JP4076644B2 - パターン歪検出装置及び検出方法 - Google Patents
パターン歪検出装置及び検出方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体製造で用いる光リソグラフィやエッチング等のパターン形成プロセスで生じるパターン歪を検出するパターン歪検出装置及び検出方法に関するものである。さらに詳しくは、半導体製造プロセスで形成するパターンを予測し、その予測と設計レイアウトパターンとの差異を検出することによって、許容範囲以上のパターン歪が生じる可能性のある部分を検出するパターン歪検出装置及び検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、半導体デバイスのデザインルールは、0.2μmレベルまで達しており、それを転写するためのステッパの光源波長(エキシマレーザを用いる場合で、0.248μm)よりも小さくなっているのが現状である。このような状況では、解像性が極端に悪化するため、変形照明技術といった特殊な転写技術によって、解像性能を向上させている。
【0003】
この変形照明を用いた場合は、解像性は向上するが、パターンの忠実性は悪化する。これを図67を用いて説明する。図67は、パターン形成における光近接効果の一例を示した図である。図67は、ライン幅0.25μmに固定した設計レイアウトパターンに対して、互いに隣接するパターン間の距離、すなわちピッチを変化させた場合に、変形照明技術を用いて形成したレジストパターン寸法がどのように変化するかを示している。
【0004】
図67からわかるように、ピッチが、0.5μmから1.0μmの時に、レジスト寸法が急激に変化する。この変動量は、プロセスの条件によって変化するが、我々の実験によれば、最大0.05μm生じることがわかっている。この変動量は、0.25μmデバイスが必要とする寸法精度が±0.03μm以下であることを考えると、許容できる量ではない。
また、エッチングプロセスにおいても、パターンの微細化によりパターンの粗密差によるパターンの寸法変動が発生する。
【0005】
この問題に対応するために開発された技術の一つとして、ピッチ検証技術がある。これを図17を用いて説明する。図68はピッチ検証方法の例を示した図である。このようなピッチ検証では、ある特定の線幅Lを持ったパターン161,162,163,164を抽出し、次にそれらのパターンの各辺とその辺に隣接する他のパターンの辺までの距離が特定値S2である辺165,166を抽出する。この手法により、パターンの線幅と、隣接する辺間の距離の和をピッチと考えれば、ある特定の線幅とピッチをもったパターンが存在しないことを検証することができる。もし、特定の線幅とピッチを持ったパターンが検出された場合は、必要に応じてレイアウトパターンの修正を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このピッチ検証の問題点について、図69を用いて説明する。上記の方法で、ある特定の線幅L1をもったパターンを抽出すると、パターン171,172,174,175の全部と、パターン173の一部が抽出される。次に、抽出されたパターンの辺で、隣接する他のパターンの辺までの距離が特定の値S2である辺を抽出すると、辺176,177,179が抽出される。この抽出された辺の内、辺176の一部である辺178と辺179は、本来抽出すべき辺ではない。なぜなら、図67に示すパターンの変動は、同一線幅のパターンのみが隣接する場合には許容範囲以上となるが、辺178の場合のように隣接するパターン幅が大きい場合は、かならずしも許容範囲以上の寸法変動が生じるとは限らない。また、辺179の場合は、対向する辺の長さが小さいため、この場合は、許容範囲以上の寸法変動は生じない。すなわち、従来技術であるピッチ検証では、このような検出ミスを避けることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、検出ミスがなく、高精度なパターン歪の検出ができるパターン歪検出装置及び検出方法を得ることを目的とする。
また、複数の光学条件や複数のパターン形成プロセス条件の変化に対して仕上がり予測パターン寸法の変動が著しい部分の検証を行うことができるパターン歪検出装置及び検出方法を得ることを目的とする。
また、本発明は、回路的に重要な部分のパターン歪を高精度に検出するとともに、例えば光学強度のコントラストを考慮した検証ができるパターン歪検出装置及び検出方法を得ることを目的とする。
また、本発明は、異なる光学的、プロセス的条件に応じて異なる複数の仕上り予測パターンを作成し、これらの複数の仕上り予測パターンの間で図形演算を行うことにより、あるいは、これらと設計レイアウトパターンあるいは基準レイアウトパターンとの間で図形演算を行うことにより、パターン歪エラーの検証をさらに高精度に行うことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1のパターン歪検出装置は、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に形成される仕上がりパターンを予測する仕上りパターン予測手段と、上記仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化する仕上り予測パターン多角形化手段と、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンを基に検査用基準パターンを作成する検査用基準パターン作成手段と、上記多角形化された仕上り予測パターンと上記検査用基準パターンとを比較することにより上記仕上がりパターンのパターン歪を検出するパターン歪検出手段とを備え、上記検査用基準パターン作成手段は、検査用基準パターンとして、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより拡大した許容上限を画する上限検査用基準パターンと、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより縮小した許容下限を画する下限検査用基準パターンとを作成することを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明の請求項2のパターン歪検出装置は、上記仕上り予測パターン多角形化手段に仕上がり予測パターン多角形の頂点数を削減する頂点数削減手段を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明の請求項3のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記上限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において所定サイズの矩形領域を付加し、さらにパターン歪許容量分だけオーバサイズしたパターンを作成することを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明の請求項4のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記上限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの短辺のコーナ部に付加する隣り合う矩形領域が重ならないように上記矩形領域のサイズを調整することを特徴とするものである。
【0013】
また、この発明の請求項5のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部のコーナー部において辺のコーナー部に付加する矩形領域よりも縮小した矩形領域を付加してパターンを作成することを特徴とするものである。
【0014】
また、この発明の請求項6のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記上限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部の中間点で所定サイズの矩形領域を付加してパターンを作成することを特徴とするものである。
【0015】
また、この発明の請求項7のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において所定のサイズの矩形領域を削除し、さらにパターン歪許容量分だけアンダサイズしたパターンを作成することを特徴とするものである。
【0016】
また、この発明の請求項8のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの短辺のコーナ部に設定した隣り合う矩形領域が重ならないように上記矩形領域のサイズを調整することを特徴とするものである。
【0017】
また、この発明の請求項9のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部のコーナー部において辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を削除してパターンを作成することを特徴とするものである。
【0018】
また、この発明の請求項10のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部の中間点で設定した所定サイズの矩形領域を削除してパターンを作成することを特徴とするものである。
【0019】
また、この発明の請求項11のパターン歪検出装置は、上記検査用基準パターン作成手段が、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において上記コーナー部を斜めに切り欠いて削除し、さらにパターン歪許容量分だけアンダサイズしたパターンを作成することを特徴とするものである。
【0020】
また、この発明の請求項12のパターン歪検出装置は、上記パターン歪み検出手段によりパターン歪が検出された領域について上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンと上記仕上り予測パターンの差からパターン歪量を算出するパターン歪量算出手段を備えたことを特徴とするものである。
【0021】
また、この発明の請求項13のパターン歪検出装置は、上記パターン歪検出手段が、上記多角形化された仕上り予測パターンと上記検査用基準パターンとを比較することにより上記仕上がりパターンが上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより細るか太るかを選別して検出することを特徴とするものである。
【0022】
また、この発明の請求項14のパターン歪検出装置は、上記仕上がり予測パターンの上記パターン歪と他の設計レイヤーとの論理演算を行うパターン歪情報選別手段を備えたことを特徴とするものである。
【0023】
また、この発明の請求項15のパターン歪検出装置は、上記論理演算により上記パターン歪の重要度選別を行うことを特徴とするものである。
【0024】
また、この発明の請求項16のパターン歪検出装置は、複数の光学条件、及び/又は、複数のパターン形成プロセス条件について上記仕上りパターン予測手段により複数の仕上がり予測パターンを求め、上記複数の仕上がり予測パターンの差から上記仕上がり予測パターンのコントラスト情報を得るコントラスト情報検出手段を備えたことを特徴とするものである。
【0025】
また、この発明の請求項17のパターン歪検出装置は、上記コントラスト情報検出手段が、上記複数の仕上がり予測パターンの間で差演算を行い、得られた図形について指定量のアンダーサイジングを行うことにより、上記仕上がり予測パターンのコントラストの小さい部分を検出することを特徴とするものである。
【0032】
次に、この発明の請求項18のパターン歪検出方法は、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測するステップと、上記仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化するステップと、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンを基に検査用基準パターンを作成するステップと、上記多角形化された仕上り予測パターンと上記検査用基準パターンとを比較することにより上記仕上がり予測パターンのパターン歪を検出するステップとを含み、上記検査用基準パターンを作成するステップにおいて、検査用基準パターンとして、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより拡大した許容上限を画する上限検査用基準パターンを作成するサブステップと、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより縮小した許容下限を画する下限検査用基準パターンとを作成するサブステップとを含むことを特徴とするものである。
【0033】
また、この発明の請求項19のパターン歪検出方法は、上記仕上がりパターンの輪郭を多角形化するステップにおいて、仕上がり予測パターン多角形の頂点数を削減するサブステップを含むことを特徴とするものである。
【0035】
また、この発明の請求項20のパターン歪検出方法は、上記上限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において所定サイズの矩形領域を付加し、さらにパターン歪許容量分だけオーバサイズしたパターンを作成することを特徴とするものである。
【0036】
また、この発明の請求項21のパターン歪検出方法は、上記上限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの短辺のコーナ部に設定する隣り合う矩形領域が重ならないように上記矩形領域のサイズを調整することを特徴とするものである。
【0037】
また、この発明の請求項22のパターン歪検出方法は、上記上限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部のコーナー部において辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を付加してパターンを作成することを特徴とするものである。
【0038】
また、この発明の請求項23のパターン歪検出方法は、上記上限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部の中間点で設定した所定サイズの矩形領域を付加してパターンを作成することを特徴とするものである。
【0039】
また、この発明の請求項24のパターン歪検出方法は、上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において所定のサイズの矩形領域を削除し、さらにパターン歪許容量分だけアンダサイズしたパターンを作成することを特徴とするものである。
【0040】
