JP4079495B2 - ロータリーベーン式舵取機のシール方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロータリーベーン式舵取機のシール方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
舵取り機として図11及び図11のD−D線断面図を示す図12に示すようなロータリーベーン式舵取機が知られている。
【0003】
このロータリーベーン式舵取機は、端面がケーシングカバー1A、ケーシング底面1B(図12参照)で密閉される円筒状のケーシング2内に円筒状のロータ3を同軸に軸支し、ケーシング2内面とロータ3の外面との空間を、複数の固定セグメント4…4と復数のベーン5…5とにより周方向に区分して複数のオイルチャンバー6…6を形成し、このオイルチャンバー6…6の油圧を制御してロータ3に軸回りの回転トルクを生じさせるようにしたものである。
【0004】
上記固定セグメント4…4は、前記ケーシング2内面から突出し前記ロータ3外面に接するようにされ、上記ベーン5…5は前記ロータ3外面から突出し前記ケーシング2内面に接するようにされている。
【0005】
図中、6Aはオイルチャンバー6のオイルポートを示し、このオイルポート6Aから圧入又は排出される油によりオイルチャンバー6の油圧が制御される。
また、2Aはケーシングカバー1Aとケーシング2との間のシールを行なうオイルリング用の収納溝を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このロータリーベーン式舵取り機は、隣接するオイルチャンバー6、6間の油圧差を利用してトルクを発生させるから、オイルチャンバー6、6を構成する固定部(ケーシングカバー1A、ケーシング2内面、ケーシング底面1B、固定セグメント4)と可動部(ロータ3、ベーン5)との接触面間のシール及び固定シールと可動シールの接触面間のシールを確実にする必要がある。
【0007】
従来のロータリーベーン式舵取機のシール方式では、ケーシングカバー1A、ケーシング底面1B(この端面のシール構造は上下対称とされているだけで実質的なシール構造は同じなため以下ケーシングカバー1A側についてのみ説明する。)とロータ端面3Aとの間のシールを、図11および同図のE−E線部分断面図を示す図13に示すように、ロータ3の外径よりわずかに大きい径のリング状シール材7をケーシングカバー1Aとロータ端面3A間に圧接介挿することにより行なっていた。
【0008】
なお、1Cは上記ケーシングカバー1Aに設けた、リング状シール材7の収納溝を示す。
また、固定セグメント4とロータ3間のシールは、図12に示すように固定セグメント4に沿って配設した縦シール材9でシールすると共に、縦シール材9の端部角部9AをF部の部分断面図を示す図14のようにリング状シール材7の外周縁角部7Aにオーバラップ状に圧着することによりシール材同士の接触部からのオイル漏れを防止していた。
【0009】
また、ベーン5とケーシングカバー1A内面とのシールは、ベーン5の端面に設けられた横シール材10で行ない、リング状シール材7との間は、図12のG部の部分断面図を示す図15のように、横シール材10の角部10Aをリング状シール材7の外周縁角部7Aにオーバラップ状に圧着することによりシール材同士間のオイル漏れを防止していた。
【0010】
なお、ベーン5とケーシング2内面との間はベーン用縦シール9Bによりシールされている。
図中9Cは油室で縦シール材9、9B背面に形成され、この油室9Cには図11、図12に示すバランスホール11より油圧経路11Aを通じてオイルチャンバー6から油圧が導かれ、この油圧によって縦シール材9、9Bをロータ3外周面またはケーシング2内面に圧接させるものである。
【0011】
なお、上記バランスホール11は油圧の高い側のオイルチャンバー6から油圧経路11Aへ油圧を導入するための弁で、図11の分図に断面を示すように、両側のオイルチャンバー6、6に開口する連通孔110内に二つの弁座111、111が設けられ、この弁座に2つのボール弁112、112が、間にばね113を介挿して配設され、このボール弁間の連通孔110に油圧経路11Aが開通されてなり、油圧の高いチャンバー6側のボール弁112がばね113の弾撥力に抗して油圧により押し込まれるように構成されており、ここから導入された油圧が油圧経路11Aを介し油室9Cに流入するようにしたものである。
【0012】
図14の7Bもリング状シール材7背面に形成された油室を示し、油室9Cに導かれた油圧が、ケーシングカバー1Aに設けた油圧経路11Bを介して導かれ、この油圧によってリング状シール材7をロータ端面3Aに圧接させるものである。
