JP4079298B2 - 窓固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、枠体に窓を固定する窓固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばパワーショベルなどの建設機械の運転室(キャブ)では、通常、透明な前面窓が配置されている。この前面窓について図8、図9、及び図10を参照して説明する。
【0003】
図8は、建設機械のキャブを示す斜視図であり、図9は、下窓を固定する構造を示す分解図である。図10は下窓を固定する固定装置を示す斜視図である。
【0004】
図8に示すように、キャブ10の前面窓20は、通常、上側に位置する大きな上窓22と、下側に位置する小さな下窓24とに分割されている。上窓22は、キャブ10の天井12の下方までスライドするように構成されていることが多い。一方、下窓24は、キャブ10のボディ14に固定されている(実用新案登録公報第2539121号参照)。
【0005】
図9に示すように、ボディ14のうち下窓24を固定する部分には、下窓24を固定するために、下窓24の形状に合う鋼製の窓枠26が固定されている。この窓枠26は、溝26aが形成された横断面がL字状のものである。溝26aには、溝28aが形成された横断面がS字状のゴム製のゴム枠28が嵌め込まれている。
【0006】
S字状の窓枠26の2つの上端部それぞれには、窓固定装置30(図9では、一方のものだけを示す。)のラッチ部32が固定されている。窓固定装置30の差込部34はボディ14に固定されている。ラッチ部32のピン32aが差込部34の孔34aに差し込まれる。また、U字状の窓枠26の底部には、2つのピン26b(図9では1つだけ示す。)が形成されており、このピン26bは、ボディ14に固定された位置決めブッシュ16に差し込まれる。
【0007】
下窓24をボディ14に固定する際には、下窓24の周縁部をゴム枠28の溝28aに上方から差し込み、ピン26bを位置決めブッシュ16に差し込む。これにより下窓24の固定位置が決められる。その後、ラッチ部32のピン32aを差込部34の孔34aに差し込み、下窓24を窓枠26とボディ14に固定する。また、水切用シール材18が窓枠26の2つの上端部それぞれに固定される。なお、1つの窓固定装置30は、一般に、両手で操作される。従って、2つの窓固定装置30を操作するためには、2回の動作が必要である。
【0008】
上記した窓固定装置30の他、下窓24をボディ14に固定する技術としては、ボディ14にガイドフレームを形成しておき、このガイドフレームに下窓24を案内させながらスライドさせて、下窓24をボディ14に固定する技術が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した窓固定装置30を使って下窓24をボディ14に固定する技術では、上述したように、窓24を固定するためには2回の動作が必要である。このため、その分だけ時間がかかり、面倒な固定作業となる。また、ラッチ部32と差込部34の取付位置が整合していない場合、ラッチ部32のピン32aと差込部34の孔34aのに差し込む際に、ピン32aが孔34aの周囲を擦って塗膜が剥げて錆びが発生するおそれがある。さらに、ラッチ部32が下窓24の一部に飛び出ているので、見栄えが悪い。同様に、下窓24を取り外したときにラッチ部32が飛び出ているので、全体の見栄えが悪い。さらにまた、窓枠26、ゴム枠28、及び、ラッチ部32と差込部34などの多数の部品が必要であるため、部品点数が多くなり、それだけ操作性や作業性が悪くなる。
【0010】
また、上記したボディ14にガイドフレームを形成しておく技術では、下窓24をガイドフレームにスライドさせながら差し込むので、作業性が悪い。また、下窓14の一部がガイドフレームで覆われ、さらに、ラッチ部32が突出しているので、機械操作時の有効視界が減少する。さらに、窓固定装置30と同様に、見栄えの悪さや操作性・作業性が悪いという問題もある。
【0011】