また、この発明の請求項25のパターン歪検出方法は、上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの短辺のコーナ部に設定した隣り合う矩形領域が重ならないように上記矩形領域のサイズを調整することを特徴とするものである。
【0041】
また、この発明の請求項26のパターン歪検出方法は、上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部のコーナー部において辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を削除してパターンを作成することを特徴とするものである。
【0042】
また、この発明の請求項27のパターン歪検出方法は、上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部の中間点で設定した所定サイズの矩形領域を削除してパターンを作成することを特徴とするものである。
【0043】
また、この発明の請求項28のパターン歪検出方法は、上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において上記コーナー部を斜めに切り欠いて削除し、さらにパターン歪許容量分だけアンダサイズしたパターンを作成することを特徴とするものである。
【0044】
また、この発明の請求項29のパターン歪検出方法は、上記パターン歪みを検出するステップによりパターン歪が検出された領域について上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンと上記仕上り予測パターンの差からパターン歪量を算出するステップを含むことを特徴とするものである。
【0045】
また、この発明の請求項30のパターン歪検出方法は、上記パターン歪を検出するステップにおいて、上記多角形化された仕上り予測パターンと上記検査用基準パターンとを比較することにより、上記仕上がりパターンが上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより細るか太るかを選別して検出することを特徴とするものである。
【0046】
また、この発明の請求項31のパターン歪検出方法は、上記仕上がり予測パターンの上記パターン歪と他の設計レイヤーとの論理演算を行ないパターン歪の情報を選別するステップを含むことを特徴とするものである。
【0047】
また、この発明の請求項32のパターン歪検出方法は、上記論理演算により上記パターン歪の重要度選別を行うことを特徴とするものである。
【0048】
また、この発明の請求項33のパターン歪検出方法は、複数の光学条件、及び/又は、複数のパターン形成プロセス条件について、上記仕上りパターンを予測するステップにより複数の仕上がり予測パターンを求め、上記複数の仕上がり予測パターンの差から上記仕上がり予測パターンのコントラスト情報を得るステップを含むことを特徴とするものである。
【0049】
また、この発明の請求項34のパターン歪検出方法は、上記コントラスト情報を得るステップにおいて、上記複数の仕上がり予測パターンの間で差演算を行い、得られた図形について指定量のアンダーサイジングを行うことにより、上記仕上がり予測パターンのコントラストの小さい部分を検出することを特徴とするものである。
【0052】
また、この発明の請求項35のパターン歪検出方法は、複数の光学条件、及び/又は、複数のパターン形成プロセス条件に対応して複数の多角形化された仕上り予測パターンを作成するステップと、上記複数の多角形化された仕上り予測パターンの間で図形演算し、その結果を仕上り予測パターンとして出力するステップを含むことを特徴とするものである。
【0057】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるパターン歪検出装置の構成を示すブロック図である。図1において、1は、設計レイアウトパターンを保持する設計レイアウトパターンデータ保持部、2は、パターン転写プロセスおよびエッチングプロセス後の仕上がりパターンの形状をシミュレーション等により予測する仕上がりパターン予測手段、3は、仕上がりパターン予測手段2から出力されたデータから、仕上がりパターンの輪郭を、多角形データ(頂点座標のリスト形式)に変換する仕上がり予測パターン輪郭の多角形化手段、4は、仕上がり予測パターン輪郭の多角形化手段3から出力された多角形の頂点数を、一般のCADソフトウェアで取り扱うことのできる頂点数まで削減する頂点数削減手段、5は、頂点数を削減した多角形データを保持する仕上がり予測パターンデータ保持部である。
【0058】
また、6は、設計レイアウトパターンデータから、許容範囲以上のパターン歪みを検出するために使用する基準パターンを作成する検査用基準パターン作成手段、7は検査用基準パターンデータ保持部、8は、仕上がり予測パターンと比較用基準パターンとを比較し、許容範囲以上のパターン歪みが生じている部分を抽出するパターン歪み検出手段、9はパターン歪情報保持部である。また、10はパターン形成プロセス条件保持部である。
【0059】
次に、図2〜図9を参照して、動作について説明する。
図2は、上述した構成のパターン歪検出装置の動作を示すフローチャートである。図3は、設計レイアウトパターンを示す図、図4は、図3の設計レイアウトパターンに基づきパターン形成プロセス条件を取り込んで計算した仕上がり予測パターンを示す図、図5は、図4の仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化した多角形化パターンである。また、図6は、下限検査用基準パターンデータの作成方法を示す図、図7は、上限検査用基準パターンデータの作成方法を示す図、図8は下限検査用基準パターンと仕上がり予測パターンとの比較を示す図、図9は上限検査用基準パターンと仕上がり予測パターンとの比較を示す図である。
【0060】
図1の装置構成を参照しながら、図2のフローチャートの流れに従って動作を説明する。まず、仕上がりパターン予測手段2において、設計レイアウトパターンデータ保持部1からの設計レイアウトパターン31(図3)のデータと、パターン形成プロセス条件保持部10からのパターン形成プロセス条件を入力として、光学シミュレーション等を用いて、ウェーハ上に形成される仕上がり予測パターン40の形状(図4)を計算する(図2のステップST21)。 通常、仕上がりパターン形状データは、ピットマップ状のデータ構造となっている場合が多い。
【0061】
次に、仕上がり予測パターン輪郭の多角形化手段3において、仕上がり予測パターン形状データから、パターン形状の輪郭を図5に示すような多角形化した仕上がり予測パターン50に変換し、頂点座標を出力する(ST22)。
次に、この多角形化した仕上がり予測パターン50の輪郭は、膨大な頂点数を持っているため、頂点数削減手段4において、冗長な頂点を可能な限り除去したり、矩形や台形に分割することで、一般のCADソフトウェアで取り扱える頂点数(通常200頂点程度)まで削減する(ST23)。 このようにして頂点数が削減された仕上がり予想パターンデータを、仕上がり予測パターンデータ保持部5に保存する。
【0062】
次に、検査用基準パターン作成手段6において、仕上がり予測パターンに許容範囲以上にパターン歪みが発生する領域を抽出するために用いる2種類の検査用基準パターンデータを、設計レイアウトパターンデータ保持部1からの設計レイアウトパターンデータを用いて作成する(ST24)。
その一つは、下限検査用基準パターンデータである。この下限検査用基準パターンデータの作成方法を、図6に示す。図6において、61は設計レイアウトパターン、62は矩形、63は下限検査用基準パターンを示している。
まず、設計レイアウトパターンデータのコーナ部に所定のサイズの矩形62を発生させ、設計レイアウトパターンデータと、この矩形62のAND部分を設計レイアウトパターンデータから除去し、さらにパターン歪みの許容値だけアンダーサイズする。図6に示す実線のパターン63のデータが、下限検査用基準パターンデータである。
【0063】
もうーつは、上限検査用基準パターンデータである。この上限検査用基準パターンデータの作成方法を、図7に示す。図7において、71は設計レイアウトパターン、72は矩形、73は上限検査用基準パターンを示している。
まず、設計レイアウトパターンデータのコーナ部に所定のサイズの矩形72を発生させ、設計レイアウトパターンデータと、この矩形72をORし、さらにパターン歪みの許容値だけオーバサイズする。図7に示す実線のパターン73のデータが、上限検査用基準パターンデータである。こうして得られた検査用基準パターンデータを、検査用基準パターンデータ保持部7に保存する。
【0064】
次に、パターン歪み検出手段8において、仕上がり予測パターンデータ保持部5に保存された仕上がり予測パターンと、検査用基準パターンデータ保持部7に保存された下限検査用基準パターンとを比較する(ST25)。
図8は下限検査用基準パターンと仕上がり予測パターンの比較を示す図である。図8において、80は仕上がり予測パターン、83は下限検査用基準パターンを示す。図8に示すように下限検査用基準パターン83の内部領域に、仕上がり予測パターン80が存在する領域84,85が、許容範囲以上のパターン歪みが生じているところである。この領域の位置および大きさの情報を出力し(ST26)、パターン歪情報保持部9に保存する。
【0065】
次に仕上がり予測パターンと、上限検査用基準パターンとを比較する(ST27)。 図9は上限検査用基準パターンと仕上がり予測パターンの比較を示す図である。図9において、90は仕上がり予測パターン、93は下限検査用基準パターンを示す。図9に示すように、仕上がり予測パターン90が、上限検査用基準パターン93の内部に完全に含まれていれば、許容範囲以上のパターン歪みが生じていないということである。もし、仕上がり予測パターン90が、上限検査用基準パターン93の外部に存在する場合は、許容範囲以上の歪みが発生しているので、この領域の位置および大きさの情報を出力し(ST28)、パターン歪情報保持部9に保存する。
【0066】
以上のように、この実施の形態によれば、光学強度シミュレーション等を用いて計算した精度の高い仕上がり予測パターンと、設計レイアウトパターンデータを直接比較するため、特にパターン線幅に関して高精度にパターン歪みを検出することができる。
すなわち、半導体パターン形成プロセスで生じるパターン歪を予測し、許容範囲以上のパターン歪の生じる部分を検出することができる。
さらに、この実施の形態によるパターン歪検出装置および検出方法は、頂点数を削減する頂点数削減手段及びステップをもっているため、検査用基準パターンの生成、および検査用基準パターンと仕上がり予測パターンとの比較に汎用のデザインルールチェックプログラムを使用することができる。
【0067】
また、この実施の形態によるパターン歪検出装置および検出方法では、パターン歪みの上限検査用基準パターンと下限検査用基準パターンとをそれぞれ別個に形成し、これら上限検査用基準パターンおよび下限検査用基準パターン との比較によりパターン歪を検出する。したがって、パターン歪みの許容上限値及び許容下限値を別個に設定して、パターン歪みを検出することができる。
【0068】
また、この実施の形態によるパターン歪検出装置および検出方法では、パターンコーナ部でのパターン歪みを検出しないように検査用基準パターンを変形させているため、高精度が要求されるパターン線幅に関するパターン歪みのみを高精度に検出できる。
また、検査用基準パターンの生成は、コーナに矩形を発生させ、その矩形と設計レイアウトパターンとの図形演算、およびサイジング処理だけで行うので、これも汎用のデザインルールチェックプログラムを使用することができ、簡便にシステムを構築することができる。
【0069】
なお、この実施の形態1を次のように要約することができる。
この実施の形態1のパターン検出装置は、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測する仕上りパターン予測手段と、仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化する仕上り予測パターン多角形化手段と、多角形化された仕上がり予測パターンと設計レイアウトパターンとを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により仕上がり予測パターンのパターン歪検出手段とを備えてなるものである。
【0070】
また、この実施の形態1のパターン検出方法は、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測するステップと、仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化するステップと、多角形化された仕上がり予測パターンと設計レイアウトパターンとを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により仕上がり予測パターンのパターン歪を検出するステップとを含んでなるものである。
【0071】
次に、この実施の形態1において、図1に示したパターン歪検出装置は、コンピュータによって構成することができる。また、図2に示したパターン歪検出方法は、そのプロセスをコンピュータに読み取り可能な記録媒体にコンピュータプログラムとして記録し、その演算をコンピュータに実行させることによって行うことができる。
この場合、この実施の形態1において、プログラム記録媒体に記録するコンピュータに実行させるためのプログラムとしては、次のものを記録する。すなわち、半導体製造プロセスに適用される設計レイアウトパターンのデータとパターン形成プロセス条件とをメモリ領域に形成する処理と、設計レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測する処理と、仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化する処理と、多角形化された仕上がり予測パターンと設計レイアウトパターンとを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により仕上がり予測パターンのパターン歪を検出する処理とを、プログラムとして記録する。
なお、ここでの図形演算は、設計レイアウトパターン基に作成した検査用基準パターンと多角形化された仕上り予測パターンとを比較する演算である場合を含むものである。
【0072】
なお、以下に記載する各実施の形態も、そのパターン歪検出装置は、コンピュータによって構成することができる。また、そのパターン歪検出方法は、そのプロセスをコンピュータに読み取り可能な記録媒体にコンピュータプログラムとして記録し、その演算をコンピュータに実行させることによって行うことができる。そして、それぞれのパターン歪検出方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムとして記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0073】
実施の形態2.