【0013】
ところで、上記において、縦シール材9は固定セグメント4に取り付けられているので移動することがないがベーン5の横シール材10はロータ3と共に回転移動する。
【0014】
従って、ケーシングカバー1Aに取り付けられるリング状シール材7はロータ端面3Aとの接触面と横シール材10との接触部で周方向の圧着による摩擦力を受けこれがリング状シール材7を回転させようとする力となる。
【0015】
上記リング状シール材7は円形のリング形状をなすため、上記摩擦力でケーシングカバー1Aの収納溝1C内で円周方向に連れ回り移動していると考えられる。
【0016】
一方、リング状シール材7は固定セグメント4の縦シール材9とも圧着しているので、この縦シール材9との圧着による摩擦力によってリング状シール材7には停止させようとする力が働く。
【0017】
従って、ロータリーベーン式舵取り機が稼動すると、リング状シール材7は移動させようとする力と停止させようとする力との複雑な力を受け、この力のためにシール材の接触部が偏摩耗したり破損する問題があり、また、この偏摩耗や破損はオイルチャンバー6、6間の油圧漏洩の要因ともなり舵の制御を不安定にさせる問題があった。
【0018】
さらに、連れ回り移動により摩耗個所や破損個所もリング状シール材7の全周にわたって拡散するなどの問題を生じていた。
そして、リング状シール材7は図13に示すようにオイルチャンバー6内に露出された状態となっているので、上記複雑な力の影響でオイルチャンバー6内へはみ出し変形することがあり、ロータ3や固定セグメント4の金属部材と接触して破損片が生じるとオイルチャンバー6内に浮遊散乱し、油圧系統に詰まりを生じさせる原因ともなる問題があった。
【0019】
この発明は上記問題を解消し、ロータリーベーン式舵取機のシール部の損傷を無くし信頼性の高いロータリーベーン式舵取機のシール方式を提供することを目的としてなされたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明のロータリーベーン式舵取機のシール方式は、ロータリーベーン式舵取機において、ケーシング端面内面とロータ端面との間をシールするリング状シール材が、前記ロータ端面の縁の円周より小さい径のリング状基体であって、前記固定セグメントに対応する外周位置に径方向突出部を一体に有した形状とされ、前記固定セグメントとロータとの間をシールする縦シール材が前記リング状シール材の突出部に圧接され、前記ケーシング端面内面と前記ベーン端面との間をシールする横シール材が前記リング状シール材の外径に接する位置まで前記ベーン基部からロータ内径方向へ延長され、前記リング状シール材と圧接されて構成されている。
【0021】
この構成により、リング状シール材は径方向の突出部で回転が阻止され、横シール材との接触によって移動させようとする力が作用しても、ケーシング端面の収納溝内でリング状シール材が回転移動することがなくなり、縦シール材とリング状シール材との相対移動がなくなりシール性が良くなる。
【0022】
また、上記ロータリーベーン式舵取機のシール方式において、固定セグメントとロータとの間をシールする縦シール材の端面がケーシング端面内面で圧縮され、該圧縮力により縦シール材の端面角部がリング状シール材の側面に向け膨出されて構成されている。
【0023】
この構成により、固定セグメントの端面角部がリング状シール材側面に食い込むように圧接するので固定セグメントの縦シール材とリング状シール材との間が確実にシールされる。
【0024】
また、上記ロータリーベーン式舵取機のシール方式においてリング状シール材と接する横シール材の端部外周面が湾曲凸面をなすように構成されている。
この構成により、リング状シール材と横シール材の接触面積が小さくなりそれだけ摩擦抵抗が減少すると共にリング状シール材の摩耗損傷も少なくなる。
【0025】
また、上記ロータリーベーン式舵取機のシール方式においてリング状シール材のロータ端面との接触面に周方向に連続する油路を設けて構成されている。
この構成により、リング状シール材とロータ端面との接触面が油路に入り込んだオイルで潤滑されるので、相互の回転接触が円滑となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の一実施の形態を説明する。
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態1の要部破断斜視図、図2は図1のA−A線部分断面図、図3は図1のB−B線指示部の部分平面図、図4は図1のB−B線部分断面図、図5は図1のC−C線部分断面図である。
