以下、本発明を適用したモータ駆動装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態のモータ駆動装置10は、図1に示すように構成されたいわゆるセンサレス方式のモータ駆動回路を備える。このモータ駆動回路は、特に、PWM信号でスイッチングしたドライブ電流を直接モータの各相コイルに供給するダイレクトPWM駆動をするモータの駆動回路である。このモータ駆動装置10は、3相モータ1の回転サーボ信号(Vcontrol)を両波整流し、これを基準信号Vrecとして出力するとともに、回転サーボ信号(Vcontrol)のマイナス入力時に3相モータ1に回転ブレーキをかけるためにリバース信号(Reverse)を出力する両波整流部2と、基準信号Vrecと後に説明する3相モータ1の駆動電流を検出した駆動電流検出電圧(Current Sense)を抵抗3a及びコンデンサ3bで積分処理した値とを比較するコンパレータ3と、コンパレータ3からの比較出力Verrに基づいてパルス幅変調信号(PWM Carrier)を出力するPWM信号生成部4とを有している。
また、モータ駆動装置10は、3相モータ1の中性点に発生する電圧であるコモン電圧COMを基準として、U相コイル1U,V相コイル1V,W相コイル1Wに生じる各相電圧Uin,Vin,Winをそれぞれ比較して比較信号Uin1,Vin1,Win1を生成する比較部5と、PWM信号生成部4からのパルス幅変調信号(PWM Carrier),比較部5からの各比較信号Uin1,Vin1,Win1及び両波整流部2からのリバース信号(Reverse)に基づいて、ドライバ7を駆動するためのコントロール信号Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlを生成して出力する信号処理部6とを有している。
また、モータ駆動装置10は、信号処理部6からのコントロール信号Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlに応じて3相モータ1を駆動するドライバ7と、3相モータ1の駆動電流を電圧のかたちで検出して抵抗3a及びコンデンサ3bからなる積分回路を介してコンパレータ3に供給する駆動電流検出部8と、ドライバ7が3相モータ1に駆動電流を供給したタイミングを検出するスイッチング検出部9とを有している。
このような構成を有するモータ駆動装置10では、3相モータ1の例えばU相コイル1U及びV相コイル1Vに電流を供給すると、このU相コイル1U及びV相コイル1Vがトルクを発生するように働くため3相モータ1が回転駆動する。このとき、3相モータ1では、通電をしていない残るW相コイル1Wが逆に起電圧を発生する。モータ駆動装置10は、この各相コイル1U,1V,1Wに発生する逆起電圧に基づいてロータの回転位置を検出し、この検出結果に応じて通電状態を切り換え制御して3相モータ1を回転駆動させるものである。
具体的には、各相コイル1U,1V,1Wから図2(a)に示すような逆起電圧(Win)Uin,Vinが発生する。この各相コイルに発生する逆起電圧(Win)Uin,Vinは、PWM信号でスイッチングしたドライブ電流が直接モータの各相コイルに供給されるため、このPWM信号に応じてレベルが変動する。すなわち、各相コイルの中点の電圧であるコモン電圧COMは、図2(b)に示すように、PWM信号がオンのときはVCCの1/2の電圧レベルとなり、PWM信号がオフのときはVCCからVCC+Vf/2(Vfはダイオードの順方向電圧)の電圧レベルとなる。したがって、逆起電圧(Win)Uin,Vinは、このコモン電圧COMを基準に電圧が発生するため、電圧レベルがPWMに応じて変動し、そのため、このオンオフの切替エッジでは、大きなノイズが生じている。なお、PWM信号がオフのときにコモン電圧COMがVCCからVCC+Vf/2レベルとなるのは、ドライバ7の下層トランジスタを切り換えて、すなわち、グランド側をオンオフしているためである。このことについては詳細を後述する。そして、このような、各相電圧Uin,Vin,Win及び3相モータ1の中性点の電圧であるコモン端子1aのコモン電圧COMは、それぞれ比較部5及びスイッチング検出部9に供給される。
なお、3相モータ1の各相のコイルに生じる電圧は、逆起電圧のみならずドライバ7からのドライブ電圧も当然生じる(例えば、図2(b)においてUinの信号)。以下、比較部5及びスイッチング検出部9に供給される電圧を総称して相電圧Uin,Vin,Winとして説明する。
また、この3相モータ1は、例えば、回転サーボ系或いはデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)等でその回転がサーボコントロールがされている。
両波整流部2は、図3に示すような構成である。この両波整流部2は、第1の増幅器2aと第2の増幅器2cと各整流素子等により、3相モータ1の回転状態に基づいて回転サーボ系或いはDSP等で生成された回転サーボ信号(Vcontrol)と、基準電源2bからの基準電圧との差分を検出し、この差分を両波整流する。そして、この両波整流した回転サーボ信号(Vcontrol)を基準信号Vrecとして出力する。両波整流部2は、この基準信号Vrecをコンパレータ3に供給する。
ここで、3相モータ1の回転数が規定以上に速くなると、回転サーボ信号(Vcontrol)は、回転数を落とすために基準電圧と比較してマイナスの信号となる。このため、両波整流部2では、比較器2dが、基準電圧と回転サーボ信号(Vcontrol)とを比較し、マイナス入力の回転サーボ信号(Vcontrol)が供給されたときに3相モータ1に回転ブレーキをかけるためのリバース信号(Reverse)を生成し、これを後に説明する信号処理部6に供給する。
駆動電流検出部8は、後に説明するドライバ7から各相コイル1U,1V,1Wに供給する駆動電流を電圧のかたちで検出する。この駆動電流検出電圧(Current Sense )は、抵抗3a及びコンデンサ3bからなる積分回路で積分処理されコンパレータ3に供給される。この駆動電流検出部8については、詳細を後述する。
コンパレータ3は、両波整流部2からの基準信号Vrecと、駆動電流検出部8で検出された駆動電流検出電圧(Current Sense )の積分信号とを比較し、この比較出力Verrをパルス幅変調回路(PWM回路)4に供給する。
PWM信号生成部4は、比較出力Verrをパルス幅変調してパルス幅変調信号(PWM Carrier)を生成し、これを信号処理部6に供給する。ここで、このPWM信号生成部4により生成されるパルス幅変調信号(PWM Carrier)は、メインクロック(Main Clock)に対して周期が一定であり、ハイ(オン)領域が変動する信号である。この実施の形態において説明するパルス幅変調信号(PWM Carrier)は、例えば、図4に示すような、メインクロックに対して周期が16クロック固定であり、オン領域が0クロックから16クロックまで変動する信号である。このメインクロックは、他の両波整流部2や信号処理部6等の処理にも用いられるこの装置の主同期信号である。なお、PWM信号生成部4により生成されるパルス幅変調信号(PWM Carrier)は、後述する信号処理部6等との整合性がとれれば、例えば、他のPWMの方式の信号であってもよい。
一方、比較部5は、図5に示すように、U相用,V相用,W相用の3つの比較器5a〜5cと、各相電圧を分圧する抵抗5d〜5kで構成されている。この比較部5には、図2に示した相電圧Uin,Vin,Win及びコモン電圧COMが供給される。3相モータ1からのコモン電圧COMは、基準電圧として各比較器5a〜5cに抵抗5j及び5kを介して供給される。また、U相の相電圧Uinは抵抗5d及び5eを介してU相用の比較器5aに供給され、V相の相電圧Vinは抵抗5f及び5gを介してV相用の比較器5bに供給され、W相の相電圧Winは抵抗5h及び5iを介してW相用の比較器5cに供給される。なお、図2(b)で説明したようにPWM信号がオフのときには、逆起電圧がVCCレベルを中心に発生する。そのため、逆起電圧がこのVCCレベルより大きなレベルとなってしまう場合がある。しかしながら、抵抗5d〜5kにより電圧が分圧しておくことで、特に問題は生じない。
各比較器5a〜5cは、図6(a)に示す各相電圧Uin,Vin,Winをコモン電圧COMと比較し、図6(b)〜(d)に示すような各比較信号Uin1,Vin1,Win1を生成しこれらを信号処理部6に供給する。
なお、各比較信号Uin1,Vin1,Win1は、図6においては図示していないが、PWM信号に応じてオンオフがされており、また、各相コイル1U,1V,1Wへの通電切り換えのタイミングで逆起電圧に生じるキックバックノイズが重畳している。
スイッチング検出部9は、図7に示すような構成であり、整流素子9b〜9dを介して検出する各相電圧Uin,Vin,Winと所定の基準電圧Vとを比較器9aにより比較し、CompOut信号を生成する。ここで、この比較器9aに供給される基準電圧は、ドライバ7からのドライブ電流が流れていない相コイルに生じる逆起電圧よりは大きいが、ドライバ7が駆動するドライブ電圧よりも小さい値に設定されている。つまり、この基準電圧は、図2(b)に示す場合においてのWinのピーク値よりも大きい値であるであるが、Uinよりも小さい値である。
このように基準電圧Vを設定することにより、比較器9aは、ドライバ7からのドライブ電圧のオンオフを示すCompOut信号を生成する。すなわち、スイッチング検出部9は、3相モータ1を駆動するPWM駆動スイッチングのタイミングを検出する。スイッチング検出部9により生成されたCompOut信号は、信号処理部6と駆動電流検出部8に供給される。
信号処理部6には、両波整流部2からリバース信号(Reverse)と、PWM信号生成部4からパルス幅変調信号(PWM Carrier)と、比較部5から比較信号Uin1,Vin1,Win1と、スイッチング検出部9からCompOut信号が供給される。信号処理部6は、これらの信号に基づき、ドライバ7のコントロール信号Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlを生成する。すなわち、信号処理部6は、3相モータ1の逆起電圧を検出してロータの回転位置を検出し、この検出に応じて3相モータ1の通電状態の切り換えを制御する。