図10及び図11は、この発明の実施の形態2における、パターン歪の検査用基準パターンの作成を説明するための図である。図10は実施の形態1における検査用基準パターンの作成上の問題を説明するための図であり、図11はこの実施の形態2において、パターンのコーナ間距離が小さい場合の検査用基準パターンの作成方法を示す図である。
【0074】
上記の実施の形態1においては、コーナ部のパターン歪みを無視できるようにするために、設計レイアウトパターンのコーナ部に所定のサイズの矩形を発生させ、この矩形と設計レイアウトパターンとの図形演算で基準パターンを発生していた。
図10は、この場合に起こりうる問題を説明するための図であり、図10において、101は設計レイアウトパターン、102は矩形、103は下限検査用基準パターンを示す。図10に示すように、この矩形102のサイズが、設計レイアウトパターン101の幅に対して、或いはその短辺の長さに対して、相対的に大きい場合は、矩形102が互いに重なり、下限検査用基準パターン103が必要以上に小さくなってしまう。この結果、仕上がりパターンの短辺のパターン歪みが検出されないという問題が発生する。
【0075】
この実施の形態2では、この問題を解決するために、検査用基準パターンを作成する際に設計レイアウトパターンのコーナ部に発生した矩形が互いに接する、または重なる場合は、あらかじめ設定した値だけ双方の矩形が分離されるように矩形のサイズを調整する。この様子を図11に示す。図11において、111は設計レイアウトパターン、112は矩形、113は下限検査用基準パターンを示す。
【0076】
図11を参照して、上記のことを定式化すると以下のようになる。
設計レイアウトパターン111のコーナ間の最短距離をcd、発生する矩形112の辺の長さをw1、許容パターン歪み量をa、サイズ調整後の矩形の辺の長さをw2、下限検査用基準パターン113として最低限残存させたいパターン幅をsdとすると、cd≦w1の時、下記(1)式で計算される幅w2に、矩形の辺の長さを変更する。
w2=cd−2×a−sd ・・・(1)
以上のように、設計レイアウトパターンのコーナ部に発生する矩形のサイズを調整することにより、パターン短辺のパターン歪みも精度良く検出できるようになる。
【0077】
実施の形態3.
図12及び図13は、この発明の実施の形態3における、パターン歪の検査用基準パターンの作成を説明するための図である。図12は実施の形態1において、パターンの辺に微小段差がある場合の検査用基準パターン作成上の問題を説明するための図であり、図13はこの実施の形態3によりパターンの辺に微小段差がある場合の検査用基準パターンの作成方法を示す図である。
【0078】
図12において、121は設計レイアウトパターン、122は矩形、123は下限検査用基準パターン、124は微小段差部を示す。図12に示すように、上記の実施の形態1では、設計レイアウトパターン121に微小段差部124が存在した場合は、微小段差部124に必要以上に大きい基準パターン作成用の矩形122が発生され、このように形成した下限検査用基準パターン123では、微小段差部124近辺のパターン歪みが検出できなくなる。
【0079】
この実施の形態3では、この問題を解決するために、検査用基準パターンを作成する際に設計レイアウトパターンの微少段差部に発生した矩形が必要以上に大きくなる場合は、発生させる矩形の辺の長さを、コーナ間距離に連動させて調整する。この様子を図13に示す。図13において、131は設計レイアウトパターン、132は矩形、133は下限検査用基準パターン、134は微小段差部を示す。
【0080】
図13を参照して、上記のことを定式化すると以下のようになる。
設計レイアウトパターン131の微少段差部134のコーナ間の距離cd’が、所定の値以下となる微小段差の場合は、発生させる矩形132の辺の長さを、コーナ間距離cd’に連動させて調整し、図13に示すように、その矩形をコーナ間の中点135に発生させる。
kを適宜に設定した係数、bを適宜に設定した定数として、調整後の矩形サイズw3の計算方法の一例を下記に示す。
w3=k×cd’+b ・・・(2)
【0081】
上記の例では、微少段差部を内部に含む1つの縮小した所定サイズの矩形を段差部の中点に設定したが、これは微少段差部の両コーナ間のどこかの中間点に設定してもよい。
また、微少段差部の両コーナ部に、辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を互いに連なるよう設定してもよい。
以上のように、この実施の形態によれば、微小段差部近辺のパターン歪みも高精度に検出することができる。
【0082】
実施の形態4.
図14は、この発明の実施の形態4における、パターン歪の検査用基準パターンの作成を説明するための図である。図14において、141は設計レイアウトパターン、141cはそのコーナ部分、143は下限検査用基準パターンを示す。
上記の実施の形態1では、パターンのコーナ部におけるパターン変形を無視するために、コーナ部に矩形を発生し、図形論理演算により、コーナ部を除去していた。
【0083】
これに対し、この実施の形態4では、図14に示すように、設計レイアウトパターン141のコーナ部分141cを斜めにカットして削除し、さらにパターン歪みの許容値だけアンダーサイズして、コーナ部分を無視できる下限検査用基準パターンデータ143を作成する。
以上のように、この実施の形態によれば、図形論理演算処理が不要となり、処理高速化が可能となる。
【0084】
実施の形態5.
図15は、この発明の実施の形態5における、パターン歪検出装置の構成を示すブロック図である。図15において、11はパターン歪量算出手段、12はパターン歪量表示手段を示す。これらは、図1に示したパターン歪検出装置に付加、合体されるものである。
図15において、パターン歪量算出手段11は、パターン歪情報保持部9から、許容範囲以上のパターン歪みが生じている領域の位置の情報を得て、その領域について、設計レイアウトパターンデータ保持部1からの設計レイアウトパターンデータと、予測パターンデータ保持部5からの予測パターンデータとを比較し、その差を図形論理演算で求め、パターン歪量表示手段11に出力する。
【0085】
以上のように、この実施の形態5では、許容範囲以上のパターン歪みが発生するパターンの辺が検出できた場合は、その部分の歪み量を正確にレポートするために、その辺に対応する部分の、設計レイアウトパターンデータと仕上がり予測パターンの差を図形論理演算で求め、出力する。
これにより、設計レイアウトパターンデータの修正が正確に行える。また、設計レイアウトパターンデータを自動修正することも可能である。
【0086】
なお、上記の各実施の形態では、仕上がり予測パターンと検査用基準パターンの比較を例として記述したが、この発明によれば、異なる設計レイアウトパターンから計算された仕上がり予測パターン同士の差、あるいは異なるパターン形成プロセス条件で計算された仕上がり予測パターン同士の差がある許容値以内にあるかどうかを検証することも可能である。
【0087】
なお、以上の実施の形態1〜5の説明において、「設計レイアウトパターン」を、検査用基準パターンを作成する基とする場合には、これを「基準レイアウトパターン」と称することができる。本明細書において、必要に応じ、あるいは適宜この表現を用いる。
また、以上の実施の形態1〜5の説明では、仕上がりパターンの予測を、「設計レイアウトパターン」を基にして行った。しかし、実際にパターン形成プロセスを経た場合に、最終的に「設計レイアウトパターン」あるいは「基準レイアウトパターン」と同じパターンが得られるように、「設計レイアウトパターン」を補正したものを基に仕上がりパターンの予測を行うことができる。この場合に、この補正した設計レイアウトパターンを、「検証レイアウトパターン」と称することができる。また、仕上がりパターンの予測の基にする「設計レイアウトパターン」とこの補正した設計レイアウトパターンとを含んで、「検証レイアウトパターン」と称することができる。本明細書において、必要に応じ、あるいは適宜この表現を用いる。
【0088】
さて、以上に説明した実施の形態では、パターン形成プロセスで生じるパターン歪を検出するために、設計レイアウトパターンからプロセス後の仕上がりパターンを求め、その輪郭を多角形化した後、設計レイアウトパターンをオーバー又はアンダーサイジングしたものと仕上がりパターン間で差演算を行うことにより、一定以上のパターン歪みが生じる個所を検証するものである。
この方法では、設計レイアウトパターンとプロセス後の仕上がりパターンの差が(コーナー部以外で)規定値以上の場合、全てをエラーとしている。
【0089】
以下に説明する実施の形態では、されにこれを改善して、回路的に重要でない部分のエラーと重要な部分のエラーとの両方を区別して検出することができるようにする。
また、複数の光学条件や複数のパターン形成プロセス条件の変化に対して仕上がり予測パターン寸法の変動が著しい部分の検証を行うことができるようにするものである。
また、仕上がりパターンの寸法のみを検証の条件とするにとどまらず、プロセス上重要である、例えば光学強度のコントラストを考慮してエラーの生じやすいパターンの個所を検出することができるようにするものである。
【0090】
実施の形態6.
