JP4364710B2 - Fe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法 - Google Patents

Fe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4364710B2
JP4364710B2 JP2004117673A JP2004117673A JP4364710B2 JP 4364710 B2 JP4364710 B2 JP 4364710B2 JP 2004117673 A JP2004117673 A JP 2004117673A JP 2004117673 A JP2004117673 A JP 2004117673A JP 4364710 B2 JP4364710 B2 JP 4364710B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
average
metal plate
mass
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004117673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005298912A (ja
Inventor
徹 稲熊
広明 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd filed Critical Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority to JP2004117673A priority Critical patent/JP4364710B2/ja
Publication of JP2005298912A publication Critical patent/JP2005298912A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4364710B2 publication Critical patent/JP4364710B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

本発明は、高温耐酸化性、高電気抵抗特性に優れたFe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法に関し、排ガス浄化用の触媒を担持するメタル担体、発熱体等に使用される。
内燃機関の排気ガスを浄化する目的で、排気ガス経路に触媒を担持した触媒コンバータが配置される。また、メタノール等の炭化水素化合物を水蒸気改質して水素リッチなガスを生成するメタノール改質装置やCOをCO2に改質して除去するCO除去装置、あるいは、H2をH2Oに燃焼して除去するH2燃焼装置においても、同様に触媒を担持した担体が用いられる。これらの触媒担体は、ガスが通過する多数のセルを有し、各セルの壁面には触媒がコーティングされ、通過するガスと触媒とが広い接触面積で接触することが可能になっている。
これらの目的で用いられる触媒担体としては、セラミックス触媒担体とメタル触媒担体とがある。メタル触媒担体は、耐熱合金を用いた厚み数十μmの平箔と波箔を交互に巻き回し、あるいは積層することによって円筒形のメタルハニカム体とし、このメタルハニカム体を円筒形の金属製の外筒に装入してメタル担体とする。このメタル担体のガス通路となるハニカム体のセルの金属箔表面に触媒をしみ込ませた触媒担持層を形成し、触媒担体とする。平箔と波箔とを巻き回し積層したハニカム体の該平箔と波箔との接触部は、ろう付け等の手段によって接合し、ハニカム体を強度のある構造体とする。
排気ガス浄化用の触媒担体を用いるに際し、触媒担体が着火温度以上の温度になると触媒反応が進行する。エンジン開始時においては、触媒担体の温度が低温度であるため、通過する排気ガスの温度によって触媒担体が昇温し、着火温度以上となって初めて触媒反応が開始される。エンジン始動から触媒反応開始までの時間がかかると、この間に排出される排気ガスは、触媒による浄化が行われないままに排出されることになるので、好ましくない。したがって、エンジン始動時の触媒担体温度の昇温速度を上げ、始動直後の浄化性能を向上させることが重要である。