このように、従来のような窓固定技術では、窓を固定する際に手間がかかって操作性や作業性が悪いという問題がある。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、枠体に窓を容易に固定できる窓固定装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の窓固定装置は、所定形状の枠体に窓を固定する窓固定装置において、
(1)表側から押される力を押し戻すと共に裏側から押されることにより所定の避難位置に移動する押付面を備え、
(2)上記枠体に固定されることを特徴とするものである。
【0014】
ここで、上記の窓固定装置は、
(3)上記枠体に固定される固定部と、
(4)この固定部に隣接する、上記押付面が形成された押付部とを備えてもよい。
【0015】
また、
(5)上記固定部は、所定間隔離れて2つ並んだものであり、
(6)上記押付部は、上記2つの固定部の間に位置するものであってもよい。
【0016】
さらに、
(7)上記の窓固定装置は、上記押付面の裏側でこの押付面に並行に広がる、上記押付面と共に移動する板状の操作部を備え、
(8)上記固定部は、上記操作部に略直交する位置に配置された板状のものであってもよい。
【0017】
さらにまた、
(9)上記押付面の裏側でこの押付面に並行に広がる、上記押付面と共に移動する板状の操作部を備え、
(10)上記固定部は、上記操作部に略平行な位置に配置された板状のものであってもよい。
【0018】
さらにまた、
(11)上記固定部と上記操作部とは、弾性的に変形する弾性部によってつながっているものであり、
(12)上記押付部と上記操作部とは、剛性を有する剛性部によってつながっているものであってもよい。
【0019】
さらにまた、上記の窓固定装置は、
(13)上記枠体に固定される窓の下端部を所定の位置で受け止める、上記枠体に固定された位置決め部材を備えてもよい。
【0020】
また、上記目的を達成するための本発明の第2の窓固定装置は、所定形状の枠体に窓を固定する窓固定装置において、
(14)矩形で板状の操作部と、
(15)この操作部のいずれかの辺の両端部それぞれからこの辺に略直交する方向に湾曲しながら延びる、弾性的に変形する弾性部と、
(16)この弾性部につながってその先端側に形成された、上記枠体に固定される固定部と、
(17)上記辺の中央部からこの辺に略直交する方向に湾曲しながら延びる、剛性を有する剛性部と、
(18)上記剛性部につながってその先端側に形成された、上記操作部と共に移動する押付部とを備え、
(19)この押付部は、表側から押される力を押し戻すと共に裏側から押されることにより所定の避難位置に移動する、上記操作部に並行に広がる押付面が形成されたものであることを特徴とするものである。
【0021】
さらにまた、上記の窓固定装置は、
(20)窓の角部に嵌め込まれて外部からの水分の侵入を防止するシール材を備えてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の窓固定装置の実施形態を説明する。
【0023】
図1から図3までを参照して、窓固定装置の一実施形態を説明する。ここでは、上記の従来技術で説明した下窓24(図8〜図10参照)をキャブ10のボディ14に固定する窓固定装置を例に挙げて説明するが、本発明の窓固定装置は他の車両や住宅用窓など、様々な窓を固定する際に使用できる。また、ガラス窓だけでなく樹脂性の窓を固定する際にも使用できる。
【0024】
図1は、下窓を固定する構造を示す分解図であり、図2は、窓を固定している窓固定装置を示す斜視図である。図3は、窓固定装置を示す、(a)は表側から視た斜視図であり、(b)は裏側から視た斜視図である。これらの図では、図8から図10までに示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0025】
図1や図2に示すように、ボディ14のうち下窓24の周縁部が接触する部分には、水や風などの侵入を防止するためにゴム製のウエザーストリップ40が取り付けられている。このウエザーストリップ40については図4を参照して後述する。このウエザーストリップ40に下窓24の周縁部を押し付けて固定するために、下窓24の幅方向両端部24a(図1では一端部のみ示す。)を窓固定装置50でウエザーストリップ40に押し付ける。また、下窓24の下端部24bの2か所((図1では一か所のみ示す。)は、ゴム製の位置決め部材70に押し付けられる。なお、下窓24の角部24cには、外部からの水(水分)などの侵入を防止するために水切用のシール材80が嵌め込まれる。
