JP4084143B2 - ペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造を有するペンタエリスリトールジホスホネート化合物の製造方法に関する。更に詳しくは、難燃剤、結晶核剤、可塑剤等の添加剤として使用でき、殊に樹脂用難燃剤として優れた効果を有するペンタエリスリトールジホスホネート化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂は、その優れた諸物性を活かし、機械部品、電気部品、自動車部品等の幅広い分野に利用されている。一方、これらの樹脂は本質的に可燃性である為、上記用途として使用するには一般の化学的、物理的諸特性のバランス以外に、火炎に対する安全性、すなわち、高度な難燃性が要求される場合が多い。
【0003】
樹脂に難燃性を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系化合物、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物を樹脂に添加する方法が一般的である。しかしながら、この方法は成形加工時あるいは燃焼時に、多量の腐食性ガスを発生させる等の問題がある。また、特に近年、製品廃棄時における環境影響等が懸念されている。そこで、ハロゲンを全く含まない難燃剤や難燃処方が強く望まれている。
【0004】
ハロゲン系難燃剤を使用しないで熱可塑性樹脂を難燃化する方法としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物を添加することが広く知られている。しかし、充分な難燃性を得る為には、上記金属水和物を多量に添加する必要があり、樹脂本来の特性が失われるという欠点を有していた。
【0005】
また、トリアリールリン酸エステルモノマーや縮合リン酸エステルオリゴマーの芳香族リン酸エステルも、熱可塑性樹脂に難燃性を付与するための難燃剤として頻繁に用いられてきた。しかし、トリフェニルホスフェートに代表されるトリアリールリン酸エステルモノマーは、樹脂組成物の耐熱性を著しく低下させ、かつ、揮発性が高い為に、押出し時や成形加工時にガスの発生量が多く、ハンドリング性に問題があった。さらに、この化合物は樹脂を高温に加熱するとその少なくとも一部が揮発、あるいはブリード等によって樹脂中から失われるという問題点を有していた。また、縮合リン酸エステルオリゴマーは、揮発性が改善されているものの、その多くが液体であることから、樹脂との混練には液注装置が必要となり、押出し混練時のハンドリング性に問題があった。
【0006】
一方、二置換ペンタエリスリトールジホスホネートは、樹脂用難燃剤を中心に種々の検討がなされている。この化合物を熱可塑性樹脂に配合することにより、熱可塑性樹脂の難燃化を達成することができる。このホスホネート化合物が配合された熱可塑性樹脂組成物は、難燃剤の配合による耐熱性、および耐衝撃性等の特性が低下することなく、しかも混練の際に化合物が揮発、あるいはブリード等により樹脂中から失われることのない特徴を有する。
【0007】
上記二置換ペンタエリスリトールジホスホネートの製造法についてはいくつか開示されている。例えば、特許文献1においては、ペンタエリスリトールとフェニルホスホン酸ジクロライドとの反応により、ジフェニルペンタエリスリトールジホスホネートを得る製造例の記載がある。
【0008】
特許文献2においては、ジエチルペンタエリスリトールジホスファイトとハロゲン化誘導体(例えばベンジルクロライド)との反応により、対応する二置換ペンタエリスリトールジホスホネートを得る製造例の記載がある。
【0009】
しかしながら、本発明の特定の構造を有するペンタエリスリトールジホスホネートに関して、必ずしも従来通りの製造方法ではかかる目的物を高収率で回収できないという問題があった。また、上記の特許でも製造法の詳細は詳述されておらず、目的物の純度に関する記載もなく、工業的な製造法の見地からも種々の問題が内在していた。
【0010】
【特許文献1】
特開平05−163288号公報
【0011】
【特許文献2】
米国特許第4174343号明細書
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、工業的に有利な生産性に優れたペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ペンタエリスリトールジホスホネートが高純度、高収率で得られ、しかも生産性に優れた特定の製造方法を見出し、本発明に至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、三塩化リンとペンタエリスリトールとを、反応に関与しない不活性な溶媒の存在下で反応させた後、続けて、有機塩基化合物の存在下に式(1)で示されるアラルキルアルコールを反応させ式(2)で示されるペンタエリスリトールジホスファイトを含む反応混合物を得て、次いで、該反応混合物から、有機塩基化合物及び有機塩基化合物の塩(以下、有機塩基化合物成分とする)を反応系外に分離除去した後に、該有機塩基化合物成分を除去した式(2)で示されるペンタエリスリトールジホスファイトの溶液若しくは懸濁液から、該ペンタエリスリトールジホスファイトを単離せずに、式(3)に示されるハロゲン化化合物の存在下に、温度80℃から300℃の条件で加熱処理することを特徴とする式(4)で示されるペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法に関する。
【0015】
【化5】
【0016】
[式中、Arは、炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基である。また、R1およびR2は、同一または異なっていてもよく、水素原子もしくは炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基、または炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の炭化水素基である。]
【0017】
【化6】
【0018】
[式中、Ar1およびAr2は、式(1)のArで示される基である。また、R 1 およびR 2 は、それぞれ式(1)のR 1 およびR 2 で示される基である。R 3 およびR 4 は、それぞれ式(1)のR 1 およびR 2 で示される基である。]
【0019】
【化7】
【0020】
[式中、Rはアラルキル基であり、XはBr基である。]
【0021】
【化8】
【0022】
[式中、Ar1およびAr2は、式(1)のArで示される基である。また、R 1 およびR 2 は、それぞれ式(1)のR 1 およびR 2 で示される基である。R 3 およびR 4 は、それぞれ式(1)のR 1 およびR 2 で示される基である。]
【0023】
具体的には、3,9−ビス(フェニルメチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2−メチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((3−メチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((4−メチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,4−ジメチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,6−ジメチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((3,5−ジメチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,4,6−トリメチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0024】
3,9−ビス((2−sec−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((4−sec−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,4−ジ−sec−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,6−ジ−sec−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,4,6−トリ−sec−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0025】
