JP4079498B2 - フック外れ止め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔操作によりフックの外れ止めを作動させてフックの掛け口を開閉するフック外れ止め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フックに取り付けた吊具を外すには、外れ止めを手で開くなどフックに近づいて外れ止めを操作する必要があり、地上作業員の削減・無人化や高温雰囲気等での作業環境改善に障害になっていた。
【0003】
これを解決するため、遠隔操作によりフックの外れ止めを開閉するフック外れ止め装置が考えられている。
【0004】
図6に示すように、このフック外れ止め装置70は、ブーム(図示せず)等から吊り下げられるフック支持部71にシリンダやモータなどからなる駆動装置72を設け、その駆動装置72と外れ止め73をロープやワイヤ又はチェーンなどの索74で連結したものである。
【0005】
駆動装置72は、遠隔操作で駆動されるようになっており、駆動されることにより外れ止め73を引き上げて外れ止め73を開くようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このフック外れ止め装置70は、フック75を回転自在に支持するフック支持部71に駆動装置72を設けるものであるため、フック75が回転するとロープなどの索74が捻られて索74が切断されたりキンクが発生してしまうという課題があり、フック75の回転をストッパ(図示せず)などで制限せざるを得なかった。
【0007】
また、特に回転フックなどの目付フック75である場合、フック75が揺動するたびに索74が引っ張られて駆動装置72に無理な力がかかるという課題があり、最悪の場合、駆動措置72に異常が生じることもある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、フックが回転してもロープなどの索に捻りを生じさせず、フックが揺動しても駆動装置に無理な力がかかるのを防ぐことのできるフック外れ止め装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、吊り下げ固定系に回転自在かつ揺動自在に設けられたフックに、フックの掛け口を自重で塞ぐ外れ止めを設け、上記吊り下げ固定系に外れ止めを外すための駆動解放手段を設け、上記外れ止めに索を接続し、その索をフック上部の軸心を通して駆動解放手段に連結すると共にその軸心の索に捻れ取り手段を設け、その索の中間に索を迂回させるようにして支持し、かつ索に過大な引張力がかかったときに索を移動させてその引張力を吸収する弾性支持手段を設けたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0013】
図1及び図2に示すように、フック外れ止め装置1は、フック2の掛け口3に設けられる外れ止め4と、外れ止め4を外すための駆動解放手段5と、外れ止め4と駆動解放手段5を連結する索たるワイヤ6と、ワイヤ6に設けられた捻れ取り手段7と、ワイヤ6の中間に設けられワイヤ6を迂回させるようにして支持すると共にワイヤ6に過大な引張力がかかったときワイヤ6を移動させてその引張力を吸収する弾性支持手段8とからなる。
【0014】
フック外れ止め装置1は、主にブーム等から吊りワイヤ(図示せず)を介して吊り下げられる吊り下げ固定系たるフック支持部9と、フック支持部9に回転自在に垂下されるスイベル10とに設けられている。
【0015】
フック支持部9は、吊りワイヤに巻回されて吊り下げられる昇降プーリ11と、昇降プーリ11を両側から挟むようにして枢支するフレーム枠12とからなる。
【0016】
フレーム枠12は、昇降プーリ11を両側から挟む側板部13と、側板部13の下端部間に設けられる底板部14とからなる。底板部14は、中央にスイベル10の上部を上下方向に貫通させて枢支するための孔15を有する。
【0017】
スイベル10は、下部にフック2を吊るべく二股に分かれて下方に延びる吊り部16,16を有し、吊り部16,16間に掛け渡された水平な軸17を介してフック2を揺動自在に吊下するようになっている。また、スイベル10の上部は、上方に向けて段状に3段階に縮径する円柱状に形成されており、スイベル10の軸心にはワイヤ6や後述する捻れ取り手段7などを上下方向に通すための貫通孔18が形成されている。
【0018】
