランダム信号を記録し、その後、測定位置は半径=40mmにおいてこのランダム信号の再生を行い反射変動を得た。具体的には、フォトディテクタから得られる第1信号をそのまま用いて、8Tスペース部分に対応する反射光の中で、周内で最も高い箇所(R8Hmax)と最も低い箇所(R8Hmin)を求め、この結果から反射変動を次式より求めた。
反射変動=(R8Hmax−R8Hmin)/R8Hmax
サンプルA〜Dの反射変動、ならびにJitterのPwマージン幅の関係を図9に示す。この結果から分かるように、従来の評価方法では、サンプルA〜Dにおいて反射変動とJitterのPwマージン幅に相関がないことがわかる。例えば、サンプルDのように、反射変動が大きなものであっても、JitterのPwマージンが良好である。また、サンプルBのように、反射変動が比較的良好であっても、JitterのPwマージンが悪いものも存在する。このことから、3層以上の情報記録層を持つ多層記録媒体において、媒体自体の合否を判別する基準として、従来の評価方法によって得る反射変動は適さないことが判る。
<実施例1>
同じサンプルA〜Dを用いて、比較例1と同じ条件で信号を記録した後、このサンプルA〜Dを本第1実施形態の特性評価システム100で評価した。具体的には、特性評価システム100によって、光検出装置108から出力される第1信号と、同信号に10kHzの周波数フィルタ109(ハイパスフィルター)を通した第2信号を取り出して評価を行った。
ハイパスフィルターを通した第2信号は、8Tスペース部分の反射レベルにて周内で最も高い箇所(R8Hmax−hpf)と最も低い箇所(R8Hmin−hpf)を測定した。一方、ハイパスフィルターを通さない通常の第1信号は、8Tスペース部分の反射レベルにて周内で最も高い箇所(R8Hmax)と最も低い箇所(R8Hmin)を測定した。評価処理装置116では、次式より、スペース部分の反射変動R8Hhpfを求めた。
R8Hhpf=(R8Hmax−hpf−R8Hmin−hpf)/((R8Hmax+R8Hmin)/2)
サンプルA〜Dの反射変動R8Hhpfと、比較例1で計測したJitterのPwマージン幅についてまとめた結果を図10に示す。この結果から分かるように、10kHzのハイパスフィルターを用いて反射変動を測定した場合は、反射変動R8HhpfとJitterのPwマージンに相関があることが判る。このことから、10kHzのハイパスフィルターを経た第2信号を利用することで、3層以上の多層媒体の評価において、Pwマージンとは関係の低い層間クロストークによる干渉変動Yの成分を減衰させ、Pwマージンに影響を与える膜厚変動による媒体不均一変動Wの成分を抽出できる。この結果、本評価方法により、3層以上の多層記録媒体を評価することが可能であることが分かる。
<実施例2>
サンプルCのディスクにて、線速を4.92m/s、測定位置を半径40mmとして、光検出装置108から出力される第1信号を、100Hz〜500kHzの範囲でカットオフ周波数を変化させたハイパスフィルターに通して第2信号を得て、以下の式によって反射変動R8Hhpfを測定した。
R8Hhpf=((R8Hmax−hpf−R8Hmin−hpf)/(R8Hmax+R8Hmin)/2)
この結果を図11に示す。サンプルCの反射変動は、3kHz以上になると十分に小さくなり、3kHz〜500kHzではほとんど変わらなかった。この結果、ハイパスフィルターのカットオフ周波数を3kHz以上にすることで、層間クロストークによる干渉変動Yを十分に減衰させることができることが判る。なお、ハイパスフィルターのカットオフ周波数を高くしすぎると、変調信号Xまでカットされることから、上限周波数は最長マークから得られる変調信号Xの周波数(最低周波数)の1/10以下が望ましい。本実施例ではBD規格に基づいた評価を行っており、線速=4.92m/sの場合において、最長マークの周波数は4.1MHzとなることから、望ましいカットオフ周波数の上限は410kHzになる。従って、3kHz以上で、且つ、410kHz以下という比較的広い範囲でカットオフ周波数を設定することができる。
<実施例3>
特性評価システム100における周波数フィルタ(ハイパスフィルタ)109のカットオフ周波数を100Hz〜500kHzで変化させながら、サンプルCの多層光記録媒体を評価した。評価条件として、2種類の線速9.84m/s、19.68m/sを利用し、測定位置は半径40mmとした。ハイパスフィルタを通して得た第2信号と、フィルタリング前の第1信号を利用して、次式によって反射変動R8Hhpfを求めた。