次に、この信号処理部6の具体的な回路構成について説明する。信号処理部6は、図8に示すように、逆起電圧検出ロジック21と、エッジ検出ロジック22と、3フェーズロジック23と、アウトプットロジック24と、スタートロジック25と、アングル生成ロジック26と、PLLロジック27と、発振ロジック28とを備える。
逆起電圧検出ロジック21は、図9に示すように、タイミングコントローラ51と第1のノイズマスク回路52と、第2のノイズマスク回路53とを有する。タイミングコントローラ51には、スイッチング検出部9からのCompOut信号とメインクロックとが入力される。タイミングコントローラ51は、このCompOut信号とメインクロックに基づきタイミングクロックを生成し、第1のノイズマスク回路52に供給する。
具体的に、タイミングコントローラ51は、図10に示すように、第1と第2のカウンタ54,55と、ORゲート56と、CompOut信号を反転させるインバータ57とを有している。
第1のカウンタ54は、CompOut信号でリセットされメインクロックをカウントする第1〜第3のTフリップフロップ54a〜54cと、第1,第2のTフリップフロップ54a,54bからの各出力の論理積をとって第3のTフリップフロップ54cに供給する第1のANDゲート54dと、第1〜第3のTフリップフロップ54a〜54cからの各出力の論理積をとってORゲート56に供給する第2のANDゲート54eとを有している。
第2のカウンタ55は、インバータ57で反転されたCompOut信号でリセットされメインクロックをカウントする第1〜第3のTフリップフロップ55a〜55cと、第1,第2のTフリップフロップ55a,55bからの各出力の論理積をとって第3のTフリップフロップ55cに供給する第1のANDゲート55dと、第1〜第3のTフリップフロップ55a〜55cからの各出力の論理積をとってORゲート56に供給する第2のANDゲート55eとを有している。
タイミングコントローラ51の第1のカウンタ54は、CompOut信号がハイとなるとメインクロックのカウントを開始する。また、第2のカウンタ55は、CompOut信号がローとなるとメインクロックのカウントを開始する。第1と第2のカウンタ54,55は、カウントを開始すると、まず、メインクロックを7カウントしたときに出力がハイとなり、続いて、8カウント毎に出力がハイとなる。そして、CompOut信号がハイ又はローに切り替わる度にメインクロックをカウントするカウンタが切り替わる。すなわち、CompOut信号がハイのときは、第1のカウンタ54が動作し、第2のカウンタ55は動作しない。また、CompOut信号がローのときは、第2のカウンタ55が動作し、第1のカウンタ54は動作しない。この第1と第2のカウンタの出力は、ORゲート56に供給される。
ORゲート56は、第1と第2のカウンタ54,55の出力の論理和をとり、図11に示すようなタイミングクロックを出力する。このタイミングクロックは、第1のノイズマスク回路52に供給される。
第1のノイズマスク回路52は、図12に示すように、第1のU相ノイズマスク回路58と、第1のV相ノイズマスク回路59と、第1のW相ノイズマスク回路60とから構成される。
第1のU相ノイズマスク回路58は、比較部5の比較器5aから供給される比較信号Uin1をメインクロックの反転信号に同期化させる第1のDフリップフロップ58aと、第1のDフリップフロップ58aの出力をタイミングコントローラ51により生成されるタイミングクロックに同期化させる第2のDフリップフロップ58bとを有する。この第1のU相ノイズマスク回路58は、第2のDフリップフロップ58bの入出力間のEXORの反転をとるEX−OR反転ゲート58cと、インバータ58dを介したEX−OR反転ゲート58cの出力と後述する第3のDフリップフロップ58hの出力とが供給される第1のANDゲート58eと、EX−OR反転ゲート58cと第2のDフリップフロップ58bの出力が供給される第2のANDゲート58fとを有する。また、第1のU相ノイズマスク回路58は、第1と第2のANDゲート58e,58fの出力が供給されるORゲート58gと、このORゲート58gの出力をタイミングクロックと同期化させて比較信号Uin1′を出力する第3のDフリップフロップ58hとを有する。
第1のV相ノイズマスク回路59は、比較部5の比較器5bから供給される比較信号Vin1をメインクロックの反転信号に同期化させる第1のDフリップフロップ59aと、第1のDフリップフロップ59aの出力をタイミングコントローラ51により生成されるタイミングクロックに同期化させる第2のDフリップフロップ59bとを有する。この第1のV相ノイズマスク回路59は、第2のDフリップフロップ59bの入出力間のEXORの反転をとるEX−OR反転ゲート59cと、インバータ59dを介したEX−OR反転ゲート59cの出力と後述する第3のDフリップフロップ59hの出力とが供給される第1のANDゲート59eと、EX−OR反転ゲート59cと第2のDフリップフロップ59bの出力が供給される第2のANDゲート59fとを有する。また、第1のV相ノイズマスク回路59は、第1と第2のANDゲート59e,59fの出力が供給されるORゲート59gと、このORゲート59gの出力をタイミングクロックと同期化させて比較信号Vin1′を出力する第3のDフリップフロップ59hとを有する。
第1のW相ノイズマスク回路60は、比較部5の比較器5cから供給される比較信号Win1をメインクロックの反転信号に同期化させる第1のDフリップフロップ60aと、第1のDフリップフロップ60aの出力をタイミングコントローラ51により生成されるタイミングクロックに同期化させる第2のDフリップフロップ60bとを有する。この第1のW相ノイズマスク回路60は、第2のDフリップフロップ60bの入出力間のEXORの反転をとるEX−OR反転ゲート60cと、インバータ60dを介したEX−OR反転ゲート60cの出力と後述する第3のDフリップフロップ60hの出力とが供給される第1のANDゲート60eと、EX−OR反転ゲート60cと第2のDフリップフロップ60bの出力が供給される第2のANDゲート60fとを有する。また、第1のW相ノイズマスク回路60は、第1と第2のANDゲート60e,60fの出力が供給されるORゲート60gと、このORゲート60gの出力をタイミングクロックと同期化させて比較信号Win1′を出力する第3のDフリップフロップ60hとを有する。
このような構成の第1のノイズマスク回路52は、各第2のDフリップフロップ58b,59b,60bが各比較信号Uin1,Vin1,Win1をタイミングコントローラ51により生成されたタイミングクロックに同期化させる。また、この第1のノイズマスク回路52は、タイミングクロックに同期して2度連続して同一のデータが入力されなければ、第3のDフリップフロップ58h,59h,60hからの出力を更新せず、それ以外は前のデータを保持する。この第1のノイズマスク回路52は、U相,V相,W相の各相の第1のノイズマスク回路58,59,60から出力される比較信号Uin1′,Vin1′,Win1′を第2のノイズマスク回路53に供給する。
第2のノイズマスク回路53には、比較信号Uin1′,Vin1′,Win1′とが供給される。また、この第2のノイズマスク回路53には、後述する3フェーズロジック23から出力されるフェーズ出力信号Uuout,Ulout,Vuout,Vlout,Wuout,Wloutがフィードバックされ供給される。
この各フェーズ出力信号Uuout,Ulout,Vuout,Vlout,Wuout,Wloutは、ドライバ7に設けられている3相モータ1の各相コイルを駆動する上層及び下層トランジスタを相の切り換えのタイミング制御するための信号である。フェーズ出力信号Uuoutは、U相コイル用の上層トランジスタを相の切り換えのタイミング制御するため信号であり、フェーズ出力信号Uloutは、U相コイル用の下層トランジスタを相の切り換えのタイミング制御するため信号である。また、フェーズ出力信号Vuoutは、V相コイル用の上層トランジスタを相の切り換えのタイミング制御するため信号であり、フェーズ出力信号Vloutは、V相コイル用の下層トランジスタを相の切り換えのタイミング制御するため信号である。また、フェーズ出力信号Wuoutは、W相コイル用の上層トランジスタを相の切り換えのタイミング制御するため信号であり、フェーズ出力信号Wloutは、W相コイル用の下層トランジスタを相の切り換えのタイミング制御するため信号である。なお、この3フェーズロジック23とこの出力である各フェーズ出力信号Uuout,Ulout,Vuout,Vlout,Wuout,Wloutについては詳細を後述する。
第2のノイズマスク回路53は、図13に示すように、第1のU相ノイズマスク回路58からの比較信号Uin1′とフェーズ出力信号Uuoutとが供給されるORゲート61aと、フェーズ出力信号Uloutが供給されるインバータ61bと、このORゲート61aとインバータ61bの出力が供給され、逆起電圧信号Uin2を出力するANDゲート61cとからなる第2のU相ノイズマスク回路61を有する。
また、第2のノイズマスク回路53は、第1のV相ノイズマスク回路59からの比較信号Vin1′とフェーズ出力信号Vuoutとが供給されるORゲート62aと、フェーズ出力信号Vloutが供給されるインバータ62bと、このORゲート62aとインバータ62bの出力が供給され、逆起電圧信号Vin2を出力するANDゲート62cとからなる第2のV相ノイズマスク回路62を有する。
また、第2のノイズマスク回路53は、第1のW相ノイズマスク回路60からの比較信号Win1′とフェーズ出力信号Wuoutとが供給されるORゲート63aと、フェーズ出力信号Wloutが供給されるインバータ63bと、このORゲート63aとインバータ63bの出力が供給され、逆起電圧信号Win2を出力するANDゲート63cとからなる第2のW相ノイズマスク回路63を有する。