また、スイベル10は、上部を底板部14の孔15に挿通されており、上部の上段部19を、底板部14の上方に突出させている。スイベル10上部の中段部20は、底板部14の孔15内に回転可能に嵌め込まれた状態となっており、下段部21を底板部14の下方に位置させている。
【0019】
スイベル10の上段部19には、底板部14の孔15の径よりも大きな外径を有する筒状の止め輪22が固定されており、スイベル10が底板部14の孔15から抜け落ちないようになっている。また、止め輪22と底板部14の間にはスラスト玉軸受からなるスラスト軸受23が設けられており、スイベル10を円滑に回転させることができるようになっている。
【0020】
スイベル10の下段部21には、後述するスイベル駆動用モータ24に伝動されるスイベル回転用歯車25がスイベル10と同心上に固定されている。スイベル駆動用モータ24は、回転軸(図示せず)を下方に向けてフレーム枠12に固定されており、その回転軸にはスイベル回転用歯車25に噛合される歯車26が固定されている。
【0021】
フック2は、具体的には片つりがぎであり、スイベル10の吊り部16,16に軸17を介して揺動自在に吊下されている。
【0022】
外れ止め4は、上部をフック2と同じ軸17に揺動自在に連結されて吊下されており、軸17に吊られた状態でフック先端側の下端をフック2の先端内側に接触させて掛け口3を塞ぐようになっている。すなわち、外れ止め4は、下端をフック2の先端内側に接触させてバランスされるようになっており、自重でフック2の掛け口3を塞ぐようになっている。
【0023】
また、外れ止め4は、後側(フックの先端側を前方とする)にワイヤ6が接続されており、ワイヤ6を上方に引くことにより軸17を中心に回動してフック2の掛け口3を開くようになっている。
【0024】
駆動解放手段5は、伸縮するシリンダロッド27を上方に向けてシリンダ部28をフレーム枠12に固定される電動シリンダ29と、電動シリンダ29のシリンダロッド27先端に連結されるリンク機構30とからなる。
【0025】
リンク機構30は、一端をシリンダロッド27先端に連結される横杆31と、横杆31の中央近傍に上端を連結されて支点を形成する支持杆32と、横杆31の他端に連結されて垂下される吊り杆33とからなる。
【0026】
横杆31は、シリンダロッド27にピン34を介して上下方向回動自在に連結されており、シリンダロッド27側の端部には横杆31の長手方向に若干の遊びを持たせてピン34を回動自在に通すための長孔35が形成されている。
【0027】
支持杆32は下端をフレーム枠12側に固定されて起立している。支持杆32の上端は、横杆31の中央近傍に上下方向回動自在に連結されており、横杆31をシーソー状に揺動自在に支持している。
【0028】
吊り杆33は、上端を横杆31の他端に上下方向回動自在に連結されてスイベル10の貫通孔18の鉛直線上に位置している。吊り杆33の下端には、後で詳述する捻れ取り手段7が連結されている。
【0029】
ワイヤ6は、一端を捻れ取り手段7に連結されると共に、中間を弾性支持手段8に支持されて迂回されており、他端を外れ止め4に連結されている。
【0030】
図3及び図4に示すように、捻れ取り手段7は、吊り杆33の下端に上下方向回動自在に連結されるリンクボール上部取付金具36と、リンクボール上部取付金具36に上部を固定されるリンクボール37と、リンクボール37の下部に連結される筒状のリンクボール下部取付金具38と、リンクボール下部取付金具38の外周を囲んでリンクボール下部取付金具38を上下摺動自在にガイドするリンクボールガイド39とからなる。
【0031】
リンクボール上部取付金具36は、上部に吊り杆33の下端に連結される接続部40を有すると共に、下部にリンクボール37の上部を螺合させるためのネジ穴41を有する。
【0032】
リンクボール37は、一端に球状のボール部42を有する棒状体からなり他端側に雄ネジが切られたボール付シャンク43と、ボール部42の大部分を囲んでボール部42に面接触する外輪44とからなる。
【0033】
ボール付シャンク43は外輪44の下方に位置されており、雄ネジの切られた他端側を下方に向けて起立している。
【0034】
外輪44は、内部に略球形に窪む受け部45を有し、その受け部45内にボール部42の大部分を収容してボール部42に回転自在に係合されている。そして、ボール付きシャンク43側が捻れ方向に回転しても外輪44にはその回転が伝達されないようになっている。
【0035】
