JP4076624B2 - 金銭登録機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金銭登録機に関し、特にレシート発行の際に付加価値情報を印字するように構成した印字機構を有する金銭登録機に関する。
【0002】
【従来の技術】
小売店等で使用されている金銭登録機若しくはPOS端末機等(以下、これらを「金銭登録機」という)は、商品若しくはサービスの売上明細等の情報が記録され顧客へ発行されるレシートを印字するためのレシート印字装置を有する。
【0003】
レシートには、当該レシートを発行した店舗名若しくはロゴ、発効日、購入された商品若しくはサービスの項目名、単価、預かり金額釣銭等のレシート情報が印字される。
【0004】
近年、小売店等において商品の購入時毎に顧客である消費者に対して発行されるレシートの広告媒体としての価値が認識され、レシート上に単に店舗名やロゴ及び挨拶文を印字するのに止まらず、特売品の案内や特売日等の情報案内や、購入金額に応じて提供されるサービス・ポイント、クーポン又は当たりくじ等の付加価値情報を印字するレシートの例が見受けられるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような付加価値情報は、従来、店舗名やロゴ若しくは挨拶文に関してはレシート明細欄の前に、その他の付加価値情報についてはレシート明細欄の後に続いて印字されていた。しかし、レシート情報と共に印字される付加価値情報が、購入金額に応じて提供されるサービス・ポイント、クーポン又は当たりくじ等のレシートの場合、発行された一枚のシートが、レシートの機能とともに、このような付加価値情報の機能の2つの機能を併せ持つために、その取り扱いに支障が生じていた。
【0006】
つまり、レシートは、家計簿等に貼り付けられて保管されたり、経理上若しくは税務上の要請に基づいて少なくとも一定期間は保管すべき書類である。一方、レシートが上記のような、例えばくじやクーポン等の機能を持つ場合は、当たりくじやクーポンは当該レシートの発行店舗等に提出されものであることから、レシートとしての保管に支障をきたしたり、又は受領した一片のレシートを、レシート情報印字部分と付加価値情報印字部分にハサミ等を用いて切り離したりしなければならなかったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る金銭登録機は、上記従来技術の課題に鑑みて、ロール・シート面の一方の側に顧客に発行されるレシート情報を印字し、他方の側に付加価値情報を印字する印字手段と、前記ロール・シートを搬送すると共に、前記レシート情報の印字領域と前記付加価値情報の印字領域の境界線にミシン目状のカットを施す円形鋸歯を同軸上に取り付けたシート搬送手段と、シートを前記ロール・シートから切り離すカット手段と、を有し、該シートを付加価値情報付きのレシートとして発行するものである。
【0008】
このように、本願発明は、レシート情報印字欄と付加価値情報印字欄を左右に離隔して印字するべく、シート面の一方の側に顧客に発行されるレシート情報を印字し、他方の側に付加価値情報を印字し、且つ、該レシート情報の印字領域と該付加価値情報の印字領域を切り離し容易な状態にすることによって、発行された一枚のシートが、レシート機能と付加価値情報機能を併せ持つ場合の取り扱い上の問題を解決したのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、金銭登録機内における本願発明に係る部分の斜視図であり、図2は、図1を逆の方向から見たものある。
【0011】
金銭登録機内のロール・シート収納部に収容されているロール・シート1は、シート走行経路に沿って搬送され、印字装置2に到達する。ロール・シート走行路の所定位置には、ロール・シート1を搬送する搬送ローラ、搬送ガイド、駆動機構等(図示せず)が配置されている。
【0012】
ロール・シート1は、その横幅方向の一方の側に売上明細等のレシート情報を、他方の側に特売品や特売日等の店舗情報案内、購入金額に応じて提供されるサービス・ポイント、クーポン又は当たりくじ等の付加価値情報を印字する。このためシートの幅は、従来のレシート・シート幅よりも幅広のものを用いることとなる。本実施例においては、向かって左側にレシート情報を、右側に付加価値情報をそれぞれ印字する。レシート印字欄には、店名若しくはロゴ、簡単な挨拶文、レシート発行日時、商品やサービスの売上明細である商品若しくはサービス名、単価及び数量、そして受領金額、釣銭、消費税額等が印字される。付加価値印字欄には、サービス・ポイント、クーポン又は当たりくじ等が印字される。
【0013】
