JP4084526B2 - コンクリート融雪槽 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、地下に埋設するコンクリート融雪槽の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
降雪地においては、住宅まわりの雪を融かす融雪装置が用いられることがある。最も広く使用されるのはバーナ装置を用いて、雪を強制的かつ急速に融かす強制加熱型の融雪装置である。しかし、このような強制加熱型の融雪装置は、冬期間の燃料費が嵩むという問題があり、また温水を循環させるパイプやポンプが目詰まりを起こす等、メンテナンスが煩雑化するという問題がある。
【0003】
これに対して地下に埋設するコンクリート融雪槽は、例えば図4に示すように、地面にボックス型のコンクリート融雪槽1を埋設し、その内部に大量の水2を張って地熱で自然に水を温め、投下した雪3をゆっくりと融かす。地熱を利用すると、寒冷地でも槽内の水2は摂氏3〜8℃程度になるため、外気温にもよるが一昼夜〜2日程度で雪は完全に説ける。融雪時間はかかるが、メンテナンスが不要であり、設置コストも安く、騒音、排ガスによるCO2公害も発生しないという利点がある。尚、融雪槽は補強鉄筋を用いたコンクリート構造をとる。これは、本発明においても同じである(図面上は鉄筋を省略する)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のコンクリート融雪槽は単純なボックス型であり、槽内の水はコンクリート側壁および底面の外部から伝わる地熱によって暖められる。それ自体問題はない。しかしながら、地熱は地表面から深くなるに従って温度が高くなる性質に鑑みれば、深い部分の地熱をさらに有効利用する改善の余地が残されている。
【0005】
但し、成形の容易や埋設の容易を考慮すれば、底面を広くした断面台形型の融雪槽を用いることは実用的ではない。また土との接触面積を増やすために表面に凹凸を設けることも考えられるが、製造が困難になる。
【0006】
そこで本発明の目的は、製造容易であり、埋設工事も従来通りの手順で行うことの出来るものであって、地中の深い部分の地熱を効率的に使用可能とする点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係るコンクリート融雪槽は、底部を二重構造として一定の容積をもった蓄熱空間を作り、融雪槽の側壁に沿って配したパイプの下端部を当該蓄熱空間に連通させる。
【0008】
またパイプの上端開口から、高温ガスを供給する場合がある。高温ガスは、家屋の暖房廃熱を用いることが望ましい。
【0009】
【作用】
本発明に係るコンクリート融雪槽は、底部に蓄熱空間を作り、地表から最も深い部分の地熱を空間内に蓄え、その熱によって底面部分の水を温める一方、下端部を蓄熱空間に連通させたパイプを側壁に沿って配することにより、パイプが配される上部の水も同時に温める。
【0010】
またパイプの上部開口から高温ガスを供給すれば、下部の蓄熱空間を介して連通している他のパイプの内部温度も上昇する。これによって槽内上部の水温もより速く上昇させることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、本発明に係るコンクリート融雪槽の実施形態を示す図である。図1に示すように、コンクリート融雪槽10は、平面略四角形のボックス型を呈する融雪槽本体11と、その上部に配したコンクリート製の天板17とを備え、側壁12に沿って上下方向に複数本のパイプ14を配してなる。
【0012】
融雪槽本体10の底面には、一般面15より深くなる凹部20を成形し、その上に実質的な底面となるコンクリート製の底板30を配してある。底板30を配することにより凹部20が蓄熱空間として機能する。この蓄熱空間はある程度の大きさ(容積)が必要であり、容積が大きいほど好ましい。凹部20の平面形状は限定されない。例えば矩形でも円形でも良い。凹部20の側面および底面の形状も限定されない。一定の空間を確保できれば良いからである。
【0013】
底板30は、フラットな鋼鈑でも良い。凹部20の上面を閉塞できれば良いからである。しかし、好ましくはコンクリート製で、その上面を中央に向かって下降傾斜させ、中央部に凹部32を成形する。この凹部32は、投入される雪に混じったゴミを集める。ゴミは、例えば数年ごとの清掃時に回収する。凹部20は蓄熱空間となるので、水の侵入を防ぐため、底板30の外周部に防水処理(コーキング)を施しておく。底板30を分割配置するときは、同様に、各パーツの接合部に防水処理を施す。
【0014】
一方、側壁12に沿って配したパイプ14の下端部は、蓄熱空間(20)に連通させる。またパイプ14の上端部は、開口を設けても良いし閉塞しておいても良い。投入する雪の量が多い場合に、開口からパイプ内に水が入り込むと蓄熱空間(20)に水が入り込む可能性があるため、好ましくは閉じておく。但し、外部から家屋暖房の廃熱等を強制ファンによって送り込む場合は、少なくとも他の一本のパイプの上端開口は開いておくことが望ましい。ガスの流れを自由にするためである。
【0015】
パイプ14は、図2にも示すように、側壁12の内面に沿って複数本配することが望ましい。例えば一の側壁12に二本づつ配する等である。天板17の略中央部には、開閉蓋を設けるための開口18を設ける。雪は、開口18から投入する。開閉蓋は、片持ち式でも両開き式でも良いが、ある程度の荷重に耐える金属板を使用することが望ましい。人間が乗ったり、場合によっては自家用車の車輪が乗ることも想定されるからである。