この金属箔の厚みを薄くすれば、ハニカム構造体の熱容量を小さくすることができ、エンジン始動時の昇温速度を向上することが可能になる。ここで、一般的にハニカム構造体を構成する金属箔は、優れた高温での耐酸化性を有するFe−Cr−Al系合金を用いる。高温耐酸化性は、金属箔に含有されるAlを消費しながら、生成されるアルミナ系保護皮膜によって確保され、耐酸化性の寿命は含有されるAl量に比例する。このことは、金属箔の薄箔化が進むにしたがって、高温耐酸化性寿命は短くなることを示唆しており、薄箔化された金属箔で優れた高温耐酸化性を得るためには、より高いAl濃度のFe−Cr−Al系金属箔が必要となってくる。
これに対して、高Alを含有するFe−Cr−Al系金属板は、Alのα−Fe結晶への固溶に伴う変形抵抗の増加により、低靭性化の傾向にある。したがって、高Alを含有するFe−Cr−Al系金属箔の製造では、薄肉化を目的とした熱延、冷延において、靭性低下に伴った破断等のトラブルが生じ易くなり、生産性は著しく低下する。このために、従来から高いAl濃度のFe−Cr−Al系金属板を容易に圧延可能とする手法が検討されてきた。
Fe−Cr−Al系金属板において、加工性や、機械特性を向上させる手法として、以下のものが開示されている。
特許文献1においては、製造性に優れた耐酸化性Fe−Cr−Al系合金に関するものであり、Al濃度は4.5以上6.5以下、適量のPを添加することによってREMが引き起こす熱間加工性の劣化を改善でき、Tiを添加することによってC、Nが引き起こす熱延板靭性の低下が改善できると言うものが開示されている。
特許文献2においては、Al濃度が1〜7wt%含有するFe−Cr−Al系急冷薄帯であり、凝固組織の70%以上が柱状晶であると優れた靭性が得られ、冷間加工を行っても脆化による破断の恐れが無いというものが開示されている。
特許文献3には、Alが1〜10wt%含有するFe−Cr−Al系合金に関するものであり、Bの微量添加により高温での耐脆化性が向上され、Zr、Laの複合添加によって優れた高温耐酸化性が得られるものが開示されている。高Al系合金箔の製造方法として、Fe−Cr−Al系合金の表面にAlを付着させ、不活性あるいは還元性雰囲気内で加熱して、Alを素地中に拡散させて上記の合金を得ると記載されている。
特許文献4には、Alが4〜10wt%含有するFe−Cr−Al系合金に関するものであり、Fe−Cr−Al系合金の表面にAl−Siを蒸着めっきし、約800℃でアニールして、表面Al濃度が高く(〜10wt%)、内部Al濃度が低い(3wt%以上)ことを特徴とするものが開示されている。
これらの従来技術は、添加元素によって高Al成分系合金の熱延性や熱延板靭性を向上させたり、鋳造組織を制御することによって冷延加工性を向上させたり、Alを表面に付着させたFe−Cr−Al系金属板をアニールして高Al化させることによって高温耐酸化性を向上させるものであった。しかしながら、これらの手法単独、もしくは、複数を組み合わせたとしても、高いAl濃度のFe−Cr−Al系金属板を圧延する際に生じる破断等のトラブルは十分に解決できなかった。
特公平6−8486号公報 特開平1−4458号公報 特許3200160号公報 特表2000−509215号公報
Fe−Cr−Al系金属箔は、Al含有量が高くなるほど優れた高温耐酸化性、高電気抵抗特性を有するため、この成分系で容易に製造可能となる幾つかの手法が試みられている。低Al含有の熱延・冷延板を製造し、表面にAlを付着させて、アニールによるAl拡散で高Al化させる手法は、その中でも有力な手法である。しかしながら、アニールによって高Al化させた金属板は、さらに冷間圧延によって数十μmの厚みまで薄箔化する必要があり、高Al化に伴う靭性の低下により、圧延途中に金属板の破断が生じ易い。
本発明は、アニールによって高Al化させた金属板における冷間圧延性を改善できる製造方法を提供するものであり、また、優れた諸特性を有する高Al含有のFe−Cr−Al系金属箔を容易かつ効率的に提供可能にすることを目的とする。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 厚さ5μm以上100μm以下のFe−Cr−Al系金属箔であって、平均Cr濃度が10質量%以上25質量%以下であり、該金属箔の端から10mmの位置から金属箔の中央までの中央部における平均Al濃度が5質量%以上12質量%以下であり、該金属箔の端から10mmまでの端部の平均Al濃度が中央部の平均Al濃度に比べて低いことを特徴とするFe−Cr−Al系金属箔。
(2) 前記金属箔における中央部の平均Al濃度と端部の平均Al濃度の差が0.1質量%以上である(1)記載のFe−Cr−Al系金属箔。
(3) (1)又は(2)に記載の金属箔において、中央部に比べて0.5質量%以上Al濃度が低い最端部分を切断してなるFe−Cr−Al系金属箔。