3,9−ビス((2−tert−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((4−tert−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0026】
3,9−ビス((4−ビフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((1−ナフチル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2−ナフチル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((1−アントリル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((2−アントリル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((9−アントリル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0027】
3,9−ビス(1−フェニルエチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−メチル−2−フェニルエチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(ジフェニルメチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(トリフェニルメチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0028】
3−フェニルメチル−9−((2,6−ジメチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−フェニルメチル−9−((2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−フェニルメチル−9−(1−フェニルエチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−フェニルメチル−9−ジフェニルメチル−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−((2,6−ジメチルフェニル)メチル)−9−(1−フェニルエチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−((2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)−9−(1−フェニルエチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−ジフェニルメチル−9−(1−フェニルエチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−ジフェニルメチル−9−((2,6−ジメチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−ジフェニルメチル−9−((2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンが挙げられる。
【0029】
特に、3,9−ビス(フェニルメチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−フェニルエチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(ジフェニルメチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。
【0030】
本発明で用いるペンタエリスリトールジホスファイトの合成法に関しては、様々な方法が知られている。合成方法の一例をあげると、ペンタエリスリトールと三塩化リンとの反応生成物に、塩基の存在下、各種アルコールを反応させる方法があげられる。
【0031】
本発明のペンタエリスリトールジホスファイトとしては、前記式(2)においてAr1、Ar2が、フェニル基、各種キシリル基、各種トルイル基、ジ−t−ブチルフェニル基、各種クメニル基、ビフェニル基、ナフチル基等であり、R1、R2、R3およびR4が、水素原子、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、プロペニル基、フェニル基、各種トルイル基、各種キシリル基、各種クメニル基、ジ−t−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等である化合物を挙げる事ができる。好ましくは、Ar1、Ar2が、フェニル基、R1、R2、R3およびR4が、水素原子、メチル基、フェニル基である。
【0032】
具体的には、3,9−ビス((フェニルメチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2−メチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((3−メチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((4−メチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,4−ジメチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,6−ジメチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((3,5−ジメチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,4,6−トリメチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0033】
3,9−ビス(((2−sec−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((4−sec−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,4−ジ−sec−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,6−ジ−sec−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,4,6−トリ−sec−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0034】
3,9−ビス(((2−tert−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((4−tert−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0035】
3,9−ビス(((4−ビフェニル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((1−ナフチル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2−ナフチル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((1−アントリル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((2−アントリル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(((9−アントリル)メチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0036】
3,9−ビス((1−フェニルエチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((1−メチル−1−フェニルエチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((ジフェニルメチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((トリフェニルメチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、
【0037】
