JP4071785B2 - エスカレータカート - Google Patents

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Description

本発明の荷物用カート或いは車椅子はエスカレータに載って上階或いは下階に移動するもので、エスカレータに一定の状態で固定されエスカレータ内でも荷台あるいは座席を水平に保つものである。
一般に車椅子やカートのエスカレータ内への乗り入れは危険とされ禁止されているが、車椅子やカートの上下移動を考えるとき、車椅子やカートが動力をつけて階段を昇り降りするよりは遥かに安全である。エスカレータカートは階段昇降車に比べて上下移動に必要な動力が不要なだけでなく、階段昇降車が階段を昇降する際、左右の両輪が同時に昇段しなければ横転するという問題についても考える必要がない。エスカレータの地形は上り口では上に凹で降り口では上に凸で、車体の途中で折れない一直線の車体は下階出入り口では両端支持の状態であるが上階出入り口では中央1点支持の天秤状態で飛び込みに近い移動動作を伴い危険である。中央で2つに折れる本発明のエスカレータカートはカート下の地形の変化に順応し、つねに車体全体で荷台を支えるので安全である。車体の途中で折れない従来のエスカレータカートは車底部にエスカレータのステップ角部に対して滑るように前後部の滑り部を設け、車体をステップ角部に支持させるもの(例えば特許文献1参照)であるが、これは上述の上階での天秤状態の問題も解決されてなく、エスカレータ内で車体が傾斜するため転倒する危険性もあり車長が長い割には荷台が小さくする必要があった。また荷台が水平になる装置がないので荷こぼれの心配もあった。
本発明はこれらの欠点を除去するもので、エスカレータ内で荷台が勝手に水平になる装置で車長を短くし、車体が中央で折れることによりエスカレータとの定着をよくするもので、構造をより簡略化して出口での停留事故をなくす脱出装置など多くの機能を1つのカートに組み込もうとするものである。
実開平6−60576
荷物用カートはエスカレータ内で荷台を水平にすることで車体の長さを短くしかつ荷こぼれ事故をなくし、操作なしで勝手にエスカレータに定着し勝手に脱出するようにすることでエスカレータ周辺の介助員や指導員を省略しようとするものである。さらには健常者のみならず車椅子利用者でさえ介護なしにエスカレータを利用できるようにして階段形のエスカレータをもっと利用できるようにするものである。
装置には動力を用いず操作なしで勝手に機能するもので、センサーやクラッチなどの切り換え装置がなくそれらの誤作動による事故はないばかりではなく、部品数が少ないので信頼性がたかく確実に作動するものである。シンプルかつ軽量でしかも小さいことを特長とする。
エスカレータはエレベータと異なり、人の流れの動線に沿って設置され人の流れを連続的に大量に処理するものであるが、荷物をカートで運ぶ人やショッピングカートの買い物客や車椅子の障害者は利用できないのが現状である。空港や量販店にとってエスカレータ仕様のカートの出現は、空港や量販店の運営を改善するばかりではなく建物の設計をも改善し経済効果は大きい。また障害者にとっては単に便利なだけでなく、障害者の地域社会への参加を手助けするもので、その社会的貢献は大きい。
エスカレータ内でどのような現象が起きてカートがどのように反応し目的の機能を発揮するかを以下に図面で例示し詳述する。説明に先立ち概略を述べる。
図1では使用が上り方向に限られる昇り専用のカートを紹介し本発明のカートが動力なしで車体の変形に連動して荷台の水平が保たれる現象を紹介する。エスカレータ内で車体下の地形は水平面から階段状に変化し、カート下の地形の変化が荷台を突き上げて荷台を水平にすると期待したいが、カート下の地形の変化は期待するほど大きくないのでテコなどを介して荷台後部を押し上げる方法は効果的ではない。動力なしで荷台を水平にするのであるから荷台の下がった端を持ち上げる力を捜し求めるより、車体が傾斜しても荷台の端部を極力下げないようにするのが効果的で、物体が上から下へ落ちる現象を制御する方が得策である。本発明はエスカレータ内で車体が2つに折れて変形し、それにともない荷台が動くようして荷台を水平にするもので、小さな階段下の変位で荷台端部を大きく上げようとするのではなく、水平から僅かに傾いた荷台の変位で車体を大きく折れ変形させるものである。図1の昇り専用のカートの車体はエスカレータ内で水平な水平部と二つのステップにまたがる段差部からなり、水平部と段差部が回転自由な接合点Rで連結されていて、平地走行時には一直線で連結部分が接地しないように当りで下に凸の折れ変形を止めている。
図2は図1の上り専用車の当りを車輪に変えて両方の折れ変形を許し上り下り両方に使用する上下両用車で水平部が先頭とする構造である。エスカレータの段差は徐々に成長するもので出入り口付近のステップには段差がない。水平部を先頭にした上下両用車は水平部が前方の大きく成長した段差を移動する。車体の水平部は荷台の大部分を支持し荷台の水平に大きく影響を与える。
図3は段差部が先頭である上下両用車で、段差部が前方の大きな段差を移動しても水平部は段差のないステップ間を移動し荷台は水平のままで、荷台は段差部の上下動には大きく影響されない。
図4は図3のカートを車椅子に応用したもので,上りにおいて荷台が水平になるカートでは脚の置き場がなくなるので座席を後退させ座席後部を1段下のステップで支持するものである。
図5は車輪径のおおきな大径車輪を使用するカートで手漕ぎ車椅子に応用する。大径車輪はエスカレータ内で僅かな段差に反応して大きく移動し、必ずステップ角部付近にとまるので、大径車輪を使用するとカートを最終的に固定する位置にまで移動させる補助的な装置は全く要らない。しかし大径車輪の半分はステップ上になく、上りでステップ上にあった前半分は下りでステップ上にないので、座席を支えるもう1輪は大径車輪内を前後に移動する構造となる。
