JP4080304B2 - 排気ガス浄化用触媒担体及びその製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒担体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Fe−Cr−Al系ステンレス鋼箔を積層したハニカム体を用いてなる排気ガス浄化用触媒担体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気ガスを浄化する目的で、排気ガス経路に触媒を担持した触媒担体が配置される。排気ガス浄化用触媒担体は、ガスが通過する多数のセルを有し、各セルの壁面には触媒がコーティングされ、通過するガスと触媒とが広い接触面積で接触することが可能になっている。
【0003】
これらの目的で用いられる触媒担体としては、セラミックス触媒担体とメタル触媒担体とがある。メタル触媒担体は、耐熱合金を用いた厚み数十μmの平箔と波箔とを交互に巻き回し、あるいは積層することによって円筒形のメタルハニカム体とし、このメタルハニカム体を円筒形の金属製の外筒に装入してメタル担体とする。このメタル担体のガス通路となるハニカム体のセルの金属箔の表面に触媒をしみ込ませた触媒担持層を形成し、触媒担体とする。平箔と波箔とを巻き回し積層したハニカム体の該平箔と波箔との接触部は、ロウ付け等の手段によって接合し、ハニカム体を強度のある構造体とする。
【0004】
自動車の排気ガス浄化用の触媒担体は、長期にわたり高温の排気ガスにさらされ、またこれらが数十μmの厚さの金属箔で構成されるため、この金属箔に長期にわたり十分な耐酸化性を付与する必要がある。CrとAlを含有するステンレス鋼は耐酸化性が優れているので、触媒担体用のハニカム体にはFe−Cr−Al系ステンレス鋼箔が用いられている。ステンレス鋼箔中のCrとAlの含有量が高いほど箔の耐酸化性が向上する。箔の厚みが薄くなるほど、箔中に保有されるCr、Alの絶対量が少なくなるため耐酸化性が劣化するので、薄い箔を利用する場合ほどステンレス鋼中のCr、Al含有量を増大する必要がある。一方、鋼板中のAl含有量が6%を超えると熱間圧延が困難となるので、鋼板中のAl含有量をこれ以上に増大することは難しい。
【0005】
特許文献1においては、Fe−Cr−Al系ステンレス鋼板の表面にAlをメッキし、この鋼板を箔に圧延し、箔を用いてメタル担体を形成し、このメタル担体を加熱処理して表面にメッキしたAlを箔中に拡散させる方法が開示されている。これにより、厚みが極めて薄い箔を用いて触媒担体を形成する場合においても、耐酸化性を保持するに足りるAl含有量を有し、一方では鋼板段階での含有Al量を抑えることによって鋼板の良好な圧延を可能にしている。
【0006】
【特許文献1】
特公平4−51225号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
厚みが30μm以下となるような薄ステンレス鋼箔を用いた排気ガス触媒担体においては、長期にわたり高温の排気ガスにさらされるステンレス鋼箔の寿命を維持するためには、ステンレス鋼箔中のAl含有量が6%を超えるような高い値とすることが必要となる。一方、ステンレス鋼箔中のAl含有量が高くなると、箔の熱膨張係数が増大する。
【0008】
排気ガス浄化処理中の触媒担体においては、半径方向の中心の温度が高く周辺の温度が低いという温度勾配を有している。また、軸方向では排気ガス入側端部の温度が高く、出側に行くほど温度が低くなるという温度勾配も有している。触媒担体の熱膨張は、このような温度勾配に起因して熱膨張差が生じ、その結果として触媒担体の内部には熱応力が働くこととなる。上記のように、ステンレス鋼箔中のAl含有量が高くなると、箔の熱膨張係数が増大するので、Al含有量の高いステンレス鋼箔を用いた触媒担体は処理中における熱応力も増大することとなる。このため、ステンレス鋼箔中のAl含有量を増大すると、触媒担体の耐酸化性は向上するものの、熱応力に起因する劣化が表面化し、触媒担体の寿命を十分には向上することができなくなる。
【0009】