第2のU相ノイズマスク回路61は、フェーズ出力信号Uuout,Uloutがいずれもローのときに、比較信号Uin1′に応じた信号を出力する。すなわち、フェーズ出力信号Uuout,Uloutがいずれもローのときには、3相モータ1のU相コイル1Uには、ドライブ電流が供給されていないので、逆起電圧が生じている。そのため、逆起電圧を検出すべく比較信号Uin1′に応じた信号を逆起電圧信号Uin2として出力する。
また、第2のU相ノイズマスク回路61は、フェーズ出力信号Uuoutがハイのとき(このときは、必ずフェーズ出力信号Uloutはローになる。)には、逆起電圧信号Uin2をハイにして出力する。すなわち、フェーズ出力信号Uuoutがハイのときには、U相コイル1UからV相コイル1V又はW相コイル1Wにドライブ電流が供給されているので、このU相コイル1Uの電圧として逆起電圧信号Uin2をハイにして出力する。
また、第2のU相ノイズマスク回路61は、フェーズ出力信号Uloutがハイのときには、逆起電圧信号Uin2をローにして出力する。すなわち、フェーズ出力信号Uloutがハイのときには、V相コイル1V又はW相コイル1WからU相コイル1Uにドライブ電流が供給されているので、このU相コイル1Uの電圧として逆起電圧信号Uin2をローにして出力する。
なお、第2のV相ノイズマスク回路62及び第2のW相ノイズマスク回路63についても、上述した第2のU相ノイズマスク回路61と同様の動作を行う。
以上のように、この逆起電圧検出ロジック21では、各回路が逆起電圧を検出する際のノイズを除去することができる。
タイミングコントローラ51では、CompOut信号が切り換わったのちにメインクロックを7カウントしてタイミングクロックを発生させるので、PWM信号がオン或いはオフになってからすぐの不安定な出力状態では逆起電圧を検出せず、安定した状態で逆起電圧を検出できる。また、7カウントしたのちは、CompOut信号の切り換えがなければ、すなわち、PWM信号の切り換えがなければ、8カウント毎にタイミングクロックを発生させ、逆起電圧を検出する。特に、PWM信号生成部4により発生するPWM信号は、メインクロックの16クロック分のオン領域を0から16クロックまで変動させているので、PWMの1周期で必ず1回は逆起電圧を検出できる。例えば、オン領域とオフ領域がそれぞれ1/2ずつ(8クロック)であっても、逆起電圧を検出することができる。したがって、このタイミングコントローラ51では、安定的に逆起電圧を検出させるためのタイミングクロックを生成することができる。
第1のノイズマスク回路52では、各EXORの反転ゲート58c,59c,60c等により、2回連続して同じ情報が入ってこなければデータを足り込まず、前のデータを保持している。このことにより、例えば図6(b)〜(d)に示す比較信号Uin1,Vin1,Win1において生じているキックバックノイズを除去することや、PWMの切り替えにおいて生じる切替ノイズを除去することができる。例えば、図6(e)〜(g)に示すような、キックバックノイズを除去した逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2を出力できる。
第2のノイズマスク回路53では、3フェーズロジック23で生成する3相モータ1の各相コイルの通電パターンをフィードバックさせて、逆起電力が検出できる相コイルの相電圧のみを検出しているので、すなわち、上層コイルと下層コイルとがオフの部分のみ相の相電圧を検出しているので、さらに、ノイズに対して強くすることができる。
なお、タイミングコントローラ51によるメインクロックのカウント数(この場合7カウント又は8カウント)は、PWM信号の生成手法やパルス幅に応じて設定される。このため、この数値に限定されることなく設計に応じた任意の値を設定すればよい。つまり、PWM信号で規定されたデューティ1/2未満のエッジの近傍で、ハイ領域及びローの電圧が検出できるタイミングに設定し、PWM周期の1周期に少なくとも1回逆起電圧が検出できれば良い。このことにより、安定して逆起電圧を検出ができる。
また、この第1のノイズマスク回路52では、2度連続して同一のデータが入力されなければデータを更新しない構成としているが、例えば、Dフリップフロップを複数段連ね、3以上連続して同一のデータが入力されなければデータを更新しない構成としてもよい。このことにより、精度をさらに高めることができる。
このような逆起電圧検出ロジック21により生成される逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2は、エッジ検出ロジック22及び3フェーズロジック23に供給される。
次に、エッジ検出ロジック22は、図14に示すように、EX−OR回路71と、切替エッジ検出回路72と、タイムディレイ回路73と、ORゲート回路74とから構成されている。
EX−OR回路31は、逆起電圧検出ロジック21からの逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2が供給される。このEX−OR回路31は、各逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2の排他的論理和を演算し、図6(h)に示すような3(EXOR)信号を生成し、これを切替エッジ検出回路72に供給する。このEX−OR回路31により生成される3(EXOR)信号は、各逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2のいずれかがオンからオフに切り替わるタイミングでローとなり、また、オフからオンに切り替わるタイミングでハイとなる。
具体的に、このEX−OR回路31は、図15に示すように、インバータ71fにより反転されたUin2とインバータ71gにより反転されたVin2とWin2とが供給される第1のANDゲート71aと、インバータ71hにより反転されたUin2とVin2とインバータ71iにより反転されたWin2とが供給される第2のANDゲート71bとを有する。また、このEX−OR回路31は、Uin2とインバータ71jにより反転されたVin2とインバータ71kにより反転されたWin2とが供給される第3のANDゲート71cと、Uin2とVin2とWin2とが供給される第4のANDゲート71dとを有する。
また、EX−OR回路31は、第1〜第4のANDゲート71a〜7dの出力が供給され、3(EXOR)信号を出力するORゲート71eを有する。
切替エッジ検出回路72は、EX−OR回路71からの3(EXOR)信号が供給され、この3(EXOR)信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングを示すSDEXOR信号と、このSDEXORと逆のエッジを検出するIinvert信号を生成する。切替エッジ検出回路72には、3(EXOR)信号とともに、3フェーズロジック23から供給されるエッジマスク信号(EdgeMask)と、このエッジ検出ロジック22の出力となる第1のマスク信号(Mask1)と、システムクロック(SyClock)とが供給される。
具体的に、切替エッジ検出回路72は、図16に示すように、EX−OR回路71からの3(EXOR)信号、インバータ72aにより反転した第1のマスク信号(Mask1)が供給される第1のANDゲート72bと、後述する第1のDフリップフロップ72eの出力、第1のマスク信号(Mask1)が供給される第2のANDゲート72cと、この第1と第2のANDゲート72b,72cの出力が供給されるORゲート72dとを有する。
また、切替エッジ検出回路72は、ORゲート72dの出力が供給されこのORゲート72dからの出力をシステムクロック(SyClock)と同期化する第1のDフリップフロップ72eと、この第1のDフリップフロップの出力が供給され、この出力をシステムクロックと同期化する第2のDフリップフロップ72fとを有する。このシステムクロック(SyClock)については、詳細を後述する。
切替エッジ検出回路72は、エッジマスク信号(EdgeMask)と第1のDフリップフロップ72eの出力とインバータ72kにより反転した第2のDフリップフロップ72fの出力とが供給される第3のANDゲート72gと、インバータ72lにより反転したエッジマスク信号(EdgeMask)とインバータ72mにより反転した第1のDフリップフロップ72eの出力と第2のDフリップフロップ72fの出力とが供給される第4のANDゲート72hと、インバータ72nにより反転したエッジマスク信号(EdgeMask)と第1のDフリップフロップ72eの出力とインバータ72oにより反転した第2のDフリップフロップ72fの出力とが供給される第5のANDゲート72iと、エッジマスク信号(EdgeMask)とインバータ72pにより反転した第1のDフリップフロップ72eの出力と第2のDフリップフロップ72fの出力とが供給される第6のANDゲート72jとを有する。
また、切替エッジ検出回路72は、第3と第4のANDゲート72g,72hの出力が供給され、SDExorを出力する第2のORゲート72qと、第5と第6のANDゲート72i,72jの出力が供給され、Iinvertを出力する第3のORゲート72rとを有する。
このような切替エッジ検出回路72の出力であるSDExor及びIinvertは、タイムディレイ回路73に供給される。
タイムディレイ回路73は、切替エッジ検出回路72から供給されたSDExor及びIinvertを所定時間遅らせる。また、タイムディレイ回路73は、Iinvertに基づき詳細を後述するスロープ信号(Slope)と、スタートフラグ(Startflug)を生成する。
具体的には、タイムディレイ回路73は、図17に示すように、切替エッジ検出回路72からのSDExorが供給される第1と第2のDフリップフロップ73a,73bを有する。第2のDフリップフロップ73bからシステムクロックで2カウント分遅延したSDEXORが出力される。
また、タイムディレイ回路73は、切替エッジ検出回路72からのIinvertが供給される第3のDフリップフロップ73cを有する。この第3のDフリップフロップ73cからシステムクロックで1カウント分遅延したIinvertが出力される。
また、タイムディレイ回路73は、第3のDフリップフロップ73cの出力が供給され、この出力を1システムクロック分遅延させる第4のDフリップフロップ73dと、この第4のDフリップフロップ73dの出力がインバータ73eにより反転されてリセットに供給される第5〜第7のDフリップフロップ73f〜73hとを有する。
