JP4079110B2 - ドアロック駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、駆動モータの回転動力で自動的にドアロックの噛合い機構をアンラッチ作動方向に動作させるアンラッチ機能と、ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態の時に、駆動モータの回転動力で自動的にドアロックの噛合い機構をクローザ作動方向に動作させるオートクローザ機能と、クローザ作動中にクローザ作動を解除する非常時クローザ作動解除機能とを兼ね備えた車両用ドアロック駆動装置に関するものである。
[従来の技術]
従来より、1個の駆動モータ、歯車減速機構および出力カム等によって構成された動力ユニットと、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、駆動モータの動力で自動的にドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に動作させることで、ドアロックのラッチとラチェットとの噛合い状態を解除(アンラッチ状態に)して、ドアが開かれるのを許容するアンラッチ機構と、ドアが完全に閉じていない半ドア状態(ハーフラッチ状態)の時に、駆動モータの動力で自動的にドアロックのラッチをクローザ作動方向に動作させることで、ラッチとラチェットとを正規のフルラッチ状態で噛み合わせて、ドアを完全に閉じるオートクローザ機構とを備えたドアロック駆動装置が公知である。
しかし、従来のドアロック駆動装置においては、万一ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した時に、アウターハンドルまたはインナーハンドルを手動操作すると、駆動モータの動力によるクローザ作動を中断できるように構成されているが、ドアロックのラッチとラチェットとの噛合い状態が解除されず、ドアを開くことができないという問題があった。そこで、ドアロックのラチェットのクローザ作動中に、上記のような非常事態が発生した時に、フェールセーフレバーが手動操作されることに応じてクローザ作動を停止させると共に、ドアロックのラッチをアンラッチ状態に切り替える非常時クローザ作動解除機能を備えたドアロック駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[従来の技術の不具合]
しかるに、特許文献1に記載のドアロック駆動装置によると、駆動モータの動力によってクローザ機構やアンラッチ機構に伝達する駆動力や、手動操作力の伝達機構を多数の部材で構成しているため、ドアロック駆動装置のサイズが大型化し、コストアップとなるという問題がある。そこで、アンラッチ機構、オートクローザ機構、非常時クローザ作動解除機構を簡素な構成で実現し、且つ駆動モータ、歯車減速機構、第1、第2動力伝達レバー、アンラッチ作動レバーおよびクローザ作動レバー等をアクチュエータケースの内部に収容することで、3つのアンラッチ機能、オートクローザ機能、非常時クローザ作動解除機能を備えたドアロック駆動装置の体格をコンパクト化(小型化)するという目的で、既に特願2002−325498(出願日平成14年11月8日)を出願した。
この出願のドアロック駆動装置(比較例1)においては、図5に示したように、駆動装置ケース100の内部に、駆動モータ101と、歯車減速機構を構成するピニオンギヤ102および第1、第2減速ギヤ103、104と、出力カム105と、係合ピン106を保持固定する第1動力伝達レバー111と、アンラッチ機構を構成するアンラッチ作動レバー112と、係合ピン106の外周に揺動自在に保持された第2動力伝達レバー121と、オートクローザ機構を構成するクローザ作動レバー122と、非常時クローザ作動解除機構を構成するキャンセルレバー107を収容している。また、アンラッチ機構は、アンラッチ作動レバー112の他に、アンラッチ出力軸113およびアンラッチ出力レバー114を有し、また、オートクローザ機構は、クローザ作動レバー122の他に、クローザ出力軸123およびクローザ出力レバー124を有している。
ここで、上記出願のドアロック駆動装置(比較例1)においては、ドア開状態から乗員がドアを閉じようとすると、ストライカがラッチの嵌合溝に進入してラッチが回転することにより、ラッチのハーフラッチ用係合爪がラチェットの係合爪と係合してハーフラッチ状態(ドアが完全に閉鎖していない半ドア)となる(図5参照)。そして、図5に示した半ドア通常作動のように、第2動力伝達レバー121の凹状のストッパ部125とクローザ作動レバー122の凸状の被係合部126との係合状態が正規の係合状態であると、係合ピン106が出力カム105のカム面から駆動モータ101の回転出力を受けて第2動力伝達レバー121がクローザ作動方向(図示左側方向)に動作する。これにより、クローザ作動レバー122が、第2動力伝達レバー121のクローザ作動方向の動作に伴ってクローザ出力軸123およびクローザ出力レバー124をアンラッチ作動方向(クローザ出力軸123を中心とした図示左回転方向)に回転させる。そして、ドアロック駆動装置のクローザ出力レバー124から駆動モータ101の回転出力(ドアロック駆動装置の出力トルク)を受けるドアロックのラッチが、ハーフラッチ位置からフルラッチ位置まで回転することで、オートクローザ機構によるクローザ作動が完了する。
[先行の技術の不具合]
ところが、先願(比較例1)のドアロック駆動装置においては、ドア開状態から乗員がドアを早く閉じた場合、ドアロックのラッチに連結される、オートクローザ機構を構成するクローザ作動レバー122、クローザ出力軸123およびクローザ出力レバー124が、第2動力伝達レバー121のクローザ作動方向の動作よりも早く回転する。そして、図6に示した半ドア異常作動のように、第2動力伝達レバー121のストッパ部125とクローザ作動レバー122の被係合部126との係合位置が正規の係合位置から外れ、ストッパ部125が被係合部126の内側に入り込んでしまう。これにより、係合ピン106が出力カム105のカム面から駆動モータ101の回転出力を受けて第2動力伝達レバー121がクローザ作動方向(図示左側方向)に動作しても、クローザ作動レバー122のクローザ作動方向の移動距離が短くなる。この結果、ドアロック駆動装置の出力トルクが低下し、作動不良、すなわち、ドアロックのラッチがハーフラッチ位置からフルラッチ位置まで回転することができなくなってしまう可能性があった。
特許第3180039号公報(第1−6頁、図1−図9)
本発明の目的は、駆動モータの回転出力をオートクローザ機構に伝達する動力伝達レバーとクローザ作動レバーとの係合位置が正規の係合位置から外れることを防止することで、出力トルクの低下による作動不良を防止して信頼性を向上することのできるドアロック駆動装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、伝達レバーガイドを設けたことにより、動力伝達レバーのクローザ作動方向への動作時に、動力伝達レバーの、ピン部材を中心とする回転動作範囲が規制されるようになる。これにより、ドアが早く閉じられた時(半ドア異常作動時)においても、動力伝達レバーとクローザ作動レバーとの係合位置が正規の係合位置から外れることはない。したがって、ドアロック駆動装置のオートクローザ機構からドアロックの噛合い機構に伝達される出力トルクの低下による、ドアロックの噛合い機構の作動不良を防止できるので、ドアロック駆動装置の品質および信頼性を向上することができる。
すなわち、ドアが完全に閉じていない半ドア状態(ハーフラッチ状態)の時に、ピン部材が駆動モータの回転出力を受けて支持軸を中心とした公転運動を行うと、動力伝達レバーがクローザ作動方向に動作して、動力伝達レバーがクローザ作動レバーの正規の位置に係合する。そして、動力伝達レバーのクローザ作動方向の動作に伴ってクローザ作動レバーがクローザ作動方向に回転することで、ドアロックの噛合い機構(例えばラッチ)がクローザ作動方向に動かされる。これによって、駆動モータの回転出力によってドアロックの噛合い機構を、半ドア状態から、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態に確実に切り替えることができる。
