JP4072589B2 - 回転部材のシール構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体、液体等の流体を収容した容器に内装された回転部材に対するシール構造に関し、特に粉体としてトナーを使用する電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置における現像装置において好適な回転部材のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体である感光体表面に静電潜像を形成し、これを可視像化するために着色剤であるトナー等の現像剤を感光体側へ供給し、付着させる現像装置を備えている。なお、現像剤には、トナーのみからなる1成分現像剤と、トナーとキャリアからなる2成分現像剤があるが、以下これらを総称して現像剤と言う。
【0003】
現像装置は、微粒子状の現像剤を収容する必要があり、その現像容器には、例えば現像剤を撹拌、搬送するために撹拌ローラや現像ローラなどの回転部材が設けられている。また、現像容器にトナーを補給するために設けられているトナー補給容器においても、トナーを搬送し、撹拌するために撹拌ローラやトナー補給ローラ等の回転部材が設けられている。これらが一体になって、現像装置が構成される。なお、小型の画像形成装置では、トナー補給容器をなくして感光体と現像容器とを一体化したカートリッジが使用されることがある。
【0004】
これらの回転部材は、現像容器やトナー補給容器に回転可能に軸支されている。そのため、回転部材を軸支する軸受にトナー等の微粉末が侵入すると、回転不良が発生する原因となる。そこで、軸受への現像剤の侵入を防止するためのシール構造が必要となる。
【0005】
図11に従来の典型的なシール構造を示す。現像容器1には、軸受2を嵌め込むための取付孔3が形成され、取付孔3に嵌合された軸受2によってローラ等の回転部材4が回転自在に支持される。回転部材4の回転軸5にシール部材6が挿通された後、回転部材4は現像容器1の所定位置に組み込まれて、軸受2に挿通される。シール部材6は、回転部材4の軸線方向における断面が略V字状のゴム等の弾性部材からなり、円盤状の本体部7が回転軸5に固着され、本体部7から外方向に広がった先端部8が形成される。本体部7が回転軸5の拡径部9によって現像容器1の外方向ヘバイアスされることによって、先端部8が軸受2に摺接して、回転部材4の回転に伴って軸受2の表面を摺動する。このように、シール部材6の先端部8と軸受2との気密を保持しつつ、回転部材4の回転が可能とされる。
【0006】
また、特開平3−189666号公報に開示された他のシール構造を図12に示す。現像容器1に形成された取付孔3に、軸受2およびシール部材10がそれぞれ嵌め込まれている。シール部材10は、軸線方向における断面が略V字状とされたゴムからなり、内部に補強用の非磁性の金属リング11が埋設され、内周側にシール部12が形成されている。シール部材10の外周面が金属リング11によって取付孔3の内周面側に押し付けられることにより、シール部材10は固着される。シール部12は、軸線方向の外側から内側に向かって徐々に小径に形成され、その先端が回転軸5に摺接する。したがって、シール部12に現像剤の圧力が加わっても、シール部材10の外周面は取付孔3の内周面から離れることはなく、シール力は維持される。なお、上記の各軸受は、例えば銅系焼結含油軸受などのすべり軸受であるけれども、玉軸受等の場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように成形されたシール部材では、長期間の使用による劣化や摩耗によってシール性を維持できなくなるという問題がある。そこで、このような問題を解決するための技術として、実開平3−12666号公報に開示されたシール構造が挙げられる。このシール構造を図13に示す。すなわち、ゴム製リップ部材20の反密封空間側(外側)に合成樹脂製リップ部材21を貼り付けるとともに、ゴム製リップ部材20の先端部22近傍における反密封空間側に低摩擦係数の合成樹脂製リング23を焼付け一体化したものであり、ゴム製リップ部材20の先端部22がリング23により内周側から補強されながら、両リップ部材20、21の先端部が回転軸24と摺接する。
【0008】
