JP4083649B2 - ボビン巻き鋼線の切断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハの切り出しに使用したボビン巻きワイヤを切断分離してボビンを回収再利用するボビン巻き鋼線の切断方法に関する。
半導体基礎素材の製造分野では、ワイヤソーマシンを用いてシリコン単結晶インゴットからシリコンウエハを輪切り状に切り出している。ワイヤソーマシンでは、図6に示すように、一方側の送給ボビン7から他方側の巻取りボビン7に向けて細径のワイヤ8を略一定速度でパスラインに送り出しながら砥粒を含む切削剤をワイヤ8に供給し、シリコン単結晶インゴットからなるワーク9をワイヤ8のパスラインに向けて少しずつ送り込み、インゴット軸直交方向にワーク9を薄く輪切りにする。
使用済みのワイヤ8は出荷時と同じボビン7に巻き取られるが、ボビン7は高価格の高精度加工品であるため、ワイヤ8のみを廃棄してボビン7は回収再利用するようにしている。ボビン7を回収するためには、使用済みワイヤ8をボビン7から分離する必要がある。
しかし、使用済みのワイヤ8は切削剤の砥粒が付着したままの状態でボビン7に巻き取られているので、これを通常のワイヤ送給装置で巻き戻すとワイヤガイドやその周辺部材が摩耗により損傷を受け、短時間のうちに送給不能に陥ることから、実際には使用済みワイヤ8の巻き戻し作業を行うことができない。
そこで、ボビン7に巻かれたままの状態でワイヤ8をガス切断し、ワイヤ8をばらばらの状態にしてボビン7から剥ぎ取って分離し、ボビン7を空の状態にして再利用することがなされている。このような従来のガス切断法では、図7および図8に示すように、巻きワイヤ8を横切る切断線74に沿ってガスバーナ100の火炎を巻きワイヤ8にあてて加熱溶融させ、巻きワイヤ8を切断(溶断)する。
また、従来のガス切断法の代わりにレーザ切断法の利用が検討課題としてあげられる。レーザ切断法は、例えば特許文献1および特許文献2にそれぞれ記載されている。
特許第3326138号公報 特開平10−137958号公報
しかしながら、従来のガス切断法は、巻きワイヤの内層に穿孔が達するまでの間に多量のスパッタやドロスを生じるために、これら異物の付着によりボビン表面が汚染される。また、従来のガス切断法では、巻きワイヤを介してボビンに伝わる熱量が大きくなり、ボビンの受ける熱損傷が著しいことから、熱歪み変形やリールへの溶断キズ(穴あき)を生じるという問題点もある。このように従来のガス切断法によればボビン損傷のおそれがあるので、再使用に耐えられる高品質のボビンを回収するためには、作業者に高度の熟練が要求されていた。
また、特許文献1のレーザ切断方法は、YAGレーザ光の照射によりプリンタ用ローラ面から樹脂被覆を剥ぎ取る方法であるが、切断対象となる被加工材が金属ワイヤとは異なる樹脂層であるため、これをボビン巻きワイヤの切断に適用することはできない。
また、特許文献2のレーザ切断方法は、アシストガスに酸素を用いるパルスYAGレーザ光の照射により金属材料を切断する方法であるが、裏面の後処理を不要にすることを目的としていることから、被加工材の裏面側まで貫通する切断方法であるため、これをボビン巻きワイヤの切断に適用することはできない。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ボビンを損傷することなく、ボビンに巻き取られた使用済み鋼線を高能率に切断除去することができるボビン巻き鋼線の切断方法を提供する。
本発明に係るボビン巻き鋼線の切断方法は、ボビンに巻き取られたままの状態で使用済み鋼線を切断するボビン巻き鋼線の切断方法において、(a)レーザ加工機のトーチノズルのレーザ光軸とボビン中心軸とが所定のシフト量Sとなるように、前記トーチノズルと前記ボビンとを相対位置合せし、(b)巻き鋼線の所定の箇所に所定のタイミングで所定強度のレーザ光を照射しながら、前記トーチノズルおよび前記ボビンの少なくとも一方を前記ボビンの軸方向に相対的に移動させることにより、レーザ光照射領域が巻き鋼線を横切るように、前記ボビンの幅方向の一端部から他端部までの間においてレーザ光照射領域を連続的にまたは断続的に移動させ、(c)前記レーザ光照射領域に巻き鋼線の横切りを繰り返させ、巻き鋼線を切断することを特徴とする。
