JP4604446B2 - Fe−Cr−Al系合金箔及びその製造方法 - Google Patents
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Description
背景技術
自動車排ガス浄化装置用触媒コンバータ担体を従来のセラミックス製から特開昭56−96726号公報に示されているように金属製ハニカムに換えることにより、触媒コンバーターの小型化ができ、エンジン性能の向上も図ることができる。
自動車排ガス浄化装置としては、触媒コンバータを燃焼環境により近い位置に設置し、高温の排ガスによりエシジン始動初期であっても触媒コンバータを通過する高温の排ガスにより、短時間で触媒活性化温度に到達し、触媒反応が開始するものに対するニーズが環境保護面から高まりつつある。この場合、触媒コンバータは高温域での昇温・冷却のくり返しにさらされるばかりでなく、エンジンの激しい振動を受ける。このように非常に厳しい条件下で使用される触媒コンバータ用材料としては、従来用いられてきたセラミックスは熱衝撃に弱く実用に耐えないため、耐酸化性に優れるFe−Cr−Al系合金等の金属材料が使用される。Fe−Cr−Al系合金が高温耐酸化性に優れるのは、酸化時にまずFeよりも酸化されやすいAlが優先酸化され、合金表面に酸化に対して保護性の高いAl2O3酸化皮膜を形成するためであり、更に合金中のAl消耗後はAl2O3皮膜と合金の界面でCrが優先酸化されてCr2O3酸化皮膜を形成するためであり、このようなFe−Cr−Al系合金としては、前述の特開昭56−96726号公報のほか、特開平7−138710号公報、特開平9−279310号公報などが開示されている。
近年、環境保護の立場から排ガス規制が強化されつつあり、エンジン始動初期から排ガスを極力浄化するニーズが高まりつつあるのは先に述べた通りであるが、この規制に対応するためにステンレス鋼箔を組み立てたメタル担体の使用が増加しており、またその箔の厚みも従来のものよりさらに薄くするニーズが高まりつつある。これは、メタル担体の壁厚を薄くすることにより、排気抵抗が小さくなることや熱容量が小さくなりエンジン始動から短時間で触媒が活性になることなどの利点があるためである。しかし、箔厚が薄くなることにより、耐酸化性は従来の材料よりも高いものが必要となる。また同時に箔厚が薄くなった分だけ、熱によって変形しやすいわけであるが、そのような条件下でも変形しにくい、高温での耐変形性に対する需要家の要求(高温時の伸びが小さく熱応力で破断しにくいこと)も従来のものより高くなってきている。
従来のFe−Cr−Al系合金では、高温での耐変形性に問題があり、耐久性を増すには高温での耐酸化性の改善が望まれていた。本発明は、上述した従来技術の欠点を改善した高温での耐酸化性や、耐変形性に優れた触媒担体用材料として好適なFe−Cr−Al系合金及び箔厚が40μm以下とした合金箔を提供することを目的とする。また本材料はその優れた高温耐酸化性のため触媒コンバータ用材料及び燃焼ガス排気系の機器、装置としてとくに好適である。
発明の開示
本発明者らは、特にLa、Zr、Hfの添加量、耐初期酸化性、高温での耐変形性を詳細に検討したところ、箔厚によって有効なLa量が相違することを発見した。その効果は箔厚が薄くなるほど顕著に現れることを発見し、本発明を完成した。
本発明の第1の発明は質量%で
C:0.07%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:16.0〜25.0%、Al:1〜8%、N:0.05%以下、La、およびZrを含み、かつ箔厚をtμmとしたとき、前記LaとZrが、質量%で、以下の式の成分範囲を満たし、残部Fe及び不可避不純物からなり、さらに前記箔厚tが20〜40μmであることを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔である。
1.4/t≦La≦6.0/t …(1)
0.6/t≦Zr≦4.0/t …(2)
