JP4071351B2 - プリント基板設計cadシステム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板上のバイパスコンデンサの配置状態を評価する機能をもつプリント基板設計CADシステムに関する。
【0003】
【従来の技術】
コンピュータシステム等、マイクロプロセッサを搭載する電子機器に於いては、CPUをはじめ、その周辺回路等に、高周波数帯のクロック信号、又はそれに同期した各種の信号が多層回路基板上の信号路(配線パターン)間で入出力される。
【0004】
この種、高い周波数で動作する回路基板に於いては、特に深刻な問題となる放射ノイズや電源ノイズを抑制するための主な手段として、基板全体にバイパスコンデンサを挿入する方法が一般に用いられている。
【0005】
一方、近年、回路基板上に電子回路を構成するためのレイアウト設計に、コンピュータを利用した所謂プリント基板設計CAD(computer aided design )システムが用いられている。
【0006】
このプリント基板設計CADシステムにより、基板レイアウト設計時に於いて、バイパスコンデンサの有効な配置場所を決定する必要がある。
従来では、この種、バイパスコンデンサの配置場所を、レイアウト設計者の経験に基づいて決定していた。即ち、従来では個々のバイパスコンデンサの特性や基板上の局所的なプレーン層の特性などを簡単に把握する手段が存在しないため、初期設計後に実測してノイズ抑制効果が十分であるか否かを確認し、不十分な場合には配置場所を修正するなど試行錯誤を繰り返すことにより設定を行なっていた。このため、従来では回路基板レイアウト設計に要する時間が膨大となり、CADシステムの効率性が必ずしも活かされていない結果となっていた。
【0007】
そこで、バイパスコンデンサの配置が適当であるか否かを基板レイアウト設計の段階で評価するために、プリント基板設計CADの画面上で、バイパスコンデンサの配線形状からその有効範囲を近似的に算出し、円(楕円)で表示する機能が実現された。これにより、利用者はこの円が基板全体を覆うように設計を行なうことで電源やグラウンドに関するバイパスコンデンサによる放射ノイズ対策を行なうことができる。
【0008】
しかしながら、従来のこの種システムに於いては以下のような問題があった。
即ち、従来では、バイパスコンデンサの効果が大きい部分を強調表示する表示方式を採っていることから、バイパスコンデンサの効果が薄い(期待できない)部分を容易かつ的確に把握できない。ユーザが知りたいのはバイパスコンデンサの効果の少ない部分であり、有効な範囲を強調するよりは、むしろバイパスコンデンサの効果の薄い部分を強調表示する方がユーザにとっては有用である。
【0009】
また、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサが配置された場合、ユーザがそのコンデンサを認識できず、従って無意味にプリント基板上の部品実装面積を増やしてしまう。更に、これに伴い、製品のコストアップ、重量アップ等を招いてしまう。
【0010】
また、部品の追加作業時(配線前)には有効範囲が分からないため、配置作業を行なっても配線をしてみないと適切に配置しているかを作業者が知ることができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来のシステムに於いては、バイパスコンデンサの効果が大きい部分を強調表示する表示方式を採っていることから、バイパスコンデンサの効果が薄い(効果が期待できない)部分を容易かつ的確に把握できないという問題があった。また、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサが配置された場合に、ユーザがそのコンデンサを認識できず、従って無意味にプリント基板上の部品実装面積を増やしてしまうという問題があった。また、部品の追加作業時(配線前)には有効範囲が分からないため、配置作業を行なっても配線をしてみないと適切に配置しているかを作業者が知ることができないという問題があった。
【0012】
本発明は上記実情に鑑みなされたものでバイパスコンデンサが不足している領域(バイパスコンデンサの作用が及ばない領域)を利用者が容易かつ的確に把握できるプリント基板設計CADシステムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プリント基板設計支援システムに於いて、プリント基板上でバイパスコンデンサの作用が及ばない、バイパスコンデンサの不足領域を強調表示して、プリント基板上に於けるバイパスコンデンサの不足領域をユーザが容易かつ的確に把握できる機能をもたせたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、プリント基板設計支援システムに於いて、プリント基板上に配置したバイパスコンデンサのうち、余分に配置した無用なバイパスコンデンサを抽出し、ユーザに提示できる機能をもたせたことを特徴とする。
【0019】
