JP4078687B2 - 2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、医薬の製造中間体として有用な2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造において、原料のサリチル酸類(2−ヒドロキシ安息香酸類)とアミノ基を有する化合物とを反応させるべく、サリチル酸類のカルボキシ基を縮合剤やハロゲン化剤等により活性化すると、重合化等の反応が生じ目的物の製造が困難であることが多い。そのため、2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造には、サリチル酸類のベンゼン環上の2位のヒドロキシ基(以下、「2−ヒドロキシ基」という。)を保護した後にアミノ基を有する化合物と反応させ、その後脱保護反応を行う方法が一般的に行われている。この製造法で用いられる2−ヒドロキシ基の保護基は、アルキル基、アリル基、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、シリル基等公知の保護反応が用いられているが、アルキル基が一般的である。また、脱保護反応としては、公知の脱アルキル化反応(アルコキシ基を2−ヒドロキシ基に変換)が用いられている。公知の脱アルキル化反応としては、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロ酢酸等のブレンステッド酸、三臭化ホウ素、塩化アルミニウム等のルイス酸(アルキル硫黄類等との併用、又は単独で用いられることが多い)、ピリジン塩酸塩、臭化水素酸酢酸溶液の様な酸性試剤を用いる反応、ナトリウムメトキシド、シアン化ナトリウム、リチウムジフェニルホスフィン等のアルカリ性試剤を用いる反応、ヨウ化トリメチルシリル等のケイ素試剤を用いる反応、接触還元等の水素化還元反応が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの公知の脱保護反応では、ベンゼン環上の2位の保護されたヒドロキシ基(以下、「2−保護ヒドロキシ基」という。)以外に他の部位にアルコキシ基やエステル基等の置換基を有する化合物に対しては、選択的に2位でのみ脱アルキル化を達成することは困難である。これに加え、特にアルカリ性試剤を用いた反応では、加溶媒分解や塩基による副反応が生じ、水素化還元反応は、例えばN−チアゾリル−2−置換ベンズアミド化合物の様に基質に硫黄原子等触媒毒となるものが存在する場合は反応を達成できない等の問題がある。そのため、ベンゼン環上の他の置換基に影響を及ぼさず、また副反応を起こすことなく、選択的に2−保護ヒドロキシ基のみに脱アルキル化が進行し、2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体を効率良く製造する方法が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を行なった結果、2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造において、サリチル酸類の2−ヒドロキシ基を保護した後にアミノ基を有する化合物と反応させて得られた2−置換ベンズアミド化合物に対し、2級アミン又は3級アミンを作用させることにより、ベンゼン環上の他の置換基に影響を及ぼさず、また、ベンゼン環上以外に置換基がある場合でもその置換基に影響を及ぼさず、さらに副反応を起こすことなく選択的に2−保護ヒドロキシ基が脱保護され、ヒドロキシ基に変換されることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、R1は置換基を有していてもよい低級アルキル基、アリル基、ベンジル基又はテトラヒドロピラニル基を示し;R2、R3、R4は同一又は異なって水素原子、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、モノ若しくはジ−低級アルキルアミノ基、又はモノ若しくはジ−低級アルキルカルボニルアミノ基を示すか、またR2とR3は一緒になってメチレンジオキシ基を形成してもよい;R5は水素原子、低級アルキル基、低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、モノ若しくはジ−低級アルキルアミノ基又はモノ若しくはジ−低級アルキルカルボニルアミノ基を示し;R6はヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基を示す。)で表される2−置換ベンズアミド化合物と2級アミン又は3級アミンを反応させることを特徴とする、一般式(II)
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、R2、R3、R4、R5、R6は前記と同意義を示す。)で表される2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造法に関する。
【0010】
また本発明は、一般式(I)で表される2−置換ベンズアミド化合物とN,N−ジ低級アルキルアミン、N,N,N−トリ低級アルキルアミン、N−低級アルキル−N−(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N−低級アルキル−N−(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N−ジ(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N−ジ(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N−(N’−低級アルキルアミノアルキル)−N−(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N,N−トリ(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N,N−トリ(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミンから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせであるアミン化合物を反応させることを特徴とする、一般式(II)で表される2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造法に関する。
