JP4079154B2 - スライド式収納装置 - Google Patents
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Description
ところが、このようなスライド式収納装置に対して上記従来技術を適用しようとすれば、スライドトレイに設けた光導入部に光源からの光を照射する必要があり、光源をスライドトレイ側、即ち可動側に固定することとなる。そのため、可動側(スライドトレイ)と固定側(固定トレイ)との間を導通させる手段が必要となり、複雑な構成となる。また、このような導通手段を設けることは、スライドトレイが頻繁にスライドされることを考慮すれば、照明機能の安定性及び耐久性の面から好ましくない。さらに、使用状態、即ちスライドトレイが引き出された状態においてのみスライドトレイを照明しその視認性を高めようとすれば、スライドトレイを引き出す動作に連動させて光源のオンオフを制御する必要があり、回路構成が複雑となる。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、簡易な構成により、スライド式の収納部(スライドトレイ)を照明しその視認性を高めることが可能なスライド式収納装置を提供することを目的とする。また、照明効果ないしは意匠性の高いスライド式収納装置を提供することを目的とする。
固定トレイと、
前記固定トレイに対してスライド可能に取り付けられ、導光体を備えるスライドトレイと、
前記固定トレイに固定される光源と、
前記スライドトレイに設けられる反射面であって、前記スライドトレイが引き出されて使用状態にあるときに、前記光源の光を反射して前記導光体へと導入する反射面と、を備えるスライド式収納装置。
ここで、光源が固定トレイに固定されているため、スライドトレイを引き出して使用状態とする際に光源が移動せず、従って可動側(スライドトレイ)と固定側(固定トレイ)とを導通する手段が不要となり、光源へ電力を供給するための構成が簡略化される。また、可動側と固定側との間に導通手段が不要なことから、安定して光源へ電力を供給でき、信頼性及び耐久性の向上も図られる。
スライドトレイにカップホルダを取り付けて使用する場合においては、カップホルダの一部又は全部を導光体により形成してもよい。このようにすれば、後述の光源からの光をカップホルダ部分にも導入し、カップホルダを発光させることも可能となる。
導光体に光源からの光を受けて発光可能な蛍光体を含有させて発光色の変換、補正等を行うこともできる。さらには、導光体内での光の拡散を促進すべく導光体に光拡散剤を含有させることができる。光拡散剤としては、例えば酸化チタン等を用いることができる。
光反射処理としては、例えば、光反射性のインク(例えば、白色系のインク)を用いた印刷、蒸着、スパッタリング、又は光反射率の高いテープ(白色テープ等)の貼着などを利用することができる。また、エッチング、サンドブラスト、放電加工等の粗面化処理を用いてもよい。
例えば、スライド途中においては光源からの光が導光体を透過するように、光源の光軸と、スライド途中に光軸上を通過する導光体の表面との角度を一定範囲に設定する。例えば、両者が垂直をなすように設定すればよい。一方、スライド途中に光源の光が照射することとなる導光体の表面にマスキング処理を施すなどして光を遮蔽し、スライド途中における導光体への光の入射を防いでもよい。以上のような構成によれば、光源を常時点灯させていたとしてもスライド途中に光源からの光が導光体に導光することを防止できる。従って、上記の照明効果を奏するために、スライドトレイの移動に同調させて光源の点灯状態を制御する必要がなく、回路構成を簡略化することができるといった利点もある。
第2の反射面に光を照射する光源として、上記第1の反射面に光を照射する光源を利用することが好ましい。光源を別途用意する必要がなくなり、収納装置全体の構成を簡略化できるからである。但し、第2の反射面用に別個の光源を備えることもできる。
光源の種類も特に限定されず、バルブ、LED等を用いることができる。特に、レンズを有したLED等の指向性の高い光源を用いることが好ましい。指向性の高い光源を採用すれば必要な範囲にのみ光を照射することができることから、上記の反射面に効率的に光を照射し、導光体内への光の導入効率を向上することができることに加えて、意図しない光の漏洩を防止することができる。尚、LEDは小型である点、消費電力が小さい点、長寿命である点、放熱量が小さい点等の利点も併せ持つ。使用し得るLEDのタイプは特に限定されず、砲弾型、SMDタイプ等、公知のものを適宜選択して用いることができる。
前記固定トレイに対してスライド可能に取り付けられるカップホルダトレイと、
前記固定トレイに固定される光源と、
前記カップホルダトレイ内に備えられる第1の導光体であって、前記カップホルダが引き出された使用状態にあるときに、その一端側から前記光源の光を導入し且つ導入光を前記カップホルダトレイのホルダ部方向に外部放射する第1の導光体と、
を備えるスライド式収納装置である。