R8Hhpf=((R8Hmax−hpf−R8Hmin−hpf)/(R8Hmax+R8Hmin)/2)
この結果を図12に示す。層間クロストークによる干渉変動Yがカットされて、反射変動が減衰するカットオフ周波数の閾値が、線速が大きくなると高周波側へシフトすることが分かる。このことから、異なる線速でサンプルA〜Dを評価する場合には、その線速(或いは多層光記録媒体の回転速度)にあったハイパスフィルタを用いることが好ましいことが分かる。特に、干渉変動Yがカットされる周波数の閾値付近にカットオフ周波数を設定したい場合は、回転速度に応じてこのカットオフ周波数を変更すれば良いことが分かる。
<実施例4>
特性評価システム100における周波数フィルタ(ハイパスフィルタ)109のカットオフ周波数を100kHzに設定してサンプルA〜Dの多層光記録媒体を評価した。なお、ランダム信号の記録は比較例1と同じ条件で行い、再生に関しては、ハイパスフィルタを通した第2信号を用いて、周内の8T信号(マーク)の振幅について最大の振幅(8Tppmax−hpf)と最小の振幅(8Tppmin−hpf)について測定を行い、その反射振幅変動8Phpfを次式によって求めた。
8Phpf=(8Tppmax−hpf−8Tppmin−hpf)/8Tppmax−hpf
なお、規格化の基準値となる8T信号の振幅量8Tppmax−hpfは、ハイパスフィルタを通しても通さなくても同じであるが、大きな干渉変動Yを含んだ第1信号信号を用いて測定すると測定誤差を生じやすいやめ、ハイパスフィルター通した第2信号を使って算出した。
上記反射振幅変動とJitterのPwマージン幅についてまとめた結果を図13に示す。なお、JitterのPwマージン幅については比較例1と同じである。この結果から分かるように、反射振幅変動とJitterのPwマージン幅に相関が得られた。このことから、ハイパスフィルタを用いて反射振幅変動8Phpfを測定することによって、3層以上の多層媒体の評価に関して、層間クロストークによる干渉変動Yを減衰させて、Pwマージンに影響を与える膜厚変動の影響を抽出できるため、3層以上の多層媒体を評価することが可能になる。
<実施例5>
特性評価システム100における周波数フィルタ(ハイパスフィルタ)109のカットオフ周波数を10kHzに設定し、サンプルA〜Dの多層光記録媒体を評価した。なお、ランダム信号の記録は比較例1と同じ条件で行った。再生時においてハイパスフィルタを通した第2信号を用いて、周内の8T信号のマーク部分の反射レベルにて周内で最も高い箇所(R8Lmax−hpf)と最も低い箇所(R8Lmin−hpf)を測定した。一方、ハイパスフィルターを通さない通常の第1信号は、8T信号のマーク部分の反射レベルにて周内で最も高い箇所(R8Lmax)と最も低い箇所(R8Lmin)を測定した。以上の測定結果から、次式よりマーク部分の反射変動R8Lhpfを求めた。
R8Lhpf=(R8Lmax−hpf−R8Lmin−hpf)/((R8Lmax+R8Lmin)/2)
この反射変動の結果と、JitterのPwマージン幅との関係を整理した結果を図14に示す。なお、JitterのPwマージン幅については比較例1と同じである。この結果から、反射変動とJitterのPwマージン幅に相関が得られることが分かる。従って、10kHzのハイパスフィルターを用いて上式に基づいて反射変動を測定することによって、3層以上の多層媒体の評価において、Pwマージンに影響を与えない層間クロストークによる反射光変動を減衰させ、Pwマージンに影響を与える膜厚変動による反射光変動のみを抽出でき、3層以上の多層媒体の特性を適切に評価できることが分かる。
<実施例6>
ランダム信号が記録されていない状態のサンプルA〜Dを用意し、第2実施形態に係る特性評価システム200によって評価した。周波数フィルタ209はローパスフィルタとし、このカットオフ周波数を50Hzに設定した。ローパスフィルタを通した第2信号については、周内の8Tスペース部分において最も高い箇所(R8Hmax−lpf)と最も低い箇所(R8Hmin−lpf)を測定した。一方、ローパスフィルターを通さない通常の第1信号は、8T信号のスペース部分の反射レベルに絞り込んで、周内で最も高い箇所(R8Hmax)と最も低い箇所(R8Hmin)を測定した。この測定結果を利用して、次式よりスペース部分の反射変動R8Hlpfを求めた。
