JP4075381B2 - 車両のドア開閉装置 - Google Patents
車両のドア開閉装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4075381B2 JP4075381B2 JP2002006533A JP2002006533A JP4075381B2 JP 4075381 B2 JP4075381 B2 JP 4075381B2 JP 2002006533 A JP2002006533 A JP 2002006533A JP 2002006533 A JP2002006533 A JP 2002006533A JP 4075381 B2 JP4075381 B2 JP 4075381B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- door
- moment
- opening
- predetermined position
- closing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のドア開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワンボックスカーのバックドアとしては、図8に示すようにワンボックスカー100の車体101の後面102に形成された開口部103上縁に、ヒンジを介して上下方向Aに回動自在に支持された跳ね上げ式のバックドア104が一般的となっており、手動でバックドア104を上下方向Aに開閉するように構成されている。
【0003】
そして、このような跳ね上げ式のバックドア104の開閉に伴う労力を軽減させるために車両にはドア開閉装置が設けられており、例えばこのワンボックスカー100では、車体101の後面102の左右側縁とバックドア104の左右側縁との間にガス圧式バランサー50、50が介装されている。
【0004】
このガス圧式バランサー50は、バックドア104に一端側が軸支されたシリンダー50aと、シリンダー50a内に一端側が往復自在に挿入されて他端側が車体101に軸支されたピストン50bとから構成されている。
【0005】
シリンダー50a内には窒素ガスが封入されており、この窒素ガスの圧力でピストン50bが押し出されることによりガス圧式バランサー50はバックドア104を開方向Bに付勢している。
【0006】
そして、このガス圧式バランサー50は、図9に示すように、その付勢力50F(図8参照)によりバックドア104に作用する回動中心まわりのモーメント(以下モーメントと呼ぶ)が、バックドア104の全閉位置Pから全開位置Qの全範囲に渡ってバックドア104の開方向Bに作用する曲線状の開モーメントM1に設定されている。
【0007】
この開モーメントM1は、バックドア104が全閉位置Pから所定角度X開いた所定位置Rでは、バックドア104の自重104F(図8参照)によりバックドア104の閉方向C(下方向、図8参照)に作用する閉モーメントM0と同じ大きさに設定されている。
【0008】
さらに、開モーメントM1は、バックドア104が所定位置Rよりも低い位置ではバックドア104の自重104Fによる閉モーメントM0よりも小さく設定されており、所定位置Rよりも高い位置では前記閉モーメンM0トよりも大きく設定されている。
【0009】
そして、この開モーメントM1とバックドア104の自重104Fによる閉モーメントM0とから合成されてバックドア104に作用する合成モーメントM0+M1は曲線状であって、バックドア104が所定位置Rではバックドア104に作用しない0モーメントに設定されている。
【0010】
さらに、合成モーメントM0+M1は、バックドア104が所定位置Rよりも低い位置ではバックドア104の閉方向Cに作用する閉モーメントMaに設定されているとともに、この閉モーメントMaはバックドア104の自重104Fによる閉モーメントM0よりも小さく設定されている。
【0011】
さらに、合成モーメントM0+M1は、バックドア104が所定位置Rよりも高い位置ではバックドア104の開方向Bに作用する開モーメントMbに設定されているとともに、この開モーメントMbは第一のガス圧式バランサー50による開モーメント50Fよりも小さく設定されている。
【0012】
そして、バックドア104を開ける際には所定位置Rよりも少し上に開けると合成モーメントM0+M1の開モーメントMbによりバックドア104が開方向Bに助力されながら自然に回動して全開位置Qに保持されるため、バックドア104が開け易くなっている。
【0013】
そして、バックドア104を閉める際には所定位置Rよりも少し下に閉めると合成モーメントM0+M1の閉モーメントMaによりバックドア104が閉方向Cに付勢されながら自然に回動するため、バックドア104が閉まり易くなっている。
【0014】
また、ドア開閉装置の中には、前述した構成に加えて例えば図10や図11に示すような車体101側に設けられた電動式の駆動ユニット201と、駆動ユニット201にリンク202で連結されてバックドア104側に固設されたブラケット203とを備え、駆動ユニット201が作動することによりリンク202とブラケット203とを介してバックドア104を押し引きしてバックドア104を開閉駆動させる機構を備えたものがある(特開2000−335245号公報参照)。
【0015】
この機構では、リンク202がブラケット203を介してバックドア104を押し引きする位置が、リンク202とブラケット203をコンパクトに収めるとともに、ユーザーが荷物を出し入れする際にリンク202とブラケット203が邪魔にならないようにできるだけ上方に設定されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8〜図11に示す構成を備えたドア開閉装置では、バックドア104を全閉位置Pから所定位置Rまで開駆動する場合には、リンク202がブラケット203を介してバックドア104を押し引きする位置が上方に設定されているためバックドア104の回動中心の近くに力が加わり、この力が合成モーメントM0+M1の閉モーメントMaに抗して駆動することになる。
【0017】
したがって、バックドア104の開駆動に要する動力が大きくなるため、駆動ユニット201に設けられた電動モータ204(図11参照)に大きな負荷がかかってバックドア104の開速度が必要以上に遅くなる。
【0018】
そして、バックドア104を所定位置Rから全開位置Qまで開駆動する場合には、合成モーメントM0+M1の開モーメントMbに助力されながら駆動させるため、電動モータ204にかかる負荷が小さくなって回転数が上昇し、バックドア104の開速度が必要以上に速くなる。
【0019】
また、バックドア104を全開位置Qから所定位置Rまで閉駆動する場合には、合成モーメントM0+M1の開モーメントMbに抗して駆動させるため、電動モータ204に大きな負荷がかかり、バックドア104の閉速度が必要以上に遅くなる。
【0020】