また、非常時クローザ作動解除機構、特に動力伝達レバーに係脱自在に係合するキャンセルレバーを設けたことにより、キャンセルレバーが支点を中心にしてクローザ作動解除方向に回転して動力伝達レバーに係合すると、動力伝達レバーがクローザ作動レバーの作動範囲外まで押し出される。これにより、動力伝達レバーのクローザ作動方向への動作途中に、手や指または衣服がドアに挟まれる等の非常事態が発生した場合でも、駆動モータからオートクローザ機構への回転出力の伝達を解除することで、クローザ作動レバーのクローザ作動方向への回転動作に伴うドアロックの噛合い機構のクローザ作動方向の動作を停止または中止または中断できる。したがって、ドアロック駆動装置の品質、安全性および信頼性を向上することができる。
そして、請求項1に記載の発明によれば、動力伝達レバーの板厚方向の一端面より一方側に突出するように、伝達レバーガイドに摺動自在に係合するガイド側係合部と、キャンセルレバーに係脱自在に係合するレバー側係合部とを兼ね備えた凸状の係合部を動力伝達レバーに一体的に設けたことにより、それらのガイド側係合部とレバー側係合部とを別々の箇所に設けた動力伝達レバーと比べて、動力伝達レバーの形状を簡素化でき、且つ動力伝達レバーと伝達レバーガイドまたはキャンセルレバーとによって構成されるリンク機構を簡素化できるので、コストダウンを図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、伝達レバーガイドを、動力伝達レバーの回転動作範囲のうちの少なくとも一方側を規制するように、所定の曲率を持って略円弧状に設けたことにより、動力伝達レバーが、クローザ作動レバーの正規の係合位置を目指す回転動作軌跡を描くように、クローザ作動方向に動作させることができる。したがって、請求項1に記載の効果を達成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、伝達レバーガイドを設けたことにより、動力伝達レバーとクローザ作動レバーとの係合位置が正規の係合位置となるように、動力伝達レバーのピン部材を中心とする回転動作範囲のうちの少なくとも一方側が規制される。これにより、ドアが早く閉じられた時(半ドア異常作動時)においても、動力伝達レバーとクローザ作動レバーとの係合位置が正規の係合位置から外れることはない。したがって、請求項1に記載の効果を達成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、伝達レバーガイドを設けたことにより、動力伝達レバーのクローザ作動方向への動作時に、動力伝達レバーの、ピン部材を中心とする回転動作範囲(のうちの少なくとも一方側)が規制されるようになる。これにより、ドアが早く閉じられた時(半ドア異常作動時)においても、動力伝達レバーのストッパ部とクローザ作動レバーの被係合部との係合位置が正規の係合位置から外れることはない。したがって、請求項1に記載の効果を達成することができる。
請求項に記載の発明によれば、少なくともピン部材、動力伝達レバーおよびクローザ作動レバーを収容するアクチュエータケースに、伝達レバーガイドを一体的に設けたことにより、アクチュエータケースと伝達レバーガイドとを別々に設けた場合と比べて、部品点数および組付工数を削減することができる。特に、アクチュエータケースを樹脂化して、アクチュエータケースに伝達レバーガイドを一体的に形成した場合には、ドアロック駆動装置の軽量化および低コスト化を図ることができ、且つ生産性を向上することができる。
本発明を実施するための最良の形態は、ドアロック駆動装置の出力トルクの低下による作動不良を防止するという目的を、動力伝達レバーのストッパ部がクローザ作動レバーの被係合部よりも内側に入り込まないようにすることで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図4は本発明の実施例1を示したもので、図1は自動車等の車両用ドアロック駆動装置の全体構成を示した図で、図2は車両用ドアロック駆動装置の半ドア異常作動を示した図で、図3はケースカバーの主要部を示した図である。
本実施例の自動車等の車両用ドアロック駆動装置(以下ドアロック駆動装置と略す)は、自動車等の車両のドアの閉鎖状態を保つためのドアロックの噛合い機構を、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態からドアを開けることが可能なアンラッチ状態へのアンラッチ(オープナ)作動方向に駆動するアンラッチ機能と、そのドアロックの噛合い機構を、ドアが完全に閉鎖していないハーフラッチ状態(半ドア状態)からドアを完全に閉鎖するフルラッチ状態へのクローザ作動方向に駆動するオートクローザ機能と、クローザ作動中に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合にクローザ作動を解除する非常時クローザ作動解除機能とを兼ね備えたドアロック・アクチュエータである。
ドアロックは、車両の車体のドア受けに固着されたストライカ(図示せず)との係合および離脱を行う噛合い機構を有し、開いているドアを閉じる時には、ドア開状態からハーフラッチ状態またはフルラッチ状態を経てドア閉状態となり、閉じているドアを開ける時には、ドア閉状態からアンラッチ状態を経てドア開状態となる。そして、ドアロックの噛合い機構は、半ドア状態の時にストライカを拘止するハーフラッチ状態(ドアを完全に閉鎖していない状態)、ドア閉状態の時にストライカを拘止するフルラッチ状態(ドアを完全に閉じている状態)、およびストライカを解放することが可能なアンラッチ状態(ドアを開くことが可能な状態)のいずれかの状態を形成することが可能なラッチ(図示せず)と、このラッチと係脱自在に噛み合うラチェット(図示せず)とからなる係脱機構である。
ラッチは、ドアロックの噛合い機構をドアに取り付けるための取付ステー上においてラッチ用支軸を中心にして回動可能に設けられている。このラッチは、ストライカを受け入れることが可能な略U字状の嵌合溝(U字溝)、車両のドアが完全に閉まりきっていない半ドア状態の時にラチェットの係合爪と係合するハーフラッチ用係合爪(第1係合部)、フルラッチ状態およびドア閉状態の時にラチェットの被係合爪と係合するフルラッチ用係合爪(第2係合部)、およびドアロック駆動装置のオートクローザ機構のクローザ出力レバー16の出力を受けるレシーブ部(いずれも図示せず)を有している。なお、ラッチは、ラッチスプリング(図示せず)によって初期位置(ドアが開いている時に嵌合溝がストライカを受け入れることが可能な方向に向く位置)方向に付勢されている。
ラチェットは、取付ステー上においてラチェット用支軸を中心にして回動可能に設けられている。このラチェットは、ラッチのハーフラッチ用係合爪、フルラッチ用係合爪に係合する係合爪、およびドアロック駆動装置のアンラッチ機構のアンラッチ出力レバー12の出力を受けるレシーブ部(いずれも図示せず)を有している。なお、ラチェットは、ラチェットスプリング(図示せず)によって係合爪がラッチに当接する方向に付勢されている。また、ラチェットは、アンラッチ作動方向に所定の回転角度だけ回転するとストッパ(図示せず)によってそれ以上の回転が規制されるように構成されている。
本実施例のドアロック駆動装置は、1個の駆動モータ1を含んで構成される動力ユニットと、この動力ユニットを収容するアクチュエータケースとを備えている。ここで、本実施例の動力ユニットは、動力源である駆動モータ1、この駆動モータ1の回転出力をアンラッチ機構またはオートクローザ機構に伝達する動力伝達機構、およびこの動力伝達機構の回転出力を受けて正転方向および逆転方向に回転する出力カム2等を含んで構成されている。
駆動モータ1は、正転方向または逆転方向に回転可能なモータシャフト(駆動モータ1の出力軸)21を有している。このモータシャフト21の外周には、カラー22が圧入により固定されている。この駆動モータ1は、導電性金属よりなる一対のモータ用通電端子(ターミナル、モータ通電回路側の外部接続端子)23および一対のリード線24に一体的に接続される一対のモータ給電端子(モータ接続端子)25が後端面より取り出されている。そして、駆動モータ1は、アンラッチ作動時に図示しないドアロック制御回路より制御信号を受けて正転方向の回転出力を動力伝達機構に発生する。また、駆動モータ1は、クローザ作動時にドアロック制御回路より制御信号を受けて逆転方向の回転出力を動力伝達機構に発生する。
