JP3450640B2 - ドアオートクローザー - Google Patents

ドアオートクローザー

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JP3450640B2
JP3450640B2 JP08485497A JP8485497A JP3450640B2 JP 3450640 B2 JP3450640 B2 JP 3450640B2 JP 08485497 A JP08485497 A JP 08485497A JP 8485497 A JP8485497 A JP 8485497A JP 3450640 B2 JP3450640 B2 JP 3450640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハーフロック(半
ドア)状態にあるドアを自動的にフルロック状態まで引
き込むドアオートクローザーに関する。
【0002】
【従来の技術】最初に、ロック装置の構成を図9を用い
て説明する。1はボディ側に設けられたロック装置内に
回転可能に設けられたシャフトである。このシャフト1
には、切り欠き溝2aが形成されたフック2が固着され
ている。
【0003】3は閉扉方向(矢印I方向)にドアを移動さ
せると、フック2の溝2aに進入可能なようにドアに設
けられたストライカである。フック2は図示しない第1
の付勢手段により矢印II方向に付勢され、ドアの開状態
(アンロック状態)ではフック2の溝2aはストライカ3
が進入可能な位置(以下、アンロック位置という)にあ
る。そして、ストライカ3が溝2aに進入し、溝2aの
壁面を押すことにより、フック2は第1の付勢手段の付
勢力に抗して回転し、図に示すように、ストライカ3の
溝2からの離脱を禁止する位置(以下、フルロック位置
という)まで回転する。
【0004】4はロック装置内で回転可能に設けられ、
図示しない第2の付勢手段により矢印III方向(フック2
方向)に付勢されたラチェットである。このラチェット
4は、フックの側面に押接し、フック2がフルロック位
置まで回転すると、溝2aの壁面に係合し、ロック位置
にあるフック2のアンロック方向への移動を禁止するよ
うになっている(フルロック状態)。
【0005】フルロック状態にあるロック装置をアンロ
ック状態にするには、第2の付勢手段の付勢力に抗し
て、ラチェット4を反矢印III方向に回転させる。する
と、ラチェット4とフック2との係合が解除され、フッ
ク2は第1の付勢手段の付勢力によりアンロック位置ま
で回転する。
【0006】次に、図10を用いて、従来のドアオート
クローザーの説明を行なう。シャフト1はロック装置5
の外部まで突出し、外部に突出した部分には、フックレ
バー6が固着されている。ロック装置5の立壁部5aに
は、一方の回転端部がフックレバー6に係合可能なクロ
ーズレバー7に中間部が回転可能に取り付けられてい
る。
【0007】10は駆動部としてのモータ、11はモー
タ10の出力軸に取り付けられたピニオンである。12
はピニオン11に噛合するセクタギヤ、13は一端部が
セクタギヤ12の回転中心以外の部分に回転可能に取り
付けられ、他端部がクローズレバー7の他方の回転端部
に回転可能に取り付けられたリンクである。
【0008】このような構成のドアオートクローザーの
作動を説明する。ドアを閉扉方向に移動させると、スト
ライカ3がフック2の溝2aに進入し、フック2がアン
ロック位置とロック位置との間の位置(以下、ハーフロ
ック位置という)まで回転する。
【0009】フック2のハーフロック位置に至ると、図
示しない検出器によって検出され、モータ10が駆動さ
れる。モータ10の回転力は、ピニオン11,セクタギ
ヤ12,リンク13を介してクローズレバー7へ伝達さ
れ、クローズレバー7はフックレバー6に係合し、フッ
ク2をロック方向に駆動し、ドアを引き込む。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成のド
アオートクローザーにおいては、ドア引き込み中に電気
