JP4216821B2 - エスカレータカート - Google Patents

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Description

本発明の荷物用カート或いは車椅子はエスカレータに載って上階或いは下階に移動するもので、エスカレータに一定の状態で固定されエスカレータ内でも荷台あるいは座席を水平に保つものである。
一般に車椅子やカートのエスカレータ内への乗り入れは危険とされ禁止されているが、車椅子やカートの上下移動を考えるとき、車椅子やカートが動力をつけて階段を昇り降りするよりは遥かに安全である。エスカレータカートは階段昇降車に比べて上下移動に必要な動力が不要なだけでなく、階段昇降車が階段を昇降する際、左右の両輪が同時に昇段しなければ横転するという問題についても考える必要がない。エスカレータの地形は上り口では上に凹で降り口では上に凸で、車体の途中で折れない一直線の車体は上り口では両端支持の状態であるが降り口では中央1点支持の天秤状態で飛び込みに近い移動動作を伴い危険である。中央で2つに折れる本発明のエスカレータカートはカート下の地形の変化に順応し比較的安全である。車体の途中で折れない従来のエスカレータカートは車底部にエスカレータのステップ角部に対して滑るように前後部の滑り部を設け、車体をステップ角部に支持させるもの(例えば特許文献1参照)であるが、これはエスカレータ内で車体が傾斜するため転倒する危険性があって、車長が長い割には荷台が小さく、荷台が水平になる装置がないので荷こぼれの心配があった。また上述の上階での天秤状態の問題も解決されていない。本発明はこれらの欠点を除去するもので、エスカレータ内で荷台が勝手に水平になる装置で車長を短くし、車体が中央で折れることによりエスカレータとの定着をよくするもので、構造をより簡略化して出口での停留事故をなくす脱出装置など多くの機能を1つのカートに組み込もうとするものである。
実開平6−60576
荷物用カートはエスカレータ内で荷台を水平にすることで車体の長さを短くしかつ荷こぼれ事故をなくし、操作なしで勝手にエスカレータに定着し勝手に脱出するようにすることでエスカレータ周辺の介助員や指導員を省略しようとするものである。さらには健常者のみならず車椅子利用者でさえ介護なしにエスカレータを利用できるようにして階段形のエスカレータをもっと利用できるようにするものである。
装置には動力を用いず人力だけによるものとし、軽量でしかも小さいことを特長にする。またセンサーやクラッチなどの切り換え装置がなくそれらの誤作動による事故はない。
エスカレータはエレベータと異なり、人の流れの動線に沿って設置され人の流れを連続的に大量に処理するものであるが、荷物をカートで運ぶ人やショッピングカートの買い物客や車椅子の障害者は利用できないのが現状である。空港や量販店にとってエスカレータ仕様のカートの出現は、空港や量販店の運営を改善するばかりではなく建物の設計をも改善し経済効果は大きい。また障害者にとっては単に便利なだけでなく、障害者の地域社会への参加を手助けするもので、その社会的貢献は大きい。
エスカレータにカートを乗り入れる課題について考察するにあたり、エスカレータ内でどのような現象が起きるかを観察し、どこに問題があるのかを発見しなければより的確で効果的な解決方法に結びつかない。図面の説明に先立ち、本発明のカートのエスカレータ内での基本的な動きや現象を紹介する。
図1図2は本発明の概要を紹介するもので、図1では動力なしで車体の変形に連動して荷台の水平が保たれる現象を紹介し、図2ではカートがエスカレータに定着する現象を紹介し、カートのエスカレータからの脱出を図1(e)(f)で紹介する。
説明に先立ち図1図2のエスカレータカートを紹介する。
図1(a)(b)(c)は空港用カートの例で昇り専用で、車体はエスカレータ内で水平な水平部2と二つのステップにまたがる段差部3からなり、水平部が前半分で段差部後半分で回転自由の接合点Rで連結されている、(a)図に示すように平地走行時には一直線で連結部分が接地しないように当りで下に凸の折れ変形が止められている。
(b)(c)図に示すようにエスカレータ内では中央で二つに折れて変形する。(b)図は下階上り口(c)図は上階降り口の状態図で、昇りに対しても下りに対しても、二つのステップにまたがる段差部は下位にあり、荷台の代わりに(a)図の点線で示す椅子を載せた車椅子では昇り下りに対して常に背中を上階に向けて使用することになる(d)図は(a)(b)(c)の昇り専用車が水平部を先頭にして上階から下ろされる状態図で、(e)(f)図は車体後尾に取り付く脱出装置の説明図である。
荷台の両端は片方を平行部の先端に取り付け他方を段差部と方杖を介して連結され、荷台の端部の上下動と段差部の上下動が連動する。(b)図は階昇り口で下階から上るとき状態を示すが、方杖が回転して荷台後部が持ち上げられるように見える。しかしこれは(c)図にしめす上階降り口の状態と同じで、一直線の平地走行の状態にあった車体の段差部を下げたとき荷台が僅かに下がることと同じである。このことから荷台を水平に保持するため後部を動力で持ち上げる必要はなく、荷台の水平保持は荷台の僅かな落下で車体を大きく変形させようとするものであり、動力に頼らず重力だけに頼るものであることが理解できる。
(a)(b)(c)の昇り専用車の先頭に取り付けられるハネテコは荷台の水平を改善するもので、(c)図に示すようにハネテコが後から進入する場合、定着時に悪くなった水平を回復するだけで水平が一時的でも悪くなっては意味がない。ハネテコは上り時にだけ有効で先頭でなければ意味がないのでハネテコは昇り専用車に取り付き上下両用車には取り付かない。昇り専用車は荷台が広く水平であるが、上下両用車は荷台が広く水平でなくても上下に使えればよいとするものである。
