JP2015217212A - 緊急避難用運搬車 - Google Patents

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JP2015217212A JP2014104395A JP2014104395A JP2015217212A JP 2015217212 A JP2015217212 A JP 2015217212A JP 2014104395 A JP2014104395 A JP 2014104395A JP 2014104395 A JP2014104395 A JP 2014104395A JP 2015217212 A JP2015217212 A JP 2015217212A
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正紀 河井
Masanori Kawai
正紀 河井
由文 増永
Yoshifumi Masunaga
由文 増永
保雄 市村
Yasuo Ichimura
保雄 市村
久 武本
Hisashi Takemoto
久 武本
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Abstract

【課題】階段下降から平坦地走行までスムーズに移行することが可能であり、かつ、安定してコンパクトに収納することができる緊急避難用運搬車を提供する。
【解決手段】緊急避難用運搬車1の前端部には、車体2の幅方向に延びる車輪8の車軸82を支持する第1ブラケット83を有するフロントホイール部8が設けられている。第1ブラケット83の前端部は車体2の上下方向に延びる直線形状に形成された接地部83bとなっており、下部は側面視円弧形状に形成された湾曲部83cとなっている。そして、接地部83bに沿って延びる直線A、車輪81と湾曲部83cとの共通接線Bとの角度Cは、所定の角度となっている。
【選択図】図6

Description

本発明は、患者椅子等を装備して、火災等の緊急時に患者を載せて階段下降および平坦地走行する緊急避難用運搬車に関する。
高層建築物においてはエレベータと階段が併設されており、自力歩行困難な者であっても、車椅子や、担架、移動ベッドなどを用いてエレベータを利用して上層階から下層階に移動できるので、通常では不安や不便はない。しかし、一旦火災等の非常事態に陥ると、安全上の諸問題からエレベータは使用できなくなり、補助人による人手を頼りに自力歩行できない者を階段を利用して退避させざるを得ない。しかし、自力歩行困難者が多い場合には、短時間に退避させることはきわめて困難である。そのため、高層階にて火災等に被災して怪我を負った者や、病院の高層階で入院している患者の緊急避難用の移動手段が求められている。
上述のような問題点を解決するために、本出願人は、特許文献1に示す緊急避難用運搬車を提案した。この緊急避難用運搬車は、クローラ装置とタンデム車輪機構を有することにより、階段下降及び平坦地走行を適正かつ安全に行うことができる。すなわち、この緊急避難用運搬車は、クローラ装置によって階段下降を行い、タンデム車輪機構によって平坦地走行を行うことによって、操作者の負担を軽減しながら、安全に患者を運搬することができる。
特開平9−262256号公報
このようなクローラ装置を用いた緊急避難用運搬車は、階段を最下段まで下降してから平地に移行する際、すなわちクローラ装置による階段下降からタンデム車輪機構による平坦地走行に移行する際の操作者の負担が大きくなりやすいという問題があった。
具体的には、階段の下降中に緊急避難用運搬車が重みで加速してしまわないように、クローラ装置は、ある程度の力が作用しなければ前進しないようにされている。そのため、緊急避難用運搬車は、重量のある患者を載せていても、程よく減速して安全に階段を下降することができる。
しかしながら、緊急避難用運搬車の前部が階段を降り終わって平坦地に到達すると、緊急避難用運搬車の傾斜角度が小さくなり、緊急避難用運搬車を前進させるための操作者の負担が大きくなってしまう。すなわち、階段下降中は緊急避難用運搬車の傾斜角度が大きいため、緊急避難用運搬車と患者との重みによってスムーズに下降することができる。しかし、緊急避難用運搬車の前部が平坦地にあって、後部がまだ階段の途中にある状態では、緊急避難用運搬車の傾斜角度が小さくなり、クローラ装置による前進に必要な力が大きくなる一方、まだ、緊急避難用運搬車の全てが平坦地に到達していないため、タンデム車輪機構を用いて走行することもできない。