そして、バックドア104を所定位置Rから全閉位置Pまで閉駆動する場合には、合成モーメントM0+M1の閉モーメントMaに助力されながら駆動させるため、電動モータ204にかかる負荷が小さくなって回転数が上昇し、バックドア104の閉速度が必要以上に速くなる。
【0021】
したがって、このようなドア開閉装置においては、合成モーメントM0+M1に抗してバックドア104を開閉させる際に電動モータ204に大きな負荷がかかるため、モータの大型化または小型のモータが複数必要となり、コストがかかってしまう問題があった。
【0022】
また、合成モーメントM0+M1によりバックドア104の開閉速度が必要以上に速くなったり遅くなったりしてスムーズに開閉せず、特にバックドア104が閉まりきる直前では、バックドア104の所定位置Rが通常全閉位置Pの近くに設定されていることからバックドア104が加速してしまうため、性能が良くなかった。
【0023】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、ドアを開閉駆動する際にモータにかかる負荷を低コストで抑えるとともに、性能を高めることができる車両のドア開閉装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1記載の車両のドア開閉装置では、車両に設けられ、この車両の車体に設けられた開口部の上縁に上下方向に回動自在に支持されて前記開口部を開閉するドアを電動モータにより開閉駆動するとともに、前記車体と前記ドアとの間に介装されて内部に封入されたガスの圧力で前記ドアを開方向に付勢するガス圧式バランサーを備え、このガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが前記ドアの全閉位置から全開位置の全範囲に渡って前記ドアの開方向に作用する開モーメントに設定されるとともに、この開モーメントと前記ドアの自重により前記ドアの閉方向に作用する閉モーメントとから合成されて前記ドアに作用する合成モーメントが、前記ドアが前記全閉位置から所定角度開いた所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記ガス圧式バランサーによる前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定された車両のドア開閉装置において、前記車両に、内部に封入されたガスの圧力で付勢する第二のガス圧式バランサーを設け、この第二のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントを、前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定し、前記所定位置よりも低い位置では開モーメントに設定し、前記所定位置よりも高い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定するとともに、前記第二のガス圧式バランサーによる前記モーメントと前記合成モーメントとから合成されて前記ドアに作用する第二の合成モーメントを、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定し、前記所定位置よりも低い位置では前記合成モーメントの前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定し、前記所定位置よりも高い位置では前記合成モーメントの前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定したものとしている。
【0025】
かかる構成においては、ガス圧式バランサーを追加したことによりドアに作用する合成モーメントの変動幅が小さくなるため、ドアを開閉駆動する際にモータにかかる負荷の変動幅も小さくなる。このため、ドアを開閉駆動させる際にモータにかかる負荷が軽減されるのでモータの小型化やモータの個数を減らすことが可能となる。また、ドアの開閉速度が必要以上に速くなったり遅くなったりするのが抑えられるのでドアをスムーズに開閉させることが可能となる。
【0026】
また請求項2記載の車両のドア開閉装置においては、車体に設けられた開口部の上縁に上下方向に回動自在に支持されて前記開口部を開閉するドアと前記車体との間に介装されて内部に封入されたガスの圧力で前記ドアを開方向に付勢する第一のガス圧式バランサーと、前記車体側に設けられて前記ドアを開閉駆動する駆動ユニットと、前記車体の上部に設けられて前記駆動ユニットにより駆動されるバランサーユニットと、このバランサーユニットに一端側が軸支されたリンクと、このリンクの他端側に軸支されて前記ドアの上部に固設されたブラケットとを備え、前記駆動ユニットは、前記ドアを開閉駆動する動力を発生する電動モータを備えている一方、前記バランサーユニットは、前記車体に取り付けられたベース部と、前記電動モータに接続して前記ベース部に正逆方向に回転自在に支持されるとともに前記リンクの前記一端側が軸支された出力ギヤと、この出力ギヤに噛合して前記ベース部に正逆方向に回転自在に支持されたサブギヤと、前記ドアが全閉位置から所定角度開いた所定位置で前記サブギヤの回転中心を通るように先端部が前記サブギヤに軸支されるとともに基端部が前記ベース部に軸支され、内部に封入されたガスの圧力により付勢する第二のガス圧式バランサーとを備え、前記電動モータによる前記出力ギヤの正方向の回転により前記リンクを車外側に押して前記ブラケットを介して前記ドアを開駆動し、前記電動モータによる前記出力ギヤの逆方向の回転により前記リンクを車内側に引いて前記ブラケットを介して前記ドアを閉駆動するとともに、前記第二のガス圧式バランサーは、前記ドアの前記所定位置では前記リンクを付勢しないとともに、前記所定位置より低い位置では前記サブギヤと前記出力ギヤとを介して前記リンクを車外方向に付勢し、前記所定位置より高い位置では前記サブギヤと前記出力ギヤとを介して前記リンクを車内方向に付勢する一方、前記第一のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが、前記ドアの前記全閉位置から全開位置の全範囲に渡って前記ドアの開方向に作用する開モーメントに設定されているとともに、この開モーメントと前記ドアの自重により前記ドアの閉方向に作用する閉モーメントとから合成され前記ドアに作用する第一の合成モーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記第一のガス圧式バランサーによる前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定されている一方、前記第二のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では開モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定されているとともに、前記第二のガス圧式バランサーによる前記モーメントと前記第一の合成モーメントとから合成され前記ドアに作用する第二の合成モーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記第一の合成モーメントの前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記第一の合成モーメントの前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定されたものとしている。