動力伝達機構は、駆動モータ1のモータシャフト21の回転速度を所定の減速比となるように減速する歯車減速機構であって、駆動モータ1のモータシャフト21の外周に嵌め合わされたモータ側ギヤ(ピニオンギヤ)31、このピニオンギヤ31に噛み合う第1減速ギヤ32、およびこの第1減速ギヤ32に噛み合う第2減速ギヤ33等から構成されている。また、第1減速ギヤ32は、例えば樹脂材料によって一体的に形成されており、アクチュエータケースの天壁部および底壁部に両端が固定された第1中心軸34を中心にして回転する。また、第2減速ギヤ33は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、アクチュエータケースの天壁部および底壁部に両端が固定された第2中心軸35を中心にして回転する。なお、金属材料よりなる略円環形状のカラー22と樹脂材料よりなる略円筒形状のピニオンギヤ31との間には、駆動モータ1のモータシャフト21が高速回転することにより発生する高振動を吸収、減衰してピニオンギヤ31へ伝達するのを軽減するように円筒形状の弾性体36が介在している。この弾性体36は、歯車減速機構から駆動モータ1のモータシャフト21に伝わる衝撃や振動を吸収、減衰するゴムダンパでもある。
出力カム2は、第2減速ギヤ33の板厚方向の一端面(表面)のみに金属材料によって一体的に形成された略半月形状の凸状部であり、駆動モータ1のモータシャフト21の回転動力によって正転方向(図示左回転方向)に回転した際に、第1動力レバー4を介してアンラッチ機構をアンラッチ作動方向に動かすことが可能な第1カム面(オープナカム面)、および駆動モータ1のモータシャフト21の回転動力によって逆転方向(図示右回転方向)に回転した際に、第2動力伝達レバー5を介してオートクローザ機構をクローザ作動方向に動かすことが可能な第2カム面(クローザカム面)を有している。具体的には、オープナカム面は、略半月形状の凸状部である出力カム2の内壁面に設けられており、また、クローザカム面は、出力カム2の内壁面および外壁面に設けられている。なお、クローザカム面の外壁面は、出力カム2に第2減速ギヤ33の逆転方向の回転出力が伝達された際に出力カム2が回転するクローザ作動方向に向けて、第2減速ギヤ33の回転軸である第2中心軸35を中心にして外径が徐々に大きくなるような曲率面とされている。
ここで、ドアロック制御回路は、CPU、ROM、RAM等の機能を含んで構成されるマイクロコンピュータを備えており、乗員に手動操作されるドア開スイッチ、出力カム2および第2減速ギヤ33の中立位置を検出する中立スイッチ、ハーフラッチ状態(半ドア状態)を検出するハーフラッチスイッチ、フルラッチ状態を検出するフルラッチスイッチ、アンラッチ状態を検出するアンラッチスイッチ(いずれも図示せず)等の各種スイッチのON/OFF信号に基づいて、駆動モータ1のモータシャフト21を正転方向または逆転方向に通電する。なお、駆動モータ1の一対のモータ給電端子25は、駆動モータ1を通電するモータ通電回路を構成する一対のリード線24および一対のモータ用通電端子(ターミナル)23を介してドアロック制御回路に電気的に接続されている。
ここで、動力ユニットを内蔵するアクチュエータケース内部には、上記の動力ユニットの他に、出力カム2のオープナカム面またはクローザカム面から駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)を受ける係合ピン3と、この係合ピン3がモータ出力軸トルクを受けると、アンラッチ作動方向またはクローザ作動方向に動作する第1動力伝達レバー(リンクプレート、駆動レバー)4と、係合ピン3がモータ出力軸トルクを受けると、クローザ作動方向に動作する第2動力伝達レバー(伝達レバー)5と、モータ出力軸トルクによってドアロックの噛合い機構(例えばラチェット)をフルラッチ状態からアンラッチ状態に自動的に切り替えることが可能なアンラッチ機構と、モータ出力軸トルクによってドアロックの噛合い機構(例えばラッチ)をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に自動的に切り替えることが可能なオートクローザ機構と、このオートクローザ機構のクローザ作動途中で非常事態が発生した場合にオートクローザ機構のクローザ作動を停止または中止(または中断)することが可能な非常時クローザ作動解除機構とが内蔵されている。なお、アクチュエータケースは、駆動モータ1を支持固定する容器形状の駆動装置ケース(ケース本体)6と、この駆動装置ケース6の開口側を閉塞するケースカバー7とから構成されている。
係合ピン3は、例えば金属材料によって略円柱形状に一体的に形成されており、出力カム2のオープナカム面またはクローザカム面に係脱自在に係合されている。また、係合ピン3は、第2動力伝達レバー5の円環状部を揺動自在に保持する支持軸であって、出力カム2のオープナカム面またはクローザカム面から駆動モータ1の回転動力を受けると、後記するアンラッチ出力軸(支持軸)11を中心に公転運動を行うピン部材である。
第1動力伝達レバー4は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)を、アンラッチ機構のアンラッチ作動レバー10に伝達する第1駆動レバーまたは第1伝達レバーとして機能する。この第1動力伝達レバー4の一端部には、アンラッチ機構のアンラッチ出力軸(支持軸)11の外周に揺動自在(相対回転可能)に保持される円環状部が設けられている。なお、この円環状部の内周面とアンラッチ出力軸11の外周面との間には、第1動力伝達レバー4とアンラッチ出力軸11との相対回転が可能なように所定のクリアランスが設けられている。この円環状部の表面上には、第1リターンスプリング13のコイル部が載置されている。
また、第1動力伝達レバー4の先端部(他端部)には、係合ピン3を保持固定(または一体的に形成)するレバー部が設けられている。そのレバー部には、アンラッチ機構のアンラッチ作動レバー10に係脱自在に係合する断面L字状の係合片(第1係合部、第1作用部、突起部)41が一体的に設けられている。この係合片41は、係合ピン3を装着する円環状部の側壁面から外部に突出するように略L字状に設けられている。また、第1動力伝達レバー4のレバー部には、第1リターンスプリング13の一端側を第1動力伝達レバー4の回転方向に摺動可能に保持する円弧形状の保持孔(長穴)42が設けられている。この保持孔42は、第1動力伝達レバー4のレバー部の板厚方向の両端面(表面と裏面)を連通するように第1動力伝達レバー4のレバー部を貫通している。なお、レバー部の一部は、第2減速ギヤ33の板厚方向の一端面(表面)上に重ね合わされている。
そして、第1動力伝達レバー4は、係合ピン3が出力カム2のオープナカム面から第2減速ギヤ33の正転方向の回転出力を受けて、係合ピン3がアンラッチ出力軸11を中心としたアンラッチ作動方向の公転運動を行うと、アンラッチ出力軸(支持軸)11を中心にしてアンラッチ作動方向に回転する。このとき、係合片41がアンラッチ作動レバー10に係合することで、駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)がアンラッチ作動レバー10に伝わる。
第2動力伝達レバー5は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、ケースカバー7の天壁部の天壁面に対向して配置されて、係合ピン3を中心にしてケースカバー7の天壁部の天壁面方向に沿って揺動運動を行う。この第2動力伝達レバー5は、駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)を、オートクローザ機構のクローザ作動レバー14に伝達する第2駆動レバーまたは第2伝達レバーとして機能する。また、本実施例では、駆動モータ1からクローザ作動レバー14への回転動力の伝達を断続するクラッチレバーとして機能する。この第2動力伝達レバー5は、一端部に上記の係合ピン3の外周に揺動自在(相対回転可能)に保持される円環状部が設けられている。なお、この円環状部の内周面と係合ピン3の外周面との間には、係合ピン3と第2動力伝達レバー5との相対回転が可能なように所定のクリアランスが設けられている。また、円環状部には、第1リターンスプリング13の一端を係止するレバー側スプリングフック部(図示せず)が設けられている。
