JP4083831B2

JP4083831B2 - 皮膚外用剤

Info

Publication number: JP4083831B2
Application number: JP32597596A
Authority: JP
Inventors: 基早瀬
Original assignee: 株式会社カネボウ化粧品
Priority date: 1996-11-20
Filing date: 1996-11-20
Publication date: 2008-04-30
Anticipated expiration: 2016-11-20
Also published as: JPH10152428A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は皮膚外用剤に関する。更に詳しくは、荒れ肌改善効果に優れ、かつ低温安定性にも優れた皮膚外用剤に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
尿素を配合した皮膚外用剤は塗布後、皮膚の水分含量を増加させる作用を持ち、そのことにより荒れ肌を改善する効果がある。しかしながら、尿素は乳化物中では安定性が悪く、製剤化が困難である。これまでにも、尿素を有効成分とする皮膚外用剤として高級脂肪酸をアルカリで中和することによる石鹸乳化製剤が提案されている（特開昭６２−０００７号公報）。
【０００３】
しかし、石鹸乳化製剤は室温以下の温度において、経時的に結晶が析出し易く、このため外観が悪くなる、感触も悪くなるなどの欠点が生じてくる。
本発明は、このような実情からみてなされたものであって、優れた荒れ肌改善効果を持つと共に、かつ低温安定性にも優れた皮膚外用剤を提供することを目的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の皮膚外用剤は次のような構成をとる。すなわち、「（ａ）尿素を必須成分とし、（ｂ）高級脂肪酸、高級アルコール、及び有機アミンと、（ｃ）オリーブ油、マカデミアナッツ油、オリーブスクワラン、ホホバ油、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油の群から選ばれる植物油の一種または二種以上と、（ｄ）多価アルコールと、（ｅ）桃、アロエ、カミツレ、ハイビスカス、セージ、ビワ、キュウカンバー、セイヨウキズタ、ウコン、スギナ、ローズマリー、ニンジン、茶、シャクヤク、センブリ、ヘチマ、カノコソウ、オウゴン、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、ゴボウ、サンザシ、シイタケ、ソウハクヒ、タイソウ、チンピ、トウキ、ブクリョウ、マツカサ、ヨクイニン、シナノキ、シラカバ、、オレンジ、トウキンセンカ、トマト、ヘンナ、ボダイジュ、ホップ、ユリ、リンゴ、ローズマリーの群から選ばれる植物抽出物の一種または二種以上を含有する」ことを特徴とする皮膚外用剤である。
【０００５】
【発明の実施の形態】
【０００６】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【０００７】
本発明の皮膚外用剤に用いられる尿素の配合量は、外用剤（組成物）の総量を基準として０．１〜２０重量％（以下、ｗｔ％と略す）である。
【０００８】
本発明の皮膚外用剤に用いられる高級脂肪酸としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸が挙げられる。
高級脂肪酸の配合量は、外用剤（組成物）の総量を基準として０．０１〜５ｗｔ％である。
【０００９】
本発明の皮膚外用剤に用いられる高級アルコールとしては、セチルアルコール、セトステアリルアルコールが挙げられる。
高級アルコールの配合量は、外用剤（組成物）の総量を基準として０．０１〜８ｗｔ％である。
【００１０】
本発明の皮膚外用剤に用いられる有機アミンとしては、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンが挙げられる。
有機アミンの配合量は、外用剤（組成物）の総量を基準として０．０５〜５ｗｔ％である。
【００１１】
本発明の皮膚外用剤に用いられる植物油としては、オリーブ油、マカデミアナッツ油、オリーブスクワラン、ホホバ油、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油が挙げられ、これらは一種または二種以上を含有することができる。
植物油の配合量は、外用剤（組成物）の総量を基準として０．１〜１０ｗｔ％である。
【００１２】
本発明の皮膚外用剤に用いられる多価アルコールとしては、ジプロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール、グリセリンが挙げられる。
多価アルコールの配合量は、外用剤（組成物）の総量を基準として１０〜３０ｗｔ％である。この範囲であると、低温安定性が充分に得られる。
【００１３】
本発明の皮膚外用剤に用いられる、桃、アロエでは葉、カミツレ、ハイビスカスでは花、セージは全草、ビワは葉、キュウカンバーはキュウリの果実、セイヨウキズタは茎及び葉、ウコンは根及び茎、スギナは全草、ローズマリーは葉または花、ニンジンは根、茶は葉または実、シャクヤクは根、センブリは全草、ヘチマは地上部、カノコソウは根、オウゴンはコガネバナの根、ゲンチアナは根及び根茎、ゲンノショウコは地上部、ゴボウは根、サンザシは花・葉・実、シイタケは地上部、ソウハクヒは桑の根、タイソウは果実、チンピはミカンの果皮、トウキは根、ブクリョウは菌核、マツカサは球果、ヨクイニンは種子、シナノキは花または葉、シラカバは葉・芽・樹皮、オレンジは果実、トウキンセンカは花、トマトは果実、ヘンナは葉及び幹、ボダイジュは花、ホップは雌花穂果、ユリは球根、リンゴは果実、ローズマリーは葉または花を、多価アルコール、アルコール、水またはそれらの混合溶媒を用いて熱抽出したものであり、これらの群から選ばれる植物抽出物の一種または二種以上を含有することができる。
植物抽出物の配合量は、外用剤（組成物）の総量を基準として、溶媒を除いた蒸発残留物換算で、０．０００１〜５．０ｗｔ％である。
これらの内で、多価アルコールを用いて抽出したものが好ましい。その理由として、抽出されたエキス中の成分量はごく微量であるが、植物抽出物本来の効果・作用の他に、上記多価アルコールと同一の効果を現し、低温安定性も得られる。
【００１４】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ローション類，乳液類，クリーム類，パック類等に適用することができる。
なお、本発明の皮膚外用剤には上記の他に流動パラフィンなどの液状油、油脂類、色素、香料、防腐剤、界面活性剤、ビタミン類、アミノ酸、顔料、抗酸化剤等を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することができる。
【００１５】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、実施例に記載の▲１▼低温安定性測定方法、▲２▼荒れ肌改善効果の測定試験法は下記の通りである。
【００１６】
▲１▼低温安定性測定方法
サンプルをガラス瓶に充填し、０℃の恒温槽で１カ月保存後の状態を、目視により下記の判定基準で判定した。
− ：正常
＋：乳化状態悪化、析出あり
【００１７】
▲２▼荒れ肌改善効果の測定試験法
下脚に荒れ肌を持つ中高年被験者２０名を対象として４週間連続塗布効果を調べた。被験者の左側脚試験部位に１日２回約１g の試料を塗布し、試験開始前および終了後の皮膚の状態を、目視により下記の判定基準で判定した。右側下脚は試料を塗布せず対照とした。
皮膚乾燥度の判定基準
− ：正常
± ：軽微乾燥、落屑なし
＋：乾燥、落屑軽度
＋＋：乾燥、落屑中等度
＋＋＋：乾燥、落屑顕著
試験前後の試験部位と対照部位の判定結果を比較し、皮膚乾燥度が２段階以上改善された場合（例えば＋→−，＋＋→±）を「有効」、１段階改善された場合を「やや有効」、変化がなかった場合を「無効」とした。試験結果は「有効」、「やや有効」となった被験者の人数で示した。
【００１８】
実施例１〜３、比較例１〜４［スキンクリーム］
【００１９】
尿素、ステアリン酸、セチルアルコール、トリエタノールアミン、オリーブスクワラン、１，３−ブチレングリコール及び３０重量／容量％（以下、ｗ／ｖ％と略す）１，３−ブチレングリコール水溶液により抽出された、蒸発残留物換算で１．７ｗｔ％の桃の葉抽出物を表１に記載の通りに配合し、下記の組成で各々のスキンクリームを調製し、前記の諸実験を実施した。
【００２０】
（１）組成
【００２１】
【表１】