(4) Fe−Cr系又はFe−Cr−Al系金属原板の表面にAl又はAl合金を付着させた後、熱処理をしてAlを金属原板中に拡散させて金属板を得た後、該金属板を圧延してFe−Cr−Al系金属箔を製造する方法であって、平均Cr濃度が10質量%以上25質量%以下であり、前記金属板の端から10mmの位置から金属板の中央までの中央部における平均Al濃度が5質量%以上12質量%以下であり、前記金属板の端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が中央部の平均Al濃度に比べて低い金属板を圧延して、厚さ5μm以上100μm以下の金属箔とすることを特徴とするFe−Cr−Al系金属箔の製造方法。
(5) 前記金属原板の表面にAl又はAl合金を付着させるに当たり、前記金属板の端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が、前記金属板の端から10mmの位置から金属板の中央までの中央部の平均Al濃度に比べて低くなるように制御する(4)に記載のFe−Cr−Al系金属箔の製造方法。
(6) 前記制御手段が、端部のAl又はAl合金付着量を中央部の付着量より少なくする(5)記載のFe−Cr−Al系金属箔の製造方法。
(7) 前記制御手段が、端部に付着させるAl合金のAl含有量を中央部に付着させるAl合金のAl含有量より低くする(5)記載のFe−Cr−Al系金属箔の製造方法。
(8) 平均Cr濃度が10質量%以上25質量%以下であり、Fe−Cr−Al系金属板の端から10mmの位置から金属板の中央までの中央部の平均Al濃度が5質量%以上12質量%以下であり、端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が中央部の平均Al濃度に比べて低いことを特徴とするFe−Cr−Al系金属板。
(9) 前記金属板における中央部平均Al濃度と端部平均Al濃度の差が0.1質量%以上である(8)記載のFe−Cr−Al系金属板。
(10) 表面にAl又はAl合金層を有するFe−Cr系又はFe−Cr−Al系複層合金板であって、平均Cr濃度が10質量%以上25質量%以下であり、該複層金属板の端から10mmの位置から該複層金属板の中央までの中央部における平均Al付着量より、該複層金属板の端から10mmの位置までの端部の平均Al付着量が少ないことを特徴とするFe−Cr−Al系複層金属板。
本発明のFe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法は、金属原板面内におけるAlの付着量の分布、及び、アニール後の金属板面内におけるAl濃度分布を制御することによって、高Al濃度の金属板の圧延を容易にし、厚み数十μmの金属箔の効率的な製造を可能にするものである。これにより、極めて優れた高温耐酸化性、高電気抵抗特性を有するFe−Cr−Al系金属箔を提供できるようになる。
低Al濃度のFe−Cr−Al系金属原板にAlを付着させて複層金属板を製造し、アニールによってAlを鋼中に拡散させると、比較的容易に高Al濃度の金属板が得られる。本発明者らは、複層金属板面内におけるAlの付着量の分布、又は、アニール後の金属板面内におけるAl濃度分布を制御することによって、高Al濃度の金属板が容易に圧延可能となり、最終製品である厚み数十μmの金属箔への圧延加工が効率的に行われることを見出した。以下に、その詳細について説明する。
出発原料としては、Fe−Cr系、もしくは、Fe−Cr−Al系金属原板を用いる。この金属原板の製造は、主に溶製、及び、熱間・冷間圧延の方法で行う。ここで、金属原板におけるAl濃度は6質量%以下が望ましい。6質量%を超えると、製造工程中の熱延工程で割れ等が生じ易くなり、製造が困難になるからである。
本発明の特徴は、アニールによってAlが拡散された金属板におけるAl濃度分布が、金属板の端から10mmの位置から金属板の中央までの中央部における平均Al濃度が5質量%以上12質量%以下であり、前記金属板の端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が中央部の平均Al濃度に比べて低くなるように制御することであり、この条件を満たした金属板は、圧延によって厚さ5μm以上100μm以下の金属箔に容易に加工できるようになる。
中央部の平均Al濃度が5質量%未満の場合には、圧延して得られる金属箔において高Al化で期待される高温耐酸化性等の諸特性の向上が十分ではない。したがって、中央部の平均Al濃度は5質量%以上とした。中央部の平均Al濃度が12質量%超の場合には、端部の平均Al濃度が低くても、金属板を圧延する際に中央部から破断し、本発明の効果が得られない。したがって、中央部の平均Al濃度は12質量%以下とした。