また、第2動力伝達レバー5には、円環状部より一方側に延長された腕状のレバー部が設けられている。このレバー部の先端部(他端部)には、クローザ作動レバー14の凸状の被係合部54に係脱自在に係合するストッパ部(第2係合部、第2作用部)43が設けられている。なお、ストッパ部43は、図示左方向に突出した凸状部、およびこの凸状部よりも凹んだ曲壁部等から構成されている。また、第2動力伝達レバー5のレバー部の先端部(他端部)には、略円柱形状の係合ピン44が保持固定(または一体的に形成)されている。この係合ピン44は、第2動力伝達レバー5のレバー部の板厚方向の一端面(表面、ケースカバー7の天壁面と対向する対向面)より一方側(上方側、ケースカバー7側)に突出した凸状の係合部として機能する。
そして、本実施例の係合ピン44は、図2および図4に示したように、後記するケースカバー7の伝達レバーガイド壁74に摺動自在(係脱自在)に係合するガイド側係合部としての機能と、後記するキャンセルレバー19の押圧部57に係脱自在に係合するレバー側係合部としての機能とを兼ね備えている。そして、第2動力伝達レバー5は、係合ピン3が出力カム2のクローザカム面から第2減速ギヤ33の逆転方向の回転出力を受けて、係合ピン3がアンラッチ出力軸11を中心としたクローザ作動方向の公転運動を行うと、係合ピン3を中心にしてクローザ作動方向に回転しながら、クローザ作動方向(図示左斜め下方向)に動作する。このとき、ストッパ部43がクローザ作動レバー14に係合することで、駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)がクローザ作動レバー14に伝わる。なお、第2動力伝達レバー5の円環状部およびレバー部の一部は、第2減速ギヤ33の板厚方向の一端面(表面)上に重ね合わされて配置されているが、第2減速ギヤ33の表面から板厚方向の一方側に突出するように設けられた凸状の出力カム2と干渉しない高さに位置するように係合ピン3の外周に回転自在に組み付けられている。
アンラッチ機構は、上記のアンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11、アンラッチ出力レバー12および第1リターンスプリング13等によって構成されている。これらのアンラッチ機構の各構成部品、特にアンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12は、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、第1動力伝達レバー4のアンラッチ作動方向の回転に伴って、アンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向(図示右回転方向)に回転し、ドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に駆動して、ドアを開けることが可能なアンラッチ状態にするアンラッチ機能部品である。
アンラッチ作動レバー10は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動装置ケース6の底壁部の内壁面に対向して配置されて、アンラッチ出力軸11を中心にして駆動装置ケース6の底壁部の内壁面方向に沿って揺動運動を行う。このアンラッチ作動レバー10の中央部には、アンラッチ出力軸11の外周に固定される円環状部が設けられている。なお、アンラッチ作動レバー10は、第2減速ギヤ33の板厚方向の一端面(表面)と第1動力伝達レバー4の板厚方向の他端面(裏面)との間に重ね合わされて配置され、出力カム2の表面と干渉しない高さに位置するように、しかも第1動力伝達レバー4と相対回転が可能なようにアンラッチ出力軸11の外周に固定されている。
アンラッチ作動レバー10の円環状部より半径方向の一方側に延長された第1レバー部には、第1動力伝達レバー4の係合片41に係脱自在に係合される被係合部51が設けられている。なお、第1レバー部は、第2減速ギヤ33の板厚方向の一端面(表面)上に重ね合わされている。また、アンラッチ作動レバー10の円環状部より半径方向の他方側に延長された第2レバー部には、後記するキャンセルレバー19の係合ピン56に係合する長円形状の係合孔52、および第1リターンスプリング13の他端を係止する円形状の保持孔(レバー側スプリングフック部)53が形成されている。これらの係合孔52および保持孔53は、アンラッチ作動レバー10の第2レバー部の板厚方向の両端面(表面と裏面)を連通するようにアンラッチ作動レバー10の第2レバー部を貫通している。
アンラッチ出力軸11は、例えば金属材料によって略円柱形状に一体的に形成されている。このアンラッチ出力軸11は、その一端部(先端部)が駆動装置ケース6の外壁面より外部に突出した状態で、アクチュエータケースの内部に回転自在に支持されている。このアンラッチ出力軸11の他端側(アクチュエータケース内部に位置する側)の外周には、第1動力伝達レバー4の円環状部が揺動自在(つまりアンラッチ出力軸11に対して相対回転可能)に保持されており、更にアンラッチ作動レバー10の円環状部を保持固定している。したがって、アンラッチ出力軸11は、第1動力伝達レバー4の係合片41がアンラッチ作動レバー10の被係合部51に係合して、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ作動レバー10と一体的にアンラッチ作動方向に回転するように構成されている。なお、アンラッチ作動レバー10とアンラッチ出力軸11とを例えば金属材料(または樹脂材料)によって一体化しても良い。
アンラッチ出力レバー12は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動装置ケース6の底壁部の外壁面に対向して配置されて、アンラッチ出力軸11を中心にして駆動装置ケース6の底壁部の外壁面方向に沿って揺動運動を行う。このアンラッチ出力レバー12には、アンラッチ出力軸11の一端部の外周に保持固定される円環状部(図示せず)が設けられている。また、アンラッチ出力レバー12には、ドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に駆動する際に、ドアロックのラチェットのレシーブ部に係合する第1係合部(第1作用部)、および手動操作手段にワイヤーを介して接続されるレシーブ部(いずれも図示せず)が設けられている。
なお、手動操作手段は、アンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12をアンラッチ作動方向に回転させる手動操作力を発生するための例えばアウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作部である。また、アンラッチ出力軸11とアンラッチ出力レバー12とを例えば金属材料(または樹脂材料)によって一体化しても良い。また、アンラッチ出力レバー12は、駆動装置ケース6の底壁部の外壁面と干渉しない高さに位置するようにアンラッチ出力軸11の一端部の外周に固定されている。
第1リターンスプリング13は、アンラッチ作動時に、アンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12をアンラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するアンラッチリターンスプリング機能と、フルラッチ作動時に、第1動力伝達レバー4をフルラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するフルラッチリターンスプリング機能と、クローザ作動解除時に、第1動力伝達レバー4をクローザ作動解除位置から中立位置側に戻す方向に付勢するクローザ作動解除リターンスプリング機能とを備えた1本のコイルスプリングである。