そこで、緊急避難用運搬車の前端部に車輪を設けることが考えられる。これにより、階段を下降した緊急避難用運搬車の前部が平坦地に到達すると、この車輪が接地して緊急避難用運搬車が全て平坦地に到達するまでスムーズに下降させて、タンデム車輪機構を用いた前進に移行させることができる。
ところで、緊急避難用運搬車は、平時は使用することがないため収納することになる。このとき、緊急避難用運搬車を縦置きにして収納することができると、収納スペースをコンパクトにすることができ、例えばロッカーなどへも収納することが可能になる。しかしながら、上記のように緊急避難用運搬車の前端部に車輪を設けると、緊急避難用運搬車を縦置きした状態では、当該車輪が接地することになり不安定になってしまう。
そこで、本発明は、階段下降から平坦地走行までスムーズに移行することが可能であり、かつ、安定してコンパクトに収納することができる緊急避難用運搬車を提供することを目的とする。
本発明に係る緊急避難用運搬車は、主として階段下降及び平坦地走行する緊急避難用運搬車であって、車体と、車体に設けられ、少なくとも階段における連続する2つ以上の段鼻に同時に接触可能な左右一対のクローラを有するクローラ装置と、車体上に設けられた患者椅子と、階段下降から平坦地走行に移行する際に、クローラ装置の前端部よりも先に平坦地に接地可能な車輪を有する車輪部と、を備え、車輪部は、車体の前端部に設けられ、車体の前後方向に回転自在に車輪を支持する車輪ブラケットと、車輪の前端よりも車体前方となる車輪ブラケットの前端部に設けられ、車体後部を上方にして収納する際に接地する接地部と、を有し、水平方向に対する車体の前後方向がなす角度が所定角度以下の場合、車輪が接地することを特徴とする。
これにより、車輪部は、階段を降下する緊急避難用運搬車の前端部が平坦地に到達したときの前進を車輪によって補助し、緊急避難用運搬車の収納を接地部によって補助することができる。
本発明によれば、車体を縦にして収納する時は接地部が接地し、車体の傾斜が所定角度となったときは車輪が接地するので、階段下降から平坦地走行までスムーズに移行し、コンパクトに収納することができる緊急避難用運搬車を提供することができる。
本実施形態の緊急避難用運搬車の斜視図の一例である。 一部が車体の構成を示す緊急避難用運搬車の模式的な平面図の一例である。 本実施形態の緊急避難用運搬車の右側面図で一例である。 本実施形態の収納時における緊急避難用運搬車の右側面図の一例である。 本実施形態のフロントホイール部の斜視図の一例である。 本実施形態のフロントホイール部の一部の右側面図である。
図1乃至図6は、本発明の一実施形態を示すものである。
本発明の緊急避難用運搬車1の構成について説明する。図1に示すように、緊急避難用運搬車1は、車体2と、車体2の両側に設けられ、階段を下降するためのクローラ装置3と、車体2の上側に設けられ、患者椅子等を兼ねる担架部4と、担架部4と一体的に車体2の後部に設けられたハンドル5と、平坦地走行のための、クローラ装置3の後端部に設けられた左右一対の第1のタンデム車輪機構6と、一対のクローラ装置3の中間に設けられた第2のタンデム車輪機構7と、車体2の前端部に設けられ、階段下降から平坦地走行へと移行するためのフロントホイール部8と、車体2の前部に設けられたグリップ部9と、を備えている。
クローラ装置3は、2段以上の階段の段鼻に跨る長さを有し、車体2の後端部に回転可能に取り付けられる後転輪31と、車体2の前端部に回転可能に取り付けられる前転輪32と、後転輪31と前転輪32との間に巻装されるベルトクローラ33とで構成されている。このベルトクローラ33は、駆動時における階段等の保護及び緩衝作用を考慮して合成ゴム等の弾性材で構成され、また、その外周面には台形状のラグが所定ピッチで配設されている。これにより、階段の段鼻に2段以上に跨って接触するベルトクローラ33が駆動すると前転輪32及び後転輪31が回転し、階段下降が可能となっている。ベルトクローラ33は後転輪31と前転輪32との間に強く締めて巻装されており、これにより後転輪31と前転輪32との回転を抑え、緊急避難用運搬車1が階段を下降するときの速度を抑制して安全性を向上させている。ここで、左右の前転輪32は車軸32aによって連結しており、一方の前転輪32が駆動すると他方の前転輪32も連動して駆動し、一方の前転輪32が制動すると他方の前転輪32も制動する。