本発明は、Fe−Cr−Al系ステンレス鋼箔を積層したハニカム体を用いてなる排気ガス浄化用触媒担体において、ステンレス鋼箔の耐酸化性を向上するとともに熱応力を低減することのできる触媒担体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
排気ガス浄化用の触媒担体を用いて排気ガスの浄化を行う際において、触媒担体自体の温度は担体の部位毎に大きく変化する。最も温度が高くなるのは、触媒反応が最も急激に行われる排気ガスの入側端面である。触媒担体の軸方向においては、排気ガスの出側に近くなるほど触媒反応の程度が減少し、触媒担体の温度も低くなる。従って、ハニカム体のうちで最も優れた耐酸化性を必要とするのは触媒担体の排気ガス入側部分である。
【0011】
本発明は、上記の点に着目し、排気ガス入側と排気ガス出側との間で該ハニカム体を構成するステンレス鋼箔中に含有するAl含有量が異なることとすることによってこの問題を解決した。即ち、触媒担体のうちで最も温度が高くなる排気ガス入側については触媒担体のハニカム体を構成するステンレス鋼箔中のAl含有量を高くし、これによって排気ガス入側の高温部分について十分な耐酸化性を実現することができる。一方、排気ガス出側については、入側に比較して温度が低くなり、耐酸化性を確保するための所要Al含有量が少なくなるので、この部分のステンレス鋼箔中のAl含有量を入側に比べて低くした。Al含有量が低くなるとステンレス鋼箔の熱膨張率が低減する。そのため、ハニカム体にかかる熱応力を低減することができ、熱応力に起因するハニカム体の劣化を防止して触媒担体の寿命を大幅に延長することが可能になる。
【0012】
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)Fe−Cr−Al系ステンレス鋼箔を積層したハニカム体を用いてなる排気ガス浄化用触媒担体であって、排気ガス入側と排気ガス出側との間で該ハニカム体を構成するステンレス鋼箔中に含有するAl含有量が、排気ガス入側が排気ガス出側よりも高い含有量であり、前記Al含有量が質量%で、排気ガス入側の端部において11%以上25%以下、排気ガス出側の端部において3%以上入側端部未満であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒担体。
(2)前記Al含有量が質量で、前記排ガス出側の端部において3%以上7%以下であることを特徴とする(1)記載の排気ガス浄化用触媒担体。
(3)ハニカム体を構成するステンレス鋼箔表面に、Al粉末を含有するペイントを塗布する工程と、前記ペイントを塗布したハニカム体を遠心分離あるいはエアーブローによって排気ガス出側から入側に向けて余剰ペイントを除去する工程と、前記余剰ペイントを除去したハニカム体を600℃以上で焼成する工程と、を含み、ハニカム体を構成するステンレス鋼箔中に含有するAl含有量を、排気ガス入側が排気ガス出側よりも高い含有量とすることを特徴とする排気ガス浄化用触媒担体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
ステンレス鋼箔を積層したハニカム体は、ステンレス鋼箔からなる平箔と、該平箔をコルゲート加工した波箔とを重ねて巻き回し、あるいは交互に積層することによって形成される。平箔と波箔との接触部については、その一部又は全部をろう付け接合する。こうして形成したハニカム体を同じくステンレス鋼製の外筒に装入し、ハニカム体と外筒との接触部についても、その一部又は全部をろう付け接合し、メタル担体とする。このメタル担体のガス通路となるハニカム体のセルの金属箔の表面に触媒をしみ込ませた触媒担持層を形成し、触媒担体とする。
【0014】
このようにして製造した触媒担体を内燃機関の排気ガス浄化用触媒担体として用いた場合、特にエンジン直下に使用される場合、触媒担体の排気ガス入側においては、触媒担体の温度は1100℃程度まで上昇する。このような高温雰囲気において長期にわたるハニカム体寿命を実現するためには、ハニカム体を形成するFe−Cr−Al系ステンレス鋼箔中のAl含有量は7質量%以上25質量%以下とすると好ましい。Al含有量を7質量%以上とするのは、それ未満だと十分な耐酸化性が得られず、25質量%以下とするのはこれを超えると箔が脆化し、破壊しやすくなるからである。尚、本発明ではAl含有量の下限を、上記記載の範囲内で実施例に基づいて11質量%とした。
