JP4082954B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,設定庫内温度が異なる複数の収容庫を有する冷蔵庫に関するものであり,特に,収容される食品の鮮度保持が要求されるいわゆる野菜室と該野菜室よりも低い庫内温度に設定される冷凍室や冷蔵室とを具備する冷蔵庫への適用に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
現在の冷蔵庫は,最も低い庫内温度(例えば約−18℃以下)に設定される冷凍室や製氷室,次に低い庫内温度(例えば1〜3℃程度)に設定される冷蔵室,及び最も高い温度(例えば4〜5℃程度)に設定される野菜室等の設定庫内温度がそれぞれ異なる複数の収容庫を備え,収容物の特性に応じて収容庫を使い分けできるものが普及している。従来,このような冷蔵庫では,冷却器で生成された冷気を各収容庫へ送風することによって冷却を行う。
図1及び図2は,それぞれ従来の冷蔵庫の一例である冷蔵庫Bにおける冷気の流れを,その正断面図及び側断面図において矢印により表したものである。
図1に示す従来の冷蔵庫Bは,最も低い庫内温度に設定される製氷室300及び冷凍室400,最も高い庫内温度に設定される野菜室200x,該野菜室200xよりも低く前記冷凍室等300,400よりも高い庫内温度に設定される冷蔵室100を具備し,各室(収容庫)は各々隔壁21,22,23によって区分される構造となっている。
このような冷蔵庫Bにおける前記各室の冷却は,一般的に知られる冷凍サイクルによって生成される冷気を前記各室に送風することによって行われる。
即ち,例えば冷蔵庫Bの場合,冷凍室400の背面の外側に設けられる冷却器10によって冷気が作られ,その冷気をファン等を用いて前記各室に送風することによって各室を冷却する。このような手法による冷気の循環は従来より行われており,その一例を採用する冷蔵庫Bの場合について簡単に説明する。
前記冷蔵庫Bの場合は,冷却器10で生成された冷気を,冷凍室400の背面をダクト(不図示)等で一旦冷蔵庫Bの中央付近(隔壁21の背面付近)に導き,冷蔵庫Bの中央付近に設けられるファン31やダンパ32を用いて各室へ冷気を送風している。
例えば,冷蔵室100を冷却する場合の冷気の流れは,図2に示すように,冷蔵室100の背面側に設けられる冷気の通路であるダクト101を通って,該ダクト101と冷蔵室100とを繋ぐ開口102(図1参照)より冷蔵室100に吹き出される。これにより,冷蔵室100は冷却されることになる。
また,野菜室200xを冷却する場合の冷気は,ダンパ32の開閉によって,野菜室200xの背面側に設けられたダクト201xに流れ込んだ後,ダクト201xと野菜室201xとを繋ぐ開口2011,2012,2013,2014より野菜室200xに吹き出される。これにより,野菜室201xは冷却されることになる。また,図2における202〜205は野菜室200x内に設けられる野菜ケースであり,この野菜ケース202〜205の中に野菜等の収容物が収容される。このように,野菜ケース202〜205が設けられるのは,例えば特開昭63−70071号公報にも示されるように,野菜等の生鮮食品に冷気を直接吹きかけると,乾燥を促進して鮮度の低下を早めてしまうので,冷気を直接野菜に吹きかけずに間接的に収容器(野菜ケース)を冷却する方式をとるためである。このような野菜ケースとしては,野菜室200xの縦方向の全長にわたる長物用野菜ケース(ごぼうやねぎ等の長物野菜収納用ケース)を設けても良い。長物用野菜ケースは例えば野菜室200xの扉の内側に設けられる。なお,図1では冷蔵庫Bの概略構成を分かり易くするために前記野菜ケース202〜205の表示を省略した。
また,製氷室300,冷凍室400においても,前記冷気がダクト等で製氷室300や冷凍室400に送風されることによって,前記各2室が冷却される。
