JP4082874B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写記録媒体に関し、より詳細には、熱感度がよく印字した画像が精細性などに優れ、かつアルコールやガソリンなどの溶剤に対して優れた耐性を持つ熱転写記録媒体に関する。また、本発明は、端面ヘッドプリンタによって印字したときに、特に優れた耐溶剤性を持つ熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、コンピューターやワードプロセッサーの出力プリントを熱転写方式によって印字する場合には、一般に基材上に熱転写インク層を設けた熱転写記録媒体が使用されている。
そして、熱転写記録媒体によって印字された印字画像には耐溶剤性が要求されるようになってきており、このような耐溶剤性を改善する提案がなされている。以下にその例を紹介する。
【0003】
<従来技術の例示>
特開平05−077561号公報(大日本印刷)
剥離層・保護層・インク層の3層からなる熱転写記録媒体で、インク層の少なくとも一部が融点100℃以上の酸化ポリエチレンワックスであり、他のバインダー(例えばポリエステル樹脂)と併用してもよい。
特開昭62−037189号公報(ゼネラル)
融点が60〜150℃のポリエチレン樹脂、融点が50〜110℃のワックス及び着色剤からインク層を構成しており、該ポリエチレン樹脂は水分散体またはエマルションであり、酸化ポリエチレン、酢酸ビニルが共重合されたポリエチレン及び有機酸が共重合されたポリエチレン等が使用できる。
特開平11−240259号公報(フジコピアン)
インク層中に融点が120℃以上のポリオレフィン系ワックスを70重量%以上含有する。
特開昭63−125390号公報(キヤノン)
平均分子量1300以上の酸化ポリエチレン微粒子の水分散体中にアルカノールアミンを添加して構成されている。
特許第3066320号公報(フジコピアン)
インク層中のワックス粒子の平均粒子径が0.05〜15μmであり、バインダー樹脂としてエポキシおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、また、ワックスとしてはポリエチレンワックス・酸化ポリエチレンワックスなど1種または2種以上が含まれる。
特開平08−337065号公報(フジコピアン)
インク層中のワックス粒子の平均粒子径は0.05〜15μmであり、バインダー樹脂がエポキシ樹脂であり、ワックスとしてポリエチレンワックス・酸化ポリエチレンワックスなどの1種または2種以上が使用される。
特許第2692330号公報(凸版印刷)
インク層中の樹脂バインダーがTg50〜110℃、分子量8000以上の高分子量樹脂と軟化点60〜150℃、分子量1000〜5000の低分子量樹脂の混合物から構成される。上記樹脂の具体例としてはポリエステル等が例示されている。
【0004】
<従来技術の問題点>
上記の従来技術は、次のような問題点を有している。
酸化ポリエチレンワックスを使用するのみでは、熱感度を向上させることはできても耐溶剤性に乏しくなる(特開平05−077561、特開昭63−125390)。
飽和ポリエステル樹脂以外のバインダー(例えばエポキシ樹脂)を用いると、特に耐アルコール性に乏しくなる(第3066320号・特開平08−337065)。
インク層に樹脂バインダーの入っていない場合や、ワックスの添加量が多すぎる場合など、樹脂バインダーが相対的に少なくなる場合は、転写された層の強度が低下し、耐スクラッチ性及び耐溶剤性が共に低下する(特開平11−240259・特開昭62−037189)。
融点の低いワックスを用いると、熱感度や画像精細性は良くなるものの、耐溶剤性が非常に低下する(特開昭62−037189)。
ワックスに代えて低分子量ポリエステル樹脂を用いた場合には、ワックスの持つ硬さや適度な滑性が得られにくいので、結果として耐溶剤性が悪くなる。また、ワックスを添加しない場合に比べると、剪断性が得られなくなり熱感度が低下する(第2692330号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の課題は、耐溶剤性に優れ、かつ熱感度・画像精細性に優れた印字画像を与えることができる熱転写記録媒体を提供することである。
本発明の第2の課題は、端面ヘッドプリンタにおいて印字した時に、熱感度・画像精細性に優れた印字画像を与え、特に耐溶剤性に優れた印字画像を与えることができる熱転写記録媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の目的は、基材上に離型層とインク層を設けた熱転写記録媒体において、該インク層が、メインバインダーとして飽和共重合ポリエステル樹脂を含むと共に、融点が120℃〜150℃のポリエチレンワックスと融点110℃〜150℃である酸化ポリエチレンワックスの2種類のワックスを、ワックスの総量がポリエステル樹脂に対して50wt%以下含むことによって達成されることを見出して本発明を完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、次に記載したような構成を有する。