ところで、フルカラー画像を形成するために使用される現像剤は、一般的に高い流動性と低融点が求められる。そのため、このような現像剤を用いる現像装置におけるシール構造では、可能な限りシール部材と回転軸との接触面積を減らして、熱による現像剤融着の発生を抑える必要がある。しかしながら、上記の図13に示すシール構造では、合成樹脂製リングは回転軸に摺接した状態でゴム製リップ部材の先端部の変形を抑えるものであり、回転軸との接触面積の減少にはならず、回転軸との摺接によって摩擦熱が発生しやすく、熱劣化の問題が生じる。また、合成樹脂製リングを取付けるためのスペースが必要になるとともに、ゴム製リップ部材に一体化するための加工工程が必要となる。
【0009】
本発明は、上記に鑑み、長期間の使用による軸受の温度変動の影響を吸収して、常に安定して高いシール性を確保することができる回転部材、特に現像装置に好適なコンパクトなシール構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による課題解決手段は、回転部材の回転軸に摺接するシール部材のリップ部の変形に伴う復元力を利用して、簡単な構造で軸受と回転軸との間のシール性を確保しようとするものであって、このシール部材としては、円盤状の弾性材料に形成された貫通孔に回転軸が挿通されることにより、貫通孔の周縁が軸方向に押し出されて、リップ部が形成されたものである。
【0011】
シール部材における徐々に元に戻ろうとする弾性記憶特性を利用でき、リップ部には復元力が発生し、回転軸に食いつくように摺接することになる。そのため、安定した高いシール性が確実に得られる。ここで、弾性材料の貫通孔の周囲に折り癖をつけておくことにより、軸方向に凸状に突出したリップ部を容易に形成することができる。
【0012】
弾性材料として、上記の弾性記憶特性を有する材料であればよく、低摩擦係数であればさらによい。そこで、このような弾性材料としては、ふっ素樹脂が適している。特に、4ふっ化エチレン樹脂であれば、耐熱性、耐薬品性に優れているので使用条件が限定されず、摩擦特性が良好なので機械的損失を抑制できるとともに、自己潤滑性も有しているので、潤滑を行わずに使用することができる。
【0013】
そして、回転軸を貫通孔に挿通して、回転軸を容器に装着すると、リップ部の凸面側は容器の外側を向き、凹面側は容器の内側を向くようにシール部材は設置される。このようにシール部材を装着することにより、その作業を容易に行うことができる。しかも、リップ部の凹面側から流体圧がかかるが、リップ部の復元力はこれに抗する方向に作用しているので、リップ部が反転することはなく、シール性を維持できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のシール構造を現像装置の回転部材に適用した実施形態を図1に示す。この現像装置では、現像剤が収容された現像容器30内に、現像ローラ、撹拌ローラ等の回転部材31が設けられている。回転部材31の回転軸32は、現像容器30の取付孔33に嵌め込まれた軸受34に回転自在に支持され、回転軸32の端部は現像容器30から外部に突出して、ギヤ、プーリ等が取り付けられる。なお、図中、35は回転軸32の軸方向内側への移動を阻止する固定リングである。
【0015】
そして、回転部材31は現像剤が存在する中で回転しているので、現像剤が軸受34と回転軸32との間を通って外部に漏れないようにするためにシール構造を有する。すなわち、回転軸32に摺接するようにシール部材36が設けられ、回転軸32と軸受34との間に現像剤が侵入することを防止している。
【0016】
軸受34は、回転軸32を摺動自在に支持する銅系焼結含油軸受からなる筒状の受け部37と、受け部37を保持する軸受ケース38とから構成される。軸受ケース38は、POM(ポリアセタール)樹脂成型品からなり、その内部の軸孔は、回転軸32の外径より大径とされ、外端側に受け部37を嵌め込むための嵌合部39が形成され、また外周の外端にはフランジ40が形成されている。なお、回転部材31の回転数は280rpmとされ、回転軸32の材質はSUM24L(硫黄および硫黄複合快作削鋼鋼材)+無電解Niメッキである。
【0017】