【0015】
一方、触媒担体の排気ガス出側においては、触媒担体の温度はせいぜい1000℃程度までしか上昇しない。このような温度であれば、ハニカム体を形成するFe−Cr−Al系ステンレス鋼箔中のAl含有量は3質量%以上入側端部未満とすれば十分な耐酸化性を確保することができる。そして、Al含有量を下げた結果として、排気ガス出側におけるステンレス鋼箔の熱膨張係数を低下させることができる。Al含有量を3質量%以上とするのは排ガス出側といえども耐酸化性を確保しておく必要があるからであり、入側端部未満とするのは、これを超えると熱膨張係数が大きくなりすぎハニカム体が破壊しやすくなるからである。
【0016】
排気ガス浄化を行っている際における触媒担体の半径方向温度分布は、中心部の温度が高く、外周部の温度が低くなる温度分布を有している。排気ガスの流量分布に半径方向の不均一が生じやすく、中心部については排気ガスの流量が多く、そのために中心部は触媒反応が活発に進んで温度が上昇する。一方、周辺部においては排気ガスの流量が比較的に少ないと同時に、外筒を通じて外部に熱が流出するため、外周部の温度は中心部に比較して低くなる。次に、触媒担体の軸方向における触媒担体の熱膨張に着目すると、半径方向の温度分布に起因して軸方向熱膨張量は半径方向に不均一となり、中心部の熱膨張量は大きく、周辺部の熱膨張量は小さくなる。半径方向のこのような熱膨張量の不均一に起因し、触媒担体には熱応力が発生する。従来の、ハニカム体全体について高いAl含有量を有する触媒担体においては、Al含有量が高いために熱膨張率が大きく、従って温度不均一に起因する熱応力も大きな値となり、結果として熱応力に起因してハニカム体が破損することがあった。
【0017】
本発明においては、前述の通り排気ガス出側におけるステンレス鋼箔中のAl含有量を低い値としているので、ハニカム体全体としてみたときの熱膨張率が低くなり、熱応力の値を小さくすることができる。その結果、温度不均一に基づく熱応力に起因したハニカム体の破損を防止することが可能になる。
【0018】
ハニカム体軸方向におけるAl含有量の分布は、排気ガス入側から排気ガス出側にかけてAl含有量が直線的に変化するようにしてもよく、あるいは排気ガス入側から排気ガス出側にかけてAl含有量が曲線的に変化するようにしても良い。また、排気ガス入側端面付近のみを高Al含有量としてもよい。さらに、排気ガス入側から排気ガス出側にかけてAl含有量がステップ的に変化するようにしても良い。ステップ的に変化させるに際しては、2段階、あるいは3段階、さらにはそれ以上の段階で変化させることができる。2段階で変化させる場合においては、Al含有量がステップ的に変化する場所は、触媒担体の軸方向長さを100%とし、排気ガス入側から1%〜50%の位置とすると良い。
【0019】
ハニカム体を形成する前におけるステンレス鋼箔中のAl含有量は、触媒担体として使用する際におけるハニカム体のAl含有量のうちの最も低いAl含有量部分の値よりも低い値とする。さらに、鋼板中のAl含有量が6.5%を超えると圧延のパス回数が増える等、量産が困難になるので、ハニカム体を形成する前におけるステンレス鋼箔中のAl含有量は6.5%以下とすると好ましい。
【0020】
排気ガス入側と排気ガス出側との間で該ハニカム体を構成するステンレス鋼箔中に含有するAl含有量を異ならせる手段としては、ハニカム体形成後のステンレス鋼箔の表面にAlを付着させ、Al付着量を排気ガス入側と排気ガス出側とで異ならせることによって行うことができる。Al付着後にハニカム体を焼成すれば、付着したAlが溶融してステンレス鋼箔中に拡散し、ステンレス鋼箔のAl含有量が増大する。そして、部位別のAl付着量の差異に応じてステンレス鋼箔中のAl含有量の差を形成することができる。
【0021】
