JP3894102B2 - ドアロック駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、駆動モータ出力で自動的にドアロックのラチェットをオープナ作動方向に動作させるアンラッチ機能と、ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態の時に、駆動モータ出力で自動的にドアロックのラッチをクローザ作動方向に動作させるクローザ機能を備えた車両用ドアロック駆動装置に関するもので、特に手や指または衣服がドアに挟まれる等の非常事態が発生した時に、クローザ作動からオープナ作動に切り替えることが可能なドアロック駆動装置の非常時クローザ作動解除装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、1個の駆動モータ、減速機構および出力カム等によって構成された動力ユニットと、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、駆動モータの動力で自動的にドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に動作させることで、ドアロックのラッチとラチェットとの噛合い状態を解除(アンラッチ状態に)して、ドアが開かれるのを許容するアンラッチ機構と、ドアが完全に閉じていない半ドア状態(ハーフラッチ状態)の時に、駆動モータの動力で自動的にドアロックのラッチをクローザ作動方向に動作させることで、ラッチとラチェットとを正規のフルラッチ状態で噛み合わせて、ドアを完全に閉じるオートクローザ機構とを備えたドアロック駆動装置が公知である。
【0003】
しかし、従来のドアロック駆動装置においては、万一ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した時に、アウターハンドルまたはインナーハンドルを手動操作すると、駆動モータの動力によるクローザ作動を中断できるように構成されているが、ドアロックのラッチとラチェットとの噛合い状態が解除されず、ドアを開くことができないという問題があった。そこで、ドアロックのラチェットのクローザ作動中に、上記のような非常事態が発生した時に、フェールセーフレバーが手動操作されることに応じてクローザ作動を停止させると共に、ドアロックのラッチをアンラッチ状態に切り替える非常時クローザ作動解除機能を備えたドアロック駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3180039号公報(第1−6頁、図1−図9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のドアロック駆動装置においては、クローザ作動中に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合、即座にクローザ作動を停止させようとしても、クローザ作動速度が速いと安全性を低下させる可能性があるため、アンラッチ(オープナ)作動速度と比べてクローザ作動速度を遅くしたいという要望がある。そこで、アンラッチ(オープナ)作動速度と比べてクローザ作動速度を遅くして、クローザ作動中に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合の安全性を高めるという目的で、既に特願2001−236529(出願日平成13年8月3日)を出願した。
【0006】
この出願のドアロック駆動装置(第1比較例)においては、図10および図11に示したように、アンラッチ(オープナ)作動時には、駆動装置ケース内に収容された1個の駆動モータの回転出力が出力カム102、係止部材103、アンラッチ作動レバー11を経てアンラッチ出力レバー13に伝わり、このアンラッチ出力レバー13がオープナ作動方向に回転することで、ドアロックのラチェットをオープナ作動方向に動かす。具体的には、駆動モータの回転出力は、第1減速ギヤを介して伝達される第2減速ギヤ101、この第2減速ギヤ101に別体で設けられた係止部材103、この係止部材103と係合するアンラッチ作動レバー11を有するアンラッチ出力軸12を経て、このアンラッチ出力軸12の外周に固定されたアンラッチ出力レバー13に伝わる(オープナ機能)。ここで、14はアンラッチ作動レバー11をアンラッチ位置から中立位置に戻す方向に付勢するリターンスプリングである。
【0007】
また、クローザ作動時には、駆動モータの回転出力が出力カム102、クローザ作動レバー11を経てクローザ出力レバー13に伝わり、このクローザ出力レバー13がクローザ作動方向に回転することで、ドアロックのラッチをクローザ作動方向に動かす。具体的には、駆動モータの回転出力は、第2減速ギヤ101、この第2減速ギヤ101に樹脂材料で一体成形された出力カム102、この出力カム102の表面側に形成されたカム面、このカム面と係合するクローザ作動レバー11を有するクローザ出力軸12を経て、このクローザ出力軸12の外周に固定されたクローザ出力レバー13に伝わる(オートクローザ機能)。ここで、14はクローザ作動レバー11をフルラッチ位置から中立位置に戻す方向に付勢するリターンスプリングである。
【0008】
しかし、先願(第1比較例)のドアロック駆動装置においては、図10および図11に示したように、金属材料製の板形状のバネ材である係止部材103を樹脂材料製の第2減速ギヤ101の表面側に別体で設けているので、アンラッチ作動レバー11を駆動する出力カム102を第2減速ギヤ101の表面側に樹脂材料で一体成形し、且つクローザ作動レバー11を駆動する係止部材103を、第2減速ギヤ101の表裏を貫通するように設けられた穴部105を通じて第2減速ギヤ101の裏面側にその係止部材103の先端部が突出するように設ける必要がある。また、第2減速ギヤ101とは別体の係止部材103、およびこの係止部材103を出力カム102の表面側に固定するためのビス等の固定部材104が必要となるので、組付作業および部品点数が多くなり、高コストとなるという問題が生じる。
【0009】
また、クローザ作動時に、オープナ作動させないようにするために、第2減速ギヤ101がクローザ作動方向に回転して係止部材103とアンラッチ作動レバー11とが当接する位置となったら、弾性体よりなる係止部材103の先端部が弾性変形することで係止部材103とアンラッチ作動レバー11との係合を回避する構造を採用しているので、係止部材103の応力振幅が懸念される。このため、係止部材103の耐久疲労を考慮する必要があるので、出力カム102の幅、係止部材103の幅、係止部材103の弾性変形スペース(第2減速ギヤ101の厚み方向の係止部材103の作動スペース)を大きくする必要がある。これにより、ドアロック駆動装置の体格が大きくなるという問題が生じる。
【0010】
また、従来のドアロック駆動装置によると、駆動モータの動力によってクローザ機構やアンラッチ機構に伝達する駆動力や、手動操作力の伝達機構を多数の部材で構成しているため、ドアロック駆動装置のサイズが大型化し、コストアップとなるという問題がある。そこで、アンラッチ機能、オートクローザ機能、非常時クローザ作動解除機能を簡素な構成で実現するという目的で、既に特願2002−028173(出願日平成14年2月5日)を出願した。
【0011】
この出願(第2比較例)のドアロック駆動装置においては、図12に示したように、クローザ作動時、駆動装置ケース201内に収容された駆動モータ202の出力は、駆動装置ケース201内に収容された減速装置203の出力軸204を介して駆動レバー205に伝えられ、この駆動レバー205の係合ピン206から伝達レバー207に伝えられ、この伝達レバー207から揺動軸208を中心にして揺動するクローザ出力レバー209に伝えられ、クローザ出力レバー209がクローザ作動方向に回転する。これにより、クローザ出力レバー209から駆動モータ202の動力が伝わるドアロックのラッチ210は、ハーフラッチ位置からフルラッチ位置まで回転することで、オートクローザ機構によるクローザ作動が完了する。
【0012】
ところで、上述したように、クローザ作動中に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生し、ドアを至急開けたい場合には、クローザ作動を瞬時に解除する必要がある。このようなクローザ作動解除時には、例えばアウターハンドルまたはインナーハンドルを手動操作することで、揺動軸212を中心にしてアンラッチレバー213をクローザ作動解除方向に回転すると、伝達レバー207がクローザ作動解除方向に動き、駆動レバー205の係合ピン206と伝達レバー207との係合が外れ、クローザ作動が解除される。また、同時にアンラッチレバー213の作用部214がオープン方向に動き、ドアロックのラッチ210とラチェット211との噛合い状態が解除されてドアを開くことができるようになる。