系統の故障によりモータ10が停止してしまった場合、
ラチェット4とフック2との係合を解除しても、クロー
ズレバー7とフックレバー6との係合により、フック2
のアンロック位置方向の回転が禁止されているので、ド
アを開くことができない。
【0011】このため、乗員は、リンク13とクローズ
レバー7との接続を外し、クローズレバー7とフックレ
バー6との係合を解除してドアを開くこととなる。本発
明は、上記課題に鑑みて成されたもので、その目的は、
簡単に緊急時のドアオープンができるドアオートクロー
ザーを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
の発明は、溝が形成され、ストライカが前記溝に進入可
能なアンロック位置、前記溝に進入した前記ストライカ
の前記溝からの離脱を禁止するフルロック位置との間を
回転可能に設けられたフックと、前記フックをアンロッ
ク位置方向に付勢する第1の付勢手段と、フルロック位
置にある前記フックに係合可能に設けられ、係合するこ
とにより前記フックのアンロック方向の回転を禁止する
ラチェットと、該ラチェットを前記フック方向に付勢す
る第2の付勢手段と、前記ラチェットの前記フックとの
係合を解除するオープンレバーと、中間部が回転可能に
設けられ、一方の端部が前記フックにフルロック方向の
力を付与可能なクローズレバーと、前記フックが、ロッ
ク位置から前記アンロック位置と前記フルロック位置と
の中間位置であるハーフロック位置まで回転すると、駆
動する駆動部と、該駆動部により回転駆動される回転部
材と、該回転部材の回転中心以外の箇所に回転可能に取
り付けられ、前記クローズレバーの他方の端部が移動可
能に係合し、前記駆動部からの駆動力が前記クローズレ
バーに伝達可能な伝達部,該伝達部より折曲し、前記駆
動部からの伝達力が前記クローズレバーに伝達されない
逃げ部からなる略L字形の溝を有するリンクと、該リン
クに係合し、前記クローズレバーが前記溝の伝達部に位
置するように付勢する第3の付勢手段と、前記フックが
ハーフロックとフルロックとの間にある時の前記リンク
に当接可能に設けられ、前記リンクを押接することによ
り、前記クローズレバーを前記溝の逃げ部に移行させる
キャンセルレバーとを有することを特徴とするドアオー
トクローザーである。
【0013】フックがアンロック位置にある時には、第
3の付勢手段の付勢力によって、クローズレバーの他方
の端部は、リンクの溝の伝達部に位置している。そし
て、アンロック位置にあるフックの溝にストライカを進
入させると、第1の付勢手段の付勢力に抗して、フック
は回転する。フックがハーフロック位置まで回転する
と、フックレバーに設けられ、第3の付勢手段によりフ
ック方向に付勢されたクローズラチェットがフックに係
合すると共に、駆動部が駆動を始める。
【0014】この駆動部の駆動の駆動力は、回転部材,
リンクを介して、クローズレバーに伝達され、クローズ
レバーは、フックに対してフルロック方向の力を付与す
る。フックはフルロック位置方向に回転し、ドアを引き
込む。
【0015】フックがフルロック位置まで回転すると、
第2の付勢手段によりフック方向に付勢されたラチェッ
トがフックに係合し、フックのアンロック位置方向への
移動が禁止され、ロックが完了する。
【0016】そして、オープンレバーを駆動すると、ラ
チェットのフックへの係合が解除され、第1の付勢手段
の付勢力によりフックはアンロック位置方向に回転し、
アンロック状態となる。
【0017】又、フックがハーフロック位置からフルロ
ック位置へ回転している途中で、キャンセルレバーとオ
ープンレバーとを操作すると、即ち、キャンセルレバー
がリンク方向に移動しリンクを押圧し、リンクの溝の伝
達部にいるクローズレバーの他方の端部が逃げ部に移行
し、オープンレバーによりラチェットのフックへの係合
が解除される。
【0018】そして、更に、キャンセルレバーとオープ
ンレバーとを操作し続けると、第1の付勢手段によりフ
ックがアンロック位置に戻る方向に付勢されることによ
