JP4080261B2 - 分散スラリーのコーティング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体粒子を分散媒体中に分散させてなる分散スラリーを、連続的に走行する基材表面にコーティングロールを用いて塗工するコーティング装置に関し、とくに分散スラリーがコーティングロール表面に付着しやすい性質のものであるか、あるいは沈降しやすい固体粒子を分散させた分散スラリーである場合において、連続走行する基材に分散スラリーを安定に、かつ均一に塗工することができるように改良されたコーティング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の基材表面に塗工処理を行おうとする場合、固体粒子を分散媒体に分散させた分散スラリーは、塗工すべき液体が均一な溶液である場合と異なり、相分離、沈降、凝集などにより部分的な濃度変化が起こりやすい。従って、分散スラリーを塗工する場合には、種々のコーティング装置の中で、構造が比較的簡単で安価なロールコーティング装置を利用すると、分散スラリー中の固形粒子の沈降、あるいはコーティングロール表面への付着が起こりやすい。このためコート面が不均一になったり、あるいは走行中に詰まりが発生したりして、均一、安定な塗工処理を行うことは難しい。
【0003】
このような分散スラリーの付着を軽減するために、コーティングロール表面に、剥離性のよいシリコーン、テフロン(登録商標)といった材料で表面処理をしたり、スクレーパをつけて掻き落としたり、またロールを正方向あるいは逆方向に回転させて、剥離しやすい状態を作る等の工夫が行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の対策では、上記のようなコーティングロール表面に分散スラリーが付着するのを防止するという問題に対する充分な解決法にはなっていない。このような付着現象は、ロールコーターだけでなく、バーコーターやナイフエッジコーター等の、基材にコーターを直接接触させるような接触式コーターには共通の現象であって、根本的にトラブルを回避するためには、従来の技術水準では、カーテンコーター、グリッドコーター、スプレイコーターなどの非接触型コーターを採用する以外にない。ところが、塗布すべき分散スラリーの性状などに対する制限因子が新たに発生すると共に、コーティング装置自体が複雑化し、設備コストも大幅に上昇する。特に、本発明が対象としているような水/有機溶媒混合系の分散媒体に吸水性固体粒子を分散させた分散スラリーの場合には、吸水性固形粒子の表面粘着性が高いため、従来のコーティング装置では大きなトラブルを発生しやすく、均一、安定な塗工処理を行うことは極めて困難である。
【0005】
本発明の目的は、コンマコータ等のいわゆるロールコーターにおいて、固体粒子を分散媒体中に分散した分散スラリーを、連続走行する基材に安定かつ均一に塗工することを可能とする装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明の分散スラリーのコーティング装置は、固体粒子を分散媒体中に分散させてなる分散スラリーを、連続的に走行する基材表面にコーティングロールを用いて塗工する分散スラリーのコーティング装置において、
軸心が水平になるように配置されたコーティングロールと、
前記コーティングロール周面の最下端近傍の位置を通るように、前記コーティングロール周面に対して接線方向に前記基材を連続的に走行させる走行手段と、
前記基材の走行方向に関して、前記コーティングロール周面の最下端近傍の位置から下流側寄りの位置に定められた吐出位置において、前記分散スラリーを前記基材の表面に連続的に供給するスラリー供給手段と、
前記スラリー供給手段から供給される前記分散スラリーが前記コーティングロール周面と接触しないように、前記コーティングロール周面を覆い、かつその先端部が前記コーティングロール周面の最下端を越えて配置されたカバーフィルムとを備え、
前記カバーフィルムの先端部と前記基材表面との間に前記分散スラリーが供給されることを特徴とする。
【0007】
好ましい態様を以下に示す。
【0008】
前記基材の走行方向に関して、前記スラリー供給手段が前記コーティングロール周面の最下端の上流側において、適当量の分散スラリーを一時的に貯留するための一時貯留部を備えている。
【0009】
また、前記カバーフィルムの先端部が非固定である。
【0010】
さらに、前記カバーフィルムの先端部を除く前記カバーフィルムの部分が、前記コーティングロールの軸方向の両端部において、前記コーティングロール周面に沿った所定の位置に保持されるようにサイドシール部によって固定されている。
【0011】
前記カバーフィルムが2枚のフィルムを重ねてなる積層フィルムである。この場合、前記2枚のフィルムのうち、第1のフィルムは前記サイドシール部を越える位置まで延び、かつ前記サイドシール部によって固定され、第2のフィルムは前記サイドシール部の内側のみを覆う幅を有するものである。
【0012】
前記第1のフィルムが前記コーティングロールに対面する位置に、また、前記第2のフィルムがその外側の位置にそれぞれ配置されている。あるいは前記第2のフィルムが前記コーティングロールに対面する位置に、また、前記第1のフィルムがその外側の位置にそれぞれ配置されていている。