エスカレータの段差は徐々に成長するもので出入り口付近のステップには段差がない。車体の水平部は荷台の大部分を支持し荷台の水平に大きく影響する。(d)図は水平部を先頭にした上下両用車で前方の大きく成長した段差を水平部が移動する。移動の際水平部が傾斜しなければ下段には落下せず、水平部の傾斜は方杖を荷台の水平保持の方向とは逆方向に回転させ荷物を下階側にこぼすことになる。したがって上下両用車は水平部を先頭にできない。これに対し図2(a)(b)(c)にしめす上下両用車は段差部を先行させ水平部を後続させるもので、水平部は段差のないステップ間を移動し荷台は水平のままで段差部は前方の大きな段差を移動するが、荷台はその上下動には大きく影響されない。
まず本発明の特徴の一つである機能、すなわち動力をつけないエスカレータカートが勝手に水平になる機能について説明する。
従来のエスカレータカートは車体に荷台が固定されていて、エスカレータに固定されるだけで荷台を水平にする機能はついていない。したがってエスカレータ内では荷台がエスカレータの勾配に従って傾斜し、荷物の重心が下階側に移って下階側に転倒する危険性があった。そのため車体は長く荷台短くする必要があった。傾いた荷台を水平にするには荷台の沈んだ方の端を相当量持ち上げなければならないが、動力なしでは不可能である。本発明は傾いた荷台を持ち上げるのではなく水平な荷台をできるだけ沈まさないようにするものである。
エスカレータ内で車体下の地形は水平面から階段状に変化し、カート下の地形の変化が荷台を突き上げて荷台を水平にすると期待したいが、カート下の地形の変化は期待するほど大きくないのでテコなどを介して荷台後部を押し上げる方法は効果的ではない。動力なしで荷台を水平にするのであるから荷台の下がった端を持ち上げる力を捜し求めるより、車体が傾斜しても荷台の端部を極力下げないようにするのが効果的で、物体が上から下へ落ちる現象を制御する方が得策である。本発明はエスカレータ内で車体が2つに折れて変形し、それにともない荷台が動くようして荷台を水平にするもので、小さな階段下の変位で荷台端部を大きく上げようとするのではなく、水平から僅かに傾いた荷台の変位を大きく車体の折れ変形に変えるものである。
図1(b)図に示すように、カートは登り入口で荷台後部が持ち上がるようにみえるが、仮想の水平面X1,X1上にあったカートが車体後部を沈めた結果と考えても同じである。その場合、荷台の上の任意の各点は必ず高度を下げているのであたかも荷台後部が持ち上がるようにみえる現象には動力は要らない。エスカレータから脱出後折れた車体は一直線に戻り車体の上に浮き上がった荷台は下がって水平に戻る。
図1(d)図に示すように昇降両用のカートは降り入口で先頭が下がり荷台後部が沈むようにみえるが、仮想の水平面X1,X1上にあったカートが車体後部を上げた結果と考えても同じで、或いは仮想の水平面X2,X2上にあったカートが車体前部を上げた結果と考えても同じで、その場合あたかも荷台後部がさがるようにみえるが、荷台の上の任意の各点は必ず高度を上げているのでカートがエスカレータから脱出後上がった荷台は下がって水平に戻る。
上に凸の折れ変形に対して荷台に載る荷物の重心が下に動き、下に凸の折れ変形に対して荷台の重心が上にせり上がればこの現象は成立し、同時に車体が平地で一直線になる復元力を蓄える。どうしても荷台が水平にならないカートを設計しているときは上に凸の折れ変形に対して荷物の重心が上がることは無く、下に凸の折れ変形に対して荷物の重心が上がることがないときで、平地の一直線に復帰することもない。
荷物が満載のカートは荷物の重心が荷台の中央にあり問題はないが荷物が荷台の端部に置かれると水平保持にとっては不利である。荷物は集中荷重として荷台のどこに負荷されるかわからないので、上述の荷物の重心の動きは荷台の全長に亘って任意の位置で成立する必要がある。
本発明のエスカレータカートはエスカレータ内で車体が中央で2つに折れるがエスカレータの外では一直線で折れてはいけない。エスカレータ内で変形する必要がありエスカレータの外では変形してはいけない。そもそも本発明のエスカレータカートは荷台の両端と両端を支持する支点を結んでできる四辺形はたとえば図1(d)図において四辺形PQRSは平行四辺形を僅かに崩した四辺形で、変形自在であり車体下の階段状の地形変化によって変形する。しかし平地走行では荷台に上の荷重によって変形しない四辺形でなければならない。基本的には荷台を低くして四辺形の高さを短くして四辺形が変形しないようにする。
昇り方向専用のカートは下に凸の折れ変形は当たりによって阻止され平地走行で車体が一直線であり(d)図は昇降両用のカートである。昇降両用のカートは(d)図に示すように連結点Rに当たりはなく連結点Rは車輪Bによって支持される。当たりがなく連結点を車輪で支持するカートは負荷の状態によっては平地走行で折れ変形を呈する場合があり平地では走らなくなる。平地では走らなくなることは平地状態ですでに折れ変形しており、エスカレータ内でも変形したままで脱出後も平地走行しないことを意味しており、平地で折れ変形もせずに平地走行が可能なカートはエスカレータ内で変形し脱出後も平地復帰することを意味する。
設計にあたり荷台はできるだけ広く水平でありたいが限度を超えると上述の四辺形は崩れて荷台は平地で折れて一直線ではなくなる。当たりをつけたカートはエスカレータ内で変形しなくても平地走行する場合があるので、設計時に当たりをはずして平地で折れ変形しないことを確かめる必要がある。荷台の長さと荷台の水平について図6で説明する。