り、クローズレバーの他方の端部は、リンクの溝の逃げ
部を移動し、ラチェットとの係合が解除されたフック
は、第1の付勢手段の付勢力によりアンロック位置方向
に回転する。
【0019】上記構成によれば、フックがハーフロック
位置からフルロック位置へ回転している途中で、なんら
かの理由で駆動部が停止する緊急時においても、「オー
プンレバーと、キャンセルレバーとを操作する」という
簡単な操作で、ラチェットのフックへの係合が解除され
ると共に、クローズレバーのフックに対するフルロック
方向の力の付与が解除され、フックは第1の付勢手段の
付勢力でアンロック位置に戻り、ドアオープン可能なア
ンロック状態とすることができる。
【0020】尚、本発明において、付勢手段としては、
金属、樹脂等の弾性反発力を用いたばねや、気体、液体
等の圧縮反発力を用いたもの等があるが、限定するもの
ではない。
【0021】又、本発明のドアオートクローザーはボデ
ー側に設け、ストライカをドア側に設けても良いし、逆
に、ドアオートクローザーをドア側に設け、ストライカ
をボデー側に設けても良い。
【0022】第2の発明は、第1の発明の前記キャンセ
ルレバーの動きを前記オープンレバーに伝達するロッド
を設けたことを特徴とするドアオートクローザーであ
る。キャンセルレバーを操作するだけで、クローズレバ
ーとオープンレバーとを操作することができ、操作性が
向上する。
【0023】第3の発明は、第1又は第2の発明におい
て、ハーフロックを検出する第1の検出手段と、フルロ
ックを検出する第2の検出手段と、前記駆動部の初期位
置を検出する第3の検出手段と、前記第1から第3の検
出手段からの信号を取込み、前記第1の検出手段がハー
フロックを検出すると前記駆動部を駆動し、前記第2の
検出手段がフルロックを検出すると、前記駆動部を停止
すると共に、前記駆動部を先程とは逆方向に駆動し、前
記第3の検出手段が前記駆動部の初期位置を検出すると
前記駆動部を停止する制御部とを設けたことを特徴とす
るドアオートクローザーである。
【0024】制御部は、第1の検出手段がハーフロック
を検出すると前記駆動部を駆動し、前記第2の検出手段
がフルロックを検出すると、前記駆動部を停止すると共
に、前記駆動部を先程とは逆方向に駆動し、前記第3の
検出手段が前記駆動部の初期位置を検出すると前記駆動
部を停止する。
【0025】制御部としては、リレーを用いた回路、マ
イクロプロセッサー等がある。更に、検出手段として
は、接触式或は非接触式のセンサがある。接触式のセン
サとしては、マイクロスイッチ,リミットスイッチ,タッ
チスイッチ等があり、また、非接触式のセンサとして
は、高周波,静電容量,渦電流,磁気の変化に応動する近
接スイッチやフォトインタラプタ等の光電スイッチ等が
あるが限定するものではない。又、第1の検出手段及び
第2の検出手段はフックの動きで検出することが、第3
の検出手段は回転部材の動きで検出することが望まし
い。
【0026】更に、第2の検出手段は、半ドアを検出す
るカーテシスイッチとして兼用することも可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の
形態を説明する。先ず、本発明の実施の形態例のドアオ
ートクローザーの正面部分断面を示す図1、図1の切断
線A-Aにおける断面図である図2、及び図1の切断線B-B
における断面図である図3を用いて本実施の形態例のド
アオートクローザーの全体構成を説明する。
【0028】ロック装置20上には、立壁部21が形成
され、立壁部21には、ピン22を用いてブラケット2
3が取り付けられている。このブラケット23には、駆
動部であるモータ24が取り付けられ、モータ24の出
力軸にはピニオン25が取り付けられている。
【0029】ブラケット23には、ピン26を中心に回
転可能に設けられ、ピニオン25に噛合可能な回転部材
としてのセクタギヤ27が設けられている。セクタギヤ
27の回転中心以外の部分に、ピン28を用いてリンク
29の一方の端部が回転可能に取り付けられている。こ