次に本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、Hfを以下の(4)式の成分範囲を満たして含み、かつ前記Zrは、Hfの含有に伴い上記(2)式を変更して、下記(3)式の成分範囲を満たし、残部Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔である。
0.4/t≦Zr≦2.0/t …(3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t …(4)
さらに第3の発明は、上記第1、第2の発明において、質量%で、La、Ceを除くランタノイド:各ランタノイド単独で0.001〜0.05%、かつ該ランタノイドの合計:0.2%以下を含むことを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔であり、さらに優れた特性を有する。
さらに、第4の発明は、上記第1〜第3の発明において、最終の箔の組織が平均結晶粒径5μm以下であるか又は圧延組織であると好ましい。さらに、第5の発明は、Fe−Cr−Al系合金箔を製造するにあたり、溶融状態で質量%で C:0.07%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:16.0〜25.0%、Al:1〜8%、N:0.05%以下、LaおよびZrを含み、かつ箔厚をtμmとしたとき、前記Laおよび、Zrが、質量%で、以下の式の成分範囲を満たし、残部Fe及び不可避不純物からなる溶鋼を、スラブに鋳込み、熱間圧延、焼鈍を行った後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して前記箔厚tが20〜40μmの箔とすることを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔の製造方法である。
1.4/t≦La≦6.0/t …(1)
0.6/t≦Zr≦4.0/t …(2)
さらに、第6の発明は、第5の発明において、さらにHfを以下の(4)式の成分範囲を満たして含ませると共に、前記Zrは、Hfの含有に伴い上記(2)式を変更して、下記(3)式の成分範囲を満たすことを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔の製造方法である。
0.4/t≦Zr≦2.0/t …(3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t …(4)
さらに、第7の発明は、第5の発明または、第6の発明において、最終冷間圧延前の焼鈍を700〜1000℃で行うことを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔の製造方法である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の合金箔は各成分の含有量において、特にLaを添加し、さらにZrあるいはさらにHfも添加してしかもそれらの量を仕上げ箔厚に応じて適量含有させることにより、高温での耐酸化性や耐変形性を改善する作用を有している。以下、各成分の作用及び限定理由を述べる。
Al:1〜8質量%
Alは本発明において耐酸化性を確保するために不可欠な元素である。Fe−Cr−Al系合金を高温に保持した場合、AlはFe、Crより優先酸化されて合金表面に酸化に対して保護性の高いAl2O3皮膜を生成し、耐酸化性を著しく改善する。Al含有量が1質量%未満であると純粋なAl2O3皮膜を生成せず十分な耐酸化性を確保できないので、その下限を1質量%以上に限定する。一方、耐酸化性の観点からはAl含有量を高めることが望ましいが、Alが8質量%を超えると熱間圧延中板割れが発生して破断するなど製造が困難となる。従って、その上限を8質量%以下に限定する。
Cr:16〜25質量%
CrはAlの耐酸化性を向上させる役割をもつばかりでなくCr自体が耐酸化性を向上させる元素である。ここで16.0質量%未満では耐酸化性が確保できず、25.0質量%を超えると靭性が低下し冷間圧延時に板割れを起こして破断するので16.0質量%以上25.0質量%以下とした。
Si:0.5質量%以下
SiはAl同様合金の耐酸化性を高める元素であるため添加してもよいが多量に含有すると靭性を低下させるのでその上限を0.5質量%に限定する。
