JP2002264527A - 熱転写記録媒体 - Google Patents
熱転写記録媒体Info
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Abstract
優れた印字画像を与える熱転写記録媒体を提供するこ
と。 【解決手段】 基材上に離型層とインク層を設けた熱転
写記録媒体において、該インク層が、メインバインダー
として飽和共重合ポリエステル樹脂を含むと共に、さら
に融点が120℃〜150℃のポリエチレンワックスと
融点110℃〜150℃である酸化ポリエチレンワック
スの2種類のワックスを、ワックスの総量がポリエステ
ル樹脂に対して50wt%以下含むようにする。
Description
し、より詳細には、熱感度がよく印字した画像が精細性
などに優れ、かつアルコールやガソリンなどの溶剤に対
して優れた耐性を持つ熱転写記録媒体に関する。また、
本発明は、端面ヘッドプリンタによって印字したとき
に、特に優れた耐溶剤性を持つ熱転写記録媒体に関す
る。
ーの出力プリントを熱転写方式によって印字する場合に
は、一般に基材上に熱転写インク層を設けた熱転写記録
媒体が使用されている。そして、熱転写記録媒体によっ
て印字された印字画像には耐溶剤性が要求されるように
なってきており、このような耐溶剤性を改善する提案が
なされている。以下にその例を紹介する。
体で、インク層の少なくとも一部が融点100℃以上の
酸化ポリエチレンワックスであり、他のバインダー(例
えばポリエステル樹脂)と併用してもよい。特開昭62−037189号公報 (ゼネラル) 融点が60〜150℃のポリエチレン樹脂、融点が50
〜110℃のワックス及び着色剤からインク層を構成し
ており、該ポリエチレン樹脂は水分散体またはエマルシ
ョンであり、酸化ポリエチレン、酢酸ビニルが共重合さ
れたポリエチレン及び有機酸が共重合されたポリエチレ
ン等が使用できる。特開平11−240259号公報 (フジコピアン) インク層中に融点が120℃以上のポリオレフィン系ワ
ックスを70重量%以上含有する。特開昭63−125390号公報 (キヤノン) 平均分子量1300以上の酸化ポリエチレン微粒子の水
分散体中にアルカノールアミンを添加して構成されてい
る。特許第3066320号公報 (フジコピアン) インク層中のワックス粒子の平均粒子径が0.05〜1
5μmであり、バインダー樹脂としてエポキシおよび塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、また、ワックスとし
てはポリエチレンワックス・酸化ポリエチレンワックス
など1種または2種以上が含まれる。特開平08−337065号公報 (フジコピアン) インク層中のワックス粒子の平均粒子径は0.05〜1
5μmであり、バインダー樹脂がエポキシ樹脂であり、
ワックスとしてポリエチレンワックス・酸化ポリエチレ
ンワックスなどの1種または2種以上が使用される。特許第2692330号公報 (凸版印刷) インク層中の樹脂バインダーがTg50〜110℃、分
子量8000以上の高分子量樹脂と軟化点60〜150
℃、分子量1000〜5000の低分子量樹脂の混合物
から構成される。上記樹脂の具体例としてはポリエステ
ル等が例示されている。
次のような問題点を有している。酸化ポリエチレンワッ
クスを使用するのみでは、熱感度を向上させることはで
きても耐溶剤性に乏しくなる(特開平05−07756
1、特開昭63−125390)。飽和ポリエステル樹
脂以外のバインダー(例えばエポキシ樹脂)を用いる
と、特に耐アルコール性に乏しくなる(第306632
0号・特開平08−337065)。インク層に樹脂バ
インダーの入っていない場合や、ワックスの添加量が多
すぎる場合など、樹脂バインダーが相対的に少なくなる
場合は、転写された層の強度が低下し、耐スクラッチ性
及び耐溶剤性が共に低下する(特開平11−24025
9・特開昭62−037189)。融点の低いワックス
を用いると、熱感度や画像精細性は良くなるものの、耐
溶剤性が非常に低下する(特開昭62−03718
9)。ワックスに代えて低分子量ポリエステル樹脂を用
いた場合には、ワックスの持つ硬さや適度な滑性が得ら
れにくいので、結果として耐溶剤性が悪くなる。また、
ワックスを添加しない場合に比べると、剪断性が得られ
なくなり熱感度が低下する(第2692330号)。
は、耐溶剤性に優れ、かつ熱感度・画像精細性に優れた
印字画像を与えることができる熱転写記録媒体を提供す
ることである。本発明の第2の課題は、端面ヘッドプリ