このように,従来の冷蔵庫Bは,冷却器10で作られた冷気を冷蔵庫Bの背面側に設けたダクトを用いて,各室に冷気を吹き出す構成となっており,このような構成を有する冷蔵庫は従来より広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前述したように直接冷気を吹き出すことによって,各室を冷却することは単に冷却する上では良いが,収納する食品によってはその品質を低下させてしまう場合がある。
例えば,前記冷蔵庫Bの場合には,生鮮食料品を収納する野菜室200xの収納環境において次のような問題が発生することがある。
前記冷蔵庫Bの野菜室200xにおいては,開口2011〜2014より吹き出される冷気によって,直接的に野菜を収納する野菜ケース202〜205を冷却し,これによって収納される野菜を冷却するようにしている。この場合,野菜ケース202〜205と野菜室200xを形成する隔壁との間に冷気を通す十分な空間を確保し,該空間に前記冷気を通風させることによって該野菜ケース202〜205を冷却することになるが,該空間を確保するには野菜室200xの容積を大きくしたり,野菜ケース202〜205の容積を小さくしたりする必要があり,容積効率が低下する問題があった。
また,野菜の品質に係る問題としては,野菜ケース202〜205は一般的に蓋等を有しており,野菜自体から発生する水蒸気や,野菜を野菜ケース202〜205に収納した際に入る外気等に含まれる水蒸気が野菜ケース202〜205に閉じ込められる状態となるので,前記冷気による冷却によって急激に野菜ケース202〜205内部が冷却されると,野菜ケース202〜205内部に結露が発生する問題が生じる。この結露による水分は,野菜等の生鮮食料品の鮮度を低下させ,その賞味期限を短くするという問題を生じさせる。この問題を解消するために,結露しやすい部分に透湿膜を設けたり(特開昭63−61866号公報,特開昭63−61867号公報),多孔質体を設けたり(特開昭63−70071号公報)することも提案されているが,透湿膜や多孔質体で結露防止できる湿気量はそれほど大きくないため,野菜等が多く収容された場合等には十分な結露防止は難しい。また,この対策では前述した容積効率の問題は解消されない。そこで,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,野菜室内の結露発生を防止するとともに,収納効率の良い冷蔵庫を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は,扉と隔壁に囲われ所定の庫内温度に設定される第1の収容庫と,該第1の収容庫に隣接配置され前記第1の収容庫よりも低い庫内温度に設定される1又は複数の第2の収容庫と,前記第1及び第2の収容庫を冷却する冷却器とを具備する冷蔵庫において,前記第1の収容庫を囲う隔壁のうち前記第2の収容庫との間の隔壁以外の隔壁の一部に設けられ,前記冷却器により生成され前記第2の収容庫を経由してきた冷気を通過させるとともにその冷気が前記第1の収容庫内に流入しないよう構成された通風路と,前記通風路の内側と前記第1の収容庫を囲う隔壁のうち当該冷蔵庫の外部に面する隔壁の内側に沿う部分とに伸びて形成された伝熱部材と,を具備してなることを特徴とする冷蔵庫として構成されるものである。
このような構成により,より低温に設定される前記第2の収容庫との隔壁を介した熱交換による冷却と,冷気を通す通風路が設けられた他の隔壁を介した熱交換による冷却とによって前記第1の収容庫内が冷却されるので,冷気を前記第1の収容庫内に直接流入させる場合のように庫内のケース等が急冷されて結露することを防止できる。また,複数の隔壁に冷気の通風路を設けることによって前記熱交換の領域を広くとることができるので,設定された庫内温度を維持するにあたって前記第1の収容庫と隔壁(通風路を通る冷気)との温度差を小さくすることができ,これにより,隔壁表面が結露することも防止できる。