【0027】
また、以下において、従来と同じ部分は同一符号を付して説明を省略し、さらに、この発明のケーシング端面とロータ間のシール構造は上下対称とされているだけで実質的なシール構造は同じなため、以下ケーシングカバー1A側についてのみ説明する。
【0028】
図1において、1Aはケーシングカバーを示し、ケーシング2の端面に六角孔付きボルト1D…1Dにより固定されている。2Bはケーシング2に設けられたねじ孔を示し六角孔付きボルト1D…1Dがねじ嵌合される。
【0029】
12はこの発明のリング状シール材を示し、ロータ端面3Aの縁3Bの円周より径の小さいリング状基体12Aであって、外周の固定セグメント4に対応する位置に図1、図3に示すようにロータ端面3Aの縁3Bに達する径方向突出部12Bを一体に有した形状とされている。
【0030】
そして、固定セグメント4とロータ3との間をシールする縦シール材9の端部角部9Aが図4に拡大して示すようにリング状シール材12の突出部12Bの突出端角部12Cに圧接されている。
【0031】
図1において、13はこの発明の横シール材を示し、従来の横シール材10と同様前記ケーシングカバー1A内面とベーン5端面との間をシールするものであるが、この横シール材13はロータ3の縁3Bより前記リング状シール材12の外周縁角部12Dに接する位置まで内径方向に延長され、図5に拡大して示すように横シール材13の端部角部13Aと前記リング状シール材12の外周縁角部12Dとが圧接されている。
【0032】
次に、実施の態様1の作動について説明する。
固定セグメント4先端とロータ3外面との間は縦シール材9によってシールされ、リング状シール材12と縦シール材9との間は、図4に示すようにリング状シール材の突出端角部12Cと縦シール材の端部角部9Aとの圧接によりシールされる。
【0033】
この場合、リング状シール材12は図3、図4に示すようにケーシングカバー1Aの収容溝1Cに嵌め込まれ、この収容溝1Cと突出部12Bとの嵌合で周方向に回転しないよう保持される。
【0034】
また、ケーシングカバー1Aと固定セグメント4は固定されているので、リング状シール材12と縦シール9の接触部は相対移動することなく強く圧接され、オイルチャンバー6、6間のオイルシールが確実に行なわれる。また、相対移動に起因する摩耗、破損等も生じ得ない。
【0035】
なお、リング状シール材12と縦シール9の圧接状態は、圧縮条件によりリング状シール材12が縦シール材9方向に膨出したりあるいはその逆が生じるため、図4の分図に点線で示すようないずれかの接触状態となる。
【0036】
ベーン5とケーシング2内面との間はベーン用縦シール9Bでシールされ、ケーシングカバー1A内面との間は横シール材13によってシールされる。
リング状シール材12と横シール材13との間は、図1及び図5に示すように内径方向に延長された横シール材13の端部角部13Aがリング状シール材12の外周縁角部12Dに強く圧接した状態でシールされる。
【0037】
横シール材13はロータ3と共に回転移動し、この移動に伴ってリング状シール材12に連れ回りする摩擦力を加えるが、リング状シール材12は径方向突出部12Bでケーシングカバー1Aの収納溝1Cに保持されるので回転しない。
【0038】
また、横シール材13がリング状シール材12に接する半径方向の位置は、図5に示すようにロータ3の縁3Bより内径位置でケーシングカバー1A内面で覆われているので、仮に接触による摩耗片が発生してもオイルチャンバー6内に流出し難く、摩耗片による詰まりなどの障害が防止される。
【0039】
さらに接触時の相対周速も回転半径が小さくなった分遅くなり、摩耗の程度もそれだけ低くなる。
以上説明したように、実施の形態1のロータリーベーン式舵取機のシール方式によれば、リング状シール材12がベーン5の横シール材13やロータ端面3Aとの接触によって連れ回りするのが確実に防止され、従来生じていた連れ回りに起因するリング状シール材の偏摩耗や破損が防止される。
【0040】
なお、上記実施の形態1のリング状シール材12の突出部12Bの突出量L(図3)をリング状シール材12の幅Bとほぼ同じとした場合を示したが、突出量Lをリング状シール材12の幅Bの約二分の一程度としても同様の効果が得られる。
実施の形態2
図6はこの発明の実施の形態2の要部拡大断面図を示し、図1のB−B線断面図に相当する。
【0041】
図6において固定セグメント4とロータ3との間をシールする縦シール材9の端面9Dがケーシングカバー1Aの内面で圧縮され、この圧縮力により縦シール材9の端面角部9Eがリング状シール材12の突出端角部12Cに向け膨出されて構成されている。
【0042】