そして、現像容器30には、外側に向けて筒状にボス41が突設されており、ボス40の内部が取付孔33とされる。この取付孔33に軸受ケース38が嵌め込まれ、フランジ40がボス41の端面に当接して、軸受ケース38はボス41に取り付けられる。なお、軸受ケース38の内端面は現像容器30の内壁面とほぼ面一とされる。
【0018】
シール部材36は、図2、3に示すように、貫通孔42を有し回転軸32に摺接するリップ部43と、これに連なる外縁部44とから構成され、薄い円盤状の弾性材料から成形される。外縁部44は、平板状であって、ここから滑らかに立ち上がるリップ部43は、コニカル状に突設される。リップ部43の貫通孔42には回転軸32が挿入され、貫通孔42が押し広げられることにより、リップ部43の復元力が発生して、リップ部43が回転軸32に食いつき、シール効果が得られる。
【0019】
そして、シール部材36は、リップ部43の凸面側が現像容器30の外側を向き、凹面側が内側になるように、受け部37よりも内側寄りの位置で軸受ケース38に係合される。すなわち、軸受ケース38の内周面の内端側を拡径して段差をつけることによって、シール部材36を配設するための固定部45が形成され、この固定部45にシール部材36を固定するためにリング部材46が設けられる。シール部材36の外縁部44が固定部45の段差面に当接され、固定部45に軸方向内側からリング部材46を嵌め込むことによって、シール部材36は軸受34に固定される。
【0020】
リング部材46は、軸受ケース38と同じ材料から円筒状に成形され、その外径は固定部45から抜け出さないように固定部45の内径とほぼ同じとされる。また、リング部材46の内周面は、内端側の内径a’が外端側の内径aよりも大径とされたテーパ状に形成されている。
【0021】
ここで、シール部材36に使用される弾性材料としては、例えば厚さ0.4mmの4ふっ化エチレン樹脂(PTFE)からなる。図2に示すように、中央に貫通孔42が形成された円盤状の平板に対して、予め貫通孔42の周囲にコニカル状の折り癖を付けておき、貫通孔42に回転軸32が挿通されることによってリップ部43が形成された所定の形状となる。
【0022】
このようなシール部材36によれば、リップ部43が徐々に原寸法に戻ろうとする特性である弾性記憶特性を有しているので、これを利用して回転軸32に確実に摺接させることができ、高いシール性が得られる。そのため、従来のような締付力を付与するためのバックアップリング等が不要となり、取付けスペースをコンパクトにすることができる。
【0023】
また、図4に上記のシール部材36を適用した現像装置における軸受34の温度変化を示す。すなわち、現像ローラおよび2本の撹拌ローラに上記のシール部材36を適用して、耐久テストを実施し、各軸受34における室温との温度差を時間の経過とともにプロットした。なお、図中、MGは現像ローラ、MXは撹拌ローラ、Rは現像装置を画像形成装置本体に装着したときの背面側、Fは同じく前面側を表している。
【0024】
これより、長期間の連続運転でも、温度差(温度上昇幅)が室温に対して変動せず、安定していることがわかる。したがって、摩擦熱の発生も少なく、低融点現像剤の特性劣化を招くこともない。このように、長期間の使用による軸受34の温度変動の影響を吸収して、常に安定して高いシール性を確保することができるコンパクトなシール構造を実現することができる。
【0025】
そして、シール部材36を薄い円盤状の弾性材料から形成し、これにコニカル状の折り癖をつけておき、その凹面側が現像容器30の内側を向き、凸面側が外側を向くように設置するので、シール部材36を回転軸32に対して順方向に装着することになる。そのため、リップ部43が装着の邪魔にならず、専用の装着用治具等が不要となり、作業効率が向上し、装着作業を容易にかつ安全に行うことができる。
【0026】
しかも、一般的なリップ部の先端をシールする側、すなわち現像剤に接する側に向け、基端を反対側に向けた場合に、回転軸の挿通時におけるリップ部の捲れが生じやすく、これによる現像剤漏れや現像剤融着に起因する現像装置の回転トルク増大、回転軸固着等の問題が発生するが、シール部材36を逆方向に装着しているので、上記のような問題が発生することを防止でき、常に高いシール性を安定的に得ることができる。さらに、現像剤からの圧力を受けても、リップ部43の復元力はこの圧力に対して逆方向に作用することになり、リップ部43は反転し難く、シール性を維持できる。
【0027】
