JP4120609B2 - レバー異音防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性体の弾性力を用いてリンクレバーの振れを抑えて異音の発生を防止することが可能なレバー異音防止装置に関するもので、特にドアロック駆動装置の非常時クローザ作動解除機能を有するキャンセルレバーの振れを抑えて異音の発生を防止することが可能なキャンセルレバー異音防止装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、1個の駆動モータ、歯車減速機構および出力カム等によって構成された動力ユニットと、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、駆動モータの動力で自動的にドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に動作させることで、ドアロックのラッチとラチェットとの噛合い状態を解除(アンラッチ状態に)して、ドアが開かれるのを許容するアンラッチ機構と、ドアが完全に閉じていない半ドア状態(ハーフラッチ状態)の時に、駆動モータの動力で自動的にドアロックのラッチをクローザ作動方向に動作させることで、ラッチとラチェットとを正規のフルラッチ状態で噛み合わせて、ドアを完全に閉じるオートクローザ機構とを備えたドアロック駆動装置が公知である。
しかし、従来のドアロック駆動装置においては、万一ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した時に、アウターハンドルまたはインナーハンドルを手動操作すると、駆動モータの動力によるクローザ作動を中断できるように構成されているが、ドアロックのラッチとラチェットとの噛合い状態が解除されず、ドアを開くことができないという問題があった。そこで、ドアロックのラチェットのクローザ作動中に、上記のような非常事態が発生した時に、フェールセーフレバーが手動操作されることに応じてクローザ作動を停止させると共に、ドアロックのラッチをアンラッチ状態に切り替える非常時クローザ作動解除機能を備えたドアロック駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[従来の技術の不具合]
しかるに、特許文献1に記載のドアロック駆動装置によると、駆動モータの動力によってクローザ機構やアンラッチ機構に伝達する駆動力や、手動操作力の伝達機構を多数の部材で構成しているため、ドアロック駆動装置のサイズが大型化し、コストアップとなるという問題がある。そこで、アンラッチ機構、オートクローザ機構、非常時クローザ作動解除機構を簡素な構成で実現し、且つ駆動モータ、歯車減速機構、第1、第2動力伝達レバー、アンラッチ作動レバーおよびクローザ作動レバー等をハウジングの内部に収容することで、3つのアンラッチ機能、オートクローザ機能、非常時クローザ作動解除機能を備えたドアロック駆動装置の体格をコンパクト化(小型化)するという目的で、既に特願2002−325498(出願日平成14年11月8日)を出願した。
この出願のドアロック駆動装置(比較例1)においては、図3ないし図5に示したように、駆動装置ケース100の内部に、駆動モータ101と、歯車減速機構を構成するピニオンギヤ102および第1、第2減速ギヤ103、104と、出力カム105と、係合ピン106を保持固定する第1動力伝達レバー111と、アンラッチ機構を構成するアンラッチ作動レバー112と、係合ピン106の外周に揺動自在に保持された第2動力伝達レバー121と、オートクローザ機構を構成するクローザ作動レバー122と、非常時クローザ作動解除機構を構成するキャンセルレバー107を収容している。また、アンラッチ機構は、アンラッチ作動レバー112の他に、アンラッチ出力軸113およびアンラッチ出力レバー114を有し、また、オートクローザ機構は、クローザ作動レバー122の他に、クローザ出力軸123およびクローザ出力レバー124を有している。
ここで、上記出願のドアロック駆動装置(比較例1)においては、ドア開状態から乗員がドアを閉じようとすると、ストライカがラッチの嵌合溝に進入してラッチが回転することにより、ラッチのハーフラッチ用係合爪がラチェットの係合爪と係合してハーフラッチ状態(ドアが完全に閉鎖していない半ドア)となる。そして、図3に示したように、係合ピン106が出力カム105のカム面から駆動モータ101の回転出力を受けて第2動力伝達レバー121がクローザ作動方向(図示左側方向)に動作する。これにより、クローザ作動レバー122が、第2動力伝達レバー121のクローザ作動方向の動作に伴ってクローザ出力軸123およびクローザ出力レバー124をアンラッチ作動方向(クローザ出力軸123を中心とした図示左回転方向)に回転させる。そして、ドアロック駆動装置のクローザ出力レバー124から駆動モータ101の回転出力(ドアロック駆動装置の出力トルク)を受けるドアロックのラッチが、ハーフラッチ位置からフルラッチ位置まで回転することで、オートクローザ機構によるクローザ作動が完了する。
次に、ドアロック駆動装置(比較例1)のクローザ作動解除方法を図3および図4に基づいて説明する。上述したように、係合ピン106が出力カム105のカム面から駆動モータ101の回転出力を受けて第2動力伝達レバー121がクローザ作動方向(図示左側方向)に動作する途中で、すなわち、ドアロック駆動装置のクローザ作動途中で、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、乗員がドアロック駆動装置のクローザ作動を中止するために手動操作手段を手動操作する。すると、手動操作手段に連結されたアンラッチ出力レバー114がアンラッチ作動方向に回転し、アンラッチ作動レバー112も図4に破線で示した位置から図4に実線で示した位置までアンラッチ作動方向に回転する。
一方、アンラッチ作動レバー112が回転すると、キャンセルレバー107が被軸支部115の支点を中心にしてクローザ作動解除方向に回転する。これにより、キャンセルレバー107が第2動力伝達レバー121の係合部125に係合するため、キャンセルレバー107のクローザ解除方向の回転に伴って、第2動力伝達レバー121がクローザ作動レバー122の回転動作範囲外まで押し出され、第2動力伝達レバー121のストッパ部126とクローザ作動レバー122の被係合部127との駆動連結が解除される。したがって、オートクローザ機構のクローザ作動レバー122に駆動モータ101の回転出力が伝わらず、第2リターンスプリング129の付勢力によってオートクローザ機構が中立位置に戻される(図5参照)。また、手動操作手段より乗員が手を離した時、つまりクローザ作動解除完了時には、第1リターンスプリング119の付勢力によってアンラッチ機構、キャンセルレバー107、第1、第2動力伝達レバー111、121が、図5に示したクローザ作動解除位置から中立位置に戻される。
[先行の技術の不具合]
ところが、先願(比較例1)のドアロック駆動装置においては、クローザ作動解除機能を有するキャンセルレバー107には支持軸(例えばピン部材や軸状部材等の揺動軸)がなく、キャンセルレバー107の被軸支部115が駆動装置ケース100の略凹部形状の嵌合溝109内に揺動自在に保持されて、キャンセルレバー107が被軸支部115の支点を中心にして回転動作して第2動力伝達レバー121の係合部125に係合することで、クローザ作動を解除するように構成されている。そして、キャンセルレバー107の板厚方向の両端面と駆動装置ケース100およびこの駆動装置ケース100の開口側を閉塞するケースカバーとの間には、キャンセルレバー107が被軸支部115の支点を中心にして回転動作を円滑に行えるようにクリアランスが形成されている。この結果、ドアロック駆動装置を装着しているドアに車両走行を要因とする振動が伝わると、キャンセルレバー107が駆動装置ケース100内で振れ異音が発生する可能性があった。
特許第3180039号公報(第1−6頁、図1−図9)
本発明の目的は、リンクレバーの円滑な回転動作を阻害することなく、リンクレバーの振れを抑えて異音の発生を防止することが可能なレバー異音防止装置を提供することにある。特に、ドアロック駆動装置の非常時クローザ作動解除機能を有するリンクレバーの振れを抑えて異音の発生を防止することが可能なキャンセルレバー異音防止装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、ハウジングの2つの内壁面間に形成されるレバー収容室内に、ハウジング(の略凹状の軸支部、嵌合溝)に揺動自在(回転自在)に軸支される被軸支部の支点を中心にした、ハウジングの内壁面方向に平行な方向、つまり自身の板厚方向に対して略直交する自身の板面方向への回転動作を行う板状のリンクレバーを収容している。そして、その板状のリンクレバーを、ハウジングの2つの内壁面のうちの一方側の内壁面に弾性変形力を用いて押し付ける弾性体を設けたことにより、リンクレバーとハウジングの2つの内壁面との間に、リンクレバーの円滑な回転動作を確保することが可能なクリアランスが設けられている場合でも、リンクレバーがハウジングのレバー収容室内で振れることを抑えることができるので、異音の発生を防止することができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、ハウジングの2つの内壁面間に形成されるレバー収容室内に、車両のドアを閉鎖状態に保つためのドアロックの噛合い機構を駆動するドアロック駆動装置(の各機能部品)を収容するようにしても良い。なお、ハウジングを、ドアロック駆動装置の各機能部品、特にレバー部材やピン部材を収容する容器形状のレバーケースと、このレバーケースの開口側を閉塞するケースカバーとによって構成しても良い。また、レバーケースの側壁部によってリンクレバーの被軸支部の回転軸線方向の一方側を閉塞し、且つケースカバーの側壁部によってリンクレバーの被軸支部の回転軸線方向の他方側を閉塞するようにしても良い。
また、ハウジングの2つの内壁面間に形成されるレバー収容室内に、アンラッチ機能とオートクローザ機能と非常時クローザ作動解除機能とを兼ね備えたドアロック駆動装置(の各機能部品)を収容することにより、ドアロック駆動装置をコンパクト化することができる。また、ドアロック駆動装置(の各機能部品)が直接被水しなくなるので、ドアロック駆動装置の品質、安全性および信頼性を向上することができる。また、ハウジングを樹脂化して、ドアロック駆動装置の軽量化および低コスト化を図るようにしても良い。