なお、この膨出部9Eを形成するには固定セグメント4より長い縦シール材9を固定セグメント4の装着溝4Aに装着し、ケーシングカバーなど端面1Aを密閉したときに圧縮されるようにする。
【0043】
従って、この実施の形態2によれば、縦シール材9の端面角部9Eがリング状シール材12の突出端角部12Cに膨張変形して圧接される状態となり、しかも両者は相互に移動することがないので、リング状シール材12と縦シール材9間の圧接力が高まりシールが確実となる。
実施の形態3
図7はこの発明の実施の形態3の要部拡大平面図を示し、図1におけるC−C線の指示線が示された部分の拡大平面図に相当する。
【0044】
図においてリング状シール材12の外周縁角部12D(図5参照)と接する横シール材13の端部外周面13Bがロータ3の軸方向視で湾曲凸面に形成されている。
【0045】
この実施の形態3によれば、横シール材13はリング状シール材12に湾曲凸面とされた端部外周面13Bの頂点13Cで接するので、リング状シール材12に対する接触面、接触圧が共に小さくなり、また、リング状シール材12に横シール材13が移動接触する際、湾曲凸面13Bで滑らかな状態で接触していくので、リング状シール材12の摩耗の程度も軽減される。
実施の形態4
図8はこの発明の実施の形態4の要部拡大断面図を示し、図1のC−C線矢視断面図に相当する。
【0046】
図において、リング状シール材12の外周縁角部12Dと接する横シール材13の端部角部13Aが、ロータの接線方向視で丸みをおびた角とされて構成されている。
【0047】
この実施の形態4によれば、リング状シール材12の外周縁角部12Dが丸みを帯びた横シール材13の端部角部13Aに食い込むように接するので、シール材同士のシール性が良くなると共に曲面で滑らかに接するため摩耗の程度も少ない。
【0048】
なお、上記の実施の形態4において横シール材13の端部外周面13Bを図7に示したようにロータ3の軸方向視で湾曲凸面とした組み合わせの構成とすることもできる。
実施の形態5
図9はこの発明の実施の形態5の要部断面図を示し、図1のA−A線断面図に相当し、図10は同実施の形態5の底面図を示す。
【0049】
図9において、16は油路を示し、リング状シール材12のロータ端面3Aとの接触面12Eに、図10に示すように周方向に連続して設けられている。
舵中央または左右小舵角の時は、隣接するオイルチャンバー6、6(図1参照)間の油圧差が殆どなく、従って油室7B内の油圧も殆どゼロとなり、リング状シール材12のロータ端面3Aへの圧着力が低下する。
【0050】
従って、リング状シール材12とロータ3との接触面にオイルが浸透し易くなり、上記油路16にオイルチャンバー6の油が浸透し満たされる。
大舵角を取るため、隣接するオイルチャンバー6、6間の油圧差が大とされ大きくロータ3が回転すると、オイルチャンバー6から油室7Bに高圧油圧が導かれ、ロータ端面3Aにリング状シール材12が圧着されるが、接触面12Eには油路16に貯えられたオイルが供給されるので、ロータ端面3Aとリング状シール材12の接触面12Eが潤滑され摩擦が低減される。
【0051】
従って、この実施の形態5のロータリーベーン式舵取機のシール方式によれば、ケーシングカバー1Aに固定されたリング状シール材12とロータ端面3Aとの摩擦が軽減され、リング状シール材12に無理な応力の発生が防止され、また摩耗や破損も防止される。
【0052】
なお、上記油路16の断面形状は図示のように略半円形状とする他、方形状、底辺で開口する三角形状等とすることができ、また一条に限らず二条以上の複数条とすることもできる。
【0053】
上記各実施の形態において、縦シール材9、リング状シール材12、横シール材13等はいずれもゴム状弾性を有する合成ゴム、合成プラスチック製とされ、耐熱性、耐摩耗性に優れたウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、珪素ゴム、フッソゴム等から成形されたものが使用され、上記のなかでも注型成形が可能でしかも耐摩耗性に優れるウレタンゴムが好適に使用される。即ち、これら成形材料によれば、外周に突出部を有するリング状シール材なども注型用の型さえあれば容易に成形可能となる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のロータリーベーン式舵取機のシール方式によれば、ケーシングカバー内面とロータ端面との間をシールするリング状シール材がケーシングカバーに固定され、ベーンの横シールやロータと連れ回りをしないので固定セグメントの縦シールとの間のシールが確実となり、また縦シールからリング状シール材に無理な周方向の外力が加わらず、偏摩耗や破損事故が防止できる。