【００２２】
（２）調製法
（Ａ）成分及び（Ｂ）成分を各々８０℃に加熱溶解した後、混合して、攪拌しつつ３０℃迄冷却して各スキンクリームを調製した。
【００２３】
（３）特性
各スキンクリームの諸試験を実施した結果を、表１に併せて記載した。
表１に示すように、比較例１〜４のスキンクリームは諸特性において充分なる効果は得られなかった。
これに対し、本発明の実施例１〜３のスキンクリームは諸特性において顕著な効果が見られ、荒れ肌改善試験では試料塗布後１〜２ケ月で優れた美肌効果を示した。また、桃の葉１，３−ブチレングリコール抽出物の配合量が増すと、荒れ肌が改善された人数が増えたことは、抽出物中の成分の効果によることが示唆された。
【００２４】
実施例４〜６〔スキンクリーム〕
３０ｗ／ｖ％１，３−ブチレングリコール水溶液により抽出された、蒸発残留物換算で１．５ｗｔ％のハイビスカス抽出物及び原料成分を表２に記載の通り配合し、実施例１〜３と同様の調製法で各々のスキンクリームを作り、前記▲２▼荒れ肌改善効果を試験した。
【００２５】
【表２】

【００２６】
各スキンクリームの諸試験を実施した結果を、表２に併せて記載した。
表２に示すように、本発明の実施例４〜６のスキンクリームは、試料塗布後１〜２ケ月で優れた荒れ肌改善効果を示した。
ハイビスカス抽出物が桃の葉抽出物と同様に、優れた荒れ肌改善効果を示したことは、本発明の必須成分である尿素との相乗効果と相まって、荒れ肌改善効果をより強調したことが示唆される。
【００２７】
【発明の効果】
以上記載のように、本発明が、荒れ肌改善効果に優れ、かつ低温安定性にも優れた皮膚外用剤を提供することは明らかである。

Claims

（ａ）尿素を必須成分とし、（ｂ）高級脂肪酸、高級アルコール、及び有機アミンと、（ｃ）オリーブ油、マカデミアナッツ油、オリーブスクワラン、ホホバ油、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油の群から選ばれる植物油の一種または二種以上と、（ｄ）多価アルコールと、（ｅ）桃、アロエ、カミツレ、ハイビスカス、セージ、ビワ、キュウカンバー、セイヨウキズタ、ウコン、スギナ、ローズマリー、ニンジン、茶、シャクヤク、センブリ、ヘチマ、カノコソウ、オウゴン、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、ゴボウ、サンザシ、シイタケ、ソウハクヒ、タイソウ、チンピ、トウキ、ブクリョウ、マツカサ、ヨクイニン、シナノキ、シラカバ、、オレンジ、トウキンセンカ、トマト、ヘンナ、ボダイジュ、ホップ、ユリ、リンゴ、ローズマリーの群から選ばれる植物抽出物の一種または二種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。