また、板状の弾性体の板厚方向の一端面の法線方向がリンクレバーのクローザ解除方向に向けてリンクレバーに徐々に近づくように、所定の角度を持って傾いている。あるいは所定の曲率を持って湾曲している。これにより、リンクレバーが初期位置(最小回転角度位置)から回転動作位置(最大回転角度位置)まで円滑に回転動作できる。また、板状の弾性体の自由端の先端に、リンクレバーに常時接触する接触子を設けている。これにより、リンクレバーが回転動作位置から初期位置に戻される場合に、板状の弾性体に引っ掛かることはない。
請求項に記載の発明によれば、板状の弾性体の板厚方向の一端面の面形状がリンクレバーのクローザ解除方向の回転動作時に前記リンクレバーと常時接触するように所定の曲率を持って略円弧状に湾曲している。これにより、板状の弾性体の板幅方向の寸法を必要最小限とすることができるので、弾性体の製造コストを低減することができる。
請求項に記載の発明によれば、ハウジングの2つの内壁面間に形成されるレバー収容室内に、レバー異音防止機能とは異なるスプリングガイド機能を有する機能部品を収容している。この機能部品は、ハウジングおよびリンクレバーのいずれに対しても独立した別部品にて設けられている。そして、上記の弾性体を、その機能部品に一体的に設けることにより、機能部品と弾性体とを別々に設けた場合と比べて、部品点数や組付工数を削減することができる。また、弾性体を保持する機能を有する機能部品と、上記機能を有する機能部品とを別々に設けた場合と比べて、部品点数や組付工数を削減することができる。したがって、レバー異音防止装置を非常に少ない部品点数で構成できるので、コストダウンを図ることができる。
請求項に記載の発明によれば、ハウジングの2つの内壁面間に形成されるレバー収容室内に、手動操作力を受けると支持軸を中心にして回転すると共に、リンクレバーに係合する係合孔を有するリンクプレートを収容している。そして、上記のリンクレバーの一端部に、ハウジング(の略凹形状の軸支部、係合溝)に嵌め合わされて揺動自在(回転自在)に軸支される被軸支部を設け、更に、リンクレバーの他端部に、リンクプレートの係合孔に駆動連結する係合部を設けることにより、リンクプレートが手動操作力を受けて支持軸を中心にして正転方向に回転すると、リンクレバーが被軸支部の支点を中心にした回転動作を行うように構成されている。この場合でも、ハウジングの2つの内壁面のうちの一方側の内壁面にリンクレバーを弾性体の弾性変形力を用いて押し付けることにより、リンクレバーの円滑な回転動作を阻害することなく、リンクレバーの振れを抑えて異音の発生を防止することができる。
請求項に記載の発明によれば、ハウジングの2つの内壁面間に形成されるレバー収容室内に、リンクプレートまたはリンクレバーを初期位置側に戻す方向に付勢するコイルスプリングと、このコイルスプリングをガイドするスプリングガイド機能を有する機能部品とを収容している。この機能部品は、ハウジング、リンクレバーおよびリンクプレートのいずれに対しても独立した別部品にて設けられている。そして、上記の弾性体を、その機能部品に一体的に設けることにより、機能部品と弾性体とを別々に設けた場合と比べて、部品点数や組付工数を削減することができる。また、弾性体を保持する機能を有する機能部品と、上記機能を有する機能部品とを別々に設けた場合と比べて、部品点数や組付工数を削減することができる。したがって、レバー異音防止装置を非常に少ない部品点数で構成できるので、コストダウンを図ることができる。
請求項に記載の発明によれば、動力伝達レバーのクローザ作動方向の動作途中で、リンクレバーが操作力を受けて被軸支部の支点を中心にして回転すると、リンクレバーが動力伝達レバーの係合部に係合して、動力伝達レバーをクローザ作動レバーの作動範囲外まで押し出す。この結果、動力伝達レバーとオートクローザ機構のクローザ作動レバーとの係合状態が解放されるので、駆動モータからオートクローザ機構への回転出力の伝達が遮断される。したがって、クローザ作動途中で、手や指または衣服がドアに挟まれる等の非常事態が発生した際にクローザ作動を解除する(非常時クローザ作動解除機能)ことができる。
本発明を実施するための最良の形態は、リンクレバーの円滑な回転動作を阻害することなく、リンクレバーの振れを抑えて異音の発生を防止するという目的を、板状のリンクレバーを、ハウジングの2つの内壁面のうちの一方側の内壁面に弾性変形力を用いて押し付ける弾性体を設けたことで実現した。
[実施例1の構成]
図1および図2は本発明の実施例1を示したもので、図1(a)はキャンセルレバー弾性保持機構を示した図で、図1(b)はスプリングホルダーを示した図で、図2は自動車等の車両用ドアロック駆動装置の全体構成を示した図である。
本実施例の自動車等の車両用ドアロック駆動装置(以下ドアロック駆動装置と略す)は、自動車等の車両のドアの閉鎖状態を保つためのドアロックの噛合い機構を、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態からドアを開けることが可能なアンラッチ状態へのアンラッチ(オープナ)作動方向に駆動するアンラッチ機能と、ドアロックの噛合い機構を、ドアが完全に閉鎖していないハーフラッチ状態(半ドア状態)からドアを完全に閉鎖するフルラッチ状態へのクローザ作動方向に駆動するオートクローザ機能と、クローザ作動中に、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合にクローザ作動を解除する非常時クローザ作動解除機能とを兼ね備えたドアロック・アクチュエータである。
ドアロックは、車両の車体のドア受けに固着されたストライカ(図示せず)との係合および離脱を行う噛合い機構を有し、開いているドアを閉じる時には、ドア開状態からハーフラッチ状態またはフルラッチ状態を経てドア閉状態となり、閉じているドアを開ける時には、ドア閉状態からアンラッチ状態を経てドア開状態となる。そして、ドアロックの噛合い機構は、半ドア状態の時にストライカを拘止するハーフラッチ状態(ドアを完全に閉鎖していない状態)、ドア閉状態の時にストライカを拘止するフルラッチ状態(ドアを完全に閉じている状態)、およびストライカを解放することが可能なアンラッチ状態(ドアを開くことが可能な状態)のいずれかの状態を形成することが可能なラッチ(図示せず)と、このラッチと係脱自在に噛み合うラチェット(図示せず)とからなる係脱機構である。
ラッチは、ドアロックの噛合い機構をドアに取り付けるための取付ステー上においてラッチ用支軸を中心にして回動可能に設けられている。このラッチは、ストライカを受け入れることが可能な略U字状の嵌合溝(U字溝)、車両のドアが完全に閉まりきっていない半ドア状態の時にラチェットの係合爪と係合するハーフラッチ用係合爪(第1係合部)、フルラッチ状態およびドア閉状態の時にラチェットの被係合爪と係合するフルラッチ用係合爪(第2係合部)、およびドアロック駆動装置のオートクローザ機構のクローザ出力レバー16の出力を受けるレシーブ部(いずれも図示せず)を有している。なお、ラッチは、ラッチスプリング(図示せず)によって初期位置(ドアが開いている時に嵌合溝がストライカを受け入れることが可能な方向に向く位置)方向に付勢されている。
ラチェットは、取付ステー上においてラチェット用支軸を中心にして回動可能に設けられている。このラチェットは、ラッチのハーフラッチ用係合爪、フルラッチ用係合爪に係合する係合爪、およびドアロック駆動装置のアンラッチ機構のアンラッチ出力レバー12の出力を受けるレシーブ部(いずれも図示せず)を有している。なお、ラチェットは、ラチェットスプリング(図示せず)によって係合爪がラッチに当接する方向に付勢されている。また、ラチェットは、アンラッチ作動方向に所定の回転角度だけ回転するとストッパ(図示せず)によってそれ以上の回転が規制されるように構成されている。
本実施例のドアロック駆動装置は、1個の駆動モータ1を含んで構成される動力ユニットと、この動力ユニットを収容するハウジング(アクチュエータケース)とを備えている。ここで、本実施例の動力ユニットは、動力源である駆動モータ1、この駆動モータ1の回転出力をアンラッチ機構またはオートクローザ機構に伝達する動力伝達機構、およびこの動力伝達機構の回転出力を受けて正転方向および逆転方向に回転する出力カム2等を含んで構成されている。
駆動モータ1は、正転方向または逆転方向に回転可能なモータシャフト(駆動モータの出力軸)19を有している。このモータシャフト19の外周には、カラー20が圧入により固定されている。この駆動モータ1を通電するモータ通電回路は、導電性金属薄板よりなる一対のモータ用通電端子(ターミナル、モータ通電回路側の外部接続端子)21を介してドアロック制御回路に電気的に接続されている。ここで、駆動モータ1は、アンラッチ作動時に図示しないドアロック制御回路より制御信号を受けて正転方向の回転出力を動力伝達機構に発生する。また、駆動モータ1は、クローザ作動時にドアロック制御回路より制御信号を受けて逆転方向の回転出力を動力伝達機構に発生する。そして、動力伝達機構は、駆動モータ1のモータシャフト19の回転速度を所定の減速比となるように減速する歯車減速機構であって、駆動モータ1のモータシャフト19の外周に嵌め合わされたモータ側ギヤ(ピニオンギヤ)22、このピニオンギヤ22に噛み合う第1減速ギヤ23、およびこの第1減速ギヤ23に噛み合う第2減速ギヤ24等から構成されている。
また、第1減速ギヤ23は、例えば樹脂材料によって一体的に形成されており、ハウジングの側壁部および側壁部に両端が固定された第1中心軸25を中心にして回転する。また、第2減速ギヤ24は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、ハウジングの側壁部および側壁部に両端が固定された第2中心軸26を中心にして回転する。なお、金属材料よりなる略円環形状のカラー20と樹脂材料よりなる略円筒形状のピニオンギヤ22との間には、駆動モータ1のモータシャフト19が高速回転することにより発生する高振動を吸収、減衰してピニオンギヤ22へ伝達するのを軽減するように円筒形状の弾性体27が介在している。この弾性体27は、歯車減速機構から駆動モータ1のモータシャフト19に伝わる衝撃や振動を吸収、減衰するゴムダンパでもある。
出力カム2は、第2減速ギヤ24の板厚方向の一端面(表面)のみに金属材料によって一体的に形成された略半月形状の凸状部であり、駆動モータ1のモータシャフト19の回転動力によって正転方向(図示左回転方向)に回転した際に、第1動力伝達レバー6を介してアンラッチ機構をアンラッチ作動方向に動かすことが可能な第1カム面(オープナカム面)、および駆動モータ1のモータシャフト19の回転動力によって逆転方向(図示右回転方向)に回転した際に、第2動力伝達レバー7を介してオートクローザ機構をクローザ作動方向に動かすことが可能な第2カム面(クローザカム面)を有している。