この第1リターンスプリング13は、そのコイル部がアンラッチ出力軸11の他端側の外周に保持され、一端が第2動力伝達レバー5のレバー側スプリングフック部に係止され、他端がアンラッチ作動レバー10の保持孔53に係止されている。そして、第1リターンスプリング13のコイル部よりも一端側は、ケースカバー7の内壁面の面方向に沿うようにコイル部の半径方向に直線状に延長されて、その端部が略直交する方向に折り曲げられて、後記するケースカバー7の凸状のスプリングストッパ部73に係合し、且つ前述の第1動力伝達レバー4の保持孔42を貫通した状態で第1動力伝達レバー4の保持孔42に係合し、その先端(一端)が上述したように、第2動力伝達レバー5のレバー側スプリングフック部に保持されている。
オートクローザ機構は、上記のクローザ作動レバー14、クローザ出力軸15、クローザ出力レバー16および第2リターンスプリング17等によって構成されている。これらのオートクローザ機構の各構成部品、特にクローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16は、ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態(半ドア状態)の時に、第2動力伝達レバー5のクローザ作動方向の動作に伴って、クローザ出力軸15を中心にしてクローザ作動方向(図示左回転方向)に回転し、ドアロックのラッチをクローザ作動方向に駆動して、ドアを完全に閉じるフルラッチ状態にするオートクローザ機能部品である。
クローザ作動レバー14は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動装置ケース6の底壁部の内壁面に対向して配置されて、クローザ出力軸15を中心にして駆動装置ケース6の底壁部の内壁面方向に沿って揺動運動を行う。このクローザ作動レバー14の一端部には、クローザ出力軸15の外周に固定される円環状部が設けられている。この円環状部の外周には、第2リターンスプリング17のコイル部が取り付けられている。このクローザ作動レバー14の円環状部より半径方向の一方側に延長されたレバー部には、第2動力伝達レバー5のストッパ部43に係脱自在に係合される凸状の被係合部54が設けられている。また、クローザ作動レバー14のレバー部は、キャンセルレバー19の板厚方向の一端面(裏面)側に重ね合わされて配置され、キャンセルレバー19の裏面と干渉しない高さに位置するようにクローザ出力軸15の外周に保持固定されている。
クローザ出力軸15は、例えば金属材料によって略円柱形状に一体的に形成されている。このクローザ出力軸15は、その一端部(先端部)が駆動装置ケース6の外壁面より外部に突出した状態で、アクチュエータケースの内部に回転自在に支持されている。このクローザ出力軸15の他端側(アクチュエータケース内部に位置する側)の外周には、クローザ作動レバー14の円環状部が保持固定されている。したがって、クローザ出力軸15は、第2動力伝達レバー5のストッパ部43がクローザ作動レバー14の被係合部54に係合して、クローザ作動レバー14がクローザ出力軸15を中心にしてクローザ作動方向に回転すると、クローザ作動レバー14と一体的にクローザ作動方向に回転するように構成されている。なお、クローザ作動レバー14とクローザ出力軸15とを例えば金属材料(または樹脂材料)によって一体化しても良い。
クローザ出力レバー16は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動装置ケース6の底壁部の外壁面に対向して配置されて、クローザ出力軸15を中心にして駆動装置ケース6の底壁部の外壁面方向に沿って揺動運動を行う。このクローザ出力レバー16は、クローザ出力軸15の一端部の外周に保持固定される円環状部(図示せず)が設けられている。また、クローザ出力レバー16には、ドアロックのラッチをクローザ作動方向に駆動する際に、ドアロックのラッチのレシーブ部に係合する第2係合部(第2作用部)18が設けられている。なお、クローザ出力軸15とクローザ出力レバー16とを例えば金属材料(または樹脂材料)によって一体化しても良い。また、クローザ出力レバー16は、駆動装置ケース6の底壁部の外壁面と干渉しない高さに位置するようにクローザ出力軸15の一端部の外周に固定されている。
第2リターンスプリング17は、フルラッチ作動時に、クローザ作動レバー14、クローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16をフルラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するフルラッチリターンスプリング機能を備えた1本のコイルスプリングである。この第2リターンスプリング17は、そのコイル部がクローザ出力軸15の他端側の外周に保持され、一端が、クローザ作動レバー14のレバー側スプリングフック部(図示せず)に係止され、他端がケースカバー7のカバー側スプリングフック部(図示せず)に係止されている。
非常時クローザ作動解除機構は、上記のアンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11、アンラッチ出力レバー12およびキャンセルレバー19等によって構成されている。これらのうちキャンセルレバー19は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、ケースカバー7の天壁部の天壁面に対向して配置されて、支点を中心にしてケースカバー7の天壁部の天壁面方向に沿って揺動運動を行う。また、キャンセルレバー19の一端部には、駆動装置ケース6の側壁部に設けられた軸支部(軸受凹部)61に揺動自在に軸支される被軸支部55が設けられている。そして、クローザ作動を解除する時以外は、キャンセルレバー19の図示下端側の側壁面が、クローザ作動レバー14の円環状部の外周面に当接した位置で係止されるように構成しても良い。このキャンセルレバー19の被軸支部55より一方側に突出した略S字状のレバー部の先端部(他端部)には、アンラッチ作動レバー10の係合孔52に駆動連結する略円柱形状の係合ピン56が保持固定(または一体的に形成)されている。また、キャンセルレバー19のレバー部の図示上側の側壁面には、手動操作力を受けて、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ作動方向に回転すると、第2動力伝達レバー5の係合ピン44を係脱自在に押圧するための押圧部57が設けられている。
そして、キャンセルレバー19は、アンラッチ作動レバー10が手動操作力を受けてアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に回転すると、被軸支部55の回転中心軸線を中心にして図示左回転することにより、押圧部57が第2動力伝達レバー5の係合ピン44に係合して第2動力伝達レバー5をクローザ作動レバー14の回転動作範囲外まで押し出して第2動力伝達レバー5のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部54との駆動連結を解除する。なお、キャンセルレバー19の押圧部57と駆動装置ケース6の軸支部61に保持される被軸支部55との間には、クローザ作動時に、第2動力伝達レバー5の係合ピン44がキャンセルレバー19の側壁面に干渉することなくクローザ作動方向に第2動力伝達レバー5が移動できるような凹形状の逃げ部59が形成されている。なお、キャンセルレバー19は、アンラッチ作動レバー10の板厚方向の一端面(表面)上、およびクローザ作動レバー14の板厚方向の一端面(表面)上に重ね合わされて配置され、アンラッチ作動レバー10の表面およびクローザ作動レバー14の表面と干渉しない高さに位置するように駆動装置ケース6の軸支部61に回転自在に支持されている。
駆動装置ケース6は、アクチュエータケースの底壁部および側壁部を構成するものであって、導電性金属薄板よりなる一対のモータ用通電端子(ターミナル)23を保持すると共に、各モータ用通電端子23間を電気的に絶縁する熱可塑性樹脂等の樹脂材料によって所定の形状に一体的に形成されている。なお、一対のモータ用通電端子(ターミナル)23の先端部は、駆動装置ケース6の側壁部の外壁面に一体的に形成されたコネクタシェル60内に保持されている。また、一対のモータ用通電端子(ターミナル)23の先端部とコネクタシェル60とで、ドアロック制御回路側のワイヤハーネスの先端側に設けられた雌型コネクタに機械的に、また電気的に接続する雄型コネクタが構成されている。また、駆動装置ケース6の底壁部の内壁面(底壁面)とケースカバー7の天壁部の内壁面(天壁面)との間には、ドアロック駆動装置の各機能部品、特に動力ユニット(駆動モータ1、歯車減速機構、出力カム2等)、係合ピン3、第1、第2動力伝達レバー4、5、アンラッチ作動レバー10、クローザ作動レバー14、キャンセルレバー19を回転自在に収容する凹形状の機能部品収容部を形成している。