担架部4は、図1、図2に示すように、患者の胴体部を支える第1フレーム41と,腰部を支える第2フレーム42と,脚部を支える第3フレーム43とをそれぞれ回動自在に連結して構成されている。そして、左右のこれらのフレームの間には布材Mが配設され、患者が着座可能になっている。また、左右の第3フレーム43と第2フレーム42との連結軸の間には、患者の膝裏を保護する弾性体で覆われた連結フレーム43aが配設されている。また、左右の第1フレーム41の上端は、幅方向に延びるハンドル5によって互いに接続されている。さらに第1フレーム41の略中間部は、車体2に回動自在に設けられた支持フレーム44によって回動自在に支持されている。さらに、左右の第1フレーム41の上端部付近同士を連結する連結棒41aが設けられており、連結棒41aとハンドル5を跨ぐようにヘッドレスト機構45が設けられている。ヘッドレスト機構45は、ハンドル5の中央部から連結棒41aの中央部にわたって設けられた板状のヘッドレストベース45aと、患者の頭部を固定するためのヘッドバンド45bとから構成される。ヘッドバンド45bは患者の体型に合わせて長さ調節可能となっている。
さらに、第1フレーム41には、図3に示すように、補助フレーム46が車体2に架設され、さらに補助ブラケット47を介してスライドパイプ48が設けられている。スライドパイプ48は、車体2側面の車体長さ方向に延びる凹部にスライド自在に支持され、車体2の長さ方向にスライドするように構成されている。
そして、スライドパイプ48が車体2の後部に位置する状態では、担架部4は、図1に示すように、患者が乗車できるように車体2上に展開する。このとき、スライドパイプ48が車体2の後部に位置する状態で位置決めできるように、車体2の側面の後部に設けられた孔部21に係止される。また、スライドパイプ48が車体2の長さ方向に沿って前部に移動すると、図4に示すように担架部4を構成する第1フレーム41、第2フレーム42、第3フレーム43および支持フレーム44は折り畳まれ、担架部4は車体2上で平坦状になる。このように折り畳まれた緊急避難用運搬車1は、前部を下方にして縦置き可能となり、コンパクトに収納できる状態となる。緊急避難用運搬車1を縦置きする場合は、例えば、図4に示すようにスタンドSに立てかけて接地板85を接地させることで、より安定した収納が可能となる。
ハンドル5は、左右の第1フレーム41の上端部間を幅方向に延び、担架部4の上部を構成するフレームを兼ねている。ハンドル5の近傍であってハンドル5よりも下方には、ハンドル5と平行に延び、操作者がハンドル5を把持したまま操作可能なブレーキレバー51が設けられている。ブレーキレバー51は、ワイヤを介して、前転輪32の車軸32aに巻装された図示しないブレーキシューと接続している。ブレーキレバー51を操作していない状態では、ブレーキシューが車軸32aを締めるように作用して前転輪32を制動する。一方、操作者がブレーキレバー51を握り込むようにしてハンドル5に近づける操作を行うと、ブレーキシューの締め付けが弱まり、前転輪32の制動が解除されて回転可能になる。したがって、ブレーキレバー51を操作していない状態ではクローラ装置3は駆動しないので、操作者が階段上でハンドル5から手を離してしまった場合、緊急避難用運搬車1は下降を停止して安全性が確保される。
第1のタンデム車輪機構6は、図2に示すように、搭乗者も含めた重心よりやや後方のクローラ装置3の後端位置で、左右のベルトクローラ33より外側に設けられている。第1のタンデム車輪機構6は、前後方向に延びる車輪支持板61の両端部にそれぞれ走行車輪62,63が回転可能に軸支されている。そして車輪支持板61の中央上部は枢軸64によって車体2に回動自在に枢支されている。また枢軸64はスプリング65で車体2に連結され、車輪支持板61の後方が下がる方向に付勢されているため、走行車輪62が走行車輪63よりも下方に位置する状態となる。したがって、階段上では、走行車輪63よりも走行車輪62の方が先に階段の踏み板に当接するので、走行車輪62が段鼻を乗り越えるときには走行車輪63は当該段鼻を乗り越え終わっているので問題なく階段を下降することができる。また、走行車輪62,63は、平坦地走行時および階段下降時においてベルトクローラ33より下方へ突出している状態である。したがって、平坦地では走行車輪62、63は地面に当接し、階段下降時は、上述のように段鼻を乗り越えることができる。
第2のタンデム車輪機構7は、左右一対のクローラ装置3の中間で、搭乗者を含めた重心より前方側に設けられている。第2のタンデム車輪機構7は、図2に示すように、車体2に回動自在に軸支される回動軸71と、連結部72を介して回動軸71に前後方向の中心上部が接続する車輪支持部材73と、前後方向に延びる車輪支持部材73の前後端部にそれぞれ回転可能に軸支されている走行車輪74、75とから構成されている。連結部72はインナーワイヤ51aに連結しており、インナーワイヤ51aが後方に牽引されると走行車輪74、75はベルトクローラ33より路面側へと突出する。また、連結部72は、回動軸71に取り付けられたねじりスプリング76によって後側が下がる方向に付勢されている。そのため、インナーワイヤ51aが後方へ牽引されている時は走行車輪74、75がベルトクローラ33より下方へ突出し、かつ、走行車輪75が走行車輪74よりも下方に位置する状態となる。したがって、階段上では、走行車輪74よりも走行車輪75の方が先に階段の踏み面に当接するので、走行車輪75が段鼻を乗り越えるときには走行車輪74は当該段鼻を乗り越え終わっているので問題なく階段を下降することができる。
