JP4074819B2 - エンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンとして、本発明と同様、クランクギヤをフライホイルと隣り合う位置に配置したものがある。
しかし、従来、この種のエンジンでは、クランクギヤとクランク軸とを一体成形品で構成している場合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、次の問題がある。
《問題1》 クランクギヤとクランク軸にそれぞれ最適材を用いることができない。
クランクギヤの素材は、一般に強度上の要請から鋼が最適とされ、クランク軸の素材は、コスト上の要請から鋳鉄が最適とされている。このように、クランクギヤとクランク軸とでは、最適材が相違するものとされているため、これらを一体成形品で構成した場合には、クランクギヤとクランク軸にそれぞれ最適材を用いることができない。
【0004】
上記《問題1》を解決するため、クランクギヤをクランク軸とは別部品で構成し、クランク軸にクランクギヤを焼き嵌めすることが考えられる。
しかし、この場合には、次の新たな問題が生じる。
《問題2》 クランク軸とクランクギヤの製作が困難になる。
クランク軸にクランクギヤを焼き嵌めする場合、クランク軸の外径とクランクギヤの内径とを高い寸法精度で製作する必要があり、クランク軸とクランクギヤの製作が困難になる。
【0005】
上記《問題1》と《問題2》を解決するため、次のようにすることが考えられる。
図4に示すように、クランク軸(101)にクランクギヤ(103)を隙間嵌めし、クランク軸軸線(105)を中心とする仮想円(107)上に複数の取付ボルト(108)を配置し、これら取付ボルト(108)をフライホイル(102)に貫通させて、クランク軸 (101)内のメネジ部(109)にネジ嵌合させ、その締結力でクランク軸 (101)にクランクギヤ(103)とフライホイル(102)とを共締めするに当たり、
クランクギヤ嵌合軸部(106)に取付ボルト(108)を挿入し、フライホイル(102)とフライホイル(102)側の端部ジャーナル(104)との間にクランクギヤ(103)を挟み付ける。
【0006】
しかし、この場合には、次の新たな問題が生じる。
《問題3》 ギヤトレインが大型になる。
クランク軸(101)からクランクギヤ(103)への伝達トルクを確保する必要上、仮想円(107)の半径(r)を所定長さ以上にする必要がある。このため、クランクギヤ嵌合軸部(106)に取付ボルト(108)を挿入すると、クランクギヤ嵌合軸部(106)の外径が大きくなり、これにつれてクランクギヤ(103)の径も大きくなる。このため、図5に示すように、ギヤトレイン(114)が大型になる。
【0007】
本発明の課題は、上記問題点を解決できる、エンジンの伝動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の内容は、次の通りである。
図4に示すように、クランクギヤ(3)をフライホイル(2)と隣り合う位置に配置した、エンジンであって、
クランクギヤ(3)をクランク軸(1)とは別部品で構成し、クランク軸(1)のクランクギヤ嵌合軸部(6)に、クランクギヤ(3)を隙間嵌めし、
クランク軸軸線(5)を中心とする仮想円(7)上に複数の取付ボルト(8)を配置し、これら取付ボルト(8)をフライホイル(2)に貫通させて、クランク軸(1)内のメネジ部(9)にネジ嵌合させ、その締結力でクランク軸(1)にクランクギヤ(3)とフライホイル(2)とを共締めするに当たり、
クランクギヤ(3)に取付ボルト(8)を貫通させ、フライホイル(2)とフライホイル(2)側の端部ジャーナル(4)との間にクランクギヤ(3)を挟み付け、
巻き掛け伝動装置(42)を設けるに当たり、
図5に示すように、シリンダブロック(11)の前後端部に、巻き掛け伝動装置(42)とギヤトレイン(14)(114)とを振り分けて配置し、
図9に示すように、シリンダヘッド ( 16 ) 側を上、クランク室 ( 75 ) の張り出し側を横と見て、二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) をシリンダ ( 43 ) の横側方に配置し、
二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) と動弁カム軸 ( 72 ) との間にクランク軸 ( 1 ) の架設方向に沿う脇水路 ( 77 ) を設け、ラジエータからの冷却水を脇水路 ( 77 ) を介して多気筒シリンダブロックのシリンダジャケット ( 78 ) に導入するに当たり、
二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) と脇水路 ( 77 ) と動弁カム軸 ( 72 ) とをシリンダジャケット ( 78 ) とシリンダ ( 43 ) の壁とに沿って上下に並べ、
二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) は脇水路 ( 77 ) の上に配置し、動弁カム軸 ( 72 ) は脇水路 ( 77 ) の下に配置し、