ンタにおいて印字した時に、熱感度・画像精細性に優れ
た印字画像を与え、特に耐溶剤性に優れた印字画像を与
えることができる熱転写記録媒体を提供することであ
る。
的は、基材上に離型層とインク層を設けた熱転写記録媒
体において、該インク層が、メインバインダーとして飽
和共重合ポリエステル樹脂を含むと共に、融点が120
℃〜150℃のポリエチレンワックスと融点110℃〜
150℃である酸化ポリエチレンワックスの2種類のワ
ックスを、ワックスの総量がポリエステル樹脂に対して
50wt%以下含むことによって達成されることを見出
して本発明を完成したものである。
構成を有する。 (1)基材上に離型層とインク層とが順次設けられ、該
インク層がバインダーとして、飽和共重合ポリエステル
樹脂と融点が120℃〜150℃のポリエチレンワック
スと融点110℃〜150℃である酸化ポリエチレンワ
ックスとを含有しており、該ワックスの総量が該飽和共
重合ポリエステル樹脂に対して50wt%以下であるこ
とを特徴とする熱転写記録媒体。 (2)前記ポリエチレンワックスと前記酸化ポリエチレ
ンワックスとの配合比率が20/80〜80/20であ
ることを特徴とする上記(1)記載の熱転写記録媒体。 (3)前記ポリエチレンワックス及び前記酸化ポリエチ
レンワックスが粒子状で存在し、該粒子の平均粒径がイ
ンク層厚みの0.5〜8倍であることを特徴とする上記
(1)または(2)記載の熱転写記録媒体。 (4)前記飽和共重合ポリエステル樹脂の平均分子量が
1000〜20000であることを特徴とする上記
(1)〜(3)の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。 (5)前記飽和共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温
度(Tg)が40℃〜85℃であることを特徴とする上
記(1)〜(4)の何れか一つに記載の熱転写記録媒
体。 (6)前記飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する2価
カルボン酸がSO3Na基を有することを特徴とする上
記(1)〜(5)の何れか一つに記載の熱転写記録媒
体。 (7)前記飽和共重合ポリエステル樹脂を構成するグリ
コール成分のうちエチレングリコールの割合が50%以
上であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか
一つに記載の熱転写記録媒体。 (8)端面ヘッドプリンタで印字することを特徴とする
上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の熱転写記録媒
体。
に説明する。本発明の熱転写記録媒体は、基材の一方の
面に離型層及びインク層を順次形成してなり、離型層と
インク層との間には耐溶剤性のための特別な中間層を設
ける必要はない。
離型層及びインク層のそれぞれについて以下説明する。 <基材について>本発明で用いる基材としては従来の熱
転写記録媒体に使用されている公知のフィルムや紙をそ
のまま使用すればよい。例えば、ポリエチレンテレフタ
レートのようなポリエステル、ポリカーボネート、トリ
アセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド等のように
比較的耐熱性の良いプラスチックフィルム、セロハン、
硫酸紙などが挙げられる。また、他に、ポリプロピレ
ン、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ
ール、フッ素樹脂、塩化ゴム等のプラスチックフィル
ム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等
が挙げられる。
とバインダーとからなり、さらに必要に応じて適宜の添
加剤を加えてもよい。
ダー成分として、飽和共重合ポリエステル、ポリエチレ
ンワックス及び酸化ポリエチレンワックスを使用する。
本発明は上記のようにポリエチレンワックスと酸化ポリ
エチレンワックスとを併用する点に特徴があり、いずれ
か一方だけを使用してもその効果は発揮されない。
20℃〜150℃のものを使用する。融点が120℃未
満のワックスを使うと、熱感度は良くなるものの、耐溶
剤性が格段に低下する。また、融点が150℃を超える
ものはサーマルヘッドの熱で十分に軟化しないので熱感
度が悪くなる。酸化ポリエチレンワックスとしては、融
点が110℃〜150℃のもの、好ましくは融点が12
0℃以上のものを使用する。融点が110℃未満のワッ