【0005】
また,前記伝熱部材が,前記冷却器に近接する部分から前記通風路の内側の部分に伸び,さらにそこから当該冷蔵庫の外部に面する隔壁の内側に沿う部分に伸びて形成されてなることも考えられる。
【0006】
また,第2の発明は,扉と隔壁に囲われ所定の庫内温度に設定される第1の収容庫と,該第1の収容庫に隣接配置され前記第1の収容庫よりも低い庫内温度に設定される第2の収容庫と,前記第1及び第2の収容庫を冷却する冷却器とを具備する冷蔵庫において,前記冷却器に近接する部分から,前記第1の収容庫を囲う隔壁のうち前記第2の収容庫との間の隔壁以外の隔壁の一部の外側の部分に伸び,さらにそこから当該冷蔵庫の外部に面する隔壁の内側に沿う部分に伸びて形成された伝熱部材を具備してなることを特徴とする冷蔵庫として構成されるものである。
これにより,前記伝熱部材は,前記冷却器に位置する部分が冷却されることによってその全体が伝熱により冷却され,隔壁に形成された部分における熱交換により前記第1の収容庫内が冷却される。その結果,冷気を通す前記通風路を備えた場合と同様の効果を奏することになる。
【0007】
また,前記伝熱部材が,前記第1の収容庫を囲う隔壁のうち,設定される庫内温度が前記第1の収容庫に対して所定温度差以内である前記第2の収容庫との間の隔壁にも形成されたものや,前記伝熱部材が,前記第1の収容庫の扉にも形成されてなるものも考えられる。
また,前記通風路又は前記伝熱部材が,これが設けられる前記第1の収容庫の隔壁又は前記扉それぞれの全領域のうちの一部にのみ設けられたものであってもよい。これは,前記第1の収容庫内の温度にあえて分布を設けたい場合等に有効である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は従来の冷蔵庫Bの正断面図,図2は従来の冷蔵庫Bの側断面図,図3は本発明の実施の形態に係る冷蔵庫Aの正断面図,図4は本発明の実施の形態に係る冷蔵庫Aの側断面図,図5は本発明の実施の形態に係る冷蔵庫Aの平断面図,図6は本発明の実施例に係る冷蔵庫A1の正断面図,図7は本発明の実施例に係る冷蔵庫A1の側断面図,図8は本発明の実施例に係る冷蔵庫A1の平断面図,図9は本発明の実施例に係る冷蔵庫A2の正断面図である。
【0009】
まず,本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の一例である冷蔵庫Aについて図3(正断面図)及び図4(側断面図)を用いて説明する。
尚,以下で説明する本発明の実施の形態に係る冷蔵庫Aにおいて,既に従来の技術で説明した冷蔵庫Bと同じ機能を有するものについては同じ符号を付した。図3に示される冷蔵庫Aは,大別して上下の2段に分割される構造を有しており,更に下段は大きく左右に分割される構造となっている。
即ち冷蔵庫Aは,上段に食品を冷却するための冷蔵室100(前記第2の収容庫の一例)を具備し,更に下段に野菜等の生鮮食品を収納するための野菜室200(前記第1の収容庫の一例)と,氷を作るための製氷室300(前記第2の収容庫の一例)と,冷凍食品等を冷凍するための冷凍室400(前記第2の収容庫の一例)とを具備している。前記各室は各々隔壁21,22,23によって区分される構造となっている。
また,図3に示されるように,野菜室200は冷蔵庫Aの下段の左右に分割されたうちの一方の収容庫であるため,野菜室200の形状は縦方向に長くなる。このため,例えば野菜室200前面の扉220(図4参照)内側に長物野菜ケースを設けることにより,ねぎ等の長物の野菜等を立てた状態で収納することが可能な構成となっている。