また、シール部材36が4ふっ化エチレン樹脂の成型品であるので、以下のような特徴を有する。
・自己潤滑性を有するため、無潤滑でも使用できる。
・低摩擦係数のため、機械的損失が抑制される。
・回転中にスティック−スリップ(付着滑り)を発生しない。
・耐熱性(−150℃〜260℃程度)、耐薬品性に優れるので、使用条件を限定されない。
・低速回転から高速回転まで対応可能。
【0028】
なお、4ふっ化エチレン樹脂にグラファイト微粒子を5〜10重量%並びに炭素短繊維を5〜10重量%添加したものは、低摩耗性、機械的強度にも優れており、シール部材36の材料として特に好適である。
【0029】
次に、上記シール構造の各部材の最適寸法としては、以下の通りである。なお、図1、5に示すように、回転軸32の外径をD0、シール部材36の貫通孔42の内径をd1、リング部材46の最小内径をd2(=a)、軸受ケース38の軸孔内径をd3、リング部材46の軸方向の長さをL1、リップ部43の回転軸32との接触長さをL2、シール部材36の厚みをt1とする。
【0030】
まず、シール部材36の折り癖は、図5に示すように、円盤状の平板の貫通孔42に回転軸32を挿通することで与えられ、回転軸32の外径D0に対して、軸方向に沿うリップ部43の接触長L2を0.5〜2.5倍の範囲に設定する。このようにリップ部43の接触長さL2を回転軸32の外径D0に比して長くしても、4ふっ化エチレン樹脂による低摩耗性によって、回転負荷の増大につながることはなく、十分なシール面積を確保できる。
【0031】
シール部材36を回転軸32に挿入した状態で接触長さL2を変化させた場合に、シール部材36を越えて軸受34の受け部37まで侵入したトナー漏れ量で性能評価を行った。この結果を図6に示す。これより、L2/D0=0.5〜2.5の範囲内でトナー漏れ量は少なく、良好なシール特性が得られることがわかる。したがって、リップ部43の接触長さL2を上記の範囲に設定することによって、確実に現像剤に対するシールを行うことができる。
【0032】
また、シール部材36の厚みt1を回転軸32の外径D0の1/15以上とし、シール部材36のリップ部43と対向する領域での軸受34の軸孔内径d3を回転軸32の外径D0の1.3倍以上に設定する。これによって、シール圧の安定化を図ることができる。図7に現像容器30に現像剤を満たした状態で回転軸32単独の起動トルクを測定した結果を示す。シール部材36の貫通孔42の内径d1毎に軸受32の軸孔内径d3によるトルク推移の変化を見ると、d3/D0≧1.3のときトルクの変動がないことより、シール圧が安定していることがわかる。すなわち、回転軸32と軸受34の軸孔との隙間が狭いと、回転軸32に対するシール部材36のリップ部43の接触長さが長くなり、シール圧が増大して、回転軸32に負荷をかけてしまう。しかも、シール部材36を越えて現像剤が侵入した場合でも、隙間が狭いとすぐに現像剤で満たされてしまい、現像剤が軸受34と回転軸32との間に入り込んで、回転部材31のトルク増大となる。しかし、隙間が広いと、現像剤が充満するまでには至らないか、あるいは充満するまでの時間を長くでき、延命化を図れる。
【0033】
また、シール部材36の厚みt1としては、0.2〜0.8mmの範囲にすればよく、特に回転軸32の外径D0に対してはt1/D0≧1/15になるように設定するとよい。シール部材36が薄すぎると、リップ部43の復元力が小さくなって、現像剤の圧力に抗することができず、現像剤の漏れが発生してしまう。シール部材36が厚すぎると、弾性変形したときの復元力が大きくなって、回転軸32に負荷をかけてしまい、トルクの変動が生じて、シール圧が安定しなくなる。
【0034】
さらに、シール部材36の貫通孔42の内径d1と回転軸32の外径D0との関係は、d1/D0=1/2〜1/1.5に設定するとよい。貫通孔32が大きすぎると、リップ部43の長さが短くなって、十分なシール性が得られなくなり、逆に小さすぎると、回転軸32が貫通孔42に挿通されるとき、シール部材36を所望の形状に変形させることができなくなり、シール部材36に亀裂が生じるおそれがある。
【0035】