図6図7にその他のカートを紹介する。
次に図面について説明する
図1は上り方向に使用する空港用カートで、下り方向に使用するときは取手を先頭にして人がカートより先にエスカレータに入って下階出口でカートを引き出すことになる。上り使用時に脱出装置は最後尾に位置しカート全体をエスカレータから出した後に解除するが、下り使用時には脱出装置が先頭になるので下り出口において先頭がエンドプレートに乗り上げた瞬間に脱出装置が解除されるようにする。
(a)図は平地走行状態を示し、(b)図はエスカレータ内でのカートの状態を示す。カートがエスカレータ内に入ると、荷台を支持する車体は連結点を中心に上に凸の折れ変形をし、車体の前半分の平行部の全体は同一ステップ上にあり、後半分の段差部は2段にまたがり定着する。荷台の後ろの支点は段差部と方杖で連結され、方杖が後に傾いた状態から立ち上がる方向に回転し方杖の車体側端部の上下動も少ない。エスカレータ内への進入時に荷台後部が押し上げられ平行が保たれるように見えるが、荷台後部の僅かな落下により車体の後半分が大きく回転する現象である。この現象は荷物の重心が荷台上のどこにあっても上に上がらず下がる位置にあれば成立する。
先頭のハネテコはハネテコ底部の車輪部にステップが上昇してくれば、ハネテコは上に回転するだけでカートは動かない。すなわちカートがエスカレータ進入時に定着する位置にあればカートは動く必要はない。ステップ角部がハネテコ底部の車輪以外の部分に上昇してくると、カートは後退する。ステップ角部がハネテコ底部の先端部に近いほど移動が大きいので、途中に扇形車輪を挿入してステップ角部を先端部に送るようにしている。
(a)図は荷台の前方の支点Qを地面に近い位置にするものであるが、(c)図は荷台側の高い位置にするものである。荷台後方の支点PはSを中心に円運動するが、その際PQの距離の変化は(c)図のほうが(a)図の場合よりも大きい。しかしPQの長さは変わらないので、(c)図のほうが(a)図の場合よりQSの長さが大きくなることになる。三角形PQSにおいて底辺QSの長さの変化の大きい(c)図の方が荷台後端のP点の動きが大きく、エスカレータ内で荷台はより水平に近づくことになる。荷台の先端のQ点は、方杖に働く力のQP方向の分力によって連結点Rを中心とする円運動が可能で、PQ方向の分力は(a)図の場合円運動の半径方向に働きQ点は動きにくく、(c)図の場合は接線方向に働きQ点は動きやすい。したがって荷台の水平保持の悪い(a)図の場合の方が前輪が浮き上がるような回転が生じにくい。また折れ変形が進むに従い、平地走行状態よりも方杖が立ち上がる方向の回転をして分力QPが小さくなり、働く方向もより円運動の半径方向に向きを変えることになる。車体の折れ変形が始まると四辺形PQRS はより形の崩れない四辺形となるので、折れ変形が始まりやすいように設計する。このような理屈からカートは、カート下の平坦地から階段状への地形の変化に対しては柔軟で折れ変形し、荷台の上の荷重に対しては堅固で変形しないことになる。エスカレータ内で荷台がより水平になる(c)図の場合の方が前輪が浮き上がる回転が生じ、カートは折れ変形をせずに一直線のままで傾くだけの結果になりやすい。
以下に図1の図中に示すその他の機能について説明する。
F1 エスカレータ内で回転して車輪とゲタが接地し、後輪を宙に浮かして後輪に代わって車体後部を支持する脱出装置の回転体で、出口で車輪がエンドプレートに乗り上げることで回転し平地走行状態に戻る。
F2 F1と連結棒でつながった2輪の複車の車輪枠で、上り使用のとき最後尾となり下り使用のとき先頭となる。上りの入口で複車の後方の車輪が接地して枠の後方に回転し、F1を回転せしめ脱出装置を機能させる。下り出口においては複車の内側の車輪がエンドプレートに乗り上げ前方に回転し、F1を回転させて脱出装置を解除する。
F3 上り使用時連結部が落段したと強制移動装置として働き、上階から車体平行部を先頭にし脱出装置を後方にして下り使用するとき、下段への落下を防ぐストッパーとして働く短冊状車輪
F4 脱出装置を先頭にして下り使用する際、後輪が落段したときの強制移動装置で扇形の車輪
F5 ステップ角部がハネテコ底部の手前に乗り上げたとき、角部をハネテコ底部の先端方向へ強制移動させる扇形車輪で、ハネテコの回転中心の高さを低くすることが可能になり荷台の低床化に貢献する。
F6 複数のカートを一つに合体させて収納するとき、後から差し込まれるカートの前輪が乗り上げる台で、固定輪が宙に浮き自在輪だけが接地するようになるので、複数のカートが合体しても方向転換性能を損なわない。
F7 複数のカートを合体させて収納するとき、後から差し込まれるカートの荷台が先のカートの取手の間をくぐり抜ける時に上方に跳ね上げられる荷台。
以下に図1に用いた符号の説明をする。
(1-1)後から差し込まれるカートの前輪
(1-2)荷台に固定された綱
(1-3)荷台に固定されない網
図1の上り方向専用カートは車体の下に凸の折れ変形を当りで止めて、平地走行で連結点の接地を防ぐものであったが、図2のように連結点を車輪で支持し当りをはずせば下に凸の折れ変形も可能となり取手が後の状態で上り下り両方向に使える。
連結部車輪は連結部の接地を防ぐだけでなく、平地走行で下に凸の折れ変形を防ぎカート先端が浮き上がる状態を防ぐものである。(a)図は連結点に車輪を取り付けた場合を示し、方杖の車体側支点S より後方に荷物の重心がある時、車体前部は連結点を中心に回転し連結部論はこの回転に全く抵抗しない。(b)(c)図のように連結部輪が連結部にないとき抵抗する。
(b)は連結部が車体の平行部にあるカートで(c)は段差部にあるカートである。連結部輪と先頭輪の車間距離は(b)の場合一定で(c)の場合変化し、下に凸の折れ変形で最大になり上に凸の折れ変形で最小になる。この車間距離が長いと荷台は長くしかも水平になりやすく、短い場合荷台が短く水平になりにくい。従って荷台の水平保持の観点からすると(b)の方が良い。しかし(b)の場合や(c)の場合でも、荷台の低床化のため中央の大径車輪を極力小さく設計した場合、車輪と車輪の間にステップ角部がはまり込み、カートは定着する途中で停止する。(b)の場合中央の車輪と連結部車輪が離れているので、上り下り共に強制的にカートを移動させる装置が必要となる。