本発明の主旨であるAl濃度分布については、アニールして得られる金属板において端部の平均Al濃度が中央部の平均Al濃度に比べて低いと、金属板の圧延性は極めて良好となり、1パス当たり10〜40%程度の圧下率で圧延しても、破断等のトラブルが発生することなく、効率的な圧延が可能となる。従来のAlが均一の金属板において圧延中に破断した部位を詳細に調べたところ、破断の起点が金属板の幅方向の両端部付近に集中していることを発見した。端部では圧延時に周りの拘束力が少ないために、局所的な変形が進み易く、亀裂起点が発生し易くなるのに加えて、高Al濃度特有の靭性の低下によって亀裂が容易に進展するようになるため、幅方向の両端部付近が破断の起点の部位となると考えた。また、通常の圧延で起こり得る圧延中の金属板の僅かな蛇行は、金属板の端部に応力を集中させ、高Al含有の金属板の端部で亀裂起点が発生し易くなる要因として挙げられる。
そこで、本発明者らは、金属板の端部のAl濃度を中央部に比べて低くすることによって、端部の靭性を他の部分の靭性よりも高めて、金属板端部における圧延中の破壊を抑制することを着想し、さらに、これらの発想を実際の製造へ適用して、圧延中の破断の抑制が実現できることを確認し、その効果を実現し得る最適な条件を求めるに至ったのである。
端部と中央部の境界は、金属板の端から10mmの位置とした。この境界を、端から10mmを超える位置にすると、本発明の効果が得られる端部と中央部の平均Al濃度の差が小さくなり過ぎ、製造時の平均Al濃度の制御が困難となる。また、10mm未満の位置にすると、端部が狭くなり過ぎ、平均Al濃度の測定が困難となる。したがって、端部と中央部の境界は、金属板の端から10mmの位置とした。本発明の複層金属板、及び、金属箔においても、端部と中央部の境界位置に関しては同様な理由で限定した。
ここで、金属板における中央部と端部の平均Al濃度の差が0.1質量%以上になると、さらに好ましい結果が得られた。0質量%超0.1質量%未満であると、圧延中の破断を完全に無くすことが困難であるが、0.1質量%以上であると、破断は発生しなくなった。この点で、中央部に比べて端部の平均Al濃度は0.1質量%以上低いことが望ましい。
次に、本発明のAl濃度分布を実現する手法について説明する。
まず、出発材料である金属原板へAl又はAl合金を付着させる際に制御する方法がその一つであり、その中でも、端部の付着量が中央部の付着量に比べて少なくする方法が、最も容易で効率的に実施できる。以下に、その具体的方法について説明する。
金属原板にAl又はAl合金を付着させる方法としては、溶融めっき法、Alペンキ塗布法、ドライプロセス法、溶射法、クラッド等が適当である。例えば、金属原板表面にマスキングを施してAlを付着させない方法や、均一にAlを付着させた後に機械研磨や化学研磨でAlを削り落とす方法によって、端部の付着量が中央部に比べて少なくなるように制御できる。さらに、本発明を実施するためのプロセス特有の方法を以下に説明する。
溶融めっき法では、溶融させたAl、もしくは、Al合金めっき浴中に、金属原板を通板させて、表面にAlを付着させる。Al付着量は、一定流量の不活性ガスを噴射ノズルから凝固前のAl皮膜に吹き付けて均一化しており、Al付着量は、吹き付ける不活性ガスの流量でコントロールできる。そこで、幅方向の端部付近に、その他領域に比べてより高い流量の不活性ガスを吹き付けることによって、端部の付着量を中央部に比べて少なくすることが可能である。
Alペンキ法は、Al粉末を樹脂等と混練したAlペンキを金属原板に塗布して、Al皮膜を金属原板表面に形成させる方法である。ロールコータやドクターブレード等の装置を用いて、金属原板表面に均一にAl皮膜を形成できる。局所的にAl付着量を少なくする方法として、薄くしたい部分のロールやブレードと金属原板の隙間を狭くして、Al付着量を減少させることが可能である。
ドライコーティング法では、蒸着源と金属原板の距離を他の部分に比べて大きくとることによって、蒸着速度を局所的に遅くでき、薄いAl皮膜の形成が可能となる。
クラッド法は、金属原板とAl板を重ね合わせて圧延する方法である。端部の厚みが中央に比べて薄くなっているAl板を使用すれば、本発明の形態を容易に実現可能である。
ここで、付着量によってAl濃度分布を制御するばかりでなく、Al含有量を変えたAl合金を利用することによって、本発明の効果を得ることが可能である。即ち、端部には中央部に比べてAl含有量の低いAl合金を付着させることがそれであり、これも本発明の範囲に含まれる。