印字装置2におけるレシート情報と付加価値情報の印字は、一連的に行われる。つまり、印字装置2がラインサーマル方式の熱転写の場合は、レシート欄と付加価値情報欄の一行分を同時に印字する。ドット・インパクト方式若しくはインク・ジェット方式の場合は、印字ヘッド2bが左右に駆動移動されつつ印字することによって、ロール・シート1のレシート印字欄と付加価値印字欄を印字する。いずれの場合も、一行分が印字される毎に、ロール・シート搬送手段により一行分のシート送りが行われる。本発明において用いる印字装置は、ドット・インパクト印字方式、熱転写印字方式の他、インク・ジェット印字方式若しくはレーザー印字方式の何れの印字手段でもよい。
【0014】
また、図4に示すように、本実施例においては、付加価値情報をシートの走行方向を行として印字し、レシート情報印字とは印字の行と列を逆にしている。このような印字は、金銭登録機が搭載する印字装置の機能に基づいて行えばよい。
【0015】
印字装置2は、印字ヘッド(図においては熱転写式のサーマル・ヘッド2b)とロール・シート1を挟んでこれに対抗する位置に配置されロール・シート1を支えるプラテン2aとを備えている。本実施例の場合、プラテン2aはロール・シート1を走行させるための搬送ローラを兼ねている。当然のことながらプラテン2aと搬送ローラはそれぞれ別個に設けてもよい。
【0016】
通常、顧客へ発行されるレシート・シートの上部には店名若しくはロゴ、及び簡単な挨拶等をスタンプ印字することができる。このために、ロール・シート収納部と印字装置2との間にエレクトロ・スタンプ10が設置される。エレクトロ・スタンプ10は、ロール・シート走行経路における他の位置に配置しても良い。
【0017】
このようにしてレシート情報と付加価値情報が印字されたロール・シート1は更に先に搬送され、レシート・カット手段6の手前に配置されたパーフォレータ手段3を通過することとなる。
【0018】
図3は、パーフォレータ手段3の構成を示す図である。パーフォレータ手段3は、前記ロール・シート1の搬送路上に配置されたロール・シート搬送シャフト7と、該シャフト7の回転軸上に取り付けられた鋸歯状の円形ブレード9及びゴムローラ8とから構成されている。ここで鋸歯状の円形ブレード9は、走行するロールシート1におけるレシート情報印字領域と付加価値印字領域の境界線の位置に配置されている。本実施例では、パーフォレータ手段3はシート走行手段を兼ねているので、パーフォレータ手段3の回転に伴って、ロール・シート1が走行する。
【0019】
パーフォレータ手段3の円形ブレード9の周囲は所定形状の鋸歯が形成されている。ここで、該鋸歯の凹部はゴムローラ8の円周表面よりも内側にあってロール・シート1の走行面に至らないように形成され、鋸歯の凸部は、ゴムローラ8の円周表面よりも外側に突出ている。これにより、鋸歯の凸部のみが走行するロール・シート1を貫通し、ロール・シート1のレシート情報印字領域と付加価値印字領域の境界線に沿ってミシン目状のカットが施されるのである。
【0020】
本実施例においては、走行方向の左側がレシート片となり、右側がサービス・ポイント、クーポン又は当たりくじ等が印字される付加価値シート片となるようにしているが、当然のことながら逆の位置になるようにしても良い。
【0021】
ロール・シート1が、パーフォレータ手段3の設置位置を通過する際に、円形ブレード9はロール・シート搬送シャフト7の回転に伴って回転し、鋸歯の凸部がロール・シート1を貫通することによってロール・シート1の走行方向平行の所定の位置にミシン目を施す。ロール・シート1を挟んで円形ブレード9に対抗する位置には、ロール・シート案内ガイド4を設置する。ロール・シート案内ガイド4は、ロール・シート1を裏側からパーフォレータ手段3における円形ブレード9に押し付けるようにすることにより、ロール・シート1に対するミシン目を施す作用を容易にする。
【0022】
パーフォレータ手段3における円形ブレード9の鋸歯は、ロール・シート1に対してミシン目をスムーズに施すべく、金属若しくはセラミックス等の材質を薄く成形したものを用いる。ミシン目のピッチ及び長さ等は、該鋸歯の形状によって定まる。
【0023】
円形ブレード9の鋸歯がロール・シート1に対してミシン目を入れる際には、ペーパーダストが生ずる。これを放置すれば、金銭登録機内部に配置された光検知器等の検知動作に悪影響を及ぼし金銭登録機のトラブルの原因となる。このため、ペーパーダスト収集カバー5をロール・シート案内ガイド4に設置すると良い。当該ペーパーダスト収集カバー5は、ロール・シート1の補充時等に合わせて定期的に清掃する。
【0024】
図4は上記のように印字されたロール・シート1が、印字後にレシート部と付加価値情報部の境目にミシン目を施された状態を示す。
【0025】
印字され、且つパーフォレータ手段3によってミシン目を施されたシートは、カッター・アッセンブリー6aとカッター受け6bとを備えたレシート・カット手段6によってカットされ、排出口より金銭登録機外へ排出される。図4の例においては、顧客は、受領したシートを分離し一方をレシートとし、他方をくじとして保管することとなる。