具体的には、オープナカム面は、略半月形状の凸状部である出力カム2の内壁面に設けられており、また、クローザカム面は、出力カム2の内壁面および外壁面に設けられている。なお、クローザカム面の外壁面は、出力カム2に第2減速ギヤ24の逆転方向の回転出力が伝達された際に出力カム2が回転するクローザ作動方向に向けて、第2減速ギヤ24の回転軸である第2中心軸26を中心にして外径が徐々に大きくなるような曲率面とされている。
ここで、ドアロック制御回路は、CPU、ROM、RAM等の機能を含んで構成されるマイクロコンピュータを備えており、乗員に手動操作されるドア開スイッチ、出力カム2および第2減速ギヤ24の中立位置を検出する中立スイッチ、ハーフラッチ状態(半ドア状態)を検出するハーフラッチスイッチ、フルラッチ状態を検出するフルラッチスイッチ、アンラッチ状態を検出するアンラッチスイッチ(いずれも図示せず)等の各種スイッチのON/OFF信号に基づいて、駆動モータ1のモータシャフト19を正転方向または逆転方向に通電する。
ここで、動力ユニットを内蔵するハウジングは、駆動モータ1を支持固定する容器形状の駆動装置ケース(ケース本体)3と、この駆動装置ケース3の開口側を閉塞するケースカバー4とから構成されている。駆動装置ケース3は、ハウジングの側壁部(底壁部)および筒状壁部(側壁部)を構成するものであって、例えば熱可塑性樹脂等の樹脂材料によって所定の形状に一体的に形成されている。また、ケースカバー4は、ハウジングの側壁部(天壁部)を構成するものであって、例えば熱可塑性樹脂等の樹脂材料によって所定の形状に一体的に形成されている。なお、ケースカバー4の側壁部の内壁面には、後記する第1コイルスプリング13のコイル部よりも一端側が係合する凸状のスプリングストッパ部(図示せず)が一体的に形成されている。ここで、上述した一対のモータ用通電端子(ターミナル)21は、駆動装置ケース3の筒状壁部の外壁面に一体的に形成されたコネクタシェル29内に保持されている。そして、一対のモータ用通電端子(ターミナル)21の先端部とコネクタシェル29とで、ドアロック制御回路側のワイヤハーネスの先端側に設けられた雌型コネクタに機械的に、また電気的に接続する雄型コネクタが構成されている。
また、駆動装置ケース3の側壁部(底壁部)の内壁面(底壁面)とケースカバー4の側壁部(天壁部)の内壁面(天壁面)との間には、ドアロック駆動装置の各機能部品、特に動力ユニット(駆動モータ1、歯車減速機構および出力カム2等)、後記するキャンセルレバー8および後記するスプリングホルダー9等を収容する凹形状の機能部品収容部(レバー収容部)30を形成している。また、駆動装置ケース3の開口側に設けられた鍔状の接合端面(取付部)には、ハウジング内部への異物の侵入を防止するためのゴム製の環状シール部材(ガスケット、ゴムパッキン:図示せず)が装着される環状溝31、およびラビリンス構造の通気孔または水抜き孔32が形成されている。すなわち、ハウジングは、ハウジング内部への水の浸入を防止するための防水構造、あるいはハウジング内部に水が溜まるのを防止するための水抜き呼吸構造が施されている。また、駆動装置ケース3には、複数のネジ孔33、34が形成されている。なお、複数のネジ孔33は、ドアロックにハウジングを組み付けるための固定用ねじや固定用ボルト等のスクリューが螺合および挿通する孔である。また、複数のネジ孔34は、駆動装置ケース3の接合端面にケースカバー4の接合端面を組み付けるための固定用ねじや固定用ボルト等のスクリューが螺合および挿通する孔である。
また、駆動装置ケース3の筒状壁部の内壁面には、キャンセルレバー8を一端部の支点を中心にして揺動自在(回転自在)に軸支する略凹形状の軸支部35が一体的に形成されている。この軸支部35は、略C字形状に形成されて、内部にキャンセルレバー8の一端部が着脱自在に嵌め込まれて係合する係合溝36が形成されている。そして、係合溝36の中心軸線方向の一方側は、ケースカバー4の側壁部の内壁面にて閉塞され、また、係合溝36の中心軸線方向の他方側は、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面にて閉塞されている。また、係合溝36の図示上端側の角部よりも図示下端側の角部の方が曲率半径の大きいR部とされている。また、軸支部35の図示下端側の間口近傍には、キャンセルレバー8が円滑に回転動作ができるように所定の曲率半径を持つ半球面形状の突起部37が機能部品収容部30側に突出するように一体的に形成されている。
ここで、ハウジング内部には、出力カム2のオープナカム面またはクローザカム面から駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)を受ける係合ピン5と、この係合ピン5がモータ出力軸トルクを受けると、アンラッチ作動方向またはクローザ作動方向に動作する第1動力伝達レバー(駆動レバー)6と、係合ピン5がモータ出力軸トルクを受けると、クローザ作動方向に動作する第2動力伝達レバー(伝達レバー)7と、モータ出力軸トルクによってドアロックの噛合い機構(例えばラチェット)をフルラッチ状態からアンラッチ状態に自動的に切り替えることが可能なアンラッチ機構と、モータ出力軸トルクによってドアロックの噛合い機構(例えばラッチ)をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に自動的に切り替えることが可能なオートクローザ機構と、このオートクローザ機構のクローザ作動途中で非常事態が発生した場合にオートクローザ機構のクローザ作動を停止または中止(または中断)することが可能な非常時クローザ作動解除機構とが内蔵されている。
係合ピン5は、例えば金属材料によって略円柱形状に一体的に形成されており、出力カム2のオープナカム面またはクローザカム面に係脱自在に係合されている。また、係合ピン5は、第2動力伝達レバー7の円環状部を揺動自在に保持する支持軸であって、出力カム2のオープナカム面またはクローザカム面から駆動モータ1の回転動力を受けると、後記するアンラッチ出力軸(支持軸)11を中心に公転運動を行うピン部材である。この係合ピン5は、第1動力伝達レバー6の先端部に設けられた嵌合孔内に圧入等により保持固定されている。
第1動力伝達レバー6は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)を、アンラッチ機構のアンラッチ作動レバー10に伝達する第1駆動レバーまたは第1伝達レバーとして機能する。この第1動力伝達レバー6の一端部には、アンラッチ機構のアンラッチ出力軸(支持軸)11の外周に揺動自在(相対回転可能)に保持される円環状部が設けられている。なお、この円環状部の内周面とアンラッチ出力軸11の外周面との間には、第1動力伝達レバー6とアンラッチ出力軸11との相対回転が可能なように所定のクリアランスが設けられている。この円環状部の表面上には、第1コイルスプリング13のコイル部が載置されている。
また、第1動力伝達レバー6の先端部(他端部)には、係合ピン5を保持固定(または一体的に形成)するレバー部が設けられている。そのレバー部には、アンラッチ機構のアンラッチ作動レバー10に係脱自在に係合する断面L字状の係合片(第1係合部、第1作用部、突起部)41が一体的に設けられている。この係合片41は、係合ピン5を装着する円環状部の側壁面から外部に突出するように略L字状に設けられている。また、第1動力伝達レバー6のレバー部には、第1コイルスプリング13の一端側を第1動力伝達レバー6の回転方向に摺動可能に保持する円弧形状の保持孔(長穴)42が設けられている。この保持孔42は、第1動力伝達レバー6のレバー部の板厚方向の両端面(表面と裏面)を連通するように第1動力伝達レバー6のレバー部を貫通している。なお、レバー部の一部は、第2減速ギヤ24の板厚方向の一端面(表面)上に重ね合わされている。
そして、第1動力伝達レバー6は、係合ピン5が出力カム2のオープナカム面から第2減速ギヤ24の正転方向の回転出力を受けて、係合ピン5がアンラッチ出力軸11を中心としたアンラッチ作動方向の公転運動を行うと、アンラッチ出力軸(支持軸)11を中心にしてアンラッチ作動方向に回転する。このとき、係合片41がアンラッチ作動レバー10に係合することで、駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)がアンラッチ作動レバー10に伝わる。
第2動力伝達レバー7は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、ケースカバー4の側壁部の内壁面に対向して配置されて、係合ピン5を中心にしてケースカバー4の側壁部の内壁面方向に沿って揺動運動を行う。この第2動力伝達レバー7は、駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)を、オートクローザ機構のクローザ作動レバー14に伝達する第2駆動レバーまたは第2伝達レバーとして機能する。また、本実施例では、駆動モータ1からクローザ作動レバー14への回転動力の伝達を断続するクラッチレバーとして機能する。この第2動力伝達レバー7は、一端部に上記の係合ピン5の外周に揺動自在(相対回転可能)に保持される円環状部が設けられている。なお、この円環状部の内周面と係合ピン5の外周面との間には、係合ピン5と第2動力伝達レバー7との相対回転が可能なように所定のクリアランスが設けられている。また、円環状部には、第1コイルスプリング13の一端を係止するレバー側スプリングフック部(図示せず)が設けられている。
また、第2動力伝達レバー7には、円環状部より一方側に延長された腕状のレバー部が設けられている。このレバー部の先端部(他端部)には、クローザ作動レバー14の凸状の被係合部52に係脱自在に係合するストッパ部(第2係合部、第2作用部)43が設けられている。なお、ストッパ部43は、図示左方向に突出した凸状部、およびこの凸状部よりも凹んだ曲壁部等から構成されている。また、第2動力伝達レバー7のレバー部の先端部(他端部)には、後記するキャンセルレバー8の押圧部64に係脱自在に係合する略円柱形状の係合ピン44が保持固定(または一体的に形成)されている。この係合ピン44は、第2動力伝達レバー7のレバー部の板厚方向の一端面(表面)より一方側(上方側)に突出した凸状の係合部として機能する。
そして、第2動力伝達レバー7は、係合ピン5が出力カム2のクローザカム面から第2減速ギヤ24の逆転方向の回転出力を受けて、係合ピン5がアンラッチ出力軸11を中心としたクローザ作動方向の公転運動を行うと、係合ピン5を中心にしてクローザ作動方向に回転しながら、クローザ作動方向(図示左斜め下方向)に動作する。このとき、ストッパ部43がクローザ作動レバー14に係合することで、駆動モータ1の回転動力(モータ出力軸トルク)がクローザ作動レバー14に伝わる。なお、第2動力伝達レバー7の円環状部およびレバー部の一部は、第2減速ギヤ24の板厚方向の一端面(表面)上に重ね合わされて配置されているが、第2減速ギヤ24の表面から板厚方向の一方側に突出するように設けられた凸状の出力カム2と干渉しない高さに位置するように係合ピン5の外周に回転自在に組み付けられている。