【0026】
窓固定装置50は、周知の射出成型によって樹脂から一体構造で製造される。また、窓固定装置50は、下窓24を装着するためにボディ14に形成された開口の周縁部に固定される。通常は、この開口の周縁部のうち下窓24の幅方向両端部24a(図1参照)に対応する2か所に窓固定装置50を固定しておけばよい。ここでは、ボディ14が、本発明にいう所定形状の枠体の一例である。
【0027】
窓固定装置50には、図3に示すように、長方形(矩形の一例である。)で板状の操作部(解除レバー)52が形成されている。この操作部52は、ボディ14(図1参照)に固定された下窓24を取り外すときに操作される。この逆に、ボディ14に下窓24を固定するときは操作部52には触れない。
【0028】
操作部52の2つの長辺のうちの一方の長辺(本発明にいう操作部のいずれかの辺の一例である。)52aの両端部それぞれからは、この長辺52aに直交する方向に湾曲しながら延びる弾性部54が形成されている。これら2つの弾性部54の最小厚さは2mm程度であり、2つの弾性部54は、後述する押付部の動きに伴って弾性的に変形する。
【0029】
2つの弾性部54それぞれの先端側(長辺52aとは反対側)には、ボディ14に固定するためのボルト孔56aが形成された固定部56が形成されている。このボルト孔56aにボルトを差し込んでボディ14に固定部56を固定することにより、窓固定装置50がボディ14に固定される。固定部56の最大厚さは10mm程度であり、固定部56は剛性を有するものである。
【0030】
上記した2つの弾性部54は互いに40mm程度離れており、この間に、剛性部58が形成されている。剛性部58は、長辺52aの中央部からこの長辺52aに直交する方向に湾曲しながら延びており、最大厚さは4〜5mm程度である。従って、剛性部58は剛性を有し、ほとんど変形しない。
【0031】
上記した2つの固定部56は互いに25mm程度離れており、この間に、押付部60が形成されている。押付部60は、剛性部58につながっており、この剛性部58の先端側(長辺52aとは反対側)から操作部52に向けてやや湾曲して形成されている。押付部60の最大厚さは5mm程度あり、ほとんど変形しない。
【0032】
押付部60の先端部分には、操作部52に並行に広がる押付面62が形成されている。押付面62は、無負荷の状態では固定部56よりも操作部52に近い側に位置している。この押付面62は、表側(操作部52とは反対側)から押される力を押し戻すと共に、裏側(操作部52の側)から押されることにより固定部56とほぼ同じ位置かもしくはこの固定部よりもボディ14にやや近い位置(本発明にいう避難位置の一例である)に移動する。
【0033】
図4から図7までを参照して、上記の窓固定装置50及び位置決め部材70を用いて窓を固定する手順を説明する。
【0034】
図4は、窓固定装置のセット位置に下窓を差し込んだ状態を示す上面図であり、図5は、操作面62が裏側から押されて避難位置に位置した状態を示す上面図である。図6は、窓固定装置によって固定された下窓を示す上面図である。図7は、下窓の下端部と位置決め部材70の位置関係を示す側面図である。これらの図では、図1から図3までに示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。また、図4から図6までは、窓固定装置50の固定部56を省略している。
【0035】
窓固定装置50はボディ14のインナーパネル14aに固定される。インナーパネル14aには、下窓24を取り付けるための開口25が形成されており、この開口25の周縁部には、上述したように、ゴム製のウエザーストリップ40が取り付けられている。ウエザーストリップ40は、インナーパネル14aとアウターパネル14bの接合部に固定されてこの接合部を覆うフィニッシャ42と、下窓24によって変形して押し潰される変形部44から構成される。変形部44はフィニッシャ42に固定されている。
【0036】