以上示した各方法によって製造した複層金属板は、複層金属板の端から10mmの位置から中央までの中央部における平均Al付着量より、端から10mmの位置までの端部の平均Al付着量が少なくなるように制御されていれば、本発明の複層金属板に含まれる。ここで、複層金属板を圧延によって薄肉化させた場合にも本発明の効果は得られるため、その圧延を含む方法、及び、圧延板も本発明の範囲に含まれる。
アニールを施して表面に付着させたAlを金属原板へ拡散させ、金属板を得る条件としては、次の製造条件が望ましい。アニールの温度範囲は600℃〜1400℃であり、不活性ガス中や真空中で実施する。不活性ガスとしては、アルゴン、水素が挙げられ、窒素ガスはAlが窒化する原因となるので好ましくない。この条件で本発明の複層金属板をアニールすれば、得られる金属板は、金属板の端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が金属板の端から10mmの位置から中央までの中央部の平均Al濃度に比べて低いと言う本発明の形態を実現できる。なお、Alが均一に付着した複層金属板でも、アニールしている間に、複層金属板の端部付近に酸素が触れるように工夫し、その結果、端部のAlが酸化されて端部の平均Al濃度が中央部に比べて低くなった金属板も本発明の金属板に含まれる。
なお、端部付近以外の位置に、長さ方向に沿ってAl付着量又はAl濃度の少ない領域を複数存在させて製造し、アニール前、もしくは、アニール後に、Al含有量の低い領域に沿ってシャーリングによる条切りを行うことによって、本発明の複層金属板、及び、金属板を製造することも可能である。
本発明の金属板は、例えば、多段式のゼンジミヤ冷間圧延機によって圧延され、金属箔に加工される。その結果、得られる金属箔は、金属箔の端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が金属箔の端から10mmの位置から中央までの中央部の平均Al濃度に比べて低いと言う本発明の形態が実現される。
ここで、圧延後の金属箔において本発明の形態をとることによって、その後の洗浄、曲げ等の加工工程で破断を起し難いとの新たな効果を得られることが明らかになった。後工程では、金属箔の長手方向に張力を付与させることが多く、従来の金属箔であると頻繁に破断が発生した。これに対して、本発明の金属箔は破断を起し難く、金属箔を利用した応用製品の製造性が格段に向上した。この効果が顕著に現われるのは、端部の平均Al濃度と中央部の平均Al濃度の差は0.1質量%以上の場合である。
なお、圧延後に諸特性を確保するために必要なAl濃度に満たない最端部分のみ切り取って、その後の応用製品に用いることも可能である。ここで、諸特性とは、高温耐酸化性や高電気抵抗特性等であり、中央部に比べて0.5質量%以上Al濃度が低い最端部分は取り除くのが望ましい。
本発明の金属箔の厚さは、5μm以上100μm以下である。厚さが5μm未満であると、金属箔に穴が開く等、形状を保持できなくなることから、5μm以上とした。また、100μm超の厚さで本発明の金属箔を利用することが少ないため、本発明では、金属箔の厚さは100μm以下とした。
本発明に用いる金属板、及び、金属箔の平均Cr濃度は、10質量%以上25質量%以下の範囲が望ましい。10質量%未満であると、高温耐酸化性が十分に確保されず、一方、25質量%を超えると、冷間圧延性が著しく低下するので、その範囲は10質量%以上25質量%以下とした。その他、優れた高温耐酸化性を確保するために、幾つかの金属元素を微量に添加でき、その元素としては、例えば、Ti、Nb、Zr、Hf、V、Yを含む希土類金属元素、Mg、Ca等が挙げられる。また、残部はFeに加えて、C、Si、Mn、S等の不可避不純物を含んでいる。ここで、高温耐酸化性を確保させるための添加元素は、金属原板に付着させるAlの中に含有させて、アニールによって金属原板に添加させることもできる。
(実施例1)
出発原料の金属原板は、溶製、熱延、冷延のプロセスで製造し、成分は、質量%で、20%Cr−5.0%Al−0.06%Ti−0.1%REM−bal.Feであり、金属原板の寸法は、厚さ0.38mm×幅1050mmであった。溶融Alめっき法を用いて、出発原料の表面にAlを付着させて、複層金属板を製造した。溶融Alめっきでは、660℃に溶融させた90質量%Al−10質量%Siめっき浴中へ出発原料を通板させ、めっき浴から出た直後の凝固前のAl付着物に、噴射ノズルからN2ガスを吹き付けて、Al付着量を制御した。この際、金属原板の幅方向において、吹き付けるN2ガスの流量を変えて、幅方向でAl付着量を変えた。具体的には、金属原板の両端部付近に吹き付けるN2ガス流量を多くして、それ以外の中央部付近のAl付着量に比べて、両端部のAl付着量が少なくなるように制御した。