アンラッチ機構は、上記のアンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11、アンラッチ出力レバー12および第1コイルスプリング13等によって構成されている。これらのアンラッチ機構の各構成部品、特にアンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12は、ドアが完全に閉じているフルラッチ状態の時に、第1動力伝達レバー6のアンラッチ作動方向の回転に伴って、アンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向(図示右回転方向)に回転し、ドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に駆動して、ドアを開けることが可能なアンラッチ状態にするアンラッチ機能部品である。
アンラッチ作動レバー10は、例えば金属材料によって一体的に形成されたリンクプレートであって、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面に対向して配置されて、アンラッチ出力軸11を中心にして駆動装置ケース3の側壁部の内壁面方向に沿って揺動運動を行う。このアンラッチ作動レバー10の中央部には、アンラッチ出力軸11の外周に固定される円環状部が設けられている。なお、アンラッチ作動レバー10は、第2減速ギヤ24の板厚方向の一端面(表面)と第1動力伝達レバー6の板厚方向の他端面(裏面)との間に重ね合わされて配置され、出力カム2の表面と干渉しない高さに位置するように、しかも第1動力伝達レバー6と相対回転が可能なようにアンラッチ出力軸11の外周に固定されている。
アンラッチ作動レバー10の円環状部より半径方向の一方側に延長された第1レバー部には、第1動力伝達レバー6の係合片41に係脱自在に係合される被係合部が設けられている。また、アンラッチ作動レバー10の円環状部より半径方向の他方側に延長された第2レバー部には、後記するキャンセルレバー8の係合ピン63に係合する長円形状の係合孔51、および第1コイルスプリング13の他端を係止する円形状の保持孔(レバー側スプリングフック部:図示せず)が形成されている。これらの係合孔51および保持孔は、アンラッチ作動レバー10の第2レバー部の板厚方向の両端面(表面と裏面)を連通するようにアンラッチ作動レバー10の第2レバー部を貫通している。
アンラッチ出力軸11は、例えば金属材料によって略円柱形状に一体的に形成されている。このアンラッチ出力軸11は、その一端部(先端部)が駆動装置ケース3の外壁面より外部に突出した状態で、ハウジングの内部に回転自在に支持されている。このアンラッチ出力軸11の他端側(ハウジング内部に位置する側)の外周には、第1動力伝達レバー6の円環状部が揺動自在(つまりアンラッチ出力軸11に対して相対回転可能)に保持されており、更にアンラッチ作動レバー10の円環状部を保持固定している。したがって、アンラッチ出力軸11は、第1動力伝達レバー6の係合片41がアンラッチ作動レバー10の被係合部に係合して、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ作動レバー10と一体的にアンラッチ作動方向に回転するように構成されている。なお、アンラッチ作動レバー10とアンラッチ出力軸11とを例えば金属材料(または樹脂材料)によって一体化しても良い。
アンラッチ出力レバー12は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動装置ケース3の側壁部の外壁面に対向して配置されて、アンラッチ出力軸11を中心にして駆動装置ケース3の側壁部の外壁面方向に沿って揺動運動を行う。このアンラッチ出力レバー12には、アンラッチ出力軸11の一端部の外周に保持固定される円環状部(図示せず)が設けられている。また、アンラッチ出力レバー12には、ドアロックのラチェットをアンラッチ作動方向に駆動する際に、ドアロックのラチェットのレシーブ部に係合する第1係合部(第1作用部)、および手動操作手段にワイヤーを介して接続されるレシーブ部(いずれも図示せず)が設けられている。
なお、手動操作手段は、アンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12をアンラッチ作動方向に回転させる手動操作力を発生するための例えばアウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作部である。また、アンラッチ出力軸11とアンラッチ出力レバー12とを例えば金属材料(または樹脂材料)によって一体化しても良い。また、アンラッチ出力レバー12は、駆動装置ケース3の側壁部の外壁面と干渉しない高さに位置するようにアンラッチ出力軸11の一端部の外周に固定されている。
第1コイルスプリング13は、アンラッチ作動時に、アンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12をアンラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するアンラッチリターンスプリング機能と、フルラッチ作動時に、第1動力伝達レバー6をフルラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するフルラッチリターンスプリング機能と、クローザ作動時に、第1、第2動力伝達レバー6、7をクローザ作動方向の動作の完了位置から中立位置側に戻す方向に付勢するクローザリターンスプリング機能と、クローザ作動解除時に、第1、第2動力伝達レバー6、7をクローザ作動解除位置から中立位置側に戻す方向に付勢するクローザ作動解除リターンスプリング機能とを兼ね備えた1本のコイルスプリングである。
そして、第1コイルスプリング13のコイル内径(内周)およびコイル外径(外周)は、後記するスプリングホルダー9の第1スプリングガイドにガイドされている。この第1コイルスプリング13のコイル部よりも一端側は、ケースカバー4の内壁面の面方向に沿うようにコイル部の半径方向に直線状に延長されて、その端部が略直交する方向に折り曲げられて、ケースカバー4の凸状のスプリングストッパ部に係合し、且つ前述の第1動力伝達レバー6の保持孔42を貫通した状態で第1動力伝達レバー6の保持孔42に係合し、その先端(一端)が第2動力伝達レバー7のレバー側スプリングフック部に保持されている。また、第1コイルスプリング13の他端は、アンラッチ作動レバー10の保持孔に係止されている。
オートクローザ機構は、上記のクローザ作動レバー14、クローザ出力軸15、クローザ出力レバー16および第2コイルスプリング17等によって構成されている。これらのオートクローザ機構の各構成部品、特にクローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16は、ドアが完全に閉じていないハーフラッチ状態(半ドア状態)の時に、第2動力伝達レバー7のクローザ作動方向の動作に伴って、クローザ出力軸15を中心にしてクローザ作動方向(図示左回転方向)に回転し、ドアロックのラッチをクローザ作動方向に駆動して、ドアを完全に閉じるフルラッチ状態にするオートクローザ機能部品である。
クローザ作動レバー14は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面に対向して配置されて、クローザ出力軸15を中心にして駆動装置ケース3の側壁部の内壁面方向に沿って揺動運動を行う。このクローザ作動レバー14の一端部には、クローザ出力軸15の外周に固定される円環状部が設けられている。この円環状部の外周には、第2コイルスプリング17のコイル部が取り付けられている。このクローザ作動レバー14の円環状部より半径方向の一方側に延長されたレバー部には、第2動力伝達レバー7のストッパ部43に係脱自在に係合される凸状の被係合部52が設けられている。また、クローザ作動レバー14のレバー部は、キャンセルレバー8の板厚方向の他端面(裏面)側に重ね合わされて配置され、キャンセルレバー8の裏面と干渉しない高さに位置するようにクローザ出力軸15の外周に保持固定されている。
クローザ出力軸15は、例えば金属材料によって略円柱形状に一体的に形成されている。このクローザ出力軸15は、その一端部(先端部)が駆動装置ケース3の外壁面より外部に突出した状態で、ハウジングの内部に回転自在に支持されている。このクローザ出力軸15の他端側(ハウジング内部に位置する側)の外周には、クローザ作動レバー14の円環状部が保持固定されている。したがって、クローザ出力軸15は、第2動力伝達レバー7のストッパ部43がクローザ作動レバー14の被係合部52に係合して、クローザ作動レバー14がクローザ出力軸15を中心にしてクローザ作動方向に回転すると、クローザ作動レバー14と一体的にクローザ作動方向に回転するように構成されている。なお、クローザ作動レバー14とクローザ出力軸15とを例えば金属材料(または樹脂材料)によって一体化しても良い。
クローザ出力レバー16は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、駆動装置ケース3の側壁部の外壁面に対向して配置されて、クローザ出力軸15を中心にして駆動装置ケース3の側壁部の外壁面方向に沿って揺動運動を行う。このクローザ出力レバー16は、クローザ出力軸15の一端部の外周に保持固定される円環状部(図示せず)が設けられている。また、クローザ出力レバー16には、ドアロックのラッチをクローザ作動方向に駆動する際に、ドアロックのラッチのレシーブ部に係合する第2係合部(第2作用部:図示せず)が設けられている。なお、クローザ出力軸15とクローザ出力レバー16とを例えば金属材料(または樹脂材料)によって一体化しても良い。また、クローザ出力レバー16は、駆動装置ケース3の側壁部の外壁面と干渉しない高さに位置するようにクローザ出力軸15の一端部の外周に固定されている。
第2コイルスプリング17は、フルラッチ作動時に、クローザ作動レバー14、クローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16をフルラッチ位置から中立位置側に戻す方向に付勢するフルラッチリターンスプリング機能と、クローザ作動解除時に、キャンセルレバー8をクローザ作動解除位置から初期位置側(中立位置側)に戻す方向に付勢するキャンセルレバーリターンスプリング機能とを兼ね備えた1本のコイルスプリングである。