一般にステップ角部にある車輪は負荷があって車軸角部にたてた鉛直線よりステップの外にある場合下段に落下する。車輪径が大きいほど僅かな車体の傾きで落下し、落下に際して移動が大きい。(c)のカートのように3つの車輪の車間距離が短く接近し車輪径が大きい場合、ステップの角部が一つの車輪から次の車輪移るときさらに車体が傾斜するとこの車輪も落下状態なる。平行部を支持するこのような3輪は落段するとき3輪とも落段しステップ上に残るときは全てが同一ステップ上に残ることになり、一つの車輪として扱うことができる。
図2の上下両用の空港用カートは、図1の上り専用のカートより荷台が狭く水平保持も良くない。方杖を下階側にするカートは荷物の重心が先頭に移る方がエスカレータ内で荷台後部を上げやすく、前輪より先に荷台を延長しても良いことになるが、図2(c)に示すように下りで延長した荷台が先頭になる場合で荷物の重心が先頭の場合荷台後部を下げることはできない。従って上下両用のカートは、荷台を前にも後にも延長できない。また上り専用カートの場合荷台が前転して荷物を前にこぼす時、荷物のこぼれるのは上階側に限られるので前輪より前に荷台を延長することができるが、上下両用では下りにおいて荷台の前転が下階側に荷物をこぼすことなるため荷台は延長できない。
上り入口においても下り入り口においても定着に至る移動には平行部車体の傾斜が必要で、図2のように平行部を先頭にして段差部を後続するカートは、この傾斜が荷台の水平保持とは逆の車体の折れ変形であるので、荷物を下階側にこぼす危険性がある。また荷台が先頭にあって前方の成長した段差を移動するので、荷物を下階にこぼす方向に大きく回転する。(b)図に示すように上述の折れ変形を当りで止めるか、或いは(c)図に示すように僅かな段差に反応して移動し大きな段差を落段することのないようにしなければならない。
以下に図2に関してその他の機能を図中に示す。
F8 連結部輪と大径車輪との間にステップ角部が上昇してきた時連結部輪の落段後カートが停止せず移動し続けるための強制移動装置であり、車輪の全円の一部だけ残した短冊状車輪
F9 上り定着時に連結部輪と大径車輪との間にステップ角部が上昇してきた時連結部輪の落段後カートを強制的に移動させる装置のハネテコであり、大径車輪より前方にステップ角部が上昇してきた時はカートが停止せず移動し続けるため図1のハネテコのようにハネテコ底部のゲタの長さは長くない。またハネテコが上に回転した時は車体の下に凸の折れ変形を止め、ハネテコが下に降りたままの時は車体の上に凸の折れ変形を止めるように当りの出し入れし、入口での車体の逆の折れ変形を止めるものである。
F10 平行部を支持する3輪はそれぞれ地面からの高さが異なり2輪だけが接地する。下りにおいては先頭輪が落輪すれば残りの2輪も落輪し、上りにおいては連結輪が落輪すれば残りの2輪も落輪する必要があるが、下りにおいて後荷であれば先頭輪に負荷はなく落輪しない。又上りにおいては前荷であれば、連結部輪に負荷はなく落輪しない。この場合残りの2輪がステップ上に残り、折れ変形して定着する。1輪が宙に浮いた状態でも問題はないが、この下りのブレーキは、下りの車体の折れ変形が進むにつれて車体全体を後ろに戻し宙に浮いた1輪をステップ上に引き戻す
以下に図2に用いた符号の説明をする。
h1 下りの入口で上昇してくるステップ角部を通る鉛直線
h2 上りの入口で上昇してくるステップ角部を通る鉛直線
図2のように荷台が前方にあるカートは荷台の前に車輪やハネテコなどの突出したものがなく小回りしやすいが、下り入口で荷台の後部が持ち上がり危険である。図2(a) (b) (c)のカートの取っ手側を反対側に取り付け段差部を先頭にするカートは、荷台の前に前輪が飛び出していてショッピングカートなどには不向きではあるが、ほとんど直進使用しかない空港用カートや座席の前に足載せがある車椅子には利用できる。
段差2輪が先行し平行部が後続するカートは、平行部が常に段差の少ないステップ間を移動し、先行の段差2輪が大きく落段しても荷台に影響が少ない。また必ず2段にまたがって定着する段差2輪が先行するので、先頭車輪が着地すれば、大車輪及びそれに包含される車輪の3輪は全て同一ステップ上にある。また先頭輪の落段に続いて後続の大車輪を含む3車輪は全て落輪する。すなわちこの3輪は同一ステップ上にない場合、速やかに全てが落段し、図1のハネテコのような強制移動装置はいらない。
平行部が先行するカートでも段差部が先行するカートでも、上り下りの定着に至る移動時に連結部輪の落段は車体が荷台を水平に保つ方向とは逆方向に折れる。平行部が先行するカートは荷台が傾いた状態から更に傾くので階段勾配よりきつくなり、段差部が先行するカートは連結部輪の落段は僅かな段差であり水平状態から傾くので、平行部が先行するカートのように一事悪くなった荷台の傾きが後に回復するといった現象は認められない。
そもそもカートをエスカレータ内に入れる時所定の位置に置けるものではない。所定の位置への移動はエスカレータの段差が時間とともに成長するので段差に鋭敏に反応して迅速に完了しなければ大きく成長した段差を落下することになり、落下と同時に停止させることが困難になる。本発明は動力に頼らず僅かにできたステップの段差で自重による落下を促すものである。
上りの定着はハネテコによる強制移動で後退である。上り口ではカートが後退するというよりステップだけが前進しカートは停止状態あるが、カート使用者はカートの後退に逆らって前進することはできない。しかし下りの定着は自然落下に基づく前進であり、下り口ではカートは進入と同時にステップによって運ばれ前進し加速する。カート使用者はカートを押すことによって更に加速し大きな段差を落下することになりかねない。