Mn:0.5質量%以下
MnはAl脱酸の予備脱酸剤として添加してもよいが、鋼中に残存する量が多いと耐酸化性及び耐食性を劣化させるので極力少ない方がよい。工業的および経済的な溶製技術を考慮して0.5質量%以下に限定した。
La、Zr、Hf:
La、Zr、Hfは本発明において非常に重要な元素である。一般にFe−Cr−Al系合金においての酸化は次に示すような段階で進行する。まず、酸化の初期では、Al2O3皮膜のみが優先的に成長し、箔中のAlが全て酸化消耗した時点で、この酸化の段階(以下第1段階と称す)が終了する。次に鋼中のAlが枯渇すると、Al2O3皮膜と下地合金との間にCr2O3が成長する第2段階となる(以下第2段階と称す)。最後にFe系酸化物の生成が始まり、酸化増量値が急激に増加する。この段階が第3段階である(以下第3段階と称す)。
従来50μmより厚い箔では、実際の触媒担体使用環境下では上記第1段階で酸化は終了する。しかし、箔厚が薄くなると鋼中のAlの絶対量が減少するため、実際の使用環境下では比較的早い時期に第2段階に移行することが多くなり、特に40μm以下の箔では、これまであまり注目されなかった第2段階以降での耐酸化性が問題となってくる。
LaはFe−Cr−Al系合金において高温で生成するAl2O3、Cr2O3等の表面酸化皮膜の地金への密着性を改善し、耐酸化性及び酸化スケールの耐剥離性向上に極めて顕著な効果を有する。同時にAlの酸化速度を抑制する効果も有し、必要不可欠な元素である。ZrはLaと複合で添加する場合に、Alの酸化消耗を抑制し、Al2O3皮膜を生成する時間及びCr2O3皮膜を生成する時間を延長し、合金の耐酸化性を向上させる効果を有する。さらにHfはLa,Zrと複合で添加する場合に、特にAlの酸化消耗を抑制し、Al2O3皮膜を生成する時間及びCr2O3皮膜を生成する時間を延長し、合金の耐酸化性を向上させる効果を有する。また同時にCr2O3皮膜の生成を抑制する働きを持つことから、副次的に、Cr2O3と地金との熱膨張係数の違いからくると推定される箔の形状の変化を小さくする。一般にハニカムのような薄肉材では伸びの低い方が熱応力が大きくなりにくく、破断しにくい。つまり寿命の長い材料となる。この伸びは低いほど好ましいが、約3%以下が望ましい。
本発明者らが、このLa、Zr、Hf量、耐酸化性、特に第2段階での高温での耐酸化性、伸びを詳細に検討したところ、箔厚によって有効なLa、Zr、Hf量が相違することがわかった。
Laの場合を例にとって説明する。LaはFe−Cr−Al系合金において高温で生成するAl2O3,Cr2O3等の表面酸化被膜の地金への密着性を改善することは先にも述べたが、この作用は、高温に加熱されたときにLaが箔厚方向へ拡散していくことによって生まれる。Al2O3、Cr2O3等の表面酸化被膜の地金への密着性改善に有効なLa量は、箔の単位表面積あたりで適正範囲が決まっていると考えられる。一方、高温に加熱されたときにLaが箔厚方向へ拡散していき箔表面に達するその絶対量は、箔厚に比例すると考えられる。ということは、箔厚が薄くなるに従い、高温に加熱されたときに箔厚方向へ拡散していくLaが減るから、それを補償するためには、箔厚が薄くなるほど鋼中の単位体積あたりLa含有量を予め多くしておかなければならない、ということを意味する。箔厚が薄くなることにより、箔厚方向に拡散するLaの絶対量が不足し、Al2O3、Cr2O3等の表面酸化被膜の地金への密着性改善効果を十分に発揮できない不安があるからである。とはいえ、鋼中のLa含有量は多ければ多いほどよい、というものではなく、高温加熱時に箔厚方向に拡散せずに鋼中に残留するLa量の度合いからおのずと上限がある。Laが鋼中に残留していると、La自体が酸化され、箔全体としての耐酸化性も劣化することにつながるから、というのがその理由である。図1は各箔厚t(μm)におけるLa含有量(質量%)と耐酸化性、耐変形性との関係を本発明者らが詳細に検討した結果を示したものである。これらのデータは、1200℃の大気中で150時間箔の試験片を加熱保持後の試験結果である。
耐酸化性については、酸化増量が10g/mm2未満のものを良好、耐変形性については、第2段階での伸びが3%未満のものを良好、ということにして、耐酸化性の点でも耐変形性の点でも良好なものを○で、耐酸化性および耐変形性の点で劣るものを●で、耐変形性のみの点で劣るものを▲で示した。