上記二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) とは反対の横側部に他の二次回転バランサ軸収容部 ( 35c ) を配置し、この他の二次回転バランサ軸収容部 ( 35c ) は動弁カム軸 ( 72 ) の中心軸線 ( 72c ) よりも低い位置に配置した、エンジン。
【0009】
【発明の作用及び効果】
(請求項1の発明)
請求項1の発明は、次の効果を奏する。
《効果1》 クランクギヤとクランク軸にそれぞれ最適材を用いることができる。
図4に示すように、本発明では、クランクギヤ(3)をクランク軸(1)とは別部品で構成するため、クランクギヤ(3)とクランク軸(1)にそれぞれ最適材を用いることができる。
【0010】
《効果2》 クランク軸とクランクギヤの製作が容易になる。
図4に示すように、本発明では、クランク軸(1)にクランクギヤ(3)を隙間嵌めするため、焼き嵌めのように、クランク軸(1)の外径とクランクギヤ(3)の内径とを高い寸法精度で製作する必要がなく、クランク軸(1)とクランクギヤ(3)の製作が容易になる。
【0011】
《効果3》 クランクギヤ(3)とフライホイル(2)とを共締めする場合でも、ギヤトレインを小型にすることができる。
図4に示すように、クランク軸(1)からクランクギヤ(3)への伝達トルクを確保する必要上、仮想円(7)の半径(r)を所定長さ以上にする必要がある。本発明では、クランクギヤ(3)に取付ボルト(8)を貫通させたため、クランクギヤ嵌合軸部(6)に取付ボルト(8)を挿入する場合に比べ、クランクギヤ嵌合軸部(6)の外径が小さくて済み、クランクギヤ(3)の径も小さくて済む。このため、クランクギヤ(3)とフライホイル(2)とを共締めする場合でも、ギヤトレイン(14)(114)を小型にすることができる。
【0012】
《効果4》 エンジンの横幅を小さくすることができる。
図5に示すように、本発明では、巻き掛け伝動装置(42)とギヤトレイン(14)(114)とを前後に大きく離すため、図7と図8に示すように、巻き掛け伝動装置(42)のテンショナ(47)とギヤトレイン(14)(114)とが横に並ぶことがなく、エンジンの横幅を小さくすることできる。
《効果4の2》 バランサ軸の配置に起因するエンジンの大型化を抑制することができる。
図9に示すように、本発明では、二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) をデッドスペースとなるシリンダ ( 43 ) の横側方に配置するため、二次回転バランサ軸 ( 37 ) の配置スペースを確保するためにクランク室 ( 75 ) を横側方や下方に拡張する必要がなく、二次回転バランサ軸 ( 37 ) の配置に起因するエンジンの大型化を抑制することができる。
《効果4の3》 エンジンを小型化することができる。
図9に示すように、本発明では、二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) と脇水路 ( 77 ) と動弁カム軸 ( 72 ) とを上下にコンパクトに配列するため、エンジンを小型化することができる。
【0013】
(請求項2の発明)
《効果5》 エンジンの横幅を小さくすることができる。
図5に示すように、本発明では、テンショナ(47)とポンプ(39)(139)とを前後に大きく離すため、図7と図8に示すように、これら部品が横に並ぶことがなく、エンジンの横幅を小さくすることができる。
【0014】
《効果6》 搭載機種の制約を少なくすることができる。
図5に示すように、本発明では、メンテナンス頻度が高いテンショナ(47)とポンプ(39)(139)とを、シリンダブロック(11)の横一側方に集めて配置するため、片側からしかメンテナンスが行えない機械であっても、搭載を可能とし、搭載機種の制約を少なくすることができる。
【0015】
《効果7》 メンテナンスの作業能率を高くすることができる。
本発明では、上記のように、メンテナンス頻度が高いテンショナ(47)とポンプ(39)(139)とを、シリンダブロック(11)の横一側方に集めて配置するため、メンテナンスの作業能率を高くすることができる。
【0016】
(請求項3の発明)
《効果8》 部品の横の張り出しを小さくすることができる。
図5に示すように、横幅が比較的大きい発電機(48)とポンプ(39)(139)とを、クランク室(75)の横張り出しがないシリンダブロック(11)の上寄り部分(46a)の横一側方に配置するため、図7と図8に示すように、部品の横の張り出しを小さくすることができる。
【0017】
(請求項4の発明)
《効果9》 エンジンの全長を短くすることができる。
図4(A)に示すように、本発明では、端部ジャーナル(10)内にメネジ部(9)を形成するため、端部ジャーナル(4)とクランクギヤ嵌合軸部(6)との間に、メネジ形成用軸部を設ける必要がなく、エンジンの全長を短くすることができる。
【0018】
《効果10》 クランク軸の耐用寿命を確保することができる。