ここで、複層金属板の端から10mmの位置から中央までの中央部のAl付着量と、端から10mmまでの端部のAl付着量を、表1にまとめた。ここで、Al付着量は、めっき浴に含有するSiを含んだ単位面積(m2)当たりの質量であり、両面に付着した合計値である。
Figure 0004364710
表1に示した各複層金属板に、水素100%雰囲気中で1200℃×2時間のアニールを施して、鋼中にAlを拡散させ、金属板を製造した。金属板の端から10mmの位置から中央までの中央部のAl付着量と、端から10mmまでの端部のAl付着量を、表2にまとめた。
金属板の冷間圧延は、ゼンジミヤ式圧延機を用いて行い、圧下率が1パス当たり10%〜40%程度の条件で、20μmの厚みまで圧延を試みた。圧延性の評価は、圧延中破断を頻発した場合には×印、まれに破断を起した場合には△印、破断を起さなかった場合には○印とした。
Figure 0004364710
No.1の比較例の金属板は、表1、2において下線を記した部分で、本発明の範囲を外れている。No.1の金属板を1パス当たり10〜40%程度の圧下率で圧延しようとすると、破断を頻発した。1パス当たり数%程度の圧下率では、かろうじて圧延できたが、極めて多くのパス回数が必要となり、効率的な圧延が実施できなかった。破断は、端部付近を亀裂の起点とするものであった。No.2の本発明例の金属板については、破断の回数はNo.1に比べてかなり減少した。No.3〜5の発明例の金属板では、1パス当たり10〜40%程度の圧下率で圧延しても、破断は全く起こらなかった。
得られた金属箔を圧延後に各種の工程へ通し、加工商品への製造を試みた。この際、No.1の比較例の金属箔では、ことごとく破断を繰り返し、加工商品の製造は不可能であった。これに対して、No.2〜5の本発明例の金属箔では破断は起こらず、効率的な加工商品の製造が可能であった。
以上示したように、本発明が効率的な圧延、加工に効果を有することを確認できた。
(実施例2)
出発原料の金属原板は、溶製、熱延、冷延のプロセスで製造し、成分は、質量%で、20%Cr−5.8%Al−0.04%Zr−0.07%La−bal.Feであり、金属原板の寸法は、厚み1.0mm×幅1500mmであった。溶射法を用いて、出発原料の表面にAlを付着させて、複層金属板を製造した。この際、金属原板の両端部付近にはマスキングを施して、Alが付着しないように溶射を行い、Alが付着する領域を変えた複層金属板を製造した。表3には、各複層金属板において、端から10mmの位置から中央までの中央部の平均Al付着量と、端から10mmまでの端部の平均Al付着量を測定した結果を示す。
Figure 0004364710
表3に示した各複層金属板に、水素100%雰囲気中で1300℃×5時間のアニールを施して、鋼中にAlを拡散させ、金属板を製造した。表4には各金属板において、端から10mmの位置から中央までの中央部の平均Al濃度と、端から10mmまでの端部の平均Al濃度を測定した結果を示す。
金属板の冷間圧延は、ゼンジミヤ式圧延機を用いて行い、圧下率が1パス当たり10%〜40%程度の条件で、20μmの厚みまで圧延を試みた。圧延性の評価は、圧延中破断を頻発した場合には×印、まれに破断を起した場合には△印、破断を起さなかった場合には○印とした。
Figure 0004364710
No.6、10の比較例の複層金属板と金属板は、表3と表4において、下線を記した部分で、本発明の範囲を外れていた。この2つの金属板を1パス当たり10〜40%程度の圧下率で圧延しようとすると、破断を頻発した。1パス当たり数%程度の圧下率では、かろうじて圧延できたが、極めて多くのパス回数が必要となり、効率的な圧延が実施できなかった。No.7の本発明の金属板を同様な圧延を施したところ、数回破断したが、比較例に比べると格段に効率的な圧延が可能であった。No.7〜9、11の本発明の金属板については、1パス当たり10〜40%程度の圧下率で圧延しても破断は全く起こらず、本発明の効果が確認できた。ここで、No.9、11の本発明の金属板については、端部付近の低Al濃度の部分については高温耐酸化性が低いため、金属箔に加工後、低Al濃度の部分を切除して使用した。
得られた金属箔を圧延後に各種の工程へ通し、加工商品への製造を試みた。この際、No.6、10の比較例の金属箔では、ことごとく破断を繰り返し加工商品の製造は不可能であった。これに対して、No.7〜9、11の本発明例の金属箔では、破断は起こらず、効率的な加工商品の製造が可能であった。
以上示したように、本発明が効率的な圧延、加工に効果を有することを明らかにできた。

Claims (10)