ステンレス鋼箔表面にAlを付着させる手段としては、箔表面にAlペイントを塗布する方法を採用することができる。Al粉末と樹脂と溶剤とからなるペイントを準備する。Al粉末は平均粒径0.1〜50μm程度のものが使用できる。また、Al粉末として、フレーク状のものを使用すれば、さらに好ましい効果が得られる。樹脂は、乾燥により溶剤を揮発せしめた後、セル壁面に固着させておくのに必要である。エチルセルロース、フェノール等一般的に使用される樹脂を用いればよい。溶剤としても、工業用灯油やキシレン等を用いればよい。溶剤の量はペイントの粘度を管理するのに重要である。ペイント粘度は10〜5000mPa・sの間に保っておくと良い結果が得られる。このペイントを金属箔表面に塗布する。塗布の方法としては、ペイント液中にハニカム体を浸漬する方法を用いることができる。ペイントを塗布したハニカム体を遠心分離あるいはエアーブローによって余剰ペイントの除去を行う。この際、排気ガス出側から排気ガス入側に向けてペイントが流れるように除去を行う。その結果、排気ガス出側のペイント付着厚みは薄くなり、排気ガス入側のペイント付着厚みは厚くなる。そのままペイントを乾燥し、その後ハニカム体を焼成する。焼成雰囲気は、大気中でも不活性雰囲気でも良いが、不活性雰囲気がより好ましい。Al粉末を溶融させるため、焼成温度は600℃以上とする。ペイント中に樹脂を含む場合には、この焼成によって樹脂が熱分解除去される。焼成中に表面に付着したAlはステンレス鋼箔中に拡散し、Al付着量に応じてステンレス鋼箔のAl含有量が増大する。上記焼成は、ハニカム体の金属箔接触部をろう付けするための熱処理を兼ねて行うことができる。
【0022】
ハニカム体の軸方向のAl濃度をステップ的に変化させるためには、Alの濃度が異なる2種類のAlペイントを準備し、ハニカム体の排気ガス入側の部分をAl濃度の高いAlペイントに浸漬し、排気ガス出側の部分をAl濃度の低いAlペイントに浸漬することによって実現することができる。あるいは、排ガス入側部分のみをペイントに浸漬することによっても実現できる。
【0023】
ステンレス鋼箔表面にAlを付着させる方法として、蒸着法も採用することができる。電子銃でアルミを溶解・蒸発させ、蒸発源の上部に設置したステンレス鋼箔にAlを付着させるものである。電子銃直上部分でAlの蒸着速度が速く、電子銃直上から水平方向に離れるに従って蒸着速度が遅くなることを利用して、直上部を厚く、周辺部を薄く成膜することができる。すなわち、ハニカム体の長さに相当する幅の箔を、排ガス入側に相当する部分を蒸発源の直上部に配置し、出側に相当する部分を蒸発源から離れた箇所に配置しておけば、幅方向にAl含有量が異なる箔を製造することができる。
【0024】
該方法で製造した箔に波付け加工し、平箔とともに巻きまわしてハニカム体をろう付け処理すれば、同様に排ガス入側のAl含有量が出側のそれよりも高いハニカム体を製造することが可能である。
【0025】
本発明のもう一つの効果として、Alを富化する部分が主として排ガス入側になるため、ハニカム体全体をAl富化する方法と比較して、製造コストを低減できるというメリットもある。
【0026】
【実施例】
含有成分が質量%で、C:0.007%、Si:0.3%、Mn:0.3%、P:0.03%、S:0.001%、Al:5%(本発明例、比較例1)、Ti:0.03%、Nb:0.03%、La:0.05%、Ce:0.05%、N:0.007%のステンレス鋼を熱間圧延、冷間圧延を経て厚さ30μmのステンレス鋼箔とした。
【0027】
以上のように準備したステンレス鋼箔をそのまま用いた平箔と、ステンレス鋼箔にコルゲート処理を施した波箔とを準備し、この平箔と波箔とをスパイラル状に交互に巻き回してハニカム体とし、次いで同じくステンレス鋼製外筒4に挿入してメタル担体とした。ハニカム体の平箔と波箔との接触部はすべてろう付け接合した。メタル担体と外筒との接触部についてもすべてろう付け接合した。メタル担体の直径は100mm、長さは110mm、波箔の波高さは1.0mm、波ピッチは2.0mmとした。
【0028】
Al粉末を含有するペイントとして、平均粒径10μmのAl粉末を含有量50質量%と、エチルセルロースを含有量50質量%の比率のものにキシレンを添加し、粘度が100cpになるように調整した。
【0029】