【0013】
しかるに、先願(第2比較例)のドアロック駆動装置においては、図13に示したように、クローザ作動解除時に、駆動レバー205の係合ピン206と伝達レバー207との摩擦力(F1)に抗して伝達レバー207をクローザ作動解除方向に回転させるために必要なアンラッチレバー213の解除トルク(F2×l3)は、(l1/l2)×l3×F1となる。そして、図13に示したように、l1>l2より解除トルクが大きくなり、クローザ作動解除時の操作性が悪くなるという問題が生じる。
【0014】
【発明の目的】
本発明の目的は、駆動モータの回転速度を減速する減速装置に別体で固定される係止部材を廃止し、オープナ機構のオープナ作動方向への駆動とクローザ機構のクローザ作動方向への駆動とを、減速装置の一端面のみに一体的に形成された出力カムによって実施できるようにすることで、体格を小さくすることができ、且つコストを低減することのできるドアロック駆動装置を提供することにある。また、クローザ作動解除時の操作性を向上することのできるドアロック駆動装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1、請求項2および請求項3に記載の発明によれば、フルラッチ状態の時に、出力カムに減速装置の正転方向の回転出力が伝達されると、出力カムのオープナカム面から減速装置の正転方向の回転出力を受けて第1出力軸がオープナ作動方向に回転する。そして、第1出力軸の回転に伴ってドアロックの噛合い機構(例えばラチェット)がオープナ作動方向に駆動される。これにより、駆動モータの回転出力によってドアロックの噛合い機構をフルラッチ状態からアンラッチ状態に自動的に切り替えることができる(オープナ機能)。
【0016】
また、ハーフラッチ状態の時に、出力カムに減速装置の逆転方向の回転出力が伝達されると、出力カムのクローザカム面から減速装置の逆転方向の回転出力を受けて第2出力軸がクローザ作動方向に回転する。そして、第2出力軸の回転に伴ってドアロックの噛合い機構(例えばラッチ)がクローザ作動方向に駆動される。これにより、駆動モータの回転出力によってドアロックの噛合い機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に自動的に切り替えることができる(オートクローザ機能)。
【0017】
また、減速装置の一端面のみに、オープナカム面およびクローザカム面を有する出力カムを一体的に形成したことにより、減速装置に別体で設けられた係止部材およびこの係止部材を減速装置に固定するための固定部材を廃止できるので、組付作業および部品点数が少なくなり、低コストとなる。また、係止部材を使用することなく、クローザ作動を実施できるので、クローザ作動の信頼性を向上できる。また、係止部材の耐久疲労を考慮する必要がなくなるので、ドアロック駆動装置の耐久性を向上できる。また、係止部材の作動スペースが不要になるので、ドアロック駆動装置の体格を小さくすることができる。特にドアロック駆動装置を薄型化することができる。
【0019】
請求項1および請求項3に記載の発明によれば、オープナ機構を、上記の第1出力軸、この第1出力軸に連結された第1作動レバー、およびこの第1作動レバーに係脱自在に係合された第1駆動レバー等によって構成したことにより、出力カムのオープナカム面から減速装置の正転方向の回転出力を第1駆動レバーが受けた場合に、第1駆動レバーの動作に伴って第1出力軸または第1作動レバーをオープナ作動方向に駆動することができる。
【0020】
請求項2および請求項3に記載の発明によれば、クローザ機構を、上記の第2出力軸、この第2出力軸に連結された第2作動レバー、およびこの第2作動レバーに係脱自在に係合された第2駆動レバー等によって構成したことにより、出力カムのクローザカム面から減速装置の逆転方向の回転出力を第2駆動レバーが受けた場合に、第2駆動レバーの動作に伴って第2出力軸または第2作動レバーをクローザ作動方向に駆動することができる。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、第2駆動レバーに、減速装置の逆転方向の回転出力を、第2作動レバーに作用させる第2作用部を設け、クローザ機構に、第1出力軸に駆動連結されたキャンセルレバーを設けている。そして、クローザ作動中に、手や指または衣服がドアに挟まれる等の非常事態が発生した時、第1出力軸がオープナ作動方向の操作力を受けると、キャンセルレバーの動作に伴って第2駆動レバーの第2作用部が第2作動レバーの作動範囲外まで押し出される。それによって、第2駆動レバーと第2作動レバーとの係合を解除できるので、クローザ作動を中止することができ、且つオープナ作動方向の操作力によってドアロックの噛合い機構を略フルラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えることができる。これにより、手や指または衣服がドアに挟まれる等の非常事態が発生した時の安全性を高めることができる。
【0022】
請求項に記載の発明によれば、第1出力軸の中心に対して前記キャンセルレバーと第2駆動レバーとの係合点より離れた位置に回転中心を有するキャンセルレバーを構成し、第1出力軸がオープナ作動方向(=クローザ作動解除方向)の操作力を受けると、キャンセルレバーを介して第2駆動レバーをクローザ作動解除方向に回転させてクローザ作動を解除することにより、第1駆動レバーと第2駆動レバーとの摩擦力に抗して第2駆動レバーをクローザ作動解除方向に回転させるために必要な第1出力軸の解除トルクを非常に小さくすることができるので、クローザ作動解除時の操作性を向上することができる。したがって、第1出力軸に与えられるクローザ作動解除方向の操作力が比較的に小さくても、キャンセルレバーを介して第2駆動レバーをクローザ作動解除方向に回転させることができるので、第2駆動レバーの動作に伴って第2出力軸または第2作動レバーをクローザ作動方向に駆動するクローザ作動を確実に解除することができる。これにより、手や指または衣服がドアに挟まれる等の非常事態が発生した時の安全性を更に高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施形態の構成]
図1ないし図9は本発明の実施形態を示すもので、図1ないし図9は自動車等の車両用ドアロック駆動装置の各作動状態を示した作動説明図である。
【0024】
本実施形態の自動車等の車両用ドアロック駆動装置(以下ドアロック駆動装置と略す)は、自動車等の車両のドアの閉鎖状態を保つためのドアロックを、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態からドアを開けることが可能なアンラッチ状態へのオープナ作動方向(以下アンラッチ作動方向と言う)に駆動するアンラッチ機能と、そのドアロックを、ドアが完全に閉鎖していないハーフラッチ状態(半ドア状態)からドアを完全に閉鎖するフルラッチ状態へのクローザ作動方向に駆動するオートクローザ機能と、クローザ作動中に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合にクローザ作動を解除する非常時クローザ作動解除機能とを備えたドアロック・アクチュエータである。
【0025】
ドアロックは、車両の車体のドア受けに固着されたストライカ(図示せず)との係合および離脱を行う噛合い機構を有し、開いているドアを閉じる時には、ドア開状態からハーフラッチ状態またはフルラッチ状態を経てドア閉状態となり、閉じているドアを開ける時には、ドア閉状態からアンラッチ状態を経てドア開状態となる。そして、ドアロックの噛合い機構は、半ドア状態の時にストライカを拘止するハーフラッチ状態(ドアを完全に閉鎖していない状態)、ドア閉状態の時にストライカを拘止するフルラッチ状態(ドアを完全に閉じている状態)、およびストライカを解放することが可能なアンラッチ状態(ドアを開くことが可能な状態)のいずれかの状態を形成することが可能なラッチ(図示せず)と、このラッチと係脱自在に噛み合うラチェット(図示せず)とからなる係脱機構である。
【0026】