R8Hlpf=(R8Hmax−lpf−R8Hmin−lpf)/((R8Hmax+R8Hmin)/2)
この反射変動の結果と、JitterのPwマージン幅との関係を整理した結果を図15に示す。なお、JitterのPwマージン幅については比較例1と同じである。この結果から分かるように、反射変動とJitterのPwマージン幅に相関が得られることが分かる。このことから、50Hzのローパスフィルタを用いて上式に基づいて反射変動を測定することによって、3層以上の多層媒体について、Pwマージンに影響を与えない層間クロストークによる反射変動を減衰させ、Pwマージンに影響を与える膜厚変動による反射変動のみを抽出できることが分かる。なお、この実施例6では、信号を記録しない状態で反射変動を測定したが、信号を記録した状態でも全く同じ結果を得ることができる。これは、第2信号に含まれる変調信号Xは、高周波成分であることからローパスフィルターで取り除かれるが、多層光記録媒体の周方向の膜厚変動による媒体不均一変動Wは残存するからである。つまり、本評価方法の利点は、信号を記録しても記録しなくても反射変動の評価が可能となる点にある。
<実施例7>
特性評価システム200によってサンプルDを評価した。周波数フィルタ209はローパスフィルタとし、線速を4.92m/s、測定位置を半径40mmとし、ローパスフィルタのカットオフ周波数を1Hz〜300Hzの間で変化させながら評価を行った。この結果を図16に示す。ローパスフィルタのカットオフ周波数が20〜70Hzの間では反射変動が少ないが、70Hzを超えてくると反射変動が増大する。これは、多層光記録媒体の膜厚変動による媒体不均一変動Wよりも、層間クロストークによる干渉変動Yの周波数が高いために、カットオフ周波数を20〜70Hzの間に設定すると、層間クロストークによる干渉変動Yが効果的にカットされる為である。つまり、ローパスフィルターの周波数を20〜70Hzにすると、情報記録層の膜厚変化等に基づいた反射変動が得られることが分かる。
以上の検証結果から判るように、層間クロストークによる干渉変動Yは、振幅量の変動はほとんどなく略一定であり、適切なフィルタによって全てをカットできることが分かる。一方、例えば情報記録層の膜厚変動による媒体不均一変動Wは、記録されるマーク/スペースの反射光量(変調信号X)にも影響を与える。従って、マーク/スペースに起因する変調信号Xの振幅量は、この媒体不均一変動Wに依存して変動するために、変調信号Xを周波数フィルタによって残存させると、自ずと、膜厚変動による媒体不均一変動Wも残存する。この結果、変調信号Xを通過させる高周波側のパスフィルタを用いることによって、層間クロストークに起因する干渉変動Yを適切に減衰させることができ、Pwマージンに影響を与える膜厚変動に依存した反射変動を算出することができる。
また、多層による層間クロストークによる干渉変動Yと、情報記録層の膜厚の変動によって生じる媒体不均一変動Wの間では、媒体不均一変動Wの方が必ず低周波になることを利用し、適度な低周波側のパスフィルタを使うことで、多層による層間クロストーク成分を減衰させることが出来る。
なお、上記検証結果では、ハイパスフィルターを通した第2信号について、8Tマーク/8Tスペースに対応する反射光成分に絞り込んで光量変動や振幅変動を測定しているが、本発明では、他のマーク/スペースを用いても情報記録層の膜厚変動を評価できる。つまり、どの信号を用いて反射変動を評価するかは適宜決定すればよい。
また本実施例では、反射変動を利用して、多層光記録媒体の膜厚変動を評価する場合を示したが、それ以外の指標を用いて多層光記録媒体の特性を評価方法することも当然に可能である。つまり、本発明によれば、多層化の層間クロストークによる反射光変動を、適切な周波数フィルタで取り除くことが出来るために、層間クロストーク以外の要因であって、信号特性に影響が生じる変化を抽出することが出来る。例えば、8T信号の変調度Qを利用する場合は、次式を利用することも可能である。
8T信号の変調度Q=(R8Hhpf-R8Lhpf)/((R8Hmax+R8Hmin)/2−(R8Lmax+R8Lmin)/2)
このとき、R8Hhpfはハイパスフィルターを通した8Tスペースの反射光量、R8Lhpfはハイパスフィルターを通した8Tマークの反射光量である。
