JP4073099B2 - 脱色素性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な脱色素性活性成分を含む化粧品あるいは皮膚科用の脱色素性組成物、ならびに皮膚の薄色化あるいは色素斑の処置にあたってのその使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化粧品研究では、皮膚の色素沈着現象を制御することが、かつてない重要性を有するようになっている。というのも、社会文化上、あるいは美容上の理由から、皮膚の色を薄くしたり、色素沈着異常によって生じた色素斑を淡色化あるいは消去したりする化粧品に対する要望が高まっているからである。
哺乳類、特にヒトの皮膚ならびに外部骨格の色素沈着は、メラニンの存在によって生じる。メラニンは、複雑な重合体からなる顔料で、その色も、褐色−黒色(ユーメラニン,eumelanin )から、赤色(フェオメラニン,phaeomelanin)までの範囲にわたっている。メラニンの生合成(メラニン形成)は、メラノサイトとして知られる特化された細胞が担っており、このメラノサイトは、目、毛根、皮膚に多数存在している。メラニン形成の各過程は、今日では、比較的よくわかっている。
メラニン形成の各過程のうち、チロシンをジヒドロフェニルアラニン(DOPA)に、そしてさらにドーパキノンに酸化するチロシナーゼとして知られる金属酵素の支配下にあるのは、最初の2反応のみである。その後の過程は、いずれも、酵素の関与なしに自発的に進行する。したがって、メラニン形成を阻害あるいは刺激することが所望される場合には、チロシナーゼの活性を変化させることによって調節を行うのが最も容易である。
【0003】
チロシナーゼに作用することによってメラニン生合成を阻害する脱色素性活性物質は、いくつか知られている。そのうちの一部、たとえばコウジ酸は、チロシナーゼが機能するうえで必須の銅イオンを錯化することによって、チロシナーゼの合成あるいは成熟を抑制する。別の活性物質は、基質の類似物質として働いたり、酵素の活性部位を占有したり、チロシンあるいはDOPAと競合したりすることによって、チロシナーゼの活性を直接阻害する。こちらは、周知の脱色素性活性物質で、高度の細胞毒性ゆえに今日では使用が厳しく管理されているヒドロキノンや、いくつかの植物から抽出される脱色素性の化合物であるアルブチン(4−ヒドロキシフェニル−β−D−グルコピラノシド)の場合に相当すると考えられる(フランス国特許第94/08750号参照)。
特願昭63−8317には、皮膚薄色化力を有する外用の物質で、活性成分としてケリドン酸を含有する物質が開示されている。この酸は、各種植物中に存在し、とくに、ケリドイン(chelidoin)から抽出が可能であるが、アセトンならびにシュウ酸エチルから有機合成しうることも従前より公知である(リーゲルら(E.R. Riegel and M.C. Reinhard, Journal of American Chemical Society (1926), 48, pages 1334-1344)およびデュクローら(J. Duclaux and J. Barbiere, Bulletin de la Societe Chimique de France (1933), 53, pages 564-569 ))。
【0004】
【発明の開示】
本発明者らは、主要な合成中間生成化合物であるジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートがチロシナーゼ阻害活性を有しており、このジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートが脱色素性組成物の活性成分として適当であることを、予想外にも見いだした。
したがって、本発明の主題は、活性成分として、アセトン−α、α' −ジオキサレート型化合物を含む化粧品あるいは皮膚科用の脱色素性組成物、ならびに皮膚の薄色化あるいは色素斑の処置にあたってのその使用にある。
本発明の別の主題は、上記に記載の組成物を使用して、皮膚の薄色化または色素斑の皮膚科的処置を行う方法にある。
【0005】
本発明の上記以外の主題は、以下の記載ならびに実施例に照らして明らかとなるはずである。
本発明の化粧品あるいは皮膚科用組成物は、生理学的に許容されうる媒体中に、一般式(I):
【化2】
(式中のRならびにR' は、それぞれ独立にC1-6 アルキル基または水素原子)の化合物、あるいはこの化合物の生理学的に許容されうる塩が含まれていることを特徴としている。
本発明の好適実施態様では、2つの基RならびにR' は同一でも異なっていてもよく、アルキル基、好ましくはC1-6 アルキル基である。ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレート、すなわち、式(I)で、2つの基Rがエチル基である化合物が特に好ましい。
本発明の組成物は、乳液、クリーム、またはジェルの形態とするのが好ましい。
本発明の組成物は、活性成分を、ベクターに担持させた形態、すなわち、リポソームのようなベクターに封入したかたちで含むのが好ましい。
式(I)の活性成分は、本発明の組成物中に、0.1から5重量%の濃度、好ましくは、0.25から3重量%の濃度で存在している。
【0006】
