JP2004141128A - フイルム押さえ紐張線装置 - Google Patents

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Hiroshi Takeda
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Abstract

【課題】農業用ハウスの屋根を被覆したフイルムを固定するフイルム押さえ紐を、固定から解き放したり再度固定したりするのに多くの人手を要したが、これを一人だけの作業で同時に出来ないかというのが課題である。
【解決手段】本発明のフイルム押さえ紐線張線装置は、フイルム被覆ハウスの屋根外面の直角方向に、複数のフイルム押さえ紐を設置し、屋根型の一端の裾にフイルム押さえ紐を固定する固定端具を設けて固定し、フイルム押さえ紐の固定側に対する反対側の裾に通環具を設け、フイルム押さえ紐は、通環具の輪の中を通して長手方向手前の張線器側に曲げ、長手方向ワイヤーは、一端を張線器の張線機構に接続し中途でフイルム押さえ紐に連結した構造を課題を解決するための手段として提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用ハウスの被覆フイルムを押さえる紐の張線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフイルムで被覆した農業用ハウスにおいて、屋根を被覆したフイルムを押さえるため、ハウスの枠に下地の垂木材を取り付け、被覆したフイルムの上から押さえ材をあてがい、上からビス止めにする技術がある。
【0003】
従来のフイルムで被覆した農業用ハウスにおいて、屋根を被覆したフイルムを押さえるため、被覆するフイルムの外側をフイルム押さえ紐で引き押さえ、屋根裾の両側の固定端にフイルム押さえ紐を結んで固定する技術がある。
【0004】
温室の被覆シート固定用の押さえバンドの端を直角に配置した回転軸に取り付け、回転軸を回転させることによって押さえバンドを巻き取って締め付け、回転軸を逆回転させることで押さえバンドを緩める構造の、温室の被覆シート固定用の押さえバンド締弛装置がある。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
同様に、ビニールシートを押さえる紐を巻き取る直棒と、それを回す装置がある。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
温室等を覆った硬質フイルムを押さえるために、複数のテープ等を用いて、一端は固定し、他端を鋼管の止め具に固定し、該鋼管を回転させることによってテープ等を巻き締め又は緩めることを特徴とする硬質フイルム押さえ装置がある。(例えば、特許文献3参照)
【0007】
【特許文献1】
実開平5−51号公報
【特許文献2】
実開平6−64440号公報
【特許文献3】
実用新案第3043473号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
農業用ハウスの屋根を被覆したフイルムを押さえるため、フイルムの上から押さえ材をあて、上からビス止めする技術は、農業用ハウスの構造体に完全固定しているから、温度調節のためや不用の場合の巻き上げは、非常に困難であり、天窓、側窓、換気扇等による通気、温度調節等をしなければならない課題がある。又、大雪の場合に暖房をして上に積もった雪を溶かしていないと、雪の重みでハウスがつぶれる危険がある課題がある。
【0009】
農業用ハウスの屋根を被覆したフイルムを押さえるため、被覆するフイルムの外側をフイルム押さえ紐で引き押さえ、屋根裾の両端の固定端にフイルム押さえ紐を固定する技術は、人手によってフイルム押さえ紐の結び及び解き放しする方法であり、最初の設定し、その後の作業を行う都度に、ハウスの片側全部の結び目を解き放し結び直さなければならない課題がある。
【0010】
実開平5−51号の回転軸を回転させる装置や、実開平6−64440号の直棒を回転させる装置、実用新案第3043473号の鋼管を回転させる装置は、共に、回転する棒状体を回転させることによって、押さえバンドを巻き締め又は緩める方法である。一般に数十メートルに及ぶ農業用ハウスにおいて、設置時に一直線を確保出来にくいことや、それに加えて、一端で回転させても全体がねじれを起こし、一様に押さえバンドを巻き締め又は緩めることができなくなる課題がある。
さらに、回転する棒状体に鋼管を使用の場合には、鋼管設置に不陸があると、長い間に水が入り込み、鋼管の中の撓んだ部分に水が溜まり、寒冷時に水が凍って鋼管が破裂することがよくあることで、その都度に鋼管の施設替えが必要である課題がある。
本発明は、以上のようにな課題を解決するためになされたものである。
【0011】
【問題を解決するための手段】
農業用のフイルム被覆ハウスにおいて、内部の換気や構造の安全上からフイルムの巻き取り巻き戻しが必要となるが、その作業を行うためにフイルム押さえ紐の締緩をしなければならない。この場合に、如何にして人手を少なくし、楽に、完全に行うかが課題であるが、問題を解決するための手段として、本発明のフイルム押さえ紐張線装置を設置し、張線器の操作により、ワイヤーを介してフイルム押さえ紐を引っ張ったり緩めたりする装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のフイルム押さえ紐張線装置は、フイルム被覆ハウス1において、屋根外面の長手方向と交差する直角方向に、複数のフイルム押さえ紐2を設置し、屋根外面の直角方向の屋根型の一端の裾に、ハウスに張られたフイルム押さえ紐を固定する固定端具3を設けてフイルム押さえ紐の固定側を固定し、フイルム押さえ紐の固定側に対する反対側のハウスの屋根型の裾に通環具4を設け、フイルム押さえ紐は、通環具部分で曲げてハウスの長手方向の向こう側から手前の張線器5側の中途に向かって通環具の輪の中を通し、長手方向ワイヤー6は、ハウスの通環具列の通りの長手方向に通し、中途で各フイルム押さえ紐の固定側と対する可動側を連結し、長手方向ワイヤーの手前の端をハウスの手前側に設置した張線器の張線機構に接続した構造である。