【0027】
かかる構成においては、ガス圧式バランサーを追加したことによりドアに作用する合成モーメントの変動幅が小さくなるため、ドアを開閉駆動する際にモータにかかる負荷の変動幅が小さくなる。このため、ドアを開閉駆動させる際にモータにかかる負荷が軽減されるのでモータの小型化やモータの個数を減らすことが可能となる。また、ドアの開閉速度が必要以上に速くなったり遅くなったりするのが抑えられるのでドアをスムーズに開閉させることが可能となる。
【0028】
また請求項3記載の車両のドア開閉装置においては、車体に設けられた開口部の上縁に上下方向に回動自在に支持されて前記開口部を開閉するドアと前記車体との間に介装されて内部に封入されたガスの圧力で前記ドアを開方向に付勢する第一のガス圧式バランサーと、前記車体の上部に設けられて前記ドアを開閉駆動させる駆動ユニットと、この駆動ユニットに一端側が軸支されたリンクと、このリンクの他端側に軸支されて前記ドアの上部に固設されたブラケットとを備え、前記駆動ユニットは、前記車体に取り付けられたベース部と、このベース部に設けられて前記ドアを開閉駆動する動力を発生する電動モータと、この電動モータに接続して前記ベース部に正逆方向に回転自在に支持されるとともに前記リンクの前記一端側が軸支された出力ギヤと、この出力ギヤに噛合して前記ベース部に正逆方向に回転自在に支持されたサブギヤと、前記ドアが全閉位置から所定角度開いた所定位置で前記サブギヤの回転中心を通るように先端部が前記サブギヤに軸支されるとともに基端部が前記ベース部に軸支され、内部に封入されたガスの圧力により付勢する第二のガス圧式バランサーとを備え、前記電動モータによる前記出力ギヤの正方向の回転により前記リンクを車外側に押して前記ブラケットを介して前記ドアを開駆動し、前記電動モータによる前記出力ギヤの逆方向の回転により前記リンクを車内側に引いて前記ブラケットを介して前記ドアを閉駆動するとともに、前記第二のガス圧式バランサーは、前記ドアの前記所定位置では前記リンクを付勢しないとともに、前記所定位置より低い位置では前記サブギヤと前記出力ギヤとを介して前記リンクを車外方向に付勢し、前記所定位置より高い位置では前記サブギヤと前記出力ギヤとを介して前記リンクを車内方向に付勢する一方、前記第一のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが、前記ドアの前記全閉位置から全開位置の全範囲に渡って前記ドアの開方向に作用する開モーメントに設定されているとともに、この開モーメントと前記ドアの自重により前記ドアの閉方向に作用する閉モーメントとから合成され前記ドアに作用する第一の合成モーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記第一のガス圧式バランサーによる前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定されている一方、前記第二のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では開モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定されているとともに、前記第二のガス圧式バランサーによる前記モーメントと前記第一の合成モーメントとから合成され前記ドアに作用する第二の合成モーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記第一の合成モーメントの前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記第一の合成モーメントの前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定されたものとしている。
【0029】
かかる構成においては、ガス圧式バランサーを追加したことによりドアに作用する合成モーメントの変動幅が小さくなるため、ドアを開閉駆動する際にモータにかかる負荷の変動幅が小さくなる。このため、ドアを開閉駆動させる際にモータにかかる負荷が軽減されるのでモータの小型化やモータの個数を減らすことが可能となる。また、ドアの開閉速度が必要以上に速くなったり遅くなったりするのが抑えられるのでドアをスムーズに開閉させることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すドア開閉装置1を備えたワンボックスカー10の後部斜視図であり、図2はドア開閉装置1の要部斜視図である。このワンボックスカー10には、車体101の後面102に設けられた開口部103の上縁にヒンジを介して上下方向Aに回動自在に支持されて開口部103を開閉するバックドア104が設けられているとともに、このバックドア104を開閉する本発明のドア開閉装置1が設けられている。
【0032】
このドア開閉装置1は、車体101の後面102の左右側縁とバックドア104の左右側縁との間に介装されてバックドア104を開方向B(上方)に付勢する第一のガス圧式バランサー50と、車体101側に設けられバックドア104を開閉駆動する駆動ユニット(図示せず)と、車体101の右側面105の上縁内側において開口部103近傍に設けられ、前記駆動ユニットにより駆動されるバランサーユニット2と、バランサーユニット2に一端側が軸支されたリンク3と、リンク3の他端側に軸支されたバックドア104の右側部106上部内側において開口部103近傍に固設されたブラケット4とを備えている。
【0033】
第一のガス圧式バランサー50は、バックドア104に一端側が軸支されたシリンダー50aと、シリンダー50a内に一端側が往復自在に挿入されて他端側が車体101側に軸支されたピストン50bとから構成されている。
【0034】
シリンダー50a内には窒素ガスが封入されており、この窒素ガスの圧力でピストン50bが押し出されることにより、第一のガス圧式バランサー50はバックドア104を開方向Bに付勢している。
【0035】
また前記駆動ユニットは、図示しないが、前記バランサーユニット2に接続してバックドア104を開閉駆動する動力を発生させる電動モータ、電動モータの回転速度をおそくさせる減速ギヤ、バランサーユニット2に伝達される電動モータの動力を断絶するクラッチ等を備えている。
【0036】