窓固定装置50をインナーパネル14aに固定するに当っては、図6に示すように下窓24が固定されたときに変形部44が下窓24で押し潰される位置に下窓24が位置するように、固定部56(図3参照)のボルト孔56aにボルト(図示せず)を通してこの固定部56をインナーパネル14aに固定する。また、位置決め部材70をインナーパネル14aに固定するに当っては、位置決め部材70の係止部70aをインナーパネル14aの孔14cに差し込む。
【0037】
下窓24をインナーパネル14aに固定するに当っては、先ず、図4に示すように、操作部52をガイドにしてこの操作部52と押付部60との間に下窓24の周縁部が位置するように下窓24を上から挿入する。このとき、下窓24の下端部24bを位置決め部材70の凹部70bに嵌め込む。続いて、下窓24のうち窓固定装置50の周縁部もしくはその近傍部分を押付面62の裏側から表側に向けて(矢印A方向に)押す。この押す力によって、図5に示すように、操作部52が矢印A方向にやや傾くと共に弾性部54が弾性変形して押付面62が避難位置に移動する。さらに下窓24を押し続けると、下窓24が押付面62の先端62aを乗り越えて押付面62の表側に移動する。これによりウエザーストリップ40の変形部44が下窓24によって押し潰され、変形部44と下窓24の周縁部が互いに密着して水や風の侵入を防止できる。
【0038】
下窓24が押付面62の表側に移動し終ると、弾性変形している弾性部54が元の形に戻ろうとするが、変形部44からの反発力などによって押付面62がその表側から押されることとなる。しかし、押付面62はその押される力を押し戻すので、下窓24の周縁部がインナーパネル14aに押し付けられる。この場合、押付部60と操作部52とが剛性部58でつながっているので、インナーパネル14aに固定されている下窓24によって押付面62がその表側から押されても、操作部52を操作しない限り押付部60は移動しにくく、下窓24がインナーパネル14aにいっそう強固に固定される。
【0039】
また、下窓24がインナーパネル14aに固定されると下窓24は矢印A方向にやや傾くので、その下端部24bは位置決め部材70の凹部70bに嵌り込んだままウエザーストリップ40の変形部44に押し付けられる。この結果、変形部44が下端部24bに押し潰されて変形部44と下端部24bが互いに密着して水や風の侵入を防止できる。
【0040】
上述のように、下窓24を押付面62の裏側に配置して、この裏側から表側に向けて下窓24を押すだけで下窓24がインナーパネル14aに固定されることとなり、いわゆるワンタッチの操作で下窓24をインナーパネル14aに容易に固定できる。また、インナーパネル14aに固定された下窓24を取り外すときは、操作部52と押付面62とが剛体部58を介して共に移動するので、押付面62が避難位置に移動するように操作部58を矢印A方向に押す。これによりインナーパネル14aから下窓24を容易に取り外せる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の窓固定装置では、枠体と押付面との距離が窓の厚さよりもやや短くなるように窓固定装置を枠体に固定しておき、窓の周縁部が押付面の裏側に位置するように窓を置く。この状態で、窓の周縁部もしくはその近傍部分を押付面の裏側から表側に向けて押す。この押す力によって押付面が避難位置に移動し、窓の周縁部が押付面の表側に移動できる。押付面と枠体との距離は窓の厚さよりもやや短いので、押付面はその表側から押されることとなる。押付面が表側から押されると、押付面はその押す力を押し戻すので、窓の周縁部が枠体に押し付けられる。この結果、窓の周縁部が枠体にしっかりと固定され、窓が枠体に固定されることとなる。即ち、窓を押付面の裏側に配置して、この裏側から表側に向けて窓を押すだけで窓が枠体に固定されることとなり、いわゆるワンタッチの操作で窓を枠体に容易に固定できる。なお、窓の周縁部の複数箇所それぞれを窓固定装置で枠体に固定すると、枠体に窓がいっそう強く固定されることとなる。
【0042】
ここで、上記枠体に固定される固定部と、この固定部に隣接する、上記押付面が形成された押付部とを備えた場合は、固定部と押付部が隣接しているので、サイズが小型で設置スペースの少なくて済む窓固定装置が得られる。
【0043】