カートは僅かな段差に敏感に反応して落段するように設計され使用者は手を放していれば勝手に定着するが、入口の段差の少ない平地に近いところでカートを落とさないようにすることができ、段差が大きく成長して耐え切れず落としてしまうようになる。また、上述のように下り口ではカートを押すことで更に加速させ定着後も止まらず大きな段差を落下することになりかねない。この点が上下両用のエスカレータカートの使用上の重要な注意点である。
次に定着時の危険について考える。下りの定着時は動慣性がついて止める事ができず更に大きな段差を落下したり、或いはカートを止めようとしてその間に段差が大きく成長して大きな段差を落下し荷物を下へ落としてしまう危険性があったが、上りの定着時はカートが後退するため後から押す人がエスカレータ内で後ろ向きに一歩後ずさりしなければならない危険性がある。
上りの定着はカートのステップ1枚分の後退に基づくものであるため、カートを押す人は一歩後退を余儀なくされる。従来のエスカレータカートはカートの傾斜によってステップ角部がカート底部の滑り面をすべり引掛部に引っ掛かって止まるものであるが、相当の傾斜がなければ滑らないのでカートがエスカレータ内に入って相当前進してからでなければ後退しない。従ってカートを押す人はカートと一段分離れている必要があり取手に手が届かない。本発明のカートは入口でカートが定着しなければ前進せずエスカレータに進入しない。但し入口で2枚以上のステップに段差の付かないエスカレータでは、ステップの後退はエスカレータ内で起きるため、押す人も段差のないステップ上ではあるが一歩後退する必要があり危険である。この点も使用上の重要な注意点である。
図3のカートの構造について説明する。平行部を支持する連結輪と後尾輪の車間距離は階段内で同一ステップ上にあって最大値を採用する。片方が蹴込みに密着した状態で他方がステップ角部にあるときの車間距離であり(a)図のように連結部輪が後尾輪より小さい時、下りの階段内で設定される。段差部の2輪の車間距離は下りの階段で設定する。車間距離をステップの踏面寸法にすると、連結輪が落段しない限り先頭輪は落段せず、先頭輪によって連結輪が落段されることはない。下りの定着は連結部輪がステップ上に残ることであり、エスカレータに進入した連結部輪位置が落段する位置にあれば落段で始まるがそれ以後落段することはない。以上のように下りの場合連結部輪はステップ上を移動するだけで落段することはない。又車間距離を階段形成時のステップ角部と角部の間の距離にすると、先頭輪の落段によって連結輪が落段されることになるがそれ以後落段することはなく、最終的には一定の位置に定着する。
(a)図は段差部が先行するカートの側面図でカート下の地形の変化を示し、上り下りの定着を説明するものである。一点鎖線L0は平地を示し、折れ線L1,L2はそれぞれ下り入口と上り入口の階段状の地形を表す。垂線h1,h2はステップ角部に立てた鉛直線で、h1より前方で大径車輪の車軸がステップ上にないことは下り時先頭輪が落段すると大径車輪は回転r1が生じ落段状態にあることを示している。またh2より後方で短冊車輪の車軸がステップ上にないことは短冊車輪に回転r2が生じ荷台を支える3輪は僅かな段差で全てが落段することを示している。
次に荷台の水平について述べる。方杖PSの車体側の支点Sが連結点Rに近いほど荷台の長さは小さくなるがエスカレータ内での荷台の水平は良くなる。方杖PSの車体側の支点S連結点Rになるとき荷台は平行部車体に固定され荷台は段差部に全く影響されなくなる。図3のカートは方杖の支点を連結部からはなして段差部に移し段差部に負荷がかかるようにして荷台後部を支持させるものですもので、水平を悪くしても荷台を広げるものである。
連結点が荷台側ではなく地面に近い位置にあって、連結点が低い場合車体の折れ変形に際して車体上部と荷台とのズレは大きく、方杖の車体側支点Sが連結点Rから離れても車体と荷台をつなぐ方杖は大きく回転し、荷台の水平を保つ。
(b)図はカートの平面図で、先頭部は自在輪の両側に固定輪が取り付けられ、両側の固定輪は平地走行で宙に浮いた状態で着地しない。下りの定着時に自在輪が反転しても両側の固定輪が着地し段差部先端の高さを維持し、方杖の車体側支点Sの高さをできるだけ高い位置にする。
先頭部の車輪に全て1つの車台に取り付けられ、平行部の車輪枠は左右両側に分離するが左右の車枠荷台が取り付けられは連結される。
以下に図3に関してその他の機能を図中に示す
F11 自在輪の運動範囲
F12 複数カートの収納時先のカートの大径車輪をすくい上げてのせるステージ
図4は介助者付き車椅子の構造図で座席の片方は方杖で他方は長穴内を移動するローラーで支持される。長穴は車体平行部に連結される複車車枠に施され後方に立ち上がる勾配をもつので、平地走行時及び下り時は方杖に働く水平分力がローラーを長穴の最下点に固定する。長穴の最下点は車体と複車車枠の連結点に位置し、下り時には複車車枠の回転によりローラーの上下はない。上り時は複車の車枠が回転し2段にまたがる。長穴の傾斜は水平になり方杖に押された座席は水平になった長穴内をローラーが動くことで、一段下のステップで座席が支えられるにもかかわらず座席後部は高度を下げず座席はより水平になる。このようにして座席を車体に低く取り付けた場合、上りのエスカレータ内で座席が水平になると足の置場がなくなるので、(c)図に示すように上りでは座席を水平にせず、方杖の回転によって座席を後退させる事により足の置場を確保する。