一方、バランサーユニット2は、図2に示すように車体101に取り付けられたベース部5と、前記駆動ユニットの電動モータに接続してベース部5に正逆方向に回転自在に支持されるとともにリンク3の一端側が軸支された出力ギヤ6と、出力ギヤ6より車内側に位置して出力ギヤ6に噛合するとともにベース部5に正逆方向に回転自在に支持されたサブギヤ7と、サブギヤ7より車内側で基端部81がベース部5に軸支されるとともに先端部82がサブギヤ7に軸支された第二のガス圧式バランサー8とを備えている。
【0037】
ベース部5は左右方向に凸型に屈曲形成されて上下端部51、51が車体に固定されており、中間部52が車体中心方向に向かって突出している。
【0038】
出力ギヤ6は扇状であって回転中心となる角部61がベース部5の中間部52の側面53上に回転自在に支持されており、図2で示すバックドア104の全閉位置では歯62が形成された円弧63は車内側に位置している。またこのときに出力ギヤ6の下端部64にリンク3の一端側が軸支されている。
【0039】
サブギヤ7は略半円形状であってその中心部がベース部5の中間部52の側面53上に軸支されており、図2で示すバックドア104の全閉位置では歯71が形成された円弧72は上側に位置している。
【0040】
第二のガス圧式バランサー8は、サブギヤ7より車内側に位置してベース部5の中間部52の側面53上に基端部81である一端部が軸支されたシリンダー83と、シリンダー83内に一端側が往復自在に挿入されて先端部82である他端部がサブギヤ7に軸支されたピストン84とから構成されている。
【0041】
シリンダー83内には窒素ガスが封入されており、この窒素ガスの圧力でピストン84が押し出されることによって、第二のガス圧式バランサー8が付勢するように構成されている。
【0042】
また、第二のガス圧式バランサー8は、バックドアが図3に示す全閉位置から図4に示す所定の角度まで開いた所定位置でピストンがサブギヤの回転中心7aを通るようにピストン84の先端部82がサブギヤ7に軸支されており、全閉位置ではサブギヤ7の回転中心7aよりも上側に位置している。
【0043】
そして、図3から図5にかけて示すようにバックドア104を全閉位置Pから全開位置Qまで開駆動する場合には、前記駆動ユニットの電動モータが正方向Dに回転して出力ギヤ6が正方向D(時計と反対回りの方向)に回転する。
【0044】
この出力ギヤ6の正方向Dの回転によりリンク3を車外方向Eに押し、押されたリンク3がブラケット4を介してバックドア104を押し上げることでバックドア104を開駆動するように構成されている。
【0045】
また、図5から図3にかけて示すようにバックドア104を全開位置から全閉位置まで閉駆動する場合には、前記駆動ユニットの電動モータが逆方向Fに回転して出力ギヤ6が逆方向F(時計回りの方向)に回転する。
【0046】
この出力ギヤ6の逆方向Fの回転によりリンク3を車内方向Gに引き、引っ張られたリンク3がブラケット4を介してバックドア104を引き下げることでバックドア104を閉駆動するように構成されている。
【0047】
また、バックドア104の開閉駆動の際に、第二のガス圧式バランサー8は、図4に示すようにバックドア104の所定位置Rでは、ピストン84がサブギヤ7の回転中心7aを通って最大限に伸びた状態となる。
【0048】
これにより、第二のガス圧式バランサー8は、その付勢力8Fによってサブギヤ7を正方向Dまたは逆方向Fに付勢させることはなく、これに伴ってサブギヤ7に噛合する出力ギヤ6も正方向Dまたは逆方向Fに付勢されないことから、リンク3を付勢しないように構成されている。
【0049】
また、バックドア104が所定位置Rより低い位置では、図3に示すように第二のガス圧式バランサー8は、ピストン84がサブギヤ7の回転中心7aよりも上側に位置される。
【0050】
これにより、第二のガス圧式バランサー8は、その付勢力8Fによってサブギヤ7を逆方向Fに付勢し、これに伴ってサブギヤ7に噛合する出力ギヤ6は正方向Dに付勢されることからリンク3を車外方向Eに付勢するように構成されている。
【0051】
また、バックドア104が所定位置Rより高い位置では、図5に示すように第二のガス圧式バランサー8は、ピストン84がサブギヤ7の回転中心7aよりも下側に位置される。
【0052】
これにより、第二のガス圧式バランサー8は、その付勢力8Fによってサブギヤ7を正方向Dに付勢し、これに伴ってサブギヤ7に噛合する出力ギヤ6は逆方向Fに付勢されることからリンク3を車内方向Gに付勢するように構成されている。
【0053】
図6は、バックドア104に作用する各モーメントとドア開度との関係を示す図である。第一のガス圧式バランサー50は、その付勢力50F(図3〜図5参照)によりバックドア104に作用するモーメントが、バックドア104の全閉位置Pから全開位置Qの全範囲に渡ってバックドア104の開方向Bに作用する曲線状の開モーメントM1に設定されている。
【0054】
この開モーメントM1は、バックドア104が全閉位置Pから所定角度X開いた所定位置Rでは、バックドア104の自重104Fによりバックドア104の閉方向C(下方向、図1、図5参照)に作用する閉モーメントM0と同じ大きさに設定されている。
【0055】
さらに、開モーメントM1は、バックドア104が所定位置Rよりも低い位置ではバックドア104の自重104Fによる閉モーメントM0よりも小さく設定されており、所定位置Rよりも高い位置では前記閉モーメンM0トよりも大きく設定されている。
【0056】
そして、この開モーメントM1とバックドア104の自重104Fによる閉モーメントM0とから合成されてバックドア104に作用する第一の合成モーメントM0+M1は曲線状であり、バックドア104が所定位置Rではバックドア104に作用しない0モーメントに設定されている。
【0057】
さらに、第一の合成モーメントM0+M1は、バックドア104が所定位置Rよりも低い位置ではバックドア104の閉方向Cに作用する閉モーメントMaに設定されているとともに(図3参照)、この閉モーメントMaはバックドア104の自重104Fによる閉モーメントM0よりも小さく設定されている。
【0058】
さらに、第一の合成モーメントM0+M1は、バックドア104が所定位置Rよりも高い位置ではバックドア104の開方向Bに作用する開モーメントMbに設定されているとともに(図5参照)、この開モーメントMbは第一のガス圧式バランサー50による開モーメントM1よりも小さく設定されている。
【0059】
一方、第二のガス圧式バランサー8は、その付勢力8F(図3〜図5参照)によりバックドア104に作用するモーメントM2は曲線状であり、バックドア104が所定位置Rでは、サブギヤ7と出力ギヤ6を介してリンク3を付勢していないことにより(図4参照)、バックドア104に作用しない0モーメントに設定されている。
【0060】
さらに、第二のガス圧式バランサーによるモーメントM2は、バックドア104が所定位置Rよりも低い位置では、サブギヤ7と出力ギヤ6を介してリンク3を車外方向Eに付勢していることによりバックドア104の開方向Bに作用する開モーメントMcに設定されているとともに(図3参照)、この開モーメントMcは第一のガス圧式バランサー50による開モーメントM1よりも小さく設定されている。