また、駆動装置ケース6の側壁部の内壁面には、キャンセルレバー19の被軸支部(一端部、嵌合部)55の支点を中心にして、キャンセルレバー19を揺動自在(回転自在)に軸支する略凹形状の軸支部61が一体的に形成されている。この軸支部61は、略C字形状に形成されて、内部にキャンセルレバー19の被軸支部55が着脱自在に嵌め込まれて係合する係合溝が形成されている。また、軸支部61の側方は、開口しており、その開口部の間口は、被軸支部55が機能部品収容部側に抜け出さないように、被軸支部55の最大寸法よりも狭くなっている。また、駆動装置ケース6の開口側に設けられた鍔状の接合端面(取付部)には、アクチュエータケース内部への異物の侵入を防止するためのゴム製の環状シール部材(ガスケット、ゴムパッキン:図示せず)が装着される環状溝62、およびラビリンス構造の通気孔または水抜き孔63が形成されている。すなわち、アクチュエータケースは、アクチュエータケース内部への水の浸入を防止するための防水構造、あるいはアクチュエータケース内部に水が溜まるのを防止するための水抜き呼吸構造が施されている。また、駆動装置ケース6には、複数のネジ孔64、65が形成され、ケースカバー7には、複数の挿通孔66、67が形成されている。なお、複数のネジ孔64および複数の挿通孔66は、ドアロックにアクチュエータケースを組み付けるための固定用ねじや固定用ボルト等のスクリューが螺合および挿通する孔である。また、複数のネジ孔65および複数の挿通孔67は、駆動装置ケース6の接合端面にケースカバー7の接合端面を組み付けるための固定用ねじや固定用ボルト等のスクリューが螺合および挿通する孔である。
ケースカバー7は、アクチュエータケースの天壁部を構成するものであって、熱可塑性樹脂等の樹脂材料によって所定の形状に一体的に形成されている。このケースカバー7の天壁面には、アンラッチ出力軸11の一端部を回転自在に支持する第1軸受部(円形状凹部)71、およびクローザ出力軸15の一端部を回転自在に支持する第2軸受部(円形状凹部)72が、内壁面(底壁面)に有底の穴形状に形成されている。また、ケースカバー7の天壁部の天壁面(内壁面)には、第1リターンスプリング13のコイル部よりも一端側が係合する凸状のスプリングストッパ部(ケースカバー側スプリングフック部:本発明の係合部に相当する)73が一体的に形成されている。
また、ケースカバー7の天壁部の天壁面(内壁面)には、第2動力伝達レバー5の係合ピン44が係脱自在に係合する凸状の伝達レバーガイド壁(凸状部)74が一体的に形成されている。この伝達レバーガイド壁74は、第2動力伝達レバー5のクローザ作動方向への動作時に、第2動力伝達レバー5のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部54との係合位置が正規の係合位置となるように、第2動力伝達レバー5の係合ピン3を中心とする回転動作範囲のうちの少なくとも一方側を規制する。そして、伝達レバーガイド壁74は、第2動力伝達レバー5の係合ピン3を中心とする回転動作範囲のうちの少なくとも一方側を規制するように、所定の曲率を持って略円弧状に設けられている。
ここで、第2動力伝達レバー5のレバー端面からの係合ピン44の突出量は、キャンセルレバー19のレバー部の板厚方向の寸法よりも所定値だけ大きくなるように設定されている。また、伝達レバーガイド壁74の頂端面とキャンセルレバー19のレバー部の板厚方向の一端面(表面)との間には、伝達レバーガイド壁74とキャンセルレバー19との相対回転が可能なように所定のクリアランスが設けられている。なお、伝達レバーガイド壁74を2つ平行に並べたり、凹状の伝達レバーガイド溝としたりしても良いが、非常時クローザ作動解除時に係合ピン44および第2動力伝達レバー5が第2動力伝達レバー5のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部54との正規の係合位置から外側に外れるように、クローザ出力軸15より遠い側(外側)のガイド壁を開放状態にしておく必要がある。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のドアロック駆動装置の作動を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
イ)ドアロック駆動装置のアンラッチ機能
ドア閉状態から乗員がドアを開くためにドア開スイッチをONすると、モータ通電回路に電流が流れて、駆動モータ1のモータシャフト21が正転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト21の回転出力がピニオンギヤ31→第1減速ギヤ32→第2減速ギヤ33を経て出力カム2に伝達される。そして、出力カム2が正転方向へ回転すると、係合ピン3がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に公転運動する。具体的には、係合ピン3が出力カム2のオープナカム面に沿って外側へ動かされて第1動力伝達レバー4がアンラッチ作動方向(図示右回転方向)に回転して、第1動力伝達レバー4の係合片41がアンラッチ機構のアンラッチ作動レバー10の被係合部51に係合する。そして、更に第1動力伝達レバー4がアンラッチ作動方向に回転することにより、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向(図示右回転方向)に正規の回転角度だけ回転する。
そして、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12もアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向(図示右回転方向)に回転する。この結果、アンラッチ出力レバー12の第1係合部(第1作用部)がドアロックのラチェットのレシーブ部を押圧して、ラチェットを支軸を中心にしてアンラッチ作動方向に駆動する。これによって、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのフルラッチ用係合爪から外れることにより、ラッチスプリングに付勢されたラッチが初期位置へ戻ろうとし、ドアを開くことが可能なアンラッチ状態となる。
ロ)ドアロック駆動装置のオートクローザ機能
図1に示したドア開状態(中立位置)から乗員がドアを閉じようとすると、ストライカがラッチの嵌合溝に進入してラッチが回転することにより、ラッチのハーフラッチ用係合爪がラチェットの係合爪と係合してハーフラッチ状態(ドアが完全に閉鎖していない半ドア状態)となる。このハーフラッチ状態となると、ハーフラッチスイッチがONすることで、モータ通電回路に電流が流れて、駆動モータ1が逆転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト21の回転出力がピニオンギヤ31→第1減速ギヤ32→第2減速ギヤ33を経て出力カム2に伝達される。そして、出力カム2が逆転方向へ回転すると、係合ピン3がアンラッチ出力軸11を中心にしてクローザ作動方向に公転運動する。具体的には、係合ピン3が出力カム2のクローザカム面に沿って外側へ動かされ、更に出力カム2のクローザカム面の外壁面に沿って動かされて、第1動力伝達レバー4がクローザ作動方向(図示左回転方向)にゆっくりと回転し、更にその係合ピン3に駆動連結された第2動力伝達レバー5がクローザ作動方向(図示左側方向)に動作する(図2参照)。
このとき、図2に示したように、第2動力伝達レバー5の係合ピン44がケースカバー7の天壁面に樹脂一体成形された伝達レバーガイド壁74の外壁面に係合(摺動)しながら伝達レバーガイド壁74の外壁面に沿ってクローザ作動方向に移動することにより、第2動力伝達レバー5のストッパ部43が被係合部54よりも内側に入り込むことなく、第2動力伝達レバー5のストッパ部43がオートクローザ機構のクローザ作動レバー14の正規の係合位置で係合する。よって、ハーフラッチ状態の時には、第2動力伝達レバー5のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部54との係合位置が正規の係合位置に設定されるので、第2動力伝達レバー5がクローザ作動方向に動作することにより、クローザ作動レバー14がクローザ出力軸15を中心にしてクローザ作動方向(図示左回転方向)に正規の回転角度だけ回転する。