次に、現像剤に直接触れるリング部材46は、軸受34の温度上昇に係わっている。そこで、リング部材46の内径d2を回転軸32の直径D0の1.1倍以上に設定すると、軸受34の温度上昇を抑えることができる。図8にリング部材46の内径d2に対する軸受32の温度推移を示す。これは、d2/D0と一定時間経過後の軸受34の温度との関係をプロットし、35℃を合否判定基準としたものである。これによると、d2/D0≧1.1のとき、軸受34の極端な温度上昇は見られない。すなわち、回転軸32とリング部材46との隙間が広くなるので、この隙間に現像剤が侵入しても、循環して排出されやすくなり、現像剤が溜まって固化することを防止でき、現像剤が溜まるパッキングによる温度上昇を防げる。
【0036】
また、リング部材46の外端側の内径aよりも内端側の内径a’を大きくすると、リング部材46と回転軸32との間に現像剤を溜まり難くすることができ、さらにリング部材46の軸方向の長さL1を回転軸32の外径D0の1/2以下に設定することでも、トナーを残留し難くすることができる。
【0037】
図9にリング部材46の内径差による軸受34の温度推移を示す。これによると、外端側の内径aが内端側の内径a’以上であれば、長時間回転部材31を回転させても軸受34の温度上昇は見られない。また、図10にリング部材46の軸方向の長さL1に対する軸受34の温度推移を示す。これによると、L1/D0≦0.5であれば、軸受34の温度上昇は見られない。すなわち、内端側の内径a’が外端側の内径aより大きいと、現像剤が循環しやすくなって、現像剤が溜まりにくくなり、現像剤のパッキングによる温度上昇を防げる。これに加えて、リング部材46の長さL1も短いと、回転軸32との隙間に侵入する現像剤が少なくなり、より一層現像剤のパッキングによる温度上昇を防ぐことができる。
【0038】
しかも、軸受ケース38とリング部材46とは同一材質であるので、温度上昇による寸法変化が発生しても、両者の寸法変化は略同じとなる。これによって、シール部材36の段差面への押圧(面圧)を略一定に保つことができ、安定したシール性を得ることができる。ただし、軸受ケース38およびリング部材46は、キャリアを吸着することがないように、非磁性材料としておく必要がある。
【0039】
これらの軸受ケース38およびリング部材46は、シール部材36も含めてPOM(ポリアセタール)樹脂の一体成型品とすることが可能であるが、その場合も各部の寸法取合関係は上記の設定寸法が適用される。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。シール部材の材料として、弾性記憶特性を有し、低摩擦係数の材料であればよく、ふっ素樹脂が適しており、例えば3ふっ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、ふっ化ビニリデン樹脂(PVDF)、4ふっ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)等があげられる。あるいは、弾性記憶特性を有するポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用い、その表面にふっ素コーティングをしてもよい。
【0041】
上記実施形態では、現像剤を収容した現像容器に内装された回転部材を対象としたが、トナー補給容器の撹拌ローラやトナー補給ローラといった回転部材に上記シール部材を適用してもよい。あるいは、現像剤以外の粉体や液体を収容した容器の回転部材に適用することも可能である。また、軸受として、独立した部材としての軸受に限らず、容器の取付孔に直接回転軸を挿入して、容器の壁面自体に軸受機能を持たせた構造としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、回転部材の回転軸が挿通されたときに変形するシール部材のリップ部の復元力を利用することにより、軸受への現像剤等の流体の侵入を防止することができる。したがって、シール部材単独での使用が可能となり、補強部材を必要とせず、取り付けスペースの取らないコンパクトなシール構造を実現することができる。
【0043】
そして、シール部材に折り癖を付けることによりリップ部を形成することができるので、簡単な機械的加工を施すだけ所望の形状が得られる。そのため、シール部材に対し、加熱等の物理的処理や化学的処理といった煩雑な加工工程が必要なくなり、低コストでシール部材を提供することができる。
【0044】
