JP4075278B2 - 蛍光性重合体微粒子及びその製造方法、並びにこれを利用した蛍光免疫分析試薬及び蛍光免疫分析法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長い蛍光寿命を有する高輝度の蛍光性重合体微粒子及びその製造方法、並びにこれを利用した蛍光免疫分析試薬及び蛍光免疫分析法に関する。
本発明の蛍光性重合体微粒子は、蛍光性ランタノイド錯体を均一に高濃度で含有するため、従来の重合体微粒子にない高輝度と長い蛍光寿命を示すので、例えば、本発明の重合体微粒子表面に適当な抗体又は抗原を結合することで、これと選択的に結合する抗原又は抗体を分析する蛍光免疫分析試薬、特に時間分解蛍光免疫分析法の試薬の原料として非常に有用である。
【0002】
【従来の技術】
デンドリマーを配位子とするランタノイド3価陽イオン(以下Ln3+略記)錯体において、デンドリマーがLn3+を増感してその蛍光能を大きく向上させることは、M.Kawaら;Chem.Mater.、10巻、286−296頁(1998)において公知である。この効果は、紫外線を吸収するポリベンジルエーテルデンドリマーとLn3+との錯体において、空間的に大きく広がった該デンドリマーがまず「集光アンテナ」として紫外線のエネルギーを吸収し、次いでこれを、該デンドリマーのフォーカルポイント(Focal point:デンドリマーの分岐構造の開始点)に位置するランタノイド陽イオンに伝達して発光せしめる「アンテナ効果」として理解されている。そして、かかる「アンテナ効果」は、マトリクス高分子(例えば該デンドリマー自身)に該錯体を分散した場合においても観察されることが前記の文献に報告されている。しかし、かかる「アンテナ効果」を示すデンドリマー錯体を含有し非晶性樹脂をマトリクスとする組成物の微粒子及びこれを得る方法と、かかる微粒子の有用性は知られていなかった。
【0003】
一方、蛍光免疫分析法、即ちフルオロイムノアッセイ(Fluoroimmunoassay:以下、FIAと略)法は、ラジオイムノアッセイ(RIA)法、酵素イムノアッセイ(EIA)法等と並び、免疫反応を利用した微量な生理活性物質の実用分析法であり、近年、自動分析装置も開発され臨床検査等に幅広く使用されている。このうちRIA法は極めて高感度で特異性が高く、その分析操作も簡単であることから急速に発展し、臨床診断分野を始めとする多くの領域で利用されている。しかし、放射性物質を標識体として使用すること、あるいはその使用後の廃棄の問題等、取り扱い上の安全性に問題があり、最近は放射性物質の代わりに非放射性物質を標識体に用いる非放射性イムノアッセイ法(FIA法、EIA法等)が主流となりつつある。
【0004】
従来FIAには、例えばフロレセインのような有機系蛍光物質や、ユウロピウム3価陽イオン(Eu3+)に代表されるLn3+とエチレンジアミン4酢酸(EDTA)等の低分子有機化合物の錯体等を、抗体又は抗原に結合させたラベル試薬が使用されてきた。
しかし、有機系蛍光物質自体の蛍光強度はそれほど強くないため、測定対象である生理活性物質中に含まれた蛍光能を有する構造(発色団)が発する大きなバックグラウンドの蛍光により感度が低下するという欠点があった。また、励起光強度を強くし蛍光ラベル物質の蛍光強度向上を試みても、バックグラウンドの蛍光も同時に増大するため、S/N比はさほど改良されず感度も向上しないという欠点もあった。
【0005】
こうした欠点を解決すべく、より高感度な時間分解型蛍光イムノアッセイ(Time Resolved Fluoroimmunoassay、即ちTR-FIA法)が開発された(例えば、特公平1−59546号公報、特開昭61−128168号公報、特開平3−188374号公報、あるいはドイツ国公開公報第2628158号等参照)。TR-FIA法は、Eu3+のような比較的長い蛍光寿命を発する蛍光性物質を連続したパルス光源により励起させ、有機物による寿命の短いバックグラウンドの蛍光が消光した後、Ln3+固有の蛍光シグナルのみを時間分解測定により一定時間積算することを原理とする方法である。このために、例えばEu3+のβ−ジケトネート型錯体を重合体微粒子に担持したものをアッセイ試薬として用いるが、RIA法に比べると依然検出感度は充分とは言い難いレベルであるので、かかる試薬の蛍光輝度の向上が求められている。
【0006】
また使用できるLn3+の種類にも制限がある。例えば、Eu3+のβ−ジケトネート型錯体の蛍光強度に比べてTb3+の同様の錯体のそれは極めて低く、実用化困難であった。従って、複数のLn3+の固有の波長を有する発光帯により、同時に数種類の被検体を異なる波長で測定するような効率の良い測定方法の開発も強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、Tb3+あるいはEu3+を代表とするランタノイド陽イオンを含有する高輝度の新規な重合体微粒子及びその製造方法を提供すること、並びに、これらの重合体微粒子を利用した蛍光免疫分析試薬及び異なる重合体微粒子を併用した多種の異なる波長における同時測定を可能とする蛍光免疫分析法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の目的を達成すべく、特にLn3+と配位性有機化合物との複合化、並びにこれを含む高分子微粒子の製造方法について鋭意系統的な検討を行った結果、蛍光性ランタノイド錯体を重合体内部に分散させることにより極めて高輝度でかつ長い蛍光寿命を有する蛍光性材料となることを見出して本発明に到達した。
【0009】
即ち、本発明の要旨は、
(1)フォーカルポイントに3,4−ジオキシベンゾエート構造を有しかつ繰り返し単位に芳香環を含有するデンドロンを配位子とする蛍光性テルビウム3価陽イオン(Tb 3+ )錯体が、重合体微粒子内部に分散してなる蛍光性重合体微粒子であって、示差熱分析において該錯体構造に由来する固有の転移点を示さないことを特徴とする蛍光性重合体微粒子、
(2)スチレン系樹脂を構成する原料モノマーまたは(メタ)アクリル系樹脂を構成する原料モノマーを含有する液体に蛍光性テルビウム3価陽イオン(Tb 3+ )錯体を溶解し、次いで重合して乳化微粒子を得ることを特徴とする上記(1)に記載の蛍光性重合体微粒子の製造方法、
(3)上記(1)に記載の蛍光性重合体微粒子を使用したものであることを特徴とする蛍光免疫分析試薬、
(4)上記(3)に記載の蛍光免疫分析試薬を、任意のEu3+錯体を含有する蛍光免疫分析試薬と併用することを特徴とする蛍光免疫分析法、
に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につきさらに詳細に説明する。
<蛍光性ランタノイド錯体>