クスを使うと、耐溶剤性が悪くなり、融点が150℃を
超えるものは熱感度が悪くなる。
ワックスとの配合割合は、(ポリエチレン/酸化ポリエ
チレンワックス)比が、20/80〜80/20、好ま
しくは40/60〜60/40となるようにする。ポリ
エチレンワックスがこれより多くなると、耐溶剤性は良
くなるが画像の精細性が悪くなる。また酸化ポリエチレ
ンがこれより多くなると熱感度向上の効果はあるものの
耐溶剤性、特に耐ガソリン性が悪くなる。2種類のワッ
クスを同時併用することによって耐溶剤性と熱感度・画
像精細性を両立させることができる。
ンワックス以外のワックスでは、その融点が120℃以
上でも耐溶剤性が良くならない。これはポリエチレン系
ワックスが同じくバインダー樹脂として使用されるポリ
エステル樹脂とのなじみが良く、強固な塗膜を作るため
であると考えられる。
して50wt%以内であり、好ましくは5wt%〜20
wt%である。ワックスの添加量がバインダー樹脂に対
して50wt%を超えると、層の強度が弱くなり画像の
耐久性に乏しくなり、また、ワックスが少な過ぎると熱
感度及び画像精細性が低下するほか、耐溶剤性が悪くな
る。ワックスの粒子径がインク層厚の8倍を超えると、
構成している粒子が大きすぎるため画像の精細性が悪く
なり、粒子径がインク層厚の0.5倍未満ではワックス
の剪断強度が弱くなるため耐溶剤性が悪くなる。
合ポリエステルのTg(ガラス転移温度)は40℃〜8
5℃の範囲とする。Tgが40℃未満では耐溶剤性が低
下し、ブロッキングが発生しやすくなる。またTgが8
5℃を超えると特に画像の熱感度や精細性が低下する。
上記飽和共重合ポリエステルの分子量は1000〜20
000の範囲が望ましい。1000未満では熱感度がよ
くなるものの、ガソリンに対する耐性が低下する。ま
た、20000を超えるものは、特に端面ヘッドプリン
タにおいて転写性が悪くなり、熱感度や精細性低下の原
因となる。
ーとしては、テレフタル酸・イソフタル酸・オルトフタ
ル酸・アジピン酸・セバシン酸などの2価カルボン酸と
エチレングリコール・プロパンジオール・ジエチレング
リコール・ネオペンチルグリコール・ポリエチレングリ
コール・ビスフェノールAのエチレンオキサイト付加物
などのグリコールそれぞれ1種または2種以上を共重合
して得られるものを使うことができる。酸成分として親
水基で変性したものは耐ガソリン性に優れ、グリコール
成分としてエチレングリコールの比率が大きいポリエス
テル樹脂を用いることにより、さらに耐溶剤性が向上す
る。
ックなどの公知の着色顔料等が使用可能である。また、
アゾ系顔料、フタロシアニン顔料、ニトロ系顔料、アン
トラキノン系顔料、ニグロシン系顔料、キナクリドン顔
料、ペリレン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、チタンホワイト、炭酸カルシウム、硫酸
バリウムなどの各種有機、無機の顔料が使用できる。な
お、従来耐溶剤性を目的とした熱転写記録媒体は平面ヘ
ッドプリンタ用として供するものが多く、端面ヘッドプ
リンタ用の同目的の熱転写記録媒体はガソリンや非イオ
ン系界面活性剤などに弱いものがほとんどであったが。
本発明の熱転写記録媒体は、端面ヘッドプリンタで印字
したときにもこれらの溶剤に優れた耐性を持つことを特
徴としている。もちろん、本発明の熱転写記録媒体は従
来の平面ヘッドプリンタでも印字可能である。
鯨ろう・木ろう・米ぬかろう・カルナウバワックス・キ
ャンデリラワックス・モンタンワックス等の天然ワック
スパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス
・酸化ワックス・エステルワックス、ポリエチレンワッ
クス等の合成ワックス、マルガリン酸・ラウリン酸・ミ
リスチン酸・パルミチン酸・ステアリン酸・フロイン酸
・べへニン酸等の高級飽和脂肪酸、ステアリルアルコー
ル・べへニルアルコール等の高級飽和一価アルコール、
ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エステル、ステア
リン酸アミド・オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド
など汎用のワックスが利用できるほか、接着性を高める
ためにエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−エチ
ルアクリレート共重合体など公知の樹脂バインダーを使
うこともできる。