このような冷蔵庫Aにおいて,前記野菜室200以外の前記各室(冷蔵室100,製氷室300,冷凍室400)の冷却には,既に従来の技術で説明したように冷凍サイクルによって生成される冷気が用いられる。即ち,この冷蔵庫Aの場合も前記冷蔵庫Bの場合と同様に,冷却器10で生成された冷気を冷凍室400の背面をダクト(不図示)等で一旦冷蔵庫Bの中央付近(隔壁21の背面付近)に導き,その中央付近に設けられるファン31やダンパ32を用いて各室へ冷気を送風している。
しかしながら,野菜室200は前記冷蔵庫Bの野菜室200xとは異なる冷却構成となっている。本冷蔵庫Aにおける野菜室200の冷却構成の特徴は,前記冷却器10で生成された冷気を野菜室200内に直接送風することなく,野菜室200を囲う隔壁の外側(庫内側と反対側)或いは隔壁の内部に前記冷気を通す等によって隔壁を介した熱交換による冷却を行うことと,さらにこのような熱交換を行う隔壁の領域を極力広くとることによって野菜室200内と隔壁(隔壁外側を通る冷気)との温度差を小さくできるようにしていることである。以下,野菜室200について詳しく説明する。
【0010】
野菜室200は,その収容物を取り出すとき以外は,5つの隔壁と前面の扉220とに囲まれるよう構成されている。ここで,5つの隔壁は,製氷室300及び冷凍室400との間の隔壁22(冷蔵庫内方向の側壁)と,その反対側の隔壁210b(冷蔵庫外方向の側壁)と,前記冷蔵室100との間の隔壁21(天井側の隔壁)と,底側の隔壁210dと,背面側の隔壁210aとからなる。前述した従来の冷蔵庫Bと同様に,製氷室300及び冷凍室400が最も低い庫内温度に設定され,冷蔵室100が次に低い庫内温度に設定され,野菜室200が最も高い庫内温度に設定されている。
本冷蔵庫Aの野菜室200には,冷却器10で生成され冷蔵室100を経由してきた冷気を通過させる通風路の一例であるダクト201a,201b,201c,201dを,それぞれ背面側の隔壁210aの外側,冷蔵庫の外側の側壁210b(製氷室300及び冷凍室400と反対側の隔壁)の外側,扉220の内部,及び底側の隔壁210dの外側(下側)に設けている。本冷蔵庫Aでは,野菜室200を囲う隔壁210a,210b,扉220の内側板210c(以下,隔壁210cという),及び隔壁210dが,それぞれ前記ダクト201a,201b,201c,201dの一面を構成しているが,これらダクトの構成はこれに限るものではない。
これらダクト201a〜201dには,前記冷蔵庫Bの野菜室200xの場合とは異なり,野菜室200内に冷気を吹き出すための開口が設けられていないため,冷気は野菜室200内に流入しない構成となっている。本冷蔵庫Aでは,冷却器10で生成され冷蔵室100を経由してきた冷気は,図3〜図5に破線又は実線の矢印Rで示されるように,まず,背面側のダクト201aを通過し(図3,図4),次に前記冷蔵庫外方向の側壁のダクト201b(図3,図5),さらに,扉220内のダクト201c(図4,図5),最後に底側のダクト201d(図4,図5)を順次通過した後,不図示のダクト等を通って前記冷却器10に戻る。前記ダクト201a〜201dそれぞれには,その内部を通る冷気が上述した経路をたどるようにダクト間を繋ぐ開口が設けられている。また,回動可能な扉220内のダクト201cと前記冷蔵庫外方向の側壁のダクト201b及び底側のダクト201dとについては,例えば,扉220を閉じた状態でそれぞれに設けた開口どうしが合致するように構成することやフレキシブルチューブ等によって繋ぐよう構成すること等が考えられる。もちろん冷気の通過経路はこのような経路に限るものでなく,他の順序で通過させる或いは冷気を分岐させて並列的に通過させる等他の構成としてもかまわない。