第2コイルスプリング17のコイル内径(内周)およびコイル外径(外周)は、後記するスプリングホルダー9の第2スプリングガイドにガイドされている。この第2コイルスプリング17の一端は、第2コイルスプリング17のコイル部よりも一端側は、略直交する方向に折り曲げられて、後記するスプリングホルダー9の第2貫通孔72aを貫通した後に、その先端(一端)が上述したように、クローザ作動レバー14のレバー側スプリングフック部に保持されている。また、第2コイルスプリング17の他端は、キャンセルレバー8の円形状の保持孔(レバー側スプリングフック部)67に係止されている。
非常時クローザ作動解除機構は、上記のアンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11、アンラッチ出力レバー12およびキャンセルレバー8等によって構成されている。これらのうちキャンセルレバー8は、例えば金属材料によって一体的に形成されており、ケースカバー4の側壁部の内壁面に対向して配置されて、支点を中心にしてケースカバー4の側壁部の内壁面方向に沿って揺動運動を行う。また、キャンセルレバー8の一端部には、駆動装置ケース3の筒状壁部に形成された略凹形状の軸支部35の係合溝36に嵌め合わされて揺動自在(回転自在)に軸支される被軸支部61が設けられている。なお、軸支部35の側方(図示右方向)は、上記の機能部品収容部30と連通するように開口している。この開口部、つまり軸支部35の図示上端側と突起部37との間に形成される開口部の間口は、被軸支部61が機能部品収容部30側に抜け出さないようにするために、被軸支部61の最大寸法よりも狭くなっている。
このキャンセルレバー8のレバー部の先端部(他端部)には、アンラッチ作動レバー10の係合孔51に駆動連結する略円柱形状の係合ピン63が保持固定(または一体的に形成)されている。また、キャンセルレバー8のレバー部の図示上側の側壁面には、手動操作力を受けて、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ作動方向に回転すると、第2動力伝達レバー7の係合ピン44を係脱自在に押圧するための押圧部64が設けられている。また、キャンセルレバー8の押圧部64と駆動装置ケース3の軸支部35に保持される被軸支部61との間には、クローザ作動時に、第2動力伝達レバー7の係合ピン44がキャンセルレバー8の側壁面に干渉することなくクローザ作動方向に第2動力伝達レバー7が移動できるような凹形状の逃げ部65が形成されている。
なお、クローザ作動を解除する時以外は、第2コイルスプリング17の付勢力によって、キャンセルレバー8の図示下端側の側壁面が、駆動装置ケース3の筒状壁部の側壁面(内壁面)およびクローザ作動レバー14の円環状部の外周面に当接した初期位置で係止されるように構成されている。また、被軸支部61とレバー部とを連結する略L字状部66には、駆動装置ケース3の突起部37に干渉しないように所定の曲率半径を持つ半球面状の壁面が形成されている。また、レバー部には、第2コイルスプリング17の他端を係止する円形状の保持孔(レバー側スプリングフック部)67が形成されている。この保持孔67は、キャンセルレバー8のレバー部の板厚方向の両端面(表面と裏面)を連通するようにキャンセルレバー8のレバー部を貫通している。
そして、キャンセルレバー8は、アンラッチ作動レバー10が手動操作力を受けてアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に回転すると、被軸支部61の支点を中心にして図示左回転することにより、押圧部64が第2動力伝達レバー7の係合ピン44に係合して第2動力伝達レバー7をクローザ作動レバー14の回転動作範囲外まで押し出して第2動力伝達レバー7のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部52との駆動連結を解除する。なお、キャンセルレバー8は、アンラッチ作動レバー10の板厚方向の一端面(表面)上、およびクローザ作動レバー14の板厚方向の一端面(表面)上に重ね合わされて配置され、アンラッチ作動レバー10の表面およびクローザ作動レバー14の表面と干渉しない高さに位置するように軸支部35に回転自在に支持されている。
スプリングホルダー9は、図1(a)、(b)および図2に示したように、例えば熱可塑性樹脂等の樹脂材料によって所定の形状に一体的に形成された樹脂プレート(機能部材)であって、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面上、特に第1動力伝達レバー6の板厚方向の一端面(表面)上およびキャンセルレバー8の板厚方向の他端面(裏面)とクローザ作動レバー14の板厚方向の一端面(表面)との間に配置されている。なお、第1動力伝達レバー6およびクローザ作動レバー14は、スプリングホルダー9の板厚方向の他端面(裏面)上を摺動自在に移動可能とされ、あるいはスプリングホルダー9の裏面と干渉しない高さに位置するように組み付けられている。また、キャンセルレバー8は、スプリングホルダー9の板厚方向の一端面(表面)上を摺動自在に移動可能とされている。
スプリングホルダー9は、第1スプリングガイド機能を有する第1スプリングホルダー部71と、第2スプリングガイド機能を有する第2スプリングホルダー部72と、キャンセルレバー異音防止機能を有する弾性部73とを備えている。第1スプリングホルダー部71は、キャンセルレバー異音防止機能とは異なる機能を有する第1機能部品を構成している。この第1スプリングホルダー部71には、第1動力伝達レバー6の円環状部の外周に摺動自在に嵌め合わされる円形状の第1嵌合穴91が形成されている。また、第1嵌合穴91の周囲には、円弧状の第1貫通孔71aが形成されている。また、第1スプリングホルダー部71の板厚方向の他端面(裏面)からは、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面に設けられた第1嵌合溝(図示せず)内に圧入等により保持固定される略円柱形状の第1嵌合凸部71bが突出している。
さらに、第1スプリングホルダー部71には、第1コイルスプリング13のコイル内径(内周)をガイドする略円弧状の第1スプリングガイド92、および第1コイルスプリング13のコイル外径(外周)をガイドする円弧状の第1スプリングガイド93が第1スプリングホルダー部71の板厚方向の一端面(表面)より上方側(ケースカバー4側)に突出するように設けられている。なお、第1スプリングガイド92、93には、第1コイルスプリング13のコイル部を第1スプリングホルダー部71の表面上に組み付けた後に、第1コイルスプリング13のコイル部が軸方向に浮き上がるのを防止するための複数の第1爪状部92a、93aが設けられている。すなわち、複数の第1爪状部92a、93aは、第1コイルスプリング13のコイル部のスラスト方向のスプリングガイド機能を有している。
第2スプリングホルダー部72は、キャンセルレバー異音防止機能とは異なる機能を有する第2機能部品を構成している。この第2スプリングホルダー部72には、アンラッチ作動レバー10の円環状部の外周に摺動自在に嵌め合わされる円形状の第2嵌合穴94が形成されている。また、第2嵌合穴94の周囲には、円弧状の第2貫通孔72aが形成されている。なお、第2貫通孔72aは、上述したように、第2コイルスプリング17の一端側を摺動可能に保持する円弧形状の保持孔(長穴)を構成する。また、その円環板部の板厚方向の他端面(裏面)からは、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面に設けられた第2嵌合溝(図示せず)内に圧入等により保持固定される略円柱形状の第2嵌合凸部72bが突出している。
さらに、第2スプリングホルダー部72には、第2コイルスプリング17のコイル内径(内周)をガイドする略円弧状の第2スプリングガイド95、および第2コイルスプリング17のコイル外径(外周)をガイドする円弧状の第2スプリングガイド96が第2スプリングホルダー部72の板厚方向の一端面(表面)より上方側(ケースカバー4側)に突出するように設けられている。なお、第2スプリングガイド96には、第2コイルスプリング17のコイル部を第2スプリングホルダー部72の表面上に組み付けた後に、第1コイルスプリング13のコイル部が軸方向に浮き上がるのを防止するための複数の第2爪状部96aが設けられている。すなわち、複数の第2爪状部96aは、第2コイルスプリング17のコイル部のスラスト方向のスプリングガイド機能を有している。
弾性部73は、第1、第2スプリングホルダー部71、72を連結する連結板(連結部)74の図示上端部から図示上方に突出するように樹脂一体成形されて、キャンセルレバー8を、ケースカバー4の側壁部の内壁面に弾性変形力を用いて押し付ける弾性体(キャンセルレバー弾性保持機構)として機能(キャンセルレバー異音防止機能)する。そして、弾性部73は、連結板74の設置位置(ベース位置)からケースカバー4の側壁部の内壁面側に反り返るような平板形状に形成されており、弾性部73の板厚方向の一端面の法線方向がキャンセルレバー8の回転方向の一方側に向けてキャンセルレバー8の板厚方向の他端面(裏面)に徐々に近づくように、所定の角度を持って傾いている。そして、弾性部73の自由端の先端には、キャンセルレバー8の裏面に常時接触する接触子75が設けられている。また、弾性部73の板厚方向の一端面(表面)の面形状がキャンセルレバー8の回転動作軌跡に沿うように所定の曲率を持って略円弧状に湾曲している。なお、連結板74の板厚方向の一端面(表面)または両端面(表面および裏面)には、第1スプリングホルダー部71と同一平面上に位置し、且つ第2スプリングホルダー部72および連結板74よりも上方に突出している凸状の補強リブ74aが樹脂一体成形されている。また、連結板74の板厚方向の他端面(裏面)からは、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面に設けられた第3嵌合溝(図示せず)内に圧入等により保持固定される略円柱形状の第3嵌合凸部74bが突出している。
ここで、スプリングホルダー9の材質としては、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のうちのいずれかの熱可塑性樹脂を用いても良い。また、スプリングホルダー9は、ドアロック駆動装置の各機能部品が摺動する。具体的には、スプリングホルダー9の第1、第2スプリングホルダー部71、72と、第1、第2コイルスプリング13、17のコイル内径およびコイル外径との間に、両者の相対運動における摺動抵抗が生じる。また、スプリングホルダー9の第1、第2スプリングホルダー部71、72と、第1動力伝達レバー6の板厚方向の一端面(表面)および円環状部の外周面、アンラッチ作動レバー10の板厚方向の一端面(表面)および円環状部の外周面との間に、両者の相対運動における摺動抵抗が生じる。