尚、本発明の第2の局面において特に説明ないしは限定のない部材(固定トレイや光源など)ついては既述の構成と同様である。
一方、ホルダ部の一部又は全部を導光体によって形成し、導光作用を利用して装飾的効果を得ることもできる。この場合においてもホルダ部に蛍光体を含有させたり、蛍光体層を形成したりしてもよい。即ち、例えばホルダ部の一部を蛍光体含有の導光体で形成することができる。このようにすれば照射光がホルダ部の当該領域に取り込まれ、導光作用によって拡散しつつ、蛍光体による蛍光が生ずる。その結果、ホルダ部の広い範囲から均一化された蛍光が発せられ、装飾的効果の高い照明態様が得られる。
ここでの第1の反射面は、例えば第1の導光体の一部を所望の角度となるようにカッティングし、カッティング面に光反射処理を施すことにより形成することができる。このようにすれば簡単な構成により反射面を設けることができる。光反射処理としては、例えば、光反射性のインク(例えば、白色系のインク)を用いた印刷、蒸着、スパッタリング、又は光反射率の高いテープ(白色テープ等)の貼着などを利用することができる。また、エッチング、サンドブラスト、放電加工等の粗面化処理を用いてもよい。
一方、第2の導光体を介して外部放射される光を所望の文字、形状等を表示することに利用することもできる。例えば第2の導光体を介した光が照射する位置に所望の文字、形状等が打ち抜き的に形成された意匠カバーなどを被せることにより、所望の文字等の形状の発光を得ることができる。尚、このような発光を上記のロック解除ボタン上に行うこともできる。
固定トレイ10はスライドトレイ20及び30を格納する格納部11、カード類やCD等を収納可能な収納部12を備え、黒色系の樹脂製である。
スライドトレイ20及び30は、それぞれ側面に設けられたレールを利用して固定トレイ10にスライド可能に取り付けられる。スライドトレイ20は小物入れ用のトレイであって、概略して中央部に凹部21を有する形状に成型された導光体(例えば、アクリル樹脂)からなる。スライドトレイ20の前面22側の下面には引き出し用の凹部27が設けられている(図3〜図5参照)。この凹部27を利用してスライドトレイ20の前後方向の移動が行われる。尚、スライド手段として公知のプッシュ式を採用してもよい。
スライドトレイ20の前面22側には光を透過しない材料(例えば黒色の樹脂)からなる意匠カバー28が被せられている。この意匠カバー28には、図1及び図2に示されるように所望の文字が打ち抜き的に形成されている。
LED光源は図示しない配線により電源及び制御回路に接続され、その点灯状態が制御される。本実施例では、スモールライトのオンオフに同期してLED光源が点灯及び消灯するようにした。エンジンの始動に同期してLED光源を点灯させ、走行中常時LEDを点灯させておくこともできる。LED光源は消費電力が小さいことから、このような点灯制御を行ったとしても燃費等に与える影響は少ない。またLED光源は発熱量が少ないため、長時間点灯状態が継続したとしても周囲の部材に与える熱的影響も少ない。
まず、図3に示されるスライドトレイ20が固定トレイ10の格納部11に完全に格納された状態(格納状態)では、光源ユニット40から放出された光はスライドトレイ20の下面23aを介してスライドトレイ20に入射した後、第2の反射面26に反射されてスライドトレイ20内に導入される。導入された光はスライドトレイ20内を屈折、反射を繰り返しながら進み、その一部がスライドトレイの前面に設けられた窓29より外部放射される。その結果、スライドトレイ20の前面にはABCの文字がアンバー色で発光表示される。このように、スライドトレイ20が格納状態にあるときには、光源ユニット40からの光により所望の文字の表示を行うことができ、格納状態におけるスライドトレイ20の意匠性が高められる。また、スライドトレイ位置を容易に視認することができ、操作性も向上する。
固定トレイ50はカップホルダトレイ60を格納するための格納部51を備える。また、固定トレイ50の前面側には格納部51へとつながる開口部52が形成されており、この開口部52を介してカップホルダトレイ60の収納及び取り出しが行われる。
カップホルダトレイ60はホルダ部61及び基部62からなる。ホルダ部61はドリンク類を保持するための部材であってリング状に成形されており、その下部61aには黄色の蛍光体が含有されている。このようなホルダ部61は、例えばその上部用の合成樹脂(例えば黒色系のABS樹脂)と下部用の蛍光体含有樹脂(例えば蛍光体含有のABS樹脂)との2色成形によって作製することができる。ホルダ部61の下部61aに蛍光体を一様に含有させるのではなく、当該下部61aの表面に蛍光体層を設けてもよい。かかる蛍光体層は蛍光体塗料、インクなど、或は蛍光テープなどによって形成することができる。尚、ホルダ部61以外の各部材は合成樹脂(例えばABS樹脂)によって作製されている。