【0061】
さらに、第二のガス圧式バランサーによるモーメントM2は、バックドア104が所定位置Rよりも高い位置では、サブギヤ7と出力ギヤ6を介してリンク3を車内方向Gに付勢していることによりバックドア104の閉方向Cに作用する閉モーメントMdに設定されているとともに(図5参照)、この閉モーメントMdはバックドア104の自重104Fによる閉モーメントM0よりも小さく設定されている。
【0062】
そして、第一の合成モーメントM0+M1と第二のガス圧式バランサーによるモーメントM2とから合成されてバックドア104に作用する第二の合成モーメントM0+M1+M2は曲線状であって、バックドア104が所定位置Rではバックドア104に作用しない0モーメントに設定されている。
【0063】
さらに、第二の合成モーメントM0+M1+M2は、所定位置Rよりも低い位置ではバックドア104の閉方向Cに作用する閉モーメントMeに設定されているとともに(図3参照)、この閉モーメントMeは第一の合成モーメントM0+M1の閉モーメントMaよりも小さく設定されている。
【0064】
さらに、第二の合成モーメントM0+M1+M2は、所定位置Rよりも高い位置ではバックドア104の開方向Bに作用する開モーメントMfに設定されているとともに(図5参照)、この開モーメントMfは第一の合成モーメントM0+M1の開モーメントMbよりも小さく設定されている。
【0065】
かかる構成においては、バックドア104を全閉位置Pから所定位置Rまで開駆動する場合には、開駆動に抗する第二の合成モーメントM0+M1+M2の閉モーメントMeの大きさが、第二のガス圧式バランサー8がない場合に抗する第一の合成モーメントM0+M1の閉モーメントMaに比べて小さくなっている。
【0066】
このため、第二のガス圧式バランサー8を有しない従来のドア開閉装置に比べて電動モータにかかる負荷が軽減されるので、バックドア104の開速度が必要以上に遅くなるのを抑えることができる。
【0067】
そして、バックドア104を所定位置Rから全開位置Qまで開駆動する場合には、開駆動に助力する第二の合成モーメントM0+M1+M2の開モーメントMfの大きさが、第二のガス圧式バランサー8がない場合に助力する第一の合成モーメントM0+M1の開モーメントMbに比べて小さくなっている。
【0068】
このため、第二のガス圧式バランサー8を有しない従来のドア開閉装置に比べて電動モータにかかる負荷が増えるので、バックドア104の開速度が必要以上に速くなるのを抑えることができる。
【0069】
一方、バックドア104を全開位置Qから所定位置Rまで閉駆動させる場合には、閉駆動に抗する第二の合成モーメントM0+M1+M2の開モーメントMfの大きさが、第二のガス圧式バランサー8がない場合に抗する第一の合成モーメントM0+M1の開モーメントMbよりも小さくなっている。
【0070】
このため、第二のガス圧式バランサー8を有しない従来のドア開閉装置に比べて電動モータにかかる負荷が軽減されるので、バックドア104の閉速度が必要以上に遅くなるのを抑えることができる。
【0071】
さらに、バックドア104を所定位置Rから全閉位置Pまで閉駆動する場合には、閉駆動を助力する第二の合成モーメントM0+M1+M2の閉モーメントMeの大きさが、第二のガス圧式バランサー8がない場合に助力する第一の合成モーメントM0+M1の閉Maモーメントよりも小さくなっている。
【0072】
このため、第二のガス圧式バランサー8を有しない従来のドア開閉装置に比べて電動モータにかかる負荷が増えるので、バックドア104の閉速度が必要以上に速くなるのを抑えることができ、バックドア104が閉まりきる直前でも加速してしまうのを抑えることができる。
【0073】
このように本実施の形態のドア開閉装置1では、第二のガス圧式バランサー8を出力ギヤ6と逆方向に回転するサブギヤ7に設けたことにより、第二のガス圧式バランサー8を有しない従来のドア開閉装置に比べて、バックドア104に作用するモーメントである第二の合成モーメントM0+M1+M2の変動幅Waが従来のドア開閉装置によりバックドア104に作用していた第一の合成モーメントM0+M1の変動幅Wbよりも小さくなるため、バックドア104を開閉駆動する際に電動モータにかかる負荷の変動幅が小さくなる。
【0074】
このため、第二の合成モーメントM0+M1+M2に抗してバックドア104を開閉駆動する際に電動モータにかかる負荷が軽減されるのでモータの小型化やモータの個数を減らすことが可能になる。よって、モータにかかる負荷を低コストで抑えることができる。また同時にドア開閉装置1の重量を低減させることもできる。
【0075】
また、第二の合成モーメントM0+M1+M2によりバックドア104の開閉速度が必要以上に速くなったり遅くなったりするのが抑えられるのでバックドア104をスムーズに開閉させることが可能となる。よって、ドア開閉装置1の性能を高めることができる。
【0076】
また、クラッチにより電動モータを切り離してバックドア104を手動で開閉する場合でも、開閉時にはバックドア104に作用する第二の合成モーメントM0+M1+M2の大きさが、従来の合成モーメントである第一の合成モーメントM0+M1よりも小さくなっている。
【0077】
このためバックドア104の操作力が小さくなり、また合成モーメントM0+M1+M2の変動幅も従来の合成モーメントM0+M1よりも小さくなっているので操作しやすい。
【0078】
さらに、第二の合成モーメントM0+M1+M2はバックドア104の所定位置Rから全閉位置Pにおいて閉モーメントMeとなっているため、バックドア104を閉めきる時も必要以上に大きな力を要しない。
【0079】
また、第一のガス圧式バランサー50を有するドア開閉装置が設けられた車両に、前記駆動ユニット、リンク3、ブラケット4、出力ギヤ6、サブギア7と第二のバランサー8を追加すれば本実施の形態のような車両10を製造できる。このため、既存の第一のガス圧式バランサーの取り付け位置を変更することなく電動開閉バックドア仕様の車両を製造して本実施の形態と同様の効果を得ることが可能になる。よって、生産性を高めることができる。
【0080】
また、第二のガス圧式バランサー8は噛合するギヤ6、7に取り付けられるので、ギヤ6、7の組み合わせ方法(歯数、枚数)により第二の合成モーメントM0+M1+M2の大きさを調整でき、設計自由度を高めることができる。
【0081】
図7は、本発明の第2の実施の形態を示す車両のドア開閉装置9の要部斜視図である。以下、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分を中心に説明する。
【0082】
このドア開閉装置9は、第1の実施の形態と同様に、車体101の後面102の左右側縁とバックドア104の左右側縁との間に介装されバックドア104を開方向Bに付勢する第一のガス圧式バランサー50を備えている(図1参照)。