上記の工程(b)では、ボビン幅方向の中央部からレーザ光の照射を開始し、トーチノズルをボビン幅方向の一方側の端部に向けて移動させ、レーザ光照射領域が前記一端部に達したところでレーザ光の照射を中断し、トーチノズルをボビン幅方向中央部に空送りし、ボビン幅方向中央部からレーザ光の照射を再度開始し、トーチノズルをボビン幅方向の他方側の端部に向けて移動させ、レーザ光照射領域が前記他端部に達したところでレーザ光の照射を停止させることができる。このようなセンタースタート片道方式を切断の初期から中期に至るまで採用することにより、穿孔性に優れたレーザ光照射を確保することができ、短時間で巻き鋼線の内層までレーザ光を到達させることができる。巻き鋼線の厚みに応じて初層、二層、三層…とセンタースタート片道方式を順次繰り返すことができるが、通常の場合は二層(同一箇所を二回照射)までセンタースタート方式を採用し、最後に下記のエンドスタート往復方式を用いて仕上げ切断することが好ましい。
また、上記の工程(c)では、前記トーチノズルをボビン幅方向の一方側の端部から他方側の端部までの間において少なくとも1回往復移動させることにより、巻き鋼線を仕上げ切断することができる。このようなエンドスタート往復方式を切断の後期に採用することにより、連続的な仕上げ切断が確保され、巻き鋼線の外層から内層に至るまで比較的きれいな切断面が得られる。なお、仕上げ切断では、巻き鋼線の厚みが増加するに従ってトーチノズルの往復回数を1.5回、2回、2.5回、3回…と増やしていくことができる。しかし、トーチノズルの往復回数を過剰に増やすと、作業工数が増加してコストが上昇するばかりでなく、ボビンに伝わる熱量が増大して熱変形を生じるおそれがあり、さらにリールへの穴あきのおそれもある。このため、仕上げ切断におけるトーチノズルの往復回数は最大3回までとすることが好ましく、1〜2回とすることが最も好ましい。
レーザ加工機には複数種のアシストガスを供給するガス供給機構を有する炭酸ガスレーザ加工機を用いることができる。この場合に、切断条件に応じてガス供給機構から一種又は二種以上を混合したアシストガスをトーチノズルに供給することが好ましい。炭酸ガスレーザ加工機のアシストガスには酸素、窒素、エアを用いることができ、これらの混合ガスを用いることができるが、酸素と窒素の混合ガスを用いることが最も好ましい。
さらに、レーザ反射光から保護するための保護部材をトーチノズルが備えていることが好ましい。半導体ウエハ切出用の鋼線は高炭素鋼(C:0.82%)に薄くブラスメッキしたものであるため高反射率であり、これから反射されるレーザ反射光は高エネルギであるため、危険であるとともにトーチノズル及びその周囲部材を損傷するからである。通常、金属材料の反射率はYAGレーザの波長で95%以上、炭酸ガスレーザの波長で98%以上と高い。また、これらの材料は、熱伝導率も高く、被加工材の中にレーザエネルギが入熱しにくいため、通常のレーザ切断には向いていない。YAGレーザを用いる場合は、ピーク値が5kW以上で平均出力500W以上のパルスレーザ加工機が必要である。また、同様に炭酸ガスレーザを用いる場合は、平均出力数kWの加工機が必要である。しかし、これらの装置による被加工材の切断仕上げ面はレーザ光の集光角度に切断されるとともに、被加工材の裏面の切断加工端部には鋭い刃物状の仕上げ面が残る。また、被加工材の裏面に残渣が付着する場合もある。