LED光源71は図示しない配線により電源及び制御回路に接続され、その点灯状態が制御される。本実施例では、スモールライトのオンオフに同期してLED光源が点灯及び消灯するようにした。エンジンの始動に同期してLED光源を点灯させ、走行中常時LEDを点灯させておくこともできる。LED光源は消費電力が小さいことから、このような点灯制御を行ったとしても燃費等に与える影響は少ない。またLED光源は発熱量が少ないため、長時間点灯状態が継続したとしても周囲の部材に与える熱的影響も少ない。
まず、図7に示すようにカップホルダトレイ60が固定トレイ50の格納部51に完全に格納された状態(格納状態)では、光源ユニット70から放出された光は固定トレイ50底部の貫通孔55を介して固定トレイ50内へと進行し、続いてカップホルダトレイ60の基部前端部62b内の導光体65の端面(入射面)に入射する。このようにして導光体65に導入された光は導光体65を導光し、最終的に導光体65の前方側の端面、即ちロック解除スイッチ63の表面から外部放射される。その結果、ロック解除スイッチ63が青色に発光する。このように、カップホルダトレイ60が格納状態にあるときは、カップホルダトレイ60の基部62に設置したロック解除スイッチ63が所望の色で発光表示される。したがって、ロック解除スイッチ63の位置を容易に視認するができ、その操作性が向上する。併せて青色光による装飾的ないし演出的効果が奏される。
基板80のほぼ中央にはホルダ部90を使用状態の位置(図12を参照)に保持するためのストッパ部81が形成され、一方でその下端にはトレイ100を使用状態の位置(図12を参照)に保持するための保持部84が形成されている。この保持部84の上方には左右一対の軸受85が設けられており、これにトレイ100の外縁部及びアーム91の一端が回動可能に支軸86をもって連結されている。この支軸86には図示しないコイルばねが巻きつけられており、このコイルばねによってトレイ100に対して図示上方にアーム91が付勢されている。
アーム91の他端にはホルダ部90が支軸98によって回動可能に連結されている。支軸98には図示しないコイルばねが巻きつけられており、このコイルばねによってアーム91に対して図示上方にホルダ部90が付勢されている。
以上の各コイルばねによる付勢力によって、ホルダ部90の後端部95が基板80のストッパ部81の下面に当接し、これによってホルダ部90が所定の位置に保持される。
まず、図11に示されるようにトレイ100が基板80に保持されてホルダ部90が完全に格納された状態(格納状態)では、光源ユニット70から放出された光は基板80の導光体部分89に入射し、次いで当該部分の前方側の表面(発光面)から放射される。格納状態ではこの発光面に対向するようにトレイ100の反射部102が配置されており、従って当該発光面から放射された光は反射部102の上面に照射し、その進行方向が図示上方へと変換される。この上方に向かう光は最終的に基板80の係止孔82及びトレイ100の係止爪101からなるロック機構部分に対して内側より照射する。その結果、ロック機構の係止孔82及び係止爪101との隙間を介して一部の光が外部に取り出され、ロック解除ボタン83付近が発光して観察されることとなる。これにより、ロック解除ボタン83の位置の視認が容易となり、その操作性が向上する。また、青色光による装飾的ないし演出的効果が奏される。
2 3 スライド式カップホルダ
10 50 固定トレイ
11 格納部
20 30 スライドトレイ
25 反射面
26 第2の反射面
28 意匠カバー
32 カップホルダ
40 45 70 光源ユニット
60 カップホルダトレイ
61 90 ホルダ部
63 83 ロック解除ボタン
64 導光体(第1の導光体)
65 導光体(第2の導光体)
80 基板
100 トレイ
102 反射部
Claims (3)
- 固定トレイと、
前記固定トレイに対してスライド可能に取り付けられるカップホルダトレイであって、その下部に蛍光材料を含有させたホルダ部を有するカップホルダトレイと、
前記固定トレイに固定されるLED光源と、
前記カップホルダトレイ内に備えられる第1の導光体であって、前記カップホルダトレイが引き出された使用状態にあるときにその一端側から前記LED光源の光を導入し且つ導入光を前記カップホルダトレイのホルダ部の下部方向に外部放射する第1の導光体と、
前記カップホルダトレイ内に備えられる第2の導光体であって、前記カップホルダトレイが格納状態にあるときに前記一端側から前記LED光源の光を導入し且つ導入光を前記カップホルダトレイの前面から外部放出する第2の導光体と、
を備えることを特徴とするスライド式収納装置。 - 前記LED光源は青色系の発光色を有し、
前記蛍光材料は前記LED光源の光を受けて黄色又は黄緑色の光を生じさせる、ことを特徴とする請求項1に記載のスライド式収納装置。 - 前記カップホルダトレイが前記使用状態まで移動する途中においては、前記光源の光がスライド式収納装置から実質的に外部放射されない、請求項1に記載のスライド式収納装置。
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