図16は、この発明の実施の形態6によるパターン歪検出装置の構成を示すブロック図である。図16において、1aは、基準レイアウトパターンを保持する基準レイアウトパターンデータ保持部、1bは、検証レイアウトパターンを保持する検証レイアウトパターンデータ保持部である。
【0091】
また、13はパターン歪情報保持部9に保持されたパターン歪情報を、与えられた条件のもとで選別するための選別条件を保持するパターン歪情報選別条件保持部、14はパターン歪情報選別条件保持部13からの選別条件に基づいて、パターン歪情報保持部9からのパターン歪情報を選別するパターン歪情報選別手段、15はパターン歪情報選別手段14から出力されたエラー情報を保持するエラー情報保持部である。一例として、パターン歪情報選別条件としては、半導体製造プロセスに用いる他の設計レイヤーのデータを用い、パターン歪情報選別手段14において、検出したパターン歪情報と他の設計レイヤーのデータとの論理演算を行わせる。その他の部分は、図1と同様である。
【0092】
この実施の形態では、パターン歪情報保持部9、基準レイアウトパターンデータ保持部1a、およびパターン歪情報選別条件保持部13を入力とする、パターン歪情報選別手段14を含むことが特徴である。
実施の形態1の図1に示した構成では、仕上がりパターン予測手段2と検査用基準パターン作成手段6には共に設計レイアウトパターンデータ保持部1を入力としていたが、図16では、検証レイアウトパターンデータ保持部1bと基準レイアウトパターンデータ保持部1aの異なるデータを入力としている。これは、一般的に用いられる例を示したものであり、これに限定されるものではない。
【0093】
ここで、基準レイアウトパターンは、補正前の設計レイアウトパターンであり、最終的に形成しようとするパターンである。
検証レイアウトパターンは、補正前の設計レイアウトパターンと同一のパターン(つまり、基準レイアウトパターンと同一のパターン)の場合と、補正後のレイアウトパターンの場合とがある。この補正後のレイアウトパターンとは、実際にパターン形成プロセスを経た場合に、最終的に設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンと同じパターンが得られるように設計レイアウトパターンを補正したパターンである。
【0094】
これを具体例に即して説明すると、図17は検証レイアウトパターン171として、ラインアンドスペースパターンを示したものである。図18は図17の検証レイアウトパターン171による仕上がりパターン181を示したものである。図19は図18の仕上がりパターン181を検証レイアウトパターン171と比較した場合のエラー出力191を参考として示したものである。
【0095】
また、図20は基準レイアウトパターン(補正前の設計レイアウトパターン)201を示したものである。図21は検証レイアウトパターン171から求めた仕上がりパターン181と基準レイアウトパターン201とを比較した場合のエラー出力を示したものである。このようにエラー出力が出ないように、基準レイアウトパターン201を補正して検証レイアウトパターン171とし、実際のパターン形成装置で使用するわけである。
以上は、実施の形態1の図1の変形として、検証レイアウトパターンが用いられる例を示したもので、このことはこの実施の形態6に本質的なことではない。
【0096】
さて、次に、この実施の形態6の特徴点の動作について説明する。
図22は、図16のパターン歪検出装置の動作を示すフローチャートである。まず、図22のステップ221(ST221)において、実施の形態1の図2のパターン歪み検出フローのステップ21(ST21)からステップ28(ST28)までのフローと同様なフローにより、図16のパターン歪情報保持部9にパターン歪み情報を出力する。
【0097】
次に、ステップ222(ST222)において、パターン歪情報選別条件保持部13からのパターン歪み情報選別条件に基き、パターン歪情報選別手段14において、基準レイアウトパターンあるいは設計レイアウトパターンとパターン歪み情報との間で図形演算を行い、結果をエラー情報としてエラー情報保持部15に出力する。例えば、他の設計レイヤとエラーとの論理演算を行うことによりエラーを選別する。
【0098】
上記の動作を具体例に即して説明する。図23は設計レイアウトパターンの具体例を示す。図23において、231はトランジスタのゲート配線、232は活性領域を示す。
図24は、ゲート配線231を入力として、実施の形態1の方法により、パターン歪み検証を行った結果のエラー出力例を比較のために示す。図24において、231はトランジスタのゲート配線、232は活性領域、241はパターン歪みエラーである。この図24において、回路的には、活性領域232の上にあるエラー241がトランジスタの特性を決める寸法として重要であるが、それ以外の部分は回路的に高精度を要求されない。よって、回路上の重要度によってこれらのエラーを分類する機能が望まれ、また必要となる。
【0099】
図25は、この実施の形態6により、パターン歪み検証を行った結果のエラー出力例を示す。図25において、232は活性領域、251は図22のステップ221(ST221)でパターン歪情報保持部9から出力されるエラーを示す。
【0100】
この実施の形態6において、回路上の重要度によるエラーの分類は、図16のパターン歪み情報選別条件保持部13から、パターン歪み情報選別条件を、「エラーと活性領域の AND演算を行え」として、パターン歪情報選別手段14に入力することにより行う。
これを入力として、パターン歪情報選別手段14で、「エラーと活性領域の AND 演算を行え」という演算を行うと、活性領域上のエラーのみを選別することが可能である。
【0101】
図26は、このようにして選別され、エラー情報保持部15に出力されたエラーを示すもので、図26において、231はトランジスタのゲート配線、232は活性領域、261が重要度で分類されたエラーを示す。
以上のように、この実施の形態によれば、回路的に重要な部分のエラーを選別して検出することが可能である。
【0102】
以上説明したように、この実施の形態によれば、半導体パターン形成プロセスで生じるパターン歪を予測し、許容範囲以上のパターン歪の生じる部分を検出することができる。
また、他の設計レイヤとパターン歪エラーとの論理演算を行うことによりエラーを選別することができるパターン歪検出方法およびパターン歪検出装置を得ることができる。
また、これにより、エラーの重要度の選別を行うパターン歪エラー選別機能を備えることができる。つまり、検出されたパターン歪エラーを選別することにより、重要なエラーの検出を高機能に行うことができる。
【0103】
実施の形態7.
実施の形態7においても、実施の形態6で示した図16のパターン歪検出装置を用いる。
次に、動作について説明する。
図27は、この実施の形態7におけるエラー選別フローである。実施の形態1の図2のフローと異なるのは、ステップ26a(ST26a)とステップ28a(ST28a)であり、その他は同じである。ただし、図27のステップST21では、検証レイアウトパターンを基としており、ステップST24では、基準レイアウトパターンを基としている。
【0104】
実施の形態1の図2では、ステップ25(ST25)で、仕上がり予測パターン内部に、下限検査用基準パターンデータが完全に含まれるかを問い、ステップ26(ST26)で、含まれない部分の位置、大きさの情報を出力する。また、ステップ27(ST27)で、上限検査用基準パターンの内部に、仕上がり予測パターンが完全に含まれるかを問い、ステップ28(ST28)で、含まれない部分の位置、大きさの情報を出力する。そして、この両方の出力はともに同一表示先へ出力している。
【0105】
これに対して、この実施の形態7では、ステップ25(ST25)で、仕上がり予測パターン内部に、下限検査用基準パターンデータが完全に含まれるかを問い、ステップ26a(ST26a)で、含まれない部分の位置、大きさの情報を細るエラーとして、定められた表示先へ出力する。また、ステップ27(ST27)で、上限検査用基準パターンの内部に、仕上がり予測パターンが完全に含まれるかを問い、ステップ28a(ST28a)で、含まれない部分の位置、大きさの情報を太るエラーとして,別の表示先へ出力する。すなわち、この両方の出力をそれぞれ別の表示先へ出力し、別個に表示したり、色分け表示したりする。
このように、この実施の形態においてはステップ26a(ST26a)とステップ28a(ST28a)で検出されたエラーの出力先が異なる点が、実施の形態1と大きく異なる。
【0106】
これを具体例に即して説明する。図28に図23のトランジスタのゲート配線231を検証対象とした場合の検証結果を示す。図28において、231はトランジスタのゲート配線、232は活性領域、281はパターンが細る方向に歪むエラー、282はパターンが太る方向に歪むエラーであり、両者は選別されて出力されていることが解る。この例では色表示が異なるのを、ハッチングの違いにより表している。
【0107】
以上のように、この実施の形態によれば、パターン歪みが太る部分と細る部分とを選別して検出することができる。
さらに、図29は、実施の形態6と実施の形態7とを組み合わせて、回路的に重要な部分のエラーを選別し、かつ、パターンが細るエラー291と太るエラー292とを区別して検出した結果を示している。
【0108】
以上説明したように、この実施の形態によれば、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンに対して仕上がりパターンが細るか太るかでエラーを選別するパターン歪検出方法及び装置を得ることができる。
【0109】
実施の形態8.
以上説明した各実施の形態では、仕上がり予測パターンデータと設計レイアウトデータ(あるいは基準レイアウトデータ)との間で比較を行うことにより、パターン歪みの大きな部分を検出していた。ところが、プロセス上重要なファクターとしては予測パターン寸法に加え、コントラストの問題がある。
図30に設計レイアウトパターン301の一例を示す。図31は、図30の破線A−Aで示される部分について、光学強度、光学強度等から計算されるレジストの溶解度、またはエッチングレートの分布を示す。横軸は図30の破線A−A上での位置、縦軸は強度を示す。同様に、図32は他の設計レイアウトパターン321を示し、図33は、図32の破線B−Bに対する同様のグラフを示す。
【0110】
実施の形態1のパターン歪み検証では、図31、図33における強度 t のような、ある1つの強度となる部分が仕上がりパターンのエッジとなるとして、仕上がりパターンを予測し、このパターンと設計レイアウトパターンの間で歪みの大きな部分を検出していた。図30、図32の設計レイアウトパターンに対して、実施の形態1による検証を行った結果をそれぞれ図34、図35に示す。図34において、301は設計レイアウトパターン、341は前述の強度tによって予測した仕上がりパターンである。また、図35において、321は設計レイアウトパターン、351は前述の強度tによって予測した仕上がりパターンである。図34でも、図35でも、仕上がりパターンと設計レイアウトパターン間のずれ量は変わらないため、検証結果では相違が出ない。
【0111】
ところが、何らかの要因によってプロセスの条件が変動し、図31あるいは図33の強度tで決まったパターンエッジが、強度tu、あるいは強度tlで決まることがある。図36に、図30の設計レイアウトパターンについて、パターンエッジを決める強度を変えた場合の仕上がりパターンを示す。図36において、301は設計レイアウトパターン、361は強度tで、362は強度tuで、363は強度tlで仕上がりパターンエッジが決定されるとした時の仕上がりパターンを示す。
【0112】
同様にして、図32の設計レイアウトパターンに対する仕上がり予測パターンを図37に示す。図37において、321は設計レイアウトパターン、371は強度tで、372は強度tuで、373は強度tlで仕上がりパターンエッジが決定されるとした時の仕上がりパターンを示す。図36に比較して、図37では仕上がりパターンを決める強度を変化させた時の仕上がりパターンの寸法変動が著しいことが解る。これは、図31と図33のグラフを比較して解るように、図37の場合において、図36の場合に比較して、パターンエッジでの強度コントラストが小さいためである。コントラストの小さな部分ではパターンの仕上がりが悪いので、この様な個所を検証する必要がある。
なお、光学条件を変化させた場合は、光学強度分布自体が変化する。例えば、光学条件のうちデフォーカス値を変えた場合、光学強度自体が変化する。このような場合にも、パターン変動の差が大きな部分を検証する必要がある。
この実施の形態8では、このような課題に対応したパターン歪検出について説明する。
【0113】
図38は、この実施の形態8のパターン歪検出装置の構成を示すブロック図である。
図38において、16はパターンのコントラストを検証する条件を保持するためのコントラスト検証条件保持部、17はコントラスト検証条件をもとにパターンのコントラスト情報を検出するコントラスト情報検出手段、18は検証した結果を保持するコントラスト情報保持部を示す。また、仕上がり予測パターンデータ保持部5は複数設けられ、ここでは例として2つ示されている。
【0114】
この実施の形態8の構成が実施の形態1と異なるのは、仕上がり予測パターンデータ保持部5を複数備え、複数の光学条件あるいはパターン形成プロセス条件、例えば複数の光学強度により予測された複数の仕上がり予測パターンデータをそれぞれ保持するようにしていることと、コントラスト検証条件保持部16を入力とするコントラスト情報検出手段17を備え、その出力をコントラスト情報保持部18に保持するようにしている点である。なお、コントラスト検証条件としては、例えば、後に説明するパターンのアンダーサイジング量を所定値に定めたものとし、コントラスト情報保持部18はこの値を保持する。
【0115】
次に、動作について説明する。
図39は、図38のパターン歪検出装置の動作を示すフローチャートである。ステップ391(ST391), ステップ392(ST392)では、図38の装置により異なる光学条件あるいはパターン形成プロセス条件で仕上がり予測パターンを計算し、それぞれ仕上がり予測パターンデータ保持部5へ出力する。ステップ393(ST393)では、コントラスト情報検出手段17において、これらの出力に対してマスク正反情報、または、出力された図形間での大小包含関係をもとにして、次工程の差演算でどちらからどちらを差演算すればよいかを求める。