明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。なお、文中で、「部」とあるのは
特に断りのない限り重量基準である。
μmの基体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の
片面に耐熱滑性層を乾燥後の付着量が0.35g/m2
となるように設け、もう一方の面に、離型層として次の
組成からなる塗工液を乾燥後の厚さがほぼ1.0μmと
なるように塗工し、乾燥した。 カルナウバワックス 9部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部 トルエン 70部 MEK 16部
組成からなるカーボンブラック分散液を調製した。 カーボンブラック 14部 飽和共重合ポリエステル樹脂 20部 MEK 66部
分散液を25部、カーボンブラック分散液を32部、飽
和共重合ポリエステル樹脂(分子量8000、Tg66
℃、SO3Na基変性テレフタル酸導入)20%MEK
溶液43部を混合し、離型層の上に乾燥後の厚みがほぼ
1.0μmとなるようにインク層を塗工し、熱転写記録
媒体を作成した。
散液を10部、カーボンブラック分散液を32部、飽和
共重合ポリエステル樹脂(実施例1と同一)20%ME
K溶液58部を混合し、離型層の上に乾燥後の厚みがほ
ぼ1.0μmとなるようにインク層を塗工し、熱転写記
録媒体を作成した。
をサンドミルで分散し平均粒径を8μmとした以外は実
施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
ワックスを融点125℃のもの(クラリアント製PED
191)にした以外は実施例1と同様にして熱転写記録
媒体を作成した。
ステル樹脂をSO3Naがなく、エチレングリコールが
グリコール成分の75%を占めるものに変更した以外は
実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
ステル樹脂をTgが84℃もの(東洋紡製GK880)
に変更した以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体
を作成した。
ステル樹脂を分子量14000のものに変更した以外は
実施例1と同様にした。
処方を ポリエチレンワックス(融点125℃) 8部 酸化ポリエチレンワックス(融点111℃) 2部 トルエン 45部 MEK 45部 とした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作
成した。
50部、カーボンブラック分散液を32部、飽和共重合
ポリエステル樹脂20%MEK溶液18部を混合し、離
型層の上に乾燥後の厚みがほぼ1.0μmとなるように
インク層を塗工し、熱転写記録媒体を作成した。
ついて、酸化ポリエチレンワックスを含まず、ポリエチ
レンワックス10部とした以外は実施例1と同様にして
熱転写記録媒体を作成した。
て、ポリエチレンワックスを含まず、酸化ポリエチレン
ワックス10部とした以外は実施例1と同様にして熱転
写記録媒体を作成した。
アマイドワックス(クラリアント製Ceridust9615A:融
点140℃)10部とした以外は実施例1と同様にして
熱転写記録媒体を作成した。
クスを融点113℃のもの(東洋ペトロライト製PW-100
0)にした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体
を作成した。
ワックスを融点105℃のもの(三井化学製2203A)にし
た以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成し
た。
ン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル製
REF-150)を主とした層を乾燥後の厚みが0.2μmと
なるように設け、その上にカルナウバワックスとスチレ
ン−ブタジエンゴム(コニシ社製RI1)を主体とした離
型層を乾燥後の厚みが1.0μmとなるように設け、さ
らにその上に着色顔料および、実施例1と同様の飽和共
重合ポリエステル樹脂を主としたインク層を乾燥後の厚
みが1.0μmとなるように設けた。
和共重合ポリエステル樹脂の代わりにビニルフェニルケ
トンを用いた以外は、実施例1と同様にした。
和共重合ポリエステル樹脂の代わりにエポキシ樹脂(荒
川化学製9201N)を用いた以外は、実施例1と同様
にした。
る、ポリエチレン/酸化ポリエチレン重量比、ワックス