3−(フェニルメチル)オキシ−9−((2,6−ジメチルフェニル)メチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−(フェニルメチル)オキシ−9−((2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−(フェニルメチル)オキシ−9−(1−フェニルエチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−(フェニルメチル)オキシ−9−(ジフェニルメチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−((2,6−ジメチルフェニル)メチル)オキシ−9−(1−フェニルエチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−((2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)オキシ−9−(1−フェニルエチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−(ジフェニルメチル)オキシ−9−(1−フェニルエチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−(ジフェニルメチル)オキシ−9−((2,6−ジメチルフェニル)メチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3−(ジフェニルメチル)オキシ−9−((2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチル)オキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。
【0038】
特に、3,9−ビス((フェニルメチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((1−フェニルエチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス((ジフェニルメチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。
【0039】
本発明に用いられる三塩化リンは、その純度が98%以上であることが望ましい。高純度の三塩化リンは、例えば市販品を不活性雰囲気下で蒸留することにより得られる。不活性雰囲気とは本発明で用いる三塩化リンを変性しうる酸素ガス、湿気等が実質的に無い状態の事である。系内の酸素濃度について具体的には5%以下、好ましくは1%以下、更に好ましくは100ppm以下であることが望ましい。具体的な例としては、反応系内を窒素、アルゴン等の不活性ガスで置換後、該不活性ガス気流下もしくは該不活性ガス雰囲気下で蒸留を行う方法等が挙げられる。該酸素濃度はJIS B 7983に規定のジルコニア式分析法等で測定する事ができる。三塩化リンの純度はガスクロマトグラフィーで定量することができ、またJIS K8404−1887に示される様に、化学反応での定量が可能である。
【0040】
本発明に用いられるペンタエリスリトールは、その純度が98%以上であり、かつ、含水率が1000ppm以下であることが望ましい。好ましくは、含水率が500ppm以下であり、更に好ましくは、含水率が100ppm以下のものである。高純度のペンタエリスリトールは、主として市販品を水から再結晶して、高分子量の不純物を除去することにより得ることができる。また、低含水率のペンタエリスリトールは、反応に用いる直前に加熱乾燥させることにより得ることができる。ペンタエリスリトールの純度はガスクロマトグラフィーで定量可能であり、JIS K1510−1993に示される様に、化学反応での定量化も可能である。ペンタエリスリトールの含水率は、カールフィッシャー法で定量可能であり、前記JIS規格に示されている乾燥減量からも定量が可能である。
【0041】
本発明のペンタエリスリトールに対する三塩化リンのモル比は、ペンタエリスリトール100モル%に対して、195モル%〜240モル%が好ましい。より好ましくは200モル%〜220モル%である。該モル比が195モル%未満であると、最終的に得られるペンタエリスリトールジホスホネートの回収量が大幅に低下することがある。一方、該モル比が240モル%を越えると、未反応で残る三塩化リンが以後の反応に与える影響が大きくなり、最終的に得られるペンタエリスリトールジホスホネートの回収量が低下することがある。加えて、廃棄物の量が増大し、生産性が大幅に低下することがある。
【0042】
本発明の三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応で使用する不活性な溶媒としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン含有炭化水素および含酸素炭化水素からなる群より選ばれる1種又は2種以上からなる不活性溶媒が望ましい。溶媒は単独でも混合溶媒でも使用できる。
【0043】
かかる溶媒はペンタエリスリトール、三塩化リン、有機塩基化合物と反応しない不活性な溶媒であれば良い。この様なものとしては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等が挙げられる。特に、常圧下での沸点が100℃〜300℃のものが好適に用いられる。この様なものとしては、デカン、ドデカン、ジブチルエーテル、ジオキサン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
【0044】
これらの溶媒の含水率は1000ppm以下であることが望ましい。この含水率以上では、原料の三塩化リンの加水分解が促進することが認められる。より望ましくは500ppm以下、特に望ましいのは100ppm以下である。
【0045】
本発明の三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応を効率よく進行させるために、触媒を使用する事ができる。かかる触媒としては、リン−塩素結合と反応しない有機塩基化合物が好ましく用いられる。該リン−塩素結合と反応しない有機塩基化合物とは、実質的に窒素−水素結合及び、または酸素−水素結合を有しない有機塩基化合物である。実質的にこれらの結合を有しないとは、該有機塩基化合物中の窒素−水素結合及び酸素−水素結合量が5000ppm以下のもので、好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下のものである。
【0046】
該リン−塩素結合と反応しない有機塩基化合物としては、脂肪族又は芳香族の、非環状又は環状アミン類、アミド類が挙げられる。これらの化合物の一例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、メチルジエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリフェネチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラエチルメタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、1−メチルピロール、1−エチルピロール、1−メチルピロリジン、1−エチルピロリジン、オキサゾール、チアゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−メチルピラゾール、1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、N,N−ジエチル−4−アミノピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、キヌクリジン、キナゾリン、9−メチルカルバゾール、アクリジン、フェナントリジン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロパンアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペリドンなどが挙げられる。
【0047】
中でもトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−メチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、4−ビニルピリジンとスチレンの共重合体が好ましく、特にトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
【0048】