そして、クローザ作動レバー14がクローザ作動方向に回転すると、クローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16もクローザ出力軸15を中心にしてクローザ作動方向(図示左回転方向)に回転する。この結果、クローザ出力レバー16の第2係合部(第2作用部)18がドアロックのラッチのレシーブ部を押圧して、ラッチを支軸を中心にしてクローザ作動方向に動かす。これにより、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのハーフラッチ用係合爪から外れてフルラッチ用係合爪に係合することにより、ドアを完全に閉鎖するフルラッチ状態となる。
ハ)ドアロック駆動装置の非常時クローザ作動解除機能
上述したように、ドア開状態(中立位置)から乗員がドアを閉じようとして、半ドア状態(ハーフラッチ状態)となると、ハーフラッチスイッチがONすることで、モータ通電回路に電流が流れて、駆動モータ1のモータシャフト21が逆転方向に回転して、出力カム2が逆転方向へ回転する途中で、すなわち、ドアロック駆動装置のクローザ作動途中で、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、乗員がクローザ作動を中止するためにアウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作手段を手動操作する。すると、レシーブ部がその手動操作手段にワイヤーを介して接続されるアンラッチ出力レバー12がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に回転する。そして、アンラッチ出力レバー12がアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ作動レバー10もアンラッチ作動方向に回転する。
一方、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ作動レバー10の係合孔52とキャンセルレバー19の係合ピン56とが常時駆動連結されているため、キャンセルレバー19が被軸支部55の回転中心軸線を中心にして図示左回転方向に回転する。すなわち、キャンセルレバー19が被軸支部55を中心にしてクローザ作動解除方向(図示左回転方向)に回転して、キャンセルレバー19の押圧部57が第2動力伝達レバー5の係合ピン44に係合する。そして、更にキャンセルレバー19がクローザ作動解除方向に回転すると、キャンセルレバー19のクローザ作動解除方向の回転に伴って、つまり押圧部57の図示左上方への移動に伴って第2動力伝達レバー5が係合ピン3を中心にして跳ね上げられて(図示右回転方向に回転して)、クローザ作動レバー14の回転動作範囲(揺動範囲)外まで押し出され、第2動力伝達レバー5のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部54との駆動連結状態(係合状態)が解除(解放)される。
この結果、ドアロック駆動装置のクローザ作動途中で、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、アンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)の手動操作力をアンラッチ出力レバー12に与えて、キャンセルレバー19をクローザ作動解除方向に回転させることによって、ドアロックのラッチのクローザ作動を解除することができると共に、アンラッチ出力レバー12がドアロックのラチェットを支軸を中心にしてアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に動かすことができる。これにより、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのフルラッチ用係合爪から外れ、ラッチスプリングに付勢されたラッチが初期位置へ戻ろうとし、ドアを開くことが可能なアンラッチ状態となる。したがって、ドアロック駆動装置の品質、安全性および信頼性を向上することができる。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のドアロック駆動装置においては、アクチュエータケースのケースカバー7の天壁面に、第2動力伝達レバー5のクローザ作動方向の回転動作範囲のうちの少なくとも一方側(内側)を規制する凸状の伝達レバーガイド壁74を一体的に設けている。その結果、ドアロックの噛合い機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に変更するために、駆動モータ1を通電して第2動力伝達レバー5をクローザ作動方向に動作させる時に、図2および図4に示したように、第2動力伝達レバー5の係合ピン44が伝達レバーガイド壁74の形状に沿うように、伝達レバーガイド壁74の外壁面を摺動することにより、第2動力伝達レバー5の係合ピン3を中心とする回転動作範囲のうちの少なくとも一方側(内側)が規制される。すなわち、第2動力伝達レバー5のストッパ部43が、クローザ作動レバー14の正規の係合位置を目指す回転動作軌跡を描くように、クローザ作動方向に動作する。
これにより、ドアが早く閉じられた時(半ドア異常作動時)においても、第2動力伝達レバー5のストッパ部43が被係合部54よりも内側に入り込むことはない。つまり、第2動力伝達レバー5のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部54との係合位置が正規の係合位置から外れることはない。したがって、クローザ作動レバー14のクローザ作動方向の移動距離が正規の状態よりも短くなることなく、ドアロック駆動装置の出力トルクの低下はないので、ドアロック駆動装置のクローザ出力レバー16の第2係合部(第2作用部)18がドアロックのラッチのレシーブ部を押圧して、ラッチを支軸を中心にしてクローザ作動方向に所定の回転角度だけ動かし、クローザ作動を正規の状態で完了することができる。これによって、駆動モータ1の回転動力によってドアロックのラッチを、ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態(半ドア状態)から、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態に確実に切り替えることができる。よって、ドアロック駆動装置の出力トルクの低下による、ドアロックのラッチの作動不良を防止できるので、ドアロック駆動装置の品質および信頼性を向上することができる。
また、ケースカバー7の伝達レバーガイド壁74に摺動自在に係合するガイド側係合部と、キャンセルレバー19に係脱自在に係合するレバー側係合部とを兼ね備えた係合ピン44を第2動力伝達レバー5に一体的に設けたことにより、それらのガイド側係合部とレバー側係合部とを別々の箇所に設けた第2動力伝達レバー5と比べて、第2動力伝達レバー5の形状を簡素化でき、且つ第2動力伝達レバー5と伝達レバーガイド壁74またはキャンセルレバー19とによって構成されるリンク機構を簡素化できるので、コストダウンを図ることができる。また、ケースカバー7の天壁面に、伝達レバーガイド壁74を一体的に設けたことにより、ケースカバー7と伝達レバーガイド壁74とを別々に設けた場合と比べて、部品点数および組付工数を削減することができる。特に、ケースカバー7を樹脂化して、ケースカバー7の天壁面に伝達レバーガイド壁74を一体的に形成した場合には、ドアロック駆動装置の軽量化および低コスト化を図ることができ、且つ生産性を向上することができる。
[変形例]