ちなみに、鉄の反射率は炭酸ガスレーザの波長で65%と金の反射率の95%と比較すると低い。さらに、鉄に代えて、黒塗装または黒化処理を施した鋼を用いると、反射率は低い。また、熱伝導度も低い。レーザ光が表面の鉄、鉄合金または鋼に入射すると酸素と反応して酸化鉄になり、このときの反応熱で瞬間的に2〜3000℃に達する。この熱が被加工材に伝わり温度が上昇する。被加工材の温度が上がるとレーザ光の反射率が下がり、これに伴い吸収率は上がり、溶融状態では50%の吸収率を持つに至る。なおかつ、被加工材の上下は被覆材に挟まれているので保温効果がある。レーザ切断は熱加工であるから、吸収率の上昇と保温効果がレーザ切断の効率を上げる。レーザ光の照射時間とともに被加工材の表面温度は上がり、被加工材の融点に達して溶融し、ついには沸点まで達して孔明け加工になる。ちなみに、切断時のレーザ光は厚み方向に減衰する。これは、切断溝の中でレーザ光が乱反射しながら、切断面である側壁に吸収されるからである。この減衰のため裏側の貴金属は溶融するが、蒸発まで至らず溶融物が残留する。
本発明によれば、ボビンを治具に固定した後は、レーザ切断機が初期設定プログラムに従って自動制御動作を繰り返してボビン巻きワイヤを切断するので、作業者の熟練度に依存することなく個人差のない切断加工が実現される。ちなみに従来法ではボビンを損傷(凹み疵などを付ける)しないようにワイヤを切断するためにはかなりの熟練度を要し、作業者の技能に応じて作業結果に相当の個人差を生じていたが、このような熟練度に起因するばらつきを完全に解消することができた。
また、本発明によれば、直線性が悪いワイヤであってもアシストガスにより溶着が発生せず、ハンマーで叩くなどの作業が不要になり、従来のガス溶断法に比べて作業性が良好である。
また、本発明によれば、切断幅が狭くなるため従来のガス溶断に比べてドロス発生量が少なく、またボビン自体を加熱しないためドロスがボビンに付着しない。
また、本発明によれば、切断時の熱影響を実質的に受けなくなり、加工精度が高く、ボビンを傷付けないため、ボビンの寿命が大幅に延長される。
また、本発明によれば、加熱溶融部分が狭い領域のみに限定されるので、ワイヤおよびボビンともに温度の上昇がわずかであり、作業者がやけどするなどの危険性がまったくなくなった。また、アシストガス酸素使用量の適正化および切断幅が狭いことにより、ワイヤ溶断時の油煙の発生量が少なく、従来に比べて作業環境が大幅に改善された。
さらに、本発明によれば、ボビン1本当りの切断所要時間が短くなるので、従来のガス切断法に比べて作業コストを80%程度まで低減することができた。
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の炭酸レーザ加工機1は、異なるガス種を供給する3つのアシストガス供給源2,3,4を備えている。第1のガス供給源2は酸素を、第2のガス供給源3は窒素を、第3のガス供給源4はエアをそれぞれアシストガスとしてガス供給管21,31,41を介してレーザトーチユニット10のガス導入部13(図2、図3参照)に供給するものである。なお、アシストガス導入部13を有するレーザトーチユニット10は、例えば特開2000−312986号公報において光学系とガス導入部とを組み合せたレーザ加工用ノズルとして詳しく説明されている。
3系統のガス供給管21,31,41は、停止弁25,35,45を経由してレーザ装置本体60の内部配管61,62,63にそれぞれ接続されている。内部配管61,62,63には圧力調整器65a〜65dおよび電磁弁66a〜66dがそれぞれ設けられている。
さらに、ガス供給管21,31,41からは分岐管22,32,42がそれぞれ分岐してガス混合器50に連通している。分岐管22,32,42には停止弁23,33,43および圧力調整器24,34,44がそれぞれ設けられている。ガス混合器50の下流側配管はレーザ装置本体60の内部配管64に接続されている。内部配管64には圧力調整器65dおよび電磁弁66dがそれぞれ設けられている。
内部配管64と上記3系統の内部配管61〜63とはレーザ装置本体60の内部で1つの集合配管67に連通している。図2に示すように、集合配管67は装置本体60外部のレーザトーチユニット10のガス導入部13に連通し、トーチノズル11の先端からアシストガスが噴出するようになっている。なお、アシストガスは炭酸ガスレーザ光と同軸的にノズル11から噴射される。