本組成物に使用する生理学的に許容されうる媒体は、主に水から構成されるものである。この媒体には、化粧品あるいは皮膚用薬剤に一般に使用される助剤を含有させることができる。こうした助剤としては、たとえば、植物油あるいは鉱油(リポソーム)、乳化剤、増粘剤、保存剤、染料、芳香剤、防菌剤、PH調節剤がある。
本発明の新規な活性成分のインビトロでの効果は、チロシナーゼ−チロシン酵素反応ならびにチロシナーゼ−DOPA反応を阻害する能力を測定し、また、ヒト皮膚外植片に対する脱色素力を評価することによって調べた。
インビボでの脱色素効果は、黒色のマウスの尾の色素沈着を測定する際の標準的な方法にしたがって測定した。
生体材料を用いたインビボならびにインビトロでの試験に際しては、参照物質としてヒドロキノンを用いた。ヒドロキノンは、脱色素性を有することが公知の活性成分で、ある程度の細胞毒性も有している。すべての事例で、本発明の好適な脱色素性活性成分は、ヒドロキノンの濃度より低い塗布濃度であっても、ヒドロキノンと同等あるいはヒドロキノンより高い効果を有することが示された。
【0007】
本発明の活性成分を経口投与した場合の毒性評価では、50%致死用量値(LD50)は、2000mg/kg 以上であった。したがって、ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートは、危険性のある生成物として分類されるものではない。
効果が十分高く、毒性がないという利点に加えて、本発明の好適な活性成分は、アセトン、シュウ酸エチルといった安価な化学化合物を使用して一つの容器で単純な有機合成方法を使用して製造することができ、しかも収率(70%)が高く、調製が容易だという利点も有している。この点で、本発明の活性成分は、アルブチン等の植物材料から抽出した脱色素性活性成分のように、成分抽出にサイズ分け手段が必要で、活性成分が少量しか得られない成分とは異なり、有利である。
以下の実施例は、本発明を例示することを目的とするものであって、本発明は、これらの実施例によって限定されることはない。
【0008】
【実施例】
製造例
ジエチルアセトン−α,α ' −ジオキサレートの製造
撹拌装置ならびに還流凝縮装置を装着し、水浴中で加熱を行えるようにした2リットル入り反応容器に、アセトン58g、シュウ酸ジエチル150g、無水アブソリュートエタノール410gにナトリウムエトキシド136gを溶解することによって得た溶液(溶液A) のうちの273gを順次加えた。反応混合物を75℃に加熱した。2、3分すると、溶液が濁ってきた。次に、シュウ酸ジエチルをさらに160gと、溶液Aの残量(必要に応じて60℃に加熱)を加えた。温度を75℃に保ちつつ、混合物を激しく撹拌しつづけた。多量の緑黄色沈殿が形成し、その結果、ほぼ全体が固形となった。反応混合物が冷えてから、濃硫酸(d=1.18)300mlと、砕氷800gを加えた。この混合物を2時間以上攪拌し、ナトリウムエトキシドを中和した。
焼結漏斗で沈殿を濾別し、弱酸性(pH=6)の氷冷水1リットルで3回洗浄し、pH=7の氷冷水1リットルで1回洗浄した。
沈殿を、室温で1週間乾燥させた。
淡褐色−黄色の沈殿180g(収率70%)が得られた。
【0009】
1 H NMR:
TMSに対する化学シフト(ppm) (250MHz 、CDCl3中):1.40(6H、トリプレット)、4.30−4.45(4H、カルテット)、6.38(2H、シングレット)
13 C NMR:
TMSに対するδ(ppm) (300MHz,CDCl3中):14.147;62.849;104.100;161.611;162.131;196.496
【0010】
処方例
実施例1
脱色素クリーム I g( 100 gあたり)
ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレート 3.00
脱塩水 70.00
ごま油 17.00
セテアリル(cetearyl)グルコシド 3.00
セチルアルコール 2.00
ラノリン 1.50
水添ヤシ油 1.50
ソルビトールPEG−9オレエート 1.20
保存剤 0.50
キサンタンガム 0.30
芳香剤 適量
【0011】
実施例2
脱色素用乳液 II g( 100 gあたり)
活性成分を5%量を含むリポソーム 20.00
脱塩水 61.70
液化石油ジェリー 15.00
セチルアルコール 2.00
保存剤 0.50
芳香剤 適量
【0012】
実施例3
脱色素用乳液 III g( 100 gあたり)
活性成分を5%量を含むリポソーム 5.00
脱塩水 61.30
液化石油ジェリー 25.00
ソルビトール 2.50
ポリオキシエチレングリコールイソステアレート 適量
蜜ろう 2.50
プロピレングリコール 2.00
硫酸マグネシウム 0.70
ソルビトールPEG−7オレエート 0.50
保存剤 0.50
芳香剤 適量
【0013】
実施例4
脱色素用乳液 I V g( 100 gあたり)
活性成分を5%量を含むリポソーム 10.00
脱塩水 69.50
液化石油ジェリー 10.00
S.E.グリセリルステアレート 5.50
ラノリン 2.00
石油ジェリー 2.00
保存剤 0.50
カーボマー 0.25
トリエタノールアミン 0.25
芳香剤 適量
【0014】
これら4種の乳化製品を調製するにあたっては、乳濁液を調製する際の標準的な方法を用いた。水と脂肪系の物質をそれぞれ別々に80℃に加熱し、その後、同時に冷却も行いつつ、これらを撹拌機(たとえばターボミキサーあるいはプラネタリーミキサー)で撹拌混合した。温度が30ないし40℃となったところで、活性成分を純粋なまま(脱色素乳化物I)、あるいは、ベクターに封入して( 脱色素用乳液II−IV)、芳香剤とともに加えた。混合物が完全に冷却するまで、撹拌を続けた。