ラッチは、ドアロックの噛合い機構をドアに取り付けるための取付ステー上においてラッチ用支軸を中心にして回動可能に設けられている。このラッチは、ストライカを受け入れることが可能な略U字状の嵌合溝(U字溝)、車両のドアが完全に閉まりきっていない半ドア状態の時にラチェットの係合爪と係合するハーフラッチ用係合爪(第1係合部)、フルラッチ状態およびドア閉状態の時にラチェットの被係合爪と係合するフルラッチ用係合爪(第2係合部)、およびドアロック駆動装置のクローザ出力レバー8の出力を受けるレシーブ部(いずれも図示せず)を有している。なお、ラッチは、ラッチスプリング(図示せず)によって初期位置(ドアが開いている時に嵌合溝がストライカを受け入れることが可能な方向に向く位置)方向に付勢されている。
【0027】
ラチェットは、取付ステー上においてラチェット用支軸を中心にして回動可能に設けられている。このラチェットは、ラッチのハーフラッチ用係合爪、フルラッチ用係合爪に係合する係合爪、およびドアロック駆動装置のアンラッチ出力レバー5の出力を受けるレシーブ部(いずれも図示せず)を有している。なお、ラチェットは、ラチェットスプリング(図示せず)によって係合爪がラッチに当接する方向に付勢されている。また、ラチェットは、アンラッチ作動方向に所定の回転角度だけ回転するとストッパ(図示せず)によってそれ以上の回転が規制されるように構成されている。
【0028】
本実施形態のドアロック駆動装置は、1個の駆動モータ1および歯車減速装置を含んで構成される動力ユニットと、この動力ユニットを収容するアクチュエータケースとを備えている。ここで、本実施形態のアクチュエータケースは、動力ユニットを支持固定する容器形状の駆動装置ケース(ケース本体)10と、この駆動装置ケース10の開口側を閉塞するケースカバー(図示せず)とから構成されている。その駆動装置ケース10は、駆動モータ1への給電を行う導電性金属薄板よりなる一対のターミナルを保持すると共に、各ターミナル間を電気的に絶縁する熱可塑性樹脂等の樹脂材料によって所定の形状に一体成形されている。
【0029】
そして、駆動装置ケース10の鍔状の接合端面とケースカバーの鍔状の接合端面との間には、アクチュエータケース内部への異物の侵入を防止するためのゴム製の環状シール部材(ガスケット、ゴムパッキン:図示せず)が装着される環状溝10a、およびラビリンス構造の通気孔または水抜き孔10bが形成されている。すなわち、アクチュエータケースは、アクチュエータケース内部への水の浸入を防止するための防水構造、あるいはアクチュエータケース内部に水が溜まるのを防止するための水抜き呼吸構造が施されている。
【0030】
なお、駆動モータ1および歯車減速装置等により構成される動力ユニットを内蔵するアクチュエータケース内には、アンラッチ出力軸3を含んで構成されるオープナ機構、およびクローザ出力軸6を含んで構成されるオートクローザ機構も回転自在に収容されている。そして、本実施形態の動力ユニットは、正逆転方向に回転するモータシャフト71を有する1個の駆動モータ1、この駆動モータ1のモータシャフト71の回転速度を所定の減速比となるように減速する歯車減速装置、この歯車減速装置の回転出力を受けて正転方向および逆転方向に回転する出力カム2等によって構成されている。その駆動モータ1は、駆動装置ケース10の内部に収容されて、正転方向または逆転方向に回転可能なモータシャフト(出力軸)71を有している。この駆動モータ1は、オープナ作動時に図示しないドアロック制御回路より制御信号を受けて正転方向の回転出力を歯車減速装置に発生する。また、駆動モータ1は、クローザ作動時にドアロック制御回路より制御信号を受けて逆転方向の回転出力を歯車減速装置に発生する。なお、駆動モータ1のモータシャフト71の外周には、カラー72が圧入により固定されている。
【0031】
歯車減速装置は、駆動モータ1のモータシャフト71の回転速度を所定の減速比に減速するもので、駆動モータ1のモータシャフト71の外周に嵌め合わされたモータ側ギヤ(ピニオンギヤ)13、このピニオンギヤ13に噛み合う第1減速ギヤ14、およびこの第1減速ギヤ14に噛み合う第2減速ギヤ15等から構成されている。なお、金属材料よりなる略円環形状のカラー72と樹脂材料よりなるピニオンギヤ13との間には、駆動モータ1のモータシャフト71が高速回転することにより発生する高振動を吸収、減衰してピニオンギヤ13へ伝達するのを軽減するように円筒形状の弾性体73が介在している。
【0032】
この弾性体73は、歯車減速装置から駆動モータ1のモータシャフト71に伝わる衝撃や振動を吸収、減衰するゴムダンパでもある。また、第1減速ギヤ14は、例えば樹脂材料で一体成形されており、駆動装置ケース10の天壁部および底壁部に両端が固定された第1中心軸16を中心にして回転する。また、第2減速ギヤ15は、例えば金属材料で一体形成されており、駆動装置ケース10の天壁部および底壁部に両端が固定された第2中心軸17を中心にして回転する。
【0033】
出力カム2は、第2減速ギヤ15の一端面(表面)のみに一体形成された略半月形状の金属材料製の凸状部であり、駆動モータ1のモータシャフト71の回転動力によって正転方向(図示左回転方向)に回転した際に、後記するオープナ機構の駆動レバー20をアンラッチ作動方向に動かすことが可能な第1カム面(オープナカム面)、および駆動モータ1のモータシャフト71の回転動力によって逆転方向(図示右回転方向)に回転した際に、後記するオートクローザ機構の伝達レバー30をクローザ作動方向に動かすことが可能な第2カム面(クローザカム面)を有している。
【0034】
具体的には、オープナカム面は、略半月形状の凸状部である出力カム2の内壁面に設けられており、また、クローザカム面は、出力カム2の内壁面および外壁面に設けられている。なお、クローザカム面の外壁面は、出力カム2に第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力が伝達された際に出力カム2が回転するクローザ作動方向に向けて、第2減速ギヤ15の回転軸である第2中心軸17を中心にして外径が徐々に大きくなるような曲率面とされている。
【0035】
オープナ機構は、駆動レバー(第1駆動レバー)20、上記のアンラッチ出力軸(第1出力軸)3、アンラッチ作動レバー(第1作動レバー)4、アンラッチ出力レバー(第1出力レバー)5および第1リターンスプリング(第1スプリング)11等によって構成されている。これらのオープナ機構の各構成部品、特にアンラッチ出力軸3およびアンラッチ出力レバー5は、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、出力カム2のオープナカム面から第2減速ギヤ15の正転方向の回転出力を駆動レバー20が受けると、駆動レバー20の動作に伴ってアンラッチ作動方向に回転し、ドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に駆動して、ドアを開けることが可能なアンラッチ状態にするオープナ機能部品である。
【0036】
駆動レバー20は、例えば金属材料で一体形成されており、一端部が後記するオープナ機構のアンラッチ出力軸3の外周に揺動自在に保持されている。この駆動レバー20の先端部(他端部)には、出力カム2のオープナカム面またはクローザカム面に係脱自在に係合される略円柱形状の被係合部(係合ピン)21が固定されている。また、駆動レバー20には、アンラッチ作動レバー4に係脱自在に係合する第1係合部(第1作用部、係合片)22が外部に突出するように一体形成されている。
【0037】
また、駆動レバー20には、第1リターンスプリング11の一端側が係合する円弧形状の保持孔(長穴)23が設けられている。この第1リターンスプリング11は、アンラッチ作動時に、アンラッチ作動レバー4をアンラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するアンラッチリターンスプリング機能と、フルラッチ作動時に、駆動レバー20をフルラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するフルラッチリターンスプリング機能と、クローザ作動解除時に、駆動レバー20をクローザ作動解除位置から中立位置側に戻す方向に付勢するクローザ作動解除リターンスプリング機能とを備えた1本のコイルスプリングである。
【0038】
そして、第1リターンスプリング11の一端側は、駆動レバー20の保持孔23に係合され、且つケースカバーのケース側スプリングフック部(図示せず)に係脱自在に係合されている。そして、第1リターンスプリング11は、一端が伝達レバー30のレバー側スプリングフック部(第1スプリングの一端を係止する第1係止部:図示せず)に係止されており、また、他端がアンラッチ作動レバー4の保持孔(第1スプリングの他端を係止する第2係止部)43に係止されている。