本発明例においては、Al粉末を含有するペイント中に上記メタル担体を浸漬し、セルを構成するステンレス鋼箔の表面にペイントを塗布し、その後、担体の排ガス入側に向けて98m/s2の遠心力を付与し、余剰のAlを除去した。その後、真空中で温度1000℃、4時間で焼成した。ペイント中のAl粉末は、焼成によって溶融し、ステンレス鋼箔中に拡散して固溶した。その結果、ステンレス鋼箔中のAl含有量は、排気ガス入側端面部において11%、排気ガス出側において7%となった。
【0030】
比較例1においては、アルミ粉末を含有するペイント中に浸漬せず、メタル担体のままとした。
【0031】
比較例2においては、Al含有量以外を上記本発明例、比較例1と同様の成分とし、Al含有量が11%の鋳塊を溶製し、3mm厚まで熱延後、圧延と焼鈍を繰り返し、30μmまで圧延したものを、本発明例と同様にハニカム体とした。
このメタル担体をウォッシュコート液中に浸漬し、次いで乾燥することによりセル内部に平均25μm厚さのウォッシュコート層を形成した。このウォッシュコート層中に貴金属からなる触媒をしみ込ませてメタル触媒担体を完成した。
【0032】
以上のように製造した触媒担体を用い、エンジン熱サイクル試験を行って耐久性を評価した。エンジン熱サイクル試験は、触媒担体の排気ガス入側の温度を1000℃とし、エンジン運転10分、エンジン停止10分の熱サイクルを付与して行った。
【0033】
比較例1においては、触媒担体の排気ガス入側端面に異常酸化が認められ、上記のような過酷な耐久試験に耐えるだけの耐酸化性を具備していないことが判った。比較例2においては、試験中にハニカムコアが外筒から脱落した。繰り返し試験における熱応力の繰り返しにより、ハニカム体が破壊したものと考えられる。
【0034】
それに対し、本発明例においては、熱サイクル試験を完了しても触媒担体の破損は見られず、また排気ガス入側端面についても異常酸化は認められず、過酷な耐久試験に耐えられる十分な耐酸化性と耐久性を具備していることがわかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、Fe−Cr−Al系ステンレス鋼箔を積層したハニカム体を用いてなる排気ガス浄化用触媒担体において、排気ガス入側と排気ガス出側との間でハニカム体を構成するステンレス鋼箔中に含有するAl含有量が異なることとすることによって、触媒担体のうちで最も温度が高くなる排気ガス入側については十分な耐酸化性を実現することができ、一方でハニカム体にかかる熱応力を低減することができ、熱応力に起因するハニカム体の劣化を防止して触媒担体の寿命を大幅に延長することが可能になる。

Claims (3)

  1. Fe−Cr−Al系ステンレス鋼箔を積層したハニカム体を用いてなる排気ガス浄化用触媒担体であって、排気ガス入側と排気ガス出側との間で該ハニカム体を構成するステンレス鋼箔中に含有するAl含有量が、排気ガス入側が排気ガス出側よりも高い含有量であり、前記Al含有量が質量%で、排気ガス入側の端部において11%以上25%以下、排気ガス出側の端部において3%以上入側端部未満であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒担体。
  2. 前記Al含有量が質量で、前記排ガス出側の端部において3%以上7%以下であることを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化用触媒担体。
  3. ハニカム体を構成するステンレス鋼箔表面に、Al粉末を含有するペイントを塗布する工程と、
    前記ペイントを塗布したハニカム体を遠心分離あるいはエアーブローによって排気ガス出側から入側に向けて余剰ペイントを除去する工程と、
    前記余剰ペイントを除去したハニカム体を600℃以上で焼成する工程と、
    を含み、
    ハニカム体を構成するステンレス鋼箔中に含有するAl含有量を、排気ガス入側が排気ガス出側よりも高い含有量とすることを特徴とする排気ガス浄化用触媒担体の製造方法。
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