レーザトーチユニット10において、トーチノズル11の先端にはチップ12が着脱可能に取り付けられている。トーチノズル11本体は例えば水冷ジャケット構造となっている。チップ12は、トーチノズル11本体と熱交換が容易な高熱伝導性の耐熱合金(例えば銅合金)からなるものである。
ガス導入部13の直ぐ上流側には集光レンズ14が設けられ、図示しないレーザ発振器から光学系を経由してレーザ光16が集光レンズ14に送られる。集光レンズ14を通過したレーザ光16はビーム径が例えば1.0mmに絞られ、照射点73に照射されるようになっている。
図3に示すように、レーザ反射光16aからトーチユニット10(トーチノズル11を除く)を二重に保護している。ボビン7の胴部材にはアルミニウム製もあることから(汎用のボビン材料は鉄合金製である)、レーザ反射光16aがトーチユニット10に戻らないように工夫する必要があるからである。本実施形態では、第1の保護部材15aとして所定板厚のステンレス鋼板を、第2の保護部材15bとして所定膜厚のアルミニウム箔をそれぞれ用いた。
図3に示すように、ボビン7に対してトーチユニット10を所定のレーザ照射位置(後述する図5の使用位置UP1〜UP3)に位置決めしたときに、レーザ光軸16とボビン中心軸71とは所定のシフト量Sとなるように位置ずれさせている。レーザ光を頂点72に照射すると、そこから反射される反射光16aがトーチユニット10を著しく損傷するおそれがあるからである。したがって照射点73は頂点72から可能な限り離したほうが好ましい。しかし、シフト量Sを過度に大きくすると、図中の中心角θ(照射点73とボビン中心点を結ぶ線がボビン中心線71となす角度)が大きくなりすぎて巻きワイヤ8に入射するエネルギ量が減少し、切断エネルギが不足するようになるので、シフト量Sは中心角θが30°を超えない範囲とすることが好ましい。
なお、シフト量Sは、ボビンサイズ(巻きワイヤ8の外径)や周囲作業環境などの諸条件に応じて適宜決定されるものである。例えばボビン径が254mmのときはシフト量Sを20mmとし、ボビン径が300mmのときはシフト量Sを25mmとすることができる。
図4と図5を参照してレーザ切断方法の実施例について説明する。
図5の(a)に示すように、使用済みソーワイヤ8が巻き取られたボビン7を台座18上の左右一対のクランプ19間に載置し、ボルトシャフト17をクランプ19の孔およびボビン7の中心孔に挿通させ、ナット(図示せず)で締結した。ボビン7は軸が水平となるように台座18上に固定した。
次いで、トーチユニット10および台座18のうちの少なくとも一方を移動させ、レーザ切断システム1とボビン7との相対的な位置合せした。この両者の相対位置合せは、台座18を予め所定位置に動かないように固定しておくとともに、トーチユニット10のホーム位置HPを予め所定位置に設定しておくことにより、トーチユニット10を所定のホーム位置HPに位置合せするだけの簡単な操作で可能となる。
なお、ボビン7は、ボビン巻きワイヤ8のバンドル幅中央が第1の使用位置UP1の直下に位置し、ボビン巻きワイヤ8のバンドル幅方向一端が第2の使用位置UP2の直下に位置し、ボビン巻きワイヤ8のバンドル幅方向他端が第3の使用位置UP3の直下に位置するように、台座18上に取り付けた。
ボビン7とトーチユニット10との相対位置合せ後、レーザ加工機1のオートコントロールスイッチをONにしてコンピュータNC制御による全自動切断動作に移行させる。全自動切断動作については図5の(b)を参照して説明する。なお、図5(b)のタイミングチャートにおいて、細線はレーザ切断を実行している期間を、破線はレーザ切断を中断又は停止させてトーチユニットを空送りしている期間をそれぞれ表わしている。
タイミングt0になると、レーザ切断システムのコントローラ(図示せず)からトーチ移動機構(図示せず)の電源回路に指令信号が送られる。これによりトーチユニット10がホーム位置HPから第1の使用位置UP1(ボビン幅中央)に向けて移動する。タイミングt0からタイミングt1までの期間はトーチユニット10を空送りする。