また、外輪44とボール付シャンク43は互いに外れないようにしっかりと係合されており、軸方向に引っ張る力が作用しても外輪44とボール付シャンク43は常に一体の状態に保たれるようになっている。そして、外輪44の外周面46にはリンクボール上部取付金具36のネジ穴41に螺合される雄ネジが切られている。
【0036】
リンクボール下部取付金具38は、内周面上部47にボール付きシャンク43の雄ネジを挿入して螺合される雌ネジが形成されている。また、リンクボール下部取付金具38の内部48には、ワイヤ6の一端側が挿入されて固定されるようになっている。ワイヤ6の固定は、径方向外方から六角穴付き止めネジ(イモネジ)49,50,51を螺入してワイヤ6をリンクボール下部取付金具38の内周面52に圧着することにより固定するようになっている。
【0037】
六角穴付き止めネジ49,50,51は、リンクボール下部取付金具38の上部に2ヶ所、下部に1ヶ所それぞれ上下一直線上に設けられている。上部2ヶ所に設けられる第1及び第2六角穴付き止めネジ49,50は、リンクボール下部取付金具38内に完全に埋まるように設けられており、下部1ヶ所に設けられる第3六角穴付き止めネジ51は、後述するリンクボールガイド39のガイドスリット53に係合されるようにリンクボール下部取付金具38の径方向外方に突出して設けられている。
【0038】
リンクボールガイド39は、リンクボール下部取付金具38より若干長い筒状に形成されており、その内部にリンクボール下部取付金具38を上下方向摺動自在に収容するようになっている。
【0039】
また、リンクボールガイド39には、リンクボール下部取付金具38から突出する第3六角穴付き止めネジ51をガイドするためのガイドスリット53が形成されている。
【0040】
ガイドスリット53は、リンクボールガイド39の上端から下部の所定の位置まで上下一直線状に形成されたスリット(切れ込み)からなり、第3六角穴付き止めネジ51を上下方向に移動自在に、かつ周方向に移動させないようにガイドするようになっている。
【0041】
そして、リンクボールガイド39は、スイベル10の貫通孔18の下部に挿入されており、リンクボールガイド39下端部には、貫通孔18の下端縁に係合される拡径部54が形成されている。これにより、リンクボールガイド39は、内部のリンクボール下部取付金具38が上方に移動しても貫通孔18の下部に留まるようになっている。
【0042】
また、ガイドスリット53の径方向裏側には半割の半ネジ穴55が形成されている。そして、この半ネジ穴55と貫通孔18の下端縁に形成された半割の半ネジ穴(図示せず)とを合わせ、これら半割の半ネジ穴間にボルト(図示せず)をねじ込むことにより、リンクボールガイド39はスイベル10に対して回転しないように、かつ、貫通孔18から抜け落ちないように固定されている。
【0043】
ガイドスリット53の下端の位置は、外れ止め4の閉成を阻害しないように、かつ、リンクボール37の外輪44などをガイドスリット53上端に当てないように決定される。
【0044】
図1、図2及び図5に示すように、弾性支持手段8は、ワイヤ6を迂回させるようにして支持するアーム56と、そのアーム56を弾性支持するバネ手段57とからなる。
【0045】
アーム56は、一対対称なアームフレーム板58,59と、これらアームフレーム板58,59の両端近傍の間に挟まれるようにして枢支される一対のガイドプーリ60,61とからなる。
【0046】
アーム56の一端側は、フック2の上方に位置されるスイベル10の吊り部16間に上下方向回動自在に連結されている。
【0047】
具体的には、アーム56一端側の第1ガイドプーリ60の軸62が両端をアームフレーム板58,59から突出させて吊り部16に回転自在に枢支されており、第1ガイドプーリ60の軸62を中心にしてアーム56の他端側を俯仰させるようになっている。
【0048】
また、第1ガイドプーリ60は、スイベル10の貫通孔18から延出されるワイヤ6を鉛直に垂下された状態のままアーム56の一端側から受けて第1ガイドプーリ60の下側に巻回させるようになっている。そして、ワイヤ6は、第1ガイドプーリ60下側からアーム56他端側に設けられた第2ガイドプーリ61の上端に向けて延び、第2ガイドプーリ61の上端近傍からアーム56の他端側を巻回されて外れ止め4に接続されている。
【0049】
アームフレーム板58,59は、それぞれ両端部にガイドプーリ60,61の径方向外方に張り出す張出部63,64を有し、第1及び第2ガイドプーリ61に巻回されるワイヤ6をガイドするようになっている。