【0013】
前記基材の走行方向に関して、前記第1のフィルムが前記第2のフィルムよりも短い。また、前記第1および第2のフィルムがその少なくとも一部において相互に接合されたものである。
【0014】
前記第1のフィルムが厚さ50μm以上のPETフィルムであり、前記第2のフィルムが厚さ50μm未満のPETフィルムである。
【0015】
前記基材の走行方向に関して、前記カバーフィルムの先端部が前記コーティングロール周面の最下端から下流側に所望の長さだけ延びている。
【0016】
前記コーティングロールの直径が100〜500mmの範囲であり、かつ、前記基材の走行方向に関して、前記カバーフィルムの先端部が前記コーティングロール周面の最下端から下流側へ1〜50mmだけ延びている。
【0017】
前記カバーフィルムの先端部と前記コーティングロール周面との接触を防ぐためのセパレータをさらに備えている。
【0018】
前記基材の表面にコーティングパターンを形成するパターンスペーサーがさらに設けられ、これにより前記基材の走行方向に関して、前記カバーフィルムの先端から下流側に向かう前記基材の表面に供給される前記分散スラリーが前記基材の表面の一部には供給されないように規制している。
【0019】
前記コーティングロールがその表面に凹凸を有し、これにより前記コーティングロール表面と前記カバーフィルムとの間に部分的に非接触部が存在するように構成されている。
【0020】
前記固体粒子が、粒子状、粉状またはフレーク状のSAP(高吸水性樹脂、Super Absorbent Polymer)であり、前記分散媒体が有機溶媒と水の混合溶媒である。
【0021】
前記固体粒子が1000μm以下の粒子径を持つSAPであり、前記分散媒体が前記SAPに対して膨潤抑制作用を持つ有機溶媒と水の混合溶媒であり、かつ前記基材が多孔性不織布状物である。
【0022】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の装置の基本構成について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明のコーティング装置の第1の実施の形態を示す。軸心が水平になるように配置され、その軸心を中心として所望の速度で回転するように構成されたコーティングロール1を備え、このコーティングロール1の下方に、コーティングロール1の回転過程においてその周面の最下端近傍の位置を通って、コーティングロール周面に対して接線方向に連続的に基材2が、図示しない走行手段により、走行するように構成されている。
【0024】
また、基材2の表面に塗布すべき分散スラリー3は、コーティングロール1の回転過程において、必要に応じて設けられた一時貯留部4を経て、前記基材の走行方向に関して前記コーティングロール周面の最下端近傍の位置から下流側寄りの位置に定められた吐出位置において、基材2の表面に連続的に供給されるようになっている。
【0025】
さらに、一時貯留部4から供給される分散スラリー3がコーティングロール1の周面と接触しないように、コーティングロール1の周面を覆い、かつその先端部がコーティングロール1の周面の最下端を越えるように、カバーフィルム5が配置される。このカバーフィルム5の先端部と基材2の表面との間の空間に分散スラリーが供給されるようになっていて、この空間が分散スラリーの吐出位置となる。
【0026】
図1に示した例では、カバーフィルム5は、その最上端ではフィルム固定具7により所定の位置に固定されているが、他端はコーティングロール1の最下端から、基材2の走行方向に関して下流側に寄った位置に達する長さを有し、この他端はコーティングロール1と基材2との間に挟まれた状態で自由端を構成している。
【0027】
このように構成された分散スラリーのコーティング装置の構成要素についてさらに以下に説明する。
【0028】
まず、コーティングロール1は、第1に、その周面の最下端部において、その下方を連続的に走行する基材2の表面との間に、所定の距離のクリアランス(隙間)を形成し、これにより基材2の表面にコーティングされる分散スラリー3の厚さを所望の値に規制することができる。また第2に、一端で固定されているカバーフィルム5との間の摩擦抵抗により、カバーフィルム5に適度な張力を与え、しわの発生や空気の抱き込みによる凹凸の発生を防止し、コーティングロール周面にフィルムを密着させるという機能を発揮する。なお、コーティングロール1とカバーフィルム5との間の摩擦抵抗が大き過ぎると、カバーフィルム5の変形や破損、あるいは制動のかかりすぎによるロールの回転エネルギーの損失に繋がるので、適切な値に設定する配慮が望まれる。
【0029】
次に、分散スラリー3のための一時貯留部4について説明する。この一時貯留部4は、幅方向、長さ方向に均一なコーティング状態を得るための準備段階として、濃度分布や凝集が生じないように均一、均質状態で一時的に分散スラリー3を貯留するためのヘッダーの役割を演ずる。一般的には、この一時貯留部4において、固体粒子の凝集や沈降による濃度分布の発生を防ぎ、また幅方向の均一性を確保するための攪拌装置が必要になる場合もある。しかし、これらの条件をクリアできるようなスラリー供給装置を使用すれば、一時貯留部4は省略することができる。
【0030】
上記のように構成された本発明の分散スラリーのコーティング装置においては、基材2の表面への分散スラリー3の供給およびコーティングは、一般的なロールコーティングの場合のように、コーティングロールと基材表面との間のクリアランスで行われるのではなく、カバーフィルム5と基材2との間で行われ、コーティングロール1は、このカバーフィルム5の基材2の表面に対する位置を規制するのみであって、分散スラリー3と接触することはない。従って、コーティングロール表面に分散スラリーが付着するという問題は本質的に発生しない。
【0031】
本発明の分散スラリーのコーティング装置においても、通常のローラーコーティング装置と同様に、連続的に走行する基材の幅方向に関して、コーティング範囲を規定することが望まれる場合がある。図2は、本発明の第2の実施形態によるコーティング装置を示し、このようなコーティング幅規制手段としてのサイドシール部13を備えたコーティング装置の一例を示す。(A)はコーティングロール1の軸心に垂直な平面における断面図、(B)は正面図である。図2の装置において、コーティングロール1の最下端部近傍の吐出位置を挟んで、コーティングロール1に対向してサポートロール11が設けられ、基材2はこのコーティングロール1とサポートロール11との間を通過するように構成されている。また、基材2の走行方向に関して吐出位置の上流側に、基材2の下方への液漏れを防止する目的で液シール部12が設けられている。
【0032】
符号13で示すこの例のサイドシール部は、一時貯留部4の両側面のゲートとなる左右一対のプレートからなり、コーティングロール1の表面と後部プレート部に密着し液もれを防ぐために、カバーフィルム5の両側部の内側に位置して設けられていて、一時貯留部4の後部プレート部14に対して、溶接あるいは接着等の手段で固定されている。
【0033】
このサイドシール部13は、分散スラリー3がコーティングロール1の周面との間の隙間を通ってその外側に漏れ出すのを防止するために、コーティングロール1の周面と接触するように設けるのが望ましい。しかしこの場合には、コーティングロール1の周面に対してシール性があるとともに、摩擦抵抗が少なく、しかも摩耗しにくいものが適している。このような要求を満たすために、サイドシール部13は、合成ゴム、発泡フォーム、テフロン(登録商標)等から選択された樹脂材料で構成することが望ましい。
【0034】
一時貯留部4に供給された分散スラリーは、後部では後部プレート部14により、両側はサイドシール部13によってシールされ、一時貯留部4とカバーフィルム5との間に形成されている唯一の出口を通って、連続的に走行する基材2にコーティングされる。
【0035】
また、図3は本発明の第3の実施形態によるコーティング装置を示す。該装置は、分散スラリーを基材上にラインパターン状にコーティングするように構成されたもので、一時貯留部4からの分散スラリー出口と、その下方を連続的に走行する基材2の表面との間に、基材2の走行方向に延びる少なくとも1つのパターンスペーサー21が配置されている。このパターンスペーサー21は、両側のサイドシール部13間の全領域で均一に供給される分散スラリー3の流れを、パターンスペーサー21の位置で分断することにより、基材2の表面に塗布される分散スラリー3のコーティングパターンを、複数のライン状にする。このライン状パターンの数は、設けられるパターンスペーサー21の数によって決まり、図3(B)の例のように、10個のパターンスペーサー21を設けた場合には、9本のラインからなるラインパターンが形成される。
【0036】
ここで、本発明のカバーフィルム5について考察する。
【0037】
まず、カバーフィルム5の主要な機能として、下記の事項が挙げられる。
(1)コーティングロール1が分散スラリー3と接触する部分を被覆することによって、ロール面への分散スラリー3の接触を阻止し、その付着を防止する。
(2)カバーフィルム5の一端は固定され、他端は自由端とされているので、その自由部のエッジ効果により、分散スラリー3のカバーフィルム5の表面からの離脱を容易にする。
【0038】
上記の機能のうち、本発明で最も重要なのは、(2)に示した自由端の持つ機能である。これについて以下詳述する。
【0039】
<尾端部におけるシャープなエッジ効果の発現>
基材2上に一部沈積するとともに、カバーフィルム5にも接触していた分散スラリー3は、カバーフィルム5の自由端となっている先端部でカバーフィルム5からも離別し、基材2上に移行することでコーティングが完成する。このような端部での分散スラリーの移行、すなわち分散スラリーのエッジ離れが悪いと、分散スラリーはカバーフィルムの先端部に溜り、さらにはコーティングロール1の、カバーフィルム5に覆われていない露出面にも沈積し、「ダマ」と称されている塊が発生し、その結果として、コーティング面が荒れ、しかも不均一になるという好ましくない事態をもたらす。さらにこの状態が進行すると、分散スラリーの詰まりが生じ、連続的な塗工が行えなくなる。また、幅方向に波状の凹凸が生ずることによる幅方向の厚さが不均一になる等の障害が発生しやすい。
【0040】
従って、カバーフィルム5は、適度な剛性とともに、先端のシャープさを有することが必要である。その理由は、カバーフィルム5の先端部が、コンマコータやエッジコータにおけるシャープエッジと同様な役割を担うからである。これらの性能に特に影響するのが、カバーフィルムの材質とその厚みである。カバーフィルム5の好ましい材質としては、ポリエステル、延伸PP、テフロン(登録商標)、LDPE、塩化ビニルなどが代表的なものとして挙げられる。
【0041】
また、カバーフィルム5は、上記のような材質のフィルム1枚で構成してもよいが、同じ材質のフィルムを2枚積層して使用してもよいし、また、異なった材質のフィルムを2枚積層して使用してもよい。例えば、PETフィルムを使用する場合には、第1のフィルムが厚さ50μm以上のPETフィルムであり、第2のフィルムが厚さ50μm未満のPETフィルムであるものが好ましい。また、30μmフィルムと100μmフィルムとの組合せ、PETフィルム/テフロン(登録商標)フィルムの組合せ、PPフィルム/金属箔との組合せ等である。これらの中で特に好ましいのは、ポリエステルフィルム、例えば「ルミラー」(商品名、東レ(株)製)、あるいはその表面加工品が挙げられる。
【0042】
カバーフィルムを構成するフィルムの厚みとしては、その剛性によっても異なるが、薄過ぎると剛性が不足して撓み変形し易くなる。適当な厚みは30μm以上である。また逆に、厚過ぎると、コーティングロール1とのなじみが悪くなるので、300μm以下のものがよい。好ましい厚みは約40〜200μmである。この厚みは、材質によっても異なるが、上述したように2枚を積層したものの厚みにも適用される。
【0043】
カバーフィルム5の表面は、両面とも平滑であってもよいが、コーティングロール1との接触面における摩擦抵抗を下げるために、凹凸加工を施したもの、あるいはシリコーン、テフロン(登録商標)等の剥離剤で表面処理を施したものを用いることもできる。また、分散スラリー3に接触するカバーフィルム表面に、電気的な吸着作用により分散スラリー3が付着しやすくなることもあるので、カバーフィルム5の分散スラリー3との接触面に、静電防止加工あるいは金属蒸着を施すことが望ましい。
【0044】
<カバーフィルム自由端の位置及びその制御>
コーティングロール1の最下端の位置と、そこから基材2の走行方向に関して下流側へ延びるカバーフィルム5の自由端との間の位置関係は、コーティングロール1の汚れ、あるいは分散スラリー3のエッジ離れに影響するので、重要な要素の一つである。図4(A)は、コーティングロール1の下方にパターンスペーサーがなく、基材2に全面コーティングする態様例で、この場合には、カバーフィル5の位置は、コーティングロール1の軸心から垂直に降ろした点、すなわちコーティングロール1の最下端から、基材2の走行方向に関して下流側へ延在する点までの距離aと、カバーフィルム5の先端とコーティングロール1の周面との間の鉛直方向の離間距離bとによって規定される。
【0045】
パターン形成用のパターンスペーサー21を設ける場合には、上記の距離aおよび距離bとともに、図4(B)および図4(C)に示したように、コーティングロール1の周面の最下端からパターンスペーサー21の先端までの距離cと、パターンスペーサー21の先端とカバーフィルム5の先端との距離dについてもあわせて考慮する必要がある。
【0046】
なお図4(B)は、パターンスペーサー21よりもカバーフィルム5の先端が下流方向に長く延長している場合、図4(C)は、カバーフィルム5よりもパターンスペーサー21の先端が下流方向に長く延長している場合をそれぞれ示している。
【0047】
コーティングロール1の最下端から、カバーフィルム5の先端までの距離aは、少なくとも1mm以上であることが望ましく、好ましくは3〜30mm、さらに好ましくは5から25mmである。3mm未満であると、エッジ効果が十分発現されず、カバーフィルム5の先端部とそれに近接したコーティングロール1の周面に分散スラリーが付着しやすくなる場合がある。逆に、30mmを超えると、カバーフィルム5の表面に分散スラリーが固形化して付着するようになり、コーティング面が荒れたり不均一になったりする恐れが生ずる。一方、カバーフィルム5の先端とコーティングロール1の周面との間の鉛直方向の離間距離bの値は、原理的にいえばできるだけ大きければよいが、適当な値は1〜10mm程度である。
【0048】
距離cおよびdの値は、コーティングを施すべき基材2、あるいは求めるコーティングパターンに応じて適宜に選択されるが、その具体例のいくつかを図5に示す。これらの具体例において、固体粒子として平均粒径300μmの高吸水性樹脂(「アクアパールAP211(商品名)」、サンダイヤポリマー製)、分散媒体としてEtOH/H2O=65/35(部/部)を用い、この分散媒体100部中に高吸水性樹脂20部、セルロースパウダー2部を分散させた分散スラリーを調整し、50g/m2のPE/PET繊維系サーマルボンド不織布基材の上にコーティングを施した。
【0049】
以下に、本発明の分散スラリーのコーティング装置を使用して基材に分散スラリーをコーティングするための主要な要素について説明する。
【0050】
先ず、分散スラリーは、例えば、高吸水性樹脂(SAP)を分散媒中に分散させたものである。SAPは、水では高膨潤するが、水に混合可能なメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール等の有機溶媒を添加すると膨潤が抑制されるので、分散スラリーの調整が可能である。この系には粘度調整剤、あるいは凝集防止剤としてCMC、エチルセルロース、PEO、MFC等を添加することもできる。
【0051】
SAPは繊維状、団粒状、粒子状またはフレーク状の形態のものがあるが、スラリー化には粒子状、粉状またはフレーク状のものが適している。最も好ましいものは、平均直径が1000μm以下の粒子状SAPである。
【0052】
この分散スラリーをコーティングすべき基材としては、ティシュペーパー、汎用される不織布、布帛類が用いられるが、好ましいのはSAP粒子をその組織の中に包含できるような嵩高不織布、畝加工ニット等の嵩高で多孔性のある基材である。
【0053】
次に、図3で示した本発明の分散スラリーのコーティング装置を用いて、上記のような分散スラリーを基材にコーティングする工程の一例を具体的に説明する。
【0054】
図3において、分散スラリー3は、一時貯留部4に、コーティングロール1の軸方向に関して均一な流量で供給し、沈降を防止するために好ましくは緩やかに攪拌しながら、基材2の表面にコーティングされる。この例では、コーティング装置において、図5(A)に示した条件を採用した。
【0055】
このような構成のコーティング装置を用いてコーティングを行い、10mm間隔のラインパターンで、コーティング目付が200g/m2のコーティング基材が得られた。なお、コーティング処理中、初めの数分間は問題がなかったが、次第にカバーフィルムの先端とカバーフィルムに近接するコーティングロール部に分散スラリーが付着してダマを形成する傾向が見られたが、スピードを30m/minと速くすることでダマの大きさも小さくなり、発生箇所も減少した。
【0056】
同様に、図5(B)の条件では、10m/minのスピードでもダマの発生もなく、長時間安定なコーティングが可能であった。スピードを30m/minに上昇させても大きな変化は観察されなかった。コーティングロール表面への付着も殆ど観察されなかった。
【0057】
さらに図5(C)の条件では、ロール表面への付着、ダマの発生は10m/minのスピードでも30m/minのスピードでも観察されなかった。しかし10m/minの時に時間の経過と共にパターンスペーサーの最先端表面とカバーフィルムの間に固化した分散スラリーの付着物が発生し、カバーフィルム下面が徐々に汚れてくる現象が観察された。スピードを30m/minにすると付着物の量は減少した。
【0058】
なお図4および図5において、作図の都合上、a、b、c、dの寸法を実際よりも拡大して示している。従って、コーティングロールの直径に対してa、b、c、dの長さが長く示されている。
【0059】
図6は、コーティングロール1とカバーフィルムフィルム5の自由端との間の距離bを所望の値に保持する手段の具体例を示している。この距離bは、前述の理由から大略1〜10mmに保つことが望ましく、そのためには、コーティングロール1の出口部分に、両者間の距離を規制するためのセパレートユニットを設けることが望ましい。図6(A)は、コーティングロール1に固定されたバープレート31を設けた例で、このバープレート31の高さを適宜変えることによって、コーティングロール1とカバーフィルム5との間の距離を、望みに応じて自由に設定し、その値に確保することができる。ただし、このバープレート31は、コーティングロール1が回転しない構成の場合にのみ採用可能である。
【0060】
図6(B)は、コーティングロール1とカバーフィルム5との間に、コーティングロール1の軸心と平行で、かつ周面が相互に接近もしくは接触するように配置された小径の、例えば、直径10mm程度の回転ロール41を設けた例を示している。回転ロール41は、コーティングロール1が静止している場合には、静止させておいてもよく、あるいは両者を非接触として、回転ロール41のみを回転させてもよい。またコーティングロール1が回転している場合には、回転ロール41をコーティングロール1と接触させた状態で同期回転させてもよい。回転ロール41は、その表面の滑性を高めるために、シリコーンゴム等で被覆したものであるのが望ましい。この回転ロール41の存在によって、鉛直方向の離間距離bが確保される。
【0061】
また、図6(C)の例は、コーティングロール1が常時回転している場合に適用されるもので、その周面に近接して、ナイフエッジ型のスクレーパ51が設けられている。この場合には、カバーフィルム5がコーティングロール1に接触するような動きが生じても、スクレーパ51で剥離されるので、カバーフィルム5がコーティングロール1に接触することはなく、鉛直方向の離間距離bは確保される。
【0062】
コーティングロール1がその軸心を中心として一方向に連続的に回転するように構成されている場合、基材の走行速度とコーティングロールの周速との間の相対的な速度差は、−10%〜+10%の範囲内で条件設定される場合を等速と表現する。基材の走行スピードとコーティングロールの回転速度の関係は、フィルムの厚さやスピード、求める目付によって異なるが、ロールの回転速度が0、すなわち静止の場合にはフィルムにテンションがかからずフィルムがたるんでしまうので、フィルムにテンションをかけるような固定の方法を工夫しなければならず、装置が複雑になる。ロールを回転させることによりフィルムがロールに密着し、末端部も安定化されるので回転させることが望ましい。
【0063】
しかしこの回転の割合は走行スピードによっても異なるので、その範囲を規定することは難しい。通常の運転ではロールの回転速度は一定として、フィルムに与えるテンションも一定として、適宜基材の走行スピード(走行速度)を変更する形で運転する。表1、表2はそのような条件設定例を示したものである。
【0064】
表1は基材の走行スピードを50m/minとした時のロールの回転スピードとの関係を示したものである。5m/min(10%)付近を超えると安定してくる。基材のスピードとほぼ等速の90以上、110%以下のゾーンを等速ゾーンとすると、10%以上、90%未満を減速ゾーン、110%より高く、300%以下の範囲を増速ゾーンと称する。
【0065】
あくまでフィルムを介してロールは回転するので、ロールの回転が関与するのはフィルムの密着度とフィルム先端部の微妙な変化である。75m/min(150%)を超えるようになるとテンションが大きくなるとともに、フィルム先端部に振動が生ずるようになる。これが激しくなるとコーティングの乱れに通ずるが、逆にダマの付着発生を防ぐ効果を持つ。このようなバイブレーション効果はコーティングロールに浅いグリッドを設けることによってより強調される。
【0066】
基材走行スピードを広範囲に渡って変化させる場合には、表2のようにコーティングロールの回転スピードを30m/min前後に固定し、その条件にフィルムの材質、厚み等を最適化することによって、コーティングロールの回転スピードに関係なく基材を走行させることが可能になる。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
<コーティングロールへの被覆フィルムの固定>
コーティングロール1に対するカバーフィルム5の位置の規制は、図1、図2および図3に示したように、上方端部では、コーティングロール1の上方の位置でカバーフィルム5の一端をフィルム固定具7で固定することにより、また両側部では、サイドシール部13に固定することによりで行われる。
【0069】
カバーフィルム5のサイドシール部13による固定は、それ自体の位置規制の他に、分散スラリーの漏れ防止の機能も併せ持つことが必要であるので、コーティングロール1が回転するかどうか、あるいはカバーフィルム5の厚さ等の諸条件に応じて適切な固定手段を選択することが望ましい。
【0070】
図7は、コーティングロール1の幅とカバーフィルム5の幅との関係を示したもので、ロール幅460mm、サイドシール幅280mmのテストロールの場合を例として説明する。
【0071】
図7(A)は、カバーフィルム5がサイドシール部13の内側のみに存在する場合を示し、サイドシール部13およびその外側ではコーティングロール1の周面が露出している状態である。この構成で、コーティングロール1を静止させた状態でコーティングする場合には、カバーフィルム5の固定点が入口部にしか存在しないので、カバーフィルム5とコーティングロール1との間に分散スラリーが入り込み、汚れや詰まりなどの大きなトラブル原因となるので、粘着剤あるいは接合剤等を用いて、両者間に隙間が生じない状態にする必要がある。
【0072】
また、コーティングロール1が回転する場合には、カバーフィルム5には常に引張り力が与えられるので、最初の装填時にカバーフィルム5に少量のPEG等を塗り、空気を巻き込まないような工夫をすれば、安定な操業が可能である。
【0073】
図7(A)の方式の特長は、カバーフィルム5の端末部での自由度が高いということである。
【0074】
一方、図7(B)の場合には、カバーフィルム5は、その幅方向において、サイドシール部13を越えて、コーティングロール1のエッジを残してそのほぼ全面をカバーしている。カバーフィルム5はサイドシール部13で固定されているので、コーティングロール1とカバーフィルム5との間に分散スラリーが入り込む恐れもなく、コーティングロール1が静止している場合にも、また回転している場合にも対応できる。ただし、カバーフィルム5の先端部での移動の自由度が低くなるので、カバーフィルム5が厚くなるにしたがって、局部的凹凸がコーティングのムラを生じさせやすくするので注意が必要である。
【0075】
また図7(C)の場合には、カバーフィルム5の両縁はサイドシール部13を越え、さらにコーティングロール1の両端を越えてコーティングロール1の全面をカバーしている。この場合も、コーティングロール1が静止していても、あるいは回転していても、ともに対応でき、コーティングロール1に分散スラリーが付着することもない。しかし、カバーフィルム5の拘束が大きいために自由度が低くなる。より大きい自由度を望む場合には、図7(C)に示したように、カバーフィルム5に、その先端からサイドシール部13にかかる部分にスリットカット61を設けることによって解決することが可能である。
【0076】
<複層のカバーフィルム>
カバーフィルムは、単層でもよいし、2枚のフィルムを複層にして使用することも可能であることは既に説明した。この複層のカバーフィルムは、単に全面に張り合わせる場合だけでなく、長さ方向に長いフィルムと短いフィルムを組み合わせる場合、幅方向に広幅のフィルムと幅の狭いフィルムとを組み合わせる場合等の変形が可能である。
【0077】
図8は、コーティングロールの軸心に垂直な方向(長さ方向)に第1のフィルム5aと、第2のフィルム5bとを組み合わせた例を示している。まず図8(A)は、比較的厚い補強用の第1のフィルム5aを、コーティングロール1に対して外側、つまり分散スラリーに接する側に配し、比較的薄い第2のカバーフィルム5bをコーティングロール1側に配置した例を示し、また図8(B)は、短い補強用の第1のフィルム5aを、コーティングロール1に対して外側、つまり分散スラリーに接する側に配し、第1のフィルム5aよりも相対的に短い第2のカバーフィルム5bをその内側に配置した例を示す。
【0078】
図9は、コーティングロール1の軸方向の全域を被覆し得る、幅方向に広い第1のフィルム5aと、サイドシール部13の内側のみに存在する幅の狭い第2のカバーフィルム5bを組み合わせた例を示している。図9(A)の例では、幅の狭い第2のカバーフィルム5bが、カバーフィルムを設けるべき領域の一端から他端に達する長さを有し、第1のフィルム5aと重なり合った部分でこれに接合されている。第1のフィルム5aと重なり合っていない部分において、第2のカバーフィルム5bは単層であり、コーティングロール1に対して大きい自由度を保っている。また図9(B)の例では、幅の狭い第2のカバーフィルム5bは、第1のフィルム5aにその先端部分のわずかな重なり合い部分で接合され、自由度の高い先端部を形成している。
【0079】
本発明において、コーティングロールの直径に特に制限はないが、一般的には100〜500mmの範囲であり、この場合には、第2のフィルムの先端が、コーティングロール周面の最下端位置から、基材の走行方向に関して下流側へ延びる長さが1〜50mmであるのが好ましい。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、ロールコーターだけでなく、バーコーターやナイフエッジコーター等の基材にコーターを直接接触させるような接触式コーターには共通の、コーティングロール表面に分散スラリーが付着するという問題を、コーティング装置自体の複雑化や、設備コストの大幅な上昇を伴わずに解決することが可能である。特に、水/有機溶媒混合系の分散媒体に吸収性固形粒子を分散させた分散スラリーの場合のように、吸水性固形粒子の表面粘着性が高い場合にも、均一で安定な塗工処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーティング装置の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるコーティング装置を示し、(A)は断面図、(B)は正面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態によるコーティング装置を示し、(A)は断面図、(B)は正面図である。
【図4】(A)〜(C)は、本発明のコーティングロールの最下端の位置と、そこから基材の走行方向に関して下流側へ延びるカバーフィルムの自由端との間の、それぞれ異なる位置関係を示す説明図である。
【図5】(A)〜(C)は、本発明のコーティング装置における、コーティングロール、カバーフィルムおよびパターンスペーサーの関係を示す説明図である。
【図6】コーティングロールとカバーフィルムフィルムの自由端との間の距離を所望の値に保持する手段の、それぞれ異なる具体例を示す説明図である。
【図7】(A)〜(C)は、本発明のコーティング装置において適用される、複層のカバーフィルムの、それぞれ異なるカバー範囲を示す説明図である。
【図8】(A)および(B)は、2枚のカバーフィルムを使用した場合の相互の長さの関係を示す説明図である。
【図9】(A)〜(C)は、本発明のコーティング装置において適用される、複層のカバーフィルムの、それぞれのカバー範囲を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コーティングロール
2 基材
3 分散スラリー
4 一時貯留部
5 カバーフィルム
5a 第1のフィルム
5b 第2のフィルム
6 吐出位置
7 フィルム固定具
11 サポートロール
12 液シール部
13 サイドシール部
14 後部プレート部
21 パターンスペーサー
31 バープレート
41 回転ロール
51 スクレーパ
Claims (18)
- 固体粒子を分散媒体中に分散させてなる分散スラリーを、連続的に走行する基材表面にコーティングロールを用いて塗工する分散スラリーのコーティング装置において、
軸心が水平になるように配置されたコーティングロールと、
前記コーティングロール周面の最下端近傍の位置を通るように、前記コーティングロール周面に対して接線方向に前記基材を連続的に走行させる走行手段と、
前記基材の走行方向に関して、前記コーティングロール周面の最下端近傍の位置から下流側寄りの位置に定められた吐出位置において、前記分散スラリーを前記基材の表面に連続的に供給するスラリー供給手段と、
前記スラリー供給手段から供給される前記分散スラリーが前記コーティングロール周面と接触しないように、前記コーティングロール周面を覆い、かつ、その先端部が前記コーティングロール周面の最下端を越えて配置されたカバーフィルムとを備え、
前記カバーフィルムの先端部と前記基材表面との間に前記分散スラリーが供給されることを特徴とする分散スラリーのコーティング装置。 - 前記基材の走行方向に関して、前記スラリー供給手段が前記コーティングロール周面の最下端の上流側において、適当量の分散スラリーを一時的に貯留するための一時貯留部を備えている請求項1に記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記カバーフィルムの先端部が非固定である請求項1または2に記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記カバーフィルムの先端部を除く前記カバーフィルムの部分が、前記コーティングロールの軸方向の両端部において、前記コーティングロール周面に沿った所定の位置に保持されるようにサイドシール部によって固定されている請求項1〜3のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記カバーフィルムが2枚のフィルムを重ねてなる積層フィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記2枚のフィルムのうち、第1のフィルムは前記サイドシール部を越える位置まで延び、かつ前記サイドシール部によって固定され、第2のフィルムは前記サイドシール部の内側のみを覆う幅を有するものである請求項5に記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記第1のフィルムが前記コーティングロールに対面する位置に、また、前記第2のフィルムがその外側の位置にそれぞれ配置されている請求項6に記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記第2のフィルムが前記コーティングロールに対面する位置に、また、前記第1のフィルムがその外側の位置にそれぞれ配置されている請求項6に記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記基材の走行方向に関して、前記第1のフィルムが前記第2のフィルムよりも短い請求項6〜8のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記第1および第2のフィルムがその少なくとも一部において相互に接合されたものである請求項6〜9のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記第1のフィルムが厚さ50μm以上のPETフィルムであり、前記第2のフィルムが厚さ50μm未満のPETフィルムである請求項6〜10のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記基材の走行方向に関して、前記カバーフィルムの先端部が前記コーティングロール周面の最下端から下流側に所望の長さだけ延びている請求項1〜11のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記コーティングロールの直径が100〜500mmの範囲であり、かつ、前記基材の走行方向に関して、前記カバーフィルムの先端部が前記コーティングロール周面の最下端から下流側へ1〜50mmだけ延びている請求項12に記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記カバーフィルムの先端部と前記コーティングロール周面との接触を防ぐためのセパレータをさらに備えている請求項13に記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記基材の表面にコーティングパターンを形成するパターンスペーサーがさらに設けられ、これにより前記基材の走行方向に関して、前記カバーフィルムの先端から下流側に向かう前記基材の表面に供給される前記分散スラリーが前記基材の表面の一部には供給されないように規制している請求項1〜14のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記コーティングロールがその表面に凹凸を有し、これにより前記コーティングロール表面と前記カバーフィルムとの間に部分的に非接触部が存在するように構成されている請求項1〜15のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記固体粒子が、粒子状、粉状またはフレーク状のSAPであり、前記分散媒体が有機溶媒と水の混合溶媒である請求項1〜16のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
- 前記固体粒子が1000μm以下の粒子径を持つSAPであり、前記分散媒体が前記SAPに対して膨潤抑制作用を持つ有機溶媒と水の混合溶媒であり、かつ前記基材が多孔性不織布状物である請求項1〜17のいずれかに記載の分散スラリーのコーティング装置。
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