【0039】
駆動レバー20は、係合ピン21に出力カム2のオープナカム面から第2減速ギヤ15の正転方向の回転出力を受けると、第1係合部22がアンラッチ作動レバー4に係合して、アンラッチ作動レバー4およびアンラッチ出力軸3(軸心)を中心にしてアンラッチ作動方向に駆動する。なお、駆動レバー20の一端部に形成される環状部の内周面とアンラッチ出力軸3の外周面との間には、駆動レバー20とアンラッチ出力軸3との相対回転が可能なように所定のクリアランスが設けられている。
【0040】
アンラッチ出力軸3は、一端部が駆動装置ケース10の第1軸受部に回転自在に支持され、他端部が駆動装置ケース10より外側に突出している。このアンラッチ出力軸3は、駆動装置ケース10内において駆動レバー20の一端部を揺動自在に保持すると共に、駆動装置ケース10内においてアンラッチ作動レバー4の環状部を保持固定している。
【0041】
アンラッチ作動レバー4は、例えば金属材料で一体形成されており、出力カム2のオープナカム面から駆動レバー20の係合ピン21に第2減速ギヤ15の正転方向の回転出力を受けると、駆動レバー20の回転に伴ってアンラッチ出力軸3(軸心)を中心にしてアンラッチ作動方向に回転する。このアンラッチ作動レバー4の環状部より一方側に延長された腕状の一端部には、駆動レバー20の第1係合部22に係脱自在に係合される第1被係合部(第1被作用部)41が一体形成されており、また、アンラッチ作動レバー4の環状部より他方側に延長された腕状の他端部には、後記するキャンセルレバー9の第3被係合部(係合ピン)62に係合する第3係合部(係合孔)42が形成されている。なお、アンラッチ作動レバー4は、出力カム2の表面と干渉しない高さに位置するようにアンラッチ出力軸3の外周に固定されている。
【0042】
アンラッチ出力レバー5は、アンラッチ出力軸3の他端部、つまり駆動装置ケース10より外側に突出している端部の外周に保持固定されている。このアンラッチ出力レバー5には、ドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に駆動する際に、ドアロックのラチェットのレシーブ部に係合する第1係合部(第1作用部)、および手動操作手段にワイヤーを介して接続されるレシーブ部(いずれも図示せず)が設けられている。なお、手動操作手段は、アンラッチ作動レバー4、アンラッチ出力軸3およびアンラッチ出力レバー5をアンラッチ作動方向に回転させる手動操作力を発生するための例えばアウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作部である。
【0043】
オートクローザ機構は、伝達レバー(第2駆動レバー)30、上記のクローザ出力軸(第2出力軸)6、クローザ作動レバー(第2作動レバー)7、クローザ出力レバー(第2出力レバー)8、キャンセルレバー9および第2リターンスプリング(第2スプリング)12等によって構成されている。これらのオートクローザ機構の各構成部品、特にクローザ出力軸6およびクローザ出力レバー8は、ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態(半ドア状態)の時に、出力カム2のクローザカム面から第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力を伝達レバー30が受けると、伝達レバー30の動作に伴ってクローザ作動方向に回転し、ドアロックのラッチをクローザ作動方向に動かして、ドアを完全に閉じるフルラッチ状態にするオートクローザ機能部品である。
【0044】
伝達レバー30は、駆動モータ1の回転動力をクローザ作動レバー7に伝達するもので、一端部が上記の駆動レバー20の係合ピン21の外周に揺動自在に保持されている。この伝達レバー30の先端部(他端部)には、クローザ作動レバー7に係脱自在に係合する第2係合部(第2作用部)31、および後記するキャンセルレバー9に係脱自在に係合される略円柱形状の被係合部(係合ピン)32が設けられている。この伝達レバー30は、駆動レバー20の係合ピン21に出力カム2のクローザカム面から第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力を受けると、駆動レバー20の図示左回転方向への回転に伴って図示左斜め下方向に移動して、第2係合部31がクローザ作動レバー7に係合して、クローザ作動レバー7およびクローザ出力軸6を軸心を中心にしてクローザ作動方向に駆動する。
【0045】
クローザ出力軸6は、一端部が駆動装置ケース10の第2軸受部に回転自在に支持され、他端部が駆動装置ケース10より外側に突出している。このクローザ出力軸6は、駆動装置ケース10内においてクローザ作動レバー7の環状部を保持固定している。そして、クローザ出力レバー8は、クローザ出力軸6の他端部、つまり駆動装置ケース10より外側に突出している端部の外周に保持固定されている。このクローザ出力レバー8には、ドアロックのラッチをクローザ作動方向に駆動する際に、ドアロックのラッチのレシーブ部に係合する第2係合部(第2作用部:図示せず)が設けられている。
【0046】
クローザ作動レバー7は、例えば金属材料で一体形成されており、出力カム2のクローザカム面から駆動レバー20の係合ピン21に第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力を受けると、駆動レバー20の係合ピン21に揺動自在に保持された伝達レバー30の動作に伴ってクローザ出力軸6(軸心)を中心にしてクローザ作動方向に回転する。このクローザ作動レバー7の環状部より延長された腕状の一端部には、伝達レバー30の第2係合部31に係脱自在に係合される第2被係合部(第2被作用部)51が一体形成されている。なお、クローザ作動レバー7のレバー本体は、キャンセルレバー9の表面と干渉しない高さに位置するようにクローザ出力軸6の外周に固定されている。
【0047】
そして、クローザ作動レバー7の環状部の外周には、第2リターンスプリング12が取り付けられている。この第2リターンスプリング12は、フルラッチ作動時に、クローザ作動レバー7、クローザ出力軸6およびクローザ出力レバー8をフルラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するフルラッチリターンスプリング機能を備えた1本のコイルスプリングである。そして、第2リターンスプリング12は、そのコイル部がクローザ出力軸6の外周に保持され、その一端が、クローザ作動レバー7のレバー側スプリングフック部(第2スプリングの一端を係止する第1係止部:図示せず)に係止されており、また、他端が、駆動装置ケース10のケース側スプリングフック部(第2スプリングの他端を係止する第2係止部:図示せず)に係止されている。
【0048】
キャンセルレバー9は、一端部に設けられた被軸支部61が駆動装置ケース10の内壁面に形成された略凹形状の軸支部19に揺動自在に保持されている。その軸支部19は、アンラッチ出力軸3の中心(中心線)に対してキャンセルレバー9と伝達レバー30との係合点より離れた位置に設けられたキャンセルレバー9の回転の中心位置に設けられている。そして、クローザ作動を解除する時以外は、キャンセルレバー9の図示下端側の側壁面が、クローザ作動レバー7の環状部の外周面に当接した位置で係止されている。
【0049】
このキャンセルレバー9の先端部(他端部)には、アンラッチ作動レバー4の係合孔42に駆動連結する略円柱形状の第3被係合部(係合ピン)62が固定されている。また、キャンセルレバー9の図示上側の側壁面には、手動操作力を受けて、アンラッチ作動レバー4がアンラッチ作動方向に回転すると、伝達レバー30の係合ピン32を係脱自在に押圧するための押圧部(キャンセルレバーと第2駆動レバーとの係合点)63が設けられている。
【0050】
そして、キャンセルレバー9は、アンラッチ作動レバー4が手動操作力を受けて軸心を中心にしてアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に回転すると、被軸支部61を中心にして図示左回転することにより、押圧部63が伝達レバー30の係合ピン32に係合して伝達レバー30をクローザ作動レバー7の回動範囲外まで押し出して伝達レバー30の第2係合部31とクローザ作動レバー7の第2被係合部51との駆動連結を解除する。なお、キャンセルレバー9の押圧部63と駆動装置ケース10の軸支部19に保持される被軸支部61との間には、クローザ作動時に、伝達レバー30の係合ピン32がキャンセルレバー9の側壁面に干渉することなくクローザ作動方向に伝達レバー30が移動できるような形状の切欠き部(側壁面)64が形成されている。