また、上記の化合物がポリマー中に化学的に結合された化合物でもよい。例えばポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(2−ビニルピリジン)、4−ビニルピリジンとスチレンの共重合体などが挙げられる。
【0049】
上記の有機塩基化合物触媒の存在割合は、三塩化リン100モル%に対して0.1モル%〜100モル%が好ましい。実用上、この量比は、1モル%〜20モル%が望ましい。
【0050】
本発明における三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応方法としては、ペンタエリスリトールの懸濁液に三塩化リンを滴下する、三塩化リンにペンタエリスリトールの懸濁液を滴下する、三塩化リンにペンタエリスリトール粉末を添加する等、種々の方法が適用できる。中でも、ペンタエリスリトールの懸濁液に三塩化リンを滴下する方法が作業効率の点から好ましい。
【0051】
また本発明における三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応における反応温度は、−10℃〜90℃の範囲であることが望ましい。より望ましくは0℃〜60℃であり、特に望ましいのは、5℃〜40℃である。該反応温度が−10℃未満であると反応速度が大幅に低下し、生産性の低下に繋がることがある。一方90℃を越えると副反応が起こり、目的とするペンタエリスリトールジホスホネートの回収量が少なくなることがある。
【0052】
また本発明における三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応系は、常時不活性気体雰囲気下に保つことが望ましい。かかる目的のためには、窒素、アルゴンらの不活性気体を反応系内に流せばよい。更には、この気体を系外に出すことで、副生するハロゲン化水素ガスもこの気体に同伴し、系外にでていくという効果があり、不活性気体を反応系内に滞留させるよりも反応系内を流す方が好ましい。
【0053】
更に本発明では、三塩化リンとペンタエリスリトールとを反応させた後、続けて、有機塩基化合物の存在下に、前記式(1)で示されるアラルキルアルコールを反応させる事が重要である。三塩化リンとペンタエリスリトールとを反応させた後に、該アラルキルアルコールの反応を続けて行う事により、三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応物を単離精製する工程を省略することになり、作業性、生産効率の点で優れている。加えて、本来、不安定な三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応物が分解するのを最小限にとどめることになり、結果として、本発明の目的物であるペンタエリスリトールジホスホネートの回収率の増加に繋がる。
【0054】
本発明においてアラルキルアルコールを反応させる際に共存させる有機塩基化合物とは、リン−塩素結合と反応しない有機塩基化合物が好ましく用いられる。該リン−塩素結合と反応しない有機塩基化合物とは、実質的に窒素−水素結合及び、または酸素−水素結合を有しない有機塩基化合物である。実質的にこれらの結合を有しないとは、該有機塩基化合物中の窒素−水素結合及び酸素−水素結合量が5000ppm以下のもので、好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下のものである。
【0055】
該リン−塩素結合と反応しない有機塩基化合物としては、脂肪族又は芳香族の、非環状又は環状アミン類が挙げられる。これらの化合物の一例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、メチルジエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリフェネチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラエチルメタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、1−メチルピロール、1−エチルピロール、1−メチルピロリジン、1−エチルピロリジン、オキサゾール、チアゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−メチルピラゾール、1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、N,N−ジエチル−4−アミノピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、キヌクリジン、キナゾリン、9−メチルカルバゾール、アクリジン、フェナントリジン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。
【0056】
中でもトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−メチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、キノリン、4−ビニルピリジンとスチレンの共重合体が好ましく、特にトリエチルアミン、ピリジンが好ましい。
【0057】
また、上記の化合物がポリマー中に化学的に結合された化合物でもよい。例えばポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(2−ビニルピリジン)、4−ビニルピリジンとスチレンの共重合体などが挙げられる。
【0058】
本発明において、上記の有機塩基化合物の存在割合は、ペンタエリスリトール100モル%に対して180モル%〜400モル%である事が望ましい。180モル%より少ないと、副生する塩化水素が捕捉できず、捕捉できなかった塩化水素が、得られたペンタエリスリトールジホスファイトを分解する為に、結果的に本発明の目的物であるペンタエリスリトールジホスホネートの回収量を大幅に減少させることがある。一方、該有機塩基化合物の割合がペンタエリスリトールに対して400モル%より多いと、該有機塩基化合物の回収または廃棄処理の負荷が大きくなり、生産効率の面で劣ることがある。より好ましくは190モル%〜250モル%であり、更に好ましくは、200モル%〜220モル%である。
【0059】
また上記の有機塩基化合物の含水量は、2000ppm以下が望ましい。2000ppmを越えると、水に由来する副生成物が生成し、更に該副生成物が、本発明のペンタエリスリトールジホスファイトの生成を阻害すると共に、ペンタエリスリトールジホスファイト自体の分解に関与する為に、結果として本発明の目的物であるペンタエリスリトールジホスホネートの回収量を大幅に減少させることがある。更に望ましくは1000ppm以下であり、特に望ましいのは100ppm以下である。
【0060】
本発明で用いられるアラルキルアルコールは、前記式(1)で示される化合物であり、式(1)において、Arが、フェニル基、各種キシリル基、各種トルイル基、ジ−t−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等であり、R1およびR2が、水素原子、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、プロペニル基、フェニル基、各種トルイル基、各種キシリル基、各種クメニル基、ジ−t−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等である化合物を挙げる事ができる。好ましくは、Arが、フェニル基、R1、R2が、水素原子、メチル基、フェニル基である。
【0061】
具体的には、ベンジルアルコール、(2−メチルフェニル)メチルアルコール、(3−メチルフェニル)メチルアルコール、(4−メチルフェニル)メチルアルコール、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアルコール、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアルコール、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアルコール、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアルコール、(2−sec−ブチルフェニル)メチルアルコール、(4−sec−ブチルフェニル)メチルアルコール、(2,4−ジ−sec−ブチルフェニル)メチルアルコール、(2,6−ジ−sec−ブチルフェニル)メチルアルコール、(2,4,6−トリ−sec−ブチルフェニル)メチルアルコール、(2−tert−ブチルフェニル)メチルアルコール、(4−tert−ブチルフェニル)メチルアルコール、(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)メチルアルコール、(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)メチルアルコール、(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)メチルアルコール、(4−ビフェニル)メチルアルコール、(1−ナフチル)メチルアルコール、(2−ナフチル)メチルアルコール、(1−アントリル)メチルアルコール、(2−アントリル)メチルアルコール、(9−アントリル)メチルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、1−メチル−1−フェニルエチルアルコール、ジフェニルメチルアルコール、トリフェニルメチルアルコールが挙げられる。中でも、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、ジフェニルメチルアルコールが好ましい。