空港用カートのように殆どが直進のカートはおおくの車輪が接地しておおくの車輪が荷台を支持するのはむしろ好ましいことであるが、車椅子やショッピングカートの場合できるだけ車輪の数を少なくするのが望ましい。平地走行では先行の段差2輪と大車輪が接地し後続の複車には負荷されない。段差2輪に負荷されないと定着に至る移動は生まれないからである。また平地走行で段差2輪の大車輪側の車輪を宙に浮かすように固定しエスカレータ内で固定を自動的に開放するようにすれば、平地走行では普通の車椅子と同様に4つの車輪で車体を支持することになる。エスカレータ内で接地した複車の大車輪側の車輪は接地したままでもよいが脱出後に手動で引き上げる。(c)図に示すように上り出口で座席を後退したままの状態を保つと、先頭が浮き上がった状態となり脱出しやすい。又通常の平地走行で車体を足で押さえて座席を引き上げると少々の段差を昇ることができる。下りの段差については敏感に対応できるようになっているので、平地走行時の少々の段差には対応できることになる。
以下に図4に関してその他の機能を図中に示す
F13 自在輪の車枠の前方に取り付けたゲタで車体が傾斜し自在輪が反転しても車体の高さを維持し車体を支持しブレーキの機能も果たす。段差2輪の車間距離がステップの踏み面長さより小さい場合は取り付けるが、長い場合は(a)図のように先頭のキャスターにはゲタをつけず連結車輪にブレーキをかけるようにしなければ下りの定着に支障をきたす。
F14 複車の前輪は押しバネで支持され、下り時で鉛直になるため押しバネが縮み座席後部を沈めることになる。
F15 出口においてカートの前進を許して後退を阻止する装置で、渦巻き車輪を大径車輪と接触させることでブレーキをかけるもので、接触した渦巻き車輪は片方の回転が大径車輪のタイヤに食い込み、他方の回転が大径車輪から離れることからカートのブレーキのかかった車輪より前方の部分をエスカレータ外に押し出すことができる。渦巻き車輪は大径車輪と接触するだけで、F1の脱出装置の回転体のように直前の車輪を浮き上がらすものでないため、エンドプレートに乗り上げることなく引き上げられることはない。この逆転防止装置は坂道でカートが下がることがないので坂道登坂用に利用できる。また階段形とベルト形の両方のエスカレータが混在する施設ではベルト形のエスカレータ内でこの坂道用ブレーキを作動させることによりベルト形のエスカレータ内へも出入りできるようになる。
車輪半径がステップの踏面の長さと同じかそれよリ僅かに小く踏面の長さに近い場合、大径車輪の定着する位置はステップ角部近傍に限られる。大径車輪の車軸がステップ角部の鉛直線上にあるとき以外は必ず同一ステップ上を定着位置に向かって移動する。落段で始まっても以後ステップ上を移動するだけで落段することはない。
大径車輪の場合落輪する時は包含する連結部輪も落輪し、落輪せずにとどまる場合連結部輪も同一ステップ上にある。すなわち大径車輪の場合、定着に必要な移動は強制移動装置の補助の必要なく、自ら常に一定の位置にとどまることができる。
大径車輪の半分はステップ上になく、図4に示す大径車輪の両側の連結部輪は例えば下りでステップ上にある半円部にあっても、上りでステップ上にない半円部にあることになるので、図4に示したように大径車輪の両側の連結部輪で椅子を支えることはできない。
大径車輪は(b)図に示すように下りの階段では後半分、(c)図に示すように上りの階段は前半分だけがステップ上にあり、残りの半分はステップ外にある。そのため座席は大径車輪と上り下りで大径車輪内を前後に位置を変える後尾輪とで支持され座席も前後に移動する。座席は常に上階側に移動しカートは転倒しにくくなる。
図4に示したように荷台を水平にするため車体の上を下方向へ荷台を滑り降ろすことは荷物の重心を下方向へ移動させることであり、そのままの形で傾くだけの場合より転倒の危険性が生れる。そのため図4のように転倒防止のため複車をつけて一段下のステップで支持するようにする。図5は上り入口で座席を後退させずそのままの位置で座席を水平にし、足許の高さを平地走行から上げておくものである。補助的にカートの後に、車体の傾斜や折れ変形に連動して出し入れされるアウトリガーをつけて後転防止の対策を講じるとよい。
段差2輪は(b)図に示す下りの階段の角部と角部の斜めの距離で決められ、上り下りにおいて僅かな段差の落段で始まっても始まらなくても大径車輪はステップ上を移動してステップ角部で止まり更に落段することはない。
連結点の円運動を考える時円の中心と連結点を結ぶクランクが同じ回転角に対して鉛直のとき鉛直変位は少なく水平変位は大きい。又水平の時水平変位は少なく鉛直変化が大きい。従って連結点を大径車輪の最下点に設定して車体の折れ変形の際の後尾輪の移動を大きくなるようにする。後尾輪を大きくすると連結棒に尻上がりの勾配をつけることになり、座席の後側支点は更に大きく前後する。
座席前部を吊る車体側支点は同じ回転に対して水平変位が大きくなるように高い位置に定められ、下り時の座席の水平を良くする。吊り材によって座席に水平分力が加わり座席後部が浮き上がるようになるが、座席前部のゲタがステップ上に着地し、座席はステップ上に置かれた状態になって吊り材は遊んだ状態になる。カートが脱出前に平地走行状態に復帰する時、吊り材の強力な水平分力は車体を一直線に戻すことになる。平地走行と上り時の吊り材は殆ど鉛直で水平分力は発生しないので座席後部が浮き上がるようにはならない。
図6は大径車輪が先頭に位置する手こぎ車椅子で構造は図5の手こぎ車椅子の連結部輪を小さくして後尾輪を大径車輪にした構造で座席の前後を入れ替えたものである。上りでは車体は平地走行状態の形のまま、傾斜するだけで車体の折れ変形は非常にすくなく一直線のままである。したがって車体の折れ変形による荷台の水平保持は全く期待できない。上りで荷台を水平に保持するには図4のように専ら座席の下階方向への移動に頼るため重心移動により後転しやすくなる。
車椅子がエスカレータに乗り入れることができても、電車への乗降ができなくては駅構内のバリアフリーを解決したことにはならない。(d)(e)(f)図は (a)(b)(c)図の車椅子の連結車輪に、外周が渦巻き曲線の渦巻き車輪を取り付けることにより段差解消機能を追加するものである。(b)図に示す破線は渦巻き車輪と前方の段差を示す。(b)図の状態から段差部を更に回転させると(b)図でブレーキになっていた渦巻き車輪が回転し、前進しながら車体後部が持ち上がり(d)図に示すように大径車輪は段差に乗りあがる。(e)図に示すように渦巻き車輪の回転軸が接地点より前方に位置すると、渦巻き車輪には逆転防止の当りがついているので段差部を回転させる必要もなく独りで前転し、プラットホームと電車の乗降口との隙間を飛びこして乗車することになる。電車内では複車が立ち上がりよりコンパクトになって邪魔にならない。降りる場合は渦巻き車輪の逆転防止の当りをはずして(f)(e)(d)図の手順をたどればよい。
