JPS6245447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術］ 本考案は延線、緊線終了後でスペーサ取付け前
の多導体送電線の導体相互間の接触を防止する送
電線用仮スペーサに関する。

［考案の技術的背景］ 一般に多導体送電線工事においては、延線、緊
線終了後風圧や電磁力による導体相互の接触を防
止するため導体間にスペーサを取付けることが行
なわれている。

この延線からスペーサの取付けまでの作業は、
全相、例えば６相の延線、緊線終了後に施工する
ので長期間を要し、それまでの期間は第１図に示
すように、鉄塔のアーム１に懸張された導体２の
一端から順次15〜20m間隔で仮スペーサを取付け
て導体の接触を防止すると共に事後のスペーサの
取付けを容易としている。なお図中４は碍子連で
ある。

従来からこの仮スペーサ３としては、特に専用
のものは使用されておらず、第２図または第３図
に示すような、両端部に導体２を押える係止部
５，５′を設けた木片６やパイプ７を間隔部材と
して使用し、、その係止部５，５′へ導体２を受け
て紐、ロープ等で導体２を固定して使用されてい
る。

［背景技術の問題点］ しかし上記したような従来の仮スペーサでは接
触している導体の間隔を空中作業で人力で拡げな
ければならないので極めて作業が困難であり、ま
た導体と仮スペーサ３の緊締は紐、ロープ等によ
る固定なので、特に線路方向の振動には弱く、強
風時には振動で外れ易く信頼性に欠けるという欠
点があつた。

［考案の目的］ 本考案は上記の諸欠点を解消すべくなされたも
ので、施工が容易で、かつ間隔部材を伸縮自在と
して導体間隔の調整を可能とすると共に導体を強
固に保持して導体から外れないようにした構造の
送電線用仮スペーサを提供しようとするものであ
る。

［考案の概要］ 本考案の送電線用仮スペーサは、間隔部材の両
端に導体クランプを取付けてなり、前記間隔部材
がラチエツトハンドルを備え両端に逆ネジ孔を穿
設したネジ筒と、一端を前記各ネジ孔に螺入さ
せ、他端を前記クランプに枢着させた一対のネジ
軸とから構成されたことを特徴とする。

［考案の実施例］ 以下図面に示した本考案の一実施例を説明す
る。第４図は本考案の一実施例を示す正面図であ
る。

同図において、本考案の仮スペーサは間隔部材
８の両端に導体２を挟持する導体クランプ９がボ
ルトＢを介して枢着されている。この間隔部材８
は、両端に逆ネジ孔１０を穿設したネジ筒１１と
これに螺合されたネジ軸１２とから構成されてお
り、ネジ筒１１の中央部には、このネジ筒を周方
向に回動させるラチエツトハンドル１３が装着さ
れている。また、導体クランプ９は軸１４に枢着
された一対の湾曲したクランプ片９ａ，９ｂとか
ら構成されており導体２をこれらのクランプ片９
ａ，９ｂで挟み込んだあと、先端部がボルトB′で
固定される。導体クランプ９のクランプ片９ａ，
９ｂの湾曲部の内側には導体２に損傷を与えない
ように緩衝材、例えばウレタン張りにしておくと
好適である。

このようにして構成された本考案の送電線用仮
スペーサは、使用に際してネジ軸を回動させて両
クランプ９，９間を実際の導体２，２の間隔とほ
ぼ等しくした状態で両クランプ９で導体を挟持し
て締付け固定する。しかる後、ラチエツトハンド
ル１３を操作してネジ筒１１を回動させ両クラン
プ９，９の間隔を所定の間隔とする。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案の送電線用仮スペー
サは、ラチエツトハンドルの操作で、間隔部材が
伸縮自在に構成されているので両クランプ間の間
隔を容易に所定の間隔に調整することができ、ま
た間隔部材の両端に導体クランプが設けられてい
るので導体を完全に締付け固定することができ、
強風等でも外れることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は送電線用仮スペーサの取付け状態を示
す斜視図、第２図および第３図は従来の送電線用
仮スペーサの正面図、第４図は本考案の一実施例
を示す正面図である。 ８…間隔部材、９…クランプ、１０…ネジ孔、
１１…ネジ筒、１２…ネジ軸、１３…ラチエツト
ハンドル、１４…軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 間隔部材の両端に導体クランプを取付けてな
   り、前記間隔部材がラチエツトハンドルを備え両
   端に逆ネジ孔を穿設したネジ筒と、一端を前記各
   ネジ孔に螺入させ、他端を前記クランプに枢着さ
   せた一対のネジ軸とから伸縮自在に構成されたこ
   とを特徴とする送電線用仮スペーサ。