【0062】
該アラルキルアルコールは単一の化合物として用いるだけでなく、二種以上からなる混合物として用いることもできる。
【0063】
該アラルキルアルコールの使用量は、ペンタエリスリトール100モル%に対し180モル%〜250モル%が望ましい。より好ましくは185モル%〜220モル%である。更に好ましくは190モル%〜210モル%である。該アラルキルアルコールの使用量が180モル%未満の場合、該アラルキルアルコールの不足分以上に、本発明の目的物であるペンタエリスリトールジホスホネートの回収量が大きく低下する。該アラルキルアルコールの使用量が250モル%を越えると過剰のアラルキルアルコールを回収する工程や廃棄処理する工程の負荷が大きくなり、工業的に不利となることがある。
【0064】
本発明における有機塩基化合物の存在下において前記式(1)で示されるアラルキルアルコールを反応させる方法は特に限定されない。本発明における、三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応物に該有機塩基化合物を添加し、続いて該アラルキルアルコールを添加して反応させても良いし、該アラルキルアルコールに、三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応物と該有機塩基化合物の混合物を添加しても良い。該有機塩基化合物と該アラルキルアルコールとの混合物に三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応物を添加しても良いし、三塩化リンとペンタエリスリトールとの反応物に該有機塩基化合物と該アラルキルアルコールとの混合物を添加して反応させても良い。
【0065】
本発明において、該アラルキルアルコールを反応させるときの温度条件は−20℃〜100℃の範囲が望ましい。好ましくは、−10℃〜80℃である。−20℃未満だと反応速度が低下し、生産効率の低下をまねく。一方、100℃を越えた温度で反応させるとペンタエリスリトールジホスファイトの分解によって、結果的に本発明の目的物であるペンタエリスリトールジホスホネートの回収率低下を引き起こす。また、反応は常圧下に行なうことが好ましい。
【0066】
本発明において、該アラルキルアルコールを反応させるときの反応時間は特に規定しないが、1分〜500分かけて反応させるのが好ましい。更に好ましくは5分〜300分である。1分未満で反応させると単位時間当りの発熱量が大きく、反応温度を制御することが困難となるだけでなく、熱交換器や冷却器等の設備負荷が大きくなる。一方、500分を越えた時間での反応は生産効率が低下することになる。
【0067】
本発明において、該アラルキルアルコールを反応させるときの反応系内の含水率は2000ppm以下が望ましい。より好ましくは1000ppm以下であり、更に好ましくは500ppm以下であり、特に好ましくは300ppm以下である。反応系内の含水率が2000ppmを越えるとペンタエリスリトールジクロロホスファイトと水との反応で副生成物が生成する割合以上に目的物の回収率低下の割合が大きくなる。
【0068】
本発明において、該アラルキルアルコールを反応させる際には、反応に関与しない不活性な溶媒を追加して反応させてもよい。該溶媒としては特に限定しないが、例を挙げれば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等が挙げられる。好ましくは、ヘキサン、デカン、ドデカン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。更に好ましくは、ヘキサン、ドデカン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンが挙げられる。
【0069】
また本発明において、該アラルキルアルコールを反応させる際には、不活性雰囲気下で行うことが望ましい。不活性雰囲気とは本発明で用いるアラルキルアルコール、有機塩基化合物や生成したペンタエリスリトールジホスファイト等を変性しうる酸素ガス、湿気、塩素ガス等が実質的に無い状態の事である。系内の酸素濃度について具体的には5%以下、好ましくは1%以下、更に好ましくは100ppm以下であることが望ましい。具体的な例としては、反応系内を窒素、アルゴン等の不活性ガスで置換後、該不活性ガス気流下もしくは該不活性ガス雰囲気下で反応を行う方法が挙げられる。該酸素濃度はJIS B 7983に規定のジルコニア式分析法等で測定する事ができる。
【0070】
本発明においては、本発明の反応で生成したペンタエリスリトールジホスファイトから、有機塩基化合物及び有機塩基化合物の塩(有機塩基化合物成分)を反応系外に除去する事が必要である。該有機塩基化合物成分を反応系外に除去する割合としては、望ましくはペンタエリスリトールジホスファイトの合成反応で使用した有機塩基化合物の100モル%に対し、有機塩基化合物成分の90モル%以上であり、更に望ましくは有機塩基化合物成分の95モル%以上である。有機塩基化合物の除去する割合が90モル%未満であると、本発明の加熱処理でペンタエリスリトールジホスホネートを得る際に副反応を誘発し、ペンタエリスリトールジホスホネートの回収量を低下させるおそれがある。該有機塩基化合物成分の除去方法としては、使用する溶媒種や目的物の性質等、様々な条件に依存するため一概には言えないが、一例を挙げると、溶媒としてトルエンを使用した場合、通常、有機塩基化合物はトルエンに実質的に不溶な有機塩基化合物の塩化水素塩を形成し、ろ過等の操作で容易に取り除く事ができる。
【0071】
また上記の有機塩基化合物成分を除去した後の、ペンタエリスリトールジホスファイト溶液または懸濁液は、特別な処理をする事なしに、本発明のハロゲン化化合物の存在下で加熱処理してペンタエリスリトールジホスホネートを得ることができる。また該ペンタエリスリトールジホスファイト溶液または懸濁液を水やアルカリ水溶液で洗浄処理した後に、本発明のハロゲン化化合物の存在下で加熱処理してペンタエリスリトールジホスホネートを得ることもできる。また有機塩基化合物成分を除去した後の、ペンタエリスリトールジホスファイト溶液または懸濁液から溶媒等の一部を留去等で除去した後、本発明のハロゲン化化合物の存在下で加熱処理してペンタエリスリトールジホスホネートを得ることもできる。生産効率の点から、有機塩基化合物成分を除去した後の、ペンタエリスリトールジホスファイト溶液または懸濁液は、特別な処理をする事なしに、本発明のハロゲン化化合物の存在下で加熱処理してペンタエリスリトールジホスホネートを得る方法、もしくは水やアルカリ水溶液で洗浄処理した後に、本発明のハロゲン化化合物の存在下で加熱処理してペンタエリスリトールジホスホネートを得る方法が好ましい。
【0072】
なお、本発明において生成したペンタエリスリトールジホスファイトから有機塩基化合物成分を反応系外に除去する操作、及びその後のアルカリ水洗浄等の処理操作は、不活性雰囲気下で行う事が好ましい。不活性雰囲気とは本発明のペンタエリスリトールジホスファイトを変性しうる酸素ガス、塩素ガス等が実質的に無い状態の事である。系内の酸素濃度について具体的には5%以下、好ましくは1%以下、更に好ましくは100ppm以下であることが望ましい。例えば窒素ガス、アルゴンガス等の気流下もしくは雰囲気下において洗浄操作等を行う方法が挙げられる。該酸素濃度はJIS B 7983に規定のジルコニア式分析法等で測定する事ができる。
【0073】
また本発明において、有機塩基化合物成分を除去した後でペンタエリスリトールジホスファイトを加熱処理する際に、溶媒を使用することもできる。溶媒を使用する事で、本発明で用いるペンタエリスリトールジホスファイトが該溶媒中に溶解若しくは分散し、攪拌の負荷を軽減できる。また本発明の加熱処理の際に反応系に熱が均一に伝わり易くなるという利点がある。該溶媒としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン含有炭化水素および含酸素炭化水素からなる群より選ばれる1種又は2種以上からなる溶媒が好ましい。更に好ましくは、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素およびハロゲン含有炭化水素からなる群より選ばれる1種又は2種以上からなる溶媒で、かつ常圧下の沸点が100℃以上のものが挙げられる。また該溶媒としては、本発明の三塩化リンとペンタエリスリトールを反応させる際に使用する不活性な溶媒と同じ溶媒種であることが、溶媒の分離回収等の負荷を考えると望ましい。
【0074】
また、溶媒の使用量を本発明で使用したペンタエリスリトールのモル濃度で表すと、好ましくは0.1mol/L以上、より好ましくは0.3mol/L以上であることが望ましい。0.1mol/L未満ではペンタエリスリトールジホスホネートの生成速度が極端に低下し、生産効率の低下を招くことがある。
【0075】
本発明において、ペンタエリスリトールジホスホネートはペンタエリスリトールジホスファイトを、ハロゲン化化合物の共存下に、加熱処理する事で得られるが、該加熱処理の温度は80℃〜300℃である。好ましい加熱処理の温度は100℃〜250℃である。加熱処理の温度が80℃未満では反応速度が著しく低下し、生産効率の点で好ましくない。加熱処理の温度が300℃を越える場合は、副反応を促進し、ペンタエリスリトールジホスホネートの回収率の低下を引き起こし好ましくない。
【0076】
本発明における加熱処理の時間は1分から1200分が好ましい。1分未満では未反応物が残り、目的とするペンタエリスリトールジホスホネートの回収率の低下を引き起こすことがある。一方1200分をこえる時間では生産効率の悪化を引き起こすことがある。
【0077】
本発明において、前記式(3)で示されるハロゲン化化合物のRとしてはアラルキル基である。XはBr基である。
【0078】
該ハロゲン化化合物の具体例としては、メチルブロマイド、エチルブロマイド、n−プロピルブロマイド、iso−プロピルブロマイド、n−ブチルブロマイド、iso−ブチルブロマイド、tert−ブチルブロマイド、n−ペンチルブロマイド、ベンジルブロマイド、(1−ブロモエチル)ベンゼン、(2−ブロモエチル)ベンゼン、ジフェニルメチルブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、メチルアイオダイド、エチルアイオダイド、n−プロピルアイオダイド、iso−プロピルアイオダイド、n−ブチルアイオダイド、iso−ブチルアイオダイド、tert−ブチルアイオダイド、n−ペンチルアイオダイド、ベンジルアイオダイド、(1−ヨードエチル)ベンゼン、(2−ヨードエチル)ベンゼン、ジフェニルメチルアイオダイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウムアイオダイド、テトラエチルホスホニウムアイオダイド、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム等を挙げることが出来る。
【0079】
中でも、ベンジルブロマイド、(1−ブロモエチル)ベンゼン、(2−ブロモエチル)ベンゼン、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、メチルアイオダイド、n−ブチルアイオダイド、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムが特に好ましく使用される。
【0080】
本発明で使用されるハロゲン化化合物(RX)の使用量は特に限定はしないが、本発明で用いるペンタエリスリトールに対して1モル%から1000モル%が好ましく、より好ましくは5モル%から300モル%である。
【0081】
本発明でペンタエリスリトールジホスホネートが生成する反応系中の水分量は、本発明では特に規定しないが2000ppm以下が望ましい。更に好ましくは1000ppm以下である。該水分量が2000ppmより多い場合には、理由は不明であるが本発明で用いるペンタエリスリトールジホスファイトと水との反応に由来すると考えられる副生成物の割合以上に目的物の回収率低下の割合が大きくなる。
【0082】
また本発明でペンタエリスリトールジホスホネートが生成する反応系中のアルコール量は、30000ppm以下が好ましい。更に好ましくは10000ppm以下である。該アルコールはペンタエリスリトールジホスファイトの製造工程で混入することがあり、該アルコールが大量に混入しているペンタエリスリトールジホスファイトを用いると目的とするペンタエリスリトールジホスホネートの回収率が大幅に低下する。
【0083】
また本発明の加熱処理は不活性雰囲気下で行うのが好ましい。不活性雰囲気とは本発明で用いるペンタエリスリトールジホスファイト等を変性しうる酸素ガス、湿気等が実質的に無い状態の事である。系内の酸素濃度について具体的には5%以下、好ましくは1%以下、更に好ましくは100ppm以下であることが望ましい。具体的な例としては、反応系内を窒素、アルゴン等の不活性ガスで置換後、該不活性ガス気流下もしくは該不活性ガス雰囲気下で加熱処理を行う方法が挙げられる。該酸素濃度はJIS B 7983に規定のジルコニア式分析法等で測定する事ができる。
【0084】
本発明において、反応で得られたペンタエリスリトールジホスホネートの精製法としては、特に限定はしないが、例えば、該ペンタエリスリトールジホスホネートの溶解度が低い溶媒を用いて洗浄する方法がある。またその際の洗浄温度に関しても限定はなく、加温した該溶媒を使用しても良い。ただし洗浄温度は120℃以下が好ましい。120℃を越える温度では、生成したペンタエリスリトールジホスホネートが分解する可能性がある。
【0085】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例においては、温度は全て摂氏で示した。なお、評価は下記の方法で行った。
(1)HPLC純度
HPLC装置としてWaters社製Separations Module2690、検出器としてWaters社製Dual λ AbsorbanceDetector 2487(UV−260nm)、カラムとして野村化学製ODS−7(300mm×4mmφ)、溶離液としてアセトニトリルと水の6:4混合溶液、測定温度40℃の条件でHPLC測定を行い、目的生成物ピークの面積強度比から純度を求めた。
【0086】
(2)反応中間体の選択率
Varian社製300MHzNMR測定装置を用い、重クロロホルムもしくは重ジメチルスルホキシドを溶媒とし、室温にて31PNMR測定を行い、得られたスペクトル中の全ピークに対する目的物ピークの相対面積強度比から求めた。
実施例で使用した各試薬は以下に示したとおりである。
【0087】
(1)ペンタエリスリトール
広栄化学工業株式会社のペンタリット−S(純度99.4%)を、予め乾燥させたものを使用した。含水率は38ppmであった。
【0088】
(2)三塩化リン
キシダ化学株式会社から購入した純度99%以上の三塩化リンを、予め窒素気流下で蒸留したものを用いた。
【0089】
(3)ベンジルアルコール
和光純薬工業株式会社から購入した特級グレードを、含水率が50ppm以下になるように乾燥させてから用いた。含水率の分析値は以下の通りであった。
ベンジルアルコール:含水率10ppm
なお含水率は 三菱化学株式会社製 電量滴定式水分測定装置 CA−06型を用いて電量滴定により含水率(ppm)を求めた。
【0090】
(4)ピリジン
和光純薬工業株式会社から購入した特級グレードを、含水率が50ppm以下になるように乾燥させてから用いた。含水率の分析値は以下の通りであった。
ピリジン:含水率20ppm
なお含水率は 三菱化学株式会社製 電量滴定式水分測定装置 CA−06型を用いて電量滴定により含水率(ppm)を求めた。
【0091】
(5)溶媒
和光純薬工業株式会社から購入した特級グレードを、含水率が50ppm以下になるように乾燥させてから用いた。含水率は以下のとおりであった。
キシレン:含水率3ppm
クロロベンゼン:含水率5ppm
なお含水率は 三菱化学株式会社製 電量滴定式水分測定装置 CA−06型を用いて電量滴定により含水率(ppm)を求めた。
【0092】
[実施例1]