【0116】
ステップ394(ST394)では、仕上がり予測パターン間で差演算を行なう。ステップ395(ST395)で差演算の結果に対して、コントラスト検証条件保持部16からの検証条件に応じて、指定量分アンダーサイジングを行って、結果をコントラスト情報保持部18へ出力する。このようにアンダーサイジングを行うことにより、コントラストの小さな部分のみを検出することが可能である。
【0117】
以下、具体例に即して説明する。図30の検証レイアウトパターン301を入力とした場合、図39の ステップ391(ST391)では図40に示すような仕上がり予測パターン401が、ステップ392(ST392)では図41に示すような仕上がり予測パターン411が出力される。この場合、複数の光学条件あるいはパターン形成プロセス条件としては、パターン形成の露光の光学強度を変化させている。
【0118】
次に、ステップ393(ST393)で、図40の結果から図41の結果を差演算することを判断する。図42に、ステップ394(ST394)で差演算を行った結果のパターン421を示す。さらにコントラストが低い部分を検出するためにアンダーサイジングすると、図43のようになる。コントラストが低い部分がないため、エラー図形は出力されない。
なお、ここでアンダーサイジングとは、図42のパターン421の外側(つまり図40のパターン401の外側)を所定量縮小し、図42のパターン421の内側(つまり図41のパターン411の外側)を所定量拡大することをいう。
【0119】
同様にして、図32の検証レイアウトパターン321を入力とした場合は、図39の ステップ391(ST391)では図44に示すような仕上がりパターン441が、ステップ392(ST392)では図45に示すような仕上がりパターン451が出力される。ステップ393(ST393)を経て、ステップ394(ST394)で図44から図45の図形を差演算して図46に示すパターン461が得られ、さらにアンダーサイジングすると、図47のようなエラーパターン471が得られる。
このように、この実施の形態によれば、仕上がり予測パターンについて、プロセス条件の劣悪な部分である低コントラスト部を検出することができる。
【0120】
以上説明したように、この実施の形態によれば、複数の光学条件あるいは複数のパターン形成プロセス条件、例えば複数の光学強度について仕上がり予測パターンを求め、それらの間で差演算を行い、残った図形に対して指定量アンダーサイジングを行うことによって、コントラストの小さい部分を検出し、コントラスト検証を行うパターン歪検出方法及び装置を得ることができる。
また、これにより、光学強度のコントラストがある値よりも小さい部分にパターン歪エラーを出力するコントラスト検証機能を有するパターン歪検出方法及び装置を得ることができる。
このようにこの実施の形態では、複数の光学条件や複数のパターン形成プロセス条件の変化に対して仕上がり予測パターン寸法の変動が著しい部分の検証を行うことができる。
【0121】
なお、この実施の形態8を次のように要約することができる。
この実施の形態8のパターン検出装置は、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターンまたは検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測する仕上りパターン予測手段と、仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化する仕上り予測パターン多角形化手段と、多角形化された仕上がり予測パターンを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により仕上がり予測パターンのパターン歪検出手段とを備えてなるものである。
【0122】
また、この実施の形態8のパターン検出方法は、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測するステップと、仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化するステップと、多角形化された仕上がり予測パターンを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により仕上がり予測パターンのパターン歪を検出するステップとを含んでなるものである。
【0123】
次に、この実施の形態8において、そのパターン歪検出装置は、コンピュータによって構成することができる。また、そのパターン歪検出方法は、そのプロセスをコンピュータに読み取り可能な記録媒体にコンピュータプログラムとして記録し、その演算をコンピュータに実行させることによって行うことができる。
この場合、この実施の形態8において、プログラム記録媒体に記録するコンピュータに実行させるためのプログラムとしては、次のものを記録する。すなわち、半導体製造プロセスに適用される設計レイアウトパターンまたは検証レイアウトパターンのデータとパターン形成プロセス条件とをメモリ領域に形成する処理と、設計レイアウトパターンまたは検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測する処理と、仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化する処理と、多角形化された仕上がり予測パターンを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により仕上がり予測パターンのパターン歪を検出する処理とを、プログラムとして記録する。
なお、ここでの図形演算は、多角形化された複数の仕上り予測パターンを相互比較する演算である場合を含むものである。
【0124】
なお、以下に記載する各実施の形態も、そのパターン歪検出装置は、コンピュータによって構成することができる。また、そのパターン歪検出方法は、そのプロセスをコンピュータに読み取り可能な記録媒体にコンピュータプログラムとして記録し、その演算をコンピュータに実行させることによって行うことができる。そして、それぞれのパターン歪検出方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムとして記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0125】
実施の形態9.
図48は、図16及び図38を組み合わせたもので、実施の形態6〜8で説明した機能をいずれも含むパターン歪検出装置の構成の例を示すブロック図である。以上のようにすれば、実施の形態6〜8の全ての機能を有するパターン歪検出装置が得られる。
【0126】
なお、上記実施の形態6〜9では、パターン歪部の検出のみについて記述したが、この検出結果をもとに、設計レイアウトパターンデータを自動修正することも可能であることは明らかである。また、コントラストの高低によってエラーの選別を行うこと、およびその結果を用いて設計レイアウトパターンデータを自動修正することも可能であることは明らかである。
【0127】
実施の形態10.
以上説明した各実施の形態、例えば典型的には、実施の形態1において、図1及び図2を参照して説明したパターン歪検出装置およびパターン歪検出方法においては、単一の仕上がり予測パターンによってパターン歪みの検証を行っているため、部分的に光学的、プロセス的条件の異なるような場合に高精度な検証を行うには限度がある。
これから説明する各実施の形態は、上記のような課題を解決するためになされたもので、異なる光学的、プロセス的条件に応じて異なる複数の予測パターンを作成し、これらと設計レイアウトパターン(基準レイアウトパターン)との間で図形演算を行うことにより、パターン歪エラーの検証をさらに高精度に行うことを目的とする。
【0128】
図49は、この実施の形態10のパターン歪検出装置の構成を示すブロック図である。
図49を図1と対比すると、図1における設計レイアウトパターンデータ保持部1が、図49では基準レイアウトパターンデータ保持部1aと検証レイアウトパターンデータ保持部1bとに分解されているが、これは実施の形態6における図16の構成で既に示したことで、この実施の形態の新たな点ではない。
【0129】
図49の構成が図1の構成と異なる点は、次のとおりである。まず、仕上がり予測パターンデータ保持部5に、新たに第1の高精度化仕上がりパターン予測手段19が接続されている。また、第1の高精度化仕上がりパターン予測手段19に第1の仕上がりパターン予測仕様保持部20が入力として接続され、第1の高精度化仕上がり予測パターンデータ保持部21が出力として接続されている。さらに、第1の高精度化仕上がりパターン予測手段19には、基準レイアウトパターンデータ保持部1aが入力として接続されている。また、第1の高精度化仕上がり予測パターンデータ保持部21の出力がパターン歪検出手段8に接続されている。
このように、この実施の形態10では、基準レイアウトパターンデータ保持部1aと仕上がり予測パターンデータ保持部5と第1の仕上がりパターン予測仕様保持部20とを入力とする、第1の高精度化仕上がりパターン予測手段19を含むことが特徴である。
【0130】
次に、動作について説明する。
図50は、上述した構成のパターン歪検出装置の動作を示すフローチャートである。
図50のフローにおけるステップ501(ST501)からステップ503(ST503)までは、実施の形態1の図2におけるステップ21(ST21)からステップ23(ST23)までと同様である。また、図50のステップ505(ST505)以降も図2のステップ25(ST25)以降と同様である。
【0131】
図50におけるステップ504(ST504)がこの実施の形態の特徴であり、このステップ504(ST504)では、複数の光学条件、及び/又は、複数のパターン形成プロセス条件に対応して仕上がり予測パターンを高精度化するための第1の仕上がりパターン予測仕様に基づき、基準レイアウトパターンと予測パターンとの間で図形演算を行う。
【0132】
ここで、仕上がりパターン予測仕様とは、複数の異なる光学条件あるいはパターン形成プロセス条件により予測された仕上がり予測パターンと、基準レイアウトパターン間で図形演算を行うための論理を意味する。
また、第1の仕上がりパターン予測仕様に基づく第1の仕上がりパターン予測においては、基準レイアウトパターンと単一の仕上がり予測パターンとの間で図形演算を行う。
【0133】
また、本明細書において図形演算とは、一般的なレイアウト検証ツールで可能な、AND, OR, NOT, XOR、サイジング、図形同士の包含関係、接触、コーナ部処理、内部・外部間隔等の処理を単独、または組み合わせて行うものである。
【0134】
図51に入力レイアウトパターン、すなわち設計レイアウトパターンの具体例を示す。
図51において、511はトランジスタの活性領域、512はトランジスタのゲート配線を示す。このうちゲート配線512を入力として実施の形態1などの方法によりパターン予測を行った結果を図52に示す。図52において、521は図51と同じ活性領域であり、522は図51のゲート配線512を入力とした時のパターン予測である。
【0135】
一方、入力レイアウトパターンについて、実際にウェーハ上にパターンを形成した時のパターン形状を図53に示す。図53において、531は図51と同じ活性領域であり、532は図51のゲート配線512が実際にウェーハ上に形成されたパターンの形状である。図52と図53を比較すると、活性領域521,531と重ならない部分の形状が大きく異なることが解る。
【0136】
実際のウェーハプロセスでは、活性領域521の領域を形成した後、ゲート配線522の領域の形成を行うが、実際のウェーハでは活性領域521の図形の領域内外では、紙面法線方向で高低差がある。このため、ゲート配線522のパターンは、図53のように活性領域531の領域内外で異なって形成されるのである。よって、活性領域531の領域内外など、レイアウト上の条件が異なる部分でパターンの予測方法を変える機能が必要となる。
【0137】
図54は実施の形態10のパターン予測仕様の具体例を説明するためのもので、ゲート配線の予測パターンと活性領域(図51〜図53の活性領域511,521,531)との関係を示す。
図54において、541は活性領域、542はゲート配線の予測パターンで、そのうち542aは領域541外にある予測パターン、542bは領域541内にある予測パターンである。予測パターン542aおよび542bは、それぞれ、予測パターン542と活性領域541のNOT処理およびAND処理で求めることができる。
【0138】
ここで、第1の高精度化仕上がりパターン予測手段19が、第1の仕上がりパターン予測仕様保持部20から供給されて図形演算するための仕上がりパターン予測仕様を「予測パターン542aの領域をアンダーサイズし、その結果と予測パターン542bをマージ(OR処理)せよ」とすることにより、図55に示す予測パターン552が得られる。図55の活性領域551は図51〜図53と同じである。このように、図55はこの実施の形態による仕上がりパターン予測例を示したものである。
【0139】
以上のように、仕上がりパターン予測仕様を図50のフローに適用することにより、図53の状態に近い予測パターンを得ることが可能となる。
なお、ここでは、予測パターン542の領域を限定した後、予測パターン542と活性領域541との図形演算を行ったが、領域を限定せず予測パターン542全体に対し図形演算を行うことも可能である。
【0140】
以上説明したように、この実施の形態では、複数の光学条件あるいは複数のパターン形成プロセス条件に対応した仕上がりパターン予測仕様に基づき、多角形化された仕上り予測パターンと基準レイアウトパターンとを、高精度化仕上がりパターン予測手段19において図形演算して、多角形化された仕上り予測パターンを高精度化することができる。
【0141】
このように、この実施の形態によれば、部分的に条件の異なるプロセスに対する仕上がりパターンの予測および、これによるパターン歪検証が可能となる。また、この実施の形態は上記段差による影響に留まらず、一般にレイアウトと相関のある予測パターンの変形に関して有効であることは明らかである。
【0142】
実施の形態11.