一点鎖線で示す円弧は連結点Rを中心とする円の一部で、この円弧のレールSを段差部に取り付け、荷台端部に取り付けた車輪Pがレールを移動するものと想像すると車輪は平地時にレール上の点C((c)図)にあるが下り時に点にB((b)図)昇り時に点 Aに移動する。この際荷台と車体の平行部は全く動かず段差部だけが動いている。連結部と荷台端部を方杖で繋いだ状態を想像すると、荷台と車体それを固定する方杖は全く動かず段差部だけが動いている。段差部の動きは荷台に全く影響しない。ここで方杖の支点を連結部からはなして段差部に移すと荷台は広くなるが水平は悪くなる。荷台を長くすれば水平は悪くなり、水平を良くすれば荷台は短くなる。
図6は荷台端部に取り付けた車輪Pが想像のレール上ではなくこの緩めたスロープ上を移動する様子を図示するものである。スロープの設計に当たり荷台端部を持ち上げようとして一点鎖線で示す円弧Sより外のスロープを設計したり、方杖の設計に当たり方杖を長くしたり立ち上がりの勾配を緩くして荷台を広げようとして車輪Pが一点鎖線で示す円弧Sより外の軌道を動くように設計したりすることは、荷台端部の車輪Pに集中荷重が働くとするとき集中荷重が下から上へ動くことになる。このような設計を試みることは物が下から上へ落ちることを確かめるようなもので無駄な努力である。また車輪Pが一点鎖線で示す円弧Sより内の軌道を動くように設計したとしても、平地にて車体が一直線を保てない場合があり、変形が自在の車体は車体下の階段状の地形変化によって変形するが荷台に上の荷重によって変形しないという相矛盾する2つの要素を満足するようにして設計しなければならない。
方杖を採用する場合(b)図に示すように荷台端部に働く水平分力によりモーメントが発生し、平行部は先頭が浮き上がる方向に連結結点を中心の回転を引き起こす。図6のカート連結点が地面側で荷台側が開閉するカートで、逆に連結点が荷台側にあり、地面側が開閉するカートでは、この回転が逆になり連結点が浮き上がる折れ変形が生じる。この回転モーメントを小さくして折れ変形せずに平地走行するように設計すれば、カートは階段内で勝手に荷台が水平になり脱出後勝手に車体が一直線に戻る。これに対して機能しないカートは平地走行できない。図6のように車輪を採用する場合荷台端部に働く力のうち垂直分力は段差部に支持され水平分力はスロープの勾配を円弧より緩めることにより軽減できる。また方杖を採用する場合荷台端部に働く力のうち水平分力は方杖の勾配を緩めることにより軽減できる。
平行部の2輪の車間距離が水平を保つ荷台の全長に関係するので、車間距離をできるだけ大きくするため最終的に安定する位置から少しはずれると脱輪する。平行部の2輪は同一ステップ上にある必要があり平行2輪が同一ステップ上にあるようにすることが定着の目的である。2輪のうちいずれかが脱輪すると2輪とも速やかに下段に落下させることが定着の目的である。
つぎに本発明のカートがエスカレータ内に進入したときいかなる位置にあっても最終的には必ず一定の位置に安定して定着する機構について説明する。ここで最終的に安定して定着する一定の状態とは平行部が同一ステップ上にあって2段にまたがらない状態で荷台が水平になる状態である。
そもそもカートをエスカレータ内に入れる時所定の位置に置けるものではない。所定の位置への移動は図1の上り専用車のハネテコのようにカートを強制的に動かす場合以外は専ら自重だけにたよる落下である。上り口においても下り口においてもカートの定着にいたる移動は下段への落下である。上り口では後退であり下り口では前進である。上り口ではカートが後退するというよりステップだけが前進しカートは停止状態あるが、下り口ではカートを進入と同時にステップによって運ばれ前進によって更に加速され大きな段差を落下する。
所定の位置への移動はエスカレータの段差が時間とともに成長するので段差に鋭敏に反応して迅速に完了しなければ大きく成長した段差を落下することになり、落下と同時に停止させることが困難になる。本発明は動力に頼らず僅かにできたステップの段差で自重による落下を促すものである。
そもそも階段内にある車輪は車体が傾いても、接地するステップが水平なので回転することはなくむしろ下段へ落とすことが困難である。車輪の回転軸が接地点と同一鉛直線上でなくなることで車輪は回転し階段内のカートを落下させることができる。車輪が動くときは車輪がステップ角部にあるときでステップ踏面上にあるときは動かない。エスカレータ内のカートは押したりしない限り勝手に落輪することはなく、実際は動かないようにするより動かして下段に落とす方が難しい。したがって従来の荷台の水平を考えないカートでは何の工夫も要らない。
上述のように階段内にある車輪は水平のステップ面上にあれば転がることはなく、車軸がステップ角部を通る鉛直線からステップ面外にあれば車輪は回転し車体は下段方向に落下するので車輪半径がステップ踏面長さ以上のとき大きな車輪径の車輪はステップ面にとどまることなく落下しつづける。車輪半径がステップ踏面長さのとき車輪のとどまる位置はステップ角部にかぎられる。手漕ぎ車椅子の場合、大径車輪は小さな段差でも移動し移動したステップから動かないので手漕ぎ車椅子は進入と同時に定着にいたる移動は終わってしまう。
車輪半径が小さいときステップ面上のどにでもとどまり車輪のとどまる位置は一定しない。平行部を支持する2輪は2段にまたがって傾斜する場合があり同一ステップ上にあるとは限らない。
図2(d)(e)は図2(b)の平行部に取り付く装置で、中央の大きな車輪Mの両側に小さな2つの車輪LNがあり、先端の車輪Lは荷台先頭部を支持する先頭部車輪で、後側の車輪Nは車体の前半分と後半分を連結する連結部を支持する連結部車輪である。固定車輪が3つ連なっても両側の車輪を浮かせば接地輪は2つであり車間距離が短ければ平地での方向転換性能を悪くしない。