図4(A)に示すように、本発明では、ギヤトレイン(14)(114)等の反力によって大きな応力が発生する端部ジャーナル(4)の外径を、クランク軸(1)の他のジャーナル(10)の外径よりも大きくするため、クランク軸(1)の耐用寿命を確保することができる。
【0019】
(請求項5の発明)
《効果11》 バランサ軸の配置に起因するエンジンの大型化を抑制することができる。
図9に示すように、本発明では、バランサ軸(37)をデッドスペースとなるシリンダ(43)の横側方に配置するため、バランサ軸(37)の配置スペースを確保するためにクランク室(75)を横側方や下方に拡張する必要がなく、バランサ軸(37)の配置に起因するエンジンの大型化を抑制することができる。
【0020】
【0021】
(請求項7の発明)
《効果13》 全シリンダの壁の暖機や冷却を均一化することができる。
図10に示すように、本発明では、複数の出口(77a)を脇水路(77)の長手方向に分散して配置するため、全シリンダ(43)(43)の壁に向けて冷却水を均等に分配することができ、全シリンダ(43)(43)の壁の暖機や冷却を均一化することができる。
【0022】
(請求項8の発明)
《効果14》 エンジンを小型化することができる。
図10に示すように、本発明では、デッドスペースとなる肉壁内を有効利用してタペットガイド孔(79)を設けるため、エンジンを小型化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図10は本発明の実施形態を説明する図で、この実施形態では縦型多気筒のディーゼルエンジン及びその製造方法について説明する。
【0024】
この実施形態の概要は、次の通りである。
図1(A)は本発明の実施形態に係る噴射ポンプ仕様のエンジンのギヤトレインの説明図、図1(B)は本発明の実施形態に係るコモンレール仕様のエンジンのギヤトレインの説明図である。この実施形態は、共通部品から造り分けられるギヤトレインを備えた各仕様のエンジン及びその造り分けによるエンジンの製造方法に関するものである。
【0025】
各仕様のエンジンの概要は、次の通りである。
図1(A)(B)に示すように、各仕様のエンジンは、燃料を圧送するための各ポンプ(39)(139)を、クランク軸(1)の動力で連動するエンジンであって、各ギヤトレイン(14)(114)を介してクランク軸(1)の動力を各ポンプ(39)(139)に伝動するようになっている。
【0026】
各仕様のエンジンの相違点と共通点は、次の通りである。
図1(A)に示す噴射ポンプ仕様のエンジンは、燃料噴射ポンプ(39)から燃料噴射ノズルまでの噴射系を備えるのに対し、図1(B)に示すコモンレール仕様のエンジンは、燃料供給ポンプ(139)から燃料噴射ノズルまでの噴射系を備える。各仕様のエンジンでは、この噴射系の構成が相違する。また、各仕様のエンジンでは、各ギヤトレイン(14)(114)の構成が一部相違する。他は構成は全て共通である。
【0027】
各仕様のエンジンのギヤトレイン(14)(114)の共通点は、次の通りである。
図1(A)(B)に示すように、一のギヤ取付軸(32)に一対のギヤ(32a)(32b)を取り付けられるようにしている。この一対のギヤ(32a)(32b)の一方(32a)を基本ギヤ、他方(32b)を第二ギヤとし、基本ギヤ(32a)をギヤ取付軸(32)に取り付け、基本ギヤ(32a)とクランクギヤ(3)とで基本ギヤトレイン(14a)を構成している。このクランクギヤ(3)と基本ギヤ(32a)とが、各ギヤトレイン(14)(114)の共通部品となる。
【0028】
なお、各仕様のエンジンのギヤトレイン(14)(114)ではいずれも第二ギヤ(32b)を用いているが、図1(B)のコモンレール仕様のエンジンでは、この第二ギヤ(32b)は、ギヤトレイン(114)の構成部品として用いているわけではない。この第二ギヤ(32b)は一次回転バランサ軸(38)を連動するためにのみ用いている。このため、コモンレール仕様のエンジンでは、一次バランサ軸(38)を用いない場合には、第二ギヤ(32b)は用いる必要はなく、この第二ギヤ(32a)は各ギヤトレイン(14)(114)の共通部品ではない。
【0029】
噴射ポンプ仕様のエンジンのギヤトレイン(14)に固有な点は、次の通りである。
図1(A)に示すように、第二ギヤ(32b)と噴射ポンプ仕様のアイドルギヤ(29)と噴射ポンプ入力ギヤ(34a)とを順に噛み合わせて第二ギヤトレイン(14b)を構成し、基本ギヤトレイン(14a)と第二ギヤトレイン(14b)とで二層構造のギヤトレイン(14)を構成し、このギヤトレイン(14)を介してクランク軸(1)の動力を燃料噴射ポンプ(39)に伝動するようにしている。第二ギヤトレイン(14b)を構成する第二ギヤ(32b)と噴射ポンプ入力ギヤ(34a)とは、基本ギヤトレイン(14a)を構成する基本ギヤ(32a)よりも小径としている。第二ギヤトレイン(14b)のギヤモジュールは、基本ギヤトレイン(14a)のギヤモジュールよりも小さくしている。
【0030】
コモンレール仕様のエンジンのギヤトレイン(114)に固有な点は、次の通りである。