また、弾性部73の接触子75と、キャンセルレバー8の板厚方向の他端面(裏面)との間に、両者の相対運動における摺動抵抗が生じる。このため、これらの摺動抵抗を低下させるための潤滑剤を、スプリングホルダー9に塗布またはコーティング、あるいは熱可塑性樹脂に潤滑剤を配合または混合しても良い。なお、潤滑剤としては、フッ素系樹脂、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリ三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリ四フッ化−六フッ化エチレン(FEP)、エチレン−四フッ化エチレン樹脂(ETFE)、四フッ化−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂(PFA)のうちのいずれか1つ以上の低摺動抵抗材料が望ましい。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のドアロック駆動装置の作動を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
イ)ドアロック駆動装置のアンラッチ機能
ドア閉状態から乗員がドアを開くためにドア開スイッチをONすると、モータ通電回路に電流が流れて(駆動モータ通電ON)、駆動モータ1のモータシャフト19が正転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)がピニオンギヤ22→第1減速ギヤ23→第2減速ギヤ24を経て出力カム2に伝達される。そして、出力カム2が正転方向へ回転すると、係合ピン5がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に公転運動する。
具体的には、係合ピン5が出力カム2のオープナカム面に沿って外側へ動かされて第1動力伝達レバー6がアンラッチ作動方向(図示右回転方向)に回転して、第1動力伝達レバー6の係合片41がアンラッチ作動レバー10の被係合部に係合して、第1動力伝達レバー6の係合片41とアンラッチ作動レバー10の被係合部とが駆動連結状態(係合状態)となる。そして、更に第1動力伝達レバー6がアンラッチ作動方向に回転することにより、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向(図示右回転方向)に正規の回転角度だけ回転する。そして、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12もアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向(図示右回転方向)に回転する。
また、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ作動レバー10の係合孔51に常時係合する係合ピン63を保持固定したキャンセルレバー8が、スプリングホルダー9の弾性部73の接触子75に摺接しながら、被軸支部61の支点を中心にしてクローザ作動解除方向(図示左回転方向)に回転し、キャンセルレバー8の押圧部64が第2動力伝達レバー7の係合ピン44に係合する。そして、更にキャンセルレバー8がクローザ作動解除方向に回転することにより、第2動力伝達レバー7が係合ピン5を中心にして跳ね上げられて(図示右回転方向に回転して)、第2動力伝達レバー7がクローザ作動レバー14の回転動作範囲外まで押し出され、第2動力伝達レバー7のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部52との駆動連結(係合状態)が解除される。
したがって、出力カム2から第2動力伝達レバー7を介してクローザ作動レバー14に駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)が伝わらず、第2コイルスプリング17の付勢力によってクローザ作動レバー14、クローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16は中立位置より動かない。この結果、アンラッチ出力レバー12の第1係合部(第1作用部)がドアロックのラチェットのレシーブ部を押圧して、ラチェットを支軸を中心にしてアンラッチ作動方向に駆動する。これによって、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのフルラッチ用係合爪から外れることにより、ラッチスプリングに付勢されたラッチが初期位置へ戻ろうとし、ドアを開くことが可能なアンラッチ状態となる。
このとき、出力カム2または第2減速ギヤ24がアンラッチ位置まで回転したことを検出すると、モータ通電回路の電流の流れ方向が切り替えられて、駆動モータ1のモータシャフト19が逆転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)がピニオンギヤ22→第1減速ギヤ23→第2減速ギヤ24を経て出力カム2に伝達される。そして、出力カム2が逆転方向へ回転すると、係合ピン5が出力カム2のオープナカム面に沿って内側へ動かされて第1動力伝達レバー6が図示左回転方向に回転して中立点に戻される。そして、このようなアンラッチ作動完了後には、第1コイルスプリング13の付勢力によってアンラッチ作動レバー10およびアンラッチ出力レバー12がアンラッチ出力軸11を中心にして図示左回転方向に回転するため、アンラッチ作動レバー10およびアンラッチ出力レバー12も中立点に戻される。
一方、第1コイルスプリング13の付勢力によるアンラッチ作動レバー10の図示左回転方向の回転に伴ってキャンセルレバー8が、スプリングホルダー9の弾性部73の接触子75に摺接しながら、被軸支部61の支点を中心にして図示右回転方向に回転する。さらに、第2動力伝達レバー7も係合ピン5を中心にして図示左回転方向に回転して、第2動力伝達レバー7およびキャンセルレバー8も中立点(初期位置)に戻される。そして、出力カム2または第2減速ギヤ24がアンラッチ位置から中立位置まで戻されたことを検出すると、駆動モータ1への通電が終了する(駆動モータ通電OFF)。
ロ)ドアロック駆動装置のオートクローザ機能
図1に示したドア開状態(中立位置)から乗員がドアを閉じようとすると、ストライカがラッチの嵌合溝に進入してラッチが回転することにより、ラッチのハーフラッチ用係合爪がラチェットの係合爪と係合してハーフラッチ状態(ドアが完全に閉鎖していない半ドア状態)となる。このハーフラッチ状態となると、ハーフラッチスイッチがONすることで、モータ通電回路に電流が流れて(駆動モータ通電ON)、駆動モータ1が逆転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)がピニオンギヤ22→第1減速ギヤ23→第2減速ギヤ24を経て出力カム2に伝達される。
そして、出力カム2が逆転方向へ回転すると、係合ピン5がアンラッチ出力軸11を中心にしてクローザ作動方向に公転運動する。具体的には、係合ピン5が出力カム2のクローザカム面に沿って外側へ動かされ、更に出力カム2のクローザカム面の外壁面に沿って動かされて、第1動力伝達レバー6がクローザ作動方向(図示左回転方向)にゆっくりと回転し、更にその係合ピン5に駆動連結された第2動力伝達レバー7がクローザ作動方向(図示左側方向)に動作する。ここで、ハーフラッチ状態の時には、第2動力伝達レバー7のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部52とが駆動連結可能に係合しているので、第2動力伝達レバー7のクローザ作動方向の動作に伴って、クローザ作動レバー14が第2動力伝達レバー7のストッパ部43に押されて、クローザ作動レバー14がクローザ出力軸15を中心にしてクローザ作動方向(図示左回転方向)に回転する。
一方、第1動力伝達レバー6がクローザ作動方向に回転する際には、第1動力伝達レバー6の係合片41がアンラッチ作動レバー10の被係合部から離脱して、第1動力伝達レバー6の係合片41とアンラッチ作動レバー10の被係合部との駆動連結状態(係合状態)が解除される。したがって、出力カム2から第1動力伝達レバー6を介してアンラッチ作動レバー10に駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)が伝わらず、第1コイルスプリング13の付勢力によってアンラッチ出力レバー12は中立位置より動かない。このとき、アンラッチ作動レバー10も中立位置から動かないので、キャンセルレバー8も中立位置(初期位置)から動かず、第2動力伝達レバー7からクローザ作動レバー14への、駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)の伝達を阻止することはない。
これにより、第2動力伝達レバー7のクローザ作動方向の動作に伴って、クローザ作動レバー14がクローザ作動方向に回転すると、クローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16もクローザ出力軸15を中心にしてクローザ作動方向(図示左回転方向)に回転する。この結果、クローザ出力レバー16の第2係合部(第2作用部)がドアロックのラッチのレシーブ部を押圧して、ラッチを支軸を中心にしてクローザ作動方向に動かす。これにより、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのハーフラッチ用係合爪から外れてフルラッチ用係合爪に係合することにより、ドアを完全に閉鎖するフルラッチ状態となる。
このとき、出力カム2または第2減速ギヤ24がフルラッチ位置まで回転したことを検出すると、モータ通電回路の電流の流れ方向が切り替えられて、駆動モータ1のモータシャフト19が正転方向に回転する。そして、駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)がピニオンギヤ22→第1減速ギヤ23→第2減速ギヤ24を経て出力カム2に伝達される。そして、出力カム2が正転方向へ回転すると、係合ピン5が出力カム2のクローザカム面に沿って内側へ動かされて第1動力伝達レバー6が図示右回転方向に回転して中立点に戻される。一方、係合ピン5の公転運動に伴って係合ピン5に駆動連結された第2動力伝達レバー7が図示右側方向に動作して中立点に戻される。そして、出力カム2または第2減速ギヤ24がフルラッチ位置から中立位置まで戻されたことを検出すると、駆動モータ1への通電が終了する(駆動モータ通電OFF)。