(d)図に示すように、連結部輪Nだけが乗らない場合前方のハネテコだけで車体全体を後退させ、(e)図に示すように先頭部輪だけが残る場合、破線で示す大径車輪D1の一部分の車輪E1が僅かに回転するだけで車体は水平から大きく傾くまでもなく後退する。
(f)図は図2(b)の平行部に取り付く装置で、2つの車輪LN間に複数個の大径車輪D1,D2,D3を並べると、ステップ角部がD1の底に当たるとD1の僅かな回転でステップの角部をD2の底に送ることができ、さらにD3さらには車輪Nにステップの角部を送ることができる。(f)図は大径車輪D1,D2,D3の代わりに大径車輪D1,D2,D3の一部である短冊状E1,E2,E3を吊って並べるもので、カートの低床化に役立つ。
図2(c)のカートは連結部輪が車体前半分ではなく後半分の車体に取り付けられ、下段へ落下移動の始動時に車体前半分が前傾して連結部輪Nは大径車輪Mの中に収納され1つの車輪として動く。図2(d)(e)(f)のように大小両輪の間に短冊状の車輪の必要はない。また連結部輪は下段へ落下後に大径車輪を押し出すように大径車輪の外に出てくるので段差が成長する前に移動は完了する。
複数個の大径車輪を並べて落下を促す移動を図3に後述し、ハネテコのよる強制移動を図4に後述し、これらの移動装置を取り付けないカートの移動を図5に後述する。
つぎにカートのエスカレータからの脱出について述べる。昇り方向の上階出口では一段下がったステップから上位にあるカートを押し出さなければならず、下り方向の下階出口では一段上がったステップから下位にあるカートを押し出さなければならない。
キャスター車輪が先頭のカートは下り出口においてキャスター車輪がエスカレータ内で進行方向とは逆方向に向きをかえるので脱出時にキャスター車輪の反転が必要となり支障をきたす。この逆向き使用車は脱出時にカートを押し出すのではなくエスカレータによって強制的に脱出されるようにして脱出してからカートを押すようにしなければならない。
出口において同じレベルの足場からカートを押し出せるのは一瞬であり、このタイミングをはずせばカートを押し出せず止まったカートが出口をふさいでしまう。脱出装置のない既存のカートは間違ったら事故につながるこのような操作に頼っていることになる。したがってカートは何らの操作なしで勝手に脱出するようにしなければならない。
出て行かないカートが出口をふさいだ状態でエスカレータが非常停止しなければ停留事故につながり、下り出口の場合ステップが立ち上がったまま押し込んでくるので、エスカレータは倒れこんで積みあがった人の群れをプレスで押しつぶすような結果となり、特に幅の狭いエスカレータは出口が完全にふさがり大事故の危険性がある。
出口の停留事故を防ぐには、出口のステップ上を通過する物体或いは人が静止状態になったときセンサーが感知し、非常停止する自動停止装置が必要で、本発明のカートは出口でエンドプレートの段差を乗り越えず、停留し自動停止装置が働いてエスカレータを止めてしまうことがないようにしなければならない。
本発明の脱出装置はエスカレータ内で車輪に代わって車体重量を支持するものでカートにブレーキがかかった状態でありステップをグリップした状態で、カートを決して後退させない。この脱出装置は平地走行には不要で脱出と同時に解除され、エンドプレートの段差を通過することで元に戻る。
図1(e)(f)図は後尾の自動脱出装置の詳細図で先端に渦巻き車輪が取り付いたアームは車体の後半分の傾斜により回転し、上りでは(b)図に示すようにアームがステップに押さえつけられて、下りでは(d)図に示すように後部の蹴込みの上昇により押し込まれて車体の外側から内側へ倒され後輪に代わって車体を支持する。図2(a)(b)(c)に示すように車体の後半分が傾斜しないカートの場合、昇りでは図2(b)図に示すように車体の前半分の傾斜やハネテコに連動して回転し車体の外側から内側へ倒される。(e)図は進入時にアームが回転して車体の外側から内側へ倒される一連の動きを示すもので(f)図は脱出時にエンディングプレートにアームが跳ね返される一連の動きを示すものである。
(e)図において、アームの回転は車体の折れ変形の完了前に完了し渦巻き車輪はその半径を減少する方向に回転するので渦巻き車輪が接地してもアームの回転は止められない。いったん外側から内側へ倒されたアームは後戻りすることはない。後戻りすると渦巻き車輪がその半径を増加する方向に回転するからである。接地した渦巻き車輪は車体の進行に対しては無効で車体の後退に対しては渦巻き車輪がその半径を増加する方向に回転するのでブレーキとして働き車体が浮きあがらす結果になる。この状態は少し押すだけで容易に脱出する状態である。渦巻き車輪の前方の後輪が脱出時にエンディングプレートに乗り上げると後続の渦巻き車輪の下に空間ができアームはスプリングによって跳ね返される平地走行状態にもどる。また(f)図に示すように渦巻き車輪がエンディングプレートの前で止まると、渦巻き車輪はステップの収納方向の流れに載って車体を浮きあがらせる方向に回転するのでカートは脱出する。したがってカートが脱出できずにエスカレータ内部に残留することはない。
車体の後半分の傾斜だけで始動する脱出装置を図10図11に後述し、車体の後半分が傾斜しないカートで強制的に後尾を浮かす脱出装置を図 8に図示し、出口で押すと同時に車輪に逆転防止が働く脱出装置図12に後述する。
以下に図面について詳述する。