図5に示すようにフロントホイール部8は、車体2の前方に回転自在に設けられた車輪81と、車体幅方向に延びて車輪81を支持する車軸82と、車体2の前端部に設けられ、車軸82の車幅方向内側を支持する第1ブラケット83と、車体2の前端部であって第1ブラケット83よりも車幅方向外側に設けられ、車軸82の車幅方向外側を支持する第2ブラケット84と、を有している。また、車輪81、車軸82、第1ブラケット83、および第2ブラケット84は、それぞれ車幅方向両側に左右一対に設けられており、左右の第1ブラケット83の前端部間を車幅方向に延びる平面な板状部材である接地板85がさらに設けられている。
図1、図5および図6に示すように、第1ブラケット83は、車体2の前端部分から上下方向に渡って前方に向かって延びる板状部材であり、車軸82が挿通する孔部83aが設けられている。また、第1ブラケット83の前端部は、車体2の上下方向に延びる直線形状に形成された接地部83bとなっている。さらに、第1ブラケット83の下部は、円弧形状に形成された湾曲部83cとなっており、湾曲部83cの前端部は、接地部83bの下端部と連続している。車軸82が挿通する孔部83aと接地部83bとの距離は車輪81の半径よりも大きく、また、孔部83aと湾曲部83cの下端部との距離は車輪81の半径よりも小さい。したがって、車輪81の前端部分の位置は、接地部83bよりも車体2前後方向の後方側となり、車輪81の下端部分の位置は、湾曲部83cの下端部よりも車体2上下方向の下方側となる。
また、図6に示すように、フロントホイール部8の車輪81の外周部と湾曲部83cの外周部とは、水平に対して所定角度をなす直線上に位置するように設けられている。すなわち、フロントホイール部8は、側面視において、接地部83bに沿って延びる直線A、車輪81と湾曲部83cとの共通接線Bとの角度Cは、所定の角度になるように設けられており、本実施形態では、角度Cは40度となっている。したがって、車輪81の外周部と湾曲部83cの外周部とは、水平に対して50度をなす直線上に位置している。傾斜角度40度とは、通常の階段で最も急な傾斜角度である。このように、直線Aと共通接線Bとの角度Cが40度であることにより、車体2が前側を下方にして傾斜した場合、傾斜角度が40度未満であれば車輪81が接地し、傾斜角度が40度を超えた場合は、接地部83bが接地することになる。また、車体2の傾斜角度が40度のときは、車輪81と接地部83bとが接地することになる。
グリップ部9は、円筒形状の部材であり、一端部が車体2と第3フレーム43との接続部分に回動自在に支持され、他端部には操作を補助する者(補助者)が把持可能な把持部が設けられている。緊急避難用運搬車1が階段を下降するときは、グリップ部9の他端部が車体2の前方となるように回動させる(図1参照)。これにより、補助者がグリップ部9を把持することによって、緊急避難用運搬車1を下方から支えることができる。また、緊急避難用運搬車1の平坦地走行時や収納時には、グリップ部9が邪魔にならないように、グリップ部9の他端部が車体2側となるように回動させる(図4参照)。
次に上述のように構成される本実施形態の緊急避難用運搬車1の作用を説明する。まず、図4に示すように折り畳まれて縦置きに収納されている緊急避難用運搬車1を、図1に示すように展開させる。具体的には、緊急避難用運搬車1が縦置きの状態では、フロントホイール部8の接地部83bおよび接地板85が接地し安定している。そして、操作者がハンドル5を把持して、接地部83bおよび接地板85を軸にして緊急避難用運搬車1を傾かせるときも、傾斜角度が40度になるまでは接地部83bおよび接地板85が接地した状態であるので、緊急避難用運搬車1の接地している部分が滑ってしまうことはない。そして、緊急避難用運搬車1を40度まで傾かせると車輪81が接地し、車輪81を用いて緊急避難用運搬車1の前部を前方に移動させながらさらに緊急避難用運搬車1を傾けて水平にする。次に、水平に置かれた緊急避難用運搬車1のスライドパイプ48を車体2の後方にスライドさせて孔部21に係止させる。これにより、折り畳まれていた緊急避難用運搬車1の展開が完了し、担架部4に患者を乗車させることができる。