図1(B)に示すように、コモンレール仕様のアイドルギヤ(129)と供給ポンプ入力ギヤ(134a)とを噛み合わせて延長ギヤトレイン(14c)を構成し、基本ギヤ(32a)にアイドルギヤ(129)を噛み合わせて、基本ギヤトレイン(14a)と延長ギヤトレイン(14c)とで一層構造のギヤトレイン(114)を構成し、このギヤトレイン(114)を介してクランク軸(1)の動力を燃料供給ポンプ(139)に伝動するようにしている。
【0031】
各仕様のエンジンのギヤトレイン(14)(114)への周辺ギヤの噛み合わせは、次の通りである。
共通点は、図1(A)(B)に示すように、基本ギヤ(32a)に出力取出ギヤ(27a)と第一の二次バランサギヤ(37a)とをそれぞれ噛み合わせ、また、第二ギヤ(32b)に一次バランサギヤ(38a)を噛み合わせている点である。相違点は、図1(A)に示すように、噴射ポンプ仕様のギヤトレイン(14)の場合、そのアイドルギヤ(29)にギヤモジュールの小さい第二の二次バランサギヤ(35a)を噛み合わせているのに対し、図1(B)に示すコモンレール仕様のギヤトレイン(114)の場合、そのアイドルギヤ(129)にギヤモジュールの大きい第二の二次バランサギヤ(135a)を噛み合わせている点にある。
【0032】
各仕様のエンジンのギヤの支持構造は、次の通りである。
図1(A)(B)に示すように、いずれの仕様のギヤトレイン(14)(114)の場合も、クランクギヤ(3)はクランク軸(1)に取り付け、基本ギヤ(32a)と第二ギヤ(32b)とはギヤ取付軸(32)である動弁カム軸(72)に取り付け、各アイドルギヤ(29)(129)はシリンダブロックの背面に固定したアイドルギヤ軸に取り付け、各ポンプ入力ギヤ(34a)(134a)は各ポンプ入力軸(34)(134)に取り付けている。但し、各アイドルギヤ(29)(129)のアイドルギヤ軸の配置は相違している。図3に示すように、基本ギヤ(32a)はその中心軸の軸長方向に延びるボス(33)を備え、このボス(33)に第二ギヤ(32b)を圧入によって取り付けられるようになっている。第二ギヤ(32b)は、基本ギヤ(33a)のボス(33)に圧入して、基本ギヤ(33a)とともに動弁カム軸(72)に取り付けられる。
また、図1(A)(B)に示すように、いずれの仕様のギヤトレイン(14)(114)の周辺ギヤの場合も、第一の二次バランサギヤ(37a)は第一の二次回転バランサ軸(37)に取り付け、各第二の二次バランサギヤ(35a)(135a)は第二の二次回転バランサ軸(35)に取り付け、一次バランサギヤ(38a)は一次バランサ軸(38)に取り付け、出力取出ギヤ(27a)は作業装置(36)への出力取出軸(27)に取り付けている。
この作業装置(36)は、作業用油圧ポンプで、出力取出軸(27)は全負荷取出しのサイドPTO軸であり、エンジンからの外部出力の略全量がここから出力される。なお、図3に示すように、クランク軸(1)から作業装置(36)に至るギヤトレインの各ギヤは、大きな力を受けるため、これらを支持するクランク軸(1)と動弁カム軸(32)と出力取出軸(27)とは、いずれも複数個所で軸受けし、各ギヤが傾きにくいようにしている。
【0033】
エンジン左側面での主要な部品配置の共通点は、次の通りである。
図5に示すように、巻き掛け伝動装置(42)のテンショナ(47)と燃料噴射ポンプ(39)(コモンレール仕様の場合は、「燃料供給ポンプ(139)」である。以下、同じ。)とを、シリンダブロック(11)の左方で前後に振り分けて配置している。テンショナ(47)が前で、燃料噴射ポンプ(39)が後である。巻き掛け伝動装置(42)にはベルト伝動装置を、テンショナ(47)には発電機(48)をそれぞれ用いている。発電機(48)と燃料噴射ポンプ(39)とは、シリンダブロック(11)の上寄り部分(46a)の左方で略同じ高さに位置させている。シリンダブロック(11)の上下方向中央部分(46b)の左方で、オイルクーラ(49)とスタータモータ(45)とを前後に振り分けて配置している。オイルクーラ(49)が前でスタータモータ(45)が後である。オイルクーラ(49)とスタータモータ(45)とは略同じ高さに位置させている。シリンダブロック(11)の左方から見て、オイルクーラ(49)の後部に取り付けたオイルフィルタ(52)とスタータモータ(45)との間に、オイルレベルゲージ(56)のハンドルを配置している。
【0034】
エンジン左側面での他の部品配置の共通点は、次の通りである。