図1(a)は登り専用車の平地走行状態。(b)図は昇り方向進入時に先頭の車輪が蹴込みに密着して定着した状態。このとき連結部と最後尾が接地し最後尾は車輪にかわって車体を支持するのでカートは動かない。進入時に先頭の車輪が蹴込みに密着した状態である場合は前方のハネテコは無効に働き、密着しない場合は前方のハネテコは車体を後退せしめて先頭の車輪が下段に落ちた瞬間に蹴込みに密着した状態で定着する。先頭の車輪は比較的大きな落差のついた下段に落ちるが、その瞬間の衝撃はハネテコが荷台を前方に引き寄せ荷台後部をクサビ効果で持ち上げる仕事をするので緩和される。
エスカレータの形状は上階出入口では上に凸であり、カートは中央一点支持の状態となるが、カートが中央で折れて上に凸になる変形はカート自体の自重による落下意外になにものではない。また下階出入口は上に凹の形状でカートは両端支持の状態で、カートの外側のステップの上下動を荷台の水平保持に外力として取り入れることができる。このことは上りのカートについては入口で余分に端部を持ち上げることができ、下りのカートについては上階入口で余分に落とした端部を下階出口で持ち上げることができることを意味している。
(c)図は昇り専用カートを上階降り口から下階に降ろす様子を示すもので、専ら自重による落下という自然現象にまかせて滑走する様子を示す。(d)図の昇降両用のカートでも上階降り口で自重による落下という自然現象にまかせて下のステップに移動し定着するが、この自重による落下は車体の前半分の前傾にもとづく移動で、しかも方杖が荷台後部を押し上げ水平保持とは逆の方向に働くので、荷台が前傾し荷物が荷台の上を滑って先端に移動しカート全体が前転する事故につながる。これを防ぐために前テコを前傾させアウトリガーとして働かせる。
上述の方杖の逆効果は方杖をうしろに配備するとき上階降り口でも下階昇り口でも段差を移動する時に認められるが、(c)図に示すように方杖を前に配備するとき方杖は荷台を水平に保つ方向に回転し上述の方杖の逆効果は認められない。このときカートは荷台を水平に保ちながら下段に落下する。図2は図1の逆向き使用車で方杖を先頭に配備するカートであり、上下両用車は方杖を先頭に配備するカートでなければならない。
(d)図はショッピングカートの例で、荷台支柱の鉛直保持が要求されかごの中の荷物の重心をカートの中央に持っていく必要がある。かごは2つの円弧の長穴に吊った状態で取り付けられ左右に傾くことができ、荷物の重心は常にIJの間にあって支柱を倒すことはない。
図2は介護者がエスカレータに押し込んで入れる昇降両用の車椅子で方杖が先頭側になる。(a)図は平地走行状態。(b)図は下階の上り入り口(c)図は上階の下がり口の状態図である。エスカレータは入り口において、はじめのステップ2枚には段差がなくそれより先のステップに徐々に段差ができ、階段が形成されるのはそれより前方である。車椅子の定着にいたる移動の際つねに先頭のキャスター輪は大きな段差を落下し、後続の固定輪は段差の少ないステップ間を移動するだけで、足載せ部の上下動が大きくても座席の動きは少ない。
キャスター輪を先頭にしたカートは出口においてキャスター輪がエンドプレートにつまずき脱出しにくい難点があるが(a)図に示すように渦巻き車輪を後輪や地面に接触させるだけで容易にキャスター輪を押し出すことができる。渦巻き車輪を後輪に接触させる逆転防止装置は押した方向は動き戻ることはないので坂道用の自動ブレーキでもある。
下り時の移動は上り時のようにテコによる強制的な移動に頼れず、専ら自重による自然な落下に頼らざるを得ない。しかも僅かな段差に敏感に反応して段差が大きくなる前に、すばやく全車輪の移動を完了しなければならない。(d)(e)(f)にしめす車輪は車輪と車輪の間を大径車輪の円弧の一部を有する短冊状の車輪を埋めた構造の集合体で、これらは一つの固定輪として動き、複数の車輪からなる固定輪が全部一つ残らず下段へ落下する運動を示す。
図3は請求項2を説明するもので、図2(f)で説明した複数の車輪からなるすべり面を詳細に説明するものである。
図3(a)(b)(c)それぞれは車体が傾斜して落下する一連の動きを車体が動かず地面が動くようにして1つの図に表現するものである。ここで複数の車輪は共通の接線をもち車体を支持する。
車体が滑走するためには車輪がステップ踏面に乗らずに角部に乗る必要があり、複数の車輪のうちいずれかの車輪がステップ面上に着地すれば車体の移動は停止する。いずれかの車輪が角部に乗りその車輪が車体を支持しているようにするには平行部が傾斜する必要があり、車体の折れ変形で平行部が水平になってしまう定着位置に近い位置は始動しにくく、大きくはずれた位置では始動しやすい。このため進入直後のカートの位置が最終的に安定して定着する位置を僅かにはずれた位置では、ハネテコなどの強制移動装置の助けが要る。
Ooは円d0の中心、W0は円d0でしめした車輪、O1,O2,O3,O4は円d1,d2,d3,d4の中心、r1,r2,r3,r4は円d1,d2,d3,d4の円の一部の円弧であり、W1,W2,W3,W4は円弧r1,r2,r3,r4で示した扇方車輪、h0は水平面、h1は円d0とd1,d2,d3,d4の共通の接線でh0とθ1だけ回転した水平面を示し、等間隔に配置された複数の車輪が連鎖して落下する様子を表すもので、車体が傾斜して落下し続ける一連の動きを車体が動かず地面が動くように表現するものである。