緊急避難用運搬車1を平坦地走行させる場合には、走行経路に段差等がある場合でも、緊急避難用運搬車1は走行車輪62,63,74,75により安定して支持されており、走行経路に段差等がある場合でも、安定して楽に乗り越えて走行できる。
緊急避難用運搬車1を階段下降させる前に、グリップ部9を車体2の前方になるように回動させ、グリップ部9を補助者が把持する。緊急避難用運搬車1が平坦地から階段にさしかかると、クローラ装置3は水平状態を保ったままクローラ装置3の前側が空中に飛び出るようになる。そして第2のタンデム車輪機構7が最初の階段の稜線部にさしかかり、走行車輪74,75が揺動した時点でクローラ装置3のベルトクローラ33が最初の階段の段鼻に接地する。このとき、ベルトクローラ33が段鼻に接地することにより、緊急避難用運搬車1が自動的に停止するようになる。その地点でブレーキレバー51の操作を一旦中止し、クローラ装置3の前転輪32を制動して緊急避難用運搬車1を水平状態から傾斜状態へ変位させて階段下降へ移る。
緊急避難用運搬車1の階段下降中は、操作者がブレーキレバー51を操作してクローラ装置3の前転輪32の制動を解除し、クローラ装置3を走行可能状態にして走行させる。クローラ装置3による走行中は、ブレーキレバー51は操作者がハンドル5とともに握り込んだ状態となっているため、ブレーキレバー51は最大限後方に回動するように操作されている。
緊急避難用運搬車1の階段下降中は、第1のタンデム車輪機構6および第2のタンデム車輪機構7の走行車輪62,63,74,75はベルトクローラ33より下方へ突出している状態である。そして、第1のタンデム車輪機構6においては走行車輪62が走行車輪63よりも先に階段の踏み板に当接するので、走行車輪62が段鼻を乗り越えるときには走行車輪63は当該段鼻を乗り越え終わっている。一方、第2のタンデム車輪機構7においては走行車輪75が走行車輪74よりも先に階段の踏み板に当接するので、走行車輪75が段鼻を乗り越えるときには走行車輪74は当該段鼻を乗り越え終わっている。したがって、第1のタンデム車輪機構6においても第2のタンデム車輪機構7においても、問題なく階段を下降することが可能となっている。
通常の階段の傾斜角度は40度以下であるため、階段を降下した緊急避難用運搬車1の前端部が平坦地に到達すると、フロントホイール部8の車輪81が平坦地に接地する。緊急避難用運搬車1の前部は平坦地に接地した車輪81によって走行し、緊急避難用運搬車1の後部はクローラ装置3によって階段を下降していき、前進とともに緊急避難用運搬車1の傾斜角度は緩やかになっていく。緊急避難用運搬車1の階段下降が終了し、車体2の後部まで平坦地に到達すると、グリップ部9を回動させて収納する。そして、上記のように第1のタンデム車輪機構6の走行車輪62,63及び第2のタンデム車輪機構7の走行車輪74,75を接地させ、クローラ装置3を接地面より浮上させた状態にして走行する。
このように、緊急避難用運搬車1は、車体2の前端部に設けられたフロントホイール部8によって、階段下降から平坦地走行までの移行をスムーズに行うことができるとともに、安定して縦置き収納が可能となる。すなわち、緊急避難用運搬車1の傾斜角度が所定以上であるときは接地部83bが接地し、傾斜角度が所定以下の場合は車輪81が接地するようになっている。本実施形態では、緊急避難用運搬車1の前端部に設けられたフロントホイール部8は、直線Aと共通接線Bとの角度Cが40度となっているため、緊急避難用運搬車1の傾斜角度が40度以下の場合、車輪81が接地する。そのため、クローラ装置3によって階段を降下して前端部が平坦地に到達した緊急避難用運搬車1は、走行車輪62,63,74,75による平坦地走行へ切り替わるまで、接地した車輪81によってスムーズに前進させることができる。また、緊急避難用運搬車1の傾斜角度が40度以下の場合は接地部83bが接地するので、前端部を接地させて縦置き収納した緊急避難用運搬車1を横置きに移行させる際に、車輪81によって滑ってしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、第1ブラケット83には湾曲部83cが形成されており、緊急避難用運搬車1の傾斜角度が所定以上であって90度未満であるときは、湾曲部83cが接地する。すなわち、接地する部分が接地部83bから車輪81に移行するまでの間は、湾曲部83cが接地する。これにより、縦置き収納した緊急避難用運搬車1を横置きへの移行が湾曲部83cによって滑らかになり、接地している床を傷つけないようにことができる。