【0016】
コンクリート融雪槽10には、必要最小限の断熱材を配することが望ましい。符号19は、スタイロフォーム等の断熱材である。この実施形態では、例えば天板17の裏面、側壁12の上部外周に配してある。これらの断熱材19は、外気の影響や地表面Gに近い部分の凍結土壌の影響による、槽内温度の低下を防止する。
【0017】
40は、オーバーフロー用のパイプである。このパイプ40は、例えば融雪槽本体10と排水用の溝管41とを連絡し、溝管41の底面に配したパイプ42を用いて融雪水を土中に戻す。尚、図面ではパイプ42は融雪槽本体10の方向に戻してあるが、パイプ42の配設方向はこれに限定されない。
【0018】
図3は、本発明に係る蓄熱空間を作る場合の、底板30の配設例を示すものである。すでに述べたように底板30は、一枚構造でも良い。しかし、複数枚、好ましくは二枚に分割して成形し、フック36を用いて吊り上げ、吊り下げ可能にしておば、設置作業がより容易となる。尚、図3ではパイプ14の形状を角管としてある。パイプ14の形状は丸管に限定されない。また、底板30を複数枚に分割して配置するときは、所定部分に底板30を下方で支持する柱材または棚材を設けておく。
【0019】
従って、かかる構成によれば、地中の最も深い部分に位置する部分に蓄熱空間(凹部20と底板30とで形成される空間)が出来るので、厳冬期でも8〜4℃程度の熱を絶えず蓄熱空間に取り込み、パイプ14を介して槽内上部に暖かい空気を伝えることが出来る。
【0020】
この結果、槽内に蓄えられている水の温度は、従来の一般的なコンクリート融雪槽に較べて常時高い温度を保ち、雪の投入時にはより早く雪を融かすことが可能となる。大量の雪を投入した場合には、槽内水温が急激に低下するので、雪は溶けずに水と混じり合ったままの状態で残ることもある。しかしながら、パイプ14を介して、より暖かい空気が上部まで常に伝わるため、従来のコンクリート融雪槽に較べると融雪の時間は確実に早まり、二〜三日後に大量の降雪があった場合でも、余裕をもって対応処理できる可能性が高まる。
【0021】
【実施例】
コンクリート融雪槽は、従来、強制加熱をするものではなかったが、本発明に係るコンクリート融雪槽はパイプ14をもち、底部の蓄熱空間(20)を介して各パイプが連通している。またパイプ14の上端部は、融雪槽本体10の上端に近い部分に達するよう位置させる。
【0022】
このため、本発明に係るコンクリート融雪槽では、特定のパイプ14の上端部から暖房廃熱等の高熱気体を送り込むことにより、他のパイプを同時に温め、槽内の水温を迅速に高めることが可能である。暖房廃熱は、もともと外気に無駄に放出されていた熱であり、燃費もかからず、バーナ燃焼のような排煙公害も起こさない。
【0023】
パイプ14は、蓄熱空間から上部に向けて直線的に配することが望ましいが、暖房廃熱を用いる場合や地熱温度が高い地域では、パイプ14を略S字状に折り返してパターン配設し、距離を伸ばしても良い。槽内に雪を投入するものであるから、パイプ14を横方向に伸ばす場合は、底面に近い部分とし(水深の深いところ)、氷雪の衝突による損傷を避けることが望ましい。
【0024】
融雪槽内の水は、夏期もそのまま残しておくことが望ましいが、ボウフラ等の害虫発生が懸念されるため、必要に応じて塩素を投入しても良い。塩素を投入する手段を予め槽内に配しておいても良い。また本発明に係る融雪槽は、深夜電力を用いる電気式ヒータ熱源を槽内に配することを妨げない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るコンクリート融雪槽は、融雪槽本体の形状が従来のコンクリート融雪槽と略同様であるため、製造容易であり、埋設工事も従来通りの手順で行うことの出来る。そして、底面を二重構造として蓄熱空間を設けたため、地中の深い部分の地熱を利用して蓄熱空間を温め、温めた空気をパイプを介して上部に伝えることにより、従来のコンクリート融雪槽に較べて地熱の利用効率を確実に高めることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る融雪槽の構造を例示する断面図である。
【図2】本発明に係るパイプの配設を例示する平面図である。
【図3】本発明に係る蓄熱空間の構造を例示する部分省略斜視図である。
【図4】従来のコンクリート融雪槽を例示する図である。
【符号の説明】
10 コンクリート融雪槽
11 融雪槽本体
12 側壁
14 パイプ
15 底面の一般面
17 天板
18 開口(雪を投入する開口)
19 断熱材
20 凹部(蓄熱空間を構成する凹部)
30 底板(二重構造を実現する手段)
32 凹部(ゴミを貯める凹部)
36 フック
40 パイプ(オーバーフロー用のパイプ)
41 溝管
42 パイプ(排水用のパイプ)
G 地表面
Claims (3)
- 地下に埋設する地熱利用のコンクリート融雪槽であって、底部を二重構造として、最深部の地熱によって内部空気を暖める蓄熱空間を作る一方、融雪槽の側壁に沿って配したパイプの下端部を当該蓄熱空間に連通させ、蓄熱空間の暖かい空気を用いて前記パイプの内部温度を高めるとともに、蓄熱空間およびパイプの暖かい空気を用いて融雪槽の内部温度を上昇させることを特徴とするコンクリート融雪槽。
- パイプの上端開口から、高温ガスを供給することを特徴とする請求項1記載のコンクリート融雪槽。
- 高温ガスは、家屋の暖房廃熱であることを特徴とする請求項2記載のコンクリート融雪槽。
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