第5〜第7のDフリップフロップ73f,73g,73hは、リセットが解除されるとシステムクロックを3カウントしてスタートフラグ(Startflug)を発生する。また、第6のDフリップフロップ73gの出力は、インバータ73iを介してスロープ信号(Slope)として出力される。
ORゲート回路74には、タイムディレイ回路73からのSDEXOR,Iinvert,スロープ信号(Slope)と、切替エッジ検出回路72から出力されるスロープ信号(Slope)とが供給され、これらの信号の論理和を演算し、第1のマスク信号(Mask1)を生成する。なお、この第1のマスク信号(Mask1)は、切替エッジ検出回路72にフィードバックされる。
このような構成を有するエッジ検出ロジック22は、第1のマスク信号(Mask1)と、スロープ信号(Slope)と、スタートフラグ(Startflug)と、ラッチ(Latch)信号とを生成する。なお、ここで、ラッチ(Latch)信号とIinvertとは同一の信号である。
エッジ検出ロジック22は、システムクロック(SYClock)と、逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2と、エッジマスク(EdgeMask)信号が図18(a)〜(e)に示すようなタイミングで供給されると、スロープ信号(Slope)が、同図(f)に示すように、逆起電圧信号の切り替わりのタイミングを挟んで一定期間ローとなって出力される。また、エッジ検出ロジック22は、逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2の切り替わりのタイミングでハイとなり、スロープ信号(Slope)がローとなるタイミングと同時にローとなる第1のマスク信号(Mask1)を生成する。
エッジ検出ロジック22から、第1のマスク信号(Mask1)とラッチ(Latch)信号が3フェーズロジック23に供給され、スタートフラグ(Startflug)とラッチ(Latch)信号がスタートロジック25に供給され、スロープ信号(Slope)がアングル生成ロジック26に供給され、ラッチ(Latch)信号がPLLロジック27に供給される。
次に、スタートロジック25は、図19に示すようにラッチ(Latch)信号でリセットされシステムクロック(SYClock)をカウントする第1〜第5のTフリップフロップ25a〜25eと、第1,第2のTフリップフロップ25a,25bからの各出力の論理積をとって第3のTフリップフロップ25cに供給する第1のANDゲート25fと、第1〜第3のTフリップフロップ25a〜25cからの各出力の論理積をとって第4のTフリップフロップ25dに供給する第2のANDゲート25gとを有している。また、第1〜第4のTフリップフロップ25a〜25dからの各出力の論理積をとって第5のTフリップフロップ25eに供給する第3のANDゲート25hと、第1〜第5のTフリップフロップ25a〜25eからの各出力の論理積をとって出力する第4のANDゲート25iと、第4のANDゲート25iからの出力をシステムクロック(SYClock)に基づいて同期化し、これを通電パターンを切り換えるためのStep信号として出力するDフリップフロップ25jとを有している。
3相モータ1が回転している場合、スタートフラグ(Startflug)は周期的にスタートロジック25に供給されるはずである。しかし、例えば誤った相コイルに通電した場合や回転が停止している状態ではスタートフラグ(Startflug)はスタートロジック25に供給されなくなる。このような状態では、同じ相コイルに連続して通電を行うこととなるため、いつまでも起動されない上、この通電される相コイルが損傷する等の不都合を生ずる。このため、スタートロジック25は、ハイレベルのスタートフラグが供給されるタイミング、すなわち、逆起電圧をサンプリングし通電を切り換えた直後から始動し、各Tフリップフロップ25a〜25eによりシステムクロック(SYClock)を例えば32カウントする。そして、システムクロック(SYClock)を32カウントするまでにラッチ(Latch)信号が供給されない場合は、3相モータ1が停止しているものとみなし、次の通電パターンとするためのstep信号を出力する。このstep信号は、3フェーズロジック22に供給される。
また、このスタートロジック25は、逆起電圧のゼロクロスポイントが検出されラッチ(Latch)信号によって各Tフリップフロップ25a〜25eがリセットされることにより動作が停止する。
なお、システムクロック(SYClock)のカウント数(この場合32カウント)は、3相モータ1のトルク定数や負荷となるイナーシャに応じて設定される。このため、この数値に限定されることなく設計に応じた任意の値を設定すればよい。
次に、アングル生成ロジック26は、図20に示すように、カレントミラー回路からなる定電流源82と、この定電流源82に接続されたコンデンサ83と、このコンデンサ83に並列に接続されスイッチとして働くトランジスタ84とからなるスロープ回路81を有する。
このスロープ回路81のトランジスタ84は、エッジ検出ロジック22からのスロープ信号(Slope)によりスイッチングがされる。スロープ信号(Slope)がハイのときは、コンデンサ83が放電される。また、スロープ信号(Slope)がローのときは、コンデンサ83が充電される。定電流源82に流れる電流i1は、トランジスタ84に流れる電流i2と比較して十分小さい電流に設定する。このことにより、充電時には瞬間的にコンデンサ83に電荷がチャージされ、放電時にはコンデンサ83から徐々に電圧が出力される。すなわち、このスロープ回路81から瞬間的に立ち上がり、なだらかに立ち下がっていく台形波が出力される。なお、定電流源82に流れる電流を可変することにより、出力される台形波の立ち下がりの傾きを調整できる。
アングル生成ロジック26は、スロープ回路81から出力される台形波とPWM信号生成部4により用いられるPWM用鋸波が供給され、アングル信号(ANGLE)を生成するコンパレータ85を有する。このコンパレータ85は、PWM用の鋸波がスロープ回路81から出力される台形波より大きいときに、ハイとなるアングル信号(ANGLE)信号を生成する。なお、台形波の立ち下がり時間をPWM用鋸波の周期に比較して十分大きいものとすることで、徐々にデューティが大きくなるアングル信号(ANGLE)信号を生成できる。
図21は、PWM用の鋸波とアングル信号(ANGLE)信号等を示したタイムチャート及び波形図である。
図21(a)は、コンパレータ85に入力されるPWM用鋸波と、スロープ回路81の出力である台形波の立ち下がり部分の波形図である。コンパレータ85により生成されるアングル信号(ANGLE)は、図21(b)に示すように、台形波が下がるにつれてデューティが大きくなっている。
なお、アングル生成ロジック26は、信号処理部6の他のブロックとは異なりアナログ回路で構成されている。そのため、例えば、半導体等でこの信号処理部6を実施するときは、このブロックを別途他の半導体等で構成しても良い。
このアングル生成ロジック26により生成されたアングル信号(ANGLE)は、アウトプットロジック24に供給される。
次に、PLLロジック27は、図22に示すような構成を有しており、位相比較器86において、エッジ検出ロジック22から供給されるラッチ(Latch)信号の位相と、電圧可変型発振器(VCO)88から出力されるPLLOUT信号を、1/Nカウンタ58で例えば8分周或いは16分周した分周信号(Fin)の位相とを比較する。そして、この位相比較出力をローパスフィルタ87を介してVCO88に供給してこのVCO88を発振駆動する。これにより、ラッチ(Latch)信号に同期したPLLOUT信号を生成して発振ロジック28に供給する。
なお、エッジ検出ロジック22から供給されるラッチ(Latch)信号は、信号の安定化を図るために、システムクロックと同期させたのちにこのPLLロジック27に供給するようにしてもよい。また、このPLLロジック27は、アングル生成ロジック26と同様に、アナログ回路で構成されている。そのため、例えば、半導体等でこの信号処理部6を実施するときは、このブロックを別途他の半導体等で構成しても良い。
次に、発振ロジック28は、両波整流部2からのリバース信号(Reverse),中央演算ユニット(CPU)等で生成されたモータのオンオフ制御するためのモータオンオフ制御信号(MON/OFF),PLL回路25からのPLLOUT信号,例えば500KHzのメインクロック(Main Clock)及びPWM信号生成部4からのPWM信号(PWMin)に基づいて、各種タイミング信号を生成する。
発振ロジック28は、PLLOUT信号をメインクロックと同期させたシステムクロック(SyClock)を生成する。このシステムクロックは、エッジ検出ロジック22、3フェーズロジック23、スタートロジック25等に供給される。
また、発振ロジック28は、モータオンオフ制御信号(MON/OFF)をシステムクロック(SyClock)に同期させた信号を生成して、アウトプットロジック24に供給する。
また、発振ロジック28は、リバース信号(Reverse)をシステムクロック(SyClock)に同期させたシステムリバース信号(Reverse)を生成して、アウトプットロジック24に供給する。
次に、3フェーズロジック23について説明する。この3フェーズロジック23は、図23に示すように、逆起電圧検出ロジック21からの逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2と、3フェーズロジック23からの第1のマスク信号(Mask1)と、システムクロック(SyClock)が供給され、逆起電圧信号Uin2′,Vin2′,Win2′を生成するマスク回路31を有する。
また、3フェーズロジック23は、マスク回路31からの逆起電圧信号Uin2′,Vin2′,Win2′と、システムクロック(SyClock)と、後述するデコード回路33からの第2のマスク信号(Mask2)が供給され、逆起電圧信号Ures,Vres,Wresを生成するフェーズ生成回路32を有する。