ハ)ドアロック駆動装置の非常時クローザ作動解除機能
上述したように、図2に示したドア開状態(中立位置)から乗員がドアを閉じようとして、半ドア状態(ハーフラッチ状態)となると、ハーフラッチスイッチがONすることで、モータ通電回路に電流が流れて、駆動モータ1のモータシャフト19が逆転方向に回転して、出力カム2が逆転方向へ回転する途中で、すなわち、ドアロック駆動装置のクローザ作動途中で、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、乗員がクローザ作動を中止するためにアウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作手段を手動操作する。すると、レシーブ部がその手動操作手段にワイヤーを介して接続されるアンラッチ出力レバー12がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に回転する。そして、アンラッチ出力レバー12がアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ作動レバー10もアンラッチ作動方向に回転する。
一方、アンラッチ作動レバー10がアンラッチ作動方向に回転すると、アンラッチ作動レバー10の係合孔51とキャンセルレバー8の係合ピン63とが常時駆動連結されているため、キャンセルレバー8が、スプリングホルダー9の弾性部73の接触子75に摺接しながら、被軸支部61の支点を中心にして図示左回転方向に回転する。すなわち、キャンセルレバー8が被軸支部61を中心にしてクローザ作動解除方向(図示左回転方向)に回転して、キャンセルレバー8の押圧部64が第2動力伝達レバー7の係合ピン44に係合する。そして、更にキャンセルレバー8がクローザ作動解除方向に回転すると、キャンセルレバー8のクローザ作動解除方向の回転に伴って、つまり押圧部64の図示左上方への移動に伴って第2動力伝達レバー7が係合ピン5を中心にして跳ね上げられて(図示右回転方向に回転して)、第2動力伝達レバー7がクローザ作動レバー14の回転動作範囲(揺動範囲)外まで押し出され、第2動力伝達レバー7のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部52との駆動連結状態(係合状態)が解除される。
したがって、出力カム2から第2動力伝達レバー7を介してクローザ作動レバー14に駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)が伝わらず、第2コイルスプリング17の付勢力によってクローザ作動レバー14、クローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16は中立位置に戻される。この結果、ドアロック駆動装置のクローザ作動途中で、ドアに手や指等の乗員の身体を挟んだり、物や乗員の衣服を挟んだりする等の非常事態が発生した場合には、アンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)の手動操作力をアンラッチ出力レバー12に与え、このアンラッチ出力レバー12に与えられた手動操作力をアンラッチ出力軸11およびアンラッチ作動レバー10を介してキャンセルレバー8に伝える。
これにより、キャンセルレバー8を被軸支部61の支点を中心にしてクローザ作動解除方向に回転させることによって、第2動力伝達レバー7のストッパ部43とクローザ作動レバー14の被係合部52との駆動連結状態(係合状態)を解除することで、出力カム2から第2動力伝達レバー7を介してクローザ作動レバー14に駆動モータ1のモータシャフト19の回転出力(モータ出力軸トルク)が伝わらなくなり、ドアロックのラッチのクローザ作動を解除することができる。その上、アンラッチ出力レバー12がドアロックのラチェットを支軸を中心にしてアンラッチ作動方向(=クローザ作動解除方向)に動かすことができる。
この結果、ドアロックのラチェットの係合爪がラッチのフルラッチ用係合爪から外れ、ラッチスプリングに付勢されたラッチが初期位置へ戻ろうとし、ドアを開くことが可能なアンラッチ状態となるので、ドアロック駆動装置の品質、安全性および信頼性を向上することができる。そして、乗員がアウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作手段より手を離した時、つまりクローザ作動解除完了時には、第1コイルスプリング13の付勢力によって、アンラッチ作動レバー10、第1、第2動力伝達レバー6、7がクローザ作動解除位置から中立位置に戻される。一方、第2コイルスプリング17の付勢力によって、キャンセルレバー8がクローザ作動解除位置から中立位置(初期位置)に戻される。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のドアロック駆動装置においては、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面とケースカバー4の側壁部の内壁面との間に形成される凹形状の機能部品収容部30内に、駆動装置ケース3の筒状壁部に設けた略凹形状の軸支部35の係合溝36内に嵌め込まれて揺動自在(回転自在)に軸支される被軸支部61の支点を中心にした、駆動装置ケース3の側壁部の内壁面方向に平行な方向、つまり自身の板厚方向に対して略直交する自身の板面方向への回転動作を行う板状のキャンセルレバー8を収容している。そして、第1スプリングガイド機能を有する第1スプリングホルダー部71と、第2スプリングガイド機能を有する第2スプリングホルダー部72とを兼ね備えたスプリングホルダー9の連結板74の図示上端部から図示上方に突出するように、キャンセルレバー異音防止機能を有する弾性部73を樹脂一体成形している。
これにより、一端部(被軸支部61)が駆動装置ケース3の軸支部35に揺動自在に軸支されたキャンセルレバー8は、弾性部73の弾性変形力を用いてケースカバー4の側壁部の内壁面に押し付けられる。この結果、キャンセルレバー8の板厚方向の一端面(表面)とケースカバー4の側壁部の内壁面との間に、キャンセルレバー8の円滑な回転動作を確保することが可能なクリアランスが設けられている場合でも、キャンセルレバー8が駆動装置ケース3とケースカバー4との間に形成される機能部品収容部30内で振れることを抑えることができるので、異音の発生を防止することができる。
また、キャンセルレバー異音防止機能を有する弾性部73は、連結板74の設置位置(ベース位置)からケースカバー4の側壁部の内壁面側に反り返るような平板形状に形成されており、弾性部73の板厚方向の一端面の法線方向がキャンセルレバー8の回転方向の一方側に向けてキャンセルレバー8の板厚方向の他端面(裏面)に徐々に近づくように、所定の角度を持って傾いている。これにより、キャンセルレバー8が中立位置(初期位置、最小回転角度位置)からクローザ作動解除位置(回転動作位置、最大回転角度位置)まで円滑に回転動作できる。したがって、キャンセルレバー8の円滑な回転動作を阻害することなく、異音の発生を防止することができる。
また、キャンセルレバー異音防止機能を有する弾性部73の自由端の先端に、キャンセルレバー8の裏面に常時接触する接触子75を設けている。これにより、第2コイルスプリング17の付勢力によってキャンセルレバー8がクローザ作動解除位置から中立位置に戻される場合に、弾性部73の接触子75に引っ掛かることはない。したがって、キャンセルレバー8の円滑な回転動作を阻害することなく、異音の発生を防止することができる。また、キャンセルレバー異音防止機能を有する弾性部73の板厚方向の一端面(表面)の面形状がキャンセルレバー8の回転動作軌跡に沿うように所定の曲率を持って略円弧状に湾曲している。これにより、弾性部73の板幅方向の寸法を必要最小限とすることができるので、弾性部73の製造コストを低減することができる。
また、駆動装置ケース3とケースカバー4との間に形成される凹形状の機能部品収容部30内に、第1、第2動力伝達レバー6、7を中立位置側に戻す方向に付勢すると共に、アンラッチ機構、特にアンラッチ作動レバー10を中立位置に戻す方向に付勢する第1コイルスプリング13と、キャンセルレバー8、オートクローザ機構、特にクローザ作動レバー14を中立位置側に戻す方向に付勢する第2コイルスプリング17と、第1コイルスプリング13のコイル内径およびコイル外径をガイドする第1スプリングガイド機能と第2コイルスプリング17のコイル内径およびコイル外径をガイドする第2スプリングガイド機能とを兼ね備えたスプリングホルダー(機能部品)9とを収容している。
このスプリングホルダー9は、駆動装置ケース3、ケースカバー4、第1、第2動力伝達レバー6、7、キャンセルレバー8、アンラッチ作動レバー10およびクローザ作動レバー14のいずれのドアロック駆動装置の各機能部品に対しても独立した別部品にて設けられている。そして、キャンセルレバー異音防止機能を有する弾性部73を、スプリングホルダー9の連結板74に樹脂一体成形することで一体的に設けることにより、スプリングホルダー9と弾性部73とを別々に設けた場合と比べて、部品点数や組付工数を削減することができる。また、弾性部73を保持する機能を有する機能部品と、第1、第2スプリングガイド機能を有するスプリングホルダー9とを別々に設けた場合と比べて、部品点数や組付工数を削減することができる。したがって、ドアロック駆動装置のキャンセルレバー弾性保持機構(キャンセルレバー異音防止装置)を非常に少ない部品点数で構成できるので、コストダウンを図ることができる。また、スプリングホルダー9を樹脂化した場合には、ドアロック駆動装置の軽量化および低コスト化を図ることができ、且つ生産性を向上することができる。
[変形例]
本実施例では、出力カム2のオープナカム面から係合ピン5が第2減速ギヤ24の正転方向(アンラッチ作動方向)の回転出力を受けてアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向に公転運動を行うとアンラッチ作動方向に動作する第1動力伝達レバー6と、出力カム2のクローザカム面から係合ピン5が第2減速ギヤ24の逆転方向(クローザ作動方向)の回転出力を受けてアンラッチ出力軸11を中心にしてクローザ作動方向に公転運動を行うとクローザ作動方向に動作する第2動力伝達レバー7とを別体で構成したが、第1動力伝達レバー6と第2動力伝達レバー7とを1つの動力伝達レバーで構成しても良い。