図5に示すように、燃料噴射ポンプ(39)の前端部にガバナ(59)を組み付けている。シリンダヘッド(16)の左方で発電機(48)の上方に燃料フィルタ(60)を配置している。ガバナ(59)の下方から、シリンダブロック(11)とオイルフィルタ(52)との間の空間にかけて、オイルクーラ(49)の冷却水配管(61)を配置している。シリンダヘッド(16)の左方で、燃料フィルタ(60)の前方で、かつ発電機(48)の上方に排気還流量を制御するEGRソレノイド弁(62)を配置している。エンジン左方から見て、燃料噴射ポンプ(39)とスタータモータ(45)との間に、油圧低下を検出するオイルスイッチ(63)を配置し、シリンダヘッド(16)に取り付けた水温センサ(64)を燃料噴射ポンプ(39)の後方で露出させている。スタータモータ(45)の後方で、フライホイル収容ケース(19)にタイミング確認窓(65)を設けている。このタイミング確認窓(65)でギヤトレイン(14)のギヤの合いマークを確認する。エンジンの左方から見て、燃料噴射ポンプ(39)の下方で、スタータモータ(45)のオイルレベルゲージ(56)寄りの端部の上方に、給油口(67)を配置している。なお、燃料噴射ポンプ(39)が左方に位置するため、燃料配管も当然に左方に配置される。リザーブタンクやエアクリーナやオイルドレイン孔を設ける場合には、メンテナンス側である左方に配置する。
【0035】
エンジンの右側面での部品配置の共通点は、次の通りである。
図6に示すように、シリンダブロック(11)の上寄り部分(46a)の右方で、一対の作業装置(50)(36)を前後に振り分けて配置している。前の作業装置(50)は作業用エアコンプレッサであり、後の作業装置(36)は前述の作業用油圧ポンプである。これらは略同じ高さに配置されている。
【0036】
エンジンの正面での部品配置の共通点は、次の通りである。
図7に示すように、冷却ファンプーリ(41a)の左方にベルトテンショナ(47)のテンションプーリ(47a)を、右方に作業装置(50)の従動プーリ(50a)を振り分けて配置し、冷却ファンプーリ(41a)の下方にクランク軸(1)に取り付けた駆動プーリ(1a)を配置している。駆動プーリ(1a)とテンションプーリ(47a)と従動プーリ(50a)とにファンベルト(41b)をその内周面が接するように巻き掛け、冷却ファンプーリ(41a)には上記ファンベルト(41b)をその外周面が接するように巻き掛けている。従動プーリ(50a)と駆動プーリ(1a)との間に水ポンプ(54)の冷却水導入パイプ(54a)を配置している。従動プーリ(50a)と駆動プーリ(1a)との間で、ファンベルト(41b)の一部を冷却ファンプーリ(41a)に向けて折り返し、この折り返し部分(41c)を冷却ファンプーリ(41a)に巻き掛けている。冷却ファンプーリ(41a)の上方には、遊転プーリ(68)を配置し、テンションプーリ(47a)と従動プーリ(50a)との間で、ファンベルト(41b)の一部を持ち上げ、その内周面が遊転プーリ(68)に接するように巻き掛け、この部分が冷却ファンプーリ(41a)に接しないようにしている。ファンベルト(41b)には、内周面に長手方向に沿う山型突条を複数本備えたポリVベルトを用いている。
【0037】
クランク軸(1)の軸受け構造の共通点は、次の通りである。
図4(A)に示すように、シリンダブロック(11)に中間軸受け孔(21)と端部軸受け孔(22)とを設けている。中間軸受け孔(21)には中間軸受けメタル(23)を内嵌し、これでクランク軸(1)の中間ジャーナル(10)をラジアル軸受けする。端部軸受け孔(22)には端部軸受けメタル(24)を内嵌し、これでクランク軸(1)の端部ジャーナル(4)をラジアル軸受けするとともに、クランク軸(1)をスラスト軸受けする。端部ジャーナル(4)は中間ジャーナル(10)よりも径大にしている。
【0038】
端部軸受けメタルの取付構造の共通点は、次の通りである。
図4(A)(C)に示すように、この端部軸受けメタル(24)は、ラジアル軸受けを受け持つ円筒形のラジアル軸受けメタル(25)と、スラスト軸受けを受け持つ一対のスラスト軸受けメタル(12)とからなる。図4(A)に示すように、一対のスラスト軸受けメタル(12)は、円筒形のラジアル軸受けメタル(25)の両端にフランジ状に設けられている。このため、端部軸受けメタル(24)は断面コの字型の円環構造になっている。図4(A)に示すように、前側のスラスト軸受けメタル(12)は端部軸受け孔(22)の前側の開口周縁部に沿って配置され、クランク軸(1)のクランクアーム(26)を受け止めている。後側のスラスト軸受けメタル(12)は端部軸受け孔(22)の後側の開口周縁部に沿って配置されている。端部ジャーナル(4)と後述するクランクギヤ嵌合軸部(6)との間にスラストフランジ部(13)を設け、このスラストフランジ部(13)を後側のスラスト軸受けメタル(12)で受け止めている。図4(A)に示すように、シリンダブロック(11)とスラスト軸受けメタル(12)とを、いずれもクランク軸軸線(5)に沿う境界面で分割される上下分割構造としている。このため、図4(C)に示すように、端部軸受けメタル(24)は、半円環構造の一対の分割メタル部品に分割され、半割状の端部軸受け孔(22)に嵌め込まれる。端部軸受けメタル(24)を取り付けるには、各分割メタル部品(12a)(12b)を各分割ブロック部品(11a)(11b)にそれぞれグリス等で仮止めし、一方の分割ブロック部品(11a)上にクランク軸(1)を架設し、その上方から他方の分割ブロック部品(11b)を載せる。これにより、シリンダブロック(11)の組み立てに際し、端部軸受けメタル(24)が取り付けられる。
【0039】
クランクギヤ(3)の取付構造の共通点は、次の通りである。