また、3フェーズロジック23は、フェーズ生成回路32からの逆起電圧信号Ures,Vres,Wresが供給され、フェーズ出力信号Uuout,Ulout,Vuout,Vlout,Wuout,Wloutと、第2のマスク信号(Mask2)と、第3のマスク信号(Mask3)を生成するデコード回路33を有する。
また、3フェーズロジック23は、フェーズ生成回路32からの逆起電圧信号Ures,Vres,Wresが供給され、エッジ検出ロジック22の切替エッジ検出回路72に供給するエッジマスク信号(EdgeMask)信号を生成するエッジマスク生成回路34を有する。
マスク回路31には、図18(g)で示したような、逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2が切り替わったタイミングつまり切替エッジでハイになり、次のエッジがくるであろうタイミングの手前でローとなる第1のマスク信号(Mask1)が供給される。マスク回路31は、この第1のマスク信号(Mask1)がハイのときには、逆起電圧信号Uin2,Vin2,Win2の取り込みを行わず、マスクする回路である。そのため、このマスク回路31では、例えば、逆起電圧検出ロジック21の出力がハンチングした場合などであっても3相モータ1の駆動に影響がないようにしている。
具体的に、マスク回路31は、図24に示すように、逆起電圧信号Uin2とインバータ35cにより反転された第1のマスク信号(Mask1)が供給される第1のANDゲート35aと、後述するDフリップフロップ35eの出力と第1のマスク信号(Mask1)が供給される第2のANDゲート35bと、この第1と第2のANDゲート35a,35bの出力が供給されるORゲート35dと、このORゲート35dの出力をシステムクロック(SyClock)に同期化させるDフリップフロップ35eとからなるU相マスク回路35を有する。
このU相マスク回路35は、Dフリップフロップ35eから第1のマスク信号(Mask1)によりマスクされた逆起電圧信号Uin2′を出力する。
また、マスク回路31は、逆起電圧信号Vin2とインバータ36cにより反転された第1のマスク信号(Mask1)が供給される第1のANDゲート36aと、後述するDフリップフロップ36eの出力と第1のマスク信号(Mask1)が供給される第2のANDゲート36bと、この第1と第2のANDゲート36a,36bの出力が供給されるORゲート36dと、このORゲート36dの出力をシステムクロック(SyClock)に同期化させるDフリップフロップ36eとからなるV相マスク回路36を有する。
このV相マスク回路36は、Dフリップフロップ36eから第1のマスク信号(Mask1)によりマスクされた逆起電圧信号Vin2′を出力する。
また、マスク回路31は、逆起電圧信号Win2とインバータ37cにより反転された第1のマスク信号(Mask1)が供給される第1のANDゲート37aと、後述するDフリップフロップ37eの出力と第1のマスク信号(Mask1)が供給される第2のANDゲート37bと、この第1と第2のANDゲート37a,37bの出力が供給されるORゲート37dと、このORゲート37dの出力をシステムクロック(SyClock)に同期化させるDフリップフロップ37eとからなるW相マスク回路37を有する。
このW相マスク回路37は、Dフリップフロップ37eから第1のマスク信号(Mask1)によりマスクされた逆起電圧信号Win2′を出力する。
このように、マスク回路31は、第1のマスク信号(Mask1)に基づいて逆起電圧信号Uin2′,Vin2′,Win2′を生成し、フェーズ生成回路32に供給する。
フェーズ生成回路32は、Step信号に基づいて各逆起電圧信号Uin2′,Vin2′,Win2′をサンプリングし、この各サンプル出力である逆起電圧信号Ures,Vres,Wresを生成し、これらをデコーダ部29に供給する。なお、この際に、後述するデコード回路33からの第2のマスク信号(Mask2-U,Mask2-V,Mask2-W)フィードバックされて供給される。この第2のマスク信号(Mask2-U,Mask2-V,Mask2-W)は、3相モータ1の通電パターンに基づいて、次に生成する逆起電圧信号Ures,Vres,Wresがどのパターンになるのか予想した信号である。すなわち、この第2のマスク信号(Mask2-U,Mask2-V,Mask2-W)により、予想されたパターン以外の信号が生成されないようにしている。
具体的に、フェーズ生成回路32は、図25に示すように、マスク回路31からの逆起電圧信号Uin2′,Vin2′,Win2′のうち、逆起電圧信号Uin2′をサンプリングするUサンプリング回路38と、Uサンプリング回路38でサンプリングされた逆起電圧Uin2′を保持するU用Dフリップフロップ32eと、3相モータ1のロータが回転しなかった場合にスタートロジック25からのStep信号によりU用Dフリップフロップ32eの通電パターンを次の通電パターンとする(ステップ送り)U用レジスタ制御回路39とを有している。
また、フェーズ生成回路32は、逆起電圧Vin2′をサンプリングするVサンプリング回路40と、このVサンプリング回路40でサンプリングされた逆起電圧Vを保持するV用Dフリップフロップ32fと、3相モータ1のロータが回転しなかった場合にStep信号によりV用Dフリップフロップ32fの通電パターンを次の通電パターンとする(ステップ送り)V用レジスタ制御回路41とを有している。
また、フェーズ生成回路32は、逆起電圧Win2′をサンプリングするWサンプリング回路42と、このWサンプリング回路42でサンプリングされた逆起電圧Wを保持するW用Dフリップフロップ32gと、3相モータ1のロータが回転しなかった場合にStep信号によりW用Dフリップフロップ32gの通電パターンを次の通電パターンとする(ステップ送り)W用レジスタ制御回路43とを有している。
Uサンプリング回路38は、逆起電圧Uin2′,第2のU相マスク信号(Mask2−U),インバータ38bを介したStep信号の反転出力が供給されるANDゲート38aと、インバータ38cにより反転した第2のU相マスク信号(Mask2−U),インバータ38eを介したStep信号の反転出力,U用Dフリップフロップ32eからの出力が供給されるANDゲート38dとで構成されている。
U用レジスタ制御回路39は、インバータ39cにより反転したV用Dフリップフロップ32fからの出力,ステップ信号が供給されるANDゲート39aと、ステップ信号,インバータ39dにより反転したU用Dフリップフロップ32eの出力が供給されるANDゲート39bとで構成されている。
Vサンプリング回路40は、逆起電圧Vin2′,第2のV相マスク信号(Mask2−V),インバータ40bにより反転したStep信号の出力が供給されるANDゲート40aと、インバータ40cにより反転した第2のV相マスク信号(Mask2−V),インバータ40eを介したStep信号の反転出力,V用Dフリップフロップ32fからの出力が供給されるANDゲート40dとで構成されている。
V用レジスタ制御回路41は、インバータ41cにより反転したW用Dフリップフロップ32gからの出力,ステップ信号が供給されるANDゲート41aと、ステップ信号,インバータ41dにより反転したV用Dフリップフロップ32fの出力が供給されるANDゲート41bとで構成されている。
Wサンプリング回路42は、逆起電圧Win2′,第2のW相マスク信号(Mask2−W),インバータ42bを介したStep信号の反転出力が供給されるANDゲート42aと、インバータ42cにより反転した第2のW相マスク信号(Mask2−W),インバータ42eを介したStep信号の反転出力,W用Dフリップフロップ32gからの出力が供給されるANDゲート42dとで構成されている。
W用レジスタ制御回路43は、インバータ43cにより反転したU用Dフリップフロップ32eからの反転出力,ステップ信号が供給されるANDゲート43aと、ステップ信号,インバータ43dにより反転したW用Dフリップフロップ32gの反転出力が供給されるANDゲート43bとで構成されている。
また、フェーズ生成回路32は、インバータ32hにより反転したU相Dフリップフロップ32eからの出力,インバータ32iにより反転したV相Dフリップフロップ32fからの出力,インバータ32jにより反転したW相Dフリップフロップ32gからの出力が供給される第1のANDゲート32kと、U相Dフリップフロップ32eの出力,V相Dフリップフロップ32fの出力,W相Dフリップフロップ32gの出力が供給される第2のANDゲート32lとを有する。
そして、フェーズ生成回路32は、Uサンプリング回路38のANDゲート38a,38d及びU用レジスタ制御回路39のANDゲート39a,39bの各出力の論理和をとってU用Dフリップフロップ32eに供給する第1のORゲート32aと、Vサンプリング回路40のANDゲート40a,40d及びV用レジスタ制御回路41のANDゲート41a,41bの各出力の論理和をとってV用Dフリップフロップ32fに供給する第2のORゲート32bと、Wサンプリング回路42のANDゲート42a,42dと、W用レジスタ制御回路43のANDゲート43a,43b及び第2のANDゲート32lの各出力の論理和をとって第3のORゲート32cと、この第3のORゲート32cと第2のANDゲート32kの出力の論理積をとってW用Dフリップフロップ32gに供給する第3のANDゲート32dとを有している。
このような構成を有するフェーズ生成回路32は、各サンプリング回路42により、各逆起電圧信号Uin2′,Vin2′,Win2′を各第2のマスク信号(Mask2-U,Mask2-V,Mask2-W)が供給されるタイミングと一致したタイミングでサンプリングし、これらを各ORゲート32a〜32cを介して各Dフリップフロップ32e〜32gに供給する。これにより、変化があらわれる相コイルの逆起電圧のみをサンプリングすることができ、これ以外の相コイルの逆起電圧は、各Dフリップフロップ32e〜32gにより保持される。したがって、各Dフリップフロップ32e〜32gからは、Step信号が供給されない限り、それぞれ保持されて、逆起電圧信号Uin2′,Vin2′,Win2′のサンプル出力である逆起電圧信号Ures,Vres,Wres がそのまま出力されることとなる。