(a)図は扇方車輪W4,W3,W2,W1,が連鎖して落下したあと車輪W0が最後に落ちる様子をしめす。ステップ上にある車輪が転がるには、車軸がステップ角部に立てた鉛直線より外すなわちステップ面上の外にあって、ステップから転がり落ちる場合で車体が傾く必要がある。車体が水平からθ1だけ傾斜すると車輪W0とW1,W2,W3,W4が接地する様子を表現する。さらにuo,u1,u2,u3はd0とd1,d2,d3のそれぞれ接線でh0とθ2だけ回転した水平面を示し,さらに車体がθ1からθ2だけ傾斜すると全車輪がステップ踏面に乗った状態からW4だけがステップ角部に乗り、車輪W4はその中心O4がステップ角部を通る鉛直線の外にあるので落下し、ステップ角部はW4の円弧r4上からW3の円弧r3上に移動する。v0,v1,v2,v3はuo,u1,u2,u3に立てた垂線で車輪W0とW1,W2,W3,の中心を通る。θ2からさらに車体が傾斜すると車輪W3,W2,W1,W0はその中心O3, O2, O1,O0がステップ角部を通る鉛直線の外にあるので次々と落下する。→はステップ角部の軌跡を図示し、P4からP0まで移動して車輪W0の脱輪に至る。車輪W1を省略すると車輪W0はステップの踏面上で回転せず車体が水平に対してθ2からθ3まで回転しないとW0の回転はない。車輪W0がステップ面上にあるとき車体の移動は停止するが、さらに車体がθ2からθ3だけ傾斜すると車輪W0は水平面h3上に移って落下する。
(b)図は車輪W0が最初に落ちて扇方車輪W1,W2,W3,W4,が連鎖して落下する様子をしめす。車軸がステップ角部P1,P2,P3,P4を通る鉛直線V1,V2,V3,V4上にあるかステップ面外にあれば車輪は回転し車体は下段方向に落下する。水平面u1,u2,u3は水平面h0と角度θ2だけ回転し、車体がh0の水平面からθ2だけ回転すれば車輪は回転し車体は移動し続ける。車体の移動が継続する角θ2は扇形車輪の間隔が狭いほどまた扇形車輪の半径が大きいほど小さくなる。
(c)図は半径が大きくなる車輪を等間隔に配置した場合を示すもので、車体が移動を継続する角度に傾斜すると、車輪径が大きくなるに従い角部P3,P2,P1を通る鉛直線v3,v2,v1と車軸O3,O2,O1との距離は大きくなり、車輪W3,W2,W1は車輪径が大きくなるに従い回転し易くなる。
従って(a)図において扇形車輪W4,W3,W2,W1の車輪径を次第に大きくすると、動き出せばより動きやすくなり、W0の落下に至るまで車体は途中で止まることはない。
各車輪が全円であれば車体の傾斜時に必ずステップ角部に接地するが、車体の滑走に必要な各車輪の回転量は微量で全円の一部の弧を持つ短冊状の車輪で用は足りる。しかもこの円弧状の接地した点以外の点は無用である。各車輪が全円でなく1/4円更には短冊状の車輪でことは足りる。短冊状の車輪のとき、車体の傾斜時に振り子のように動き鉛直になるが斜面に立てた垂線上に接地点と車軸が含まれる必要がある。短冊状の車輪を並べるとき傾斜時に動かないように車輪の回転軸を渦巻きバネで固定して僅かな回転を許すようにすれば、滑り面に設けられる滑走装置はコンパクトになる。
図4は請求項3を説明するもので、図4のカートの先頭に取り付けられるハネテコは強制移動装置で、ハネテコの車輪部分が前方の上昇するステップ面に乗る時車輪がステップ面上を滑走するだけで(実線で階段地形S1)カートは動かない。ハネテコの緩衝材部分がステップ角部に乗り上げる場合、ステップの上昇によりカートは後退する(破線で示すS2)。ハネテコが上昇するステップに当たらない場合(S3)、平行部の車体下に並べられた扇形車輪が次々とステップ角部の上を滑ってカートは後退する(請求項2)。この扇形車輪による移動はカートの傾斜が必要で、カートが傾斜しない時の強制移動はハネテコで実行される。
カートがエスカレータに定着されるとハネテコは必ず前方のステップ上にもち上げられた状態にあり、このハネテコの回転は荷台をより水平にする仕事をして、強制移動で下段に落下するショックを和らげる。(a)図では荷台を前方に引き寄せ、(b)図では方杖の車体側支点を上げながら後に送って車体後部を支持する方杖の回転量を増加させる。
荷台前部のカゴは回転し(b)図ではカゴの中にいれた荷物が下の荷物を押さえて動かないようにしている。また取手には、図12に後述する手を放すと押さえる力なしでカートが動かなくなるブレーキがついている。また後尾に脱出装置を付けている。
図5(a)は請求項4のカートの説明図で、大中小の各車輪径について必ず2輪のうち1輪が脱輪して同一ステップに載ることのない車間距離(L大,L中,L小)を実線で示す。車輪径が小さくなるほど車間距離は長く、したがってカート全長は長くそれだけ荷台も長くなる。
破線はそれぞれの車輪径について脱輪直後の階段の状態を示し、車輪径が大きくなると上位に残った車輪が落ちるまでの移動距離は小さく、上位の車輪は角部付近で停止するがその他の位置ではすべて落下する。この2段にまたがって定着し車輪径が最大の段差2輪を先行させると、後続の平行2輪の連結部輪は角部付近で停止し平行2輪の車間距離を最大に設計することができる。車輪径が小さくなると落下直後から次の落下までの移動距離が長く、定着する位置は任意で一定しない。(b) (c)図は落下直後を実線で、移動して次の落下する直前を破線で示し、(b) 図はカートの下り(c)頭は上りの状態図である。最後尾の車輪径を大きくして、下りでは連結部車輪を角部まで押し出し昇りでは連結部車輪が蹴込みに密着しない場合は落下するまで移動させるようにすると、後続の水平部の車間距離は大きくなる。
図6は平地走行で連結部車輪を宙に浮かす請求項4のカートで、図5で説明したように必ず2段にまたがる2輪でしかも車輪径が最大なものはステップの角部を捕らえて動かないのでこれを連結部に取り付けてカートの定着を完成させるものである。またこの段差2輪は (a)図に示すように昇り時に平地走行時のカートを一直線に保つ当たりを、跳ね上げで解除する役目をも兼用している。連結部に取り付けられる車輪径の大きな段差2輪は、小さな車輪と片方の回転が当たりで止められる扇型車輪で代用され、(c)図に示すようにこの車輪は段差部車体に取り付けた当りにより平地走行で設置しないように設計される。