図5図6のカートは車輪が6個と少なく、大径車輪を使うことで強制移動装置を付属しなくても一定の位置にとどまるものであるが、図6のカートの先頭輪を小さくしても移動装置なしで一定の位置にとどまる。このカートは構造が単純でショッピングカートに適している。
ショッピングカートは小回りが効く必要があり上部の荷台に対して底部の車体が小さい必要があり、また荷台が高いため転倒を防がなければならない。先頭の前輪の前半分は荷台を支えないので、下りでは車体の水平部はその殆どがステップ上にあるが、上りではその殆どがステップ上になく荷台の水平保持は下りでは良く上りではよくないという結果となる。この傾向は車輪径が大きくなるほど顕著に現れる。
下り時に先頭の大径車輪が落段すると連結輪も落段する。また先頭輪は後続の連結部輪に落とされることはないので、始めに落段しない限り先頭輪は落段することはなく前部の水平2輪は常に同一ステップ上にある。
上り時には最後尾の車輪は前方の車輪によって落段されるように設計し、落段のよって前方の車輪の落段を誘うことはないように設計される。連結部輪は先頭の大径車輪に収納されるように動き、上りの定着時は3輪が必ず2段にまたがって定着する2輪と同じことになる。また連結部輪が落段するとき、大径車輪も引き摺り下ろすので上り時も前部の水平2輪は常に同一ステップ上にある。
以上のように連結点が高い位置にあり連結部輪が移動し、先頭の大径車輪と車間距離を変化させるカートは、エスカレータに定着しやすく確実にカートをエスカレータに固定することができるが、連結点が上下するので車体前部の水平部が傾斜し荷台の水平保持は悪くなる。特に上り時には車体の折れ変形が少なくそのままの形で全体が回転するだけなので、車体に取り付けた長穴は連結点からできるだけ離れた位置にして、小さな折れ変形に対して荷台後部支点のローラーが長穴内のスロープ上をできるだけ長く滑走するように設計される。
後部に取り付く脱出装置は、後側のゲタが外側に回転すれば内側の回転体が内側に回転するように連結棒で連結され、上り時には車体が傾くことによって後側のゲタが接地し前方の回転体が接地し後輪を宙に浮かして車体後部全体を支持する。また下り時には後側ゲタの背後のステップの上昇に跳ね上げられることにより外側に回転し前方の回転体を内側に回転せしめる。
脱出直前車体が水平に戻ると、回転した回転体は前方の車輪と後方の渦巻き車輪が水平の形で接地し、後輪を浮かし車体後部の全重量が負荷される。回転体は押しても前進し後方に回転することなく、渦巻き車輪は逆転防止のブレーキであるのでカートは決して後退することなくステップの流れに乗ってエスカレータ外へ運び出されることになる。また回転体の前方の車輪がエンドプレートに乗り上げ回転が止まると、回転体は後方に回転しエスカレータから脱出すると同時に平地走行状態に戻る。
以下に図7に関してその他の機能を図中に示す
F16 脱出装置の回転体は平地走行状態で水平でエスカレータ内で回転して垂直になるが、両終点において静止状態が保たれその途中はどちらの方向でも抵抗なく動く必要がある。構造的には回転体と連動する後尾のアームに取り付くベアリングを中間で折れている板バネで押さえてアームの回転運動を制御するものである。平地走行状態では板バネのベアリングに働く力の方向は円運動の接線方向でアームを終点の当たりに押さえつける。アームが外側に回転してからは、円運動の半径方向に力は働き、ベアリングの運動方向の直角方向に板バネが押すことになりアームは抵抗を受けることなく円運動する。
カートの脱出について述べる。昇り方向の上階出口では一段下がったステップから上位にあるカートを押し出さなければならず、下り方向の下階出口では一段上がったステップから下位にあるカートを押し出さなければならない。市販の車椅子やベビーカーの下位側を持ち上げてエスカレータ内に入る場合先頭のキャスター車輪は進行方向とは逆方向に向きをかえるので脱出時にキャスター車輪の反転が必要となり支障をきたす。キャスター車輪が逆向きカートは脱出時に押し出すのではなくエスカレータによって強制的に脱出されるようにして脱出してから押すようにしなければならない。
出口において同じレベルの足場からカートを押し出せるのは一瞬であり、このタイミングをはずせばカートを押し出せず止まったカートが出口をふさいでしまう。脱出装置のない既存のカートはこのように間違ったら事故につながる操作に頼っていることになる。したがってカートは何らの操作なしで勝手に脱出するようにしなければならない。出て行かないカートが出口をふさいだ状態でエスカレータが非常停止しなければ停留事故につながり、下り出口の場合ステップが立ち上がったまま押し込んでくるので、エスカレータは倒れこんで積みあがった人の群れをプレスで押しつぶすような結果となり、特に幅の狭いエスカレータは出口が完全にふさがり大事故の危険性がある。
出口の停留事故を防ぐには自動停止装置が必要で出口の停留を感知するセンサが必要である。基本的には1秒前の画像と1秒後の画像が同じであるかどうかの判定に従えばよいことになるが、画像処理の手法は難解でしかも安価ではない。また距離センサを用いれば色その他の要素によって反射が異なり誤作動を起こしやすい。ファイバー形光電センサの水平方向に投光される光軸を人や車椅子が遮光した時、センサが検知するようにすると確実な情報を採取することができる。出口停留事故の際エスカレータ内では人の流れが前進せずに後退するが、エスカレータ外から観察すると人の流れが停止状態にある。この時光電センサの光軸は1秒以上遮光される。