また本実施形態では、多層光記録媒体として追記型の媒体を例示したが、本発明はそれに限定されない。本発明は、3層以上の多層光記録媒体であれば、書換え型媒体、ROM型媒体等に適用することも可能である。また、本実施形態では、いわゆるハイパスフィルタ又はローパスフィルタを用いて層間クロストークの干渉変動を減衰させる場合を示したが、本発明はそれに限定されない。つまり、この干渉変動を減衰可能なフィルタであれば、帯域除去(減衰)フィルタ等の他の周波数フィルタを用いることが可能である。
更に本実施形態では、多層光記録媒体における情報記録層が4層構造である場合に限って示したが、本発明はそれに限定されず、3層以上であればその層数は問わない。また本実施形態では、多層光記録媒体のスペーサー層の厚みが同じ場合の層間クロストークについて説明しているが、本発明はこれに限定されない。反射変動成分が、変調信号成分よりも低い周波数であり、再生信号のみに影響を及ぼす変動であれば、何においても適応可能である。例えば二層間のスペーサー層の厚さが薄くなると、再生したい情報層ともう一方の情報層の距離が近づくために、フォトディテクター上の信号が重なることから層間クロストークによる反射変動が生じるが、この層間クロストークの影響を取り除くことも当然可能である。
本発明は、各種多層光記録媒体の評価に幅広く適用することが可能である。
本発明の実施の形態の例に係る評価方法を実現する特性評価システムの構成を示すブロック図 同評価方法で評価される多層光記録媒体を例示する斜視図、及び拡大断面図 同多層光記録媒体の情報記録層におけるデータ保持状態を示す拡大斜視図 同多層光記録媒体を再生することで得られる第1信号の概念を説明するタイムチャート図 同多層光記録媒体において層間クロストークと膜厚変動の関係を示すタイムチャート図 本評価方法の手順を示すフローチャート 本評価方法によって得られる(A)第1信号の出力例、及び(B)第2信号の出力例を示す図 本評価方法を検証する際に用いるサンプル媒体の構成を示す表図 比較例となる評価方法によってサンプル媒体を評価した結果を示す表図 実施例1となる評価方法によってサンプル媒体を評価した結果を示す表図 実施例2となる評価方法によってサンプル媒体を評価した結果を示す表図 実施例3となる評価方法によってサンプル媒体を評価した結果を示す表図 実施例4となる評価方法によってサンプル媒体を評価した結果を示す表図 実施例5となる評価方法によってサンプル媒体を評価した結果を示す表図 実施例6となる評価方法によってサンプル媒体を評価した結果を示す表図 実施例7となる評価方法によってサンプル媒体を評価した結果を示す表図 多層光記録媒体における層間クロストークの干渉変動の発生原理及び干渉変動波形例を示す図
符号の説明
1 ・・・ 多層光記録媒体
10・・・ 基板
20 ・・・ L0情報記録層
22・・・ L1情報記録層
24・・・ L2情報記録層
26・・・ L3情報記録層
30・・・ L1スペーサー層
32・・・ L2スペーサー層
34・・・ L3スペーサー層
36・・・ カバー層
38・・・ ハードコート層
100 ・・・ 特性評価システム
109 ・・・ 周波数フィルタ
111 ・・・ 規格化処理部
116 ・・・ 特性評価装置
117 ・・・ 信号抽出装置
118 ・・・ 媒体判定装置

Claims (17)

  1. 3層以上の情報記録層を持つ多層光記録媒体に対してレーザー光を照射し、前記レーザー光の反射光から得られる第1信号を周波数フィルタに通し、前記周波数フィルタを経て、少なくとも、前記情報記録層の層間クロストークに起因する前記反射光の変動成分を前記第1信号から減衰させることで得られる第2信号を用いて、該第2信号の変動を算出することにより、前記多層光記録媒体の周方向の均質特性を評価する多層光記録媒体の特性評価方法。