このような構成により,前記ダクト201a〜201d内と野菜室200内とが隔壁210a〜210dを介して熱交換を行うことによって野菜室200が冷却されることになり,従来の冷蔵庫Bの場合とは異なり直接野菜室に冷気が吹き出されないため,野菜ケース202〜205が急冷されることによって野菜ケース202〜205が結露することを防止できる。さらに,隔壁と野菜ケースとの間に冷気を通風させる十分な空間を確保する必要もない。
【0011】
また,本冷蔵庫Aでは,天井側の隔壁21及び冷蔵庫内方向の隔壁22には冷気を通過させるダクトを設けていないが,これらの隔壁を介して隣接する冷蔵室100及び冷蔵室等400,300は,野菜室200よりも設定される庫内温度が低いため,冷気を通過させるダクトを設けなくても隔壁21,22を介して冷却されることになる。
従って,野菜室200は,これを囲う隔壁及び扉の6面から冷却(熱交換)されることとなり,このように熱交換を行う領域を広くとるとることによって,設定された庫内温度を維持するにあたって野菜室200内と隔壁(隔壁外側を通る冷気)との温度差を小さくすることができる。これにより,隔壁表面が結露することも防止でき,その結果,野菜室内に収納される生鮮野菜等の鮮度低下を最小限に抑えることが可能となる。この場合,野菜室200を囲う隔壁(扉の内側板含む)に高熱伝導性の材料を用いることで,より前記熱交換を効率良く行うことが可能となる。
【0012】
また,本冷蔵庫Aでは,野菜室200を囲う隔壁のうち,より低い庫内温度に設定される収納庫(冷蔵室100,冷凍室等400,300)との間の隔壁以外の全て(扉を含む)に冷気を通すダクトを設けているが,結露対策上問題ない範囲で,例えば,扉には設けない等,一部(1又は複数)の隔壁にのみ前記ダクトを設けたものであってもよい。
また,必要に応じて,野菜室200における他の収容庫(冷蔵室100,冷凍室等400,300)との間の隔壁のうち,設定される庫内温度が野菜室200に対して温度差の小さい(所定温度差以内である,例えば5℃以内等)収容庫(冷蔵室100等)との間の隔壁21内部にも冷気を通すダクトを設けることも考えられる。
【0013】
【実施例】
(第1の実施例)
前記冷蔵庫Aは,冷気を通すダクトを野菜室200を囲う隔壁の外側(又は内部)に設けることによって野菜室200を冷却するものであったが,冷気を通すダクトを設ける代わりに,伝熱板(伝熱部材の一例)を設けた第1の実施例である冷蔵庫A1について,図6〜図8を用いて以下に説明する。
図6〜図8は,それぞれ冷蔵庫A1の正断面図,側断面図,及び平断面図である。
図6〜図8に示すように,冷蔵庫A1には,前記冷却器10の位置から伸びて冷蔵庫A1の野菜室200の背面側の隔壁210aの外側の略全領域と,前記冷蔵庫外方向の側壁210b'(冷凍室400と反対側の隔壁)の内側の略全領域と,底側の隔壁210d'とに沿うように形成された伝熱板7が設けられている。該伝熱板7は,例えば金属(鉄等)製の板等の熱伝導性の高い材質からなり,その一部が前記冷却器10に近接することによってその全体が冷却され,野菜室200の背面側の隔壁210a,前記冷蔵庫外方向の側壁210b',及び底側の隔壁210d'に沿った部分での熱交換により野菜室200を冷却する。もちろん,前記伝熱板は,天井側の隔壁21や前面の扉220の内側面にも沿うように設けてもよい。ここで,各隔壁に伸びる前記伝熱板7は,必ずしも一体である必要はなく,複数の伝熱部材がそれぞれいずれかの部分で接触するよう構成し,該接触する部分を通じて伝熱するようにしたものであってもよい。また,必ずしも板状である必要もない。また,扉220の内側面にも前記伝熱板(前記伝熱部材の一例)を設ける場合は,前記冷却器10からの伝熱を受けるため,扉220を閉めた状態で,隔壁に設けた前記伝熱板7と接触するよう構成する必要がある。この場合,例えば,当接により接触する部分にテーパを形成する,或いは扉220のヒンジ部で回り対偶により連結される部分を多くする等によって極力接触面積を大きくとれるよう構成することが望ましい。