車間距離を大きくとる平行2輪は定着位置を僅かに過ぎると脱輪する。カートの定着において上位の車輪は車輪が落下した位置が定着位置で落下しない位置は全て落とされるが、下位の車輪は乗ったステップ上を移動するだけで決して落とされることは無い。上位の車輪は早く落として蹴込みと密着させることが要求され、下位の車輪は乗った位置から移動して蹴込みから早く遠ざける必要がある。
図7は車輪径を大きくしてこの移動距離を小さくするものである。
図7は図5で説明した最後尾に大径の車輪を採用した請求項4のカートで車椅子に利用するものである。車椅子の場合人が座る位置が一定しており座席の重心の範囲は平行部車体上の範囲内にあり、荷台を少しでも広くするため荷台端部を段差部で支持する必要はなく、平行部で支持すれば座席の水平は保たれる。
大径車輪を使用するとき上りでは大径車輪の半分がステップ上に乗り下りでは大径車輪の全部がステップ上に乗るので連結部との車間距離は下りでは短く昇りでは長くなる必要がありまた車椅子の場合にはエスカレータ内で座席が上階側に移動する方が安心感を与えるので座席は平行部の上を移動する必要がある。また平地走行時には座席の荷重が大径車輪にかからなければ走らないし、昇りでは足許を上げなければ足を置く場所がないことになる。このため座席後部をアウトリガーなどで後のステップで支持させる必要がある。
座席後部に取り付けた2段にまたがる2輪を持つ回転体は、後のステップの上昇が遅れて始まるのでエスカレータに進入した直後から脱出まで終始にわたり荷台後部の荷重を受けエスカレータ内ではカートは座席の前半分を支持し後尾のアウトリガーは座席の後半分を支持することになる。
図1で示した昇り専用車は車体の折れ変形が上に凸に限られるため、下に凸の折れ変形を当りで止めて平地走行では車体は一直線になり、連結部を接地せずに端の車輪で車体を支持することができた。上下両用車では両方向に車体の折れ変形が可能でなければならないために、連結部を車輪で支持しなければならない。複数の車輪で車体を支持する場合2個の固定輪以外はキャスター輪でなければ方向転換が難しい。このようなことから連結部を支持する車輪は平地で浮かす必要がある。
図8は請求項5のカートであり図5で説明した請求項4のカートの実施例で(a)図は昇り(b)図は下りの状態を示し、昇りにおいて進入直後に最後尾の車輪が後進して落下した後、先頭車輪も落下するように設計すれば段差2輪が2段にまたがるので連結部輪も後尾輪と同一ステップ上にあることになる。(b)図は下りの状態を示し先頭の段差2輪が落下し2段にまたがり定着した直後に後尾輪も落下していれば先頭の段差2輪がいかなる位置でも後尾輪が連結部輪と同一ステップ上にあることになる。
車間距離のある固定輪が2輪ならぶと方向転換性能が悪く(c)図に示すように平地走行で中間連結部輪を浮かす必要がある。荷台端部のスロープのついた長穴内を移動する車輪は平地走行状態でスロープ途中の踊り場にあってスロープを下ることも昇ることもないので平地走行で中間連結部輪を浮かすことができる。しかし平地走行で上に凸の折れ変形を呈することは、下りからの脱出後に一直線に上りにくい事を意味し、荷台の長さ方向の使用範囲に制限が加えられる。
図9は請求項6の機構を説明するもので、平地走行で連結部17を浮かすために下に凸の折れ変形(図中矢印⇒イ方向)を止めて、下に凸の折れ変形が必要な昇り時に当り7bをはずし(図中矢印→ニ方向)出口で再投入する(図中矢印→ホ方向)様子を図示するものである。(a)図はステップの上昇を直接当り7bの上昇に伝えるもので、(b)図は車体の傾斜による回転を後尾でとらえて当りをはずす方法を示している。(c)図は出口で連結部輪17がエンドプレート36の段差に乗り上げると、車体2,3は僅かに上に凸の折れ変形(図中矢印⇒ロ方向)を呈し当り7bが再投入される(図中矢印→ホ方向)様子を示すもので、連結部輪17が出口のエンドプレート36に乗り上げその上昇(図中矢印⇒ハ方向)が微量でも、その連結点から遠い位置にある当りの投入部12の水平方向の変位は大きく当り7bを確実に投入するに十分である。

図10と図11は請求項7のカートの脱出装置を説明するもので、(a)図は平地走行時に脱出装置の回転体が水平にある状態をしめし、(b)図は車体が傾斜して車体の後尾とステップとの距離が狭まり回転体が平地の水平状態から直立状態に回転してゲタ面を下に向ける状態をしめす。この回転は脱出するまで戻ることはなく、(c)図は出口付近で上昇する後方のステップがゲタを押し上げ後輪を浮かす状態をしめし、ゲタが後輪に代わって荷台の後部の荷重を支持する様子を示す。このゲタの直立状態は脱出まで押しても倒れることはなく、カートはステップの流れに乗って脱出する。後輪がエンドプレートに乗り上げると車体全体が浮き上がりゲタも浮き上がり、ゲタの下に回転して水平状態に戻る空間ができる。図10ではゲタがエンドプレートに当り図11では当りがエンドプレートに乗り上げることで当りがはずれて回転体は回転しエンドプレートを通過するまでに平地の水平状態に復帰する。
車体の傾斜によって作動する脱出装置を取り付けるのは段差部が後から進入する昇り専用車で平行部が後方のカートには取り付けられない。昇り専用車を空車の状態でも下階に下ろすとき、この脱出装置が先頭になり脱出時にはずれる必要がある。(c)図に示すように両方向から脱出装置は解除される必要がある。図10(d )図は脱出装置を後ろにした状態で昇り専用車を下りに使用した場合に後方のステップの上昇で回転体が回転する状態を示すものである。