【0051】
ここで、ドアロック制御回路は、CPU、ROM、RAMを持つマイクロコンピュータで構成されており、乗員に手動操作されるドア開スイッチ、第2減速ギヤ15および出力カム2の中立位置を検出する中立スイッチ、ハーフラッチ状態(半ドア状態)を検出するハーフラッチスイッチ、フルラッチ状態を検出するフルラッチスイッチ、アンラッチ状態を検出するアンラッチスイッチ(いずれも図示せず)等の各種スイッチのON/OFF信号に基づいて、駆動モータ1のモータシャフト71を正転方向または逆転方向に通電する。
【0052】
[ドアロック駆動装置のオープナ機能]
次に、本実施形態のドアロック駆動装置のアンラッチ作動方法を図1および図2に基づいて簡単に説明する。ここで、図1はドアロック駆動装置のドア閉状態(初期位置)を示した図で、図2はドアロック駆動装置のアンラッチ状態を示した図である。
【0053】
図1に示したドア閉状態(初期位置)から乗員がドアを開くためにドア開スイッチをONすると、駆動モータ1の通電回路に電流が流れて(駆動モータ通電ON)、駆動モータ1のモータシャフト71が正転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト71の回転出力がピニオンギヤ13、第1減速ギヤ14を経て第2減速ギヤ15に伝達されると、その第2減速ギヤ15の表面に一体形成された出力カム2に第2減速ギヤ15の正転方向の回転出力が伝達される。そして、出力カム2が図示左回転方向(正転方向)へ回転すると、出力カム2のオープナカム面から第2減速ギヤ15の正転方向の回転出力が駆動レバー20の係合ピン21に伝わる。これにより、係合ピン21がオープナカム面に沿って外側(第2中心軸17の径方向外方側)へ動かされて駆動レバー20の第1係合部22がアンラッチ作動レバー4の第1被係合部41に係合する。
【0054】
よって、アンラッチ作動レバー4が図2に破線で示した位置から図2に実線で示した位置まで回転する。すなわち、アンラッチ作動レバー4がアンラッチ出力軸3を中心にして図示右回転方向に回転する。そして、アンラッチ作動レバー4とアンラッチ出力レバー5とはアンラッチ出力軸3の外周にそれぞれ保持固定されているので、アンラッチ作動レバー4が回転すると、アンラッチ出力レバー5もアンラッチ出力軸3を中心にして図示右回転方向(正転方向)に回転する。
【0055】
一方、駆動レバー20が図示右回転方向(正転方向)に回転すると、アンラッチ作動レバー4も図示右回転方向に回転するため、キャンセルレバー9が図2に破線で示した位置から図2に実線で示した位置まで回転する。すなわち、キャンセルレバー9が被軸支部61を中心にして図示左回転方向に回転する。これにより、キャンセルレバー9の押圧部63が伝達レバー30の係合ピン32に係合するため、キャンセルレバー9の図示左回転方向の回転に伴って、つまり押圧部63の図示左上方への移動に伴って伝達レバー30がクローザ作動レバー7の回動範囲外まで押し出され、伝達レバー30の第2係合部31とクローザ作動レバー7の第2被係合部51との駆動連結が解除される。
【0056】
したがって、出力カム2から伝達レバー30を介してクローザ作動レバー7に駆動モータ1のモータシャフト71の回転出力が伝わらず、第2リターンスプリング12の付勢力によってクローザ出力軸6およびクローザ出力レバー8は中立位置より動かない(図2参照)。この結果、アンラッチ出力レバー5がドアロックのラチェットのレシーブ部を押圧して、ラチェットを支軸を中心にしてアンラッチ作動方向に動かす。これにより、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのフルラッチ用係合爪から外れることにより、ラッチスプリングに付勢されたラッチが初期位置へ戻ろうとし、ドアを開くことが可能なアンラッチ状態となる。
【0057】
このとき、図1および図2に示した、第2減速ギヤ15がアンラッチ位置まで回転したことを検出すると、駆動モータ1の通電回路の電流の流れ方向が切り替えられて、駆動モータ1のモータシャフト71が逆転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト71の回転出力がピニオンギヤ13、第1減速ギヤ14を経て第2減速ギヤ15に伝達されると、出力カム2に第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力が伝達される。そして、出力カム2が図示右回転方向(逆転方向)へ回転すると、出力カム2のオープナカム面から第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力が駆動レバー20の係合ピン21に伝わる。これにより、駆動レバー20の係合ピン21がオープナカム面に沿って内側(第2中心軸17の径方向内方側)へ動かされ、駆動レバー20が図示左回転方向に回転して中立点に戻される。
【0058】
このように、アンラッチ作動完了後には、第1リターンスプリング11の付勢力によってアンラッチ作動レバー4がアンラッチ出力軸3を中心にして図示左回転方向に回転し、アンラッチ作動レバー4が駆動レバー20の図示左回転方向の回転に追従する。また、アンラッチ作動レバー4の回転に伴ってアンラッチ出力レバー5もアンラッチ出力軸3を中心にして図示左回転方向(逆転方向)に回転して、アンラッチ作動レバー4およびアンラッチ出力レバー5が中立点に戻される。
【0059】
一方、第1リターンスプリング11の付勢力による、アンラッチ作動レバー4の図示左回転方向の回転に伴って、キャンセルレバー9が被軸支部61を中心にして図示右回転方向に回転し、且つ伝達レバー30も係合ピン21を中心にして図示左回転方向に回転して、伝達レバー30およびキャンセルレバー9も中立点に戻される。そして、第2減速ギヤ15および出力カム2がアンラッチ位置から中立位置まで戻されたことを検出すると、駆動モータ1への通電が終了する(駆動モータ通電OFF)。
【0060】
[ドアロック駆動装置のオートクローザ機能]
次に、本実施形態のドアロック駆動装置のクローザ作動方法を図3ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はドアロック駆動装置のドア開状態(初期位置)を示した図で、図4はドアロック駆動装置のハーフラッチ状態(半ドア状態、クローザ作動開始)を示した図で、図5はドアロック駆動装置のフルラッチ状態を示した図である。
【0061】
図3に示したドア開状態(初期位置)から乗員がドアを閉じようとすると、ストライカがラッチの嵌合溝に進入してラッチが回転することにより、ラッチのハーフラッチ用係合爪がラチェットの係合爪と係合してハーフラッチ状態(ドアが完全に閉鎖していない半ドア状態)となる(図4参照)。このハーフラッチ状態となると、ハーフラッチスイッチがONすることで、駆動モータ1の通電回路に電流が流れて(駆動モータ通電ON)、駆動モータ1のモータシャフト71が逆転方向に回転する。
【0062】
そして、駆動モータ1のモータシャフト71の回転出力がピニオンギヤ13、第1減速ギヤ14を経て第2減速ギヤ15に伝達されると、出力カム2に第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力が伝達される。そして、出力カム2が図示右回転方向(逆転方向)へ回転すると、出力カム2のクローザカム面から第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力が駆動レバー20の係合ピン21に伝わる。これにより、係合ピン21がクローザカム面に沿って外側(第2中心軸17の径方向外方側)へ動かされ、更に出力カム2のクローザカム面の外壁面に沿って動かされて、駆動レバー20が図示左回転方向にゆっくりと回転し、更にその駆動レバー20の係合ピン21に駆動連結された伝達レバー30が図示左側方向に移動する。
【0063】
ここで、図4に示したハーフラッチ状態の時には、伝達レバー30の側壁面(第2係合部)31とクローザ作動レバー7の側壁面(第2被係合部)51とが係合しているので、伝達レバー30が図示左側方向に移動することにより、クローザ作動レバー7がクローザ出力軸6を中心にして図示左回転方向に回転する。そして、クローザ作動レバー7とクローザ出力レバー8とはクローザ出力軸6の外周にそれぞれ固定されているので、クローザ作動レバー7が回転すると、クローザ出力レバー8もクローザ出力軸6を中心にして図示左回転方向(逆転方向)に回転する(図5参照)。