タイミングt1になると、トーチノズル11からレーザ光の照射を開始してバンドルワイヤ8の切断を実行した。この初層の切断動作区間は第1の使用位置UP1から第2の使用位置UP2までとし、切断動作期間はタイミングt1からタイミングt2までとした。
タイミングt2にレーザ光の照射を中断し、第2の使用位置UP2から第1の使用位置UP1までトーチユニット10を空送りした(タイミングt2からタイミングt3までの期間)。
タイミングt3にレーザ光の照射を再開し、第1の使用位置UP1から第3の使用位置UP3までレーザ光を照射して切断を実行した(タイミングt3からタイミングt4までの期間)。
タイミングt4にレーザ光の照射を中断し、トーチユニット10を第3使用位置UP3から空送りしながらホーム位置HPに戻した(タイミングt4からタイミングt5までの期間)。
所定時間(t5〜t6の期間)経過後、タイミングt6になると、トーチユニット10をホーム位置HPから第1の使用位置UP1に空送り移動させた。タイミングt7にレーザ光の照射を再開し、第1の使用位置UP1から第2の使用位置UP2までレーザ光を照射して切断を実行した(タイミングt7からタイミングt8までの期間)。
タイミングt8にレーザ光の照射を中断し、第2の使用位置UP2から第1の使用位置UP1までトーチユニット10を空送りした(タイミングt8からタイミングt9までの期間)。
タイミングt9にレーザ光の照射を再開し、第1の使用位置UP1から第3の使用位置UP3までレーザ光を照射して切断を実行した(タイミングt9からタイミングt10までの期間)。
タイミングt10にレーザ光の照射を中断し、トーチユニット10を第3使用位置UP3から空送りしながらホーム位置HPに戻した(タイミングt10からタイミングt11までの期間)。
所定時間(t11〜t12の期間)経過後、タイミングt12になると、トーチユニット10をホーム位置HPから第2の使用位置UP2に空送り移動させた。次いで、トーチユニット10を上昇させてトーチノズルの高さレベルを初層、二層のときより約20mm高くした。
タイミングt13にレーザ光の照射を再開し、トーチユニット10を第2の使用位置UP2から第1の使用位置UP1を通過して第3の使用位置UP3まで移動させ、さらに第3の使用位置UP3から第1の使用位置UP1を通過して第2の使用位置UP2まで移動させ、さらに第2の使用位置UP2から第1の使用位置UP1を通過して第3の使用位置UP3まで移動させ、この間はレーザ光を連続的に照射して切断を実行した(タイミングt13からタイミングt16までの期間)。このようにトーチユニット10をボビン幅方向の一方側の端部から他方側の端部までの間において1回半往復移動させることにより、巻きワイヤ8を仕上げ切断した。
タイミングt16にレーザ光の照射を停止し、トーチユニット10を第3使用位置UP3から空送りしながらホーム位置HPに戻した(タイミングt16からタイミングt17までの期間)。
次いで、処理済みのボビン7を台座18から取り外し、これを別所に搬送して切断されたワイヤ8をボビン7から剥ぎ取る。一方、台座18には未処理のボビン7を取り付ける。このようにしてボビン7を交換した後に、リセットされた所定のタイミングt0に自動切断動作を再開し、上記と同様にして次の巻きワイヤ8を切断した。
本実施例の切断処理の1サイクル時間t0〜t17は、ボビンサイズが直径254mmのときに約3分間、ボビンサイズが直径300mmのときに約3分間であった。
本実施例の切断条件を下記に示す。
1)バンドルワイヤ:直径0.16mmの鋼線(炭素含有量0.82%)に黄銅めっき
:研削剤(平均1.7g/kg)付着
2)アシストガス:初期にエア120リットル/分、0.45MPaと酸素20リットル/分、0.45MPaとの混合ガス
:終期に酸素(純度99.8%以上)20リットル/分、0.45MPa単体
3)レーザピーク出力:4kW
4)ビーム径: 1.0mm
5)トーチ移動速度: 430mm/分(初層〜二層)
: 1000mm/分(仕上層)