本発明に用いられる蛍光性ランタノイド錯体とは、ランタノイド陽イオンと有機配位子とを構成成分とし、該配位子の増感作用(配位子を励起する光のエネルギーによりランタノイド陽イオンが発光する現象)を示す錯体である。
【0011】
かかるランタノイド陽イオンとしては、Ce3+,Pr3+,Nd3+,Nd4+,Sm2+,Sm3+,Eu2+,Eu3+,Tb3+,Dy3+,Dy4+,Ho3+,Er3+,Tm2+,Tm3+,Yb2+,Yb3+等が挙げられ、中でも、Pr3+,Nd3+,Sm3+,Eu3+,Tb3+,Dy3+,Ho3+,Er3+,Tm3+,Yb3+等の3価陽イオンは、紫外〜近赤外領域、長い寿命、狭い波長幅等の特徴を持つ蛍光を発することから好適であり、中でもNd3+,Sm3+,Eu3+,Tb3+,Dy3+,およびTm3+が更に好適であり、Eu3+およびTb3+が発光強度の点で最も好適である。
【0012】
一方、本発明に用いられる蛍光性ランタノイド錯体に使用可能な有機配位子の化学構造にはランタノイド陽イオンへの増感作用を示す限りにおいて特に制限はないが、増感作用の点でβ−ジケトネート基またはカルボキシレート基を配位構造として有するものが好適である。これらの配位子とランタノイド陽イオンとの組み合わせに特に制限はないが、本発明において発光特性の点から好適な組み合わせは、Tb3+とEu3+に対するカルボキシレート基を有する配位子、およびEu3+に対するβ−ジケトネート基を有する配位子が挙げられる。
【0013】
また、後段の重合体微粒子の説明において述べるように、本発明に用いられる蛍光性ランタノイド錯体は、重合性モノマー(例えばスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等)のような有機液体への良好な分散性、望ましくは溶解性を有することが、該錯体が均一に分散した重合体微粒子を効率よく製造する上で重要である。
<好適なカルボキシレート型錯体>
本発明に好適なカルボキシレート基を有する配位子により構成される蛍光性ランタノイド錯体としては、フォーカルポイントにカルボキシレート基を有しかつ繰り返し単位に芳香環を有するデンドロンを配位子とするものが例示できる。
【0014】
本発明におけるデンドロン(Dendron)とは、近年盛んになってきているデンドリマー(Dendrimer:樹枝状規則分岐を有する高分子構造の総称)の研究において、かかる構造単位を持つ分子構築部品という意味で広く用いられる術語と同意であり、例えば、G.R.Newkomeら著の成書;Dendritic Molecules,Concepts・Synthesis・Perspectives(VCH VerlagsgesellschaftmbH;Weinheim,Germany;1996、ISBN:3−527−29325−6)にて用いられている。そして、該分岐構造の開始点(デンドロンを模式的に扇型と見なした場合の扇の要に相当)をフォーカルポイントと称し、分岐の次数を「世代(Generation)」と称する(図1を参照)。本発明におけるデンドロンの分岐点における分岐の本数には制限はないが、通常2本(図1の場合)又は3本であり、好ましくは2本である。なお、本発明においては、分岐点が1つの構造(即ち第1世代)もデンドロンと見なす。
【0015】
本発明に用いられるデンドロンは、その化学構造の繰り返し単位に芳香環を有することが好ましい。これは、該デンドロンが紫外光あるいは可視光を吸収することにより前記の「アンテナ効果」を発揮せしめるためである。ここで芳香環とは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の炭化水素芳香環、ピリジン環、キノリン環等の含窒素芳香環等を意味する。本発明に好適なデンドロンの構造例として、具体的には、ポリベンジルエーテル等の芳香族ポリエーテル、ポリヒドロキシ安息香酸等の芳香族ポリエステル、芳香族又は半芳香族ポリアミド、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンスルフィド等の芳香族ポリスルフィド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の炭素以外の元素を高分子主鎖に含む芳香族系高分子構造、ポリフェニレン、ポリフェニレンエチニレン、ポリフェニレンエチレン等の炭素−炭素結合で主鎖が構成されている芳香族系共役高分子構造等が挙げられ、このうちポリベンジルエーテル等の芳香族ポリエーテル、ポリヒドロキシ安息香酸等の芳香族ポリエステル等が好ましく、中でもポリベンジルエーテル等の芳香族ポリエーテルがより好ましく、下記式(1)で表される3,5−ジオキシベンジル基を繰り返し単位とする構造(C.J.Hawkerら;J.Chem.Soc.,Chem.Commun.、1010−1013頁(1990)を参照)が最適である。なお、錯体の発光特性を大きく損なわない限りにおいて、これらの複数種の構造が1つのデンドロン中に共存していても差し支えない。
【0016】
【化2】
また、デンドロンがそのフォーカルポイントに下記式(2a)で表される3,5−ジオキシベンゾエート構造を有する場合、発光特性の点でTb3+およびEu3+に対して好適であり、下記式(2b)で表される3,4−ジオキシベンゾエート構造を有する場合に、Tb3+に対して特に好適である。
【0017】
【化3】
本発明に用いられるデンドロンの世代に特に制限はないが、通常1〜6、合成の容易性から好ましくは1〜4、最も好ましくは1〜3とし、一方発光効果の点でより好ましくは2〜4、最も好ましくは3または4とする。
【0018】
従って、本発明に好適なカルボキシレート錯体の具体的な構造例としては、下記構造式(3)〜(10)の構造式により表されるLn3+錯体が挙げられる(下記式(3)〜(6)中、Ln3+はTb3+またはEu3+を表す)。中でも下記構造式(5)または(9)で表される第3世代ポリベンジルエーテルデンドロンカルボキシレートを配位子とする錯体、下記構造式(6)または(10)で表される第4世代ポリベンジルエーテルデンドロンカルボキシレートを配位子とする錯体は1つの錯体分子の自体蛍光能の点で非常に好ましい。一方、下記構造式(3)または(7)で表される第1世代ポリベンジルエーテルデンドロンカルボキシレートを配位子とする錯体、あるいは下記構造式(4)または(8)で表される第2世代ポリベンジルエーテルデンドロンカルボキシレートを配位子とする錯体は、錯体の単位重量当たりの輝度の点で実用的に非常に有用である。特に、輝度、蛍光波長、及び経済性の点で最も重要なのは、下記構造式(7)または(8)で表される第1あるいは第2世代ポリベンジルエーテルデンドロンカルボキシレートを配位子とするTb3+錯体である。
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
<好適なβ−ジケトネート型Eu3+錯体>
本発明に好適なEu3+とβ−ジケトネート基を有する配位子により構成される蛍光性ランタノイド錯体は、下記一般式(11)で表されるものである。
【0027】
【化12】
但し、一般式(11)において、Rは炭素数6以下のアルキル基または炭素数6以下のフッ化アルキル基を、R’は芳香族基をそれぞれ表す。好適なRとしては、例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基等の分岐を有するアルキル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等の直鎖状パーフルオロアルキル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロイソブチル基等の分岐を有するパーフルオロアルキル基等が挙げられ、より好適なのはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等の直鎖状パーフルオロアルキル基、およびヘプタフルオロイソプロピル基等の炭素数4以下のパーフルオロアルキル基、更に好適なのはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等の炭素数3以下のパーフルオロアルキル基、最も好適なのはトリフルオロメチル基である。一方、好適なR’としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基等の芳香族炭化水素基、チエニル基(又はテノイル基)やフラニル基(又はフロイル基)等の硫黄原子や酸素原子等のヘテロ原子を含有する芳香族基等が挙げられ、中でもフェニル基またはナフチル基がより好適で、ナフチル基が最も好適である。従って、本発明に好適な具体的な構造例としては、下記式(12)で表されるナフチル基を有する構造、あるいは式(12)のナフチル基がフェニル基で置換された構造等が挙げられ、中でも式(12)の化合物(以下、Eu(NTA)3と略記する。)が最適である。
【0028】
【化13】
<重合体微粒子>
本発明の重合体微粒子は、前述した蛍光性ランタノイド錯体が、重合体内部に均一に分散していることを特徴とするものである。ここで、重合体としては、後述するスチレン系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、特に紫外域での透明性の点からは(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましい。また、(メタ)アクリル系樹脂を採用すると、本発明の重合体微粒子を後述する蛍光免疫分析試薬として用いる場合に、その乳化液中の重合体微粒子が合成樹脂製の容器内壁に付着残留しにくいといった副次的な好ましい効果が見られる場合がある。なお、これらの複数種の重合体のモノマーが共重合された重合体を用いても構わない。
【0029】
本発明における「均一な分散」とは、微粒子内部の任意の場所における蛍光性ランタノイド錯体の濃度が一定であることを意味する。
例えば、重合体微粒子をまず製造し、次いで蛍光性ランタノイド錯体を吸着や溶液による膨潤により微粒子表面から吸収させる従来の技術によると、原理的に微粒子表面近傍の錯体濃度が高くなる。かかる状態を本発明では「均一な分散」とは呼ばない。従って、本発明の定義する「均一な分散」は、例えば、重合体微粒子の製造原料(重合性モノマー)の段階で蛍光性ランタノイド錯体を溶解あるいは均一に分散させておくことにより達成可能である。
【0030】
本発明の「均一な分散」の状態としては、蛍光性ランタノイド錯体が分子状態で重合体微粒子のマトリクス相に溶解している状態が理想的であるが、相分離により該錯体相が粒子ドメインとして分散していても良く、本発明の「均一な分散」を満足する条件として、例えば、電子顕微鏡観察により確認される該粒子ドメイン相の平均粒径(分子分散状態は粒径ゼロと考える)が300nm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは80nm以下、最も好ましくは50nm以下である状態が例示できる。
【0031】
また、微粒子中における該錯体の分布状態の観点でも均一である必要があり、かかる均一分布の条件として、透過型電子顕微鏡による極微小領域の元素分析手段であるEDX(Energy Dispersive X−ray)分析において、該錯体に含まれるランタノイド元素とバックグラウンドの適当な元素との信号強度比が、任意の極微小領域(例えば、数10nm四方の観察画面)において実質的に同一であることが例示できる。より具体的には、30nm四方の任意の観察領域における該信号強度比の標準偏差が2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下、最も好ましくは0.5以下であることが例示される。なお、かかるEDX分析に用いるバックグラウンド元素は、一般に原子番号が11以上であることが測定精度の点で好ましいので、樹脂材料の透過型電子顕微鏡試料作成に汎用されている遷移金属染色剤(四酸化ルテニウムRuO4や四酸化オスミウムOsO4等)で本発明の重合体微粒子を染色することにより、かかる遷移金属元素を好適なバックグラウンド元素として利用できる。
【0032】
本発明の「均一な分散」の状態の別な規定として、任意の重合体微粒子について、重合体内部に分散する蛍光性ランタノイド錯体が、該錯体構造に由来する固有の転移点を示差熱分析(DSC分析)において示さないことが例示できる。つまり、該錯体が粗大な相分離ドメインを形成して分散している場合には、該錯体の融点やガラス転移点等の固有の転移点がDSC分析で観測されるため、これが観測されないことが本発明の「均一な分散」を満足する条件として例示される。具体的には、例えば、3,5−ジオキシベンジル基を繰り返し単位とするポリベンジルエーテルデンドリマー構造のガラス転移点(約38℃、Wooley,K.L.ら;Macromolecules、26巻、1514頁(1993)を参照)は、かかるデンドリマー構造を有するランタノイド錯体(例えば構造式3〜10の錯体)が均一に分散した本発明の重合体微粒子においては観測されなくなる。
【0033】
本発明の重合体微粒子中の蛍光性ランタノイド錯体の濃度に制限はないが、通常、0.01〜50重量%、輝度の点で好ましくは0.1〜50重量%、重合体微粒子の粒径制御の点でより好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%、最も好ましくは2〜25重量%とする。
本発明の重合体微粒子の粒径には特に制限はないが、通常、体積平均メディアンとして0.01〜20μmの範囲とする。特に蛍光免疫分析試薬として用いる場合には、体積平均メディアンが0.05〜2μmであることが好ましい。この値が大きすぎると沈降性等の理由で好ましくなく、逆に小さすぎると発光特性の点で好ましくない。こうした理由で、本発明の重合体微粒子の体積平均メディアンはより好ましくは0.1〜1μm、更に好ましくは0.2〜0.8μm、最も好ましくは0.2〜0.6μmとする。
【0034】
本発明の重合体微粒子の粒径分布には特に制限はないが、通常、粒径分散係数δとして2以下とする。ここで粒径分散係数δとは、レーザー光散乱等の汎用的な手法で測定される重合微粒子の粒径分布測定結果において、小粒径側からの積算体積がA%となる粒径DAを用いて下記式(I)により定義される量である。従って、全粒子の粒径が同一である(即ち粒径分布がない)理想的な場合、このδの値はゼロとなる。
【0035】
【数2】
δ=(D90−D10)/D50 (I)
特に、蛍光免疫分析試薬として本発明の重合体微粒子を用いる場合には、該δの値は小さいほど分析精度が高まるので、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.7以下、最も好ましくは0.6以下とする。
【0036】
本発明の重合体微粒子の発生する蛍光の寿命には特に制限はないが、蛍光免疫分析試薬として使用する場合には、パルス励起光による蛍光強度が1/e(但し、eは自然対数の底)となるまでの時間で定義する蛍光寿命が0.005ミリ秒以上であることが望ましい。これは、測定試料に含まれる不純物によるバックグラウンドの蛍光(有機物を由来とすることが多く、通常、数〜数10ナノ秒程度の寿命となる)が消失した後で、十分な蛍光強度を有することがTR−FIA測定の原理状必要であるためである。該蛍光寿命は、蛍光種にもよるが、好ましくは0.01ミリ秒以上、より好ましくは0.1ミリ秒以上、更に好ましくは0.5ミリ秒以上、最も好ましくは1ミリ秒以上とする。特にTb3+が蛍光種の場合、本発明により該蛍光寿命は1ミリ秒以上とすることが可能であり、非常に有用である。
【0037】
本発明の重合体微粒子を蛍光免疫分析試薬として用いる場合、測定対象の抗原又は抗体と結合する抗体又は抗原を結合する官能基を重合体微粒子の表面に有することが必要である。かかる結合の様式には制限はないが、重合体微粒子表面に設ける官能基として好適なのは、カルボキシル基、酸塩化物基等の酸ハロゲン化物基、酸無水物基、エステル基、アミド基、マレイミド基、チオール基、水酸基、およびアミノ基等で、中でもカルボキシル基、酸塩化物基、酸無水物基、マレイミド基、チオール基、アミノ基等が更に好適で、カルボキシル基あるいは酸塩化物基が最も好適である。なお、エステル基は加水分解により容易にカルボキシル基に変換できるので、エステル基を表面に有する重合体微粒子は有用な中間体である。これらの抗体を結合するための官能基量は、本発明の重合体微粒子の単位重量当たりの官能基当量として表現すると、通常、0.001〜0.5ミリ当量/グラム、好ましくは0.005〜0.2ミリ当量/グラム、より好ましくは0.01〜0.1ミリ当量/グラム、更に好ましくは0.02〜0.07ミリ当量/グラム、最も好ましくは0.03〜0.05ミリ当量/グラムとする。
<重合体微粒子の製造方法>
本発明の重合体微粒子は、通常、スチレン誘導体やアクリル酸誘導体等のラジカル重合性モノマーを水または含水有機溶媒中に分散し、適当な分散安定剤とラジカル発生剤の存在下ラジカル重合させて製造される。かかる製造形式に合致する汎用手法として、分散安定剤のミセルを最初に形成させた系にモノマー類を加えてゆく方法である乳化重合、あるいは分散安定剤で安定化されたモノマー類液滴を最初に形成させてから重合させる方法であるミニエマルション重合やマイクロエマルション重合、モノマー類にラジカル発生剤を添加した溶液を懸濁させて重合する方法である懸濁重合、あるいは重合体超微粒子等の固体核を分散した系にモノマー類を加えて重合させる方法であるシード重合等が挙げられる。これらの方法のうち好ましいのはミニエマルション重合やマイクロエマルション重合あるいはシード重合であり、特に好ましいのはミニエマルション重合やマイクロエマルション重合である。
【0038】
好適な含水有機溶媒としては、例えば、水とメタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルフォルムアミド、テトラヒドロフラン等との混合物が挙げられるが、水が分散媒として最適である。
好適な分散安定剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等のカルボン酸塩等の陽イオン性界面活性剤、テトラエチルアンモニウム等の4級オニウム塩を結合した陰イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール鎖等の水溶性構造を結合した非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子等が挙げられ、ミニエマルション重合やマイクロエマルション重合、乳化重合、およびシード重合等の乳化状態が必要な形式の場合には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ソジウムジヘキシルスルホスクシナート等のスルホン酸塩、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等のカルボン酸塩等の陽イオン性界面活性剤が好適であり、特にミニエマルション重合やマイクロエマルション重合の場合、ここにメタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシル等の補助安定剤を併用する場合もある。懸濁重合の場合にはポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子が利用される。
【0039】
ラジカル発生剤として一般的なものは、ミニエマルション重合やマイクロエマルション重合、乳化重合、およびシード重合等の乳化状態が必要な形式の場合には、水溶性のラジカル発生剤、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸リチウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等、懸濁重合の場合にはラジカル重合性モノマーに溶解性のもの、例えば、N,N−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル等の過酸化物等であるが、異種のラジカル開始剤を併用しても構わない。
【0040】
本発明の重合体微粒子の好適な製造方法を、以下に具体的に説明する。
本発明の重合体微粒子は、その内部に蛍光性ランタノイド錯体を均一に含むので、ラジカル重合性モノマーに該錯体をあらかじめ分散(好ましくは溶解)することが望ましい。
ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、4−アセトキシスチレン等のスチレン系樹脂を構成する原料モノマー、あるいは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリルアミド誘導体等の(メタ)アクリル系樹脂を構成する原料モノマーが挙げられ、これらのモノマーを含有する液体に蛍光性ランタノイド錯体を溶解(以下、モノマー溶液と称する)し、次いで重合する。
【0041】
この場合、モノマー溶液の塊状重合物の溶液を該重合物の貧溶媒中に分散して微粒子化する方法、ラジカル開始剤をモノマー溶液に添加し、前記の水または含水有機溶媒中に分散して重合する懸濁重合法、モノマー溶液をラジカル開始剤を含む前記の水または含水有機溶媒中に乳化して重合するミニエマルション重合法やマイクロエマルション重合法、あるいは分散安定剤のミセルとラジカル開始剤を含む前記の水または含水有機溶媒中にモノマー溶液を添加する乳化重合法等が具体的に例示される。あるいは、前記のモノマー溶液を多孔質膜(例えばSPGテクノ(株)製SPG膜等のガラス微多孔質膜等)を通過させ、前記の水または含水有機溶媒中に乳化させる膜乳化工程を含む方法も利用できる。
【0042】
なお、本発明の重合体微粒子の実用化に当り、本発明の趣旨を著しく損なわない限りにおいて任意の添加剤、例えばトリオクチルフォスフィンオキシドやトリブチルフォスフィンオキシド等の有機りん化合物のように、ランタノイド陽イオンに配位することで水和等による蛍光強度の低下を抑制することのできる添加剤を使用することも可能であり、かかる添加剤はモノマー溶液にあらかじめ添加しておくことが好適である。
<蛍光免疫分析試薬>
本発明の重合体微粒子は、前記したように、抗体又は抗原と結合することにより、蛍光能を有する免疫分析試薬(蛍光免疫分析試薬)として使用可能である。
【0043】
本発明の蛍光免疫分析試薬に用いられる抗体としては、ウサギ、ヤギ等のポリクローナル抗体、マウスのモノクローナル抗体のIgG、IgM、またはこれらを酵素処理又は還元剤処理して得るF(ab’)2、Fab、Fab’分画等が挙げられ、一方抗原としては、たんぱく質、ポリペプチド、ステロイド、多糖類、脂質、薬物、花粉など種々のものが挙げられる。かかる抗体又は抗原の結合方法としては、重合体微粒子のカルボキシル基に対して抗体又は抗原のアミノ基をカルボジイミド等の縮合剤を使用して結合する方法、重合体微粒子のアミノ基に対して抗体又は抗原の糖鎖を過ヨウ素酸を使用して結合する方法、重合体微粒子のアミノ基に対して抗体又は抗原のアミノ基をグルタルアルデヒドを使用して結合する方法、重合体微粒子のマレイミド基に対して抗体又は抗原のチオール基を反応させる方法等が挙げられ、その結合量としては、重合体微粒子1ミリグラム当たりの重量として、通常50ナノグラム〜500マイクログラム、好ましくは500ナノグラム〜200マイクログラムとする。
<蛍光免疫分析法>
本発明は、従来TR−FIA法等の蛍光免疫分析への利用が困難であったTb3+錯体を利用した分析方法を提供する。即ち、Tb3+錯体を含有する前記の重合体微粒子を使用した蛍光免疫分析試薬(以下第1試薬と称する)を、公知のものを含む任意のEu3+錯体を含有する蛍光免疫分析試薬(以下第2試薬と称する)と併用することを特徴とする蛍光免疫分析法である。これは、第1試薬の発生する主蛍光帯波長(540〜545nm付近)と第2試薬の発生する主蛍光帯波長(610〜615nm付近)とが十分離れているため、これらの蛍光強度を同時に測定することが可能であることを利用するものである。つまり、第1試薬の分析対象物質と第2試薬の分析対象物質の同時定量分析が可能となる。
【0044】
該第1試薬と第2試薬の使用量比には制限はない。また、利用する各試薬の蛍光帯にも制限はなく、前記の主蛍光帯以外の蛍光帯(例えば、第1試薬についてはTb3+錯体の与える490nm付近や585nm付近等の蛍光帯、第2試薬についてはEu3+錯体の与える580nm付近や592nm付近等の蛍光帯)を利用しても差し支えない。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。[測定装置と条件等]
(1)NMR
日本電子社製JNM−EX270型FT−NMR(1H:270MHz,13C:67.8MHz)、溶媒:CDCl3。
(2)蛍光:日立製作所社製F−3000型蛍光光度計。
(3)蛍光寿命:Laser Photonics社製パルス窒素レーザーより得られる波長337nm(パルス幅5ナノ秒、周波数10Hz)のパルス光を試料に照射し、蛍光を散乱光フィルターを介してChromex社製250is分光器(焦点距離250mm、浜松ホトニクス社製C4334ストリークスコープを搭載)にレンズで集光し測定した。蛍光寿命は、該パルス光による蛍光強度が1/e(但し、eは自然対数の底)となるまでの時間とした。
(4)示差熱分析(DSC):DuPont Instruments社製Thermal Analyst2000型示差熱分析計により、窒素気流下、5℃/分の速度で温度を変化させ測定した。
<蛍光性デンドリマー錯体の合成>
(1)3,5−ジオキシベンゾエート構造をフォーカルポイントに有するもの
前掲のM.Kawaら著の文献に従い、第1世代、第3世代、および第4世代のポリベンジルエーテルデンドリティックカルボン酸を合成し、これらを配位子とする第1および第4世代のTb3+錯体(該文献では、それぞれ[G−1]3−Tbおよび[G−4]3−Tbと略記、本発明においても以下同様に略記)、および第3世代のEu3+錯体(該文献では[G−3]3−Euと略記、本発明においても以下同様に略記)を調製した。即ち、ベンジルブロミド(2.05当量)と3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール(1.0当量)とを18−クラウン−6エーテル(0.2当量)と新たに粉砕した無水炭酸カリウム(2.5当量)との存在下アセトン中60℃で縮合してデンドリティックベンジルアルコールを得るエーテル化反応、及び、これに四臭化炭素(1.25当量)とトリフェニルフォスフィン(1.25当量)とをテトラヒドロフラン(以下THFと略)中で作用させて相当するデンドリティックベンジルブロミドに変換する臭素化反応とを繰り返して任意世代のデンドリティックブロミドを得る。これを3,5−ジヒドロキシ安息香酸エチルと前記同様のエーテル化反応で縮合し、次いで過剰当量の水酸化カリウムを含水メタノール/THF混合溶液中で作用させるエステル加水分解反応で1世代上のデンドリティックカルボン酸を得る。こうして得たカルボン酸(3当量)をTb3+又はEu3+の酢酸塩無水物(1当量)と還流クロロベンゼン中で反応させ、脱酢酸による配位子交換反応で目的とする錯体を得る。なお、[G−1]3−Ln、[G−3]3−Ln、および[G−4]3−Ln(但し、LnはTbまたはEuを表す)の構造は、それぞれ本明細書中の構造式3、5、および6に相当する。前記2種のTb3+錯体の蛍光寿命は、100μM濃度のTHF溶液において、いずれも約1.1〜1.7ミリ秒であった。一方、前記のEu3+錯体の蛍光寿命は、100μM濃度のTHF溶液において、0.6〜0.8ミリ秒の範囲であった。
(2)3,4−ジオキシベンゾエート構造をフォーカルポイントに有するもの
前掲のM.Kawaら著の文献において、フォーカルポイント部分の原料である3,5−ジヒドロキシ安息香酸エチルの代わりに、3,4−ジヒドロキシ安息香酸エチルを用いて同様の合成を行い、第1および第3世代のデンドリティックカルボン酸を合成し、これらを配位子とするTb3+錯体(それぞれ[34G−1]3−Tbおよび[34G−3]3−Tbと略記)を同様に調製した。なお、これら2種の構造は、それぞれ本明細書中の構造式7および9に相当する。前記2種のTb3+錯体の蛍光寿命は、100μM濃度のTHF溶液において、いずれも約1.0〜1.4ミリ秒であった。
<蛍光性重合体微粒子の調製>
以下、重合体微粒子の調製例を示す。得られた重合体微粒子の平均粒径(体積平均メディアン)、粒径分布(粒径分散係数δ)、主蛍光帯の波長、蛍光寿命を表−1にまとめた。
【0046】
実施例1[乳化重合]
攪拌翼と還流管を設置したガラス容器内を窒素置換し、純水(100重量部)にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.58重量部)と過硫酸アンモニウム(0.23重量部)を溶解した水溶液を加えた。緩やかな窒素気流下40℃で攪拌しながら、ここに、スチレン(7.1重量部)、アクリル酸エチル(2.1重量部)、ジビニルベンゼン(0.08重量部)、Eu(NTA)3(構造は式12参照;0.48重量部)、およびトリオクチルフォスフィンオキシド(0.39重量部)を混合した溶液の約20%を約10分で滴下し、70℃に昇温した。半透明のエマルションが得られたら残りを2時間かけて滴下し、更に85℃に昇温し8時間攪拌を継続した。こうして得られた懸濁液に含まれる重合体微粒子は、体積平均メディアンが0.38μm、下記式(I)により定義される粒径分散係数δが1.1であった。
【0047】
【数3】
δ=(D90−D10)/D50 (I)
この重合体微粒子に365nmの波長を有する紫外光を照射したところ、Eu3+に特徴的な615nm付近の蛍光帯を与えた。該蛍光寿命は0.7ミリ秒であった。この懸濁液に含まれる微粒子は表面にエステル基を有し、該エステル基の加水分解によりカルボキシル基量は必要に応じ制御できるので、カルボキシル基と抗体分子の結合により蛍光免疫分析試薬として利用可能である。
【0048】
実施例2[乳化重合]
実施例1において、Eu(NTA)3の代わりに前記で合成した蛍光性デンドリマー錯体[G−1]3−Tb(0.30重量部)を、トリオクチルフォスフィンオキシドの代わりにトリブチルフォスフィンオキシド(0.11重量部)をそれぞれ使用して同様の乳化重合操作を行った。こうして得られた懸濁液に含まれる重合体微粒子は、体積平均メディアンが0.31μm、前記式(I)で定義される粒径分散係数δが1.0であった。この重合体微粒子に365nmの波長を有する紫外光を照射したところ、Tb3+に特徴的な545nm付近の蛍光帯を与えた。該蛍光寿命は1.8ミリ秒であった。この懸濁液に含まれる微粒子は表面にエステル基を有し、該エステル基の加水分解によりカルボキシル基量は必要に応じ制御できるので、カルボキシル基と抗体分子の結合により蛍光免疫分析試薬として利用可能である。
【0049】
実施例3[乳化重合]
実施例2において、[G−1]3−Tbの代わりに前記で合成した蛍光性デンドリマー錯体[G−4]3−Tb(0.40重量部)を、トリブチルフォスフィンオキシドは0.04重量部を使用して同様の乳化重合操作を行った。こうして得られた懸濁液に含まれる重合体微粒子は、体積平均メディアンが0.41μm、前記式(1)で定義される粒径分散係数δが0.9であった。この重合体微粒子に365nmの波長を有する紫外光を照射したところ、Tb3+に特徴的な545nm付近の蛍光帯を与えた。該蛍光寿命は1.3ミリ秒であった。この懸濁液に含まれる微粒子は表面にエステル基を有し、該エステル基の加水分解によりカルボキシル基量は必要に応じ制御できるので、カルボキシル基と抗体分子の結合により蛍光免疫分析試薬として利用可能である。
【0050】
実施例4[乳化重合]
実施例2において、[G−1]3−Tbの代わりに前記で合成した蛍光性デンドリマー錯体[G−3]3−Eu(0.35重量部)を、トリブチルフォスフィンオキシドは0.05重量部を使用して同様の乳化重合操作を行った。こうして得られた懸濁液に含まれる重合体微粒子は、体積平均メディアンが0.49μm、前記式(1)で定義される粒径分散係数δが1.2であった。この重合体微粒子に365nmの波長を有する紫外光を照射したところ、Eu3+に特徴的な615nm付近の蛍光帯を与えた。該蛍光寿命は0.7ミリ秒であった。この懸濁液に含まれる微粒子は表面にエステル基を有し、該エステル基の加水分解によりカルボキシル基量は必要に応じ制御できるので、カルボキシル基と抗体分子の結合により蛍光免疫分析試薬として利用可能である。
【0051】
実施例5[乳化重合]
実施例2において、[G−1]3−Tbの代わりに前記で合成した蛍光性デンドリマー錯体[34G−1]3−Tb(0.30重量部)を、トリブチルフォスフィンオキシドは0.11重量部を使用して同様の乳化重合操作を行った。こうして得られた懸濁液に含まれる重合体微粒子は、体積平均メディアンが0.32μm、前記式(1)で定義される粒径分散係数δが1.0であった。この重合体微粒子に365nmの波長を有する紫外光を照射したところ、Tb3+に特徴的な545nm付近の蛍光帯を与えた。該蛍光寿命は1.1ミリ秒であった。この懸濁液に含まれる微粒子は表面にエステル基を有し、該エステル基の加水分解によりカルボキシル基量は必要に応じ制御できるので、カルボキシル基と抗体分子の結合により蛍光免疫分析試薬として利用可能である。
【0052】
実施例6[乳化重合]
実施例2において、[G−1]3−Tbの代わりに前記で合成した蛍光性デンドリマー錯体[34G−3]3−Tb(0.35重量部)を、トリブチルフォスフィンオキシドは0.05重量部を使用して同様の乳化重合操作を行った。こうして得られた懸濁液に含まれる重合体微粒子は、体積平均メディアンが0.40μm、前記式(1)で定義される粒径分散係数δが0.9であった。この重合体微粒子に365nmの波長を有する紫外光を照射したところ、Tb3+に特徴的な545nm付近の蛍光帯を与えた。該蛍光寿命は1.1ミリ秒であった。この懸濁液に含まれる微粒子は表面にエステル基を有し、該エステル基の加水分解によりカルボキシル基量は必要に応じ制御できるので、カルボキシル基と抗体分子の結合により蛍光免疫分析試薬として利用可能である。
【0053】
実施例7[ミニエマルション重合]
内部を窒素置換したガラス製フラスコ中に水(80g)を入れ、炭酸水素ナトリウム(0.0179g)とドデシルスルホン酸ナトリウム(0.115g)を溶解した。これを攪拌しながら、メタクリル酸メチル(20g)、実施例1で使用したEu3+錯体Eu(NTA)3(0.5g)、及びメタクリル酸ステアリル(0.42g)を混合したモノマー溶液を滴下して懸濁させた。次いで反応容器を氷浴につけ油滴がなくなるまで、約1時間超音波を照射した(湘南科学株式会社より供給された超音波分散機UH−600;出力600W、周波数20Hz、最大出力にて使用)。その後、温水浴につけ反応液温を50℃に調整し、攪拌しながら水(5g)に過硫酸カリウム(0.053g)を溶解した水溶液を加えて約6時間攪拌を継続した後、温水浴をはずして室温まで放冷した。こうして得られた懸濁液に含まれる重合体微粒子は、体積平均メディアンが0.19μm、前記式(1)で定義される粒径分散係数δが0.6であった。この重合体微粒子に365nmの波長を有する紫外光を照射したところ、Eu3+に特徴的な615nm付近の蛍光帯を与えた。該蛍光寿命は0.7ミリ秒であった。この懸濁液に含まれる微粒子は表面にエステル基を有し、該エステル基の加水分解によりカルボキシル基量は必要に応じ制御できるので、カルボキシル基と抗体分子の結合により蛍光免疫分析試薬として利用可能である。
【0054】
実施例8[ミニエマルション重合]
実施例7において、Eu(NTA)3代わりに前記で合成した第1世代の蛍光性デンドリマーTb3+錯体[34G−1]3−Tb(0.5g)を使用して同様の操作を行った。こうして得られた懸濁液に含まれる重合体微粒子は、体積平均メディアンが0.15μm、前記式(1)で定義される粒径分散係数δが0.5であった。この重合体微粒子に365nmの波長を有する紫外光を照射したところ、Tb3+に特徴的な545nm付近の蛍光帯を与えた。該蛍光寿命は1.1ミリ秒であった。この懸濁液に含まれる微粒子は表面にエステル基を有し、該エステル基の加水分解によりカルボキシル基量は必要に応じ制御できるので、カルボキシル基と抗体分子の結合により蛍光免疫分析試薬として利用可能である。
【0055】
【表1】
<重合体微粒子中の蛍光性錯体の分散の均一性評価>
実施例2〜6、及び8で使用した蛍光性デンドリマー錯体のガラス転移点を、前記の示差熱分析により測定したところ、どれも、36〜40℃のガラス転移点を示した。これらの結果は、前記のWooleyらによる3,5−ジオキシベンジル基を繰り返し単位とするポリベンジルエーテルデンドリマーのガラス転移点の報告値(約38℃)に一致する。一方、各実施例の重合体微粒子のエマルションを乾固した残渣について、同様の示差熱分析を行った結果、いずれの重合体微粒子についても、36〜40℃にガラス転移点は観測されなかった。従って、これらの重合体微粒子中の蛍光性錯体の分散は均一であるものと結論される。
<Tb3+錯体含有重合体微粒子とEu3+錯体含有重合体微粒子の併用>
実施例11の重合体微粒子を水酸化ナトリウム水溶液で処理し、次いで塩酸酸性としたものは、該微粒子表面に、使用した水酸化ナトリウムの当量に応じたカルボキシル基を有する。該カルボキシル基量は、既知濃度の水酸化ナトリウム水溶液による滴定により決定される。
【0056】
こうして得る表面にカルボキシル基を有する重合体微粒子に、公知の方法で任意の抗体分子を結合した変性重合体微粒子を第1試薬とし、市販のEu(NTA)3を含浸したラテックス(セラダイン社製)に抗甲状腺刺激ホルモン抗体を結合したTR−FIA法試薬を第2試薬とした場合、第1試薬の発生する主蛍光帯波長(545nm付近)と第2試薬の発生する主蛍光帯波長(615nm付近)とが十分離れているため、これらの蛍光強度を同時に測定することができる。従って、第1試薬に結合した任意の抗体に対する抗原と、第2試薬の分析対象の2種の抗原の同時定量分析が可能となる。
<蛍光免疫分析>
実施例9[蛍光免疫分析試薬の調製]
実施例8で得た第1世代の蛍光性デンドリマーTb3+錯体[34G−1]3−Tbを均一に含有したメタクリル酸メチルを主体とした重合体微粒子(以下、Tb−pMMAと略)への抗体固定化を行った。即ち、Tb−pMMAを0.05M濃度の2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液(以下MES緩衝液と略、水酸化ナトリウムを加えてpHを調整するがこの場合pH6.0)にて希釈し、1%懸濁液2mLを調製した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(以下EDCと略、0.63mg)を加え、室温で1時間反応させた。遠心分離し、未反応のEDCを除去し洗浄後、0.05M濃度のMES緩衝液(pH7.0)でTb−pMMAを分散させた後、抗甲状腺刺激ホルモン−a抗体(以下TSH−a抗体と略;Medix BiochemicaOy Ab社)0.8mgを加え、室温で1時間反応させた。再び遠心分離し、未反応の抗体を除去し、0.1M濃度のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(以下TRIS緩衝液と略、塩酸を加えてpHを調整するがこの場合pH8.0)に牛血清アルブミン(以下BSAと略)を0.3%溶解した液を加え、粒子を安定化した。室温で30分攪拌した後、遠心分離し、精製水で洗浄を行った。洗浄後、0.05%NaN3水溶液に分散させ、抗TSH−a抗体固定化Tb−pMMAを作製した。抗体固定化時の未結合抗体濃度は0.07mg/mLであった。したがって,抗体の固定化率は(0.40−0.07)/0.40×100=82.5(%) であった。
【0057】
実施例10[抗TSH−a抗体固定化Tb−pMMAを用いたサンドイッチアッセイ]
この実験操作を図2に模式的に示した。抗TSH抗体(マウスIgG、Medix Biochemica Oy Ab)を10mg/mLに調整し,96穴マイクロタイターウェルに、1ウェルに100mLずつ分注し,室温で60分間振とうし、一次抗体をプレートに固定化(図2−1)した後、純水で洗浄後、0.3%のBSAを溶解した0.1M濃度TRIS緩衝液(pH8.0)を330mLずつ分注し,室温で60分間振とうしてプレートをブロッキングし、Tween20(シグマ社から供給される非イオン性界面活性剤)含有TRIS緩衝液(pH7.5)で3回,純水で2回洗浄し、一次抗体固定化プレートを作製した。TSH標準品(Zymed社)をBSA含有TRIS緩衝液にて希釈し、濃度0、62.5、125、250、及び1000μIU/mLの5種類の標準液を調製し、各ウェルに100mLずつ分注し,室温で120分間振とうし、一次反応を行わせた(図2−2)。反応後、Tween20含有TRIS緩衝液(pH7.5)で3回,純水で2回洗浄し余剰成分と未反応のTSHを除去した。実施例9で作製した抗TSH−a抗体固定化Tb−pMMAを、0.6M濃度のNaCl、0.05M濃度のMES、0.5%のBSA、及び0.05%のNaN3を含む緩衝液(pH6.0)に加え、抗TSH−a抗体固定化Tb−pMMAが0.01%になるように濃度を調製した。この試薬液をウェルに100mLずつ分注し,室温で120分間振とうし、二次反応を行わせた(図2−3)。二次反応後、Tween20含有TRIS緩衝液(pH7.5)で3回,純水で2回洗浄し未反応Tb−pMMAを除去した。各ウェルの蛍光強度を,SpectraMaxGEMINI(Molecular Devices社)を用いて、励起波長290nm,蛍光波長550nmで測定した。結果を表−2に示した。TSH濃度が高くなるに従い、蛍光強度の測定値も高くなる良好な結果を示した。
【0058】
【表2】
実施例11[重合体微粒子Tb−pMMAを用いたドットブロット]
この実験操作を図3に模式的に示した。実施例9と同様にして、抗ヒトIgM抗体(ウサギIgG、自製)を実施例8で得た重合体微粒子Tb−pMMAに固定化し、抗ヒトIgM抗体固定化Tb−pMMAを作製した。ニトロセルロースメンブレン(Bio−Rad社)上に4.4mg/mLのIgM溶液を1mL滴下、室温で30分間乾燥させ、メンブレンにIgMを固定化した(図3−1)。0.3%のBSAを含む0.1M濃度TRIS緩衝液(pH8.0)にメンブレンを浸漬,室温で60分間振とうし,メンブレンをブロッキングした。0.6M濃度のNaCl、0.05M濃度のMES、0.5%のBSA、及び0.05%のNaN3を含む緩衝液(pH6.0)中に、0.1%に調整した抗ヒトIgM抗体固定化Tb−pMMAを分散した液200mLを加え,室温で120分間反応させた(図3−2)。Tween20を含有したTRIS緩衝液(pH7.5)にて洗浄し、未反応の抗ヒトIgM抗体固定化Tb−pMMAを除去した。洗浄後のメンブレンをUVランプ DT−10MP(ATTO)にて照射し、蛍光を観察した。ニトロセルロースメンブレンのIgMを固定化した位置に,黄緑色のTb−pMMA由来の蛍光発色が見られた。IgMを固定化しないコントロール実験では,蛍光は見られなかった(図3−3)。
【0059】
【発明の効果】
本発明の重合体微粒子は、長い蛍光寿命を有する蛍光性ランタノイド錯体を均一に含有するので、高輝度の蛍光体として利用される。
また本発明の重合体微粒子表面にカルボキシル基等の官能基を導入し、適当な抗体又は抗原を結合することで、これと選択的に結合する抗原又は抗体を分析する蛍光免疫分析試薬の試薬として非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 デンドリマーの世代とフォーカルポイントを表す模式図である。
【図2】 サンドイッチアッセイを表す模式図である。
【図3】ドットブロットを表す模式図である。
Claims (12)
- フォーカルポイントに3,4−ジオキシベンゾエート構造を有しかつ繰り返し単位に芳香環を含有するデンドロンを配位子とする蛍光性テルビウム3価陽イオン(Tb 3+ )錯体が、重合体微粒子内部に分散してなる蛍光性重合体微粒子であって、示差熱分析において該錯体構造に由来する固有の転移点を示さないことを特徴とする蛍光性重合体微粒子。
- 重合体がスチレン系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂である請求項1に記載の蛍光性重合体微粒子。
- 重合体微粒子中の蛍光性テルビウム3価陽イオン(Tb 3+ )錯体の濃度が1〜30重量%である請求項1又は2に記載の蛍光性重合体微粒子。
- デンドロンの繰り返し単位がポリベンジルエーテル構造を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光性重合体微粒子。
- パルス励起光による蛍光強度が1/e(但し、eは自然対数の底)となるまでの時間で定義する蛍光寿命が0.1ミリ秒以上である請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光性重合体微粒子。
- 蛍光寿命が1ミリ秒以上である請求項6に記載の蛍光性重合体微粒子。
- 重合体微粒子の粒径の体積平均メディアンが0.05〜2μmである請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光性重合体微粒子。
- スチレン系樹脂を構成する原料モノマーまたは(メタ)アクリル系樹脂を構成する原料モノマーを含有する液体に蛍光性テルビウム3価陽イオン(Tb 3+ )錯体を溶解し、次いで重合して乳化微粒子を得ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の蛍光性重合体微粒子の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の蛍光性重合体微粒子を使用したものであることを特徴とする蛍光免疫分析試薬。
- 請求項11に記載の蛍光免疫分析試薬を、任意のEu3+錯体を含有する蛍光免疫分析試薬と併用することを特徴とする蛍光免疫分析法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000087800A JP4075278B2 (ja) | 1999-03-31 | 2000-03-28 | 蛍光性重合体微粒子及びその製造方法、並びにこれを利用した蛍光免疫分析試薬及び蛍光免疫分析法 |
Applications Claiming Priority (3)
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