図4(A)に示すように、クランク軸(1)のフライホイル(2)側の端部ジャーナル(4)から、クランク軸線(5)方向にクランクギヤ嵌合軸部(6)を突出させ、このギヤ嵌合軸部(6)にクランクギヤ(3)を隙間嵌めで外嵌する。図4(B)に示すように、クランク軸線(5)と平行な向きに見て、クランク軸線(5)から所定半径(r)の仮想円(7)上に7本の取付ボルト(8)を等間隔で配置する。図4(A)に示すように、これら取付ボルト(8)をフライホイル(2)とクランクギヤ(3)とに貫通させて、端部ジャーナル(4)内のメネジ部(9)にネジ嵌合させ、これら取付ボルト(8)の締結力で、フライホイル(2)と上記端部ジャーナル(4)との間に、クランクギヤ(3)を挟み付けて固定する。クランク軸(1)の素材には鋳鉄を用い、クランクギヤ(3)の素材には鋼を用いている。
【0040】
エンジン内部構造の共通点は、次の通りである。
図9に示すように、シリンダヘッド(16)側を上、クランク室(75)の張り出し側を横と見て、第一の二次回転バランサ軸 ( 37 ) の二次回転バランサ軸収容部 ( 37c )と動弁カム軸(72)とをシリンダ(43)の横一側方に配置し、シリンダ(43)の横一側領域を上下三等分した上中下の部分領域を想定し、上部分領域に一方の二次回転バランサ軸(37)の中心軸線(37b)を位置させ、下部分領域に動弁カム軸(72)の中心軸線(72b)を位置させている。第二の二次回転バランサ軸(35)はシリンダ(43)の横他側方の斜め下に位置させている。一次回転バランサ軸(38)は動弁カム軸(72)の横一側方の斜め下に位置させている。
【0041】
軸配置の共通点は、次の通りである。
図9に示すように、シリンダ(43)と上部分領域の二次回転バランサ軸(37)との間に動弁装置のプッシュロッド(76)を挿通させている。上記二次回転バランサ軸 ( 37 ) の二次回転バランサ軸収容部 ( 37c )と動弁カム軸(72)との間にクランク軸(1)の架設方向に沿う脇水路(77)を設け、ラジエータからの冷却水を脇水路(77)を介して多気筒シリンダブロック(11)のシリンダジャケット(78)に導入するに当たり、上記二次回転バランサ軸 ( 37 ) の二次回転バランサ軸収容部 ( 37c )と脇水路(77)と動弁カム軸(72)とをシリンダジャケット(78)とシリンダ(43)の壁とに沿って上下に並べている。図9に示すように、二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) は脇水路 ( 77 ) の上に配置し、動弁カム軸 ( 72 ) は脇水路 ( 77 ) の下に配置し、上記二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) とは反対の横側部に他の二次回転バランサ軸収容部 ( 35c ) を配置し、この他の二次回転バランサ軸収容部 ( 35c ) は動弁カム軸 ( 72 ) の中心軸線 ( 72b ) よりも低い位置に配置している。両横側の二次回転バランサ軸収容部 ( 37c )( 35c ) にそれぞれ二次回転バランサ軸 ( 37 )( 35 ) を収容している。
【0042】
脇水路とその周囲部分の共通点は、次の通りである。
図9に示すように、動弁カム軸(72)をシリンダジャケット(78)の下方に配置し、脇水路(77)の出口(77a)をシリンダジャケット(78)の下部に臨ませている。図10に示すように、複数のシリンダ(43)の脇を通過する脇水路(77)にシリンダジャケット(78)への複数の出口(77a)を設け、これら複数の出口(77a)を脇水路(77)の両端部と中間部とに配置している。各出口(77a)は各シリンダ(43)の横一側頂部に臨ませている。脇水路(77)の隣り合う出口(77a)(77a)間の肉壁内に動弁装置のタペットガイド孔(79)を設けている。図9に示すように、動弁カム室(80)をその下方のクランク室(75)と連通させ、クランク室(75)から動弁カム室(80)を介してタペットガイド孔(79)にきのこ形タペット(82)を挿入できるようにし、ここにきのこ形タペット(82)を挿入している。
【0043】
各仕様のエンジンの製造方法の概要は、次の通りである。
図1(A)に示す噴射ポンプ仕様のエンジンと図1(B)に示すコモンレール仕様のエンジンとを製造するに当たり、共通部品を用いて各仕様のエンジンを造り分ける。
【0044】
各仕様のエンジンの非共通部品は、次の通りである。
図1(A)に示す噴射ポンプ仕様のエンジンの燃料供給ポンプ(39)から燃料噴射ノズルまでの噴射系と、噴射ポンプ入力軸(34)と、噴射ポンプ入力ギヤ(34a)と噴射ポンプ仕様のアイドルギヤ(29)と、噴射ポンプ仕様の第二の二次バランサギヤ(35a)、並びに、図1(B)に示すコモンレール仕様のエンジンの燃料供給ポンプ(139)から燃料噴射ノズルまでの噴射系と、供給ポンプ入力軸(134)と供給ポンプ入力ギヤ(134a)とコモンレール仕様のアイドルギヤ(129)と、コモンレール仕様の第二の二次バランサギヤ(135a)は、いずれも非共通部品である。
【0045】
各仕様のエンジンの共通部品は、次の通りである。