図56は、この実施の形態11によるパターン歪検出装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態10の図49に示す構成との相違点は、次のとおりである。まず、この実施の形態の図56では、図49における仕上がりパターン予測手段2から仕上がり予測パターンデータ保持部5に至るまでの構成、すなわち、仕上がりパターン予測手段2、仕上がり予測パターン輪郭の多角形化手段3、頂点数削減手段4、仕上がり予測パターンデータ保持部5を複数系統備えていることである。図56ではこれを2系統示している。
【0143】
また、図56では、第2の高精度化仕上がりパターン予測手段22を備え、これに複数の仕上がり予測パターンデータ保持部5が入力として接続されている。また、第2の高精度化仕上がりパターン予測手段22には、第2の仕上がりパターン予測仕様保持部23が入力として接続され、第2の高精度化仕上がり予測パターンデータ保持部24が出力として接続されている。また、第2の高精度化仕上がり予測パターンデータ保持部24の出力がパターン歪検出手段8に接続されている。なお、第2の高精度化仕上がりパターン予測手段22には、基準レイアウトパターンデータ保持部1aが入力として接続されている。
【0144】
このようにこの実施の形態11では、基準レイアウトパターンデータ保持部1aと複数の仕上がり予測パターンデータ保持部5と第2の仕上がりパターン予測仕様保持部23とを入力とする、第2の高精度化仕上がりパターン予測手段22を含むことが特徴である。
ここで、仕上がりパターン予測仕様とは、複数の異なる光学条件あるいはパターン形成プロセス条件により予測された仕上がり予測パターンと、基準レイアウトパターン間で図形演算を行うための論理を意味する。
また、第2の仕上がりパターン予測仕様に基づく第2の仕上がりパターン予測においては、複数の仕上がり予測パターン間で図形演算を行う。
【0145】
次に、動作について説明する。
図57は、この実施の形態におけるパターン歪検出フローである。図57のフローにおけるステップ571(ST571)からステップ573(ST573)までは、実施の形態10の図50におけるステップ501(ST501)からステップ503(ST503)までと同様である。また、図57のステップ576(ST576)以降も図50のステップ505(ST505)以降と同様である。
【0146】
図57におけるステップ574(ST574)とステップ575(ST575)がこの実施の形態の特徴であり、実施の形態10の図50では、仕上がり予測パターンを1つの条件で求めていたのに対し、本実施の形態のフローでは、ステップ574(ST574)で、ステップ571(ST571)からステップ573(ST573)までのフローを複数の条件、すなわち、複数の光学条件あるいは複数のパターン形成プロセス条件に対応して複数回行う。
【0147】
こうして、複数求められた仕上がりパターンについて、第2の高精度化仕上がりパターン予測手段22において、第2の仕上がりパターン予測仕様保持部23から供給される第2の仕上がりパターン予測仕様を基に、ステップ575(ST575)において図形演算することにより、仕上がり予測パターンを求める。
【0148】
以下に、これを具体的に説明する。図58はこの実施の形態によるパターン予測の過程を説明するための図である。図51のゲート配線512を検証対象とした時、前述のように、活性領域511の領域内外で、光学的あるいはプロセス的条件が異なる。これに対し、異なる条件でパターンの予測を行った例を図58に示している。図58の活性領域581は図51の活性領域511と同じであり、図58の582は活性領域581外での条件で予測されたパターン、583は活性領域591内の条件で予測されたパターンである。
【0149】
次に、第2の高精度化仕上がりパターン予測手段22において、第2の仕上がりパターン予測仕様保持部23からの第2の仕上がりパターンの予測仕様に基づいて、仕上り予測パターンをそれぞれ基準レイアウトパターンと図形演算し、その結果をマージする。
ここで、第2の仕上がりパターンの予測仕様を「予測パターン583と581のAND処理を行った結果と、予測パターン582と581のNOT処理を行った結果をマージ(OR処理)せよ」とすると、図53に示す様な実際のパターンに近い結果を得ることができる。
【0150】
以上のように、この実施の形態によれば、光学条件あるいはパターン形成プロセス条件が部分的に異なる複数のプロセスに対応して複数の仕上がりパターンを予測し、これらと基準レイアウトパターン(設計レイアウトパターン)とをそれぞれ図形演算し、その結果をマージして高精度化した仕上り予測パターンを作成する。そして、この高精度化した仕上り予測パターンを用いてパターン歪検証を実施の形態10よりも高精度に行うことが可能となる。また、この実施の形態は上記段差による影響に留まらず、一般にレイアウトと相関のある予測パターンの変形に関して有効であることは明らかである。
【0151】
実施の形態12.
実施の形態12におけるパターン歪検証装置および検証フローの説明は、実施の形態11と同じ図を用いて行う。(実施の形態12におけるパターン歪検証装置の構成および検証フローは実施の形態11と同じである。)
実施の形態11では、複数の仕上がり予測パターンと基準レイアウトパターン(設計レイアウトパターン)間でそれぞれ図形演算を行ったが、本実施の形態では、複数の仕上がり予測パターン間で図形演算を行う例を示す。
【0152】
図59は、入力レイアウトパターン、すなわち、検証対象のレイアウトパターンを示す。図60〜図62は、異なる条件で予測された仕上がり予測パターンを示す。図63は、この実施の形態によるパターン予測仕様の具体例を説明するためのもので、図60〜図62を重ねて表示したものである。
【0153】
複数の条件でパターン歪の検証をする際には、複数の条件を通して最も予測パターンが大きく歪んでいる場合を求めることが多い。
最もパターンの小さくなる場合は、全ての仕上がり予測パターンのAND処理によって求めることができ(図63の予測パターン633)、最もパターンが大きくなる場合は、全ての仕上がり予測パターンのOR処理によって求めることができる(図63の仕上り予測パターン632)。
【0154】
さらに、本発明によれば、図64に示すように、実施の形態11で示した図58の活性領域581の代りに、活性領域581の仕上がり予測パターン(図64の641)を使用し、これと仕上り予測パターン642,643との間で図形処理を行うことで、さらに高精度な予測が可能となる。図64はこの実施の形態によるパターン予測仕様の具体例を説明するためのものである。
【0155】
実施の形態13.
実施の形態10〜12はそれぞれ組合わせて行うことにより同様の効果を得ることが可能であることは自明であり、その場合の構成は図56と同じである。
なお、上記実施の形態10〜13では、パターン歪部の検出のみについて記述したが、この検出結果をもとに、設計レイアウトパターンデータを自動修正することも可能であることは明らかである。
【0156】
実施の形態14.
以上説明した各実施の形態では、例えば典型的には実施の形態1においては、仕上がりパターンを設計レイアウトパターンから予測し、これと設計レイアウトパターンと間で図形演算を行うことにより、仕上がり予測パターンが設計レイアウトパターンに対して許容量以上に歪んだ箇所を検出している(図1参照)。
また、例えば実施の形態6においては、検証レイアウトパターンから仕上がりパターンを予測し、これと基準レイアウトパターンとの間で図形演算を行うことにより、仕上がり予測パターンが基準レイアウトパターンに対して許容量以上に歪んだ箇所を検出している(図16参照)。
しかしながら、これらの実施の形態では、複数の異なるプロセス条件や複数の異なる検証レイアウトパターン作成方法の間で、仕上がりパターンがどのように異なるかを検証することはできない。
【0157】
これから説明する実施の形態14は、上記のような課題を解決されるためになされたもので、異なる条件で作成された複数の仕上がり予測パターンに関して図形演算を行うことにより、複数の仕上がり予測パターン間での相違箇所を検出することにより、各条件間の結果の差異を検証することを目的とする。
【0158】
図65は、この実施の形態14のパターン歪検出装置の構成を示すブロック図である。
図65において、検証レイアウトパターンデータ保持部1b、パターン形成プロセス条件保持部10、仕上がりパターン予測手段2、仕上がり予測パターン輪郭の多角形化手段3、頂点数削減手段4、および仕上がり予測パターンデータ保持部5は、図16と同様のものであるが、図65では、これらが複数系統備えられている。
【0159】
また、複数の仕上がり予測パターンデータ保持部5に、新たに仕上がり予測パターン比較手段25が接続されている。また、仕上がり予測パターン比較手段25に仕上がり予測パターンデータ比較仕様保持部26が入力として接続され、仕上がりパターン相違情報保持部27が出力として接続されている。
このように、この実施の形態14では、複数の仕上がり予測パターンデータ保持部5と仕上がり予測パターンデータ比較仕様保持部26とを入力とする、仕上がり予測パターン比較手段25を含むことが特徴である。
【0160】
次に、動作について説明する。
図66は、上述した構成のパターン歪検出装置の動作を示すフローチャートである。図66のステップ661〜663(ST661〜ST663)及びステップ661’〜 663’(ST661’〜ST663’)は図2のステップ21〜23(ST21〜23)と同様である。ただし、図66のステップST661及びステップST661’では、検証レイアウトパターンを基にしている。
【0161】
これらステップ661〜663(ST661〜ST663)とステップ661’〜 663’(ST661’〜ST663’)との差は、それぞれの処理で使用する検証レイアウトパターンデータ、又は/及び、パターン形成プロセス条件が異なるのみである。
【0162】
次に、ステップ664(ST664)では、仕上がり予測パターン比較仕様保持部26からの仕上がり予測パターン比較仕様に基づいて複数の仕上がり予測パターンデータ間で図形演算を行い、その結果を仕上がり予測パターン相違情報として出力し、仕上がり予測パターン相違情報保持部27に保持する。
【0163】
このように本実施の形態では、ステップ661〜663(ST661〜ST663)の動作を複数系統含む点と、これらにより求められた複数の仕上がり予測パターン間で図形演算を行うことによりその相違点を検出するためのステップ664(ST664)を持つことが特徴である。
言い換えれば、この実施の形態では、2つの仕上がりパターンデータ間のXOR処理を行い、その結果を出力する。
【0164】
次にこの実施の形態の変形例について説明する。
複数の仕上がり予測パターンの間の比較の一態様として、複数の仕上がり予測パターンのうち、特定の仕上がり予測パターンを選び、これを基に検査用基準パターンを作成する。そして、この検査用基準パターンと複数の仕上がり予測パターンとを比較する、あるいは複数の仕上がり予測パターンデータ間で図形演算を行なう。
【0165】
この場合、検査用基準パターンとして、特定の仕上がり予測パターンより拡大した許容上限を画する上限検査用基準パターンと、特定の仕上がり予測パターンより縮小した許容下限を画する下限検査用基準パターンとを作成し、これらの上限および下限検査用基準パターンと複数の仕上がり予測パターンとをNOT処理により比較する、
このプロセスは、実施の形態1で、図2(ST24)、図6、図7などを参照して説明したことと同様であるから、詳細な説明は省略する。
【0166】
以上のように、この実施の形態によれば、複数の仕上がり予測パターン間の相違箇所を検出することが可能である。また、この方法によって検出された相違箇所に対して、次のように相違箇所の分類を行えることも自明である。
すなわち、仕上がりパターンが基準レイアウトパターンより細るか太るかを選別すること、また、パターン歪と他の設計レイヤーとの論理演算を行ない、パターン歪情報を選別すること、また、この論理演算によりパターン歪の重要度選別を行うことなどができる。これらについても既に実施の形態6、7などで説明しているので、重複説明は省略する。
【0167】
以上説明したように、この実施の形態では、複数の異なるパターン形成プロセス条件、及び/又は、複数の検証レイアウトパターンデータに対応して複数の仕上がりパターンを予測し、予測された複数の仕上がり予測パターンデータを図形演算することにより、予測パターンデータ間の相違箇所を検出することができる。
【0168】
さて、以上に各実施の形態について説明したこの発明の一局面を、以下のように要約することができる。。
この発明の一局面のパターン検出装置は、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測する仕上りパターン予測手段と、上記仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化する仕上り予測パターン多角形化手段と、多角形化された仕上がり予測パターンのみ、または、多角形化された仕上がり予測パターンと設計レイアウトパターンを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により上記仕上がり予測パターンのパターン歪検出手段とを備えてなるものである。
【0169】
また、この発明の一局面のパターン検出方法は、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測するステップと、上記仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化するステップと、多角形化された仕上がり予測パターンのみ、または、多角形化された仕上がり予測パターンと設計レイアウトパターンを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により上記仕上がり予測パターンのパターン歪を検出するステップとを含んでなるものである。
【0170】
次に、発明において、パターン歪検出装置は、コンピュータによって構成することができる。また、パターン歪検出方法は、そのプロセスをコンピュータに読み取り可能な記録媒体にコンピュータプログラムとして記録し、その演算をコンピュータに実行させることによって行うことができる。
この場合、この発明の一局面において、プログラム記録媒体に記録するコンピュータに実行させるためのプログラムとしては、次のものを記録する。すなわち、半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンのみ、あるいは、設計レイアウトパターンまたは検証レイアウトパターンと基準レイアウトパターンのデータとをメモリ領域に形成する処理と、設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測する処理と、仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化する処理と、多角形化された仕上がり予測パターンのみ、または、多角形化された仕上がり予測パターンと設計レイアウトパターンまたは基準レイアウトパターンを入力とし、入力されたデータの図形演算処理により上記仕上がり予測パターンのパターン歪を検出する処理とを、プログラムとして記録する。
このようなパターン歪検出装置、検出方法又はプログラム記録媒体によれば、光学強度シミュレーション等を用いて計算した精度の高い仕上がり予測パターンのパターン歪みを精度よく検出することができる。
【0171】
さて、以上の各実施の形態について説明したこの発明のパターン歪検出装置及び検出方法は、半導体装置の製造に有効に用いられる。
半導体製造プロセスにおいては、光リソグラフィ技術などによって多くのパターンが形成される。また、エッチング等のパターン形成プロセスも多くある。これらの多くのパターン形成プロセスにおいて、超微細なパターンを正確に形成するために、上述したパターン歪検出装置及び検出方法を用いることができる。また、このような製造プロセスによって、微細で歪みの少ないパターンが形成された半導体装置を得ることができる。
【0172】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成されているので、次のような効果を奏する。
この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、光学強度シミュレーション等を用いて計算した精度の高い仕上がり予測パターンと、設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータから形成した検査用基準パターンデータとを比較し、パターン歪みを精度よく検出することができる。
さらに、仕上がり予測パターンと、設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータとを直接比較し、パターンの歪みを検出することができ、特にパターン線幅に関して高精度にパターン歪みを検出することができる。
【0173】
さらに、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、仕上がり予測パターンの頂点数を削減するようにしたため、検査用基準パターンの生成、および検査用基準パターンと仕上がり予測パターンとの比較に汎用のデザインルールチェックプログラムを使用することができる。
【0174】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、パターン歪みの上限検査用基準パターンと下限検査用基準パターンとをそれぞれ別個に形成しているため、許容上限値及び許容下限値を別個に設定して、パターン歪みを精度よく検出することができる。
【0175】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、パターンコーナ部でのパターン歪みを検出しないように検査用基準パターンを変形させているため、高精度が要求されるパターン線幅に関するパターン歪みのみを高精度に検出することができる。
【0176】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、検査用基準パターンの生成は、コーナに矩形を発生させ、その矩形と設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンとの図形演算、およびサイジング処理だけで行うので、これも汎用のデザインルールチェックプログラムを使用することができ、簡便にシステムを構築することができる。
【0177】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、検査用基準パターンの形成において、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部に発生する矩形のサイズを調整するので、パターン短辺のパターン歪みも精度良く検出することができる。
【0178】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、検査用基準パターンの形成において、パターンの微少段差部の両コーナ部に、辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を設定するので、微小段差近辺のパターン歪みも高精度に検出できる。
【0179】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、検査用基準パターンの形成において、パターンの微少段差部の両コーナ部の中間点に、辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を設定するので、微小段差近辺のパターン歪みも高精度に検出できる。
【0180】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、検査用基準パターンの形成において、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部分を斜めにカットするので、図形論理演算処理が不要となり、処理高速化が可能となる。
【0181】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法では、許容範囲以上のパターン歪みが発生するパターンの部分について、設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータと仕上がり予測パターンの直接比較し、パターン歪みを正確に求めることができる。また、この歪み量を正確にレポートすることができる。また、これにより設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータの修正を正確に行うことができる。
【0182】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、パターン歪の検出において、仕上がりパターンが設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより細るか太るかを選別して検出することができる。これにより、設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータの修正を正確に行うことができる。
【0183】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、パターン歪と他の設計レイヤーとの論理演算を行ないパターン歪の情報を選別することができる。これにより、設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータの修正を正確に行うことができる。
【0184】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、上記論理演算により上記パターン歪の重要度選別を行うことができる。これにより、設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータの修正を正確に行うことができる。
【0185】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、複数の光学条件、及び又は、複数のパターン形成プロセス条件について、複数の仕上がり予測パターンを求め、仕上がり予測パターンのコントラスト情報を得ることができる。これにより、設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータの修正を正確に行うことができる。
【0186】
また、この発明のパターン歪検出装置および検出方法によれば、複数の仕上がり予測パターンの間で差演算を行い、さらにアンダーサイジングを行うことにより、仕上がり予測パターンのコントラストの小さい部分を検出することができる。これにより、設計レイアウトパターンデータ又は基準レイアウトパターンデータの修正を正確に行うことができる。
【0189】
また、この発明のパターン歪検出方法によれば、複数のプロセス条件などに対応して複数の多角形化された仕上り予測パターンを作成し、複数の仕上り予測パターンの間で図形演算するので、プロセス条件などに対応して仕上り予測パターンを高精度化することができる。
【0191】
また、この発明によれば、上記のようなパターン歪検出装置および検出方法を用いて、半導体製造のパターン形成プロセスにおいて、超微細なパターンを正確に形成し、微細で歪みの少ないパターンを用いた半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるパターン歪検出装置の構成図を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるパターン歪検出方法を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1において、設計レイアウトパターンを示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1において、仕上がり予測パターンの計算結果を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1において、仕上がり予測パターン輪郭の多角形を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1において、下限検査用基準パターンの形成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1において、上限検査用基準パターンの形成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態1において、下限検査用基準パターンと仕上がり予測パターンの比較を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態1において、上限検査用基準パターンと仕上がり予測パターンの比較を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態1において、検査用基準パターン発生上の問題を説明するための図である。
【図11】 この発明の実施の形態2において、パターンコーナ間距離が小さい場合の検査用基準パターンの形成を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態1おいて、パターンに微小段差がある場合の検査用基準パターン発生上の問題を説明するための図である。
【図13】 この発明の実施の形態3において、パターンに微小段差がある場合の検査用基準パターンの形成を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態4において、検査用基準パターンの作成を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態5における、パターン歪検出装置の構成を示すブロック図である。
【図16】 実施の形態6及び7における、パターン歪エラー選別機能を有するパターン歪み検出装置の構成を示したものである。
【図17】 検証レイアウトパターンとして、ラインアンドスペースパターンの具体的な補正例を示したものである。
【図18】 図17の検証レイアウトパターンによる仕上がりパターンの具体例を示したものである。
【図19】 図18の仕上がりパターンを補正後の設計レイアウトパターンと比較した場合のエラー出力の具体例を示したものである。
【図20】 基準レイアウトパターンとして、補正前の設計レイアウトパターンの具体例を示したものである。
【図21】 補正後のレイアウトパターンから求めた仕上がりパターンと補正前の設計レイアウトパターンとを比較した場合のエラー出力の具体例を示したものである。
【図22】 実施の形態6によるパターン歪み検出フロー、すなわち、他設計レイヤーとの論理演算を行うことによるエラー選別フローを示したものである。
【図23】 実施の形態6における入力レイアウトパターンの具体例を示したものである。
【図24】 実施の形態6によるエラー出力例を比較のために示したものである。
【図25】 実施の形態6のパターン歪み検出の処理過程の具体例を示したものである。
【図26】 実施の形態6のパターン歪み検出の結果の具体例を示したものである。
【図27】 実施の形態7によるパターン歪み検出フロー、すなわち、特に仕上がりパターンが細る場合又は太る場合でエラーを選別するフローを示したものである。
【図28】 実施の形態7のパターン歪み検出の結果の具体例を示したものである。
【図29】 実施の形態7の他のパターン歪み検出の具体例を示したものである。
【図30】 実施の形態8における入力レイアウトパターンの具体例を示したものである。
【図31】 図30における光学強度などの強度分布の具体例を示したものである。
【図32】 実施の形態8における他の入力レイアウトパターンの具体例を示したものである。
【図33】 図32における光学強度などの強度分布の具体例を示したものである。
【図34】 図30の設計レイアウトパターンに対する実施の形態1による検証結果を比較のために示したものである。
【図35】 図32の設計レイアウトパターンに対する実施の形態1による検証結果を比較のために示したものである。
【図36】 図30の設計レイアウトパターンに対する仕上がりパターンの具体例を示したものである。
【図37】 図32の設計レイアウトパターンに対する仕上がりパターンの具体例を示したものである。
【図38】 実施の形態8によるパターン歪み検出装置の構成、すなわち、コントラスト検証機能を有するパターン歪検出装置の構成を示したものである。
【図39】 実施の形態8によるパターン歪み検出フロー、すなわち、コントラスト検証フローを示したものである。
【図40】 図30を実施の形態8の方法により処理する過程の具体例を示したものである。
【図41】 図30を実施の形態8の方法により異なる条件で処理する過程の具体例を示したものである。
【図42】 図30を実施の形態8の方法により処理する過程の差演算結果の具体例を示したものである。
【図43】 図30を実施の形態8の方法によりアンダーサイジング処理した結果の具体例を示したものである。
【図44】 図32を実施の形態8の方法により処理する過程の具体例を示したものである。
【図45】 図32を実施の形態8の方法により異なる条件で処理する過程の具体例を示したものである。
【図46】 図32を実施の形態8の方法により処理する過程の差演算結果の具体例を示したものである。
【図47】 図32を実施の形態8の方法によりアンダーサイジング処理した結果の具体例を示したものである。
【図48】 実施の形態9によるパターン歪み検出装置の構成を示したものである。
【図49】 実施の形態10のパターン歪検証装置の構成を示す図である。
【図50】 実施の形態10のパターン歪検証フローを示したものである。
【図51】 実施の形態10および11の入力レイアウトパターンの具体例を示したものである。
【図52】 実施の形態1などによる仕上がりパターン予測例を比較のために示したものである。
【図53】 図51の入力レイアウトパターンを実際にウェーハ上に形成した例を示したものである。
【図54】 実施の形態10のパターン予測仕様の具体例を説明するための図である。
【図55】 実施の形態10による仕上がりパターン予測例を示したものである。
【図56】 実施の形態11〜13のパターン歪検証装置の構成を示した図である。
【図57】 実施の形態11〜13のパターン歪検証フローを示したものである。
【図58】 実施の形態11によるパターン予測の過程を説明するためのものである。
【図59】 実施の形態12の入力レイアウトパターンの具体例を示す図である。
【図60】 実施の形態12によるパターン予測の過程を説明するパターン図である。
【図61】 実施の形態12によるパターン予測の過程を説明するパターン図である。
【図62】 実施の形態12によるパターン予測の過程を説明するパターン図である。
【図63】 実施の形態12によるパターン予測仕様の具体例を説明するためのパターン合成図である。
【図64】 実施の形態12によるパターン予測仕様の具体例を説明するための図である。
【図65】 実施の形態14によるパターン歪検証装置の構成を示した図である。
【図66】 実施の形態14によるパターン歪検証フローを示した図である。
【図67】 パターン形成における光近接効果の一例を示す図である。
【図68】 従来のパターンピッチ検証方法を示す図である。
【図69】 従来のパターンピッチ検証の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 設計レイアウトパターンデータ保持部、
1a 基準レイアウトパターンデータ保持部、
1b 検証レイアウトパターンデータ保持部、
2 仕上がりパターン予測手段、
3 仕上がり予測パターン輪郭の多角形化手段、
4 頂点数削減手段、
5 仕上がり予測パターンデータ保持部、
6 検査用基準パターン作成手段、
7 検査用基準パターンデータ保持部、
8 パターン歪検出手段、
9 パターン歪情報保持部、
10 パターン形成プロセス条件保持部、
11 パターン歪量算出手段、
12 パターン歪量表示手段、
13 パターン歪情報選別条件保持部、
14 パターン歪情報選別手段、
15 エラー情報保持部、
16 コントラスト検証条件保持部、
17 コントラスト情報検出手段、
18 コントラスト情報保持部、
19 第1の高精度化仕上がりパターン予測手段、
20 第1の仕上がりパターン予測仕様保持部、
21 第1の高精度化仕上がり予測パターンデータ保持部、
22 第2の高精度化仕上がりパターン予測手段、
23 第2の仕上がりパターン予測仕様保持部、
24 第2の高精度化仕上がり予測パターンデータ保持部、
25 仕上がり予測パターン比較手段、
26 仕上がり予測パターンデータ比較仕様保持部、
27 仕上がりパターン相違情報保持部、
31,61,71,101,111,121,141,201,301,321設計レイアウトパターン、
40,50,80,90,181,361,362,363,371,372,373,401,411,441,451 仕上がり予測パターン、
62,72,102,112,122,132 矩形、
63,83,103,113,123,143 下限検査用基準パターン、
73,93 上限検査用基準パターン、
124 微小段差部、
125 段差部中点、
141c コーナ部分、
171 検証レイアウトパターン、
421,461 差演算パターン、
471 アンダーサイジングパターン。
Claims (35)
- 半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測する仕上りパターン予測手段と、上記仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化する仕上り予測パターン多角形化手段と、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンを基に検査用基準パターンを作成する検査用基準パターン作成手段と、上記多角形化された仕上り予測パターンと上記検査用基準パターンとを比較することにより上記仕上がりパターンのパターン歪を検出するパターン歪検出手段とを備え、
上記検査用基準パターン作成手段は、検査用基準パターンとして、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより拡大した許容上限を画する上限検査用基準パターンと、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより縮小した許容下限を画する下限検査用基準パターンとを作成することを特徴とするパターン歪検出装置。 - 上記仕上り予測パターン多角形化手段に仕上がり予測パターン多角形の頂点数を削減する頂点数削減手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記上限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において所定サイズの矩形領域を付加し、さらにパターン歪許容量分だけオーバサイズしたパターンを作成することを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記上限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの短辺のコーナ部に付加する隣り合う矩形領域が重ならないように上記矩形領域のサイズを調整することを特徴とする請求項3に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部のコーナー部において辺のコーナー部に付加する矩形領域よりも縮小した矩形領域を付加してパターンを作成することを特徴とする請求項3又は4に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記上限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部の中間点で所定サイズの矩形領域を付加してパターンを作成することを特徴とする請求項3又は4に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において所定のサイズの矩形領域を削除し、さらにパターン歪許容量分だけアンダサイズしたパターンを作成することを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの短辺のコーナ部に設定した隣り合う矩形領域が重ならないように上記矩形領域のサイズを調整することを特徴とする請求項7に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部のコーナー部において辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を削除してパターンを作成することを特徴とする請求項7又は8に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部の中間点で設定した所定サイズの矩形領域を削除してパターンを作成することを特徴とする請求項7又は8に記載のパターン歪検出装置。
- 上記検査用基準パターン作成手段は、上記下限検査用基準パターンとして、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において上記コーナー部を斜めに切り欠いて削除し、さらにパターン歪許容量分だけアンダサイズしたパターンを作成することを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン歪検出装置。
- 上記パターン歪み検出手段によりパターン歪が検出された領域について上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンと上記仕上り予測パターンの差からパターン歪量を算出するパターン歪量算出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のパターン歪検出装置。
- 上記パターン歪検出手段が、上記多角形化された仕上り予測パターンと上記検査用基準パターンとを比較することにより上記仕上がりパターンが上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより細るか太るかを選別して検出することを特徴とする請求項1に記載のパターン歪検出装置。
- 上記仕上がり予測パターンの上記パターン歪と他の設計レイヤーとの論理演算を行うパターン歪情報選別手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパターン歪検出装置。
- 上記論理演算により上記パターン歪の重要度選別を行うことを特徴とする請求項14に記載のパターン歪検出装置。
- 複数の光学条件、及び/又は、複数のパターン形成プロセス条件について上記仕上りパターン予測手段により複数の仕上がり予測パターンを求め、上記複数の仕上がり予測パターンの差から上記仕上がり予測パターンのコントラスト情報を得るコントラスト情報検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパターン歪検出装置。
- 上記コントラスト情報検出手段が、上記複数の仕上がり予測パターンの間で差演算を行い、得られた図形について指定量のアンダーサイジングを行うことにより、上記仕上がり予測パターンのコントラストの小さい部分を検出することを特徴とする請求項16に記載のパターン歪検出装置。
- 半導体製造プロセスにおいて設計レイアウトパターン又は検証レイアウトパターンを基に仕上がりパターンを予測するステップと、上記仕上がり予測パターンの輪郭を多角形化するステップと、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンを基に検査用基準パターンを作成するステップと、上記多角形化された仕上り予測パターンと上記検査用基準パターンとを比較することにより上記仕上がり予測パターンのパターン歪を検出するステップとを含み、
上記検査用基準パターンを作成するステップにおいて、検査用基準パターンとして、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより拡大した許容上限を画する上限検査用基準パターンを作成するサブステップと、上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより縮小した許容下限を画する下限検査用基準パターンとを作成するサブステップとを含むことを特徴とするパターン歪検出方法。 - 上記仕上がりパターンの輪郭を多角形化するステップにおいて、仕上がり予測パターン多角形の頂点数を削減するサブステップを含むことを特徴とする請求項18に記載のパターン歪検出方法。
- 上記上限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において所定サイズの矩形領域を付加し、さらにパターン歪許容量分だけオーバサイズしたパターンを作成することを特徴とする請求項18又は19に記載のパターン歪検出方法。
- 上記上限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの短辺のコーナ部に設定する隣り合う矩形領域が重ならないように上記矩形領域のサイズを調整することを特徴とする請求項20に記載のパターン歪検出方法。
- 上記上限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部のコーナー部において辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を付加してパターンを作成することを特徴とする請求項20又は21に記載のパターン歪検出方法。
- 上記上限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部の中間点で設定した所定サイズの矩形領域を付加してパターンを作成することを特徴とする請求項20又は21に記載のパターン歪検出方法。
- 上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において所定のサイズの矩形領域を削除し、さらにパターン歪許容量分だけアンダサイズしたパターンを作成することを特徴とする請求項18又は19に記載のパターン歪検出方法。
- 上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの短辺のコーナ部に設定した隣り合う矩形領域が重ならないように上記矩形領域のサイズを調整することを特徴とする請求項24に記載のパターン歪検出方法。
- 上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部のコーナー部において辺のコーナー部に設定する矩形領域よりも縮小した矩形領域を削除してパターンを作成することを特徴とする請求項24又は25に記載のパターン歪検出方法。
- 上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンの辺に微少段差部がある場合は、上記微少段差部の中間点で設定した所定サイズの矩形領域を削除してパターンを作成することを特徴とする請求項24又は25に記載のパターン歪検出方法。
- 上記下限検査用基準パターンを作成するサブステップにおいて、設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンのコーナ部において上記コーナー部を斜めに切り欠いて削除し、さらにパターン歪許容量分だけアンダサイズしたパターンを作成することを特徴とする請求項18又は19に記載のパターン歪検出方法。
- 上記パターン歪みを検出するステップによりパターン歪が検出された領域について上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンと上記仕上り予測パターンの差からパターン歪量を算出するステップを含むことを特徴とする請求項18〜28のいずれかに記載のパターン歪検出方法。
- 上記パターン歪を検出するステップにおいて、上記多角形化された仕上り予測パターンと上記検査用基準パターンとを比較することにより、上記仕上がりパターンが上記設計レイアウトパターン又は基準レイアウトパターンより細るか太るかを選別して検出することを特徴とする請求項18に記載のパターン歪検出方法。
- 上記仕上がり予測パターンの上記パターン歪と他の設計レイヤーとの論理演算を行ないパターン歪の情報を選別するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載のパターン歪検出方法。
- 上記論理演算により上記パターン歪の重要度選別を行うことを特徴とする請求項31に記載のパターン歪検出方法。
- 複数の光学条件、及び/又は、複数のパターン形成プロセス条件について、上記仕上りパターンを予測するステップにより複数の仕上がり予測パターンを求め、上記複数の仕上がり予測パターンの差から上記仕上がり予測パターンのコントラスト情報を得るステップを含むことを特徴とする請求項18に記載のパターン歪検出方法。
- 上記コントラスト情報を得るステップにおいて、上記複数の仕上がり予測パターンの間で差演算を行い、得られた図形について指定量のアンダーサイジングを行うことにより、上記仕上がり予測パターンのコントラストの小さい部分を検出することを特徴とする請求項33に記載のパターン歪検出方法。
- 複数の光学条件、及び/又は、複数のパターン形成プロセス条件に対応して複数の多角形化された仕上り予測パターンを作成するステップと、上記複数の多角形化された仕上り予測パターンの間で図形演算し、その結果を仕上り予測パターンとして出力するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載のパターン歪検出方法。
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