停留事故時1秒以上遮光するが、平常時出口で人が歩き出して前の人を追い越す場合も1秒以上遮光する。しかし腰の高さでは1秒以上遮光しても頭の位置では1秒以上遮光しない。頭の位置は場合場合によって高さが変わるので図8に示すように鉛直方向に複数個の光軸を発射し、最高位置のセンサの反応だけを採用すればよいことになる。すなわち出口において前後の水平方向ではなく同じ場所で鉛直に配置した投光センサの内、遮光されない光軸と上位に遮光された光軸がある光軸を除いてどれか1つが1秒以上遮光するとモーター回路を遮断するようにする。また全ての光軸が遮光されないとき運転は再開される。事故時に作動し平常時に作動しない安全装置となり、安価でしかも確実で信頼性の高い非常停止装置となってその効果は大きい。出口付近の手摺壁面にこのセンサを取り付けたエスカレータでなければカートの乗り入れは危険である。エスカレータにはこの自動停止装置が必要で、乗り入れするカートは自動停止装置が働いてエスカレータを止めてしまうことがないように出口で停留しないようにしなければならない。
以下に図8に用いた符号の説明をする。
Lファイバー形センサ投光側
Rファイバー形センサ受光側
B光軸
Sセンサを取りつける縦型スタンド
Aアンプユニット
Pプログラムリレー
MGモータ回路を遮断するマグネットコネクタ
Mモータ
つぎに脱出装置について述べる。本発明の脱出装置はエスカレータ内で車輪に代わって車体重量を支持するものでカートにブレーキがかかった状態でありステップをグリップした状態で、カートを決して後退させない。このことによりエスカレータはカートを載せたまま運び出すことができる。この脱出装置は平地走行には不要で脱出と同時に解除され、エンドプレートの段差を通過することで元に戻る。
図9はエスカレータ内で車体が傾くと機能する脱出装置の説明図で、カートの後輪付近の詳細図である。(a)の平地走行では脱出装置は外側に跳ね上がった状態で接地していない。エスカレータ内で車体が傾くと脱出装置は(b)に示すように後輪より後にあるので接地する。接地直後に脱出装置の車輪の接地点がアームの回転中心軸を通る鉛直線h3より内側にあればアームは自然に内側に倒れて、脱出直前には(c)に示すように脱出装置の複車は車体後部を後輪に代わって支持し、後輪を宙に浮かすことになる。その結果カートはステップの流れに乗って排出されることになる。その際脱出装置の前方の車輪はエンドプレートに乗り上げその回転が止まると外側に倒れて(a)の平地走行状態に戻る。この際アームの回転はその半径が大きな事から大きな車輪が回転した事と同じ効果をもたらす。
脱出装置後方の渦巻き曲線を外周に持つ渦巻き車輪は、アームが内側に倒れるとき半径を減少しながら前進するので、車体を持ち上げることなく抵抗なく内側に進入する。またアームが外側に戻ろうとする時半径を増加する方向に回転し、車体を持ち上げるようになりカートの後退を防ぐ。脱出装置の前方の車輪を省略し渦巻き車輪だけにすれば、車体を浮かすなどの仕事をしないので何の抵抗もなく内側に進入し、逆転防止装置でもある渦巻き車輪は車体を後退させることなくカートを排出することになる。方杖やハネテコの回転によってアームを内側に引っ張ることは、接地以後は車体を持ち上げる事であるので方杖やハネテコの回転を止める結果となり、車体の折れ変形を止めてしまう。折れ変形が初めに阻止されるとカートが傾けば傾くほど方杖も傾くので折れ変形しにくくなり、最後まで折れ変形せずに一直線のままになる。従って脱出装置を前方のハネテコや折れ変形に連動させる方法は、折れ変形を止めるもので好ましくない。回転体の回転はどこにも当たることのない空間で回転する必要があり、カートを持ち上げたりするのは折れ変形の完了後には考えられるが開始と同時期には考えられない。(a)図の点線で示すように、脱出装置の後方にゲタを設ければ車体の傾斜時にこのゲタが脱出装置より先に接地するのでアームが回転しうる空間ができ、抵抗なく内側に回転させる事ができる。
この脱出装置のアームは内側外側の両終点において静止状態にあって動かず、しかも外側の静止状態の位置から少し内側に入った位置からは、スプリングの力は内側に引き込む方向に働き弱い力で内側に回転する。内側に入ったアームは(c)図に示すように、カートを押したときでも外側に戻ることがない。一般にトグルバネは一方向に働き、終点でロック状態にして動きを止めるもので、バネは終点に近づくほど逆戻りの力を増大する。自転車のスタンドのようにバネの小さな伸び縮みで両終点の静止状態を成立させるには、強いバネが必要であり動き易さを伴わない。このようなトグルバネを使用すると、バネが強すぎてアームを内側に動かすことができない。本発明の脱出装置に仕込まれるスプリングは、平地走行状態で脱出装置を宙に浮かす力を持ちしかも弱い力で内側に動くようにするものである。坂道にある車輪は緩やかな勾配で動き出す。平地で止まった車輪も坂道を上から押さえると動き出す。図9のアームは中間のベアリングがスロープのついた押さえで押さえられて動き出すもので、スロープ両終点では静止状態にあり、付近では必ず終点に向かって円運動するものである。
脱出装置の付いた上り専用カートを下りのエスカレータに使用するとき、脱出装置が先頭になってブレーキとなり下り出口で脱出不可能となる。従って下り使用時には脱出装置を無効にするか或いは作動しても出口で解除するかを確実に実行しなければならない。図10は下り使用時に脱出装置を無効にするものである。上り使用時にはハネテコの上昇が車体の折れ変形に先行し、下り使用時には折れ変形の後にハネテコが上昇する。従ってハネテコの上昇をワイヤーで脱出装置に伝えてアームを内側に倒すようにすれば(b)に示すように下り使用時には無効になり、(c)に示すように上り使用時にだけ作動することになる。図9と同様にベアリングと押さえによるスプリング機構であるが、スプリングの支点が両方とも空間を移動し、アームの円運動に際してスプリングが緩むようになって動きやすくしている。(a)は平地走行状態で、破線で示す半円車輪は、下り便時に後輪と脱出装置の中間にステップ角部が上昇してきたときに働く送り装置で、後尾のゲタは下り定着時にステップに乗らない位置に取り付けられる。