上記の非共通部品以外の部品は、全て共通部品であり、ギヤトレイン(14)(114)についていえば、クランクギヤ(3)と基本ギヤ(32a)が共通部品となる。
【0046】
各仕様のエンジンの製造方法は、次の通りである。
噴射ポンプ仕様のエンジンとコモンレール仕様のエンジンとを製造するに当たり、各ギヤトレイン(14)(114)に共通部品を用い、この共通部品を用いて各仕様のエンジンを造り分けるエンジンの製造方法である。
【0047】
図1(A)(B)に示すように、各仕様のエンジンのギヤ取付軸(32)にそれぞれ一対のギヤ(32a)(32b)を取り付けられるようにし、一対のギヤ(32a)(32b)の一方(32a)を基本ギヤ、他方(32b)を第二ギヤとし、各ギヤトレイン(14)(114)の共通部品として基本ギヤ(32a)とクランクギヤ(3)とを用い、いずれの仕様のエンジンを製造する場合にも、共通部品となる基本ギヤ(32a)とクランクギヤ(3)とをギヤ取付軸(32)とクランク軸(1)とにそれぞれ取り付け、この基本ギヤ(32a)とクランクギヤ(3)とで基本ギヤトレイン(14a)を構成する。
【0048】
図1(A)に示すように、噴射ポンプ仕様のエンジンを製造する場合には、基本ギヤ(32a)とともに第二ギヤ(32b)もギヤ取付軸(32)に取り付け、この第二ギヤ(32b)と噴射ポンプ入力ギヤ(34a)とアイドルギヤ(29)とで第二ギヤトレイン(14b)を構成し、この第二ギヤトレイン(14b)と基本ギヤトレイン(14a)とで二層構造のギヤトレイン(14)を構成し、このギヤトレイン(14)を介してクランク軸(1)の動力を燃料噴射ポンプ(39)に伝動できるようにする。
【0049】
図1(B)に示すように、コモンレール仕様のエンジンを製造する場合には、アイドルギヤ(129)と供給ポンプ入力ギヤ(134)とで延長ギヤトレイン(14c)を構成し、基本ギヤ(32a)にアイドルギヤ(129)を噛み合わせ、この延長ギヤトレイン(14c)と基本ギヤトレイン(14a)とで一層構造のギヤトレイン(114)を構成し、このギヤトレイン(114)を介してクランク軸(1)の動力を燃料供給ポンプ(139)に伝動できるようにする。
【0050】
他の共通部品の取り付けについては、各仕様のエンジンで相違はなく、通常の方法で取り付ける。なお、上記製造方法では、各ギヤトレイン(14)(114)の共通部品として基本ギヤ(32a)とクランクギヤ(3)とを用いたが、共通部品として基本ギヤ(32a)のみを用い、クランクギヤ(3)は専用部品としてもよい。すなわち、上記製造方法では、いずれの仕様のエンジンを製造する場合にも、少なくとも共通部品となる基本ギヤ(32a)をギヤ取付軸(32)に取り付け、この基本ギヤ(32a)とクランクギヤ(3)とで基本ギヤトレイン(14a)を構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の実施形態に係る噴射ポンプ仕様のエンジンのギヤトレインの説明図、図1(B)は本発明の実施形態に係るコモンレール仕様のエンジンのギヤトレインの説明図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る噴射ポンプ仕様のエンジンの背面図である。
【図3】 図2のエンジンの横断平面図である。
【図4】 図4(A)は図2のエンジンのクランクギヤ付近の縦断側面図、図4(B)は図4(A)のB−B線断面におけるギヤ嵌合軸部とクランクギヤの組み付け状態の説明図、図4(C)は端部軸受けメタルの分解図である。
【図5】 図2のエンジンの左側面図である。
【図6】 図2のエンジンの右側面図である。
【図7】 図2のエンジンの正面図である。
【図8】 図2のエンジンの平面図である。
【図9】 図2のエンジンの縦断正面図である。
【図10】 図2のエンジンの横断平面図である。
【図11】 従来技術の図4(A)(B)相当図である。
【符号の説明】
(1)…クランク軸、(2)…フライホイル、(3)…クランクギヤ、(4)…端部ジャーナル、(5)…クランク軸軸線、(7)…仮想円、(8)…取付ボルト、(9)…メネジ部、(10)…中間ジャーナル、(11)…シリンダブロック、(14)…噴射ポンプ仕様のギヤトレイン、(114)…コモンレール仕様のギヤトレイン、 (16)…シリンダヘッド、( 35 ) …第二の二次回転バランサ軸、 ( 35c ) …二次回転バランサ軸収容部、 (37)…第一の二次回転バランサ軸、(37a)…二次バランサギヤ、( 37c ) …二次回転バランサ軸収容部、(39)…燃料噴射ポンプ、(139)…燃料供給ポンプ、(42)…巻き掛け伝動装置、(43)…シリンダ、 (46a)…上寄り部分、(47)…テンショナ、(48)…発電機、(72)…動弁カム軸、(72a)…動弁カムギヤ、( 72b ) …中心軸線、(75)…クランク室、(77)…脇水路、(77a)…出口、(78)…シリンダジャケット、(79)…タペットガイド孔。
Claims (8)
- クランクギヤ(3)をフライホイル(2)と隣り合う位置に配置した、エンジンであって、