テフロン製の半月板タイプの攪拌翼を取り付けたテフロンコーティングされている攪拌棒、テフロン製のバキュームシール、及び撹拌器からなる攪拌装置一式、管頂に塩化カルシウム管を付けたガラス製の還流冷却管、均圧管付きの100mL滴下漏斗、アルコール温度計を備えた500mLのガラス製の四口フラスコに、該滴下ロートの上部から塩化カルシウム管を通した乾燥窒素を流しながら、ヒートガンで加熱し器壁の水分を除去した。室温まで放冷後、ペンタエリスリトール27.2g(0.200mol)、キシレン80mL、ピリジン0.783g(9.90mmol)を、この順番で該四口フラスコに加えた。該還流冷却器に−20℃の冷媒を流し、200rpmで攪拌を開始した。滴下漏斗に三塩化リン57.1g(0.416mol)を量りとり、室温下(約24℃)、約20分かけて該三塩化リンを滴下した(系内温度は、滴下開始直後約3℃ほど上昇したが、その後室温付近でほぼ一定であった)。滴下終了後、そのまま室温下で1時間攪拌をつづけた。その後60℃まで加熱し、60℃で30分間保持した後、室温まで放冷し、白色懸濁液を得た。該反応中に発生した塩化水素は、該還流冷却管を通して反応系外の水酸化ナトリウム水溶液に吸収させた。
【0093】
該白色懸濁液の一部をサンプリングし、31PNMRを測定したところ、3,9−ジクロロ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(以下、ペンタエリスリトールジクロロホスファイトと呼ぶ)が96.1%の選択率で検出された。
【0094】
続いて、該白色懸濁液に、ピリジン33.0g(0.417mol)を加えた(系内の温度は24℃から27℃まで上昇した)。アイスバスにより、反応系内の温度を5℃まで冷却した後、ベンジルアルコール43.5g(0.402mol)とキシレン40mLの混合液を約60分かけて滴下した(滴下には、予め乾燥させた100mLの均圧管付き滴下ロートを用いておこなった。なお滴下中の系内温度は最高8℃まで上昇した。)。滴下終了後、約20分かけて室温(約24℃)まで戻し、そのまま60分間保持して白色懸濁液を得た。
【0095】
得られた白色懸濁液の一部をサンプリングし、31PNMRを測定したところ、本発明における反応中間体である3,9−ビス((フェニルメチル)オキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(以下ペンタエリスリトールジベンジルホスファイトと呼ぶ)が96.0%の選択率で検出された。
【0096】
乾燥窒素の雰囲気下、上記の白色懸濁液をガラスフィルター(SIBATA26 G3)で固液分離させ、得られた固体はキシレン200mLを用い洗浄した。得られたろ液を、乾燥窒素の雰囲気下、2Lの分液ロートに移し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液400mLを加えて激しく振り、静置後、水層を取り除いた。続けてイオン交換水700mLで同様の操作をした(この時水層のpHは12であった)。再度イオン交換水700mLで同様の操作を行った(この時水層のpHは8であった)。得られた有機層の一部をサンプリングし1HNMRを測定したところ、ピリジン等のピリジン由来化合物は検出されなかった。
【0097】
該有機層を、テフロン製の半月板タイプの攪拌翼を取り付けたテフロンコーティングされている攪拌棒、テフロン製のバキュームシール、及び撹拌器からなる攪拌装置一式、管頂に塩化カルシウム管を付けたガラス製の還流冷却管及びアルコール温度計を備えた500mLのガラス製の四口フラスコに移し、ベンジルブロマイド69.0g(0.403mol)を加え、200rpmで攪拌を開始した。還流冷却管に−20℃の冷媒を流し、該四口フラスコを150℃の油浴で加熱を開始した(系内は直ぐに還流状態になり、この時の系内の温度は約130℃であった)。そのまま12時間還流状態を維持したのち、室温まで放冷した(放冷後、系内には大量の白色固体が析出していた)。この白色固体を、ガラスフィルター(SIBATA26 G3)を用いてろ取した。ろ取した固体は、キシレン80mLで2回洗浄した。洗浄後の固体は、乾燥させずにメタノール200mLと共に500mLのナス型フラスコに移した。該ナス型フラスコに、テフロン製のスターラーチップを入れ、還流冷却管を取り付けた。該還流冷却管に−20℃の冷媒を流し、マグネティックスターラーで攪拌を開始後、該ナスフラスコを温度80℃の油浴に浸し、1時間加熱還流させた。室温まで放冷後、不溶性の固体部分をガラスフィルター(SIBATA26 G3)でろ取した。ろ取した固体は、メタノール80mLで2回洗浄した。得られた固体は、100Pa〜300Pa、80℃で2時間乾燥し、更に130Pa〜300Pa、120℃で4時間乾燥させて白色粉末を得た。
【0098】
得られた固体の一部をサンプルリングし、31PNMRを測定したところ、31PNMR純度が99%以上の3,9−ビス(フェニルメチル)−3,9−ジオキソ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(以下、ペンタエリスリトールジベンジルホスホネートと呼ぶ)であった。
収量74.0g、収率90.6%、HPLC純度99.1%であった。
【0099】
[実施例2]
テフロン製の半月板タイプの攪拌翼を取り付けたテフロンコーティングされている攪拌棒、テフロン製のバキュームシール、及び撹拌器からなる攪拌装置一式、管頂に塩化カルシウム管を付けたガラス製の還流冷却管、均圧管付きの1L滴下漏斗、アルコール温度計を備えた3Lのガラス製の四口フラスコに、該滴下ロートの上部から塩化カルシウム管を通した乾燥窒素を流しながら、ヒートガンで加熱し器壁の水分を除去した。室温まで放冷後、ペンタエリスリトール204.28g(1.50mol)、キシレン600mL、ピリジン4.79g(0.06mol)を、この順番で該四口フラスコに加えた。該還流冷却器に−20℃の冷媒を流し、200rpmで攪拌を開始した。滴下漏斗に三塩化リン425.61g(3.10mol)を量りとり、室温下(約24℃)、約3時間かけて該三塩化リンを滴下した(系内温度は、滴下開始直後約3℃ほど上昇したが、その後室温付近でほぼ一定であった)。滴下終了後、そのまま室温下で1時間攪拌をつづけた。その後60℃まで加熱し、60℃で1時間保持した後、室温まで放冷し、白色懸濁液を得た。該反応中に発生した塩化水素は、該還流冷却管を通して反応系外の水酸化ナトリウム水溶液に吸収させた。
【0100】
該白色懸濁液の一部をサンプリングし、31PNMRを測定したところ、ペンタエリスリトールジクロロホスファイトが95.5%の選択率で検出された。
【0101】
続いて、該白色懸濁液に、ピリジン263.95g(3.34mol)を加えた(系内の温度は24℃から27℃まで上昇した)。アイスバスにより、反応系内の温度を8℃まで冷却した後、ベンジルアルコール326.13g(3.02mol)とキシレン310mLの混合液を約2時間かけて滴下した(滴下には、予め乾燥させた1Lの均圧管付き滴下ロートを用いておこなった。なお滴下中の系内温度は最高18℃まで上昇した。)。滴下終了後、約20分かけて室温(約24℃)まで戻し、そのまま60分間保持して白色懸濁液を得た。
【0102】
得られた白色懸濁液の一部をサンプリングし、31PNMRを測定したところ、本発明における反応中間体であるペンタエリスリトールジベンジルホスファイトが95.1%の選択率で検出された。
【0103】
乾燥窒素の雰囲気下、上記の白色懸濁液をガラスフィルター(SIBATA165G P40)で固液分離させ、得られた固体はキシレン500mLを用い洗浄した。得られたろ液を、乾燥窒素の雰囲気下、テフロン製の半月板タイプの攪拌翼を取り付けたテフロンコーティングされている攪拌棒、テフロン製のバキュームシール、及び撹拌器からなる攪拌装置一式、管頂に塩化カルシウム管を付けたガラス製の還流冷却管及びアルコール温度計を備えた3Lのガラス製の四口フラスコに移し、ベンジルブロマイド530.38g(3.10mol)を加え、200rpmで攪拌を開始した。還流冷却管に−20℃の冷媒を流し、該四口フラスコを150℃の油浴で加熱を開始した(系内は直ぐに還流状態になり、この時の系内の温度は約130℃であった)。そのまま4時間還流状態を維持したのち、室温まで放冷した(放冷後、系内には大量の白色固体が析出していた)。この白色固体を、ガラスフィルター(SIBATA165G P40)を用いてろ取した。ろ取した固体は、キシレン1.3Lで2回洗浄した。洗浄後の固体は、乾燥させずにメタノール1.2Lと共にテフロン製の半月板タイプの攪拌翼を取り付けたテフロンコーティングされている攪拌棒、テフロン製のバキュームシール、及び撹拌器からなる攪拌装置一式、ガラス製の還流冷却管及びアルコール温度計を備えた3Lのガラス製の四口フラスコに移した。該還流冷却管に−20℃の冷媒を流し、200rpmで攪拌を開始後、該四口フラスコを温度80℃の油浴に浸し、2時間加熱還流させた。室温まで放冷後、不溶性の固体部分をガラスフィルター(SIBATA165G P40)でろ取した。ろ取した固体は、メタノール560mLで2回洗浄した。得られた固体は、100Pa〜300Pa、80℃で2時間乾燥し、更に130Pa〜300Pa、120℃で4時間乾燥させて白色粉末を得た。