このような構成とすることにより,前記冷蔵庫Aと同様に,前記冷却器10で生成された冷気を野菜室200内に直接送風することなく,前記伝熱板7を介した熱交換による冷却を行えるので,野菜ケース202〜205が急冷されることにより生じる結露の防止と,隔壁と野菜ケースとの間の冷気を通風させる空間分の省スペース化とが図れる。
さらに,熱交換を行う前記伝熱板7の領域を極力広くとることによって野菜室200内と前記伝熱板7との温度差を小さくできるので,前記伝熱板7表面或いは隔壁表面が結露することも防止できる。その結果,野菜室内に収納される生鮮野菜等の鮮度低下を最小限に抑えることが可能となる。
また,異なる庫内温度に設定される複数の収容庫を有することや,設定される庫内温度にかかわらずに前記伝熱板7を冷蔵庫に適用したもの,例えば,冷蔵室100,冷凍室等400,300を囲う1又は複数の隔壁にも前記冷却器10から伸びる前記伝熱板7を設ければ,全体的に効率のよい冷却を行うことが可能となる。
【0014】
(第2の実施例)
前記冷蔵庫A1では,前記伝熱板7を野菜室200の背面側の隔壁210a及び前記冷蔵庫外方向の隔壁210bの略全領域に渡るように設けたものであったが,前記伝熱板7を,これを設ける隔壁の全領域のうちの一部の領域にのみ渡るよう設けたものであってもよい。このような構成とした第2の実施例である冷蔵庫A2の正断面図を図9に示す。
図9に示す冷蔵庫A2には,前記冷蔵庫A1における前記伝熱板7から,野菜室200の背面側の隔壁210aに沿って伸びた部分の上部の一部領域(図中,2点破線で囲んだ領域)を切り欠いた形状を有する伝熱板7'が設けられている(即ち,伝熱板7'は隔壁210aの全領域のうちの一部の領域にのみ渡るよう形成されている)。
このような構成とすることにより,前記伝熱板7'による伝熱面を減らした部分(冷蔵庫A2では,野菜室200の上部)の庫内温度が相対的に上がるので,野菜室200の庫内温度に温度分布をつくることができる。これにより,生鮮野菜の中でも,例えばジャガイモ等の根野菜のように他の野菜よりも保存適正温度が高いものは野菜室200の上段の野菜ケース202,203に,その他の野菜は下段の野菜ケース204,205に収納する等,同じ野菜室200の中でも,収納物の特性に応じて収納場所を使い分けることが可能となる。もちろん,図9に示した前記伝熱板7'の形状は一例であって,前記伝熱板7における野菜室200の下部の領域に渡る部分を切り欠いた形状とすることや,側壁210bに沿った部分の一部を切り欠いた形状とする等,前記伝熱板7'の形状としては各種形状が考えられる。図9に示した前記伝熱板7'の切り欠き部分において,段差をつけて切り欠いているのは,野菜室200の庫内温度分布を所望の分布とするためである。このような形状の前記伝熱板7'とすることも本発明に係る冷蔵庫の一例である。
また,本冷蔵庫A2と同様に,冷気を通すダクトを用いる前記冷蔵庫Aにおいて,該ダクトを設ける領域を隔壁の一部の領域とすることも考えられる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,野菜室等の収容庫(第1の収容庫)内が,これに隣接する設定庫内温度のより低い他の収容庫との間以外の隔壁に設けた冷気を通す通風路や冷却器から伸びる伝熱部材やこれと接触する伝熱部材との熱交換によって冷却され,直接野菜室に冷気が吹き出されないため,収容庫内のケース(野菜ケース等)が急冷されることによって結露することを防止できる。さらに,通風路や伝熱部材が設けられる隔壁や扉の領域,即ち,収容庫内との熱交換が行われる領域を極力広くとることにより,通風路(或いはその中を通る冷気)や伝熱部材と収容庫内との温度差を小さくできるので,隔壁表面や伝熱部材表面が結露することも防止できる。このように,冷気を直接吹き付けることなく,かつ収容庫内の結露を防止できる結果,収容物である生鮮野菜等の鮮度を長期間維持することが可能となる。