のリンク29の他方の端部側には、伝達部30aと伝達
部30aより折曲し、他方の端部方向に伸びる逃げ部3
0bからなるL字形の溝30が形成されている。
【0030】立壁部21には、ピン31を用いてクロー
ズレバー32の中間部が回転可能に取り付けられてい
る。このクローズレバー32の一方(上方)の端部には、
リンク29の溝30に遊嵌するスライダピン33が取り
付けられている。
【0031】本実施の形態例では、図1及び図2に示す
ように、ワッシャ100と割りピン101とを用いてス
ライダピン33の溝30からの離脱を防止している。
又、103はスライダピン33と溝30との金属接触に
よる異音の発生を防止するために、スライダピン33の
溝30に当接する部分に設けられた樹脂等のブッシュで
ある。
【0032】34は、一方の端部がブラケット23に係
止され、他方の端部がリンク29に係合し、クローズレ
バー32のスライダピン33が溝30の伝達部に位置す
るように付勢する第3の付勢手段としてのスプリングで
ある。
【0033】ブラケット23には、ピン35を用いてキ
ャンセルレバー36の基端部が回転可能に取り付けられ
ている。このキャンセルレバー36の他方の端部側は、
クローズレバー32方向に延出している。キャンセルレ
バー36の先端部側には、ブラケット23に形成された
ガイド23aに係合する切り起こし爪部36aが形成さ
れ、キャンセルレバー36は切り起こし爪部36aがガ
イド23aの両端に当接する範囲で回転可能となってい
る。
【0034】又、このキャンセルレバー36には、一方
の端部がドアインナハンドル,ドアアウタハンドルに係
止され、これらハンドルの動きを伝達する第1のロッド
38の他方の端部が係止されている。
【0035】リンク29には基端に向かって径が小さく
なるテーパ部42aを有するリンクピン42が設けら
れ、キャンセルレバー36には、リンクピン42が当接
可能な略円弧状のリンクピン当接部36bが形成されて
いる。
【0036】次に、図1、図2、図1の切断線C-Cにお
ける断面図である図4、及び、図2の切断線D-Dにおけ
る断面図である図5を用いてロック装置20の内部の説
明を行なう。
【0037】これらの図において、40はドア側に設け
られたストライカ、41はストライカ40が進入する略
U字形の溝41aが形成されたフックである。39はロ
ック装置20内で回転可能に設けられ、ロック装置20
外部まで延出するシャフトで、フック41はシャフト3
9に対してセレーション等の嵌合で、シャフト39と共
に回転するように取り付けられている。そして、フック
41は、回転することにより、ストライカ40が溝41
aに進入可能なアンロック位置(図5において二点鎖線
で示す位置)、溝41aに進入したストライカ40の溝
41aからの離脱を禁止するフルロック位置(図5にお
いて実線で示す位置)を取ることが可能となっている。
【0038】更に、ロック装置20内にはロック装置2
0の前方からフック41方向に伸びるスプリング溝20
aが形成され、フック41にはこのスプリング溝20a
に位置するピン44が設けられている。そして、スプリ
ング溝20a内に配設され、一端部がロック装置20に
当接し、他方の端部がフック41のピン44に当接する
第1の付勢手段としてのスプリング43の付勢力によ
り、フック41はアンロック方向に付勢されている。
【0039】フック41の一方の側部には、シャフト4
5が設けられ、このシャフト45にラチェット46が回
転可能に設けられている。このラチェット46の一方の
回転端部には、フルロック位置にあるフック41の溝4
1aの開口に係合し、係合することによりフック41の
アンロック方向の回転を禁止する第1係合部46aが形
成されている。
【0040】又、フック41には、フック41がアンロ
ック位置とフルロック位置との間の位置(以下、本明細
書では、ハーフロック位置という)に位置する時に、ラ
チェット46の第1の係合部46aが係合可能なハーフ
ロック係合部41bが形成されている。
【0041】ロック装置20には、ロック装置20の前
方からラチェット46方向に伸びるスプリング溝20b