クランクギヤ(3)をクランク軸(1)とは別部品で構成し、クランク軸(1)のクランクギヤ嵌合軸部(6)に、クランクギヤ(3)を隙間嵌めし、
クランク軸軸線(5)を中心とする仮想円(7)上に複数の取付ボルト(8)を配置し、これら取付ボルト(8)をフライホイル(2)に貫通させ、これら取付ボルト(8)をクランク軸(1)内のメネジ部(9)にネジ嵌合させ、その締結力でクランク軸(1)にクランクギヤ(3)とフライホイル(2)とを共締めするに当たり、
クランクギヤ(3)に取付ボルト(8)を貫通させ、フライホイル(2)とフライホイル(2)側の端部ジャーナル(4)との間にクランクギヤ(3)を挟み付け、
巻き掛け伝動装置(42)を設けるに当たり、
シリンダブロック(11)の前後端部に、巻き掛け伝動装置(42)とギヤトレイン(14)(114)とを振り分けて配置し、
シリンダヘッド ( 16 ) 側を上、クランク室 ( 75 ) の張り出し側を横と見て、二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) をシリンダ ( 43 ) の横側方に配置し、
二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) と動弁カム軸 ( 72 ) との間にクランク軸 ( 1 ) の架設方向に沿う脇水路 ( 77 ) を設け、ラジエータからの冷却水を脇水路 ( 77 ) を介して多気筒シリンダブロックのシリンダジャケット ( 78 ) に導入するに当たり、
二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) と脇水路 ( 77 ) と動弁カム軸 ( 72 ) とをシリンダジャケット ( 78 ) とシリンダ ( 43 ) の壁とに沿って上下に並べ、
二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) は脇水路 ( 77 ) の上に配置し、動弁カム軸 ( 72 ) は脇水路 ( 77 ) の下に配置し、
上記二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) とは反対の横側部に他の二次回転バランサ軸収容部 ( 35c ) を配置し、この他の二次回転バランサ軸収容部 ( 35c ) は動弁カム軸 ( 72 ) の中心軸線 ( 72b ) よりも低い位置に配置した、エンジン。 - 請求項1に記載したエンジンであって、
ギヤトレイン(14)(114)を介して、クランク軸(1)の動力を燃料を圧送するためのポンプ(39)(139)で伝動するに当たり、
巻き掛け伝動装置(42)のテンショナ(47)と、前記ポンプ(39)(139)とを、シリンダブロック(11)の横一側方で、前後に振り分けて配置したエンジン。 - 請求項2に記載したエンジンであって、
テンショナ(47)に発電機(48)を用いるに当たり、
発電機(48)と前記ポンプ(39)(139)とを、同じ高さで、シリンダブロック(11)の上寄り部分(46a)の横一側方に配置したエンジン。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載したエンジンであって、
端部ジャーナル(4)の外径を、クランク軸(1)の他のジャーナル(10)の外径よりも大きくし、この端部ジャーナル(4)内にメネジ部(9)を形成したエンジン。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載したエンジンであって、
クランクギヤ(3)に動弁カムギヤ(72a)を噛合させるに当たり、
脇水路 ( 77 ) 側の二次回転バランサ軸収容部 ( 37c ) に二次回転バランサ軸 ( 37 ) を収容し、この二次回転バランサ軸(37)に取り付けたバランサギヤ(37a)を動弁カムギヤ(72a)にその上方から噛合させ、上記二次回転バランサ軸(37)をシリンダ(43)の横側方に配置したエンジン。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載したエンジンであって、
両横側の二次回転バランサ軸収容部 ( 37c )( 35c ) にそれぞれ二次回転バランサ軸 ( 37 )( 35 ) を収容したエンジン。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載したエンジンであって、
クランク軸(1)の架設方向に沿う脇水路(77)を設け、ラジエータからの冷却水を脇水路(77)を介して多気筒シリンダブロックのシリンダジャケット(78)に導入するに当たり、
複数のシリンダ(43)の脇を通過する脇水路(77)にシリンダジャケット(78)に臨む複数の出口(77a)を設け、これら複数の出口(77a)を脇水路(77)の長手方向の両端部と中間部とに配置させたエンジン。 - 請求項7に記載したエンジンであって、
脇水路(77)の隣り合う出口(77a)(77a)間の肉壁内に動弁装置のタペットガイド孔(79)を設けたエンジン。
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