また、本実施形態では、直線Aと共通接線Bとの角度Cが、通常の階段の最大傾斜角度である40度となっている。これにより、傾斜角度が40度以下である階段において緊急避難用運搬車1を階段下降から平坦地走行へ移行させる際に、接地部83bを接地させずに車輪81を接地させることができる。なお、角度Cの40度は、使用する階段の傾斜角度に応じて変更することができるものとする。
また、本実施形態では、角度Cよりも傾斜した緊急避難用運搬車1は、接地部83bが接地し、また、接地部83bは、緊急避難用運搬車1の上下方向に延びる直線形状となっている。さらに、スライドパイプ48を車体2の前後方向にスライドさせることによって緊急避難用運搬車1は折り畳み可能となっている。そのため、緊急避難用運搬車1は、折り畳んで、前端部を下部にして立てることによって、コンパクトに収納することが可能となっている。
さらに、本実施形態では、左右の第1ブラケット83の接地部83b間を車幅方向に延びる平面な板状部材である接地板85が設けられている。これにより、緊急避難用運搬車1は、前端部を底にして接地板85を接地させることによって、安定した縦置き収納が可能となる。
1 緊急避難用運搬車
2 車体
21 孔部
3 クローラ装置
31 後転輪
32 前転輪
32a 車軸
33 ベルトクローラ
4 担架部
41 第1フレーム
41a 連結棒
42 第2フレーム
43 第3フレーム
43a 連結フレーム
44 支持フレーム
45 ヘッドレスト機構
45a ヘッドレストベース
45b ヘッドバンド
46 補助フレーム
47 補助ブラケット
48 スライドパイプ
5 ハンドル
51 ブレーキレバー
51a インナーワイヤ
6 第1のタンデム車輪機構
61 車輪支持板
62,63 走行車輪
64 枢軸
65 スプリング
7 第2のタンデム車輪機構
71 回動軸
72 連結部
73 車輪支持部材
74,75 走行車輪
76 スプリング
8 フロントホイール部
81 車輪
82 車軸
83 第1ブラケット
83a 孔部
83b 接地部
83c 湾曲部
84 第2ブラケット
85 接地板
9 グリップ部
A 直線
B 共通接線
C 角度
M 布材
S スタンド

Claims (5)

  1. 主として階段下降及び平坦地走行する緊急避難用運搬車であって、
    車体と、
    車体に設けられ、少なくとも階段における連続する2つ以上の段鼻に同時に接触可能な左右一対のクローラを有するクローラ装置と、
    車体上に設けられた患者椅子と、
    階段下降から平坦地走行に移行する際に、クローラ装置の前端部よりも先に平坦地に接地可能な車輪を有する車輪部と、を備え、
    車輪部は、
    車体の前端部に設けられ、車体の前後方向に回転自在に車輪を支持する車輪ブラケットと、
    車輪の前端よりも車体前方となる車輪ブラケットの前端部に設けられ、車体後部を上方にして収納する際に接地する接地部と、を有し、
    水平方向に対する車体の前後方向がなす角度が所定角度以下の場合、車輪が接地する
    ことを特徴とする緊急避難用運搬車。
  2. 車輪ブラケットは、接地部の下端から連続して斜め後方に湾曲して延びる湾曲部を有し、
    湾曲部の外周部と車輪の外周部とは、車体の上下方向に対して所定角度をなす直線上に位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の緊急避難用運搬車。
  3. 前記所定角度は所定の階段の傾斜角度である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の緊急避難用運搬車。
  4. 車体は、収納する際に折り畳むことが可能である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緊急避難用運搬車。
  5. 接地部は、車体幅方向に渡って車体上下方向に延びる板状部材であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緊急避難用運搬車。
JP2014104395A 2014-05-20 2014-05-20 緊急避難用運搬車 Pending JP2015217212A (ja)

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JP3207765U (ja) * 2016-09-17 2016-12-01 勇 永田 担架機能付き椅子

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