(1)基材上に離型層とインク層とが順次設けられ、該インク層がバインダーとして、飽和共重合ポリエステル樹脂と融点が120℃〜150℃のポリエチレンワックスと融点110℃〜150℃である酸化ポリエチレンワックスとを含有しており、該ワックスの総量が該飽和共重合ポリエステル樹脂に対して5〜20wt%であることを特徴とする熱転写記録媒体。
(2)前記ポリエチレンワックスと前記酸化ポリエチレンワックスとの配合比率が20/80〜80/20であることを特徴とする上記(1)記載の熱転写記録媒体。
(3)前記ポリエチレンワックス及び前記酸化ポリエチレンワックスが粒子状で存在し、該粒子の平均粒径がインク層厚みの0.5〜8倍であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の熱転写記録媒体。
(4)前記飽和共重合ポリエステル樹脂の平均分子量が1000〜20000であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
(5)前記飽和共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が40℃〜85℃であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
(6)前記飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する2価カルボン酸がSO3Na基を有することを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
(7)前記飽和共重合ポリエステル樹脂を構成するグリコール成分のうちエチレングリコールの割合が50%以上であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
(8)端面ヘッドプリンタで印字することを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
【0008】
以下、本発明の構成及び効果について詳細に説明する。
本発明の熱転写記録媒体は、基材の一方の面に離型層及びインク層を順次形成してなり、離型層とインク層との間には耐溶剤性のための特別な中間層を設ける必要はない。
【0009】
本発明の熱転写記録媒体を構成する基材、離型層及びインク層のそれぞれについて以下説明する。
<基材について>
本発明で用いる基材としては従来の熱転写記録媒体に使用されている公知のフィルムや紙をそのまま使用すればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド等のように比較的耐熱性の良いプラスチックフィルム、セロハン、硫酸紙などが挙げられる。また、他に、ポリプロピレン、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム等のプラスチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。
【0010】
<インク層について>
インク層は、着色剤とバインダーとからなり、さらに必要に応じて適宜の添加剤を加えてもよい。
【0011】
(バインダー)
本発明においては、バインダー成分として、飽和共重合ポリエステル、ポリエチレンワックス及び酸化ポリエチレンワックスを使用する。本発明は上記のようにポリエチレンワックスと酸化ポリエチレンワックスとを併用する点に特徴があり、いずれか一方だけを使用してもその効果は発揮されない。
【0012】
ポリエチレンワックスとしては、融点が120℃〜150℃のものを使用する。融点が120℃未満のワックスを使うと、熱感度は良くなるものの、耐溶剤性が格段に低下する。また、融点が150℃を超えるものはサーマルヘッドの熱で十分に軟化しないので熱感度が悪くなる。
酸化ポリエチレンワックスとしては、融点が110℃〜150℃のもの、好ましくは融点が120℃以上のものを使用する。融点が110℃未満のワックスを使うと、耐溶剤性が悪くなり、融点が150℃を超えるものは熱感度が悪くなる。
【0013】
ポリエチレンワックスと酸化ポリエチレンワックスとの配合割合は、(ポリエチレン/酸化ポリエチレンワックス)比が、20/80〜80/20、好ましくは40/60〜60/40となるようにする。ポリエチレンワックスがこれより多くなると、耐溶剤性は良くなるが画像の精細性が悪くなる。また酸化ポリエチレンがこれより多くなると熱感度向上の効果はあるものの耐溶剤性、特に耐ガソリン性が悪くなる。2種類のワックスを同時併用することによって耐溶剤性と熱感度・画像精細性を両立させることができる。
【0014】
ポリエチレンワックス及び酸化ポリエチレンワックス以外のワックスでは、その融点が120℃以上でも耐溶剤性が良くならない。これはポリエチレン系ワックスが同じくバインダー樹脂として使用されるポリエステル樹脂とのなじみが良く、強固な塗膜を作るためであると考えられる。
【0015】