本実施例では、出力カム2のオープナカム面から係合ピン3が第2減速ギヤ33の正転方向(アンラッチ作動方向)の回転出力を受けてアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に公転運動を行うとアンラッチ作動方向に動作する第1動力伝達レバー4と、出力カム2のクローザカム面から係合ピン3が第2減速ギヤ33の逆転方向(クローザ作動方向)の回転出力を受けてアンラッチ出力軸11を中心にしてクローザ作動方向に公転運動を行うとクローザ作動方向に動作する第2動力伝達レバー5とを別体で構成したが、第1動力伝達レバー4と第2動力伝達レバー5とを1つのリンクプレート(動力伝達レバー)で構成しても良い。
本実施例では、アンラッチ出力軸11、アンラッチ作動レバー10およびアンラッチ出力レバー12を別体で構成したが、アンラッチ作動レバー10またはアンラッチ出力レバー12を、アンラッチ出力軸11に一体的に形成しても良い。また、本実施例では、クローザ出力軸15、クローザ作動レバー14およびクローザ出力レバー16を別体で構成したが、クローザ作動レバー14またはクローザ出力レバー16を、クローザ出力軸15に一体的に形成しても良い。
本実施例では、アウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作手段に、ワイヤーを介してアンラッチ出力レバー12のレシーブ部が接続され、アンラッチ作動方向の手動操作力がアウターハンドルまたはインナーハンドル、ワイヤーを介してアンラッチ出力レバー12に入力されるように構成されているが、手動操作手段とアンラッチ出力軸11またはアンラッチ作動レバー10またはキャンセルレバー19とを直接接続し、アンラッチ作動方向の手動操作力がアンラッチ出力軸11またはアンラッチ作動レバー10またはキャンセルレバー19に直接入力されるように構成しても良い。また、手動レバー等の手動操作手段の操作に応じて、アンラッチ出力軸11、アンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力レバー12よりなるアンラッチ機構を電気的に駆動する駆動モータ等の駆動装置を設け、その駆動装置によりアンラッチ作動方向の操作力をアンラッチ出力軸11またはアンラッチ作動レバー10またはアンラッチ出力レバー12またはキャンセルレバー19に入力するように構成しても良い。
本実施例では、第2減速ギヤ33が中立位置からアンラッチ位置またはフルラッチ位置まで回転したことを検出すると、モータ通電回路の電流の流れ方向を切り替えて、駆動モータ1のモータシャフト21の回転方向を逆転させるようにして、第2減速ギヤ33および出力カム2を中立位置に戻しているが、第2減速ギヤ33が中立位置からアンラッチ位置またはフルラッチ位置を経て中立位置に戻るまで1回転させるようにしても良い。また、本実施例では、駆動モータ1のモータシャフト21および第2減速ギヤ33の正転方向または逆転方向の回転出力を出力カム2のカム面を介して第1動力伝達レバー4および第2動力伝達レバー5に伝えるように構成したが、出力カム2を廃止して、駆動モータ1の正転方向または逆転方向の回転出力を係合ピン3に直接伝えるように構成しても良い。
本実施例では、係合ピン3がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向またはクローザ作動方向に公転運動を行うように構成したが、係合ピン3がアンラッチ出力軸11とは別体の支持軸を中心にしてアンラッチ作動方向またはクローザ作動方向に公転運動を行うように構成しても良い。また、係合ピン3を第1動力伝達レバー4の先端部に保持固定したが、係合ピン3を第1動力伝達レバー4の機能を有しないリンクプレートの先端部に保持固定しても良い。また、ドアロック駆動装置からアンラッチ機構を取り除いて、オートクローザ機構のみでドアロック駆動装置を構成しても良い。
自動車等の車両用ドアロック駆動装置の全体構成を示した平面図である(実施例1)。 ドアロック駆動装置の半ドア異常作動を示した作動説明図である(実施例1)。 ケースカバーの内側面を示した平面図である(実施例1)。 第2動力伝達レバーと伝達レバーガイド壁との係合状態を示した断面図である(実施例1)。 ドアロック駆動装置の半ドア通常作動を示した作動説明図である(比較例1)。 ドアロック駆動装置の半ドア異常作動を示した作動説明図である(比較例1)。
符号の説明
1 駆動モータ
2 出力カム
3 係合ピン(ピン部材)
4 第1動力伝達レバー(リンクプレート)
5 第2動力伝達レバー(動力伝達レバー)
6 駆動装置ケース(ケース本体)
7 ケースカバー
10 アンラッチ作動レバー
11 アンラッチ出力軸(リンクプレートの支持軸)
12 アンラッチ出力レバー
13 第1リターンスプリング
14 クローザ作動レバー
15 クローザ出力軸
16 クローザ出力レバー
17 第2リターンスプリング
19 キャンセルレバー
21 モータシャフト(出力軸)
43 ストッパ部
44 係合ピン(凸状の係合部)
54 被係合部
74 伝達レバーガイド壁(伝達レバーガイド)

Claims (5)

  1. ドアの閉鎖状態を保つためのドアロックの噛合い機構を駆動し、
    (a)駆動モータの回転出力を受けると、支持軸を中心に公転運動を行うピン部材と、
    (b)このピン部材の外周に回転自在に組み付けられて、前記ピン部材が前記駆動モータの回転出力を受けて公転運動を行うと、クローザ作動方向に動作する動力伝達レバーと、
    (c)この動力伝達レバーに係脱自在に係合されるクローザ作動レバーを有し、
    前記動力伝達レバーのクローザ作動方向の動作に伴って前記クローザ作動レバーがクローザ作動方向に回転することで、前記ドアロックの噛合い機構をクローザ作動方向に駆動するオートクローザ機構と、
    (d)前記動力伝達レバーのクローザ作動方向への動作時に、前記動力伝達レバーの前記ピン部材を中心とする回転動作範囲を規制する伝達レバーガイドと
    (e)前記動力伝達レバーのクローザ作動方向への動作途中で、前記クローザ作動レバーのクローザ作動方向への回転動作を停止または中止または中断する非常時クローザ作動解除機構とを備え、
    前記非常時クローザ作動解除機構は、支点を中心にしてクローザ作動解除方向に回転すると共に、前記動力伝達レバーに係脱自在に係合するキャンセルレバーを有し、
    前記動力伝達レバーは、前記キャンセルレバーがクローザ作動解除方向に回転して係合すると、前記クローザ作動レバーの作動範囲外まで押し出されるドアロック駆動装置であって、
    前記動力伝達レバーは、板厚方向の一端面より一方側に突出した凸状の係合部を一体的に設けており、
    前記係合部は、前記伝達レバーガイドに摺動自在に係合するガイド側係合部と、前記キャンセルレバーに係脱自在に係合するレバー側係合部とを兼ね備えていることを特徴とするドアロック駆動装置。
  2. 請求項1に記載のドアロック駆動装置において、
    前記伝達レバーガイドは、前記動力伝達レバーの回転動作範囲のうちの少なくとも一方側を規制するように、所定の曲率を持って略円弧状に設けられていることを特徴とするドアロック駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のドアロック駆動装置において、
    前記伝達レバーガイドは、前記動力伝達レバーと前記クローザ作動レバーとの係合位置が正規の係合位置となるように、前記動力伝達レバーの前記ピン部材を中心とする回転動作範囲のうちの少なくとも一方側を規制することを特徴とするドアロック駆動装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のドアロック駆動装置において、 前記動力伝達レバーは、前記クローザ作動レバーの正規の係合位置で係合するストッパ部を有し、
    前記クローザ作動レバーは、前記ストッパ部に係脱自在に係合される被係合部を有していることを特徴とするドアロック駆動装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載のドアロック駆動装置において、
    少なくとも前記ピン部材、前記動力伝達レバーおよび前記クローザ作動レバーを収容するアクチュエータケースを備え、
    前記アクチュエータケースは、樹脂化されており、前記伝達レバーガイドを一体的に設けていることを特徴とするドアロック駆動装置
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