【0083】
さらにこの開閉装置9は、車体101の右側面105の上縁内側において開口部103近傍に設けられてバックドア104を駆動する駆動ユニット91と、駆動ユニット91に一端側が軸支されたリンク3と、このリンク3の他端側に軸支されてバックドア104の右側部106上部内側において開口部103近傍に固設されたブラケット4とを備えている。
【0084】
駆動ユニット91は、車体101に取り付けられたベース部92を中心にして構成されている。このベース部92は、車体101に取り付けられた平板状の底部93と、底部93の上下端部に取り付けられて左右方向に凸型に屈曲形成されたベース本体94とから構成され、このベース本体94は第1の実施の形態のドア開閉装置1を構成するベース部5と同じものである。
【0085】
ベース本体94と底部93との間には、バックドア104を開閉駆動させる動力を発生する電動モータ95と、電動モータ95に接続して電動モータ95の回転速度をおそくする減速ギヤ96と、減速ギヤ96に接続して電動モータ95の動力を外部に伝達するのを断絶するクラッチ97が設けられている。
【0086】
また、ベース本体94において外方に向かって突出した中間部98の側面99上には、クラッチ97と減速ギヤ96とを介して電動モータ95に接続して側面99に正逆方向に回転自在に支持されるとともにリンク3の一端側が軸支された出力ギヤ6と、出力ギヤ6より車内側に位置して出力ギヤ6に噛合して側面99に正逆方向に回転自在に支持されたサブギヤ7と、サブギヤ7より車内側で基端部81が側面99に軸支されるとともに先端部82がサブギヤ7に軸支された第二のガス圧式バランサー8とが設けられている。
【0087】
なお、リンク3、ブラケット4、出力ギヤ6、サブギヤ7、ガス圧式バランサー8の各取付位置、バックドア104を開閉駆動する際の各部材の動作は、第1の実施の形態のドア開閉装置1と同様に構成されている(図2〜図5参照)。
【0088】
また、バックドア104の自重104Fによりバックドア104の閉方向Cに作用する閉モーメントおよび、第一のガス圧式バランサー50の付勢力50F(図3〜図5参照)によりバックドア104に作用するモーメント、このモーメントと前記閉モーメントとを合成した第一の合成モーメント、第二のガス圧式バランサー8の付勢力8Fによりバックドア104に作用するモーメント、このモーメントと第一の合成モーメントを合成した第二の合成モーメントは、第1の実施の形態の図6で示した各モーメントM0、M1、M0+M1、M2、M0+M1+M2と同じである。
【0089】
このように本実施の形態のドア開閉装置9では、第1の実施の形態のドア開閉装置1が第二のガス圧式バランサー8と駆動ユニットとを別体にして構成したのに対し、第二のガス圧式バランサー8と駆動ユニット91を一体にして構成している。よって、第1の実施の形態のドア開閉装置1で得られる効果に加えて、省スペース化を図ることができるとともに、車体101への取り付け作業性を向上させることもできる。
【0090】
なお、両実施の形態のドア開閉装置1、9では、電動モータの動力をリンクに伝達する伝達手段をギヤ6、7と第二のガス圧式バランサー8とから構成したが、このような構成に限定されることはなく、例えばリンクと第二のガス圧式バランサー8とから構成してバックドア104に作用する各モーメントを図6のように設定しても良い。また、両実施の形態の開閉装置1、9においても、バックドア104に適用した場合について説明したが、他のドアに適用した場合でも同様の効果を得ることができる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の車両のドア開閉装置においては、ガス圧式バランサーを追加したことによりドアに作用する合成モーメントの大きさと変動幅が小さくなるため、ドアを開閉駆動する際にモータにかかる負荷の大きさと変動幅が小さくなる。
【0092】
このため、ドアを開閉駆動させる際にモータにかかる負荷が軽減されるのでモータの小型化やモータの個数を減らすことが可能となる。よって、モータにかかる負荷を低コストで抑えることができる。また、ドアの開閉速度が必要以上に速くなったり遅くなったりするのが抑えられるのでドアをスムーズに開閉させることが可能となる。よって、性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すドア開閉装置を備えたワンボックスカーの後部斜視図である。
【図2】ドア開閉装置の要部を示す斜視図である。
【図3】バックドアの全閉位置におけるドア開閉装置の状態を示す模式図である。
【図4】バックドアの所定位置におけるドア開閉装置の状態を示す模式図である。
【図5】バックドアの全開位置におけるドア開閉装置の状態を示す模式図である。
【図6】バックドアに作用する各モーメントとドア開度との関係を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示すドア開閉装置の要部を示す斜視図である。
【図8】従来のドア開閉装置を備えたワンボックスカーの後部斜視図である。
【図9】バックドアに作用する従来の各モーメントとドア開度との関係を示す図である。
【図10】他の従来のドア開閉装置を備えたワンボックスカーの後部模式図である。
【図11】図10の要部を示す斜視図である
【符号の説明】
1 ドア開閉装置
2 バランサーユニット
3 リンク
4 ブラケット
5 ベース部
6 出力ギヤ
7 サブギヤ
8 第二のガス圧式バランサー
8F 付勢力
9 ドア開閉装置
10 ワンボックスカー
50 第一のガス圧式バランサー
50F 付勢力
81 基端部
82 先端部
91 駆動ユニット
92 ベース部
95 電動モータ
101 車体
103 開口部
104 バックドア
104F 自重
A 上下方向
B 開方向
C 閉方向
D 正方向
E 車外方向
F 逆方向
G 車内方向
M0 ドア重量による閉モーメント
M1 第一のガス圧式バランサーによる開モーメント
M2 第二のガス圧式バランサーによるモーメント
M0+M1 第一の合成モーメント
M0+M1+M2 第二の合成モーメント
P 全閉位置
Q 全開位置
R 所定位置
X 所定角度
Claims (3)
- 車両に設けられ、この車両の車体に設けられた開口部の上縁に上下方向に回動自在に支持されて前記開口部を開閉するドアを電動モータにより開閉駆動するとともに、前記車体と前記ドアとの間に介装されて内部に封入されたガスの圧力で前記ドアを開方向に付勢するガス圧式バランサーを備え、
このガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが前記ドアの全閉位置から全開位置の全範囲に渡って前記ドアの開方向に作用する開モーメントに設定されるとともに、