が形成されている。そして、スプリング溝20b内に配
設され、一方の端部がロック装置20に当接し、他方の
端部がラチェット46の他方の回転端部に形成された第
2係合部46bに当接する第2の付勢手段としてのスプ
リング47によって、ラチェット46はフック41に係
合する方向に付勢されている。
【0042】50は中間部がロック装置20の背部にピ
ン51を用いて回転可能に取り付けられ、一方の端部が
ラチェット46の第1係合部46aの近傍に形成された
第3係合部46cに係合可能なオープンレバーである。
このオープンレバー50の他方の端部側は、立壁部21
に沿って上方に伸び、他方の端部には、一端部がキャン
セルレバー36に係止された第2のロッド53の他方の
端部が係止されている。従って、ドアアウタハンドル,
ドアインナハンドルの動きは、第1のロッド38を介し
てキャンセルレバー36に伝達されると共に、第2のロ
ッド53を介してオープンレバー50にも伝達されるよ
うになっている。
【0043】次に、図1及び図4を用いてロック装置2
0外部の説明を行なう。ロック装置20上には、クロー
ズレバー32が係合可能な第1係合部55aが形成され
たフックレバー55が配設されている。このフックレバ
ー55は、シャフト39に対してセレーション等の嵌合
で、シャフト39と共に回転するように取り付けられて
いる。
【0044】56はロック装置20上に設けられ、フッ
ク41がハーフロック位置に位置するときに、フックレ
バー55に形成された第2係合部55bに係合し、応動
する第1の検出手段としてのハーフロック検出スイッチ
である。
【0045】又、立壁部21には、フック41がフルロ
ック位置にある時、フックレバー55の第1の係合部5
5aに係合し、応動する第2の検出手段としてのフルロ
ック検出スイッチ57が設けられている。
【0046】更に、ブラケット23には、セクタギヤ2
7(モータ24)が初期位置にある時に、セクタギヤ27
に形成された切り欠き溝27aに係合し、応動する第3
の検出手段としてのモータ初期位置検出スイッチ58が
設けられている。
【0047】尚、本実施の形態例では、第1から第3の
スイッチ56〜58は、リミットスイッチを用いた。更
に、本実施の形態例においては、キャンセルレバー36
のリンクピン当接部36bは、リンク29がハーフロッ
クからフルロック間の位置するときにのみ、リンクピン
42に当接可能なように形成した。更に、このキャンセ
ルレバー36の回転量(キャンセルストローク)は、リン
クピン42の位置にかかわらず略一定量となるようにリ
ンクピン当接部36bの形状を設定した。
【0048】次に、ドアオートクローザーの電気的接続
を説明するブロック図である図6を用いて、本実施の形
態例のドアオートクローザーの電気的接続を説明する。
60は、ハーフロック検出スイッチ56、フルロック検
出スイッチ57、モータ初期位置検出スイッチ58から
の信号を取込み、モータ24を駆動する制御部である。
【0049】次に、上記構成の通常の作動を説明する。 (1) アンロック位置にあるフック41の溝41aに、ス
トライカ40を進入させ、ストライカ40をスプリング
43の付勢力に抗してフック41の溝41aの壁面を押
すと、フック41はロック位置方向に回転する。フック
41が回転すると、シャフト39を介してフックレバー
55も回転する。
【0050】(2) フック41がハーフロック位置まで回
転すると、スプリング47によってフック41方向に付
勢されたラチェット46の第1係合部46aがフック4
1のハーフロック係合部41bに係合する。このとき、
ハーフロック検出スイッチ56がフックレバー55の第
2係合部55bに係合し、ハーフロック検出スイッチが
応動し、制御部60はモータ24を駆動する。
【0051】モータ24が回転すると、ピニオン25に
噛合するセクタギヤ27が回転し、リンク29が移動す
る。この時、スプリング34の付勢力により、スライダ
ピン33は溝30の伝達部30aに位置している。よっ
て、クローズレバー32はフックレバー55を押し、フ