【0011】
一般式(II)の化合物は、消化管運動改善作用を有し、消化管運動障害による疾患の予防・治療に有用な、国際特許公開WO96/36619号公報に記載のアミノチアゾール誘導体の製造中間体として有用である。
【0012】
本発明において、「低級」とは炭素数1〜6の直鎖、分枝状又は環状の炭素鎖を意味する。
したがって、「低級アルキル基」としては、炭素数1〜6の直鎖、分枝状又は環状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、イソヘキシル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。このうち、より好ましい低級アルキル基は炭素数1〜4の直鎖又は分枝状のアルキル基である。
【0013】
また、「低級アルコキシ基」としては、炭素数1〜6の直鎖、分枝状又は環状のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロプロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロブトキシ基、ペンチルオキシ基、1−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、1−メチル−1−エチルプロポキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。このうち、より好ましい低級アルコキシ基は炭素数1〜4の直鎖又は分枝状のアルコキシ基である
【0014】
一般式(I)中の「置換基を有していてもよい低級アルキル基、アリル基、ベンジル基又はテトラヒドロピラニル基」とは、前記「低級アルキル基」に0又は1以上の置換基が結合した基、アリル基に0又は1以上の置換基が結合した基、ベンジル基に0又は1以上の置換基が結合した基、あるいはテトラヒドロピラニル基に0又は1以上の置換基が結合した基をいい、本発明の反応によって除去することができるアルキル基、アリル基、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基であれば何でもよく、好ましくは前記「低級アルキル基」が用いられる。
なお、「置換基を有していてもよい低級アルキル基、アリル基、ベンジル基又はテトラヒドロピラニル基」の「置換基」としては、本発明の反応に有利に作用するものであれば何でもよく、例えば前記「低級アルキル基」、前記「低級アルコキシ基」、ニトロ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0015】
本発明において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0016】
「低級アルキルスルホニル基」とは、炭素数1〜6の直鎖、分枝状又は環状のアルキルスルホニル基を意味し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基等が挙げられる。
【0017】
「モノ若しくはジ−低級アルキルアミノ基」とは、炭素数1〜6の直鎖、分枝状又は環状のアルキル基が1又は2個置換したアミノ基を意味し、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、シクロブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、1−メチルブチルアミノ基、2−メチルブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、tert-ペンチルアミノ基、1,2−ジメチルプロピルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、1−エチルプロピルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、1−メチルペンチルアミノ基、2−メチルペンチルアミノ基、3−メチルペンチルアミノ基、イソヘキシルアミノ基、1−エチルブチルアミノ基、2−エチルブチルアミノ基、1,1−ジメチルブチルアミノ基、1,2−ジメチルブチルアミノ基、1,3−ジメチルブチルアミノ基、2,2−ジメチルブチルアミノ基、2,3−ジメチルブチルアミノ基、3,3−ジメチルブチルアミノ基、1−メチル−1−エチルプロピルアミノ基、1−エチル−2−メチルプロピルアミノ基、1,1,2−トリメチルプロピルアミノ基、1,2,2−トリメチルプロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルイソプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、メチルsec-ブチルアミノ基、メチルtert-ブチルアミノ基、メチルシクロブチルアミノ基、メチルペンチルアミノ基、メチルシクロペンチルアミノ基、メチルヘキシルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、エチルイソプロピルアミノ基、エチルブチルアミノ基、エチルイソブチルアミノ基、エチルsec-ブチルアミノ基、エチルtert-ブチルアミノ基、エチルシクロブチルアミノ基、エチルペンチルアミノ基、エチルネオペンチルアミノ基、エチルシクロヘキシルアミノ基、プロピルイソプロピルアミノ基、プロピルブチルアミノ基、プロピルイソブチルアミノ基、プロピルsec-ブチルアミノ基、プロピルtert-ブチルアミノ基、プロピルシクロブチルアミノ基、プロピルペンチルアミノ基、プロピルイソペンチルアミノ基、プロピルtert-ペンチルアミノ基、プロピルシクロヘキシルアミノ基、イソプロピルブチルアミノ基、イソプロピルイソブチルアミノ基、イソプロピルsec-ブチルアミノ基、イソプロピルペンチルアミノ基、ブチルイソブチルアミノ基、ブチルsec-ブチルアミノ基、ブチルtert-ブチルアミノ基、ブチルシクロブチルアミノ基、ブチルペンチルアミノ基、ブチルイソペンチルアミノ基、ブチルtert-ペンチルアミノ基、ブチルネオペンチルアミノ基、ブチル(1−エチル)プロピルアミノ基、ブチルシクロペンチルアミノ基、ブチルヘキシルアミノ基、ブチルイソヘキシルアミノ基、ブチルシクロヘキシルアミノ基、イソブチルsec-ブチルアミノ基、