【0064】
一方、駆動レバー20が図示左回転方向に回転する際には、駆動レバー20の第1係合部22がアンラッチ作動レバー4の第1被係合部41から離脱して、駆動レバー20の第1係合部22とアンラッチ作動レバー4の第1被係合部41との係合状態が解除されているので、出力カム2からアンラッチ作動レバー4に回転出力が伝わらず、第1リターンスプリング11の付勢力によってアンラッチ出力軸3、アンラッチ作動レバー4およびアンラッチ出力レバー5は中立位置から動かない。
【0065】
そして、アンラッチ作動レバー4が中立位置から動かないので、キャンセルレバー9も中立位置から動かず、伝達レバー30からクローザ作動レバー7への動力の伝達を阻止することはない。この結果、クローザ出力レバー8がドアロックのラッチのレシーブ部を押圧して、ラッチを支軸を中心にしてクローザ作動方向に動かす。これにより、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのハーフラッチ用係合爪から外れてフルラッチ用係合爪に係合することにより、ドアを完全に閉鎖するフルラッチ状態となる。
【0066】
このとき、図5に示した、第2減速ギヤ15がフルラッチ位置まで回転したことを検出すると、駆動モータ1の通電回路の電流の流れ方向が切り替えられて、駆動モータ1のモータシャフト71が正転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト71の回転出力がピニオンギヤ13、第1減速ギヤ14を経て第2減速ギヤ15に伝達されると、出力カム2に第2減速ギヤ15の正転方向の回転出力が伝達される。そして、出力カム2が図示左回転方向(正転方向)へ回転すると、出力カム2のクローザカム面から第2減速ギヤ15の正転方向の回転出力が駆動レバー20の係合ピン21に伝わる。
【0067】
これにより、係合ピン21が出力カム2のクローザカム面の外壁面に沿って動かされ、更にクローザカム面に沿って内側(第2中心軸17の径方向内方側)へ動かされて、駆動レバー20が図示右回転方向に回転し、更にその駆動レバー20の係合ピン21に駆動連結された伝達レバー30が図示右側方向に移動する。これにより、駆動レバー20および伝達レバー30が中立点に戻される。そして、第2減速ギヤ15および出力カム2がフルラッチ位置から中立位置まで戻されたことを検出すると、駆動モータ1への通電が終了する(駆動モータ通電OFF)。
【0068】
[ドアロック駆動装置の非常時クローザ作動解除機能]
次に、本実施形態のドアロック駆動装置のクローザ作動解除方法を図3ないし図9に基づいて簡単に説明する。ここで、図6はドアロック駆動装置のクローザ作動途中を示した図で、図7および図8はドアロック駆動装置のクローザ作動解除途中を示した図で、図9はドアロック駆動装置のクローザ作動解除完了を示した図である。
【0069】
上述したように、図3に示したドア開状態(初期位置)から乗員がドアを閉じようとして、半ドア状態(ハーフラッチ状態)となる(図4参照)と、ハーフラッチスイッチがONすることで、駆動モータ1の通電回路に電流が流れて(駆動モータ通電ON)、駆動モータ1のモータシャフト71が逆転方向に回転して、出力カム2が図示右回転方向(逆転方向)へ回転する途中で、すなわち、ドアロック駆動装置のクローザ作動途中(図6参照)に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、乗員がクローザ作動を中止するためにアウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作手段を手動操作する。
【0070】
すると、レシーブ部がその手動操作手段にワイヤーを介して接続されるアンラッチ出力レバー5がアンラッチ出力軸3を中心にして図示右回転方向(正転方向)に回転する。そして、アンラッチ出力レバー5とアンラッチ作動レバー4とはアンラッチ出力軸3の外周にそれぞれ保持固定されているので、アンラッチ出力レバー5が回転すると、アンラッチ作動レバー4も図7に破線で示した位置から図7に実線で示した位置まで回転する。すなわち、アンラッチ作動レバー4がアンラッチ出力軸3を中心にして図示右回転方向に回転する。
【0071】
一方、アンラッチ作動レバー4が図示右回転方向に回転すると、アンラッチ作動レバー4の第3係合部(係合孔)42とキャンセルレバー9の第3被係合部(係合ピン)62とが常時駆動連結されているため、キャンセルレバー9が図7に破線で示した位置から図7に実線で示した位置まで回転する。すなわち、キャンセルレバー9が被軸支部61を中心にして図示左回転方向に回転する。これにより、キャンセルレバー9の押圧部63が伝達レバー30の係合ピン32に係合するため、キャンセルレバー9の図示左回転方向の回転に伴って、つまり押圧部63の図示左上方への移動に伴って伝達レバー30がクローザ作動レバー7の回動範囲(揺動範囲)外まで押し出され、伝達レバー30の第2係合部31とクローザ作動レバー7の第2被係合部51との駆動連結が解除される。
【0072】
したがって、出力カム2から伝達レバー30を介してクローザ作動レバー7に駆動モータ1のモータシャフト71の回転出力が伝わらず、第2リターンスプリング12の付勢力によってクローザ出力軸6およびクローザ出力レバー8は中立位置に戻される(図9参照)。この結果、ドアロック駆動装置のクローザ作動途中(図6参照)に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、アンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)の手動操作力をアンラッチ出力レバー5に与えて、アンラッチ出力軸3、アンラッチ作動レバー4およびキャンセルレバー9に伝えることによって、ドアロックのラッチのクローザ作動を解除することができると共に、アンラッチ出力レバー5がドアロックのラチェットを支軸を中心にしてアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に動かすことができる。これにより、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのフルラッチ用係合爪から外れ、ラッチスプリングに付勢されたラッチが初期位置へ戻ろうとし、ドアを開くことが可能なアンラッチ状態となる。
【0073】
そして、アウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作手段より手を離した時、つまりクローザ作動解除完了時には、第1リターンスプリング11の付勢力によって、アンラッチ作動レバー4、キャンセルレバー9、駆動レバー20および伝達レバー30が、図9に示したようなクローザ作動解除位置から図1に示したような中立位置に戻される。すなわち、駆動レバー20、伝達レバー30がアンラッチ出力軸3を中心にして図示右回転方向に回転し、アンラッチ作動レバー4がアンラッチ出力軸3を中心にして図示左回転方向に回転し、それに伴ってキャンセルレバー9が被支持軸61を中心にして図示右回転方向に回転する。
【0074】
[実施形態の効果]
本実施形態のドアロック駆動装置においては、第2減速ギヤ15の一端面のみに、オープナ機構を駆動するためのオープナカム面とクローザ機構を駆動するためのクローザカム面を有する出力カム2を金属材料で一体形成したことにより、歯車減速装置に別体で設けられた係止部材およびこの係止部材を歯車減速装置に固定するための固定部材を廃止できるので、組付作業および部品点数が少なくなり、低コストとなる。また、係止部材を使用することなく、クローザ作動を実施できるので、クローザ作動の信頼性を向上できる。また、板バネである係止部材の耐久疲労を考慮する必要がなくなるので、ドアロック駆動装置の耐久性を向上することができる。そして、第2減速ギヤ15の一端面のみに、オープナ機能とオートクローザ機能との両方の機能を持つ出力カム2を金属材料で一体形成したことにより、係止部材とその係止部材の作動スペースが不要となるので、ドアロック駆動装置の体格を小さくすることができる。特に係止部材が弾性変形する厚さ方向の作動スペース分だけドアロック駆動装置を薄くすることができるので、ドアロック駆動装置の薄型化が可能となる。
【0075】