この開モーメントと前記ドアの自重により前記ドアの閉方向に作用する閉モーメントとから合成されて前記ドアに作用する合成モーメントが、前記ドアが前記全閉位置から所定角度開いた所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記ガス圧式バランサーによる前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定された車両のドア開閉装置において、
前記車両に、内部に封入されたガスの圧力で付勢する第二のガス圧式バランサーを設け、この第二のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントを、前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定し、前記所定位置よりも低い位置では開モーメントに設定し、前記所定位置よりも高い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定するとともに、
前記第二のガス圧式バランサーによる前記モーメントと前記合成モーメントとから合成されて前記ドアに作用する第二の合成モーメントを、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定し、前記所定位置よりも低い位置では前記合成モーメントの前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定し、前記所定位置よりも高い位置では前記合成モーメントの前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定したことを特徴とする車両のドア開閉装置。 - 車体に設けられた開口部の上縁に上下方向に回動自在に支持されて前記開口部を開閉するドアと前記車体との間に介装されて内部に封入されたガスの圧力で前記ドアを開方向に付勢する第一のガス圧式バランサーと、前記車体側に設けられて前記ドアを開閉駆動する駆動ユニットと、前記車体の上部に設けられて前記駆動ユニットにより駆動されるバランサーユニットと、このバランサーユニットに一端側が軸支されたリンクと、このリンクの他端側に軸支されて前記ドアの上部に固設されたブラケットとを備え、
前記駆動ユニットは、前記ドアを開閉駆動する動力を発生する電動モータを備えている一方、
前記バランサーユニットは、前記車体に取り付けられたベース部と、前記電動モータに接続して前記ベース部に正逆方向に回転自在に支持されるとともに前記リンクの前記一端側が軸支された出力ギヤと、この出力ギヤに噛合して前記ベース部に正逆方向に回転自在に支持されたサブギヤと、前記ドアが全閉位置から所定角度開いた所定位置で前記サブギヤの回転中心を通るように先端部が前記サブギヤに軸支されるとともに基端部が前記ベース部に軸支され、内部に封入されたガスの圧力により付勢する第二のガス圧式バランサーとを備え、
前記電動モータによる前記出力ギヤの正方向の回転により前記リンクを車外側に押して前記ブラケットを介して前記ドアを開駆動し、前記電動モータによる前記出力ギヤの逆方向の回転により前記リンクを車内側に引いて前記ブラケットを介して前記ドアを閉駆動するとともに、
前記第二のガス圧式バランサーは、前記ドアの前記所定位置では前記リンクを付勢しないとともに、前記所定位置より低い位置では前記サブギヤと前記出力ギヤとを介して前記リンクを車外方向に付勢し、前記所定位置より高い位置では前記サブギヤと前記出力ギヤとを介して前記リンクを車内方向に付勢する一方、
前記第一のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが、前記ドアの前記全閉位置から全開位置の全範囲に渡って前記ドアの開方向に作用する開モーメントに設定されているとともに、
この開モーメントと前記ドアの自重により前記ドアの閉方向に作用する閉モーメントとから合成され前記ドアに作用する第一の合成モーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記第一のガス圧式バランサーによる前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定されている一方、
前記第二のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では開モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定されているとともに、
前記第二のガス圧式バランサーによる前記モーメントと前記第一の合成モーメントとから合成され前記ドアに作用する第二の合成モーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記第一の合成モーメントの前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記第一の合成モーメントの前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定されたことを特徴とする車両のドア開閉装置。 - 車体に設けられた開口部の上縁に上下方向に回動自在に支持されて前記開口部を開閉するドアと前記車体との間に介装されて内部に封入されたガスの圧力で前記ドアを開方向に付勢する第一のガス圧式バランサーと、前記車体の上部に設けられて前記ドアを開閉駆動させる駆動ユニットと、この駆動ユニットに一端側が軸支されたリンクと、このリンクの他端側に軸支されて前記ドアの上部に固設されたブラケットとを備え、
前記駆動ユニットは、前記車体に取り付けられたベース部と、このベース部に設けられて前記ドアを開閉駆動する動力を発生する電動モータと、この電動モータに接続して前記ベース部に正逆方向に回転自在に支持されるとともに前記リンクの前記一端側が軸支された出力ギヤと、この出力ギヤに噛合して前記ベース部に正逆方向に回転自在に支持されたサブギヤと、前記ドアが全閉位置から所定角度開いた所定位置で前記サブギヤの回転中心を通るように先端部が前記サブギヤに軸支されるとともに基端部が前記ベース部に軸支され、内部に封入されたガスの圧力により付勢する第二のガス圧式バランサーとを備え、
前記電動モータによる前記出力ギヤの正方向の回転により前記リンクを車外側に押して前記ブラケットを介して前記ドアを開駆動し、前記電動モータによる前記出力ギヤの逆方向の回転により前記リンクを車内側に引いて前記ブラケットを介して前記ドアを閉駆動するとともに、
前記第二のガス圧式バランサーは、前記ドアの前記所定位置では前記リンクを付勢しないとともに、前記所定位置より低い位置では前記サブギヤと前記出力ギヤとを介して前記リンクを車外方向に付勢し、前記所定位置より高い位置では前記サブギヤと前記出力ギヤとを介して前記リンクを車内方向に付勢する一方、
前記第一のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが、前記ドアの前記全閉位置から全開位置の全範囲に渡って前記ドアの開方向に作用する開モーメントに設定されているとともに、