また、シール部材をふっ素樹脂から成形すれば、その材料特性から耐熱性、耐薬品性に優れ、低摩擦係数であるので、摩擦熱の発生が少なくなって、低融点流体の特性劣化を招くことがなく、特に低融点の現像剤を使用する現像装置のシール構造に好適となる。さらに自己潤滑性を備えているので、潤滑を行わずに使用できる。しかも、長期間の使用に際しても、軸受の温度上昇を阻止して温度変動の影響を吸収でき、常に安定して高いシール性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシール構造を示す断面図
【図2】装着前のシール部材の斜視図
【図3】装着時のシール部材の断面図
【図4】現像装置の軸受の温度推移を示す図
【図5】折り癖付け前後でのシール部材の部分断面図
【図6】トナー漏れ量におけるリップ部の接触長さと回転軸の外径との関係を示す図
【図7】回転部材のトルクにおける軸受の軸孔内径と回転軸の外径との関係を示す図
【図8】軸受の温度推移におけるリング部材の内径と回転軸の外径との関係を示す図
【図9】リング部材の内径差による軸受の温度推移を示す図
【図10】軸受の温度推移におけるリング部材の軸方向の長さと回転軸の外径との関係を示す図
【図11】従来のシール構造を示す断面図
【図12】従来の他のシール構造を示す断面図
【図13】従来の他のシール構造を示す断面図
【符号の説明】
30 容器
31 回転部材
32 回転軸
34 軸受
36 シール部材
37 受け部
38 軸受ケース
42 貫通孔
43 リップ部
44 外縁部
46 リング部材

Claims (9)

  1. 現像剤を収容した現像容器内に回転部材が設けられ、該回転部材の回転軸が前記容器に軸受を介して回転自在に支持され、シール部材によって前記回転軸と軸受との間への現像剤の侵入を防止するシール構造であって、前記シール部材は、前記回転軸よりも小径の貫通孔を有する円盤状の弾性材料からなり、前記軸受は、前記シール部材を係合するための軸受ケースを備え、容器内側からシール部材を軸受ケースに固定するためのリング部材が設けられ、リング部材は、軸受けケースと同一の材料からなり、円筒状のリング部材の内周面は、外端側の内径が内端側の内径より小とされたテーパ状に形成され、前記シール部材に、前記回転軸により前記貫通孔が押し広げられて、自身の復元力を利用して前記回転軸に摺接するリップ部が形成され、前記シール部材の貫通孔の周囲に、リップ部を形成するために折り癖が付けられ、前記リップ部の先端が前記容器の外側を向くように前記シール部材が配置されたことを特徴とする回転部材のシール構造。
  2. 弾性材料は弾性記憶特性を有する合成樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の回転部材のシール構造。
  3. シール部材は、リップ部に連なる外縁部を有し、該外縁部は、前記リップ部よりも容器の内側に位置し、軸受ケースとリング部材に挟まれて固定されることを特徴とする請求項1または2記載の回転部材のシール構造。
  4. 回転軸の外径をD0、リップ部の回転軸との接触長さをL2とするとき、
    L2/D0≧0.5
    に設定することを特徴とする請求項1記載の回転部材のシール構造。
  5. 回転軸の外径をD0、貫通孔の内径をd1とするとき、
    d1/D0=1/2〜1/1.5
    に設定することを特徴とする請求項1記載の回転部材のシール構造。
  6. 回転軸の外径をD0、シール部材の厚みをt1、軸受の軸孔径をd3とするとき、
    t1/D0≧1/15
    d3/D0≧1.3
    に設定することを特徴とする請求項1記載の回転部材のシール構造。
  7. 回転軸の外径をD0、リング部材の内径をd2とするとき、
    d2/D0≧1.1
    に設定することを特徴とする請求項1記載の回転部材のシール構造。
  8. 回転軸の外径をD0、リング部材の軸方向の長さをL1とするとき、
    L1/D0≦0.5
    に設定することを特徴とする請求項1記載の回転部材のシール構造。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の回転部材のシール構造を備えたことを特徴とする現像装置。
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