平行部が後から進入する上下両用車は図8に示すように、昇りでは車体の折れ変形下りでは後方のステップの上昇により回転体を回転させるもので、回転に際して車体後部を持ち上げるため相応の力が必要となる。
図8に示す最後尾に取り付ける脱出装置は請求項7の脱出装置で、(a)図に示すように上り口では車体の折れ変形に連動して、(b)図に示すように下りにおいては後続のステップの上昇に跳ね上げられてゲタが回転し車体後部を持ち上げ、(c)図に示すように後輪がエンドプレートに乗り上げるとゲタがステップから離れて回転する。
図12は請求項8を説明するもので(a)(b)(c)は手を放すとカートを動かない状態にするブレーキで(a)は押したり引いたりしている走行時の状態でブレーキは引き上げられ車輪とは接触しない。(b)図に示すように手を放した直後にブレーキが車輪と接触し、(c)図に示すように車輪の回転により回転しタイヤに食い込んでいく。
通常ブレーキは押さえる力に比例する摩擦力を利用するが、本発明のブレーキは接触するだけで押さえる力は全くいらない。制動する力は車輪の回転が増すごとに増し、ブレーキの回転軸にはブレーキを押し上げる力が働きブレーキの回転は止まる。図4はこのブレーキを車輪ではなく地面に接触させるものでカートが動こうとするときカートが持ち上げられるようになるのでカートは動かないことになる。
カートがエスカレータの出口から脱出せずに停留するとき、車輪は前進方向とは逆の方向に回転している。この逆転を止めれば車輪はステップに乗ったまま送り出される。(d)(e)(f)は図7に示すような最後尾の車輪が大きなカートに取り付けられる逆転防止装置で、(e)図は手を放したときに(a)(b)(c)で説明したブレーキがタイヤに接触する状態で、(f)図はそのブレーキが働いた状態で、(d)図は取手を押したり引いたりした時そのブレーキがはずれた状態を示し、更に押し込んだとき先端の渦巻き車輪がタイヤに接触し、渦巻き車輪の半径が回転とともに増大しタイヤに食い込んでいく状態を示す。
は本発明の概要を昇り専用車で説明する概要案内図 は本発明の概要を昇降両用車で説明する概要案内図 は請求項2の説明図、 は請求項3の説明図 は請求項4の説明図 は請求項4の実施例の説明図 は車椅子への応用例の説明図 は請求項5の説明図 は請求項6の説明図 は請求項7の当りのない装置の説明図 は請求項7の当りのある装置の説明図 は請求項8の説明図
符号の説明
(1)荷台 (2)水平部の車体(3)段差部の車体(4)長穴
(5) 長穴内を移動する車輪(6)両端にヒンジを有する方杖
(7)ガイドローラー(8)両端にヒンジを有する連結棒タイロッド
(9)スロープ (10)ハネテコ(11)ゲタ (12)当り(13)ゴム等の緩衝材
(14)渦巻き車輪(15)キャスター車輪(16)大径の車輪
(17)連結部輪(18)車輪 (19)半円車輪(20) 取手(21)踊り場
(22)キャスター車輪の取付け枠に付された半球形のゲタ
(23)カゴ (24)椅子(25)円弧の長穴 (26)アーム
(27)引きバネ(28) 押しバネ(29)渦巻きバネ
(30)渦巻き車輪と同軸の車輪(31)ワイヤー(32)地面
(33)エスカレータの蹴込み部分(34)エスカレータの踏面部分
(35)エスカレータのステップ角部(36)エスカレータのエンドプレート
→ 運動の方向 ⇒ 公転の方向

Claims (3)

  1. 車体の前半分と後半分とそれらを連結する車体中央の連結部と、車体両端を支持する前後輪と、上記連結部を支持する連結部輪と、
    平地走行時に上記連結部輪を接地しないようにして上記前後輪でカート全体を支持するようにし車体の上に凹の折れ変形を阻止する当りを備え、
    上記当りは上記車体の後半分の回転支軸の周りに回転自在に軸支され、中間に上記車体の前半分の上記連結点から遠い位置にある当りの投入部に当節する部分を備え、先端に昇りのエスカレータ内で下から上昇するステップに接触する部分を備え、
    上記当りの先端部分が昇りのエスカレータ内で下から上昇するステップに乗り上げたとき上記当りの中間部分が上記当りの投入部から離れて車体が上に凹の折れ変形するようにし、
    上記連結部輪がエスカレータ出口のエンドプレートに乗り上げたとき上記連結部輪の上昇が微量でも、上記連結点から遠い位置にある上記当りの投入部の水平方向の変位は大きいため上記当りの中間部分が上記当りの投入部に投入され上記連結部輪を接地しないようにするエスカレータカート
  2. 車体はエスカレータ内で必ず2段のステップにまたがって固定される段差部と必ず同一のステップ上に固定される平行部とそれらを連結する連結部と、車体両端を支持する前後輪と、上記連結部を支持する連結部輪と、
    上記段差部に中間に水平部分を設けるスロープのついた長穴と、上記長穴内を移動し荷台の端部に取付けられる荷台端部の車輪とを備え、
    平地走行時に上記荷台端部の車輪が上記水平部分にあって荷台の荷重により上記連結部車輪を宙に浮いた状態にして両端の前後輪だけでカート全体を支持するエスカレータカート
  3. 車体の底部に接線h1を共有する複数の車輪を並べて配置した摺動面を設けて、上記エスカレータカートがエスカレータに進入した直後に上記車体の平行部を支持する2つの車輪の片方が同一ステップ上にないとき、
    ステップ角部に沿って上記摺動面が移動して平行部全体を下段に移動させる装置で、
    上記複数の車輪は全円の車輪或いは円の一部の短冊状の車輪である滑走装置を備える請求項1または2記載のエスカレータカート
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