得られた生成物は、淡黄色ないし淡褐色である。
処方例2−4で使用した5%のジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートを含むリポソームは、下記の組成を有している。
【0015】
成分 g( 100 gあたり)
脱塩水 56.5
ブチレングリコール 30.5
大豆レシチン 5.0
ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレート 5.0
小麦タンパク質BPM 2.0
フェニニップ 0.5
キサンタンガム 0.5
コレティカ殺菌剤 0.2
【0016】
ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートのチロシナーゼのインビトロの阻害活性
I.L−DOPA−チロシナーゼ反応の阻害
L−DOPAがドーパキノンとなる酸化反応での、ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートによるチロシナーゼの阻害を、薄層クロマトグラフィーで調べた。
G60シリカゲルプレート上に、ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートのエタノール(96%)への1%溶液10μlを載置した。移動触媒は、ブタノール/水/酢酸の混合物(4/1/1、v/v/v)として、高さ10cmまで移動させた。乾燥後、プレート全体に、L−DOPA溶液(1M)、次いでチロシナーゼ溶液(238IU/ml )をスプレーした。日光に当てたところ、背景が褐色のところに、Rfが0.80の領域に白色のバンドが見えた。この白色のスポットは、基質であるL−DOPAをドーパキノンに転化させるチロシナーゼ活性の不在ゆえに生じたもので、ドーパキノンは光の存在下では自発的に褐色顔料に転化する(褐色の背景)。このように、ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートは、L−DOPA−チロシナーゼ反応を効果的に阻害した。
【0017】
II.チロシン−チロシナーゼ反応の阻害
チロシンがDOPAとなるヒドロキシル化反応での、ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートによるチロシナーゼの阻害を、可視領域での吸収分光分析によって調べた。吸収分光分析は、基質であるチロシンからチロシナーゼによってインビトロで生成されるメラニンについての分光分析(477nmでの吸収)を行った。
調べた濃度範囲で、477nmでの吸収がチロシナーゼ活性と直接比例していることを示すために、各種の既知量のチロシナーゼを使用して較正曲線を作成した。
その際には、下記の酵素溶液ならびに基質溶液を調製した。
−チロシナーゼ原液:
チロシナーゼ(2400 IU/ml ) 10 mg
ビストリス緩衝液(0.1M、pH6.5 ) 1 ml
十分量の水 50 ml
−チロシン原液:
L−チロシン 0.04 g
十分量の水 100 ml
【0018】
2.0mlのビストリス緩衝液(0.1M、pH6.5 )と5.0mlのチロシン原液を、0ml、1.2ml、2.0ml、および2.5mlのチロシナーゼ溶液に加え、水を加えて全量を10.0mlとした。
これらの混合物を水浴中で37℃にて1時間30分インキュベートし、その後、4℃まで急冷した。溶液の吸収を、チロシナーゼを含まない溶液に対してλ=477nmで測定したところ、曲線が式 y= 0.813x + 1.27 x 10 -3で表され、相関関数が0.999 であるような較正曲線を描くことができた。
【0019】
次に、下記の溶液を調製した。
対照溶液(100%チロシナーゼ活性)
チロシン原液 5.0 ml
チロシナーゼ原液(96 IU/ml) 2.0 ml
ビストリス緩衝液(0.1M、pH6.5 ) 2.0 ml
十分量の水 10.0 ml
確認対照溶液
ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートの
チロシナーゼの2.58%アルコール溶液 2.0 ml
チロシン原液 5.0 ml
チロシナーゼ原液(96 IU/ml) 2.0 ml
ビストリス緩衝液(0.1M、pH6.5 ) 2.0 ml
これらの2種の溶液を水浴中で37℃にて1時間30分インキュベートした。溶液を4℃まで急冷してから、チロシナーゼを含まないブランクを参照しつつ、477nmでの溶液の吸収を読みとった。上記条件で同一の実験を5回繰り返した結果を、下記の表1に示す。
【0020】
【0021】
これらの結果からもわかるように、ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートは、インビトロで、L−チロシンからのチロシナーゼによるメラニンの生成を効果的に阻害する。
【0022】
インビトロでの、ジエチルアセトン−α、α ' −ジオキサレートの皮膚外植片の脱色力
メラニン細胞中でのジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートのチロシナーゼ阻害活性を、皮膚外植片を用いて組織学的に調べた。