また、上記固定部は、所定間隔離れて2つ並んだものであり、上記押付部は、上記2つの固定部の間に位置するものである場合は、2つの固定部によって窓固定装置を枠体にいっそう強固に固定できる。
【0044】
さらに、上記押付面の裏側でこの押付面に並行に広がる、上記押付面と共に移動する板状の操作部を備え、上記固定部は、上記操作部に略直交する位置に配置された板状のものである場合は、窓固定装置によって枠体に窓が固定されている場合、操作部が押付面と共に移動するので、押付面が避難位置に移動するように操作部を操作することにより窓を容易に取り外せる。また、枠体に窓を固定するに当っては、操作部が押付面の裏側に位置するので、操作部と押付面の間に窓の端部を位置させてこの端部を押付面に向けて押すことにより、窓が枠体に容易に固定される。
【0045】
さらにまた、上記押付面の裏側でこの押付面に並行に広がる、上記押付面と共に移動する板状の操作部を備え、上記固定部は、上記操作部に略平行な位置に配置された板状のものである場合は、固定部と操作部がほぼ一平面上に位置することとなるので、固定部が視界を遮らずに視界が良好になる。
【0046】
さらにまた、上記固定部と上記操作部とは、弾性的に変形する弾性部によってつながっているものであり、上記押付部と上記操作部とは、剛性を有する剛性部によってつながっているものである場合は、固定部と操作部とが弾性部によってつながっているので操作部を操作し易い。また、押付部と操作部とが剛性部でつながっているので、枠体に固定されている窓によって押付面が表側から押されても、操作部を操作しない限り押付部は移動しにくく、窓が枠体にいっそう強固に固定される。
【0047】
さらにまた、上記枠体に固定される窓の下端部を所定の位置で受け止める、上記枠体に固定された位置決め部材を備えた場合は、窓の下端部が所定の位置で受け止められるので、正確な位置に窓を固定できる。
【0048】
また、本発明の第2の窓固定装置では、窓を枠体に固定するに当っては、先ず、窓の周縁部が窓固定装置で固定されるように固定部を枠体に固定する。このとき、枠体と押付面との距離が窓の厚さよりもやや短くなるように窓固定装置を枠体に固定する。次に、操作部と押付部との間に窓の周縁部が位置するように窓を配置し、この周縁部もしくはその近傍部分を押付面の裏側から表側に向けて押す。この押す力によって弾性部が弾性変形すると共に押付面が避難位置に移動し、窓が押付面の表側に移動する。窓が押付面の表側に移動し終ると、弾性変形している弾性部が元の形に戻る。また、押付面と枠体との距離は窓の厚さよりもやや短いので、押付面はその表側から押されることとなる。押付面が表側から押されると、押付面はその押す力を押し戻すので、窓の周縁部が枠体に押し付けられる。この場合、押付部と操作部とが剛性部でつながっているので、枠体に固定されている窓によって押付面が表側から押されても、操作部を操作しない限り押付部は移動しにくく、窓が枠体にいっそう強固に固定される。このようにして、窓の周縁部が枠体にしっかりと固定され、窓が枠体に固定されることとなる。即ち、窓を押付面の裏側に配置して、この裏側から表側に向けて窓を押すだけで窓が枠体に固定されることとなり、いわゆるワンタッチの操作で窓を枠体に容易に固定できる。また、枠体に固定された窓を取り外すときは、操作部と押付面とが剛体部を介して共に移動するので、押付面が避難位置に移動するように操作部を操作する。これにより枠体から窓を容易に取り外せる。なお、窓の周縁部の複数箇所それぞれを窓固定装置で枠体に固定すると、枠体に窓がいっそう強く固定されることとなる。
【0049】
また、上記の窓固定装置が、窓の角部に嵌め込まれて外部からの水分の侵入を防止するシール材を備えた場合は、外部からの水や水分の侵入を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】下窓を固定する構造を示す分解図である。
【図2】下窓を固定している窓固定装置を示す斜視図である。
【図3】窓固定装置を示す、(a)は表側から視た斜視図であり、(b)は裏側から視た斜視図である。
【図4】窓固定装置のセット位置に下窓を差し込んだ状態を示す上面図である。
【図5】操作面が裏側から押されて避難位置に位置した状態を示す上面図である。