ック41がロック方向に移動し、ドアを引き込む。
【0052】(3) フック41がフルロック位置まで回転
すると、スプリング47によりフック41方向に付勢さ
れたラチェット46の第1係合部46aがフック41の
溝41aの開口に係合し、フック41のアンロック位置
方向への移動が禁止される。このとき、クローズレバー
32の第1の係合部55aがフルロック検出スイッチ5
7に係合し、フルロック検出スイッチ57が応動する。
【0053】(4) フルロック検出スイッチ57が応動す
ると、制御部60はフルロック位置から予め設定した時
間だけフック41をさらに移動させ(オーバーストロー
ク位置)た後に、モータ24の駆動を停止して、今度
は、モータ24を逆回転方向に駆動する。モータ24が
逆回転すると、クローズレバー32はフックレバー55
より離れるので、フック41はスプリング43の付勢力
によりロック位置に戻る。
【0054】尚、このように、フック41をオーバース
トローク位置まで回転させるのは、ラチェット46とフ
ック41との係合を確実にするためである。モータ24
の逆回転によりセクタギヤ27が初期位置まで復帰する
と、セクタギヤ27の切り欠き27aにモータ初期位置
検出スイッチ58が係合し、モータ初期位置検出スイッ
チ58が応動し、制御部60はモータ24を停止する。
【0055】そして、ロック状態にあるロック装置20
をアンロックするには、ドアインナハンドル又はドアア
ウタハンドルを操作する。この操作力によって、第1の
ロッド38が押し下げられ、この動きは、キャンセルレ
バー36,第2のロッド53を介して、オープンレバー
50に伝達され、オープンレバー50はピン51を中心
に回転する。オープンレバー50が回転すると、オープ
ンレバー50の回転端部がスプリング47の付勢力に抗
してラチェット46の第2係合部46bを押し、ラチェ
ット46の第1係合部46aとフック41の溝41aと
の係合が解除され、フック41はスプリング43の付勢
力により、アンロック方向に回転し、アンロック状態と
なる。
【0056】次に、緊急時の作動を説明する図である図
7及び図8を用いて、モータ24が駆動され、ドアを引
き込んでいる最中に、即ち、ハーフロック以降にモータ
24が停止した緊急時の説明を行なう。
【0057】(1) 図7(a)に示すように、モータ24が
駆動され、ドアを引き込んでいる最中にでは、スプリン
グ34の付勢力により、クローズレバー32のスライダ
ピン33は、リンク29の溝30の伝達部30aに位置
している。
【0058】(2) ここで、ドアインナハンドル又はドア
アウタハンドルを操作し、図7(b)に示すように、第1
のロッド38を押し下げると、キャンセルレバー36が
ピン35を中心に移動し、リンクピン当接部36bがス
プリング34の付勢力に抗してリンク29のリンクピン
42を押す。すると、クローズレバー32のスライダピ
ン33はリンク29の溝30の逃げ部30bに移行す
る。
【0059】又、キャンセルレバー36の移動は、第2
のロッド53を介してオープンレバー50に伝達され、
ラチェット46とフック41との係合が解除され、フッ
ク41はスプリング43にアンロック位置方向に付勢さ
れる。又、フックがハーフロック位置からフルロック位
置へ回転している途中で、キャンセルレバーとオープン
レバーとを操作すると、即ち、キャンセルレバーがリン
ク方向に移動しリンクを押圧し、リンクの溝の伝達部に
いるクローズレバーの他方の端部が逃げ部に移行し、オ
ープンレバーによりラチェットのフックへの係合が解除
される。
【0060】そして、更に、キャンセルレバーとオープ
ンレバーとを操作し続けると、第1の付勢手段によりフ
ックがアンロック位置に戻る方向に付勢されることによ
り、クローズレバーの他方の端部は、リンクの溝の逃げ
部を移動し、ラチェットとの係合が解除されたフック
は、第1の付勢手段の付勢力によりアンロック位置方向
に回転する。 (3) 更に、ドアインナハンドル又はアウタハンドルを操
作し続けると、フック41はスプリング43の付勢力に