【0013】
本発明のフイルム押さえ紐張線装置を使用するときは、
(イ)、最初は数人の人の手で本装置を設置する。
(ロ)、次に、これを使用するときは、一人作業によって張線機構を操作して張線器内の巻き取りドラムに長手方向ワイヤーを巻き取る。
(ハ)、長手方向ワイヤーは、張線器側に引き寄せられ、同時に中途で連結したフイルム押さえ紐も引っ張られる。
(ニ)、フイルム押さえ紐は、引っ張られて緊張状態になり、ハウスを被覆したフイルムを押さえ付ける。
(ホ)フイルム押さえ紐を緩めるには、張線機構を巻き取りと反対方向に操作して、張線器内の巻き取りドラムから長手方向ワイヤーを緩める。
(ヘ)長手方向ワイヤーが緩まり、連結したフイルム押さえ紐が緩まり、フイルム押さえ紐で押さえられた部分のフイルムの移動が自由になる。
【0014】
【実施例】
図1・図2・図3により本発明の実施例について説明する。
本発明のフイルム押さえ紐張線装置は、フイルム被覆ハウス1のカマボコ型の屋根外面の長手方向と交差する直角方向に、複数のフイルム押さえ紐2を設置する。
カマボコ型のハウス屋根外面の直角方向の屋根型の一端の裾に、ハウスに張られたフイルム押さえ紐を固定する固定端具3を設け、ハウスに張られたフイルム押さえ紐の固定側をフイルム被覆ハウスの固定端具に固定する。
フイルム押さえ紐の固定側に対する反対側のハウスの屋根型の裾に、長手方向に高さ及び通りを揃えて通環具4を設ける。
フイルム押さえ紐は、通環具部分で曲げてハウスの長手方向の向こう側から手前の張線器5側の中途に向かって通環具の輪の中を通す。
長手方向ワイヤー6は、ハウスの通環具列の通りの長手方向に通し、長手方向に曲げられたフイルム押さえ紐部分と同高に張り、通環具の輪の中を通すか、又は輪の外側を走らせる。
長手方向ワイヤーの中途で、通環具の輪を経た各フイルム押さえ紐の固定側に対する可動側の端を、長手方向ワイヤーに連結する。
長手方向ワイヤーの手前の端は、ハウスの手前側に設置した張線器の張線機構に接続する。
【0015】
フイルム押さえ紐と長手方向ワイヤーの中間部分でフイルム押さえ紐が通環具の輪と接触する箇所とその前後に、長手方向ワイヤーより細く柔軟性がありフイルム押さえ紐より強度がある接続ワイヤー8を組み込み、接続ワイヤーに接続具7を設けて接続具を介してフイルム押さえ紐の可動側と接続し、該接続ワイヤーの接続具と反対側の端を長手方向ワイヤー6の中途と連結する。
長手方向ワイヤーの中途に接続ワイヤーを連結する方法として、大小二穴式の圧着スリーブ9を使用して、圧着スリーブの大穴に長手方向ワイヤーを通し、圧着スリーブの小穴に接続ワイヤーを通して圧着連結する。
【0016】
【発明の効果】
農業用ハウスの屋根を被覆したフイルムを押さえるため、フイルムの上から押さえ材をあて、ビス止めする技術は、構造体に完全に固定しているから、温度調節や不用の場合の巻き上げは、非常に困難であり、天窓、側窓、換気扇等による通気、温度調節等をしなければならない課題と、大雪の場合に暖房をしていないハウスがつぶれる課題があるが、フイルム押さえ紐で押さえることによって巻上げを可能にし、本発明のフイルム押さえ紐張線装置によって、最初の設定後の作業は、ハウスの一棟毎が一度に一人で行うことができる効果がある。
【0017】
農業用ハウスの屋根を被覆したフイルムを押さえるため、フイルムの外側からフイルム押さえ紐で引き押さえ、屋根裾の両側の固定端にフイルム押さえ紐を固定する技術は、人手によってフイルム押さえ紐の結び及び解き放しする方法であり、最初の設定後の作業を行う都度に多くの人手が必要となる課題があるが、本発明のフイルム押さえ紐張線装置によって、最初の設定後の作業は、ハウスの一棟毎が一度に一人で行うことができる効果がある。
【0018】
実開平5−51号の回転軸を回転させる装置や、実開平6−64440号の直棒を回転させる装置、実用新案第3043473号の鋼管を回転させる装置は、共に回転する棒状体を回転させることによって、押さえバンドを巻き締め又は緩める方法で、一般的に数十メートルに及ぶ農業用ハウスにおいて、設置時に一直線を確保出来にくいことに加えて、一端で回転させても全体がねじれを起こし、一様に押さえバンドを巻き締め又は緩めることができなくなる課題があったが、本発明のフイルム押さえ紐張線装置によって、鋼管のねじれることも無く農業用ハウスの一棟毎が一度に一人で行うことができる効果がある。
さらに、回転する棒状体に鋼管を使用の場合には、鋼管設置に不陸があると、長い間に鋼管の中に水が入り込み、寒冷時に鋼管が破裂することもよくあることで、その度に鋼管の施設替えが必要であったが、凍結の原因になる鋼管を使用しない本装置によれば、鋼管が破裂する課題を解決する効果がある。
【0019】
フイルム押さえ紐と長手方向ワイヤーの中間部分でフイルム押さえ紐が通環具を通る箇所とその前後に、長手方向ワイヤーより細くて柔軟性がありフイルム押さえ紐より強度がある接続ワイヤーを組み込む効果は下記の通りである。
接続ワイヤーの細く柔軟性があることによって通環具部分で比較的自在に曲げる事ができる。
フイルム押さえ紐より強度がある接続ワイヤーを使用することによって通環具との摩擦切断を回避することができる。
細い接続ワイヤーは、個々のフイルム押さえ紐に分散された力に対応し、必要以上の太さを必要としないため材料を減らすことができる。
又、接続ワイヤーと長手方向ワイヤーを、大小二穴式の圧着スリーブで圧着連結することにより、簡単に確実に連結できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す詳細斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示す設置斜視図である。
【図3】本発明の実施例を示す設置正面図である。
【符号の説明】
1 フイルム被覆ハウス
2 フイルム押さえ紐
3 固定端具
4 通環具
5 張線器
6 長手方向ワイヤー
7 接続具
8 接続ワイヤー
9 圧着スリーブ