  1. 厚さ5μm以上100μm以下のFe−Cr−Al系金属箔であって、平均Cr濃度が10質量%以上25質量%以下であり、該金属箔の端から10mmの位置から金属箔の中央までの中央部における平均Al濃度が5質量%以上12質量%以下であり、該金属箔の端から10mmまでの端部の平均Al濃度が中央部の平均Al濃度に比べて低いことを特徴とするFe−Cr−Al系金属箔。
  2. 前記金属箔における中央部の平均Al濃度と端部の平均Al濃度の差が0.1質量%以上である請求項1記載のFe−Cr−Al系金属箔。
  3. 請求項1又は2に記載の金属箔において、中央部に比べて0.5質量%以上Al濃度が低い最端部分を切断してなるFe−Cr−Al系金属箔。
  4. Fe−Cr系又はFe−Cr−Al系金属原板の表面にAl又はAl合金を付着させた後、熱処理をしてAlを金属原板中に拡散させて金属板を得た後、該金属板を圧延してFe−Cr−Al系金属箔を製造する方法であって、平均Cr濃度が10質量%以上25質量%以下であり、前記金属板の端から10mmの位置から金属板の中央までの中央部における平均Al濃度が5質量%以上12質量%以下であり、前記金属板の端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が中央部の平均Al濃度に比べて低い金属板を圧延して、厚さ5μm以上100μm以下の金属箔とすることを特徴とするFe−Cr−Al系金属箔の製造方法。
  5. 前記金属原板の表面にAl又はAl合金を付着させるに当たり、前記金属板の端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が、前記金属板の端から10mmの位置から金属板の中央までの中央部の平均Al濃度に比べて低くなるように制御する請求項4に記載のFe−Cr−Al系金属箔の製造方法。
  6. 前記制御手段が、端部のAl又はAl合金付着量を中央部の付着量より少なくする請求項5記載のFe−Cr−Al系金属箔の製造方法。
  7. 前記制御手段が、端部に付着させるAl合金のAl含有量を中央部に付着させるAl合金のAl含有量より低くする請求項5記載のFe−Cr−Al系金属箔の製造方法。
  8. 平均Cr濃度が10質量%以上25質量%以下であり、Fe−Cr−Al系金属板の端から10mmの位置から金属板の中央までの中央部の平均Al濃度が5質量%以上12質量%以下であり、端から10mmの位置までの端部の平均Al濃度が中央部の平均Al濃度に比べて低いことを特徴とするFe−Cr−Al系金属板。
  9. 前記金属板における中央部平均Al濃度と端部平均Al濃度の差が0.1質量%以上である請求項8記載のFe−Cr−Al系金属板。
  10. 表面にAl又はAl合金層を有するFe−Cr系又はFe−Cr−Al系複層合金板であって、平均Cr濃度が10質量%以上25質量%以下であり、該複層金属板の端から10mmの位置から該複層金属板の中央までの中央部における平均Al付着量より、該複層金属板の端から10mmの位置までの端部の平均Al付着量が少ないことを特徴とするFe−Cr−Al系複層金属板。
JP2004117673A 2004-04-13 2004-04-13 Fe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4364710B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004117673A JP4364710B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 Fe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004117673A JP4364710B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 Fe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005298912A JP2005298912A (ja) 2005-10-27
JP4364710B2 true JP4364710B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=35330822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004117673A Expired - Fee Related JP4364710B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 Fe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4364710B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112703264B (zh) * 2018-09-13 2022-03-04 杰富意钢铁株式会社 铁素体类不锈钢板及其制造方法、以及Al系镀敷不锈钢板