また,隔壁と収容庫内のケース(野菜ケース等)との間に冷気を通風させる十分な空間を確保する必要もないので高い収容効率を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の冷蔵庫Bの正断面図。
【図2】従来の冷蔵庫Bの側断面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る冷蔵庫Aの正断面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る冷蔵庫Aの側断面図。
【図5】本発明の実施の形態に係る冷蔵庫Aの平断面図。
【図6】本発明の実例例に係る冷蔵庫A1の正断面図。
【図7】本発明の実施例に係る冷蔵庫A1の側断面図。
【図8】本発明の実施例に係る冷蔵庫A1の平断面図。
【図9】本発明の実施例に係る冷蔵庫A2の正断面図。
【符号の説明】
7,7'…伝熱板(伝熱部材)
10…冷却器
21,22,23…隔壁
31…ファン
32…ダンパ
100…冷蔵室(第2の収容庫)
101…ダクト
102,2011,2012,2013,2014…開口
200…野菜室(第1の収容庫)
201,201a,201b,201c,201d…ダクト(通風路)
202,203,204,205…野菜ケース
210a,210b,210b',210c,210d,210d'…隔壁
220…扉
300…製氷室(第2の収容庫)
400…冷凍室(第2の収容庫)
Claims (5)
- 扉と隔壁に囲われ所定の庫内温度に設定される第1の収容庫と,該第1の収容庫に隣接配置され前記第1の収容庫よりも低い庫内温度に設定される1又は複数の第2の収容庫と,前記第1及び第2の収容庫を冷却する冷却器とを具備する冷蔵庫において,
前記第1の収容庫を囲う隔壁のうち前記第2の収容庫との間の隔壁以外の隔壁の一部に設けられ,前記冷却器により生成され前記第2の収容庫を経由してきた冷気を通過させるとともにその冷気が前記第1の収容庫内に流入しないよう構成された通風路と,
前記通風路の内側と前記第1の収容庫を囲う隔壁のうち当該冷蔵庫の外部に面する隔壁の内側に沿う部分とに伸びて形成された伝熱部材と,
を具備してなることを特徴とする冷蔵庫。 - 前記伝熱部材が,前記冷却器に近接する部分から前記通風路の内側の部分に伸び,さらにそこから当該冷蔵庫の外部に面する隔壁の内側に沿う部分に伸びて形成されてなる請求項1に記載の冷蔵庫。
- 扉と隔壁に囲われ所定の庫内温度に設定される第1の収容庫と,該第1の収容庫に隣接配置され前記第1の収容庫よりも低い庫内温度に設定される第2の収容庫と,前記第1及び第2の収容庫を冷却する冷却器とを具備する冷蔵庫において,
前記冷却器に近接する部分から,前記第1の収容庫を囲う隔壁のうち前記第2の収容庫との間の隔壁以外の隔壁の一部の外側の部分に伸び,さらにそこから当該冷蔵庫の外部に面する隔壁の内側に沿う部分に伸びて形成された伝熱部材を具備してなることを特徴とする冷蔵庫。 - 前記伝熱部材が,前記第1の収容庫を囲う隔壁のうち,設定される庫内温度が前記第1の収容庫に対して所定温度差以内である前記第2の収容庫との間の隔壁にも形成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 前記通風路又は前記伝熱部材が,これが設けられる前記第1の収容庫の隔壁又は前記扉それぞれの全領域のうちの一部にのみ設けられてなる請求項1〜4のいずれかに記載の冷蔵庫。
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