耐酸化性および耐変形性が良好なLa含有量は、曲線1で示すLa=1.4/tと曲線2で示すLa=6.0/tの間の範囲内に分布している。この図1から、箔厚をt(μm)としたとき、La(質量%)が1.4/t以上の値となる添加であれば、耐酸化性が良好であり、またLaが6.0/t以下であれば、第2段階での伸びを小さく抑えることができる。従って、本発明のLaは以下の関係式を満たす範囲内とする。
1.4/t≦La≦6.0/t (1)
次にZr、Hfについて説明する。La、Zrを添加するときは、
0.6/t≦Zr≦4.0/t (2)
を、La、ZrかつHfを添加する場合は、
0.4/t≦Zr≦2.0/t (3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t (4)
を満たすことが必要である。
本発明者らがLaに複合添加した酸化工程中でのHf、Zrの拡散挙動を検討したところ、箔を加熱したときにZr、Hfは酸化の初期の段階で箔表面のAl2O3皮膜と地金の地鉄の界面に向かって拡散していき、次に箔表層のAl2O3皮膜のAl2O3粒界中に定着することがわかった。そしてこの粒界中のZr、Hfにより酸素がAl2O3中に拡散するのを防ぎ、Al2O3の成長を防ぐこともわかった。またAl2O3粒界中のHf、Zrは同時にCr2O3の成長も防ぎ、第2段階での酸化速度を遅らせることもわかった。また、理由は明らかでないが、HfとZrではAl2O3粒界中にはHfの方が定着しやすく、HfとZrを複合添加した場合には、Zrを単独で添加した場合より少ないZr量で効果があることがわかった。また、同時にHfとZrを複合添加した場合、HfがAl2O3粒界に向かって拡散していくため、Zrを単独で添加した場合よりAl2O3粒界へ向かうZr量を少量に抑えないと、逆にAl2O3粒界でZrが酸化物となり箔全体としての耐酸化性が劣化することもわかった。
ZrとHfを添加した場合の耐酸化性向上の効果については、Zr、Hfが少な過ぎると酸化の初期にAl2O3粒界中に定着せず、十分な耐酸化性が得られない。また、必要以上に添加するとAl2O3粒界中だけでなく、スケールと地金界面にこれらの元素が濃化して酸化物となり、これらは逆に酸素の短絡経路となって酸化速度が逆に大きくなって、箔全体としての耐酸化性が劣化する。特にこの耐酸化性の劣化は第2段階で激しくなり、このとき伸びも増大してしまう。この適正量は酸化の表面積によって決まり、つまり箔厚によって異なる。その理由はLaに関する説明で述べたのと全く同様である。
図2は各箔厚においてLaを0.06質量%含有させた場合のZr量と耐酸化性との関係を示すものである。これらのデータは、1200℃の大気中で150時間箔の試験片を加熱保持後の試験結果である。
耐酸化性については、酸化増量が10g/mm2未満のものを良好、耐変形性については、第2段階での伸びが3%未満のものを良好、ということにして、耐酸化性の点でも耐変形性の点でも良好なものを○で、耐酸化性および耐変形性の点で劣るものを●で、耐変形性のみの点で劣るものを▲で示した。耐酸化性および耐変形性の良好なZr含有量は、曲線3で示すZr=0.6/tと曲線4で示すZr=4.0/tの間の範囲内であることがわかる。
図3は各箔厚においてLaを0.06質量%、Hfを0.03質量%含有させた場合のZr量と耐酸化性との関係を示すものである。これらのデータは、1200℃の大気中で150時間箔の試験片を加熱保持後の試験結果である。
耐酸化性については、酸化増量が10g/mm2未満のものを良好、耐変形性については、第2段階での伸びが3%未満のものを良好、ということにして、耐酸化性の点でも耐変形性の点でも良好なものを○で、耐酸化性および耐変形性の点で劣るものを●で、耐変形性のみの点で劣るものを▲で示した。耐酸化性および耐変形性の良好なZr含有量は、曲線5で示すZr=0.4/tと曲線6で示すZr=2.0/tの間の範囲内であることがわかる。