の融点及び粒子径、ワックス/樹脂重量比、樹脂のTg
を表に示した。
熱転写記録媒体について、以下のような手法で評価を行
った。プリンタとしては端面ヘッドで印字できる方式の
ものを用いた。
mm/秒 受容紙:リンテック社製ラベルFR1411
加エネルギーをB−474の印字トーンレベル(+0〜
+10)で評価した。この数値が高いほど転写に必要な
エネルギーが高いことを示す。また、この数値が低いほ
ど熱感度がよいことを示す。 (2)画像精細性 熱転写画像の精細性を以下の基準で評価した。 4:転写画像にほとんど尾引きがない。 3:転写画像にやや尾引きが見られる。 2:転写画像にかなり尾引きが見られる。 1:転写画像の尾引きがひどく、判読できない。 (3)画像の耐溶剤性 熱転写画像を、エタノールまたはガソリンを含ませた綿
布(かなきん3号)で100g/cm2の荷重をかけて
画像を擦り、画像が欠けるまでの回数を測定した。
の、画像感度、画像精細性、耐エタノール性及び耐ガソ
リン性についての評価は下記の表2に示すとおりであっ
た。表2によると、本件発明の実施例1〜8は、各評価
項目について良好な結果を示しているのに対し、ワック
ス/樹脂比が本発明の範囲外である比較例1、ワックス
を一種類しか使用していない比較例3、異なるワックス
を使用している比較例4及びワックスの融点が本発明の
範囲外である比較例5、6は、いずれも耐エタノール性
及び耐ガソリン性が本発明の実施例よりも大きく劣って
いる。またワックスとしてポリエチレンワックスしか使
用していない比較例2は、耐エタノール性及び耐ガソリ
ン性においては優れるものの、画像感度及び画像精細性
において本発明の実施例よりも大きく劣っている。更
に、インク層にワックスを配合していない比較例7,イ
ンク層に飽和共重合ポリエステル樹脂を使用していない
比較例8,9はいずれも耐溶剤性において不十分なもの
であった。このことから、本発明の熱転写記録媒体は、
画像感度、画像精細性、耐エタノール性及び耐ガソリン
性のいずれにおいても優れた印字画像を与えることがわ
かる。
することにより、印字された画像は、耐溶剤性に優れ、
かつ熱感度・画像精細性に優れた印字画像を与える熱転
写記録媒体を提供すること。
Claims (8)
- 【請求項1】 基材上に離型層とインク層とが順次設け
られ、該インク層がバインダーとして、飽和共重合ポリ
エステル樹脂と融点が120℃〜150℃のポリエチレ
ンワックスと融点110℃〜150℃である酸化ポリエ
チレンワックスとを含有しており、該ワックスの総量が
該飽和共重合ポリエステル樹脂に対して50wt%以下
であることを特徴とする熱転写記録媒体。 - 【請求項2】 前記ポリエチレンワックスと前記酸化ポ
リエチレンワックスとの配合比率が20/80〜80/
20であることを特徴とする請求項1記載の熱転写記録
媒体。 - 【請求項3】 前記ポリエチレンワックス及び前記酸化
ポリエチレンワックスが粒子状で存在し、該粒子の平均
粒径がインク層厚みの0.5〜8倍であることを特徴と
する請求項1または2記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項4】 前記飽和共重合ポリエステル樹脂の平均
分子量が1000〜20000であることを特徴とする
請求項1〜3の何れか一つに記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項5】 前記飽和共重合ポリエステル樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)が40℃〜85℃であることを特徴
とする請求項1〜4の何れか一つに記載の熱転写記録媒
体。 - 【請求項6】 前記飽和共重合ポリエステル樹脂を構成
する2価カルボン酸がSO3Na基を有することを特徴
とする請求項1〜5の何れか一つに記載の熱転写記録媒
体。 - 【請求項7】 前記飽和共重合ポリエステル樹脂を構成
するグリコール成分のうちエチレングリコールの割合が
50%以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れ
か一つに記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項8】 端面ヘッドプリンタで印字することを特
徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の熱転写記録
媒体。
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