イソブチルペンチルアミノ基、イソブチルイソペンチルアミノ基、イソブチルネオペンチルアミノ基、イソブチルヘキシルアミノ基、イソブチルイソヘキシルアミノ基、sec-ブチルイソペンチルアミノ基、sec-ブチルネオペンチルアミノ基、sec-ブチルヘキシルアミノ基、tert-ブチルペンチルアミノ基、tert-ブチルイソペンチルアミノ基、tert-ブチルヘキシルアミノ基、シクロブチルペンチルアミノ基、シクロブチルイソペンチルアミノ基、シクロブチルヘキシルアミノ基、シクロブチルイソヘキシルアミノ基、ペンチルネオペンチルアミノ基、ペンチルシクロペンチルアミノ基、ペンチルヘキシルアミノ基、ペンチルイソヘキシルアミノ基、ペンチルシクロヘキシルアミノ基、イソヘキシルシクロヘキシルアミノ基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜4の直鎖又は分枝状のアルキル基が1又は2個置換したアミノ基が特に好ましい。
【0018】
「モノ若しくはジ−低級アルキルカルボニルアミノ基」とは、炭素数2〜7の直鎖、分枝状又は環状のアルキルカルボニル基が1又は2個置換したアミノ基を意味し、例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基、シクロプロピルカルボニルアミノ基、バレリルアミノ基、イソバレリルアミノ基、sec-ブチルカルボニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、シクロブチルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、1−メチルブチルカルボニルアミノ基、2−メチルブチルカルボニルアミノ基、イソペンチルカルボニルアミノ基、tert-ペンチルカルボニルアミノ基、1,2−ジメチルプロピルカルボニルアミノ基、ネオペンチルカルボニルアミノ基、1−エチルプロピルカルボニルアミノ基、シクロペンチルカルボニルアミノ基、ヘキシルカルボニルアミノ基、1−メチルペンチルカルボニルアミノ基、2−メチルペンチルカルボニルアミノ基、3−メチルペンチルカルボニルアミノ基、イソヘキシルカルボニルアミノ基、1−エチルブチルカルボニルアミノ基、2−エチルブチルカルボニルアミノ基、1,1−ジメチルブチルカルボニルアミノ基、1,2−ジメチルブチルカルボニルアミノ基、1,3−ジメチルブチルカルボニルアミノ基、2,2−ジメチルブチルカルボニルアミノ基、2,3−ジメチルブチルカルボニルアミノ基、3,3−ジメチルブチルカルボニルアミノ基、1−メチル−1−エチルプロピルカルボニルアミノ基、1−エチル−2−メチルプロピルカルボニルアミノ基、1,1,2−トリメチルプロピルカルボニルアミノ基、1,2,2−トリメチルプロピルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、ジアセチルアミノ基、ジプロピオニルアミノ基、ジブチリルアミノ基、ジイソブチリルアミノ基、ジバレリルアミノ基、ジイソバレリルアミノ基、アセチルプロピオニルアミノ基、アセチルブチリルアミノ基、アセチルイソブチリルアミノ基、アセチルバレリルアミノ基、プロピオニルブチリルアミノ基、プロピオニルイソブチリルアミノ基、プロピオニルバレリルアミノ基、ブチリルイソブチリルアミノ基、ブチリルバレリルアミノ基、イソブチリルバレリルアミノ基等が挙げられる。このうち、炭素数2〜5の直鎖又は分枝状のアルキル基が1又は2個置換したアミノ基が特に好ましい。
【0019】
本発明の製造法に用いられる2級アミン又は3級アミンは、2−置換ベンズアミド化合物(I)上の他の置換基に影響を及ぼさないものであればいずれも用いることができる。2−置換ベンズアミド化合物(I)のベンゼン環上の2位以外の置換基に影響を与えない点では、N,N−ジ低級アルキルアミン、N,N,N−トリ低級アルキルアミン、N−低級アルキル−N−(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N−低級アルキル−N−(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N−ジ(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N−ジ(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N−(N’−低級アルキルアミノアルキル)−N−(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N,N−トリ(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N,N−トリ(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン等、前記「低級アルキル基」の水素原子0又は1個が前記「モノ若しくはジ−低級アルキルアミノ基」で置換された基が2又は3個窒素原子に結合してなる2級アミン又は3級アミンが好ましい結果をもたらす。
【0020】
本発明の製造法によると、2−保護ヒドロキシ基以外にエステル基やアルコキシ基(2−保護ヒドロキシ基と同一であってもよい)等を化合物中に有する2−置換ベンズアミド化合物(I)を用いて本発明の製造法を行った場合でも、これらの2−置換基以外の基に反応は進行せず、選択的に2−保護ヒドロキシ基のみに脱保護反応が起こるので、エステル基やアルコキシ基等、従来の脱アルキル化反応により影響を受ける置換基が存在する化合物においても選択的に、収率良く目的の2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体(II)を製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の製造法による2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造は、例えば以下の様にして行われる。
【0022】
即ち、原料となるサリチル酸類のベンゼン環上のヒドロキシ基がアルキル基、アリル基、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基等で保護されていない場合は、このヒドロキシ基をアルキルハライド、アリルハライド、ベンジルハライド、ジヒドロピランと反応させる等、公知のO−アルキル化反応によりアルキル化し、2−置換ベンズアミド化合物(I)に導く。なお、2−置換ベンズアミド化合物(I)は市販のものがあればそれを用いてもよい。