また、誤った相コイルに通電した場合や回転が停止している状態では、上述のようにスタートロジック25にスタートフラグ(Startflug)が供給されないため、スタートロジック25の各フリップフロップ25a〜25eによりシステムクロック(SyClock)が32カウントされ、次の通電パターンとするためのStep信号が出力される。
フェーズ生成回路32は、このStep信号が供給されると、各レジスタ制御回路39,41,43がそれぞれ動作状態となり、インバータ39cを介したW用Dフリップフロップ32gからの反転出力がU用レジスタ制御回路39からU用Dフリップフロップ32eに供給され、インバータ41cを介したU用Dフリップフロップ32eからの反転出力がV用レジスタ制御回路41からV用Dフリップフロップ32fに供給され、インバータ43cを介したV用Dフリップフロップ32fからの反転出力がW用レジスタ制御回路43からW用Dフリップフロップ32gに供給される。
これにより、各Dフリップフロップ32e〜32gからの出力を次の通電パターンの出力とすることができる(ステップ送り)。このようなステップ送りは、3相モータ1が起動され、Step 信号が供給されなくなるまで続けられる。そして、起動時に確実に回転を開始させることができ、起動特性を改善することができる。
このようにフェーズ生成回路32で生成された各逆起電圧信号Ures,Vres,Wresは、それぞれデコード回路33及びエッジマスク生成回路34に供給される。
デコード回路33は、フェーズ生成回路32から供給される逆起電圧信号Ures,Vres,Wresと、アングル生成ロジック26から供給されるスロープ信号(Slope)と、エッジ検出ロジック22から供給されるラッチ(Latch)信号に基づいて、3相モータ1をドライブするドライバ7の上層トランジスタ及び下層トランジスタをオンオフ制御するための第1〜第6のフェーズ出力信号を生成する。
また、デコード回路33は、上述した第2のマスク信号(Mask2)と第3のマスク信号(Mask3)を生成する。
具体的に、デコード回路33は、図26に示すような構成を有しており、図1に示すドライバ7に設けられているU相コイル用のトランジスタをオンオフ制御するための第1のフェーズ出力信号Uuout及び第2のフェーズ出力信号Uloutを生成するU相フェーズ出力回路44と、V相コイル用のトランジスタをオンオフ制御するための第3のフェーズ出力信号Vuout及び第4のフェーズ出力信号Vloutを生成するV相フェーズ出力回路45と、W相コイル用のトランジスタをオンオフ制御するための第5のフェーズ出力信号Wuout及び第6のフェーズ出力信号Wloutを生成するU相フェーズ出力回路46とを有している。
U相フェーズ出力回路44は、逆起電圧信号Ures,第2のインバータ33bを介して反転された逆起電圧信号Vresが供給され第1のフェーズ出力信号Uuoutを出力する第1のANDゲート44aと、第1のインバータ33aを介して反転された逆起電圧信号Ures,逆起電圧信号Vresが供給され第2のフェーズ出力信号Uloutを出力するANDゲート44bとから構成されている。
V相フェーズ出力回路45は、逆起電圧信号Vres,第3のインバータ33cを介して反転された逆起電圧信号Wresが供給され第3のフェーズ出力信号Vuoutを出力する第1のANDゲート45aと、第2のインバータ33bを介して反転された逆起電圧信号Vres,逆起電圧信号Wresが供給され第4のフェーズ出力信号Vloutを出力するANDゲート45bとから構成されている。
W相フェーズ出力回路46は、逆起電圧信号Wres,第1のインバータ33aを介して反転された逆起電圧信号Uresが供給され第5のフェーズ出力信号Wuout第1のANDゲート46aと、第3のインバータ33cを介して反転された逆起電圧信号Wres,逆起電圧信号Uresが供給され第6のフェーズ出力信号Wloutを出力するANDゲート46bとから構成されている。
また、デコード回路33は、各相コイル1U,1V,1Wの逆起電圧の変化があらわれるタイミングで所定期間ハイレベルとなるU相用,V相用,W相用の第2のマスク信号(Mask2-U,Mask2-V,Mask2-W)と第3のマスク信号(Mask3-U,Mask3-V,Mask3-W)を生成するためのU相マスク生成回路47と、V相マスク生成回路48と、W相マスク生成回路49とを有する。
U相マスク生成回路47は、逆起電圧信号Ures ,逆起電圧信号Vres及び第3のインバータ33cにより反転された逆起電圧信号Wresが供給される第1のANDゲート47aと、第1のインバータ33aにより反転された逆起電圧信号Ures,第2のインバータ33bにより反転された逆起電圧信号Vres及び逆起電圧信号Wresが供給される第2のANDゲート47bと、この第1と第2のANDゲート47a,47bの各出力の論理和を出力するORゲート47cとで構成されている。
そして、第1のANDゲート33dは、U相マスク生成回路47の出力,ラッチ(Latch)信号との論理積を第2のU相マスク信号(Mask2−U)として出力する。また、第2のANDゲート33gは、U相マスク生成回路47の出力と,スロープ信号(Slope)との論理積を第3のU相マスク信号(Mask3−U)として出力する。
V相マスク生成回路48は、逆起電圧信号Ures ,第2のインバータ33bにより反転された逆起電圧信号Vres及び第3のインバータ33cにより反転された逆起電圧信号Wresが供給される第1のANDゲート48aと、第1のインバータ33aにより反転された逆起電圧信号Ures,逆起電圧信号Vres及び逆起電圧信号Wresが供給される第2のANDゲート48bと、この第1と第2のANDゲート48a,48bの各出力の論理和を出力するORゲート48cとで構成されている。
そして、第3のANDゲート33eは、U相マスク生成回路48の出力,ラッチ(Latch)信号との論理積を第2のV相マスク信号(Mask2−V)として出力する。また、第4のANDゲート33hは、V相マスク生成回路48の出力と,スロープ信号(Slope)との論理積を第3のV相マスク信号(Mask3−V)として出力する。
W相マスク生成回路49は、第1のインバータにより反転された逆起電圧信号Ures ,逆起電圧信号Vres及び第3のインバータ33cにより反転された逆起電圧信号Wresが供給される第1のANDゲート49aと、逆起電圧信号Ures,第2のインバータ33bにより反転された逆起電圧信号Vres及び逆起電圧信号Wresが供給される第2のANDゲート49bと、この第1と第2のANDゲート49a,49bの各出力の論理和を出力するORゲート49cとで構成されている。
そして、第4のANDゲート33fは、W相マスク生成回路48の出力,ラッチ(Latch)信号との論理積を第2のW相マスク信号(Mask2−W)として出力する。また、第6のANDゲート33iは、W相マスク生成回路48の出力と,スロープ信号(Slope)との論理積を第3のW相マスク信号(Mask3−W)として出力する。
このような構成を有するデコード回路33は、各逆起電圧信号Ures ,Vres ,Wres で構成される上述の第1〜第6の通電パターンに基づいて各相の上層トランジスタ及び下層トランジスタをオンオフ制御する第1〜第6のコントロール信号Uu〜Wlを生成する。
すなわち、デコード回路33に供給される各逆起電圧信号Ures ,Vres ,Wresが図6(i)〜(k)に示す第1の通電パターン(H,L,H)及び第2の通電パターン(H,L,L)であるときは、デコード回路33からこの間ハイレベルとなる同図(o)に示すような第1のフェーズ出力信号Uuoutが出力される。同じく、デコード回路33に供給される各逆起電圧信号Ures ,Vres ,Wresが図6(i)〜(k)に示す第4の通電パターン(L,H,L)及び第5の通電パターン(L,H,H)であるときは、デコード回路33からこの間ハイレベルとなる同図(p)に示すような第2のフェーズ出力信号Uloutが出力される。
また、デコード回路33に供給される各逆起電圧信号Ures ,Vres ,Wresが図6(i)〜(k)に示す第3の通電パターン(H,H,L)及び第4の通電パターン(L,H,L)であるときは、デコード回路33からこの間ハイレベルとなる同図(q)に示すような第3のフェーズ出力信号Vuoutが出力される。同じく、デコード回路33に供給される各逆起電圧信号Ures ,Vres ,Wresが図6(i)〜(k)に示す第1の通電パターン(H,L,H)及び第6の通電パターン(L,L,H)であるときは、デコード回路33からこの間ハイレベルとなる同図(r)に示すような第4のフェーズ出力信号Vloutが出力される。
また、デコード回路33に供給される各逆起電圧信号Ures ,Vres ,Wresが図6(i)〜(k)に示す第5の通電パターン(L,H,H)及び第6の通電パターン(L,L,H)であるときは、デコード回路33からこの間ハイレベルとなる同図(s)に示すような第5のフェーズ出力信号Wuoutが出力される。同じく、デコード回路33に供給される各逆起電圧信号Ures ,Vres ,Wresが図6(i)〜(k)に示す第2の通電パターン(H,L,L)及び第3の通電パターン(H,H,L)であるときは、デコード回路33からこの間ハイレベルとなる同図(t)に示すような第6のフェーズ出力信号Wloutが出力される。
このようにして生成された各フェーズ出力信号Uuout〜Wloutは、それぞれアウトプットコントローラ30に供給される。
また、デコード回路33は、それぞれ各通電パターンに基づいて、次に逆起電圧信号Ures ,Vres ,Wres のどのエッジがくるのかを予測し、図6(l)〜(n)に示すように、各第2のマスク信号(Mask2-U,Mask2-V,Mask2-W)としてフェーズ生成回路32に供給する。
エッジマスク生成回路34は、フェーズ生成回路32からの逆起電圧信号Ures,Vres,Wresが供給され、エッジ検出ロジック22に供給するエッジマスク信号(EdgeMask)を生成する。