ワックスの添加量は、バインダー樹脂に対して50wt%以内であり、好ましくは5wt%〜20wt%である。ワックスの添加量がバインダー樹脂に対して50wt%を超えると、層の強度が弱くなり画像の耐久性に乏しくなり、また、ワックスが少な過ぎると熱感度及び画像精細性が低下するほか、耐溶剤性が悪くなる。
ワックスの粒子径がインク層厚の8倍を超えると、構成している粒子が大きすぎるため画像の精細性が悪くなり、粒子径がインク層厚の0.5倍未満ではワックスの剪断強度が弱くなるため耐溶剤性が悪くなる。
【0016】
インク層バインダーとして用いる飽和共重合ポリエステルのTg(ガラス転移温度)は40℃〜85℃の範囲とする。Tgが40℃未満では耐溶剤性が低下し、ブロッキングが発生しやすくなる。またTgが85℃を超えると特に画像の熱感度や精細性が低下する。
上記飽和共重合ポリエステルの分子量は1000〜20000の範囲が望ましい。1000未満では熱感度がよくなるものの、ガソリンに対する耐性が低下する。また、20000を超えるものは、特に端面ヘッドプリンタにおいて転写性が悪くなり、熱感度や精細性低下の原因となる。
【0017】
飽和共重合ポリエステルを構成するモノマーとしては、テレフタル酸・イソフタル酸・オルトフタル酸・アジピン酸・セバシン酸などの2価カルボン酸とエチレングリコール・プロパンジオール・ジエチレングリコール・ネオペンチルグリコール・ポリエチレングリコール・ビスフェノールAのエチレンオキサイト付加物などのグリコールそれぞれ1種または2種以上を共重合して得られるものを使うことができる。酸成分として親水基で変性したものは耐ガソリン性に優れ、グリコール成分としてエチレングリコールの比率が大きいポリエステル樹脂を用いることにより、さらに耐溶剤性が向上する。
【0018】
(着色剤)
着色剤としては、カーボンブラックなどの公知の着色顔料等が使用可能である。
また、アゾ系顔料、フタロシアニン顔料、ニトロ系顔料、アントラキノン系顔料、ニグロシン系顔料、キナクリドン顔料、ペリレン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チタンホワイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの各種有機、無機の顔料が使用できる。
なお、従来耐溶剤性を目的とした熱転写記録媒体は平面ヘッドプリンタ用として供するものが多く、端面ヘッドプリンタ用の同目的の熱転写記録媒体はガソリンや非イオン系界面活性剤などに弱いものがほとんどであったが。本発明の熱転写記録媒体は、端面ヘッドプリンタで印字したときにもこれらの溶剤に優れた耐性を持つことを特徴としている。もちろん、本発明の熱転写記録媒体は従来の平面ヘッドプリンタでも印字可能である。
【0019】
<離型層について>
離型層には、蜜ろう・鯨ろう・木ろう・米ぬかろう・カルナウバワックス・キャンデリラワックス・モンタンワックス等の天然ワックスパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス・酸化ワックス・エステルワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、マルガリン酸・ラウリン酸・ミリスチン酸・パルミチン酸・ステアリン酸・フロイン酸・べへニン酸等の高級飽和脂肪酸、ステアリルアルコール・べへニルアルコール等の高級飽和一価アルコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エステル、ステアリン酸アミド・オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミドなど汎用のワックスが利用できるほか、接着性を高めるためにエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体など公知の樹脂バインダーを使うこともできる。
【0020】
【実施例】
次に本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、文中で、「部」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0021】
<インク層形成用基体の調製>
厚さ4.5μmの基体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に耐熱滑性層を乾燥後の付着量が0.35g/m2となるように設け、もう一方の面に、離型層として次の組成からなる塗工液を乾燥後の厚さがほぼ1.0μmとなるように塗工し、乾燥した。
カルナウバワックス 9部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部
トルエン 70部
MEK 16部
【0022】
<着色剤の調製>
着色剤成分として、次の組成からなるカーボンブラック分散液を調製した。
カーボンブラック 14部
飽和共重合ポリエステル樹脂 20部
MEK 66部
【0023】
<実施例1>
ポリエチレンワックス(融点125℃) 5部
(クラリアント製PE130)
酸化ポリエチレンワックス(融点111℃) 5部
(クラリアント製PED136)
トルエン 45部
MEK 45部