図11は下り出口で解除される脱出装置で、(a)に示す平地状態から車体が傾くと脱出装置の後の車輪が先に接地し外側に倒れる。後ろのアームと前の回転体は連結棒とスプリングでつながれ、後のアームが後に倒れると前方の回転体は前方へ回転し、脱出直前に車体が水平に戻ると、前方の回転体が後輪に代わって車体を支持する。(b)は下り出口の状態図で、アーム先端の車輪がエンドプレートに乗り上げアームが内側に倒れると、回転体の後に回転し(a)の状態に戻る。
段差2輪を先頭にする上下両用車の後半分は、エスカレータ内でも水平であり車体は傾かない。エスカレータカートは出口で車輪の逆転がなければ脱出するので、脱出直前に車輪にブレーキをかけ直後にブレーキを解除すればよいことになる。図12は渦巻き車輪が車輪に接触するだけで接地はしない。車輪の逆転により渦巻き車輪は車輪に食い込んでいく方向に回転し、車輪の回転を止める(b)に示すように、脱出時には先頭の案内車輪がエンドプレートに乗り上げ、渦巻き車輪を上方に浮かし(a)に示す平地走行状態に戻る。
は昇り専用の空港用エスカレータカート は段差部を先頭にするエスカレータカート は上下両用の空港用エスカレータカート は介助者つき車椅子 は手こぎ車椅子 は段差解消機能をもつ手こぎ車椅子 はショッピングカート は出口のエスカレータ非常停止装置 はカート後尾のアーム形脱出装置 は下り出口で無効になる脱出装置 はカート後尾の回転体形脱出装置 は渦巻き車輪の脱出装置
符号の説明
(1)荷台 (2)平行部の車体(3)段差部の車体
(4)両端にヒンジを有する方杖 (5) 両端にヒンジを有する連結棒タイロッド
(6)案内車輪 (7)渦巻き車輪(8)自在車輪(9)大径の車輪 (10)車輪 (11) 車輪の全円から扇形に切り取られた扇形車輪
(12) 車輪の全円の一部だけ残した短冊状車輪(13)長穴を移動する車輪
(14)連結部輪 (15)吊り材(16)押さえブレーキ
(17)ゲタ(18)ベアリング (19)押え金具(20) ワイヤー
(21)兆番(22)アーム (23)引きバネ (24)押しバネ
(25)板バネ (26)渦巻きバネつきの回転軸(27)長穴(28)当り
(29)アームの回転中心(30)押さえの回転中心(31)ゴム等の緩衝材
(32)ハネテコ(33)取手 (34) 椅子(35)脱出装置の回転体
(36)複車の車輪枠(37)エスカレータのエンドプレート
(38)エスカレータの蹴込み部分(39)エスカレータの踏面部分
(40)エスカレータのステップ角部(41)地面
→ 運動の方向 ⇒ 公転の方向


Claims (3)

  1. エスカレータの上下2段のステップにまたがって固定される2つの車輪が支持する車体を前後に配置し、その中間に同一のステップ上に乗る車体が挿入され、同一のステップ上に乗り間に挿入される車体は、前の車体を支持する前後の車輪の後の車輪と後の車体を支持する前後の車輪の前の車輪とで両端が支持され、上記3つの車体が荷台を支持するエスカレータカートで、
    荷台先頭部は荷台先頭部の接続軸と前の車体の間に挿入される車体とを連結する連結軸付近の接続軸とを連結棒を介して接続し、荷台後部は荷台後部を支持する車輪が後の車体と間に挿入される車体とを連結する連結軸付近に施される長穴内を移動するようにした構造のエスカレータカートで、
    後の車体を支持する2つの車輪が水平面上にあるとき上記長穴は後に行くに従い上昇する方向に傾斜し、上記荷台後部を支持する車輪は上記長穴の最も低い位置である先端部にあって、上りのエスカレータ内で、後の車体が連結軸を中心に後尾が下がる方向に回転するとき、上記長穴は水平に近づく方向に回転し、荷台先頭部を支持する連結棒が後に倒れて荷台全体は後方に移動し、上記荷台後部を支持する車輪が上記長穴の最も後方の位置である後端部に移動し、下りのエスカレータ内で、前の車体が連結軸を中心に先頭ががる方向に回転するとき、上記長穴は後が上昇する方向に回転し、荷台先頭部を支持する連結棒が前に倒れて荷台全体は前方に移動し、上記荷台後部を支持する車輪が上記長穴の最も前方の位置である先端部に移動して荷台の水平を維持するエスカレータカートで、荷台をエスカレータの3段のステップに固定される3つの車体で支持するエスカレータカート。
  2. 前記同一のステップ上に乗り間に挿入される車体の中央を前記前の車体を支持する前後の車輪の後の車輪或いは前記後の車体を支持する前後の車輪の前の車輪より車輪径が大きな車輪で支持するようにして、間に挿入される車体を支持する車輪のいずれかが同一のステップ上にないとき、全ての車輪が下段に移動して同一のステップ上に乗るようにした請求項1記載のエスカレータカート
  3. エスカレータカートがエスカレータから脱出する直前に渦巻き車輪をエスカレータカートを支持する車輪に接触させて、エスカレータの出口において車体を押さないときでエスカレータカートがエスカレータ出口の手前で停止したとき、ステップの収納方向の流れに載せて車輪の逆転により渦巻き車輪は車輪に食い込んでいく方向に回転し、車輪の逆回転を止めてエスカレータカートをエスカレータ内から外へ排出し、
    エスカレータの出口において車体を押したとき、渦巻き形状の車輪が車輪に食い込んでいく方向と反対方向に回転し、車体の前進にブレーキがかからないようになり、
    先端に車輪を有する回転アームの先端の車輪がエンドプレートに乗り上げたとき、回転アームが渦巻き形状の車輪を車輪から離して平地走行状態に戻るようにしたエスカレータカートをエスカレータから脱出させる装置が取り付く請求項1記載のエスカレータカート
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