本発明によれば、ボビンを損傷することなく、ボビンに巻き取られた半導体ウエハ切り出し使用済みの鋼線(ソーワイヤ)を高能率に切断除去することができる。本発明によれば、ボビン1本当りの切断所要時間が短くなるので、従来のガス切断法に比べて作業コストを80%程度まで低減することができた。
本発明方法に用いたレーザ切断装置を示すブロック回路図。 本発明方法に用いたレーザ切断装置の要部を示すブロック回路図。 本発明方法に用いたレーザ切断装置のトーチ部分とボビンを示す側面模式図。 本発明方法を用いてボビン巻き鋼線を切断するときの正面模式図。 (a)は本発明方法を説明するためにボビン巻き鋼線を模式的に示す図、(b)は本発明方法によりボビン巻き鋼線を切断するときの動作を説明するタイミングチャート。 ソーマシンで半導体ウエハを切り出すときの模式図。 従来のガス切断法を側方から見て示す図。 従来のガス切断法を正面から見て示す図。
符号の説明
1…レーザ加工機、 2,3,4…ガス供給源
7…ボビン、 8…ソーワイヤ(鋼線)、 9…ワーク
10…レーザトーチユニット、 11…トーチノズル、 12…先端チップ
13…ガス導入部、 14…集光レンズ
15a…保護部材(ステンレス鋼板)、 15b…保護部材(アルミニウム箔)
16…照射光(レーザ光軸)、16a…反射光
17…シャフト、 18…台座、 19…クランプ
21,31,41…ガス供給管
22,32,42…分岐管
23,33,43…停止弁
24,34,44…圧力調整器
25,35,45…停止弁
50…ガス混合器
60…レーザ装置本体
61〜64,67…内部配管
65a〜65d…圧力調整器
66a〜66d…電磁弁
71…ボビン中心線
72…頂点
73…照射点
74…切断線

Claims (5)

  1. ボビンに巻き取られたままの状態で使用済み鋼線を切断するボビン巻き鋼線の切断方法において、
    (a)レーザ加工機のトーチノズルのレーザ光軸とボビン中心軸とが所定のシフト量Sとなるように、前記トーチノズルと前記ボビンとを相対位置合せし、
    (b)巻き鋼線の所定の箇所に所定のタイミングで所定強度のレーザ光を照射しながら、前記トーチノズルおよび前記ボビンの少なくとも一方を前記ボビンの軸方向に相対的に移動させることにより、レーザ光照射領域が巻き鋼線を横切るように、前記ボビンの幅方向の一端部から他端部までの間においてレーザ光照射領域を連続的にまたは断続的に移動させ、
    (c)前記レーザ光照射領域に巻き鋼線の横切りを繰り返させ、巻き鋼線を切断することを特徴とするボビン巻き鋼線の切断方法。
  2. 前記工程(b)では、ボビン幅方向の中央部からレーザ光の照射を開始し、前記トーチノズルをボビン幅方向の一方側の端部に向けて移動させ、レーザ光照射領域が前記一端部に達したところでレーザ光の照射を中断し、前記トーチノズルを前記ボビン幅方向中央部に空送りし、前記ボビン幅方向中央部からレーザ光の照射を再度開始し、前記トーチノズルをボビン幅方向の他方側の端部に向けて移動させ、レーザ光照射領域が前記他端部に達したところでレーザ光の照射を停止させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記工程(c)では、前記トーチノズルをボビン幅方向の一方側の端部から他方側の端部までの間において少なくとも1回往復移動させることにより、巻き鋼線を仕上げ切断することを特徴とする請求項1または2のいずれか一方に記載の方法。
  4. 前記レーザ加工機は複数種のアシストガスを供給するガス供給機構を有し、切断条件に応じて前記ガス供給機構から一種又は二種以上を混合したアシストガスを前記トーチノズルに供給することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1項記載の方法。
  5. レーザ反射光から保護するための保護部材を前記トーチノズルが備えていることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1項記載の方法。
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