をサンドミルで分散し粒径を約5μmとしたのち、この分散液を25部、カーボンブラック分散液を32部、飽和共重合ポリエステル樹脂(分子量8000、Tg66℃、SO3Na基変性テレフタル酸導入)20%MEK溶液43部を混合し、離型層の上に乾燥後の厚みがほぼ1.0μmとなるようにインク層を塗工し、熱転写記録媒体を作成した。
【0024】
<実施例2>
実施例1と同様のワックス分散液を10部、カーボンブラック分散液を32部、飽和共重合ポリエステル樹脂(実施例1と同一)20%MEK溶液58部を混合し、離型層の上に乾燥後の厚みがほぼ1.0μmとなるようにインク層を塗工し、熱転写記録媒体を作成した。
【0025】
<実施例3>
実施例1と同様のワックス液をサンドミルで分散し平均粒径を8μmとした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0026】
<実施例4>
実施例1の酸化ポリエチレンワックスを融点125℃のもの(クラリアント製PED191)にした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0027】
<実施例5>
実施例1の飽和共重合ポリエステル樹脂をSO3Naがなく、エチレングリコールがグリコール成分の75%を占めるものに変更した以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0028】
<実施例6>
実施例1の飽和共重合ポリエステル樹脂をTgが84℃もの(東洋紡製GK880)に変更した以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0029】
<実施例7>
実施例1の飽和共重合ポリエステル樹脂を分子量14000のものに変更した以外は実施例1と同様にした。
【0030】
<実施例8>
実施例1のワックス分散液の処方を
ポリエチレンワックス(融点125℃) 8部
酸化ポリエチレンワックス(融点111℃) 2部
トルエン 45部
MEK 45部
とした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0031】
<比較例1>
実施例1のワックス分散液を50部、カーボンブラック分散液を32部、飽和共重合ポリエステル樹脂20%MEK溶液18部を混合し、離型層の上に乾燥後の厚みがほぼ1.0μmとなるようにインク層を塗工し、熱転写記録媒体を作成した。
【0032】
<比較例2>
実施例1のワックス分散液について、酸化ポリエチレンワックスを含まず、ポリエチレンワックス10部とした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0033】
<比較例3>
実施例1のワックス液について、ポリエチレンワックスを含まず、酸化ポリエチレンワックス10部とした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0034】
<比較例4>
実施例1のワックス液をビスアマイドワックス(クラリアント製Ceridust9615A:融点140℃)10部とした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0035】
<比較例5>
実施例1のポリエチレンワックスを融点113℃のもの(東洋ペトロライト製PW-1000)にした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0036】
<比較例6>
実施例1の酸化ポリエチレンワックスを融点105℃のもの(三井化学製2203A)にした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0037】
<比較例7>
基材上に第一層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル製REF-150)を主とした層を乾燥後の厚みが0.2μmとなるように設け、その上にカルナウバワックスとスチレン−ブタジエンゴム(コニシ社製RI1)を主体とした離型層を乾燥後の厚みが1.0μmとなるように設け、さらにその上に着色顔料および、実施例1と同様の飽和共重合ポリエステル樹脂を主としたインク層を乾燥後の厚みが1.0μmとなるように設けた。
【0038】
<比較例8>
インク層として実施例1の飽和共重合ポリエステル樹脂の代わりにビニルフェニルケトンを用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0039】
<比較例9>
インク層として実施例1の飽和共重合ポリエステル樹脂の代わりにエポキシ樹脂(荒川化学製9201N)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0040】
実施例及1〜8及び比較例1〜6における、ポリエチレン/酸化ポリエチレン重量比、ワックスの融点及び粒子径、ワックス/樹脂重量比、樹脂のTgを表に示した。