CN113383103B (zh) * 2019-02-19 2022-09-16 杰富意钢铁株式会社 铁素体系不锈钢板和其制造方法及带Al蒸镀层的不锈钢板
WO2020255563A1 (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 Jfeスチール株式会社 Al系めっきステンレス鋼板、および、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005298912A (ja) 2005-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2355788C2 (ru) Стальной лист с высоким содержанием алюминия и способ его производства
CN104093872B (zh) 铁素体系不锈钢箔
EP1580288B1 (en) High al stainless steel sheet, honeycomb bodies employing the steel sheet and use of the steel sheet for a honeycomb body
CN112703264B (zh) 铁素体类不锈钢板及其制造方法、以及Al系镀敷不锈钢板
WO2015015728A1 (ja) フェライト系ステンレス箔
CN104870675B (zh) 不锈钢板及不锈钢箔
JP6206381B2 (ja) ステンレス箔
KR101898564B1 (ko) 페라이트계 스테인리스박 및 그의 제조 방법
JP7126105B1 (ja) 排ガス浄化装置の触媒担体用ステンレス箔
US20090104090A1 (en) In-situ diffusion alloying and pre-oxidation annealing in air of fe-cr-al alloy catalytic converter material
KR102177521B1 (ko) 페라이트계 스테인리스 강판
CN109844157B (zh) 不锈钢板和不锈钢箔
JP4941320B2 (ja) 排ガス浄化装置の触媒担体およびそれに使用されるFe−Cr−Al系合金箔
EP0497992A1 (en) Stainless steel foil for automobile exhaust gaspurifying catalyst carrier and process for preparation thereof
JP4364710B2 (ja) Fe−Cr−Al系金属箔及びその製造方法
JP4604446B2 (ja) Fe−Cr−Al系合金箔及びその製造方法
JPH0199647A (ja) 自動車排ガス触媒担体用箔、担体およびその製造法
CN113383103B (zh) 铁素体系不锈钢板和其制造方法及带Al蒸镀层的不锈钢板
JP6237973B1 (ja) フェライト系ステンレス鋼板
JP4198448B2 (ja) 金属箔及び触媒担体用のハニカム構造体並びに排気ガス浄化用のメタル触媒担体
JPH0480746B2 (ja)
JP2002080944A (ja) 極薄Fe−Cr−Al系合金箔およびその製造方法
JPH111750A (ja) 排気系用触媒担体合金およびその製造法
JPH06279957A (ja) 排ガス触媒担体用フェライト系ステンレス鋼
JPH06248395A (ja) 耐酸化性に優れた自動車触媒担体用フェライト系ステンレス鋼

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061019

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070124

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090819

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4364710

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees