JP4079853B2 - ビニールハウス - Google Patents
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Description
以下その構成を説明する。
多数のアーチ形フレームが所定の間隔で棟方向に沿ってほぼ重なるように設けられ、各アーチ形フレームは棟方向に沿う連結バーによって相互に連結されている。アーチ形フレームの中の棟方向両端部における少なくとも二本の上にまたがるように、端部フィルムが固定張りされている。
前記アーチ形フレームの上には、各端部フィルムの上に重なり、かつ棟の両裾部方向から巻き上げ得る状態に透明な可動フィルムが張られている。この可動フィルムは、各端部フィルムと重なる部分が帯状のシート又はネットにより押えられ、その他の部分が各アーチ形フレームの間においてロープ又はテープからなるフィルム押え材によりアーチ形フレームへ押えられている。
帯状のシートを含むフィルム押え材は、その両端部がハウスの裾部近傍に棟方向に沿って回転可能に設置された巻締め軸に固定されており、各巻締め軸を互いに逆方向へ回転させてフィルム押え材を巻き締めることにより、可動フィルムを押えている。
また、巻締め軸が屋根の両側に設けられているので、巻締め軸、当該巻締め軸を設置する金具等の部品点数を多く必要とした。
さらに、連棟ハウスの谷部(最外側部分以外の屋根の裾部に相当)では、狭い場所(谷部)で二本の巻締め軸を回転させるので当該部分の操作構造が複雑であった。
各棟毎に巻締め軸が一本で済むので、部品点数が少なくて設置費用がそれだけ廉価になるとともに、操作構造がよりシンプルになる。
図1は第1実施形態のビニールハウス(単棟式)において可動フィルムを一部巻き上げた状態の部分斜視図、図2は図1のビニールハウスの可動フィルムを棟の裾部まで巻き下げた状態の部分斜視図、図3はフィルムの定着要領を示す部分分解斜視図、図4は棟上の巻締め軸の取付状態とその周辺部分の部分拡大断面図、図5は巻締め軸へのフィルム押え材の取付要領を示すを示す部分拡大断面図、図6は巻締め軸へのフィルム押え材の他の取付要領を示す図で、(a)図は巻締め軸にフィルム押え材とクリップ部材とをセットした状態の部分拡大断面図、(b)図は(a)図の状態から巻締め軸を二回転させた状態の部分拡大断面図、(c)図は(b)図の状態でクリップ部材を巻締め軸に嵌め付けてフィルム押え材を緊張させた状態の部分拡大断面図、図7は取付部材へフィルム押え材の裾方向の端部を取り付けた状態の部分拡大斜視図である。
前記アーチ形フレームの外側には、透明な可動フィルム2を棟の両裾部方向から巻き上げ得る状態に張りってハウスの屋根10を構成している。
この実施形態においては、アーチ形フレーム1の中の棟方向両端部における複数本(この実施形態では三本)にまたがる状態に、あらかじめ端部フィルム3を固定張りするほか、棟の裾部に所定幅の裾部フィルム4を固定張りし、可動フィルム2の両端部分は端部フィルム3の上に重なるように構成している。
チャンネル状部材12は、図3及び図4で示すようにほぼあり溝形状に成形された金属板から構成されている。このようなチャンネル状部材12をアーチ形フレーム1の上に棟部に沿って取り付け、このチャンネル状部材12の上に両裾方向の可動フィルム2,2の上端部を被せ、これらの可動フィルム2を、ほぼ波形に成形された押えばね12aでチャンネル状部材12の内部両側に押し込む要領で定着している。
巻取り操作具21は、巻取り軸20がアーチ形フレーム1の上の所望の位置に達したとき操作を停止し、当該巻取り操作具21の軸部を巻取り軸20に対してほぼ直角に保った状態で、当該巻取り操作具21の軸部に対して図示しないスプリングにより巻取り方向へ適度のテンションを加えると、巻取り軸20がその位置で回転停止状態を維持するように構成されている。
軸受部材50は曲げ成形された金属板であり、巻締め軸5を回転自在に保持する円弧状の軸受部50aと、この軸受部50aの両端部と一体な外向き状態のL字状の脚板50b,50bとから構成されている。
各脚板50bの先端部は、一方の脚板50bの側部から内側へ貫通状にねじ込まれた押しねじ50cによって押し広げられ、それぞれチャンネル状部材12のあり溝の内側に押し込まれた状態で当該チャンネル状部材12へ取り付けられている。50dは、脚板50c相互の基部の間隔を保つボルトナットである。
回転規制板53は、円形の基板の外周部へ回転操作具51の方向に起立するように所定の間隔(回転操作具51の軸部の外径よりも大きい間隔)で係止突起を形成したものである。このような構成により、後述のフィルム押え材6を所定限度まで巻き締めた状態で回転操作具51の軸部を任意の係止突起相互の間に案内(この状態では、回転操作具51の軸部は巻締め軸5に対してほぼ直角になる)し、図示しないばねにより当該回転操作具51の軸部へ巻締め方向に所定のテンションを加えると、巻締め軸5は巻締め方向にも巻戻し方向(緩め方向)にも回転しない状態で停止する。
この実施形態において、フィルム押え材は幅40〜50mm程度の帯状であって厚めのビニールが使用されており、端部フィルム3と可動フィルム2が重なるハウスの端部ではアーチ形フレーム1の相互の間に位置し、その他の部分では一つ置きのアーチ形フレーム1相互の間に位置するように配置されている。
前記のように両裾方向に延びるように設けられた各フィルム押え材6は、巻締め軸5を一方向へ回転させて同時に巻締めることにより、前記可動フィルム2を押えるように構成されている。
各フィルム押え材6の裾方向の端部は、それぞれ取付部材7に引掛けて折り返し、折り返した当該フィルム押え材6の折返し重ね部6aを取付金具61で挟み付けることにより、取付部材7に取り付けられている。
各取付金具61は、図7で示すように一対の挟み板62,63と、当該挟み板62,63の重なる両端部相互をねじ締める一対のねじ64,65とから構成されている。一方の挟み板63の一方のねじ案内孔63aは当該挟み板63の一方の長辺へ連続しており、一方のねじ64を中心として一方の挟み板63を回動させてねじ案内孔63aへ他方のねじ65を案内できるようにし、フィルム押え材6の折返し重ね部6aの挟み付け操作がより簡単になるように構成している。
他方の挟み板62にはねじタップが形成されているが、この挟み板62へねじ案内孔を形成し、ねじ64,65の軸部に図示しないナットを取り付けるように構成してもよい。
すなわち、全部のフィルム押え材6を一棟のハウスへ一斉に取り付ける場合には、各フィルム押え材6をその中央部が巻締め軸5の上に位置するように屋根上にセットし、図5のように巻締め軸5とクリップ部材60とでフィルム押え材6を挟んだ状態で各クリップ部材60を巻締め軸5と堅く嵌め合わせる。この状態で図6の(c)図のように巻締め軸5を一方に二回り程度回転させて、巻締め軸5に両側のフィルム押え材6を二回程度巻き付けた後、各フィルム押え材6をそれらのテンションがより均一になるように裾方向に引き締め、それらの端部を図7の要領で対応する取付部材7に取り付ける。
先ず巻締め軸5を緩め方向に回転させ、既に取り付けてあるフィルム押え材6を完全に緩める。図6の(a)図のように、取り付けようとするフィルム押え材6のほぼ中央部とクリップ部材60とを巻締め軸5の上に重ね、この状態で(b)図のように巻締め軸5をフィルム押え材6の巻締め方向へ二回り程度回転させた後、クリップ部材60と巻締め軸5とを堅くはめ合わせて当該フィルム押え材6を巻締め軸5に固定する。次いで(c)図のように、当該フィルム押え材6をそれらのテンションが他のものとより均一になるように裾方向に引き締めた後、それらの端部を図7の要領で対応する取付部材7に取り付ける。
可動フィルム2の最大の巻上げ量は、巻取り軸20が巻締め軸5に近接する位置に達するまでであるが、可動フィルム2の巻上げ量は、必要な換気量すなわちハウス内で要求される必要な温度,湿度と、当該ハウス内の実際の温度,湿度との差による。
各棟毎に巻締め軸5が一本で済むので、部品点数が少なくて設置費用がそれだけ廉価になる。
フィルム押え材6が帯状である場合には、可動フィルム2と端部フィルム3との重なり部分以外の部分において、当該フィルム押え材6の設置本数を前記実施形態のように少なくすることができる。
前述のようなクリップ部材60によりフィルム押え材6を巻締め軸5に固定することにより、当該固定作業が非常に簡単にかつ円滑になる。
フィルム押え材6の裾方向の端部を、前述のような取付金具61によって取付部材7に取り付けることにより、当該取付作業が非常に簡単かつ円滑になる。
図8は本発明に係るビニールハウスを連棟ハウスについて実施した実施形態の部分概略正面図である。
連棟の各谷部が位置する部部には、支柱80により長尺の支持部材8をそれぞれ水平に設置し、支持部材8の側縁の内側寄り位置には両側の棟の各アーチ形フレーム1を保持させ、各棟のアーチ形フレーム1相互を複数の連結バー11で互いに連結している。
支持部材8の上には、隣接の棟のアーチ形フレーム1,1相互の間に位置するように樋81を取り付け、樋81内には内底部から浮上した状態に保持孔を有する板状の保持金具70を所定の間隔に取り付け、各保持金具70にはそれぞれの保持孔に挿通された状態で両側の棟に対応する棒状の取付部材7,7が保持させてある。
アーチ形フレーム1の棟部の上には、第1実施形態と同様にチャンネル状部材12を取り付け、このチャンネル状部材12へ第1実施形態と同様な要領で透明な可動フィルム2の上端部を定着し、各可動フィルム2をそれぞれ裾方向に伸ばした状態で張ることにより、それぞれ屋根10を構成している。
可動フィルム2の裾方向の端部を巻取り軸20に固定するとともに、第1実施形態と同様に配置された各フィルム押え材6の一端部を、棟部に取り付けた巻締め軸5へ固定するとともに、その裾方向の端部を取付部材7に取り付けている。
このような連棟ハウスにおいては、以上のように構成することにより、巻締め軸5を連棟の谷部において回転させることなく、フィルム押え材6の巻締めや緩めの操作がなされるので、その操作構造が簡単になる。
その他の構成や操作要領及び作用効果は第1実施形態のものと同様であるので、それらの説明は省略する。
10 ハウスの屋根
11 連結バー
12 チャンネル状部材
12a 押えばね
2 可動フィルム
20 巻取り軸
21 巻取り操作具
22,52 自在継手
3 端部フィルム
4 裾部フィルム
5 巻締め軸
50 軸受部材
51 回転操作具
53 回転規制板
6 フィルム押え材
60 クリップ部材
61 取付金具
62,63 挟み板
64,65 ねじ
7 取付部材
70 保持金具
71 アンカー
8 支持部材
81 支柱
Claims (6)
- 多数のアーチ形フレームを所定の間隔で棟方向に沿ってほぼ重なるように設け、前記アーチ形フレームの外側に透明な可動フィルムを棟の両裾部方向から巻き上げ得る状態に張ったハウスにおいて、当該ハウスの棟上に沿って巻締め軸を回転可能に取り付け、当該巻締め軸には、各アーチ形フレーム相互の間又はいくつかのアーチ形フレーム相互の間に位置し、かつハウスの各裾方向に延びる状態に帯状,テープ状又は紐(ロープ)状のフィルム押え材を固定し、各フィルム押え材の裾方向の先端部を裾部又は裾部近傍に設けた取付部材へ取り外し可能に取り付け、前記締付け軸を一方向へ回転させて両裾方向に延びる各フィルム押え材を同時に巻締めることにより前記可動フィルムを押えることを特徴とするビニールハウス。
- 各フィルム押え材は両裾方向に延びる部分が一体的に連続していることを特徴とする、請求項1に記載のビニールハウス。
- 各フィルム押え材は、両裾方向に延びるフィルム押え部材を前記締付け軸との間に挟んで当該巻締め軸に嵌め付けられる弾性を有する所定長さの樋状のクリップ部材により前記巻締め軸に固定したことを特徴とする、請求項1又は2に記載のビニールハウス。
- 一対の挟み板と、当該挟み板の重なる両端部相互をねじ締める一対のねじとからなる取付金具を設け、各フィルム押え材の棟裾方向の端部を対応する取付部材に引掛けて折り返し、折返したフィルム押え材の重なり部分を前記取付金具で挟み付けけることにより、各フィルム押え材を対応する取付部材に取り付けたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のビニールハウス。
- 前記取付部材はハウスの裾部又は裾部近傍に棟方向に沿って設けた一本のバーであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のビニールハウス。
- 前記アーチ形フレームの中の棟方向両端部における複数本にまたが状態に、前記可動フィルムの下に位置する端部フィルムを固定張りしたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のビニールハウス。
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