また、図4は各箔厚においてのLaを0.06質量%、Zrを0.03質量%含有させた場合のHf量と耐酸化性、伸びとの関係を本発明者らが詳細に検討した結果を示したものである。これらのデータは、1200℃の大気中で150時間箔の試験片を加熱保持後の試験結果である。
耐酸化性については、酸化増量が8g/mm2未満のものを非常に良好、8g/mm2以上10g/mm2未満のものを良好、10g/mm2以上のものを劣る、ということにし、耐変形性については、第2段階での伸びが3%未満のものを良好、ということにして、耐酸化性の点でも耐変形性の点でも非常に良好なものを◎で、耐酸化性および耐変形性の点で良好なものを○で、耐酸化性および耐変形性の点で劣るものを●で、耐変形性のみの点で劣るものを▲で示した。耐酸化性および耐変形性の良好なHf含有量は、曲線7で示すHf=0.5/tと曲線8で示すHf=2.0/tの間の範囲内に分布している。
これらの図1〜図4から明らかなように、箔厚によって好ましいZr、Hfの必要含有量が存在し、LaとZrを添加するときは
0.6/t≦Zr≦4.0/t (2)
の範囲内とするのがよく、La、ZrかつHfを添加する場合は、
0.4/t≦Zr≦2.0/t (3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t (4)
の範囲内であれば、優れた耐酸化性及び低い伸び(耐変形性)を示すことがわかる。よって、Zr,HfについてはLaとZrを添加するときは
0.6/t≦Zr≦4.0/t (2)
とし、La、ZrかつHfを添加する場合は、
0.4/t≦Zr≦2.0/t (3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t (4)
を満たすことを規定する。
C:0.07質量%以下
Cは過剰になると高温強度を劣化させ、また耐酸化性及び靭性も低下するので、極力低減させることが望ましい。よって、0.07質量%以下に限定する。
N:0.05質量%以下
NはCと同様、過剰になると靭性を低下させ、また、冷間圧延時に割れが起こりやすくなり、製造が困難になる。また、製品の加工性も低下する。また、Alと反応し粗大なAlNとして析出すると、耐酸化性が劣化する。
よって0.05質量%以下に限定する。
La、Ceを除くランタノイド:各単独で0.001〜0.05質量%合計で0.2質量%以下
ランタノイドとはLa、Ce、その他Nd等、原子番号57から71までの15種の金属元素である。La、Ceを除くランタノイドはFe−Cr−Al系合金に対しLaと同様に高温で箔表面に生成するAl2O3、Cr2O3といった酸化物皮膜の密着性を向上させる性質があるため耐酸化性を向上させる効果を有する。ただし、Ceは靭性を低下させ熱間圧延中に板を割れやすくする上に耐酸化性を著しく劣化させるので除外する。一般に、純粋なLaを原鉱石から精製するよりも、Laに加えさらにLa、Ce以外のNdなどのランタノイドを含有するものを添加する方が容易な場合が多いこともあるため、La、Ceを除くランタノイドを各単独で0.001〜0.05質量%の範囲で添加させることができる。また、熱間圧延中に板割れが発生するなど製造が困難になるのを防止する目的上La、Ceを除くランタノイドの合計は0.2質量%以下とする。
また本発明の箔は溶融状態で成分調整を行い、鋼塊、スラブに鋳込み、熱間圧延、焼鈍を行った後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して必要な厚さ40μm以下の箔とし、コイルに巻取るが、その際に、最終圧延前の焼鈍を700℃〜1000℃の範囲で行うことを特徴とする。これは、例えば急冷薄帯等による製法では、必ずしも本発明の主要ポイントであるLa、Zr、Hf等の元素が十分に拡散せず、局在することがあり、各元素が前述の箔厚の関係式を満たしてもその効果が現れないことがあるのを本発明者らが見いだしたためである。
また、急冷薄帯等による製法を量産方式で行うと品質にバラツキが生じ、ある部分は、耐酸化性がよいがある部分は耐酸化性が悪いといったことが生ずる。これは、急冷薄帯等の製法では、急冷により状態図からは予測できない組織や、成分を含んだ部分ができるため、製造条件により全く異なる特性を示す個所もでてくる。つまり、成分元素を規定しても、その後の製造条件のバラツキの影響を大きく受け、必ずしも耐酸化性の均一な箔ができない。また、各元素を十分に箔厚方向に拡散させるためには最終冷間圧延前の焼鈍温度を700℃〜1000℃で行うことが有効であることがわかった。これは最終冷間圧延前の焼鈍温度が700℃未満では各元素が十分に拡散せず、1000℃を超えると表面の酸化被膜が厚くなり、後の工程での脱スケールが困難になるためである。以上より、最終冷間圧延前の焼鈍温度700℃〜1000℃とする。なお、好ましくは焼鈍温度は、800℃〜950℃とする。
好ましい焼鈍雰囲気は、鋼板表面にテンパーカラーのつきにくい、アンモニア分解ガス等の還元性雰囲気が望ましい。
また、本発明では最終の箔の組織が平均結晶粒径5μm以下又は圧延組織(圧延されたままの組織であって、最終焼鈍による再結晶組織でないという意味、以下圧延組織と称す)であるのが好ましい。ハニカムに組み込む前の最終の箔の結晶組織粒径を大きくしたり、柱状組織にしてしまうと酸化過程での箔の形状変化が大きくなり、特に箔厚40μm以下になってくると、第2段階に入り、Crの酸化も起こってくるので、Cr酸化物と地金との熱膨張率の違いからくると推定される形状変化が尚一層大きくなる。よって、箔の組織が平均結晶粒径5μm以下、もしくは圧延組織であれば酸化の初期には、圧延時に受けた力により鋼中に導入された歪みの作用で箔は縮み、酸化状態がある程度まで進むとミニマム値をとり、それを過ぎると箔は再び膨張するようになる。従って、最初の箔の組織が小さければ小さいほど、この最初の大きさに対しての膨張率が少なくなる。この効果は平均結晶粒径が5μm以下で得ることができ、特に圧延組織であれば顕著である。平均結晶粒径が5μmを超えてしまうと酸化の当初から箔は膨張してしまう。従って、本発明では最終の箔の組織は平均結晶粒径5μm以下の組織もしくは圧延組織であるのが好ましい。
また、本発明では、最終製品の箔厚が40μm以下のものに適用することが好ましい。メタル担体の壁厚を薄くすることにより排気抵抗が小さくなる効果や熱容量が小さくなりエンジン始動から短時間で昇温し、触媒が活性になる温度に到達することなどの利点は、箔厚が40μm以下、さらには、35μm以下で効果が大きい。もちろん、本発明範囲内の成分構成であれば、厚さが40μmを越える箔に対しても耐酸化性を有し、第2段階での耐変形性に対しての効果があることは言うまでもないことであるが、箔厚が40μm以下で短時間昇温の効果が著しい。よって好ましくは箔厚は40μm以下、さらには35μm以下が好ましい。
(実施例1)
表1、表2に供試材の化学組成を示す。これらの素材は真空溶解によって溶製され、1200℃に加熱後1200〜900℃の温度域で板厚3mmまでの熱間圧延を行った。その後、続いて950℃での焼鈍後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して、厚さ0.1mmの箔とした。この箔をアンモニア分解ガス中、900℃×1分の焼鈍をした後、最終冷間圧延をして箔厚20〜40μmの箔とした。これらの組織は圧延組織となっている。
こうして作製した各箔厚の試料(50mmX50mmの矩形)について、耐酸化性の調査を1100℃の大気中で500時間の酸化試験によって行った。結果を表3、表4、表5に示した。表3は表1に示す実験No.1〜20に対応するもので、LaとZr添加のものである。表3中のLa、Zrと箔厚との関係は、それぞれ
1.4/t≦La≦6.0/t …(1)
0.6/t≦Zr≦4.0/t …(2)
の左辺と右辺の値を記載してある。
表4,5は表2に示す実験No.21〜40に対応するもので、La、Zr、Hf添加のものである。表4中のLa、Zrと箔厚との関係は、それぞれ
1.4/t≦La≦6.0/t …(1)
0.4/t≦Zr≦2.0/t …(3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t …(4)
の左辺と右辺の値を記載してある。