腹壁形成術を行った際に得られたヒト皮膚外植片を解凍し、10%(w/v)ホルムアルデヒド溶液中で30分間固定した後、0.005MのL−DOPAならびに試験生成物の存在下で、37°Cにて15時間インキュベートした。
ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートは、DMSOの10%(v/v)水溶液への濃度0.5%、1%、ならびに2%(w/v)の溶液として使用した。
参照用生成物として、公知のチロシナーゼ阻害物質であるヒドロキノンを、DMSOの10%(v/v)水溶液中への濃度1.1%(w/v)の溶液として使用した。
0.005MのL−DOPAのみの存在下でインキュベートした対照用の外植片も、並行して調製した。
組織学的検査に際しては、パラフィン包埋した外植片から、厚さ4μm の切片を切り出し、クレジルバイオレットで染色した。結果を、下記の表2に示す。
光学顕微鏡で白色光で撮影した写真を用いると、チロシナーゼ活性を反映したメラノサイトの着色を目視評価することができる。結果を、下記の表2に示す。
【0023】
【0024】
表からもわかるように、試験条件下では、濃度0.5%、1%、ならびに2%(w/v)で調べたジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートによって、チロシナーゼ活性が完全に阻害された。
【0025】
インビボでの、ジエチルアセトン−α、α ' −ジオキサレートによる黒色のネズミの尾の脱色力
ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートの脱色効果を、活性成分をリポソームベクターへの封入形態とした2種の組成物について調べた。その際には、効果に定評のあるヒドロキノン含有の市販品(コレクテュール・アンチタッシュ・リエラック(Correcteur anti-taches Lierac 、リエラック斑点修正液)、参照番号L908/1)との比較を行った。
組成物1:0.5%量のジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートが、99.0%のリポソーム中に封入されているジェル
組成物2:0.5%量のジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートが、10.0%のリポソーム中に封入されている乳液
参照物:2%のヒドロキノンを含むジェル
各組成物を、黒色ネズミ4匹の尾に、28日間にわたって毎日塗布した。各マウスについて、明るさのパラメータL*を、測色計を用いて、0日目(DO) 、15日目(D15)、28日目(D28)に測定した。
各生成物の効果(%)を、下記の式にしたがって計算した。
E%=((EDY − EDO)/EDO)100
表3に、各生成物について得られたパラメータL*の値と、15日間ならびに28日間の処置後の効果(E%)を示す。各値は、4匹のネズミについて計算した平均±標準偏差である。
【0026】
【表1】
【0027】
こうした結果からもわかるように、本発明の活性成分を含有する2種の組成物の方が、従来技術の生成物より良好な結果を示し、塗布濃度が低い場合に関しても、結果は同一であった。また、濃度を10倍とすると効果は2倍となり、ジエチルアセトン−α、α' −ジオキサレートが、用量依存的に作用することも見いだされた。
以上の説明が、単に例示を目的とするものであって、本発明を何ら限定するものではないこと、そして本発明の文脈に沿って各種の変更や改変を行いうることは明らかであろう。
【0028】
【発明の効果】
本発明の組成物は、皮膚科用の脱色素組成物であり、皮膚の薄色化又は色素斑の治療・予防に有用である。
本発明組成物は効果が十分高く、毒性がない利点に加えて製造が容易である。
Claims (10)
- RならびにR' の2つの基が、アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- RならびにR' の2つの基が、エチル基であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
- 組成物が、乳液、クリーム、またはジェルの形態であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の組成物。
- 式(I)の化合物を、リポソームベクターに封入されたかたちで含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の組成物。
- 式(I)の化合物を、0.1から5重量%の割合で含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の組成物。
- 生理学的に許容されうる媒体が水からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の組成物。
- 前記媒体が、他の化粧品あるいは皮膚科用の助剤としての、植物油あるいは鉱油、乳化剤、増粘剤、保存剤、染料、芳香剤、防菌剤、あるいはPH調節剤をさらに含む請求項7に記載の組成物。
- 皮膚の薄色化または皮膚色素斑の美容処置のための請求項1ないし8のいずれかに記載の組成物。
- 色素沈着異常によって生じた色素斑の処置に使用する皮膚科用処方剤を調製するにあたっての、請求項1ないし9のいずれかに記載の組成物の使用。
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