【図6】窓固定装置によって固定された下窓を示す上面図である。
【図7】下窓の下端部と位置決め部材の位置関係を示す側面図である。
【図8】建設機械のキャブを示す斜視図である。
【図9】図8のキャブの下窓を固定する構造を示す分解図である。
【図10】図8のキャブの下窓を固定する固定装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
14 ボディ
24 下窓
50 窓固定装置
52 操作部
52a 操作部の一辺
54 弾性部
56 固定部
58 剛性部
60 押付部
62 押付面
70 位置決め部材
80 シール材
Claims (9)
- 窓が装着される開口が形成されると共に該窓の周縁部が接触することにより水や風の侵入を防止するウエザーストリップが前記開口の周縁部に固定された枠体に、該枠体の裏側から前記窓を固定する窓固定装置において、
前記ウエザーストリップよりも前記枠体の裏側に位置し、前記窓によって裏側から表側に押し付けられる押付面を備え、
前記押付面よりも前記枠体の裏側に配置された前記窓を前記枠体の表側に向けて押し付けることにより、前記窓が前記押付面の先端を乗り越えて該押付面と前記ウエザーストリップとの間に移動して該間で前記窓を固定することを特徴とする窓固定装置。 - 前記枠体に固定される固定部と、
該固定部に隣接する、前記押付面が形成された押付部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の窓固定装置。 - 前記固定部は、所定間隔離れて2つ並んだものであり、
前記押付部は、前記2つの固定部の間に位置するものであることを特徴とする請求項2に記載の窓固定装置。 - 前記押付面の裏側で該押付面に並行に広がる、前記押付面と共に移動する板状の操作部を備え、
前記固定部は、前記操作部に略直交する位置に配置された板状のものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の窓固定装置。 - 前記押付面の裏側で該押付面に並行に広がる、前記押付面と共に移動する板状の操作部を備え、
前記固定部は、前記操作部に略平行な位置に配置された板状のものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の窓固定装置。 - 前記固定部と前記操作部とは、弾性的に変形する弾性部によってつながっているものであり、
前記押付部と前記操作部とは、剛性を有する剛性部によってつながっているものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の窓固定装置。 - 前記枠体に固定される窓の下端部を所定の位置で受け止める、前記枠体に固定された位置決め部材を備えたことを特徴とする請求項1から6までのうちのいずれか一項に記載の窓固定装置。
- 窓が装着される開口が形成されると共に該窓の周縁部が接触することにより水や風の侵入を防止するウエザーストリップが前記開口の周縁部に固定された枠体に、該枠体の裏側から前記窓を固定する窓固定装置において、
矩形で板状の操作部と、
該操作部のいずれかの辺の両端部それぞれから該辺に略直交する方向に湾曲しながら延びる、弾性的に変形する弾性部と、
該弾性部につながってその先端側に形成された、前記枠体に固定される固定部と、
前記辺の中央部から該辺に略直交する方向に湾曲しながら延びる、剛性を有する剛性部と、
前記剛性部につながってその先端側に形成された、前記操作部と共に移動する押付部とを備え、
該押付部は、
前記枠体の裏側から窓によって押されることにより該窓に乗り越えられる避難位置に移動して前記ウエザーストリップに接触して該ウエザーストリップとの間で前記窓を固定する、前記操作部に並行に広がる押付面が形成されたものであることを特徴とする窓固定装置。 - 窓の角部に嵌め込まれて外部からの水分の侵入を防止するシール材を備えたことを特徴とする請求項1から8までのうちのいずれか一項に記載の窓固定装置。
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1999
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