表1のワックス/樹脂重量比(1)はカーボンブラック分散液中のポリエステル樹脂を除いた場合のワックス/樹脂重量比を示し、ワックス/樹脂重量比(2)はカーボンブラック分散液中のポリエステル樹脂を含めた場合のワックス/樹脂重量比を示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004082874
【0042】
<評価>
(評価手法)
上記の実施例および比較例により得られた熱転写記録媒体について、以下のような手法で評価を行った。プリンタとしては端面ヘッドで印字できる方式のものを用いた。
【0043】
印字条件
プリンタ:東芝TEC社製B−474・印字速度127mm/秒
受容紙:リンテック社製ラベルFR1411
【0044】
評価条件
(1)画像感度
熱転写画像の1ドット縦線が鮮明に印字される最小の印加エネルギーをB−474の印字トーンレベル(+0〜+10)で評価した。この数値が高いほど転写に必要なエネルギーが高いことを示す。また、この数値が低いほど熱感度がよいことを示す。
(2)画像精細性
熱転写画像の精細性を以下の基準で評価した。
4:転写画像にほとんど尾引きがない。
3:転写画像にやや尾引きが見られる。
2:転写画像にかなり尾引きが見られる。
1:転写画像の尾引きがひどく、判読できない。
(3)画像の耐溶剤性
熱転写画像を、エタノールまたはガソリンを含ませた綿布(かなきん3号)で100g/cm2の荷重をかけて画像を擦り、画像が欠けるまでの回数を測定した。
【0045】
(評価結果)
実施例及び比較例についての、画像感度、画像精細性、耐エタノール性及び耐ガソリン性についての評価は下記の表2に示すとおりであった。
表2によると、本件発明の実施例1〜8は、各評価項目について良好な結果を示しているのに対し、ワックス/樹脂比が本発明の範囲外である比較例1、ワックスを一種類しか使用していない比較例3、異なるワックスを使用している比較例4及びワックスの融点が本発明の範囲外である比較例5、6は、いずれも耐エタノール性及び耐ガソリン性が本発明の実施例よりも大きく劣っている。またワックスとしてポリエチレンワックスしか使用していない比較例2は、耐エタノール性及び耐ガソリン性においては優れるものの、画像感度及び画像精細性において本発明の実施例よりも大きく劣っている。更に、インク層にワックスを配合していない比較例7,インク層に飽和共重合ポリエステル樹脂を使用していない比較例8,9はいずれも耐溶剤性において不十分なものであった。
このことから、本発明の熱転写記録媒体は、画像感度、画像精細性、耐エタノール性及び耐ガソリン性のいずれにおいても優れた印字画像を与えることがわかる。
【0046】
【表2】
Figure 0004082874
【0047】
【発明の効果】
本発明の熱転写記録媒体を使用して印字することにより、印字された画像は、耐溶剤性に優れ、かつ熱感度・画像精細性に優れた印字画像を与える熱転写記録媒体を提供すること。

Claims (8)

  1. 基材上に離型層とインク層とが順次設けられ、該インク層がバインダーとして、飽和共重合ポリエステル樹脂と融点が120℃〜150℃のポリエチレンワックスと融点110℃〜150℃である酸化ポリエチレンワックスとを含有しており、該ワックスの総量が該飽和共重合ポリエステル樹脂に対して5〜20wt%であることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 前記ポリエチレンワックスと前記酸化ポリエチレンワックスとの配合比率が20/80〜80/20であることを特徴とする請求項1記載の熱転写記録媒体。
  3. 前記ポリエチレンワックス及び前記酸化ポリエチレンワックスが粒子状で存在し、該粒子の平均粒径がインク層厚みの0.5〜8倍であることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写記録媒体。
  4. 前記飽和共重合ポリエステル樹脂の平均分子量が1000〜20000であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
  5. 前記飽和共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が40℃〜85℃であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
  6. 前記飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する2価カルボン酸がSO3Na基を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
  7. 前記飽和共重合ポリエステル樹脂を構成するグリコール成分のうちエチレングリコールの割合が50%以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
  8. 端面ヘッドプリンタで印字することを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。
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