【0055】
また、ベーンの横シールとの接触部がロータ端面より内側とされているので、従来生じていたリング状シール材のオイルチャンバー内へのはみ出し変形及び、このはみ出し部のロータや固定セグメントの金属部材との接触事故が無くなり、また仮に破損が生じてもオイルチャンバー内に拡散しにくく、さらにロータ外周に比べ相対周速も低くなるため摩擦力もそれだけ小さくなる。
【0056】
また、ベーンの横シールのリング状シール材に対する接触面を凸曲面とすることによりリング状シール材に加わる摩擦抵抗を小さくすることができ、摩擦によるリング状シール材の摩耗や破損を防止することができる。
【0057】
さらに、リング状シール材のロータ接触面に油路を設けることにより、固定されたリング状シール材とロータ端面との摩擦も軽減されるので、リング状シール材に無理は応力が発生せず、接触面の摩耗も軽減されるなど種々の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態のロータリーベーン式舵取機の要部破断斜視図である。
【図2】図1のA−A線要部拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線で指示した部分の拡大平面図である。
【図4】図1のB−B線要部拡大断面図である。
【図5】図1のC−C線要部拡大断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2の図1におけるB−B線断面図に相当する要部拡大断面図である。
【図7】この発明の実施の形態3の図1におけるB−B線で指示した部分に相当する拡大平面図である。
【図8】この発明の実施の形態4の図1におけるC−C線で指示した部分に相当する要部拡大断面図である。
【図9】この発明の実施の形態5の図1におけるA−A線で指示した部分に相当する要部拡大断面図である。
【図10】この発明の実施の形態5のリング状シール材の底面図である。
【図11】従来のロータリーベーン式舵取機の内部構造を示す平面図である。
【図12】図11のD−D線矢視断面図である。
【図13】図11のE−E線部分拡大断面図である。
【図14】図12のF部の部分拡大図である。
【図15】図12のG部の部分拡大図である。
【符号の説明】
1A ケーシングカバー
1B ケーシング底面
1C 収納溝
2円筒状のケーシング
3 円筒状のロータ
3A ロータ端面
3B ロータ端面の縁
4 固定セグメント
5 ベーン
6 オイルチャンバー
6A オイルポート
7B 油室
9 固定セグメントの縦シール材
9A 縦シール材の端部角部
9B ベーン用縦シール
9C 油室
12 リング状シール材
12A リング状基体
12B 径方向突出部
12C 突出端角部
13 この発明の横シール材
13A 同横シール材の角部
Claims (4)
- 両端面を密閉した円筒状のケーシング内に円筒状のロータを同軸に軸支し、前記ケーシング内面とロータ外面との空間を、前記ケーシング内面から突出し前記ロータ外面に接する複数の固定セグメントと前記ロータ外面から突出し前記ケーシング内面に接する複数のベーンとにより周方向に区分して複数のオイルチャンバーを形成し、このオイルチャンバーの油圧を制御してロータに軸回りの回転トルクを生じさせるようにしたロータリーベーン式舵取り機において、前記ケーシング端面内面と前記ロータ端面との間をシールするリング状シール材が、前記ロータ端面の縁の円周より小さい径のリング状基体であって、前記固定セグメントに対応する外周位置に径方向突出部を一体に有した形状とされ、前記固定セグメントとロータとの間をシールする縦シール材が前記リング状シール材に圧接され、前記ケーシング端面内面と前記ベーン端面との間をシールする横シール材が前記リング状シール材の外径に接する位置まで前記ベーン基部からロータ内径方向へ延長されて前記リング状シール材に圧接されてなるロータリーベーン式舵取機のシール方式。
- 固定セグメントとロータとの間をシールする縦シール材の端面がケーシング端面内面で圧縮され、該圧縮力により縦シール材の端面角部がリング状シール材の側面に向け膨出されている請求項1のロータリーベーン式舵取機のシール方式。
- リング状シール材と接する横シール材の端部外周面が湾曲凸面をなす請求項1又は2のロータリーベーン式舵取機のシール方式。
- リング状シール材のロータ端面との接触面に周方向に連続する油路を設けた請求項1、2または3の何れかのロータリーベーン式舵取機のシール方式。
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