より、アンロック位置方向に回転し、フック43の回転
と共に、フックレバー55も回転し、クローズレバー3
2を押し、クローズレバー32が回転する。このクロー
ズレバー32の回転により、図8に示すように、スライ
ダピン33はリンク29の溝30の逃げ部30bを移動
し、モータ24のフックレバー55への駆動力の伝達が
切断される。
【0061】上記構成によれば、フック41がハーフロ
ック位置からフルロック位置へ回転している途中で、な
んらかの理由でモータ24が停止する緊急時において
も、「キャンセルレバー36と、オープンレバー50と
を操作する」という簡単な操作で、クローズレバー32
がフックレバー55より離反すると共に、ラチェット4
6のフック41への係合が解除され、フック41はスプ
リング43の付勢力でアンロック位置に戻り、ドアオー
プン可能なアンロック状態とすることができる。
【0062】更に、本実施の形態例では、キャンセルレ
バーの動きを第2のロッド53で伝達するようにしたの
で、ドアインナハンドル又はドアアウタハンドルを操作
するだけで、キャンセルレバー36と、オープンレバー
50とを操作でき、操作性が向上する。
【0063】又、スライダピン33は、リンク29の溝
30に遊嵌となるようにしたので、ブラケット23の組
立体と、ロック装置20の組立体との取付誤差を吸収す
ることができる。
【0064】更に、キャンセルレバー36とリンク29
とが図1に紙面垂直方向にずれていても、リンクピン4
2に、基端に向かって径が小さくなるテーパ部42aを
設けたことにより、キャンセルレバー36のリンクピン
当接部36bがテーパ部42aに当接すると、リンク2
9方向に滑り、リンクピン42の基端部近傍を押すこと
になり、リンク29のこじれを最小限にすることができ
る。
【0065】更に、第2の検出手段であるフルロック検
出スイッチ57は、ボデーのドア端面の対向部に設けら
れ、半ドアを検出するカーテシスイッチとして兼用する
ことも可能である。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、第1の発明によれ
ば、中間部が回転可能に設けられ、一方の端部が前記フ
ックにフルロック方向の力を付与可能なクローズレバー
と、フックが、ロック位置から前記アンロック位置と前
記フルロック位置との中間位置であるハーフロック位置
まで回転すると、駆動する駆動部と、該駆動部により回
転駆動される回転部材と、該回転部材の回転中心以外の
箇所に回転可能に取り付けられ、前記クローズレバーの
他方の端部が移動可能に係合し、前記駆動部からの駆動
力が前記クローズレバーに伝達可能な伝達部,該伝達部
より折曲し、前記駆動部からの伝達力が前記クローズレ
バーに伝達されない逃げ部からなる略L字形の溝を有す
るリンクと、該リンクに係合し、前記クローズレバーが
前記溝の伝達部に位置するように付勢する第3の付勢手
段と、前記フックがハーフロックとフルロックとの間に
ある時の前記リンクに当接可能に設けられ、前記リンク
を押接することにより、前記クローズレバーを前記溝の
逃げ部に移行させるキャンセルレバーとを設けたことに
より、フックがハーフロック位置からフルロック位置へ
回転している途中で、なんらかの理由で駆動部が停止す
る緊急時においても、「オープンレバーと、キャンセル
レバーとを操作する」という簡単な操作で、ラチェット
のフックへの係合が解除されると共に、クローズレバー
のフックに対するフルロック方向の力の付与が解除さ
れ、フックは第1の付勢手段の付勢力でアンロック位置
に戻り、ドアオープン可能なアンロック状態とすること
ができる。
【0067】第2の発明によれば、第1の発明の前記キ
ャンセルレバーの動きを前記オープンレバーに伝達する
ロッドを設けたことにより、キャンセルレバーを操作す
るだけで、クローズレバーとオープンレバーとを操作す
ることができ、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の正面部分断面図であ
る。
【図2】図1の切断線A-Aにおける断面図である。