本実施例では、アンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11およびアンラッチ出力レバー12を別部品で構成したが、アンラッチ作動レバー10またはアンラッチ出力レバー12を、アンラッチ出力軸11に一体的に形成しても良い。また、本実施例では、クローザ作動レバー14、クローザ出力軸15およびクローザ出力レバー16を別部品で構成したが、クローザ作動レバー14またはクローザ出力レバー16を、クローザ出力軸15に一体的に形成しても良い。また、本実施例では、第1スプリングガイド機能と第2スプリングガイド機能とキャンセルレバー異音防止機能(弾性部73)とを兼ね備えたスプリングホルダー9を用いているが、第1スプリングガイド機能または第2スプリングガイド機能のいずれか一方のみのスプリングガイド機能とキャンセルレバー異音防止機能とを兼ね備えたスプリングホルダーを用いても良い。
本実施例では、アウターハンドルまたはインナーハンドル等の手動操作手段に、ワイヤーを介してアンラッチ出力レバー12のレシーブ部が接続され、アンラッチ作動方向の手動操作力がアウターハンドルまたはインナーハンドル、ワイヤーを介してアンラッチ出力レバー12に入力されるように構成されているが、手動操作手段とキャンセルレバー8またはアンラッチ作動レバー10またはアンラッチ出力軸11とを直接接続し、アンラッチ作動方向の手動操作力がアンラッチ出力軸11またはアンラッチ作動レバー10またはキャンセルレバー8に直接入力されるように構成しても良い。また、手動レバー等の手動操作手段の操作に応じて、アンラッチ作動レバー10、アンラッチ出力軸11、アンラッチ出力レバー12よりなるアンラッチ機構を電気的に駆動する駆動モータ等の駆動装置を設け、その駆動装置によりアンラッチ作動方向の操作力をキャンセルレバー8またはアンラッチ作動レバー10またはアンラッチ出力軸11またはアンラッチ出力レバー12に入力するように構成しても良い。
本実施例では、第2減速ギヤ24が中立位置からアンラッチ位置またはフルラッチ位置まで回転したことを検出すると、モータ通電回路の電流の流れ方向を切り替えて、駆動モータ1のモータシャフト19の回転方向を逆転させるようにして、第2減速ギヤ24および出力カム2を中立位置に戻しているが、第2減速ギヤ24が中立位置からアンラッチ位置またはフルラッチ位置を経て中立位置に戻るまで1回転させるようにしても良い。また、本実施例では、駆動モータ1のモータシャフト19および第2減速ギヤ24の正転方向または逆転方向の回転出力を出力カム2のカム面を介して第1動力伝達レバー6および第2動力伝達レバー7に伝えるように構成したが、出力カム2を廃止して、駆動モータ1の正転方向または逆転方向の回転出力を係合ピン5に直接伝えるように構成しても良い。
本実施例では、係合ピン5がアンラッチ出力軸11を中心にしてアンラッチ作動方向またはクローザ作動方向に公転運動を行うように構成したが、係合ピン5がアンラッチ出力軸11とは別体の支持軸を中心にしてアンラッチ作動方向またはクローザ作動方向に公転運動を行うように構成しても良い。また、係合ピン5を第1動力伝達レバー6の先端部に保持固定したが、係合ピン5を第1動力伝達レバー6の機能を有しないリンクプレートの先端部に保持固定しても良い。また、ドアロック駆動装置からアンラッチ機構を取り除いて、オートクローザ機構のみでドアロック駆動装置を構成しても良い。
本実施例では、スプリングホルダー9を樹脂化して、弾性体(弾性部73)を樹脂一体成形しているが、スプリングホルダー9を金属材料によって一体化して、弾性体(弾性部73)を一体的に形成しても良い。この場合には、弾性体(弾性部73)は、板ばねとして機能する。また、このような板ばねやスプリングバック機能を有する金属板を、樹脂化された機能部品にインサート成形して一体化しても良い。また、板状のリンクレバーの支持軸を廃止して、一端部(または中間部)に設けた被軸支部が、駆動装置ケース3(またはケースカバー4)に樹脂一体成形された軸支部に揺動自在に保持されるように構成されたキャンセルレバー8等の板状のリンクレバーを、弾性体(弾性部73)の弾性変形力を用いて駆動装置ケース3の側壁部の内壁面に押し付けるようにしても良い。また、弾性体(弾性部73)が駆動装置ケース3の側壁部の内壁面またはケースカバー4の側壁部の内壁面に樹脂一体成形またはインサート成形されていても良い。この場合には、機能部品が駆動装置ケース3またはケースカバー4となる。
(a)はキャンセルレバー弾性保持機構を示した断面図で、(b)はスプリングホルダーを示した平面図である(実施例1)。 ドアロック駆動装置の全体構成を示した平面図である(実施例1)。 ドアロック駆動装置のクローザ作動途中を示した作動説明図である(比較例1)。 ドアロック駆動装置のクローザ作動解除途中を示した作動説明図である(比較例1)。 ドアロック駆動装置のクローザ作動解除完了を示した作動説明図である(比較例1)。
符号の説明
1 駆動モータ(動力ユニット)
2 出力カム(動力ユニット)
3 駆動装置ケース(ハウジング)
4 ケースカバー(ハウジング)
5 係合ピン(ピン部材)
6 第1動力伝達レバー
7 第2動力伝達レバー(動力伝達レバー)
8 キャンセルレバー(リンクレバー)
9 スプリングホルダー(機能部品)
10 アンラッチ作動レバー(リンクプレート)
11 アンラッチ出力軸
12 アンラッチ出力レバー
13 第1コイルスプリング
14 クローザ作動レバー
15 クローザ出力軸(クローザ作動レバーの支持軸)
16 クローザ出力レバー
17 第2コイルスプリング
19 駆動モータのモータシャフト(出力軸)
30 機能部品収容部(レバー収容部)
35 駆動装置ケースの軸支部
36 駆動装置ケースの係合溝
37 駆動装置ケースの突起部
61 キャンセルレバーの被軸支部
71 スプリングホルダーの第1スプリングホルダー部(第1スプリングガイド機能) 72 スプリングホルダーの第2スプリングホルダー部(第2スプリングガイド機能) 73 スプリングホルダーの弾性部(弾性体、キャンセルレバー異音防止機能)
75 スプリングホルダーの弾性部の接触子

Claims (6)

  1. (a)対向する2つの内壁面間にレバー収容室が形成されるハウジングと、
    (b)前記ハウジングに揺動自在に軸支される被軸支部を有し、
    前記レバー収容室内において前記被軸支部の支点を中心にした、前記ハウジングの内壁面方向に平行な方向への回転動作を行う板状のリンクレバーと、
    (c)このリンクレバーを、前記2つの内壁面のうちの一方側の内壁面に弾性変形力を用いて押し付ける弾性体と
    を備え
    前記レバー収容室内には、車両のドアを閉鎖状態に保つためのドアロックの噛合い機構を駆動するドアロック駆動装置が収容され、
    前記ドアロック駆動装置は、
    前記ドアロックの噛合い機構を、フルラッチ状態からアンラッチ状態へのアンラッチ作動方向に駆動するアンラッチ機能と、
    前記ドアロックの噛合い機構を、ハーフラッチ状態からフルラッチ状態へのクローザ作動方向に駆動するオートクローザ機能と、
    クローザ作動途中で非常事態が発生した際にクローザ作動を解除する非常時クローザ作動解除機能とを兼ね備え、
    前記弾性体は、板状に形成されており、
    前記弾性体の板厚方向の一端面の法線方向が前記リンクレバーのクローザ解除方向に向けて前記リンクレバーに徐々に近づくように、所定の角度を持って傾いており、あるいは所定の曲率を持って湾曲しており、
    前記弾性体の自由端の先端には、前記リンクレバーに常時接触する接触子が設けられていることを特徴とするレバー異音防止装置。
  2. 請求項1に記載のレバー異音防止装置において、
    前記弾性体の板厚方向の一端面の面形状が前記リンクレバーのクローザ解除方向の回転動作時に前記リンクレバーと常時接触するように所定の曲率を持って略円弧状に湾曲していることを特徴とするレバー異音防止装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のレバー異音防止装置において、
    前記レバー収容室内には、レバー異音防止機能とは異なるスプリングガイド機能を有する機能部品が収容されており、
    前記機能部品は、前記ハウジングおよび前記リンクレバーのいずれに対しても独立した別部品にて設けられており、
    前記弾性体は、前記機能部品に一体的に設けられていることを特徴とするレバー異音防止装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のレバー異音防止装置において、
    前記レバー収容室内には、手動操作力を受けると支持軸を中心にして回転すると共に、前記リンクレバーに係合する係合孔を有するリンクプレートが収容されており、
    前記リンクレバーは、一端部に前記ハウジングに軸支される被軸支部を有し、且つ他端部に前記リンクプレートの係合孔に駆動連結する係合部を有し、前記リンクプレートが手動操作力を受けて前記支持軸を中心にして正転方向に回転すると、前記被軸支部の支点を中心にした回転動作を行うことを特徴とするレバー異音防止装置。
  5. 請求項4に記載のレバー異音防止装置において、
    前記レバー収容室内には、前記リンクプレートまたは前記リンクレバーを初期位置側に戻す方向に付勢するコイルスプリングと、このコイルスプリングをガイドするスプリングガイド機能を有する機能部品とが収容されており、
    前記機能部品は、前記ハウジング、前記リンクレバーおよび前記リンクプレートのいずれに対しても独立した別部品にて設けられており、
    前記弾性体は、前記機能部品に一体的に設けられていることを特徴とするレバー異音防止装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載のレバー異音防止装置において、
    前記ドアロック駆動装置は、
    駆動モータの回転出力を受けると、支持軸を中心にして公転運動を行うピン部材と、
    このピン部材の外周に揺動自在に保持されて、前記ピン部材が公転運動を行うと、クローザ作動方向に動作する動力伝達レバーと、
    この動力伝達レバーに係脱自在に係合されるクローザ作動レバーを有し、前記動力伝達レバーのクローザ作動方向の動作に伴って、前記ドアロックの噛合い機構を、ハーフラッチ状態からフルラッチ状態へのクローザ作動方向に駆動するオートクローザ機構と
    を備え、
    前記動力伝達レバーは、前記リンクレバーに係脱自在に係合する係合部を有し、
    前記リンクレバーは、前記動力伝達レバーのクローザ作動方向の動作途中で、操作力を受けて回転すると、前記係合部に係合して前記動力伝達レバーを前記クローザ作動レバーの作動範囲外まで押し出すことを特徴とするレバー異音防止装置
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