  2. 前記周波数フィルタによって、少なくとも、前記多層光記録媒体の素材又は形状特性の周方向変動に起因する前記反射光の変動成分を第2信号に残存させることを特徴とする請求項1記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  3. 前記周波数フィルタは、ハイパスフィルタであることを特徴とする請求項1又は2記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  4. 前記第1信号は、前記情報記録層における情報保持領域の反射光から得られるRF信号であり、前記ハイパスフィルタは、前記RF信号を通過させることを特徴とする請求項3記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  5. 前記情報保持領域内のスペース部分に対応する前記第2信号の反射光量変動を用いて、前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする請求項4記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  6. 前記情報保持領域内のマーク部分に対応する前記第2信号の反射光量変動を用いて前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする請求項4記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  7. 前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が、前記情報記録層における最長マークと最長スペースの再生によって得られる前記RF信号の周波数より小さく設定されることを特徴とする請求項4、5又は6に記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  8. 前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が、前記情報記録層における最長マークと最長スペースの再生によって得られる前記RF信号の周波数の1/10以下に設定されることを特徴とする請求項7記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  9. 前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が、0.45kHz以上に設定されることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  10. 前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が、3kHz以上に設定されることを特徴とする請求項9記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  11. 前記第2信号における振幅変動を用いて前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  12. 前記第2信号を前記第1信号によって規格化し、前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  13. 前記第1信号の反射光量によって前記第2信号を規格化し、前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする請求項12記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  14. 前記第2信号を、該第2信号の振幅量で規格化し、前記多層光記録媒体の特性を評価することを特徴とする請求項12記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  15. 前記周波数フィルタは、ローパスフィルタであることを特徴とする請求項1又は2記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  16. 前記多層光記録媒体の回転数をN回転/秒とした際に、前記ローパスフィルタのカットオフ周波数は、1×N(Hz)より大きく設定されることを特徴とする請求項15記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
  17. 前記多層光記録媒体の回転速度の増大に応じて、前記周波数フィルタのカットオフ周波数を高周波側へ変えることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか記載の多層光記録媒体の特性評価方法。
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