【0104】
得られた固体の一部をサンプルリングし、31PNMRを測定したところ、31PNMR純度が99%以上のペンタエリスリトールジベンジルホスホネートであった。
収量544.5g、収率88.9%、HPLC純度99.1%であった。
【0105】
[実施例3]
キシレン溶媒の代りにクロロベンゼン溶媒を用いた事を除いて、実施例1と同様な操作で反応を行った。
【0106】
実際に使用した試薬の量を以下に示す。
・ペンタエリスリトールジクロロホスファイトの合成試薬
ペンタエリスリトール:27.2g(0.200mol)
三塩化リン:57.0g(0.415mol)
ピリジン:0.793g(10.0mmol)
・ペンタエリスリトールジベンジルホスファイトの合成試薬
ピリジン:33.3g(0.421mol)
ベンジルアルコール:43.5g(0.402mol)
・ペンタエリスリトールジベンジルホスホネートの合成試薬
ベンジルブロマイド:68.2g(0.399mol)
収量74.3g、収率91.0%、HPLC純度99.3%であった。
【0107】
[比較例1]
実施例1と同様の操作で得たペンタエリスリトールジクロロホスファイトの白色懸濁液の31PNMRを測定したところ、97.1%の選択率で検出された。
【0108】
乾燥窒素雰囲気下、この白色懸濁液をガラスフィルター(SIBATA26 G3)でろ過し、得られた白色固体はキシレン80mLを用い洗浄した。洗浄後の白色固体に、キシレン80mlを加えて、ペンタエリスリトールジクロロホスファイトの懸濁液を調製した。この懸濁液を用い、以後、実施例1と同様の操作を行いペンタエリスリトールジベンジルホスホネートを得た。
収量69.8g、収率85.5%、HPLC純度99.1%であった。
【0109】
実際に使用した試薬の量を以下に示す。
・ペンタエリスリトールジクロロホスファイトの合成試薬
ペンタエリスリトール:27.2g(0.200mol)
三塩化リン:57.1g(0.416mol)
ピリジン:0.797g(10.1mmol)
・ペンタエリスリトールジベンジルホスファイトの合成試薬
ピリジン:33.2g(0.419mol)
ベンジルアルコール:43.6g(0.403mol)
・ペンタエリスリトールジベンジルホスホネートの合成試薬
ベンジルブロマイド:68.8g(0.402mol)
【0110】
[比較例2]
実施例1においてペンタエリスリトールジベンジルホスファイトの白色懸濁液の固液分離操作、アルカリ水洗浄、水洗浄の操作を省略した事以外は、実施例1と同様の操作をおこなった。
【0111】
すなわち、実施例1と同様の操作で得られたペンタエリスリトールジベンジルホスファイトの白色懸濁液にベンジルブロマイドを加え、150℃の油浴により加熱をおこなった。12時間還流状態を維持したのち、室温まで放冷した。放冷後、系内に白色の固体は見られず、系内の一部をサンプリングして31PNMRを測定しても目的とするペンタエリスリトールジベンジルホスホネートは検出できなかった。
【0112】
実際に使用した試薬の量を以下に示す。
・ペンタエリスリトールジクロロホスファイトの合成試薬
ペンタエリスリトール:27.2g(0.200mol)
三塩化リン:57.1g(0.416mol)
ピリジン:0.791g(10.0mmol)
・ペンタエリスリトールジベンジルホスファイトの合成試薬
ピリジン:33.2g(0.419mol)
ベンジルアルコール:43.8g(0.405mol)
・ペンタエリスリトールジベンジルホスホネートの合成試薬
ベンジルブロマイド:68.8g(0.402mol)
【0113】
実施例1、実施例2および実施例3では、本発明の三塩化リンとペンタエリスリトールの反応物に特別な処理を行わず、該反応物そのままの状態でアラルキルアルコールとの反応させた。また該アラルキルアルコールと反応後に、使用した有機塩基化合物成分を反応系外に除去して、かつ生成したペンタエリスリトールジホスファイトを単離することなく次の反応に使用し、目的物のペンタエリスリトールジホスホネートを高収率かつ高純度で得ることに成功した。
【0114】
一方、比較例1では本発明の三塩化リンとペンタエリスリトールの反応物の精製操作をおこなって、本発明の目的であるペンタエリスリトールジホスホネートを得ているが、得られたペンタエリスリトールジホスホネートは実施例1と同様に高純度のものであるが、収率が低下した。
【0115】
すなわち実施例1で示されるように本発明の製造方法は、単に高収率、高純度で目的とするペンタエリスリトールジホスホネートを得ることができるだけでなく、特別な精製操作を行わず高収率、高純度のペンタエリスリトールジホスホネートを製造できる生産効率に優れる方法である事が明白である。
【0116】
また比較例2では、三塩化リンとペンタエリスリトールの反応物とアラルキルアルコールで使用した有機塩基化合物成分を取り除くこと無く、目的物のペンタエリスリトールジホスホネートの合成反応を行っているが、目的物のペンタエリスリトールジホスホネートを得る事ができなかった。
【0117】
これまでに有機塩基化合物成分の存在がこれほどまでに該反応に影響するという報告はなく、このような化学的にも予想する事が困難な新たな知見を見出し、該知見を生産性に優れた方法で利用した、実施例で例示される本発明の製造方法がペンタエリスリトールジホスホネートの製造に有効であることは明白である。
【0118】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、難燃剤等に利用できる特定のペンタエリスリトールジホスホネートを、高純度、高収率でかつ工業的に有利な生産性に優れた方法で提供することができる。
Claims (6)
- 三塩化リンとペンタエリスリトールとを、反応に関与しない不活性な溶媒の存在下で反応させた後、続けて、有機塩基化合物の存在下に式(1)で示されるアラルキルアルコールを反応させ式(2)で示されるペンタエリスリトールジホスファイトを含む反応混合物を得て、次いで、該反応混合物から、有機塩基化合物及び有機塩基化合物の塩(以下、有機塩基化合物成分とする)を反応系外に分離除去した後に、該有機塩基化合物成分を除去した式(2)で示されるペンタエリスリトールジホスファイトの溶液若しくは懸濁液から、該ペンタエリスリトールジホスファイトを単離せずに、式(3)に示されるハロゲン化化合物の存在下に、温度80℃から300℃の条件で加熱処理することを特徴とする式(4)で示されるペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法。
- 請求項1記載の反応系外に分離除去する有機塩基化合物成分が、使用した有機塩基化合物100mol%に対し、90mol%以上である請求項1記載のペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法。
- 請求項1記載の反応系外に分離除去する有機塩基化合物成分が、使用した有機塩基化合物100mol%に対し、95mol%以上である請求項1記載のペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法。
- 請求項1において、三塩化リンとペンタエリスリトールとを反応させる際に用いる、反応に関与しない不活性な溶媒が、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン含有炭化水素および含酸素炭化水素からなる群より選ばれる1種又は2種以上からなる溶媒である請求項1記載のペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法。
- 請求項1において、三塩化リンとペンタエリスリトールとを反応させる際に用いる、反応に関与しない不活性な溶媒が、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素およびハロゲン含有炭化水素からなる群より選ばれる1種又は2種以上からなる溶媒であり、かつ、常圧下の沸点が100℃〜300℃の溶媒である請求項1記載のペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法。
- 式(1)において、Arはフェニル基であり、R 1 およびR 2 は水素原子、メチル基またはフェニル基である請求項1記載のペンタエリスリトールジホスホネートの製造方法。
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