本実施形態のドアロック駆動装置においては、駆動モータ1のモータシャフト71の回転出力によって、ドアが完全に閉鎖されていないハーフラッチ状態(半ドア状態)から、ドアを完全に閉鎖するフルラッチ状態に切り替える、つまりドアロックのラッチをクローザ作動方向に動かすクローザ作動中に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、アンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)の手動操作力をアンラッチ出力レバー5に与えて、アンラッチ出力軸3、アンラッチ作動レバー4およびキャンセルレバー9に伝えることによって、ドアロックのラッチのクローザ作動を解除することが可能となると共に、ドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に動かすことが可能となる。これにより、オートクローザ機能を備えたドアロック駆動装置の安全性および信頼性を向上することができる。
【0076】
また、出力カム2のクローザカム面を構成する外壁面を、出力カム2に第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力が伝達された際に出力カム2が回転するクローザ作動方向に向けて、第2中心軸17を中心にして外径が徐々に大きくなるような曲率面としたことにより、クローザ作動時には、出力カム2に第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力が伝達されると、クローザ機構の伝達レバー30、クローザ出力軸6、クローザ作動レバー7およびクローザ出力レバー8が出力カム2の回転に応じてゆっくりと回転する。これにより、オープナ作動速度と比べてクローザ作動速度が遅くなるので、クローザ作動中に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合の安全性を高めることができる。
【0077】
ここで、本実施形態のドアロック駆動装置の駆動装置ケース10内部に構成されるキャンセルレバー9は、図8に示したように、アンラッチ出力軸3の中心にし対して、キャンセルレバー9と伝達レバー30との係合点より離れた位置に回転中心を有している。そして、ドアロック駆動装置のクローザ作動途中(図6参照)に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、アンラッチ出力レバー5を、ドアロックのラチェットを支軸を中心にしてアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に操作力を与えることにより、キャンセルレバー9を介して伝達レバー30をクローザ作動解除方向に回転させることで、ドアロックのラッチのクローザ作動が解除される。
【0078】
このようなクローザ作動解除時に、図8に示したように、伝達レバー30とクローザ作動レバー7との摩擦力(F1)に抗して伝達レバー30をアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に回転させるために必要なアンラッチ出力レバー5のトルク(解除トルク:F2×l5)は、F2=F3×(l3/l4)、F3=F1×(l1/l2)であることから、F2×l5=(l1/l2)×(l3/l4)×l5×F1となる。ここで、l1とl2とはほぼ等しく、図8のl3<図8のl4、図8のl5<図13のl3より、図8のF2<図13のF2となり、図13の第2比較例の解除トルク(F2×l3)と比べて図8の実施例の解除トルク(F2×l5)が非常に小さくなる。
【0079】
特に、伝達レバー30とクローザ作動レバー7との摩擦力(F1)に抗して伝達レバー30をアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に回転させるために必要なアンラッチ出力レバー5の解除トルク(F2×l5)が最も大きくなるフルラッチ付近ではl4がl3よりも非常に大きくなり、その低減効果は絶大である。
【0080】
以上のことから、アンラッチ出力レバー5の解除トルクを非常に小さくすることができるので、クローザ作動解除時の操作性を向上することができる。したがって、アンラッチ出力レバー5に与えられるアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)の操作力が比較的に小さくても、キャンセルレバー9を介して伝達レバー30をアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に回転させることができるので、伝達レバー30の動作に伴ってクローザ作動レバー7およびクローザ出力レバー8をクローザ作動方向に駆動するクローザ作動、すなわち、ドアロックのラッチのクローザ作動を確実に解除することができる。これにより、手や指または衣服がドアに挟まれる等の非常事態が発生した時の安全性を更に高めることができる。
【0081】
[他の実施形態]
本実施形態では、出力カム2のオープナカム面から第2減速ギヤ15の正転方向の回転出力を受けると、オープナ機構のアンラッチ出力軸3、アンラッチ作動レバー4およびアンラッチ出力レバー5をオープナ作動方向(アンラッチ作動方向)に回転させる駆動レバー(第1駆動レバー)20と、出力カム2のクローザカム面から第2減速ギヤ15の逆転方向の回転出力を受けると、クローザ機構のクローザ出力軸6、クローザ作動レバー7およびクローザ出力レバー8をクローザ作動方向に回転させる伝達レバー(第2駆動レバー)30とを別体で構成したが、駆動レバー(第1駆動レバー)20と伝達レバー(第2駆動レバー)30とを一体化しても良い。
【0082】
本実施形態では、アンラッチ出力軸3、アンラッチ作動レバー4およびアンラッチ出力レバー5を別体で構成したが、アンラッチ作動レバー4またはアンラッチ出力レバー5を、アンラッチ出力軸3に一体成形しても良い。また、本実施形態では、クローザ出力軸6、クローザ作動レバー7およびクローザ出力レバー8を別体で構成したが、クローザ作動レバー7またはクローザ出力レバー8を、クローザ出力軸6に一体成形しても良い。
【0083】
本実施形態では、アウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作手段に、ワイヤーを介してアンラッチ出力レバー5のレシーブ部が接続され、手動操作力がアウターハンドルまたはインナーハンドル、ワイヤーを介してアンラッチ出力レバー5に入力されるように構成されているが、手動操作手段とアンラッチ出力軸3またはアンラッチ作動レバー4またはキャンセルレバー9とを直接接続し、手動操作力がアンラッチ出力軸3またはアンラッチ作動レバー4またはキャンセルレバー9に直接入力されるように構成しても良い。
【0084】
また、手動レバー等の手動操作手段の操作に応じて、アンラッチ出力軸3、アンラッチ作動レバー4、アンラッチ出力レバー5よりなるオープナ機構を電気的に駆動する駆動モータ等の駆動装置を設け、その駆動装置により操作力をアンラッチ出力軸3またはアンラッチ作動レバー4またはアンラッチ出力レバー5またはキャンセルレバー9に入力するように構成しても良い。
【0085】
本実施形態では、出力カム2のオープナカム面から駆動レバー20を経てアンラッチ作動レバー4に第2減速ギヤ(歯車減速装置)15の正転方向の回転出力を伝達するように構成しているが、駆動レバー20およびアンラッチ作動レバー4を廃止して、出力カム2のオープナカム面からアンラッチ出力軸3に歯車減速装置の正転方向の回転出力を直接伝達するように構成しても良い。また、本実施形態では、出力カム2のクローザカム面から伝達レバー30を経てクローザ作動レバー7に第2減速ギヤ(歯車減速装置)15の逆転方向の回転出力を伝達するように構成しているが、伝達レバー30およびクローザ作動レバー7を廃止して、出力カム2のクローザカム面からクローザ出力軸6に歯車減速装置の逆転方向の回転出力を直接伝達するように構成しても良い。
【0086】
本実施形態では、第2減速ギヤ15が中立位置からアンラッチ位置またはフルラッチ位置まで回転したことを検出すると、駆動モータ1の通電回路の電流の流れ方向を切り替えて、駆動モータ1のモータシャフト71の回転方向を逆転させるようにして、第2減速ギヤ15および出力カム2を中立位置に戻しているが、第2減速ギヤ15が中立位置からアンラッチ位置またはフルラッチ位置を経て中立位置に戻るまで1回転させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドアロック駆動装置のドア閉状態を示した作動説明図である(実施形態)。
【図2】ドアロック駆動装置のアンラッチ状態を示した作動説明図である(実施形態)。
【図3】ドアロック駆動装置のドア開状態を示した作動説明図である(実施形態)。
【図4】ドアロック駆動装置のハーフラッチ状態を示した作動説明図である(実施形態)。