【0050】
バネ手段57は、それぞれのアームフレーム板58,59とスイベル回転用歯車25との間に設けられた一対の引張コイルバネ65,65からなる。引張コイルバネ65,65は、それぞれ一端をアームフレーム板58,59の長手方向の中間に回動自在に連結されると共に他端をスイベル回転用歯車25に回動自在に連結されている。
【0051】
引張コイルバネ65,65のバネ力は、ワイヤ6を引いて動かす程度の力では伸びないように、かつ、それ以上の力で引かれると伸び始めるように設定されている。
【0052】
次に作用を述べる。
【0053】
フック2は、先端側(前側)を細く形成されて後側に重心を位置させているため、荷のない無負荷状態では、先端を若干上げた状態でスイベル10に吊り下がっている。
【0054】
この状態のフック2に外れ止め4を開いて荷を吊り下げる場合、遠隔操作により駆動解放手段5たる電動シリンダ29を縮退させ、外れ止め4を開ける。電動シリンダ29が縮退されると、シリンダロッド27先端に連結された横杆31は、杆中央を支持杆32先端に回動自在に連結されてなる連結点を支点としてシーソー状に回動する。
【0055】
このことにより吊り杆33は上方に引き上げられ、リンクボール上部取付金具36、リンクボール37及びリンクボール下部取付金具38も上方に引き上げられる。このときリンクボールガイド39は、スイベル10の貫通孔18内に固定されているため動かず、ガイドスリット53で第3六角穴付き止めネジ51を案内し、リンクボール下部取付金具38を捻れ方向に回転させることはない。
【0056】
そして、リンクボール下部取付金具38に固定されたワイヤ6は一端を上方に引かれ、アーム56の第1ガイドプーリ60及び第2ガイドプーリ61に案内されながら移動し、外れ止め4を引く。外れ止め4は、開成方向に軸17を中心に回動し、フック2に当たる。
【0057】
このとき、フック2は先端上がりの状態になっており、外れ止め4はフック2が荷を吊り鉛直な状態であっても完全に開成するようになっているため、外れ止め4は、フック2に当たっても更に回動しようとする。しかしながら、バネ手段57たる引張コイルバネ65,65が伸びてアーム56を下方に回動させ、ワイヤ6に過大な張力がかかることはない。
【0058】
すなわち、外れ止め4がフック2に当たった後の電動シリンダ29の引き代を弾性支持手段8で吸収することにより、ワイヤ6及び電動シリンダ29に過大な負荷がかかるのを防ぐことができる。
【0059】
また、外れ止め4が開いた状態でフック2が揺動した場合、フック2は、先端を下げる方向にはワイヤ6を緩めながら揺動し、先端を上げる方向にはワイヤ6を引きながら揺動する。このとき、電動シリンダ29は伸びきっており、更に伸長させることはできないが、アーム56が引張コイルバネ65,65を引き伸ばしながら下方に回動し、ワイヤ6にかかる張力を吸収し、ワイヤ6や電動シリンダ29に過大な負荷がかかることはない。
【0060】
そして、フック2に荷の吊具を掛け、遠隔操作により電動シリンダ29を伸長させて外れ止め4を閉じる。電動シリンダ29が伸長されることにより横杆31はシーソー状に回動し、吊り杆33を下方に押し下げる。
【0061】
このことによりリンクボール上部取付金具36、リンクボール37及びリンクボール下部取付金具38も下方に押し下げられ、ワイヤ6は一端側を下方に押し戻される。外れ止め4は、ワイヤ6による引張から解放され、自重によりフック2の掛け口3を閉じる方向に回動してフック2の掛け口3を閉じる。
【0062】
また、荷の向きを変えるなどするためにスイベル駆動用モータ24を駆動させると、スイベル回転用歯車25が回転され、スイベル回転用歯車25に固定されたスイベル10及びスイベル10に設けられるフック2、リンクボールガイド39も回転される。そして、このときスイベル10とスイベル回転用歯車25の間に設けられたアーム56及びバネ手段57も一体に回転される。
【0063】
またこのとき、リンクボール下部取付金具38は、ガイドスリット53に第3六角穴付き止めネジ51をガイドされているため、リンクボールガイド39と一体に回転し、リンクボール下部取付金具38と外れ止め4の間のワイヤ6を捻ることはない。
【0064】
そして、リンクボール37のボール付シャンク43は、リンクボール下部取付金具38に固定されているため、リンクボール下部取付金具38と一体に回転する。外輪44は、ボール部42との間で捻り方向に滑り、吊り杆33に捻り回転を伝えることはない。
【0065】
荷が目的の位置に移動されると、上述のように遠隔操作により電動シリンダ29を縮退させて再び外れ止め4を開ける。
【0066】
このとき、たとえ何らかの理由により外れ止め4が荷の吊具に引っかかって止まってしまっても、アーム56が引張コイルバネ65,65を引き伸ばしながら下方に回動し、ワイヤ6に過大な張力がかかることはない。
【0067】
このように、フック支持部9に回転自在に設けられたフック2に、フック2の掛け口3を自重で塞ぐ外れ止め4を設け、フック支持部9に外れ止め4を外すための駆動解放手段5を設け、外れ止め4にワイヤ6を接続し、そのワイヤ6をフック2上部の軸心を通して駆動解放手段5に連結すると共にその軸心のワイヤ6に捻れ取り手段7を設けたため、フック2が回転してもワイヤ6が捻られることはなく、ワイヤ6が切断されたりキンクが生じたりするのを防ぐことができ、フック2を自由に回転させることができる。
【0068】
また、フック支持部9に対して揺動自在に設けられたフック2に、フック2の掛け口3を自重で塞ぐ外れ止め4を設け、フック支持部9に外れ止め4を外すための駆動解放手段5を設け、外れ止め4にワイヤ6を接続すると共にそのワイヤ6を駆動解放手段5に連結し、そのワイヤ6の中間にワイヤ6を迂回させるようにして支持し、かつワイヤ6に過大な引張力がかかったときにワイヤ6を移動させてその引張力を吸収する弾性支持手段8を設けたため、フック2が揺動するなどしてワイヤ6に過大な力がかかっても弾性支持手段8でその力を吸収することができ、ワイヤ6、リンク機構30などの動力伝達系66や、駆動手段たる電動シリンダ29に無理な力がかかるのを防ぐことができる。
【0069】
そして、駆動手段と外れ止め4の間にあって駆動手段からの引張力を外れ止め4に伝達する動力伝達系66にリンクボール37を介設したため、リンクボール37の駆動手段側と外れ止め4側を捻れ回転に関して縁を切ることができ、動力伝達系66にキンクが発生したり捻り応力が発生したりするのを防ぐことができる。
【0070】
また、フック2を捻れ方向に回転させるフック2上部の軸心上にリンクボール37を位置させるため、動力伝達系66の捻れを無理なく良好に取ることができる。
【0071】
そして、スイベル10の貫通孔18内にガイドスリット53を有するリンクボールガイド39を固定し、そのリンクボールガイド39内にガイドスリット53に係合される突起(第3六角穴付き止めネジ51)を有するリンクボール下部取付金具38を上下摺動自在に収容するものであるため、ワイヤ6が捻れるのを略完全に防ぐことができ、かつ、リンクボール37の回転中心がぶれるのを防いで動力伝達系66の捻れを無理なく取り除くことができる。
【0072】
また、アーム56を外れ止め4の開方向に突出させて延ばすものとしたため、外れ止め4を回動方向に直接的に引くことができ、外れ止め4を円滑に開閉することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を奏する。
【0074】
(1)索が捻れるのを防ぐことができ、索が切断されたり索にキンクが生じるのを防ぐことができる。
【0075】
(2)フックが揺動するなどして索に過大な引張力がかかっても索や駆動解放手段に無理な力がかかるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示すフック外れ止め装置の側面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視図である。
【図5】図1のV −V 線矢視断面図である。
【図6】従来のフック外れ止め装置の側面図である。
【符号の説明】
1 フック外れ止め装置
2 フック
3 掛け口
4 外れ止め
5 駆動解放手段
6 索
7 捻れ取り手段
8 弾性支持手段
9 吊り下げ固定系
Claims (1)
- 吊り下げ固定系に回転自在かつ揺動自在に設けられたフックに、フックの掛け口を自重で塞ぐ外れ止めを設け、上記吊り下げ固定系に外れ止めを外すための駆動解放手段を設け、上記外れ止めに索を接続し、その索をフック上部の軸心を通して駆動解放手段に連結すると共にその軸心の索に捻れ取り手段を設け、その索の中間に索を迂回させるようにして支持し、かつ索に過大な引張力がかかったときに索を移動させてその引張力を吸収する弾性支持手段を設けたことを特徴とするフック外れ止め装置。
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