この2−置換ベンズアミド化合物(I)と2級アミン又は3級アミンを反応させ、目的とする2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体(II)を製造することができる。反応は通常、溶媒の存在下又は非存在下で、室温〜還流温度の範囲の温度で行われる。溶媒としては、公知のものを適宜選択して使用することができ、必要に応じて溶媒の2種以上を混合して使用することができるが、中でも極性溶媒が好ましく、特にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等のアプロティック溶媒が好ましい。反応後は濾取、洗浄、結晶化、再結晶、抽出等の通常の化学操作を適宜行うことにより単離精製され、所望により有機酸や無機酸の付加塩、溶媒和物等とすることができる。
【0023】
かくして得られた2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体(II)は、例えば、国際特許公開WO96/36619号公報記載の方法に従って、消化管運動改善作用を有し、消化管運動障害による疾患の予防・治療に有用なアミノチアゾール誘導体に導くことができる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の製造法を実施例をあげて詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
2−[N−(2,4,5−トリメトキシベンゾイル)アミノ]−4−(エトキシカルボニル)−1,3−チアゾール10.0gのN,N−ジメチルアセトアミド懸濁液30mlを150℃以上に加熱して溶解し、ジ−n−ブチルアミン8.8gを滴下し、5時間加熱還流した。反応液を放冷し、この液を1N塩酸100ml及び氷水100mlの混合液中に注ぎ、さらに水を加え析出晶を濾取し、水で洗浄した後に風乾及び減圧乾燥して粗結晶10.0gを得た。この結晶を1,4−ジオキサンから再結晶することにより、2−[N−(4,5−ジメトキシ−2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−(エトキシカルボニル)−1,3−チアゾール8.9gを得た。収率82.3%。
融点:218〜220℃
1H−NMR(DMSO-d6) δ:1.31(3H,t),3.57(4H,s),3.78(3H,s),3.83(3H,s),4.30(2H,q),6.61(1H,s),7.65(1H,s),8.12(1H,s),11.75(1H,s),12.42(1H,s)
IR(KBr)cm-1:3229,3113,1728,1643,1556,1518,1273,1232,1213
【0026】
実施例2
2−[N−(2,4,5−トリメトキシベンゾイル)アミノ]−4−(エトキシカルボニル)−1,3−チアゾール3.0gのジメチルスルホキシド懸濁液6mlを加温して溶解し、N−メチル−N−ヘキシルアミン2.3gを滴下し、2時間加熱還流した。反応液を放冷し、この液を1N塩酸30ml及び氷水30mlの混合液中に注ぎ、さらに水を加え析出晶を濾取し、水で洗浄した後に風乾して粗結晶を得た。この結晶を1,4−ジオキサンから再結晶することにより、2−[N−(4,5−ジメトキシ−2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−(エトキシカルボニル)−1,3−チアゾール2.1gを得た。収率64.6%。
【0027】
実施例3
2−[N−(2,4,5−トリメトキシベンゾイル)アミノ]−4−(エトキシカルボニル)−1,3−チアゾール732mg及びN,N−ジイソプロピル−N’−メチルエチレンジアミン1.60gのジメチルアセトアミド懸濁液1.5mlを外温140℃で5時間攪拌した。反応液に硫酸水素カリウム水溶液、少量の酢酸エチル及びイソプロピルエーテルを加え、析出晶を濾取し、乾燥することにより、2−[N−(4,5−ジメトキシ−2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−(エトキシカルボニル)−1,3−チアゾール601mgを得た。収率86%。
【0028】
【発明の効果】
本発明の製造法は、従来の製造法と比べ、簡便であり、高収率、高選択的に目的とする2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体を収率良く得ることができるので、操作性、経済性に優れ、工業的に有用である。
Claims (3)
- 一般式(I)
- 2級アミン又は3級アミン化合物がN,N−ジ低級アルキルアミン、N,N,N−トリ低級アルキルアミン、N−低級アルキル−N−(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N−低級アルキル−N−(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N−ジ(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N−ジ(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N−(N’−低級アルキルアミノアルキル)−N−(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N,N−トリ(N’−低級アルキルアミノアルキル)アミン、N,N,N−トリ(N’,N’−ジ低級アルキルアミノアルキル)アミンから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである請求項1記載の2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造法。
- R1が置換基を有していてもよい低級アルキル基である請求項1又は請求項2記載の2−ヒドロキシ安息香酸アミド誘導体の製造法。
Priority Applications (13)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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