【図5】ドアロック駆動装置のフルラッチ状態を示した作動説明図である(実施形態)。
【図6】ドアロック駆動装置のクローザ作動途中を示した作動説明図である(実施形態)。
【図7】ドアロック駆動装置のクローザ作動解除途中を示した作動説明図である(実施形態)。
【図8】ドアロック駆動装置のクローザ作動解除途中を示した作動説明図である(実施形態)。
【図9】ドアロック駆動装置のクローザ作動解除完了を示した作動説明図である(実施形態)。
【図10】(a)、(b)はドアロック駆動装置の主要構成を示した平面図である(第1比較例)。
【図11】(a)、(b)は出力カムに固定された係止部材を示した作動説明図である(第1比較例)。
【図12】ドアロック駆動装置の主要構成を示した平面図である(第2比較例)。
【図13】ドアロック駆動装置のクローザ作動解除途中を示した作動説明図である(第2比較例)。
【符号の説明】
1 駆動モータ
2 出力カム
3 アンラッチ出力軸(第1出力軸)
4 アンラッチ作動レバー(第1作動レバー)
6 クローザ出力軸(第2出力軸)
7 クローザ作動レバー(第2作動レバー)
9 キャンセルレバー
15 第2減速ギヤ(歯車減速装置)
20 駆動レバー(第1駆動レバー)
30 伝達レバー(第2駆動レバー)
31 第2係合部(第2作用部)

Claims (5)

  1. ドアの閉鎖状態を保つためのドアロックの噛合い機構を駆動するドアロック駆動装置において、
    (a)正逆転方向に回転する1個の駆動モータと、
    (b)この駆動モータの回転速度を減速する減速装置と、
    (c)この減速装置の回転出力を受けて正転方向および逆転方向に回転する出力カムと、
    (d)ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、前記出力カムに前記減速装置の正転方向の回転出力が伝達されると、前記ドアロックの噛合い機構をオープナ作動方向に動かして、ドアを開けることが可能なアンラッチ状態にする第1出力軸を有するオープナ機構と、
    (e)ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態の時に、前記出力カムに前記減速装置の逆転方向の回転出力が伝達されると、前記ドアロックの噛合い機構をクローザ作動方向に動かして、ドアを完全に閉じるフルラッチ状態にする第2出力軸を有するクローザ機構とを備え、
    前記出力カムは、前記減速装置の一端面のみに一体的に形成されており、前記第1出力軸をオープナ作動方向に動かすことが可能なオープナカム面、および前記第2出力軸をクローザ作動方向に動かすことが可能なクローザカム面を有し
    前記オープナ機構は、前記第1出力軸に連結された第1作動レバー、および前記出力カムのオープナカム面に係脱自在に係合され、且つ前記第1作動レバーに係脱自在に係合された第1駆動レバーを有し、
    前記第1駆動レバーは、前記オープナカム面から前記減速装置の正転方向の回転出力を受けると、前記第1出力軸または前記第1作動レバーをオープナ作動方向に駆動することを特徴とするドアロック駆動装置。
  2. ドアの閉鎖状態を保つためのドアロックの噛合い機構を駆動するドアロック駆動装置において、
    (a)正逆転方向に回転する1個の駆動モータと、
    (b)この駆動モータの回転速度を減速する減速装置と、
    (c)この減速装置の回転出力を受けて正転方向および逆転方向に回転する出力カムと、
    (d)ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、前記出力カムに前記減速装置の正転方向の回転出力が伝達されると、前記ドアロックの噛合い機構をオープナ作動方向に動かして、ドアを開けることが可能なアンラッチ状態にする第1出力軸を有するオープナ機構と、
    (e)ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態の時に、前記出力カムに前記減速装置の逆転方向の回転出力が伝達されると、前記ドアロックの噛合い機構をクローザ作動方向に動かして、ドアを完全に閉じるフルラッチ状態にする第2出力軸を有するクローザ機構とを備え、
    前記出力カムは、前記減速装置の一端面のみに一体的に形成されており、前記第1出力軸をオープナ作動方向に動かすことが可能なオープナカム面、および前記第2出力軸をクローザ作動方向に動かすことが可能なクローザカム面を有し、
    前記クローザ機構は、前記第2出力軸に連結された第2作動レバー、および前記出力カムのクローザカム面に係脱自在に係合され、且つ前記第2作動レバーに係脱自在に係合された第2駆動レバーを有し、
    前記第2駆動レバーは、前記クローザカム面から前記減速装置の逆転方向の回転出力を受けると、前記第2出力軸または前記第2作動レバーをクローザ作動方向に駆動することを特徴とするドアロック駆動装置。
  3. ドアの閉鎖状態を保つためのドアロックの噛合い機構を駆動するドアロック駆動装置において、
    (a)正逆転方向に回転する1個の駆動モータと、
    (b)この駆動モータの回転速度を減速する減速装置と、
    (c)この減速装置の回転出力を受けて正転方向および逆転方向に回転する出力カムと、
    (d)ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、前記出力カムに前記減速装置の正転方向の回転出力が伝達されると、前記ドアロックの噛合い機構をオープナ作動方向に動かして、ドアを開けることが可能なアンラッチ状態にする第1出力軸を有するオープナ機構と、
    (e)ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態の時に、前記出力カムに前記減速装置の逆転方向の回転出力が伝達されると、前記ドアロックの噛合い機構をクローザ作動方向に動かして、ドアを完全に閉じるフルラッチ状態にする第2出力軸を有するクローザ機構とを備え、
    前記出力カムは、前記減速装置の一端面のみに一体的に形成されており、前記第1出力軸をオープナ作動方向に動かすことが可能なオープナカム面、および前記第2出力軸をクローザ作動方向に動かすことが可能なクローザカム面を有し、
    前記オープナ機構は、前記第1出力軸に連結された第1作動レバー、および前記出力カムのオープナカム面に係脱自在に係合され、且つ前記第1作動レバーに係脱自在に係合された第1駆動レバーを有し、
    前記第1駆動レバーは、前記オープナカム面から前記減速装置の正転方向の回転出力を受けると、前記第1出力軸または前記第1作動レバーをオープナ作動方向に駆動し、
    前記クローザ機構は、前記第2出力軸に連結された第2作動レバー、および前記出力カムのクローザカム面に係脱自在に係合され、且つ前記第2作動レバーに係脱自在に係合された第2駆動レバーを有し、
    前記第2駆動レバーは、前記クローザカム面から前記減速装置の逆転方向の回転出力を受けると、前記第2出力軸または前記第2作動レバーをクローザ作動方向に駆動することを特徴とするドアロック駆動装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のドアロック駆動装置において、
    前記第2駆動レバーは、前記減速装置の逆転方向の回転出力を、前記第2作動レバーに作用させる第2作用部を有し、
    前記クローザ機構は、前記第1出力軸に駆動連結されたキャンセルレバーを有し、
    前記キャンセルレバーは、前記第1出力軸がオープナ作動方向の操作力を受けると、前記第2駆動レバーの第2作用部を前記第2作動レバーの作動範囲外まで押し出すことを特徴とするドアロック駆動装置。
  5. 請求項1に記載のドアロック駆動装置において、
    前記オープナ機構は、前記第1出力軸に連結された第1作動レバー、およびこの第1作動レバーに係脱自在に係合された第1駆動レバーを有し、
    前記クローザ機構は、前記第1出力軸に駆動連結されたキャンセルレバー、前記第2出力軸に連結された第2作動レバー、およびこの第2作動レバーに係脱自在に係合された第2駆動レバーを有し、
    前記キャンセルレバーは、前記第1出力軸の中心に対して前記キャンセルレバーと前記第2駆動レバーとの係合点より離れた位置に回転中心を有し、前記第1出力軸がオープナ作動方向の操作力を受けると、前記キャンセルレバーを介して前記第2駆動レバーをクローザ作動解除方向に回転させることを特徴とするドアロック駆動装置。
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