Claims (2)

  1. フイルム被覆ハウス(1)において、屋根外面の長手方向と交差する直角方向に、複数のフイルム押さえ紐(2)を設置し、屋根外面の直角方向の屋根型の一端の裾に固定端具(3)を設けてフイルム押さえ紐の固定側を固定し、フイルム押さえ紐の固定側に対する反対側のハウスの屋根型の裾に通環具(4)を設け、フイルム押さえ紐は、通環具部分で曲げてハウスの長手方向の向こう側から手前の張線器(5)側の中途に向かって通環具の輪の中を通し、長手方向ワイヤー(6)は、ハウスの通環具列の通りの長手方向に通し、中途で各フイルム押さえ紐の固定側に対する可動側を連結し、長手方向ワイヤーの手前の端をハウスの手前側に設置した張線器の張線機構に接続した構造よりなるフイルム押さえ紐張線装置。
  2. 接続具(7)を設けた接続ワイヤー(8)を接続具を介してフイルム押さえ紐(2)の可動側に接続し、フイルム押さえ紐に替わって接続ワイヤーを通環具の輪の中に通し、該接続ワイヤーの接続具と反対側の端を長手方向ワイヤー(6)と連結する構造の請求項1記載のフイルム押さえ紐張線装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106258609A (zh) * 2015-05-21 2017-01-04 镇江市镇研种业有限公司 大棚压膜线的快速拉线方法
CN107820966A (zh) * 2017-11-13 2018-03-23 曾彦粤 一种新型简单多用途的压膜扣件
CN108887029A (zh) * 2018-07-06 2018-11-27 金再欣 一种用于农业大棚的压膜线传递装置

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