具体的には、エッジマスク生成回路34は、図27に示すように、第1のインバータ34aにより反転された逆起電圧信号Ures,第2のインバータ34bにより反転された逆起電圧信号Vres及び逆起電圧信号Wresが供給される第1のANDゲート34dと、第1のインバータ34aにより反転された逆起電圧信号Ures,逆起電圧信号Vres及び第3のインバータ34cにより反転された逆起電圧信号Wresが供給される第2のANDゲート34eと、逆起電圧信号Ures,第2のインバータ34bにより反転された逆起電圧信号Vres及び第3のインバータ34cにより反転された逆起電圧信号Wresが供給される第3のANDゲート34fと、逆起電圧信号Ures,逆起電圧信号Vres及び逆起電圧信号Wresが供給される第4のANDゲート34gと、これら第1〜第4のANDゲート34d〜34gの出力の論理和を出力するORゲート34hとを有している。
このような構成を有することにより、エッジマスク生成回路34は、図6(u)に示すような各逆起電圧信号Ures,Vres,Wresのエッジ部分を表す信号を生成し、エッジ検出ロジック22に供給する。
次に、アウトプットロジック24は、図28に示すように、3フェーズロジック23からのフェーズ出力信号Uuout,Ulout,Vuout,Vlout,Wuout,Wloutによる上層及び下層トランジスタのコントロールを切り換える反転回路91と、反転回路91を介して供給されるフェーズ出力信号にPWM信号生成部4からのパルス幅変調信号(PWM Carrier)を合成してコントロール信号Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlを生成するPWM合成回路92とを有している。
3相モータ1の回転数が規定以上に速くなり、例えばサーボ制御系等から供給される回転サーボ信号が、回転数を落とすためにマイナス入力となると、両波整流部2から、リバース信号(Reverse)が出力される。このリバース信号は、回転数を落とすブレーキモードとなった場合に、後述するドライバ7の上層,下層トランジスタの駆動の駆動論理を反転させ、逆方向通電を行い3相モータ1にブレーキをかけるための信号である。このリバース信号(Reverse)は、発振ロジック28を介してこのアウトプットロジック24に供給される。
反転回路91には、このリバース信号(Reverse)と、フェーズ出力信号Uuout,Ulout,Vuout,Vlout,Wuout,Wloutとが供給される。この反転回路91は、リバース信号(Reverse)がハイときには、上層トランジスタと下層トランジスタのコントロール信号の駆動論理を入れ換えてPWM合成回路92に出力する。また、リバース信号(Reverse)がローのときは上層トランジスタと下層トランジスタのコントロール信号はそのままでPWM合成回路92に出力する。
具体的には、反転回路91は、図29に示すように、インバータ93cにより反転されたリバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Uuoutが供給される第1のANDゲート93aと、リバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Uloutが供給される第2のANDゲート93bと、この第1と第2のANDゲート93a,93bの論理和をフェーズ出力信号Uuout′として出力するORゲート93dとを有している。
また、反転回路91は、リバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Uuoutが供給される第1のANDゲート94aと、インバータ94cにより反転されたリバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Uloutが供給される第2のANDゲート94bと、この第1と第2のANDゲート94a,94bの論理和をフェーズ出力信号Ulout′として出力するORゲート94dとを有している。
反転回路91は、インバータ95cにより反転されたリバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Vuoutが供給される第1のANDゲート95aと、リバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Vloutが供給される第2のANDゲート95bと、この第1と第2のANDゲート95a,95bの論理和をフェーズ出力信号Vuout′として出力するORゲート95dとを有している。
また、反転回路91は、リバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Vuoutが供給される第1のANDゲート96aと、インバータ96cにより反転されたリバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Vloutが供給される第2のANDゲート96bと、この第1と第2のANDゲート96a,96bの論理和をフェーズ出力信号Vlout′として出力するORゲート96dとを有している。
反転回路91は、インバータ97cにより反転されたリバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Wuoutが供給される第1のANDゲート97aと、リバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Wloutが供給される第2のANDゲート97bと、この第1と第2のANDゲート97a,97bの論理和をフェーズ出力信号Wuout′として出力するORゲート97dとを有している。
また、反転回路91は、リバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Wuoutが供給される第1のANDゲート98aと、インバータ98cにより反転されたリバース信号(Reverse),フェーズ出力信号Wloutが供給される第2のANDゲート98bと、この第1と第2のANDゲート98a,98bの論理和をフェーズ出力信号Wlout′として出力するORゲート98dとを有している。
このような構成を有する反転回路91は、フェーズ出力信号Uuout′,Ulout′,Vuout′,Vlout′,Wuout′,Wlout′をPWM合成回路92に供給する。
PWM合成回路92は、反転回路91から供給されるフェーズ出力信号Uuout′,Ulout′,Vuout′,Vlout′,Wuout′,Wlout′にパルス幅変調信号(PWM Carrier)を合成する。また、PWM合成回路92は、反転回路91から供給されるフェーズ出力信号Uuout′,Ulout′,Vuout′,Vlout′,Wuout′,Wlout′にアングル信号(ANGLE)を合成する。
すなわち、PWM合成回路92は、3相モータ1をドライブするドライバ7を構成する上層及び下層トランジスタの相切り換えのタイミングを示しているフェーズ出力信号に、ドライブのパワー及び切り換えスピードをコントロールするPWM信号を合成している。また、PWM合成回路92は、アングル信号(ANGLE)信号を合成することにより、3相モータ1の各相の切り換えタイミングでなめらかに切り換えを行うため、相切り換え時におけるパルス幅変調信号(PWM Carrier)を変化させている。
具体的に、PWM合成回路92は、図30に示すように、3フェーズロジック23から出力される第3のW相マスク信号(Mask3−W),インバータ101により反転されたアングル信号(ANGLE)が供給されるANDゲート102と、第3のU相マスク信号(Mask3−U),インバータ101により反転されたアングル信号(ANGLE)が供給されるANDゲート103と、第3のV相マスク信号(Mask3−V),インバータ101により反転されたアングル信号(ANGLE)が供給されるANDゲート104とを有している。
また、PWM合成回路92は、フェーズ出力信号Uuout′,インバータ105cにより反転されたANDゲート102の出力が供給される第1のANDゲート105aと、フェーズ出力信号Vuout′,ANDゲート103の出力が供給される第2のANDゲート105bと、この第1と第2のANDゲート105a,105bの論理和を出力する第1のORゲート105dとを有している。PWM合成回路92は、フェーズ出力信号Ulout′,インバータ106cにより反転されたANDゲート103の出力が供給される第1のANDゲート106aと、フェーズ出力信号Vlout′,ANDゲート103の出力が供給される第2のANDゲート106bと、この第1と第2のANDゲート106a,106bの論理和を出力する第2のORゲート106dとを有している。
PWM合成回路92は、フェーズ出力信号Vuout′,インバータ107cにより反転されたANDゲート103の出力が供給される第1のANDゲート107aと、フェーズ出力信号Wuout′,ANDゲート104の出力が供給される第2のANDゲート107bと、この第1と第2のANDゲート107a,107bの論理和を出力する第3のORゲート107dとを有している。
PWM合成回路92は、フェーズ出力信号Vlout′,インバータ108cにより反転されたANDゲート103の出力が供給される第1のANDゲート108aと、フェーズ出力信号Wlout′,ANDゲート104の出力が供給される第2のANDゲート108bと、この第1と第2のANDゲート108a,108bの論理和を出力する第4のORゲート108dとを有している。
PWM合成回路92は、フェーズ出力信号Wuout′,インバータ109cにより反転されたANDゲート104の出力が供給される第1のANDゲート109aと、フェーズ出力信号Uuout′,ANDゲート102の出力が供給される第2のANDゲート109bと、この第1と第2のANDゲート109a,109bの論理和を出力する第5のORゲート109dとを有している。
PWM合成回路92は、フェーズ出力信号Wlout′,インバータ110cにより反転されたANDゲート104の出力が供給される第1のANDゲート110aと、フェーズ出力信号Ulout′,ANDゲート102の出力が供給される第2のANDゲート110bと、この第1と第2のANDゲート110a,110bの論理和を出力する第6のORゲート110dとを有している。