【図3】図1の切断線B-Bにおける断面図である。
【図4】図1の切断線C-Cにおける断面図である。
【図5】図2の切断線D-Dにおける断面図である。
【図6】図1に示す構成のドアクローザの電気的接続を
説明するブロック図である。
【図7】図1に示す構成の作動を説明する図である。
【図8】図1に示す構成の作動を説明する図である
【図9】ロック装置の説明図である。
【図10】従来のドアオートクローザーの全体構成図で
ある。
【符号の説明】
24 モータ(駆動部) 27 セクタギヤ(回転部材) 29 リンク 30 溝 30a 伝達部 30b 逃げ部 32 クローズレバー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−240050(JP,A) 特開 平7−180417(JP,A) 実開 平6−59568(JP,U) 実開 平1−142771(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 65/12 - 65/42 B60J 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝が形成され、ストライカが前記溝に進
    入可能なアンロック位置、前記溝に進入した前記ストラ
    イカの前記溝からの離脱を禁止するフルロック位置との
    間を回転可能に設けられたフックと、 前記フックをアンロック位置方向に付勢する第1の付勢
    手段と、 フルロック位置にある前記フックに係合可能に設けら
    れ、係合することにより前記フックのアンロック方向の
    回転を禁止するラチェットと、 該ラチェットを前記フック方向に付勢する第2の付勢手
    段と、 前記ラチェットの前記フックとの係合を解除するオープ
    ンレバーと、 中間部が回転可能に設けられ、一方の端部が前記フック
    にフルロック方向の力を付与可能なクローズレバーと、 前記フックが、ロック位置から前記アンロック位置と前
    記フルロック位置との中間位置であるハーフロック位置
    まで回転すると駆動する駆動部と、 該駆動部により回転駆動される回転部材と、 該回転部材の回転中心以外の箇所に回転可能に取り付け
    られ、前記クローズレバーの他方の端部が移動可能に係
    合し、前記駆動部からの駆動力が前記クローズレバーに
    伝達可能な伝達部,該伝達部より折曲し、前記駆動部か
    らの伝達力が前記クローズレバーに伝達されない逃げ部
    からなる略L字形の溝を有するリンクと、 該リンクに係合し、前記クローズレバーが前記溝の伝達
    部に位置するように付勢する第3の付勢手段と、 前記フックがハーフロックとフルロックとの間にある時
    のリンクに当接可能に設けられ、前記リンクを押接する
    ことにより、前記クローズレバーを前記溝の逃げ部に移
    行させるキャンセルレバーと、 を有することを特徴とするドアオートクローザー。
  2. 【請求項2】 前記キャンセルレバーの動きを前記オー
    プンレバーに伝達するロッドを設けたことを特徴とする
    請求項1記載のドアオートクローザー。
  3. 【請求項3】 ハーフロックを検出する第1の検出手段
    と、 フルロックを検出する第2の検出手段と、 前記駆動部の初期位置を検出する第3の検出手段と、 前記第1から第3の検出手段からの信号を取込み、前記
    第1の検出手段がハーフロックを検出すると前記駆動部
    を駆動し、前記第2の検出手段がフルロックを検出する
    と、前記駆動部を停止すると共に、前記駆動部を先程と
    は逆方向に駆動し、前記第3の検出手段が前記駆動部の
    初期位置を検出すると前記駆動部を停止する制御部と、 を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のドアオ
    ートクローザー。
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