【0026】
図5は、上記のように構成される金銭登録機の制御を行う制御ブロックの一例を示す図である。
【0027】
プログラムに基づいて動作する中央演算装置(以下、「CPU」という)11には、プログラムや定数データが記録されたROM12と、可変データを一時的に記録するRAM13が接続されている。また、CPU11には、インターフェース14を介して、プリンタ・コントローラ15が接続される。プリンタ・コントローラ15は、印字装置2を構成する各種検知装置や、印字ヘッド2bを制御する印字ヘッド・コントローラ16、エレクトロ・スタンプ10、ロール・シート1の搬送を行うロール・シート搬送ローラ17、前記レシート・カット手段6等が接続されこれらの動作を制御する。
【0028】
CPU11には、インターフェース14を介して、テンキー入力や、バーコードスキャナ等によって必要な情報を入力する入力装置18と、このような入力情報に基づいて、商品項目やその価格を表示する表示装置19が接続されている。バーコードスキャナによる商品コード入力の場合は、CPU11は、外部のインストア・プロセッサ等に格納されている価格参照ファイル(PLUファイル)にアクセスして、当該商品コードに係る商品名とその価格を構内通信回線を経由して読み出し、該読み出しデータを表示装置19に表示し、印字装置2により、ロール・シート1に印字する。印字は、所定の形式に基づいて、ロール・シート1の一方の側にレシート情報を印字し、他方の側に付加価値情報情報を印字する。
【0029】
このようにして印字されたロール・シート1は、パーフォレータ手段3によってレシート情報印字領域と付加価値情報印字領域の境目にミシン目が施される。
【0030】
ミシン目が施されたシートは、レシート・カット手段6によって切断され、レシートとして排出口から金銭登録機外へ排出される。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態以外にも種々変形することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る金銭登録機においては、一台のレシート印字装置を用いて、シート面の一方の側に顧客に発行されるレシート情報を、他方の側に付加価値情報を印字し、且つ、該レシート情報の印字領域と該付加価値情報の印字領域の境目にミシン目状のカットを施すことにより、シートを左右に切り離し容易な状態にし、発行された一枚のシートが、レシート機能と付加価値情報機能を併せ持つ場合の顧客の取り扱いを容易にすることを可能にしたのである。
【0033】
そして、シートに対する前記ミシン目状のカット挿入は、シート走行経路に設けられたシート走行手段の取り付けられた鋸歯状の円形ブレードの回転に伴って行われるので、このための特別の機構を必要とせず、簡易に且つ確実に行なうことを可能にしたのである。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】 金銭登録機内における本願発明に係る部分の斜視図を示す。
【図2】 図1を逆の方向から見た斜視図を示す。
【図3】 パーフォレータ手段の構成を示す図である。
【図4】 本願発明に係る金銭登録機によって発行されたシートの印字例を示す。
【図5】 金銭登録機の制御ブロックの例を示す。
【符号の説明】
1 ロール・シート
2 印字装置
2a プラテン
2b 印字ヘッド
3 パーフォレータ手段
4 ロール・シート案内ガイド
5 ペーパーダスト収集カバー
6 レシート・カット手段
7 ロール・シート搬送シャフト
8 ゴムローラ
9 円形ブレード
10 エレクトロ・スタンプ

Claims (3)

  1. ロール・シート面の一方の側に顧客に発行されるレシート情報を印字し、他方の側に付加価値情報を印字する印字手段と、
    前記ロール・シートを搬送すると共に、前記レシート情報の印字領域と前記付加価値情報の印字領域の境界線にミシン目状のカットを施す円形鋸歯を同軸上に取り付けたシート搬送手段と、
    シートを前記ロール・シートから切り離すカット手段と、を有し、
    該シートを付加価値情報付きのレシートとして発行するように構成したことを特徴とする金銭登録機。
  2. 前記付加価値情報を印字された側のシートは、クーポン券、購入金額に応じた売上ポイントに係るサービス券、くじ、又は広告若しくは他の案内情報である、請求項1に記載の金銭登録機。
  3. 前記印字手段は、ドット・インパクト印字方式、熱転写印字方式、インク・ジェット印字方式若しくはレーザー印字方式の何れか一の印字手段である請求項1に記載の金銭登録機。
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