また、PWM合成回路92は、3相モータ1のスイッチの切り換えを行うOUT−ON/OFF信号,第1のORゲート105dの出力が供給され、コントロール信号Uuを出力するANDゲート111と、OUT−ON/OFF信号,第2のORゲート106dの出力,パルス幅変調信号(PWM Carrier)が供給され、コントロール信号Ulを出力するANDゲート112と、OUT−ON/OFF信号,第3のORゲート107dの出力が供給され、コントロール信号Vuを出力するANDゲート113と、OUT−ON/OFF信号,第4のORゲート108dの出力,パルス幅変調信号(PWM Carrier)が供給され、コントロール信号Vlを出力するANDゲート114と、OUT−ON/OFF信号,第5のORゲート109dの出力が供給され、コントロール信号Wuを出力するANDゲート115と、OUT−ON/OFF信号,第6のORゲート110dの出力,パルス幅変調信号(PWM Carrier)が供給され、コントロール信号Wlを出力するANDゲート116とを有している。
このような構成のPWM合成回路92は、フェーズ出力信号に図31(a)及び(b)に示すようなパルス幅変調信号(PWM Carrier)を合成して、ドライバ7に供給する。また、PWM合成回路92は、パルス幅変調信号(PWM Carrier)を合成するとともに、切替エッジにおいて、図31(c)に示すようなアングル信号(ANGLE)信号を合成する。そして、エッジの立ち上がり時においては、図31(d)に示すような、立ち上がり傾斜をつけたコントロール信号Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlを生成する。また、エッジの立ち下がり時においては、図31(e)に示すような、立ち下がり傾斜をつけたコントロール信号Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlを生成する。
このように、PWM合成回路92では、3相モータ1の相コイルを滑らかに切り換えることにより、音響ノイズやキックバックノイズを除去することができる。
なお、図30に示したPWM合成回路92の構成では、コイルの相の切り換えの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの両者で傾斜をつけた場合を示しているが、例えば、キックバックノイズを除去する目的であれば図32に示すようにインバータ105c,106c,107c,108c,109c,110cと、ANDゲート105a,106a,107a,108a,109a,110aを取り外して、直接、ORゲート105d,106d,107d,108d,109d,110dにフェーズ出力信号Uuout′,Ulout′,Vuout′,Vlout′,Wuout′,Wlout′を供給して、立ち下がりエッジのみに傾斜をつけてもよい。
以上のように、信号処理部6では、逆起電圧検出ロジック21がCompOut信号を検出したのちにメインクロックを7カウントしてタイミングクロックを発生させることにより、PWM信号がオン或いはオフになってすぐの不安定な出力状態では逆起電圧を検出せず、安定した状態で逆起電圧を検出する。
特に、PWM信号生成部4により発生するPWM信号は、メインクロックの16クロック分のオン領域を0から16クロックまで変動させているので、必ずPWM信号の1周期に少なくとも1回の検出ができる。また、PWM信号のスイッチングがなければ以後8クロック毎に逆起電圧を検出できる。
また、信号処理部6では、逆起電圧検出ロジック21が2回連続して同じ情報が入ってこなければデータを足り込まず、前のデータを保持している。このことにより、信号処理部6では、キックバックノイズを除去することや、PWMの切り替えにおいて生じる切替ノイズを除去することができる。
信号処理部6では、逆起電圧検出ロジック21が3相モータ1の各相コイルの通電パターンをフィードバックさせて、逆起電力が検出できる相コイルの相電圧のみを検出しているので、すなわち、上層コイルと下層コイルとがオフの部分のみ相の相電圧を検出しているので、ノイズに対して強くすることができる。
また、信号処理部6では、エッジ検出ロジック22が検出した相コイルの切替エッジを検出し、この検出したエッジに基づきアングル生成ロジック26がアングル信号(ANGLE)信号を生成し、このアングル信号(ANGLE)信号に基づいてPWM合成回路92が3相モータ1の相コイルを滑らかに切り換えることにより、音響ノイズやキックバックノイズを除去することができる。
次に、図1に示すドライバ7について説明する。このドライバ7は、図33に示すように信号処理部6のアウトプットコントローラ30からの第1〜第6のコントロール信号Uu〜Wlをそれぞれ所定の利得で増幅するバッファアンプ121a〜121fと、各バッファアンプ121a〜121fの出力段に設けられた抵抗122a〜122fとを有している。
また、ドライバ7は、抵抗122aにベースが接続された第1のコントロール信号Uu用の上層トランジスタ123aと、抵抗122bにベースが接続された第2のコントロール信号Ul用の下層トランジスタ123bと、抵抗122cにベースが接続された第3のコントロール信号Vu用の上層トランジスタ124aと、抵抗122dにベースが接続された第4のコントロール信号Vl用の下層トランジスタ124bと、抵抗122eにベースが接続された第5のコントロール信号Wu用の上層トランジスタ125aと、抵抗122fにベースが接続された第6のコントロール信号Wl用の下層トランジスタ125bとを有している。
各上層トランジスタ123a,124a,125aの各コレクタは、それぞれ電源電圧VCCに接続されており、各下層トランジスタ123b,124b,125bは、3相モータ1の各相コイル1U,1V,1Wに供給する電流値を検出するための駆動電流検出部8の電流検出抵抗RSにそれぞれ接続されている。また、各上層トランジスタ123a,124a,125aの各エミッタは、それぞれ各下層トランジスタ123b,124b,125bのコレクタに接続されており、各上層トランジスタ123a,124a,125aの各エミッタと、各下層トランジスタ123b,124b,125bのコレクタとの接続点から3相モータ1の各相コイル1U,1V,1Wに供給する駆動電圧を取り出すようになっている。
このような構成を有するドライバ7は、第1から第6のコントロール信号Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlが供給されると、これに応じて各上層トランジスタ123a,124a,125a及び各下層トランジスタ123b,124b,125bがそれぞれオンオフ制御される。そして、この各上層トランジスタ123a,124a,125a及び各下層トランジスタ123b,124b,125bのオンオフ制御に応じた電源電圧VCCが、各接続点から取り出され、これらが駆動電圧U,V,Wとして図1に示す3相モータ1の各相コイル1U,1V,1Wにそれぞれ供給される。
次に、駆動電流検出部8は、図34に示すように、ドライバ7のドライブ電流が供給される電流検出抵抗RSと、この電流検出抵抗RSの両端の電圧を検出する増幅器131とを有する。また、駆動電流検出部8は、スイッチング検出部9からのCompOut信号に基づいて、増幅器131の出力電圧をスイッチングするスイッチング素子132と、増幅器131の出力電圧がスイッチング素子132を介して供給される積分器133とを有する。
このような構成を有する駆動電流検出部8では、各相コイル1U,1V,1Wにそれぞれ供給される駆動電流が、それぞれ電流検出抵抗RSにより電圧のかたちで検出される。この電流検出抵抗RSにより検出された駆動電圧は、増幅器131で増幅及びインピーダンス変換をされ、スイッチング素子132を介して、抵抗及びコンデンサからなる積分器133に供給される。
このとき、電流検出抵抗RSには、PWM駆動された電流が間欠的に流れている。スイッチング素子132は、CompOut信号に基づき積分器133に供給する電圧をスイッチングしている。つまり、積分器133には、ドライバ7に供給されるPWM信号がONになっているときに生じる電流検出抵抗RSの電圧のみが供給される。そして、この積分器133から、駆動電流検出電圧(Current Sense)が出力される。
また、積分器133は、CompOut信号がオフしたときに、サンプルホールド回路としての機能が働くため、実際に3相モータ1に電流が流れた場合の状態に近づけるため、所定の時定数をもってホールドした電圧の値を徐々に小さくする。
すなわち、駆動電流検出部8では、ダイレクトPWM駆動をしている3相モータ1に流れる電流を検出するため、ドライバ7がONしているときには通常の電流検出を行って駆動電流検出電圧(Current Sense)を出力する。そして、OFFしたときには、積分器133によりサンプリングを行い出力を保持し、ONしているときと同様の値の駆動電流検出電圧(Current Sense)を出力する。
このような駆動電流検出部8を用いることにより、回転サーボ信号が回転数を落とすためにマイナス入力となったときに、上述したアウトプットロジック24において、上層,下層トランジスタの駆動の駆動論理を完全に反転して制御できる。そのため、駆動電流検出部8では、図35に示すように、従来生じていたモータのトルクの正逆の切り換え時に生ずる不連続部分がなくなり、モータトルクのリニアリティーを確保することができる。
また、積分器133が所定の時定数をもってサンプルホールドするので、正確な電流駆動ができる。
最後に、上述の実施の形態の説明では、モータ駆動装置10は3相モータ1を駆動制御するモータ駆動装置10であることとしたが、これは、例えば2相モータ,4相モータ等、他の複数相のモータの回転駆動装置に適用可能である。また、メインクロックは500KHzであり、これを16カウントして各種のタイミング信号を生成する等のように、具体的な数値を掲げて説明したが、これは設計に応じて変更可能であり、この他、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能であることは勿論である。
1 3相モータ、2 両波整流部、3 コンパレータ、4 PWM信号生成部、5 比較部、6 信号処理部、7 ドライバ、8 駆動電流検出部、9 スイッチング検出部、10 モータ駆動装置