この開モーメントと前記ドアの自重により前記ドアの閉方向に作用する閉モーメントとから合成され前記ドアに作用する第一の合成モーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記第一のガス圧式バランサーによる前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定されている一方、
前記第二のガス圧式バランサーの付勢力により前記ドアに作用するモーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では開モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記ドアの自重による前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定されているとともに、
前記第二のガス圧式バランサーによる前記モーメントと前記第一の合成モーメントとから合成され前記ドアに作用する第二の合成モーメントが、前記ドアの前記所定位置では前記ドアに作用しない0モーメントに設定され、前記所定位置よりも低い位置では前記第一の合成モーメントの前記閉モーメントよりも小さい閉モーメントに設定され、前記所定位置よりも高い位置では前記第一の合成モーメントの前記開モーメントよりも小さい開モーメントに設定されたことを特徴とする車両のドア開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002006533A JP4075381B2 (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | 車両のドア開閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002006533A JP4075381B2 (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | 車両のドア開閉装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003205747A JP2003205747A (ja) | 2003-07-22 |
JP4075381B2 true JP4075381B2 (ja) | 2008-04-16 |
Family
ID=27645273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002006533A Expired - Fee Related JP4075381B2 (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | 車両のドア開閉装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4075381B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014125150A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Toyota Auto Body Co Ltd | タイヤ運搬装置 |
DE102018120319A1 (de) * | 2018-08-21 | 2020-02-27 | Kiekert Ag | Elektrisch betätigbares Stellelement für ein Kraftfahrzeug |
-
2002
- 2002-01-15 JP JP2002006533A patent/JP4075381B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003205747A (ja) | 2003-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5281084B2 (ja) | 少なくとも1つのテールゲートを有する車両 | |
JP3855600B2 (ja) | 車両用スライドドア装置 | |
JP2001113952A (ja) | 車両用パッケージトレイ | |
JP2002087065A (ja) | 車両における開閉体の開閉装置 | |
JPH0235182A (ja) | 車両用パワーウィンドウのレギュレータ | |
JP2004130873A (ja) | 車両用開閉体の開閉装置 | |
JP2006526719A (ja) | ヒンジ装置 | |
JP2003531977A (ja) | 駆動可能フラップヒンジ | |
JP3749708B2 (ja) | 車両用自動開閉装置 | |
JP4075381B2 (ja) | 車両のドア開閉装置 | |
JP2005153738A (ja) | 車両用ドア開閉装置 | |
JP5495007B2 (ja) | ラッゲージリッド開閉装置 | |
JP2004050883A (ja) | 車両用開閉装置の取付構造 | |
JP2958764B1 (ja) | 支持装置内蔵式回転扉 | |
JP2006347396A (ja) | 格納式ハードパネルルーフの開閉装置 | |
JP4753405B2 (ja) | 車両用開閉体の開閉機構 | |
JP4013873B2 (ja) | ゲート開閉機構 | |
JP3740672B2 (ja) | 車両用開閉体の開閉装置 | |
JP2000255269A (ja) | 車両用ドア | |
JP2005053390A (ja) | 自動車のルーフ構造 | |
KR100387846B1 (ko) | 자동차의 리어 언더 미러 | |
JP2002087066A (ja) | 車両の後部構造 | |
JP3731199B2 (ja) | 車両の情報処理機器収納装置 | |
KR20000000053U (ko) | 자동차용 오디오비주얼 모니터 회동구조 | |
JP2001059382A (ja) | 車両用ドアの開閉駆動装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050111 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050720 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20051019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070515 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080108 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080121 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |