JP4075058B2 - 浮動位置決め装置、浮動位置決め装置を有する部品搬送装置および部品検査装置 - Google Patents

浮動位置決め装置、浮動位置決め装置を有する部品搬送装置および部品検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1部材に対して第2部材を面方向に移動可能に保持してしかも第1部材に対して第2部材の位置を自動的に調芯するための浮動位置決め装置と、浮動位置決め装置を有する部品搬送装置および部品検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえばIC(集積回路)を有する電子部品は、所謂オートハンドラと呼ばれる自動ハンドリング装置によりICテスタに運ばれて各種の電気的な検査を行うことがある。この場合に、吸着ハンドが電子部品を吸着して搬送して電子部品をICソケットに接続する構造のものがある。
吸着ハンドは、電子部品を吸着する際に、電子部品の位置に合わせて遊動できるような圧接体と吸着パッドを有している。これによって、電子部品はICソケットに圧接される時に、電子部品のリードの曲がりを軽減することができる(たとえば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3099254号公報(第1頁ないし第4頁、図2、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の吸着ハンドは、電子部品をICソケットに対して位置を合わせるようにして圧接するために、遊動体と揺動体を有している。この遊動体と揺動体は、直列に配列されているために、大きな占有スペースが必要となり、構造が複雑であり重量が重くなってしまう。したがって、吸着ハンドが移動する際に、吸着ハンドの移動重量が大きくなってしまうことから、吸着ハンドを移動させるための移動機構が複雑で大型になってしまう。
そこで本発明は上記課題を解消し、構造が簡単でありしかも確実に第1部材に対して第2部材を面方向に浮動可能に保持して第1部材に対して第2部材の位置の調芯を行うことができる浮動位置決め装置と、浮動位置決め装置を有する部品搬送装置および部品検査装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、第1の発明にあっては、第1部材と、前記第1部材に対して移動可能に配置されて、部品を着脱自在に保持する部品保持部を有する第2部材とを有する部品搬送装置に設けられて、前記第1部材に対して前記第2部材が浮くようにして、該第2部材を面方向に移動可能に保持し、しかも前記第1部材に対して前記第2部材を位置決めするための浮動位置決め装置であり、前記第1部材に固定されている弾性変形可能な弾性変形部材と、前記第2部材に固定されている中空形状を有するガイド部材と、前記弾性変形部材の自由端に固定された状態で前記中空のガイド部材の内側に前記弾性変形部材の一部とともに挿通され、該ガイド部材の内面に内接している球体の支持部材とを有しており、該支持部材は、前記第2部材が前記部品を保持する際に、外力が作用することで、前記第2部材が前記第1部材に対して前記ガイド部材の軸方向に直交する前記面方向について移動しようとする際に、前記弾性変形部材弾性変形することで前記面方向について前記第2部材の移動を許し、前記第2部材が前記部品を保持した後で、該第2部材に前記外力が加わっていない状態では、前記弾性変形部材の復元力により、前記第1部材に対して前記第2部材が前記面方向への移動により位置ずれすることがない状態に位置決めする構成である浮動位置決め装置により、達成される
【0006】
上記構成によれば、弾性変形部材は、第1部材に固定されている弾性変形可能な部材である。ガイド部材は、第2部材に固定されている中空形状を有する部材である。
球体の支持部材は、弾性変形部材の自由端側に固定されてガイド部材の内面に内接している球体の支持部材である。この球体の支持部材は、第2部材が第1部材に対してガイド部材の軸方向に直交する面方向について移動する際に、弾性変形部材の弾性変形による面方向について第2部材の移動の自由度を与える。しかも、第2部材の外力が加わっていない状態では、弾性変形部材の復元力により第1部材に対して第2部材の位置を調整することができる。
これにより、浮動位置決め装置は、簡単な構造でありながら、第1部材に対して第2部材を面方向に浮動可能に保持し、しかも第1部材に対して第2部材の位置の位置決め調整を行うことができ、小型化が図れる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記ガイド部材は円筒状の部材であり、前記弾性変形部材はコイルバネであることを特徴とする。
上記構成によれば、ガイド部材は、円筒状の部材であり、弾性変形部材はコイルバネである。
これにより、コイルバネの長さを変更することにより、第1部材に対して第2部材の位置の調整を行う時の付勢力を調整することができる。またコイルバネの線径の変更によっても調芯力を変更することができる。
【0008】
第3の発明は、第1の発明の構成において、前記ガイド部材は円筒状の部材であり、前記弾性変形部材は弾性材料で作られている筒状部材であることを特徴とする。
上記構成によれば、ガイド部材は円筒状の部材であり、弾性変形部材は弾性材料で作られている筒状の部材である。
これにより、弾性変形部材はコイルバネでなくても筒状の弾性部材を用いることも可能である。
【0009】
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記浮動位置決め装置は、前記第1部材と前記第2部材の間に複数設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、浮動位置決め装置は、第1部材と第2部材の間に複数設けることにより、第2部材は第1部材に対して回転方向の調芯力(センタリング力)を発揮することができる。
【0010】
第5の発明は、第4の発明の構成において、前記部品保持部は、前記部品を吸引することで着脱自在に保持する吸着パッドを備えることを特徴とする。
上記構成において、部品保持部は、部品を吸引することで着脱自在に保持する吸着パッドである。これにより、部品は吸着により簡単に保持できる。
【0011】
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記第2部材は、前記部品を搭載するための部品搭載部材に設けられた位置決め穴に対して位置合わせをするために挿入される複数のガイドピンを有することを特徴とする。
上記構成によれば、第2部材は、部品を搭載するための部品搭載部材に設けられた位置決め穴に対して位置合わせをするための挿入される複数のガイドピンを有している。
これによって、第2部材と部品搭載部材の位置合わせは、ガイドピンと位置決め穴を用いて確実に行うことができる。
【0012】
第7の発明は、第6の発明の構成において、前記第1部材と前記第2部材の間には、保持機構部を有しており、前記保持機構部は、前記第1部材に設けられた軸と、前記第2部材に設けられた中空部を有する部材であり、前記軸が挿入された状態では前記軸と前記中空部を有する部材の内面の間には、前記第1部材に対して前記第2部材の前記面方向に浮動するためのすき間が設けられている前記中空部を有する部材と、前記軸が前記中空部を有する部材に対して前記軸の軸方向に移動するのを防止するための移動防止部材と、を有することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、第1部材と第2部材の間には保持機構部を有している。
この保持機構部の軸は、第1部材に設けられている。中空部を有する部材は、第2部材に設けられている。中空部を有する部材は、軸が挿入された状態では軸と中空部を有する部材の内面の間において、第1部材に対して第2部材を面方向に浮動するためのすき間が設けられている。移動防止部材は、軸が中空部を有する部材に対して軸の軸方向に移動するのを防止するための部材である。
これによって、第2部材は、第1部材に対して面方向に保持され、第2部材は第1部材に対して浮動位置決め装置を用いて浮動可能に保持できる。
【0014】
また、上記目的は、第8の発明にあっては、第1部材と、前記第1部材に対して移動可能に配置されて部品を着脱自在に保持する部品保持部を有する第2部材とを有する部品搬送装置であり、前記第1部材に対して前記第2部材が浮くようにして、該第2部材を面方向に移動可能に保持し、しかも前記第1部材に対して前記第2部材を位置決めするための浮動位置決め装置を有しており、前記浮動位置決め装置は、前記第1部材に固定されている弾性変形可能な弾性変形部材と、前記第2部材に固定されている中空形状を有するガイド部材と、前記弾性変形部材の自由端に固定されて前記ガイド部材の内面に内接している球体の支持部材を有しており、該支持部材は、前記第2部材が前記部品を保持する際に、外力が作用することで、前記第2部材が前記第1部材に対して前記ガイド部材の軸方向に直交する前記面方向について移動しようとする際に、前記弾性変形部材弾性変形することで前記面方向について前記第2部材の移動を許し、前記第2部材が前記部品を保持した後で、該第2部材に前記外力が加わっていない状態では、前記弾性変形部材の復元力により、前記第1部材に対して前記第2部材が前記面方向への移動により位置ずれすることがない状態に位置決めする構成である部品搬送装置により、達成される。
【0015】
上記構成によれば、弾性変形部材は、第1部材に固定されている弾性変形可能な部材である。ガイド部材は、第2部材に固定されている中空形状を有する部材である。
球体の支持部材は、弾性変形部材の自由端側に固定されてガイド部材の内面に内接している球体の支持部材である。この球体の支持部材は、第2部材が第1部材に対してガイド部材の軸方向に直交する面方向について移動する際に、弾性変形部材の弾性変形による面方向について第2部材の移動の自由度を与え、しかも第2部材の外力が加わっていない状態では、弾性変形部材の復元力により第1部材に対して第2部材の位置を調整することができる。
これにより、浮動位置決め装置は、簡単な構造でありながら、第1部材に対して第2部材を面方向に浮動可能に保持し、しかも第1部材に対して第2部材の位置の位置決め調整を行うことができ、小型化が図れる。
【0016】
第9の発明は、第8の発明の構成において、前記ガイド部材は円筒状の部材であり、前記弾性変形部材はコイルバネであることを特徴とする。
上記構成によれば、ガイド部材は、円筒状の部材であり、弾性変形部材はコイルバネである。
これにより、コイルバネの長さを変更することにより、第1部材に対して第2部材の位置の調整を行う時の付勢力を調整することができる。またコイルバネの線径の変更によってもこの付勢力を変更することができる。
【0017】
第10の発明は、第8の発明の構成において、前記ガイド部材は円筒状の部材であり、前記弾性変形部材は弾性材料で作られている筒状部材であることを特徴とする。
ガイド部材は円筒状の部材であり、弾性変形部材は弾性材料で作られている筒状の部材である。
これにより、弾性変形部材はコイルバネでなくても筒状の弾性部材を用いることも可能である。
【0018】
第11の発明は、第8の発明ないし第10の発明のいずれかの構成において、前記浮動位置決め装置は、前記第1部材と前記第2部材の間に複数設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、浮動位置決め装置は、第1部材と第2部材の間に複数設けることにより、第2部材は第1部材に対して回転方向の付勢力を発揮することができる。
【0019】
また、上記目的は、第12の発明にあっては、第1部材と、前記第1部材に対して移動可能に配置されて部品を着脱自在に保持する部品保持部を有する第2部材とを有する部品搬送装置を備えた部品検査装置であり、前記第1部材に対して前記第2部材が浮くようにして、該第2部材を面方向に移動可能に保持し、しかも前記第1部材に対して前記第2部材を位置決めするための浮動位置決め装置を有しており、前記浮動位置決め装置は、前記第1部材に固定されている弾性変形可能な弾性変形部材と、前記第2部材に固定されている中空形状を有するガイド部材と、前記弾性変形部材の自由端に固定されて前記ガイド部材の内面に内接している球体の支持部材とを備え、前記支持部材は、前記第2部材が前記部品を保持する際に、外力が作用することで、前記第2部材が前記第1部材に対して前記ガイド部材の軸方向に直交する前記面方向について移動しようとする際に、前記弾性変形部材弾性変形することで前記面方向について前記第2部材の移動を許し、前記第2部材が前記部品を保持した後で、該第2部材に前記外力が加わっていない状態では、前記弾性変形部材の復元力により、前記第1部材に対して前記第2部材が前記面方向への移動により位置ずれすることがない状態に位置決めする構成である部品検査装置により、達成される。
【0020】
上記構成によれば、弾性変形部材は、第1部材に固定されている弾性変形可能な部材である。ガイド部材は、第2部材に固定されている中空形状を有する部材である。
球体の支持部材は、弾性変形部材の自由端側に固定されてガイド部材の内面に内接している球体の支持部材である。この球体の支持部材は、第2部材が第1部材に対してガイド部材の軸方向に直交する面方向について移動する際に、弾性変形部材の弾性変形による面方向について第2部材の移動の自由度を与え、しかも第2部材の外力が加わっていない状態では、弾性変形部材の復元力により第1部材に対して第2部材の位置を調整することができる。
これにより、浮動位置決め装置は、簡単な構造でありながら、第1部材に対して第2部材を面方向に浮動可能に保持し、しかも第1部材に対して第2部材の位置を位置決め調整することができ、小型化が図れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の部品検査装置の好ましい実施形態を示している。この部品検査装置10は、本発明の浮動位置決め装置を有する部品搬送装置20を備えている。
部品検査装置10は、検査対象である部品、たとえばICを有するIC部品のような電子部品21を搬送して、この電子部品21に所定の電気的な検査を行った後に回収する装置である。
このために、図1に示す部品検査装置10は、電子部品の供給部12、上述した部品搬送装置20、電子部品の検査部14、そして電子部品の回収部16を有している。
【0022】
図1に示す供給部12は、たとえば複数の供給トレイ17,18を備えている。この各供給トレイ17,18の上には、複数の電子部品21が着脱可能に配列されている。回収部16は、複数の回収トレイ22ないし27を備えている。
各回収トレイ22ないし回収トレイ27の上には、検査済みの電子部品21が分類されて置かれるようになっている。
【0023】
検査部14は、電子部品のたとえば電気的な性能や電気的な接続状態をチェックするための装置である。検査部14は、たとえば恒温チャンバーを有しており、この恒温チャンバー内では、複数の循環ボード30が順送りZ1方向とX1方向そしてX2方向に送られ、循環ボード30上の電子部品は一定温度に保たれる。
回収トレイ22ないし27は、たとえば一定温度(一例として常温)に保たれた状態で検査された電子部品を検査結果に基づき分類して搭載するトレイである。これに対して、回収トレイ28は、恒温チャンバー内で低温状態で検査した場合に常温に戻して回収するためのトレイである。
【0024】
供給部12と検査部14の間には、供給側のシャトルボード40がY方向にスライド移動できるようになっている。供給シャトル50は、供給側のシャトルボード40をY方向にスライド移動させることによって、供給部12側のこれから検査しようとする電子部品21を検査部14側に供給するようになっている。
部品搬送装置20は、供給側のシャトルボード40により搬送されてくる電子部品21を、最上段の循環ボード30側に搬送もしくは移し替えるための装置である。
図1に示す回収シャトル51は、検査部14で検査された検査済みの電子部品21を回収側のシャトルボード51Aにのせて、回収部16の所定の回収トレイ22ないし回収トレイ27、あるいは回収トレイ28に戻すための装置である。
【0025】
図2は、図1の浮動位置決め装置を有する部品搬送装置20と、供給シャトル50および複数枚の循環ボード30の具体的な構造例を示している。
複数枚の循環ボード30は、循環ボードの操作装置52の中に収容されており、各循環ボード30は操作装置52の中で順送り方向であるZ1方向,X1方向そしてZ2方向に沿って循環されるようになっている。
図3は、図2に示す部品搬送装置20、供給シャトル50、そして循環ボード30の操作装置52の平面図である。図4は、図3に示す各装置の正面図であり、図5は図3に示す各装置の側面図である。
【0026】
図2ないし図5を参照しながら、供給シャトル50の構造例について説明する。
供給シャトル50は、供給側のシャトルボード40を、移動レール63,63の直線移動によりレールガイド61,61に沿って、電子部品21を図1の供給部12側から循環ボード30側に送るための装置である。
シャトルボード40は、図2と図3に示すように2本のレール63によりY方向に沿って直線移動できるようになっている。これによって、複数の電子部品21を搭載しているシャトルボード40は、たとえば図1と図2に示すように、循環ボードの操作装置52の最上段の循環ボード30の上に位置決めできるようになっている。
【0027】
浮動位置決め装置を有する部品搬送装置20は、図2に示すようにシャトルボード40に搭載されている電子部品を、循環ボード30側に搬送または移し替えるための装置である。
浮動位置決め装置を有する部品搬送装置(以下、部品搬送装置と呼ぶ)20は、概略的には本体(図示せず)と移載ハンド71を有している。
2本のシャフト73が、本体に対して移載ハンド71を支持している。たとえばモータ(図示せず)が作動することにより、移載ハンド71はシャフト73を通じてZ方向に上下動可能になっている。
【0028】
これによって、移載ハンド71はZ2方向に上昇することでシャトルボード40あるいは最上段の循環ボード30から上方へ退避した位置に戻すことができる。しかも移載ハンド71は、Z1方向に下降することで、シャトルボード40に搭載された電子部品もしくは循環ボード30に搭載された電子部品を吸着して保持することができる。
図1ないし図5において、循環ボードの操作装置52の長手方向がX方向であり、レール63の長手方向がY方向であり、X方向とY方向は直交する方向である。そしてZ方向は、X方向とY方向に直交し、Z方向は上下方向に相当する。
【0029】
次に、図6ないし図8を参照しながら、部品搬送装置20の移載ハンド71の構造例と、シャトルボード40の構造例および循環ボード30の構造例について説明する。
図6は、移載ハンド71、シャトルボード40および循環ボード30の位置の例を示している。この場合には、移載ハンド71は、循環ボード30の上方に位置している。
【0030】
図7は、シャトルボード40が供給シャトル50により循環ボード30の上部まで案内されてきた状態を示している。この場合にも、移載ハンド71はシャトルボード40の上方に位置している。
図8は、移載ハンド71が、シャトルボード40から電子部品21を吸着して保持した後に、シャトルボード40が図7においてY2方向に回避した後、移載ハンド71が電子部品21を循環ボード30側に移し替えている状態を示している。
この部品搬送装置20は、部品移載装置もしくは部品移載ロボットなどとも呼ぶことができる。
【0031】
図9は、移載ハンド71と、シャトルボード40および循環ボード30の図示を簡単化して示している。シャトルボード40と循環ボード30は、それぞれ部品搭載部材の一種である。
シャトルボード40は、電子部品21を移載ハンド71へ供給する側の部品搭載部材であり、循環ボード30は、移載ハンド71から電子部品21を供給される側の部品搭載部材である。
シャトルボード40は、ほぼ平板状の部材であり、複数の電子部品21がそれぞれ着脱可能に収容できる部品収容部80を有している。各部品収容部80は、たとえば長方形状の開口部を有する凹部である。各部品収容部80の中には、電子部品21が着脱可能に収容できる。
シャトルボード40は、その他に複数個の位置決め穴81を有している。図示例のシャトルボード40は、たとえば4つの部品収容部80と4つの位置決め穴81を有している。
【0032】
これに対して、図9に示す循環ボード30は、やはり平板状の部材であり、ほぼシャトルボード40と同様の構造を有している。すなわち、循環ボード30は、4つの部品収容部90と、4つの位置決め穴99を有している。部品収容部90は、部品収容部80と同様のものであり、位置決め穴99は位置決め穴81と同様に4つ形成されている。
シャトルボード40の部品収容部80は、循環ボード30の部品収容部90と対応する位置に形成されている。同様にして、シャトルボード40の位置決め穴81は、循環ボード30の位置決め穴99と対応する位置に形成されている。
【0033】
次に、図6ないし図9を参照しながら、部品搬送装置20の移載ハンド71の構造について詳しく説明する。
図6を参照すると、移載ハンド71は、板状の第1部材91と、板状の第2部材92と、板状の固定板93と、複数の浮動位置決め装置110と、複数の保持機構部120と、複数の吸着パッド130と、複数のガイドピン140を有している。
固定板93は、2本のシャフト73の他端部に固定されている。固定板93は第1部材91の上面に対して固定されている。
第1部材91と第2部材92は、それぞれ金属により作られている平板状の部材である。第1部材91は固定部材と呼ぶことができ、これに対して第2部材92は可動部材もしくは浮動部材と呼ぶこともできる。
【0034】
図10は、移載ハンド71の第2部材92側から見た裏面側の斜視図であり、図11は、移載ハンド71の第2部材92側から見た平面図である。
図9ないし図11を参照すると、複数本のガイドピン140が、第2部材92の平面側から垂直に設けられている。ガイドピン140は、たとえば合計4本設けられており、2本のガイドピン140ともう2本のガイドピン140が、離れた位置に設けられている。
【0035】
図9に示すように4本のガイドピン140は、シャトルボード40の4つの位置決め穴81もしくは循環ボード30の4つの位置決め穴99にそれぞれはめ込まれるようになっている。
これによって、移載ハンド71の第2部材92とシャトルボード40の相対的な位置決めと、第2部材92と循環ボード30の相対的な位置決めを行うことができる。位置決め穴81,99の直径は、ガイドピン140の直径に比べてやや大きく設定されており、これによりガイドピン140が位置決め穴81,99に入り易い。
【0036】
図9と図10に示すように、第2部材92の底面には、電子部品21の吸着手段である吸着パッド130が設けられている。図示例では吸着パッド130は4つ設けられている。吸着パッド130は、X方向に沿って間隔をおいて2つ配置され、Y方向に沿って2つ間隔をおいて配置されている。
各吸着パッド130は、図9に示すようにシャトルボード40の部品収容部80内の電子部品21をたとえば真空吸着することができる。そして、吸着パッド130に吸着された電子部品21は、循環ボード30の部品収容部90側へ、真空を破壊することにより移してのせることができる。
図9に示すように吸着パッド130は、吸引操作部101により真空吸引することにより電子部品21を着脱可能に吸着することができる。吸引操作部101は、制御部100の指令により動作する。
図9と図10に示す保持機構部120は、第1部材91と第2部材92の間に設けられている。
【0037】
図12は、図11のA−A線における断面図であり、図13は、図12の部分Cを拡大して示している。
図12と図13に示すように、保持機構部120は、第1部材91と第2部材92の長手方向両端側に配置されている。
この2つの保持機構部120の構造は同じである。そこで、図13を参照して、図12に示す右側の保持機構部120の構造をより詳しく説明する。
保持機構部120は、軸150、中空部を有する部材としてのブッシュ151、そして移動防止部材153を有している。移動防止部材153は、カラーブッシュ154と松葉ピン155を有している。
【0038】
軸150は、頭部156と軸部分157を有している。頭部156は第1部材91を固定している。軸150は、図13に示すように断面T字型である。
ブッシュ151は、第2部材92の穴に固定されている部材である。ブッシュ151はほぼ円筒状の部材であり、ブッシュ151の内径は軸部分157の外径よりも大きく設定されている。このことから、軸部分157とブッシュ151の内周面の間にはすき間158が形成されている。
【0039】
軸部分157の中間部分がブッシュ151の中央を通っているが、軸部分157の下端部は、移動防止部材153に対して固定されている。移動防止部材153のカラーブッシュ154の中には軸部分157の下端部が挿入されているとともに、軸部分157の下端部は松葉ピン155により抜け止めするようにして固定されている。このカラーブッシュ154は、ブッシュ151と直列に配列されている。
このことから、第2部材92は、第1部材91に対してX方向とY方向で形成される面方向に関してすき間158を利用して移動もしくは浮動できるようになっている。しかし、第2部材92は、第1部材91に対してZ方向には移動しない。これは、移動防止部材153が設けられているからである。
第1部材91と第2部材92は、図12に示すように平行にやや僅かなすき間を空けて重ねて配置されているが、第2部材92は第1部材91に対してX方向とY方向で形成される面に沿ってすき間158を利用して移動できるのである。
【0040】
次に、図9と図11に示す浮動位置決め装置110の構造について説明する。
浮動位置決め装置110は、第1部材91と第2部材92のアッセンブリの四隅位置に設けられている。一端側の2つの浮動位置決め装置110の間には、保持機構部120が位置している。同様にして他端側の2つの浮動位置決め装置110の間にはもう1つの保持機構部120が位置している。
【0041】
図14は、図11に示す移載ハンド71におけるB−B線における断面図である。図15は、図14における部分Dである浮動位置決め装置110を拡大して示している。
図14と図15を参照しながら、4つの浮動位置決め装置110の構造について説明する。
この浮動位置決め装置110は、第1部材91に対して第2部材92を面方向に浮動可能に保持した状態でしかも第1部材91に対して第2部材92の位置の調整を自動的に行うためのものである。
この面方向とは、上述したようにX方向とY方向で形成される面であり、上下方向であるZ方向に対して垂直な面に相当する。
【0042】
図14と図15において、浮動位置決め装置110は、弾性変形部材としてのコイルバネ200と、中空形状を有するガイド部材201と、球体の支持部材203を有している。
弾性変形部材の一例であるコイルバネ200は、密着コイルバネとも呼んでおり、コイルバネの一端部205は、第1部材91側に固定されている。コイルバネ200の自由端206は、球体の支持部材203の軸部207に対して固定されている。
【0043】
中空形状のガイド部材201は、円筒形状のガイド部材である。このガイド部材201は、第2部材92の穴の中にはめ込まれることで固定されている。ガイド部材201の軸方向とコイルバネ200の軸方向は、Z方向に沿っている。ガイド部材201とコイルバネ200の各中心軸は、図15に示すように外部から第2部材92に対して外力が加わっていない状態では同じである。
球状の支持部材203は、球状体210と軸部207の一体構造のものである。球状体210は、ほぼ球状のものであるが、曲面の外周面211を有している。この曲面の外周面211は、ガイド部材201の内周面213に対して常に内接されるようになっている。
【0044】
図15に示す浮動位置決め装置110は、第1部材91に対して第2部材92を面方向に浮動可能にした状態でしかも第1部材91に対して第2部材92の位置の調整を自動的に行う。
つまり、球体の支持部材203は、弾性変形部材であるコイルバネ200の自由端206に固定されていて、ガイド部材201の内面に内接している。
【0045】
第2部材92が外力により第1部材91に対してガイド部材201の軸方向CLに直交する面方向について移動する際に、この球状の支持部材203は、コイルバネ200の弾性変形による面方向について第2部材92に移動の自由度を与える。
しかも、このガイド部材201は、第2部材92に外力が加わっていない解放状態では、コイルバネ200の自己復元力により、第1部材91に対して第2部材92の位置を自動的に位置決め調整させるようになっている。
このような浮動位置決め装置110は、第2部材92に外力が加わるとコイルバネ200の変形により、第1部材91に対する第2部材92の所謂首振り機能を与え、第2部材92に対してX方向とY方向からなる面方向の自由度を持たせる浮動機構(フローティング機構)の機能を発揮するのである。
【0046】
また第2部材92に対して外部から外力が加わっていない状態では、コイルバネ200の復元力により、第2部材92が第1部材91に対してセンタリングされる、所謂センタリング機能を発揮する。
図15のコイルバネ200の突き出し長さJを変更することにより、浮動位置決め装置110の位置の調整を行う時の付勢力を調整することが可能である。この付勢力は、フローティング反力(浮動反力)ともいえる。
【0047】
コイルバネ200の線径を変更することにより、バネの付勢力の変更も可能である。
図10と図11に示すように、2つ以上好ましくは4つの複数の浮動位置決め装置110が移載ハンド71に設けられることにより、第2部材92は第1部材91に対して回転方向のセンタリング機能を発揮することも可能である。
【0048】
次に、図16ないし図18に示す部品搬送方法の一例と浮動位置決め装置を有する部品搬送装置20の動作例について、図1に基づいて説明する。
図16のステップST1では、図1に示す供給ロボット250が、たとえば供給トレイ17の上に載っている電子部品21を、供給側のシャトルボード40に搬送する。この場合には、電子部品21は、供給トレイ17上のポジションP1からシャトルボード40上のポジションP2に移されることになる。
【0049】
図16に示すステップST2では、図1の供給シャトル50がスライド移動することにより、シャトルボード40をY方向にスライド移動する。これによって、シャトルボード40は実線で示すポジションP2から破線で示すポジションP3に移る。
図16に示すステップST3では、図1の部品搬送装置20が、ポジションP3に位置しているシャトルボード40から電子部品21を吸着して上昇して退避する。この部品搬送装置20は、移載ロボットとも呼んでいる。
具体的には、図7に示すように移載ロボット71がZ1方向に下がることにより、4つの吸着パッド130が対応する位置にあるシャトルボード40の部品収容部80内の電子部品21を真空吸着する。
【0050】
この際に、図7に示すガイドピン140がシャトルボード40の位置決め穴81に差し込まれるが、第2部材92は第1部材91に対してX方向とY方向からなる面方向に浮動できることから、第2部材92の各ガイドピン140の中心が位置決め穴81のややずれた位置にあっても、確実にはまり込んで位置決めできる。
この時には、図15に示すコイルバネ200の自由端206が球状の支持部材203の面方向の移動に追従して弾性変形することにより、第2部材92が第1部材91に対して面方向に移動できる。
【0051】
図9の電子部品21が移載ハンド71からシャトルボード40の部品収容部80内で吸着パッド130により吸着された後に、移載ハンド71がシャトルボード40から離れると、ガイドピン140と位置決め穴81との位置決め関係が解除される。その場合には、図15に示すように第2部材92に対してガイドピン140を介しては外力が加わらないことになる。これによって、コイルバネ200は自己の力で復元することから、再び図15に示すように第2部材92が第1部材91に対して当初の位置に自動的に位置調整される。
【0052】
この場合に、第1部材91と第2部材92を相互に支えている図14に示す保持機構部120は、図13に示すように第2部材92が第1部材91に対して面方向に移動したとしても、軸150の軸部材157がすき間158内を移動できるので、第2部材92が第1部材91に対して面方向に浮動することに特に支障はない。
そして、移載ハンド71はZ2方向に上昇してシャトルボード40から退避するのである。
【0053】
図16に示すステップST4とステップST5に示すように、図6の移載ハンド71の退避が完了し、図6に示す供給シャトル50のシャトルボード40のY2方向への戻りが完了すると、次にステップST6に移る。
ステップST6では、図6に示すように移載ハンド71の吸着パッド130がそれぞれ電子部品21を吸着している。そして移載ハンド71は一番上段の循環ボード30に対面している。
したがって、移載ハンド71がZ1方向に下降することにより、各吸着パッド130はそれぞれ循環ボード30の部品収容部90内に移動する。これによって、吸着パッド130の真空を破壊することにより、電子部品21は部品収容部90にそれぞれ移載して収容されることになる。
【0054】
この際に、図6に示すガイドピン140が循環ボード30の位置決め穴99に差し込まれるが、第2部材92は第1部材91に対してX方向とY方向からなる面方向に浮動できることから、第2部材92の各ガイドピン140の中心が位置決め穴99の中心に対してややずれた位置にあっても、確実にはまり込んで位置決めできる。
この時には、図15に示すコイルバネ200の自由端206が球状の支持部材203の面方向の移動に追従して弾性変形することにより、第2部材92が第1部材91に対して面方向に移動できる。
【0055】
図9の電子部品21が移載ハンド71から循環ボード30の部品収容部90内に収容された後に、移載ハンド71が循環ボード30から離れると、ガイドピン140と位置決め穴99との位置決め関係が解除される。その場合には、図15に示すように第2部材92に対してガイドピン140を介しては外力が加わらないことになる。これによって、コイルバネ200は自己の力で復元することから、再び図15に示すように第2部材92が第1部材91に対して当初の位置に自動的に位置調整される。
【0056】
この場合に、第1部材91と第2部材92を相互に支えている図14に示す保持機構部120は、図13に示すように第2部材92が第1部材91に対して面方向に移動したとしても、軸150の軸部材157がすき間158内を移動できるので、第2部材92が第1部材91に対して面方向に浮動することに特に支障はない。
なお、図13に示すように第1部材91の下面91Aと第2部材92の上面92Aの間の所定のすき間は、ブッシュ151の上端部151Aにより常に機械的に保持されている。
【0057】
次に、図17のステップST7に示すように、図1の電子部品21が搭載された後に、循環ボード30は、ポジションP4の位置から順送りZ1方向に送られて最も下のポジションP5に移動する。
図17のステップST8では、この図1の循環ボード30は、順送り方向X1に沿ってポジションP5からポジションP6に移る。そしてステップST9では、循環ボード30は、ポジションP6から一番上段のポジションP7に移る。
【0058】
図17のステップST10では、検査部14の測定ロボット(図示せず)が循環ボード30の電子部品21を吸着した後に、測定ロボットは退避する。
ステップST11に示すように測定ロボットの退避が完了し、ステップST12に示すように電子部品21について所定の電気的な測定が完了すると、ステップST13に移る。
【0059】
ステップST13では、測定ロボットに対する電子部品の入替動作を行う。
測定済みの電子部品21は、測定ロボットが回転する。
図18に示すステップST14では、回収シャトル51が回収側のシャトルボード51AをポジションP9からポジションP8へ移動する。これによって回収側のシャトルボード51Aは検査部14の中に入る。
ステップST15では、測定ロボットが測定完了した電子部品21を回収側のシャトルボード51Aに移載する。ステップST16では、測定ロボットによる電子部品の移載が完了して測定ロボットが退避する。
【0060】
図18に示すステップST17では、回収シャトル51が回収側のシャトルボード51AをポジションP8からポジションP9に戻す。その後、ステップST18に示すように回収シャトル51の図示していない回収ロボットが、電子部品の電気的な測定結果により、電子部品21をたとえば回収部16等の該当する回収トレイ22ないし27の1つ、あるいは別の回収トレイ28に分離して搬送することになる。
【0061】
以上説明したように、図9に示す浮動位置決め装置を有する部品搬送装置20は、浮動位置決め装置110を複数備えている。このため、第2部材92のガイドピン140が対応するシャトルボード40の位置決め穴81もしくは循環ボード30の位置決め穴99にはめ込んで位置決めされる時に、ガイドピン140と位置決め穴の多少のずれで第2部材92に外力が加わっても、第2部材92が第1部材91に対して浮動可能である。
このことから、ガイドピン140は、位置決め穴81もしくは位置決め穴99に対して多少位置ずれがあっても確実にはめ込むことができる。これによって、移載ハンド71とシャトルボード40あるいは移載ハンド71と循環ボード30の相互の位置決めを確実にかつスムーズに行うことができる。
【0062】
また、移載ハンド71がシャトルボード40の電子部品21を吸着パッド130により吸着する作業を終えた後には、移載ハンド71がシャトルボード40から離れるので、ガイドピン140は位置決め穴81から抜ける。
このことから、第2部材92にはシャトルボード40からの外力が加わらなくなるので、図15に示すコイルバネ200が自己復元力を発揮する。このために、球状の支持部材203は、コイルバネ200の自己復元力を用いて、第2部材92と第1部材91を、外力が加わらない自然状態で、すなわち図15に示すような状態に戻すように自動的に位置調整することができる。つまりコイルバネ200の中心軸CLとガイド部材201の中心軸および球状の支持部材203の中心軸が一致した状態になる。
【0063】
このことは、移載ハンド71が循環ボード30の部品収容部90に対して電子部品21を供給して移載ハンド71が循環ボード30から離れる場合についても同様である。つまり、ガイドピン140が位置決め穴99から離れると、第2部材92が循環ボード30からの外力がガイドピン140を介しては加わらなくなるので、図15に示す浮動位置決め装置110は、図15に示すような状態に第2部材92を第1部材91に対して自動的に位置調整することができる。
【0064】
このように、移載ハンド71のガイドピン140がシャトルボード40の位置決め穴81あるいは循環ボード30の位置決め穴99に対してはめ込まれる場合に、ガイドピン140と位置決め穴81が多少位置ずれしていたとしても、第2部材92は、第1部材91に対して浮動位置決め装置110の存在により浮動(フローティング)可能である。
【0065】
逆に、シャトルボード40から移載ハンド71が離れた状態もしくは循環ボード30から移載ハンド71が離れた状態では、位置決め穴81とガイドピン140あるいは位置決め穴99とガイドピン140の連結関係が離れる。このことから、第2部材92には外力が加わらなくなり、図15のコイルバネ200の自己復元力を利用して、球状の支持部材203は第2部材92と第1部材91を外力が加わらない自然状態に自動的に位置調整させることができるのである。
本発明の浮動位置決め装置110は、簡単な構造でありながら、第2部材92を第1部材91に対して浮動可能にし、しかも第2部材92に外力が加わらなかった場合には第1部材と第2部材を自動的に位置調整させることができるのである。
【0066】
図19は、本発明の浮動位置決め装置の別の実施形態を示している。
図19に示す浮動位置決め装置110は、図10に示す浮動位置決め装置とほとんど同様な構造である。図19の浮動位置決め装置110が図15の浮動位置決め装置110と異なるのは、コイルバネ200に代えて円筒状の弾性変形部材280を用いたことである。この弾性変形部材280は、たとえばゴムやエラストマーのような弾性変形可能な筒状の部材である。
【0067】
このような弾性変形部材280を用いる場合であっても、その突き出し長さを変更することにより、センタリング力(フローティング反力)を調整することができる。
なお、上述したコイルバネや円筒状の弾性変形部材の長さを大きくすることにより、センタリング能力が小さくなる。逆に弾性変形部材の長さを小さくすれば、センタリング能力を大きくすることができる。
【0068】
本発明の浮動位置決め装置は、図15に示すように中空形状のガイド部材201のほぼ中にコイルバネの少なくとも一部分と球状の支持部材203をほぼ同心円状に収容した構造であるので、浮動位置決め装置110は構造が簡単で安価でありしかも軽量化が図れる。このような小型で軽量な浮動位置決め装置110であっても、フローティング機能とセンタリング機能が発揮できる。
また、浮動位置決め装置110の数は図示例では4つ用いているが、これに限らず2つ、3つあるいは5つ以上であっても構わない。また保持機構部120は、図示例では2つ用いているが、1つもしくは3つ以上であっても構わない。
【0069】
ところで本発明の上記実施形態に限定されるものではない。
上述した実施形態では、本発明の浮動位置決め装置が部品搬送装置に装着された例を示している。
しかしこれに限らず、本発明の浮動位置決め装置は、第1部材に対して第2部材を浮動させて位置決めさせる必要のある構造であれば、他の分野あるいは他の領域の装置に搭載することも可能である。
上述したコイルバネとしては、圧縮コイルバネまたは密着コイルバネのいずれをも用いることができる。
【0070】
本発明の浮動位置決め装置は、部品の搬送や組み込み用の装置あるいはその他の種類の装置に適用することができる。
また部品の種類としてはIC部品のような電子部品に限らず、通常の電気能動部品や電気受動部品あるいはその他の種類の部品であっても勿論構わない。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の浮動位置決め装置を有する部品搬送装置の好ましい実施形態を含む部品検査装置の一例を示す斜視図。
【図2】 図1の部品検査装置に採用されている浮動位置決め装置を有する部品搬送装置などを示す斜視図。
【図3】 図2の浮動位置決め装置を有する部品搬送装置などを示す平面図。
【図4】 図3の装置の正面図。
【図5】 図3の装置の側面図。
【図6】 部品搬送装置の移載ハンドとシャトルボードおよび循環ボードの例を示す斜視図。
【図7】 移載ハンドとシャトルボードおよび循環ボードの例を示しており、移載ハンドの下にシャトルボードと循環ボードが位置している状態を示す斜視図。
【図8】 循環ボードに対して移載ハンドが電子部品を供給している様子を示している斜視図。
【図9】 移載ハンドとシャトルボードおよび循環ボードの構造例を示す斜視図。
【図10】 移載ハンドの第2部材側を上にして示す斜視図。
【図11】 図10の移載ハンドの平面図。
【図12】 図11のA−A線における断面図。
【図13】 図12の部分Cの拡大図。
【図14】 図11のB−B線における断面図。
【図15】 図14の部分Dの拡大図。
【図16】 部品搬送方法の一例を示しており、電子部品が供給部側から循環ボード側に移載されるまでを示す図。
【図17】 図16の続きの工程を示すフロー図。
【図18】 図17の続きの工程を示すフロー図。
【図19】 本発明の浮動位置決め装置の別の実施形態を示す図。
【符号の説明】
10・・・部品検査装置、12・・・供給部、20・・・浮動位置決め装置を有する部品搬送装置、30・・・循環ボード、40・・・供給側のシャトルボード、50・・・供給シャトル、71・・・移載ハンド、91・・・第1部材、92・・・第2部材、110・・・浮動位置決め装置、120・・・保持機構部、130・・・吸着パッド、200・・・コイルバネ(弾性変形部材の一例)、201・・・ガイド部材、203・・・球体の支持部材

Claims (12)

  1. 第1部材と、前記第1部材に対して移動可能に配置されて、部品を着脱自在に保持する部品保持部を有する第2部材とを有する部品搬送装置に設けられて、前記第1部材に対して前記第2部材が浮くようにして、該第2部材を面方向に移動可能に保持し、しかも前記第1部材に対して前記第2部材を位置決めするための浮動位置決め装置であり、
    前記第1部材に固定されている弾性変形可能な弾性変形部材と、
    前記第2部材に固定されている中空形状を有するガイド部材と、
    前記弾性変形部材の自由端に固定された状態で前記中空のガイド部材の内側に前記弾性変形部材の一部とともに挿通され、該ガイド部材の内面に内接している球体の支持部材と
    を有しており、
    該支持部材は、
    前記第2部材が前記部品を保持する際に、外力が作用することで、前記第2部材が前記第1部材に対して前記ガイド部材の軸方向に直交する前記面方向について移動しようとする際に、前記弾性変形部材弾性変形することで前記面方向について前記第2部材の移動を許し、
    前記第2部材が前記部品を保持した後で、該第2部材に前記外力が加わっていない状態では、前記弾性変形部材の復元力により、前記第1部材に対して前記第2部材が前記面方向への移動により位置ずれすることがない状態に位置決めする構成である
    ことを特徴とする浮動位置決め装置
  2. 前記ガイド部材は円筒状の部材であり、前記弾性変形部材はコイルバネであることを特徴とする請求項1に記載の浮動位置決め装置
  3. 前記ガイド部材は円筒状の部材であり、前記弾性変形部材は弾性材料で作られている筒状部材であることを特徴とする請求項1に記載の浮動位置決め装置
  4. 前記浮動位置決め装置は、前記第1部材と前記第2部材の間に複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の浮動位置決め装置
  5. 前記部品保持部は、前記部品を吸引することで着脱自在に保持する吸着パッドを備えることを特徴とする請求項4に記載の浮動位置決め装置
  6. 前記第2部材は、前記部品を搭載するための部品搭載部材に設けられた位置決め穴に対して位置合わせをするために挿入される複数のガイドピンを有することを特徴とする請求項5に記載の浮動位置決め装置
  7. 前記第1部材と前記第2部材の間には、保持機構部を有しており、
    前記保持機構部は、
    前記第1部材に設けられた軸と、
    前記第2部材に設けられた中空部を有する部材であり、前記軸が挿入された状態では前記軸と前記中空部を有する部材の内面の間には、前記第1部材に対して前記第2部材の前記面方向に浮動するためのすき間が設けられている前記中空部を有する部材と、
    前記軸が前記中空部を有する部材に対して前記軸の軸方向に移動するのを防止するための移動防止部材と、を有することを特徴とする請求項6に記載の浮動位置決め装置
  8. 第1部材と、前記第1部材に対して移動可能に配置されて部品を着脱自在に保持する部品保持部を有する第2部材とを有する部品搬送装置であり、
    前記第1部材に対して前記第2部材が浮くようにして、該第2部材を面方向に移動可能に保持し、しかも前記第1部材に対して前記第2部材を位置決めするための浮動位置決め装置を有しており、
    前記浮動位置決め装置は、
    前記第1部材に固定されている弾性変形可能な弾性変形部材と、
    前記第2部材に固定されている中空形状を有するガイド部材と、
    前記弾性変形部材の自由端に固定されて前記ガイド部材の内面に内接している球体の支持部材を有しており、
    該支持部材は、
    前記第2部材が前記部品を保持する際に、外力が作用することで、前記第2部材が前記第1部材に対して前記ガイド部材の軸方向に直交する前記面方向について移動しようとする際に、前記弾性変形部材弾性変形することで前記面方向について前記第2部材の移動を許し、
    前記第2部材が前記部品を保持した後で、該第2部材に前記外力が加わっていない状態では、前記弾性変形部材の復元力により、前記第1部材に対して前記第2部材が前記面方向への移動により位置ずれすることがない状態に位置決めする構成である
    ことを特徴とする部品搬送装置。
  9. 前記ガイド部材は円筒状の部材であり、前記弾性変形部材はコイルバネであることを特徴とする請求項8に記載の部品搬送装置。
  10. 前記ガイド部材は円筒状の部材であり、前記弾性変形部材は弾性材料で作られている筒状部材であることを特徴とする請求項8に記載の部品搬送装置。
  11. 前記浮動位置決め装置は、前記第1部材と前記第2部材の間に複数設けられていることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の部品搬送装置。
  12. 第1部材と、前記第1部材に対して移動可能に配置されて部品を着脱自在に保持する部品保持部を有する第2部材とを有する部品搬送装置を備えた部品検査装置であり、
    前記第1部材に対して前記第2部材が浮くようにして、該第2部材を面方向に移動可能に保持し、しかも前記第1部材に対して前記第2部材を位置決めするための浮動位置決め装置を有しており、
    前記浮動位置決め装置は、
    前記第1部材に固定されている弾性変形可能な弾性変形部材と、
    前記第2部材に固定されている中空形状を有するガイド部材と、
    前記弾性変形部材の自由端に固定されて前記ガイド部材の内面に内接している球体の支持部材と
    を備え、
    前記支持部材は、
    前記第2部材が前記部品を保持する際に、外力が作用することで、前記第2部材が前記第1部材に対して前記ガイド部材の軸方向に直交する前記面方向について移動しようとする際に、前記弾性変形部材弾性変形することで前記面方向について前記第2部材の移動を許し、
    前記第2部材が前記部品を保持した後で、該第2部材に前記外力が加わっていない状態では、前記弾性変形部材の復元力により、前記第1部材に対して前記第2部材が前記面方向への移動により位置ずれすることがない状態に位置決めする構成である
    ことを特徴とする部品検査装置。
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