表3及び表5中に酸化増量、膨張率、観測酸化物を記載した。酸化増量は酸化試験片を空冷して放置後、常温で重量変化が5.0g/m2未満のものを◎で、5.0〜8.0g/m2未満のものを○で、8.0以上10.0g/m2未満のものを△で、それ以上のものを×で示した。また、膨張率として試験前寸法に対して試験後完全冷却したあとの試験片の一辺(50mm)の伸びが1.0%未満のものを◎で、1.0以上2.0%未満のものを○で、2.0以上3.0%未満のものは△で、3.0%以上のものを×で示した。3.0%未満を合格とした。観測酸化物は、酸化試験後のサンプルをX線回折分析し、観測された酸化物を示した。
本発明の範囲にある鋼では箔厚に応じた成分範囲で非常に良好な耐酸化性を示し、箔厚が40μm以下においても耐酸化性が良好な特性を示す。また同一成分でも箔厚により試験結果が変化し、特に箔厚が薄くなると本発明の関係式内でLa、Zr、Hfといった元素を規定しないと、耐酸化性が劣ることになった。また箔厚が40μm以下で重要となる第二段階の伸びも本発明内の関係式で良好な値を示した。X線回折分析の結果からも、La、Zr、Hfといった元素が箔厚との関係式から必要以上に添加された鋼については、これらの元素が酸化物となり、特に第二段階の耐酸化性を劣化させていると推定される。 以上から、本発明範囲内の箔は、非常に優れた耐酸化性が要求される触媒コンバーター用材料として好適であることがわかる。
(実施例2)
表6に供試材の化学組成を示す。これらの素材の一部は真空溶解によって溶製され、1200℃に加熱後1200〜900℃の温度域で板厚3mmまでの熱間圧延を行った。その後、続いて950℃での焼鈍後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して、厚さ0.1mmの箔とした。さらに、この箔をアンモニア分解ガス中で表8に示す条件の焼鈍をした後、最終圧延をして箔厚20〜40μmの箔とした。さらに一部の試料については、アンモニア分解ガス中で仕上焼鈍を行い様々な粒径の組織にした後、酸化試験に供した。また、一部は急冷薄帯製造法により所定の箔厚20〜40μmの箔として酸化試験に供した。なお、試験片は、50mmX50mmの矩形とした。表7にLa、Zr、Hfと箔厚との関係について、それぞれ
1.4/t≦La≦6.0/t …(1)
0.4/t≦Zr≦2.0/t …(3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t …(4)
の左辺と右辺の値を示した。
こうして製造した各箔厚の試料について、耐酸化性の調査を1100℃の大気中で500時間の酸化試験によって行った。結果を表8に示した。表8中には最終圧延前焼鈍条件、最終製品箔の組織又は平均結晶粒径、酸化増量、膨張率、観測酸化物を示している。なお、平均結晶粒径は、JIS G0552に準拠して、圧延方向に直角な断面の組織を顕微鏡による画像解析により求めた。また比較例として急冷薄帯を併せて記載してある。酸化増量は、酸化試験片を空冷して放置後、常温での重量変化が5.0g/m2未満のものを◎で、5.0以上8.0g/m2未満のものを○で、8.0以上10.0g/m2未満のものを△で、それ以上のものは×で示した。また、膨張率として試験前の寸法に対して試験後完全冷却したあとの長手方向の伸びが1.0%未満のものを◎で、1.0以上2.0%未満のものを○で、2.0以上3.0%未満のものは△で、それ以上のものを×で示した。3.0%未満のものを合格とした。
本発明の範囲にあるような最終圧延前の焼鈍を行った鋼に関しては、さらに良好な耐酸化性を示し、箔厚が40μm以下においても、耐酸化性が良好な特性を示す。また同一成分でも急冷薄帯などの方法で作成したものより焼鈍圧延を繰り返製造したものが非常に耐酸化性がよいことがわかる。急冷薄帯では一部は鋳造後、熱間圧延して、さらに焼鈍、冷間圧延を繰り返して作ったものよりも耐酸化性が良好な部分もあるが、逆に悪い部分も存在し、同一の箔内でも耐酸化性にバラツキがあった。このため悪い部分の影響が重量変化や伸びに表れた。また、最終の結晶組織を本発明範囲内にすることにより、酸化試験後の膨張率を小さくすることができる。以上から、本発明範囲内の箔は、非常に優れた耐酸化性が要求される触媒コンバータ用材料として好適であることがわかる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、Fe−Cr−Al系合金にLa、Zr又はHfを複合で箔厚に対応させた成分量添加することにより、耐酸化性及び耐変形性に優れた合金箔を提供することができる。本発明の合金箔は、自動車などの触媒コンバータ用材料として好適であり、特に箔厚40μm以下の箔として優れた性能を示すものである。
【図面の簡単な説明】
図1: 各箔厚におけるLa量と耐酸化性との関係を示すグラフである。
図2: 各箔厚においてLaを0.06質量%含有させた場合のZr量と耐酸化性と耐変形性との関係を示すグラフである。
図3: 各箔厚においてLaを0.06質量%、Hfを0.03質量%含有させた場合のZr量と耐酸化性と耐変形性との関係を示すグラフである。
図4: 各箔厚においてLaを0.06質量%、Zrを0.03質量%含有させた場合のHf量と耐酸化性と耐変形性との関係を示すグラフである。
Claims (7)
- 質量%で C:0.07%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:16.0〜25.0%、Al:1〜8%、N:0.05%以下、LaおよびZrを含み、かつ箔厚をtμmとしたとき、前記LaとZrが質量%で、以下の式の成分範囲を満たし、残部Fe及び不可避不純物からなり、さらに前記箔厚tが20〜40μmであることを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔。
1.4/t≦La≦6.0/t ・・・(1)
0.6/t≦Zr≦4.0/t ・・・(2) - 請求項1において、質量%で、さらにHfを以下の(4)式の成分範囲を満たして含み、前記Zrは、Hfの含有に伴い上記(2)式を変更して、下記(3)式の成分範囲を満たし、残部Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔。
0.4/t≦Zr≦2.0/t ・・・(3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t ・・・(4) - 請求項1から2のいずれかの請求項において、さらに質量%で、La、Ceを除くランタノイド:各ランタノイド単独で0.001〜0.05%、かつ該ランタノイドの合計:0.2%以下を含むことを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔。
- 請求項1から3のいずれかの請求項において、最終の箔の組織が平均結晶粒径:5μm以下又は圧延組織であることを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔。
- Fe−Cr−Al系合金箔を製造するにあたり、溶融状態で質量%で C:0.07%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:16.0〜25.0%、Al:1〜8%、N:0.05%以下、LaおよびZrを含み、かつ箔厚をtμmとしたとき、前記Laおよび、Zrが、質量%で、以下の式の成分範囲を満たし、残部Fe及び不可避不純物からなる溶鋼を、スラブに鋳込み、熱間圧延、焼鈍を行った後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して前記箔厚tが20〜40μmの箔とすることを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔の製造方法。
1.4/t≦La≦6.0/t ・・・(1)
0.6/t≦Zr≦4.0/t ・・・(2) - 請求項5において、前記溶鋼に、質量%で、さらにHfを以下の(4)式の成分範囲を満たして含ませると共に、前記Zrは、Hfの含有に伴い上記(2)式を変更して、下記(3)式の成分範囲を満たすことを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔の製造方法。
0.4/t≦Zr≦2.0/t ・・・(3)
0.5/t≦Hf≦2.0/t ・・・(4) - 請求項5または、6において、
最終冷間圧延前の焼鈍を700〜1000℃で行うことを特徴とするFe−Cr−Al系合金箔の製造方法。
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