本発明は、プリント基板の電源回路に介在されるバイパスコンデンサの配置状態を評価する機能をもつプリント基板設計CADシステムであって、電源及びグラウンドの外形情報と、配線パターンの幅及び長さを含むプリント基板のレイアウト情報と、プリント基板の構造及び材質情報と、バイパスコンデンサの有効範囲を示すインピーダンス設定情報とをもとに、プリント基板上に配置されたバイパスコンデンサの有効範囲を算出する有効範囲算出手段と、上記有効範囲算出手段で算出されたバイパスコンデンサの有効範囲情報と電源及びグラウンド外形情報とをもとにプリント基板上でバイパスコンデンサが不足している領域を抽出する不足領域抽出手段と、上記不足領域抽出手段で抽出されたバイパスコンデンサの不足している領域を表示画面上に表示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記プリント基板設計支援方法に於いて、バイパスコンデンサが不足している領域を特定の色又は表示形態でパターン表示することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、上記プリント基板設計支援方法に於いて、バイパスコンデンサが不足している領域を、その度合いにより色分けして又は表示形態を変えて段階表示することを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、プリント基板設計CADシステムに適用される機械読取り可能な記録媒体であって、プリント基板のレイアウト情報とプリント基板の構造及び材質情報とユーザ指定による有効範囲を示すインピーダンス情報とをもつ入力情報をもとにプリント基板上のバイパスコンデンサの有効範囲を算出する機能と、算出されたバイパスコンデンサの有効範囲をもとに、プリント基板上に於いてバイパスコンデンサの作用が及ばない、バイパスコンデンサの不足部分を算出する機能と、上記算出されたプリント基板上のバイパスコンデンサの不足部分をパターン表示させるための表示データを生成する機能とを実現させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、プリント基板設計CADシステムに適用される機械読取り可能な記録媒体であって、プリント基板のレイアウト情報とプリント基板の構造及び材質情報とユーザ指定による有効範囲を示すインピーダンス情報とをもつ入力情報をもとにプリント基板上のバイパスコンデンサの有効範囲を算出する機能と、算出されたバイパスコンデンサの有効範囲をもとに、プリント基板上に配置されたバイパスコンデンサのうち、コンデンサ作用が基板領域上で重複する余分なバイパスコンデンサを抽出する機能と、上記抽出されたプリント基板上の余分なバイパスコンデンサを表示させるための表示データを生成する機能とを実現させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0031】
また、本発明は、プリント基板設計CADシステムに適用される機械読取り可能な記録媒体であって、プリント基板のレイアウト情報、プリント基板の構造及び材質情報を含む入力情報をもとに、プリント基板上に於いてバイパスコンデンサの作用が及ぶ、バイパスコンデンサの有効範囲を算出する機能と、上記算出されたバイパスコンデンサの有効範囲をもとに、プリント基板上に於いてバイパスコンデンサの作用が及ばない、バイパスコンデンサの不足部分を算出する機能と、上記算出されたバイパスコンデンサの有効範囲の情報をもとにプリント基板上に於いて当該バイパスコンデンサの作用が及ぶ有効領域を強調表示する第1の表示モード、又は、上記算出されたバイパスコンデンサの不足部分の情報をもとにプリント基板上に於いてバイパスコンデンサの作用が及ばない不足領域を強調表示する第2の表示モードのいずれか一方を選択し表示出力する機能とを実現させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、上記プリント基板設計CADシステムに適用される機械読取り可能な記録媒体に於いて、バイパスコンデンサが不足している領域を、その度合いにより、色分けして、又は表示形態を変えて、段階的にパターン表示する機能を実現させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0033】
また、本発明は、上記プリント基板設計CADシステムに適用される機械読取り可能な記録媒体に於いて、プリント基板上に於ける余分なバイパスコンデンサをリスト形式で一覧表示し又は基板レイアウト上で強調表示する表示データの生成機能を実現させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0034】
上記した本発明の機能をもつことにより、バイパスコンデンサが不足している領域(バイパスコンデンサの作用が及ばない領域)を利用者が容易かつ的確に把握できる。また、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサが配置された場合に、当該コンデンサを容易かつ的確に把握できる。更に、バイパスコンデンサを配置する際に、そのコンデンサの有効範囲を近似的にユーザに提示でき、これにより部品配置作業を効率よく実行できる。更に、バイパスコンデンサを配置する際に、そのコンデンサの概略有効範囲をユーザが容易に把握でき、これにより部品配置作業を効率よく実行できる機能を備えたプリント基板設計支援システムが提供できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態による要部のシステム構成要素を示す機能ブロック図である。
【0036】
図に於いて、11はプリント基板設計CADの基本ツール(メイン要素)となる基板レイアウトCAD処理部であり、12はその基板レイアウトCAD処理部1の一部の要素をなすバイパスコンデンサ配置評価ツールである。
【0037】
このバイパスコンデンサ配置評価ツール12には、プリント基板上に配置されたバイパスコンデンサの作用が及ばない、バイパスコンデンサの不足部分を算出し当該領域を強調表示するとともに、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサを抽出しユーザに知らせるための処理テーブル(TC,TD)、及び処理ルーチン(PE,PF)が設けられる。
【0038】
即ち、バイパスコンデンサ配置評価ツール12には、プリント基板上に配置されたバイパスコンデンサの作用が及ばない、バイパスコンデンサの不足部分を強調表示するための、図2に示すような、対象となる電源プレーン上に多値レベル(図2に示す例ではレベル1〜レベル5)の楕円領域作成処理を実行するためのパスコン情報管理テーブル(TC)が設けられるとともに、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサが配置されているか否かを図3に示すように領域比較により判断するための比較の対象となる領域情報を管理する不要パスコン判断処理テーブル(TD)が設けられる。更に、図4に示すような各電源プレーン毎のバイパスコンデンサの有効範囲を算出するパスコン有効範囲算出処理ルーチン(PE)が設けられるとともに、当該算出された有効範囲の情報から、図5に示すような、バイパスコンデンサの不足領域を算出する処理ルーチン、当該不足領域を上記パスコン情報テーブル(TC)を用いて強調表示する処理ルーチン、及び余分な(過剰な)バイパスコンデンサを上記不要パスコン判断処理テーブル(TD)を用いて領域比較により判定し抽出して表示する処理ルーチンをもつパスコン表示処理ルーチン(PF)が設けられる。
【0039】
13はパスコン配置評価ツール12に、ユーザ入力情報を受け渡す操作入力部であり、例えばユーザが見たい有効範囲を示すインピーダンス情報(xΩ)、表示する電源エリアの指定等、各種の指定入力情報をパスコン配置評価ツール12に受け渡す。
【0040】
14はユーザが設定した各種のパラメータを入力するための例えばデータカードによるパラメータ入力部であり、ここではバイパスコンデンサの有効範囲を示す円の半径を計算する式の係数の設定、バイパスコンデンサの不足領域を強調表示する際の色または濃度の設定、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサを抽出する際のインピーダンス値の設定等、種々の設定に供される。
【0041】
15は基板のレイアウト情報が格納される記憶部であり、ここでは各基板毎の電源エリア(電源プレーン)の形状を示すデータ(座標値データ)が含まれる基板データ、各基板毎の層構造、各層の厚み、材質等のシミュレーション用のデータが含まれるライブラリ情報等が格納される。
【0042】
16はプリント基板設計CADで扱う配線層のパターンレイアウト等を含む各種の基板情報を表示出力制御する表示制御部であり、ここではCADの表示部19上に、指定された電源エリアについて、バイパスコンデンサが不足している領域を強調表示し、併せてバイパスコンデンサの有効範囲を表示するとともに、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサをその配置位置上で例えばハイライト表示によりユーザに知らせる等の表示出力制御を行なう。
【0043】
17は配線規則に違反するバイパスコンデンサの一覧を表示出力制御する配線規則違反コンデンサ一覧表示制御部であり、図4に示す各電源毎のバイパスコンデンサの有効範囲算出処理ルーチン(PE)に於いてチェックされた配線規則違反コンデンサの一覧をCADの表示部19に表示出力制御する。
【0044】
18は不要パスコン判断処理テーブル(TD)を用いたパスコン表示処理ルーチン(PF)により抽出された、余分な(過剰な)バイパスコンデンサの一覧を表示出力制御する不要パスコン一覧表示制御部であり、ここではパスコン表示処理ルーチン(PF)内の処理で抽出された、余分な(過剰な)バイパスコンデンサのロケーション番号をリスト形式で、不要パスコン一覧18bとしてCADの表示部19に表示出力制御する。
【0045】
19A,18BはそれぞれCADの表示部19に選択的に表示出力されるバイパスコンデンサの有効範囲表示画面であり、操作入力部13の指示に従う電源エリアの有効範囲表示画面が選択的に表示出力される。この実施形態では、バイパスコンデンサの不足している領域を強調表示した、パスコン不足領域強調表示画面19A、及び余分な(過剰な)バイパスコンデンサを提示する不要パスコン一覧18bを付加した不要パスコン表示画面19Bが選択的に表示出力される。尚、ここでは図に示すように、プリント基板で扱う電源各々のプリント基板上に於けるバイパスコンデンサの有効範囲とバイパスコンデンサの不足している領域が電源の種別毎にその電源エリア内においてのみ(該当する電源エリアから食出した円が切欠かれ除去された状態で)表示され、この際、バイパスコンデンサの有効範囲に対してバイパスコンデンサの不足している領域が強調表示される。
【0046】
図2は上記実施形態に於いて、プリント基板上に配置されたバイパスコンデンサの作用が及ばない、バイパスコンデンサの不足部分を強調表示するための多値レベル(ここではレベル1〜レベル5)の楕円領域作成処理手順を示す図であり、この各レベルの楕円領域は上記バイパスコンデンサ配置評価ツール12に設けられたパスコン情報管理テーブル(TC)上で作成され、図5に示すパスコン表示処理ルーチン(PF)に於いて用いられる。
【0047】
図3は上記実施形態に於いて、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサが配置されているか否かを判断して、余分なバイパスコンデンサを抽出する際の不要パスコン判断処理手順を説明するための図であり、上記バイパスコンデンサ配置評価ツール12に設けられた、不要パスコン判断処理テーブル(TD)を用い、図5に示すパスコン表示処理ルーチン(PF)に於いて比較判定処理される。この比較判定処理に於いて、図(a)は、判定の対象となるバイパスコンデンサの領域(P2)を加えた際に、領域に変化が生じたことから、有用であると判定された例を示し、図(b)は、判定の対象となるバイパスコンデンサの領域(P2)を加えた際に、領域に変化が生じないことから、不要であると判定された例を示している。
【0048】
図4は上記実施形態に於ける各電源毎のバイパスコンデンサの有効範囲算出処理ルーチン(PE)を示すフローチャートである。
図5及び図6はそれぞれ上記実施形態に於けるバイパスコンデンサの不足領域を算出する処理ルーチン、当該不足領域を上記パスコン情報テーブル(TC)を用いて強調表示する処理ルーチン、及び余分な(過剰な)バイパスコンデンサを上記不要パスコン判断処理テーブル(TD)を用いて領域比較により判定し抽出して表示する処理ルーチンをもつパスコン表示処理ルーチン(PF)を示すフローチャートである。
【0049】
図7及び図8はそれぞれ本発明の実施形態に於いて、バイパスコンデンサの有効範囲を近似楕円として描画する際の処理動作を説明するための動作原理図である。ここで、実装されたバイパスコンデンサに対する楕円の直径の算出アルゴリズムを図7及び図8を参照して説明しておく。図7(A)はZ1のイメージ、図7(B)はインピーダンス特性を示したものである。図7(A)に於いて、Z1はバイパスコンデンサの接続されている電源セルVCCとグラウンドセルGND間の配線路のインピーダンスと定義する。ここで電源/グラウンドセルとは電源層/グラウンド層と配線を電気的に接続する孔のことである。Z1を決定するためのパラメータは、a).電源セル/グラウンドセル間の配線長L(バイパスコンデンサが接続されている電源セルとグラウンドセルの配線長の和)、b).抵抗率a0(コンデンサとセルを結ぶ線路の等価抵抗率),c).配線幅W、d).配線厚Tの4つである。電源セル−任意の点A−グラウンドセルまでのプレーン層上の等価インピーダンスをZ2とする。この値は図7(C)及び図8(A)に示すように点Cから点Aまでの距離L2の関数として与えられる。a).任意点Aから各セルまでの距離の和L2(点BからAを経由して点Bまでの総距離)。b).インピーダンス特性a1(プレーン層のインピーダンスの特性を示す定数)。
【0050】
そしてこのインピーダンスの和Z=Z1+Z2がZaオームになるような距離L2を求め、これを楕円の直径の半分、また電源セルとグラウンドセルを楕円の焦点として楕円を描き、このバイパスコンデンサの有効範囲とする。同様にZb、Zc、Zdに対しても同様に計算を行ない、色分け表示をすることでユーザに対して見易い表示となる(図8(C)参照)。ユーザはノイズの制約の比較的厳しい領域に対しては内側の円で、又、比較的厳しくない領域に関しては外側の円でバイパスコンデンサの配置を評価することができる。
【0051】
図9は上記実施形態に於けるバイパスコンデンサ表示設定パネルの一構成例を示したもので、ここではバイパスコンデンサ各々の有効範囲をインピーダンス値を違えて複数の同心円(楕円)で表示することを可能としており、その表示する円の数を指定する選択子(円1,円2,…)を有している。又、基板毎の電源のの種類(信号名;+5V,B3V,B5V等)を選択可能に一覧表示する。
【0052】
図10は本発明の他の実施形態を説明するためのバイパスコンデンサの配置機能説明図であり、ここではバイパスコンデンサを配置した際に、上記した有効範囲の近似楕円描画機能を用いて、当該バイパスコンデンサの有効範囲を同時に表示しリアルタイムでユーザに認識させることによって作業能率の向上を図っている。
【0053】
ここで上記各図を参照して本発明の実施形態に於ける動作を説明する。
先ず、図6乃至図9を参照して、バイパスコンデンサの有効範囲を近似楕円として描画する原理について説明する。
【0054】
ここでは、図7(A)に示すように、配線長L1の電源セルVCCとグラウンドセルGND間の配線路に配置されたバイパスコンデンサCを想定する。この配線路のインピーダンスZ1は、配線長L1、抵抗率a0、配線厚t、及びバイパスコンデンサCの容量により決定される。ここで抵抗率a0は、図7(B)に示すように、L1とZ1との傾きとして表現される。さらに、図8(A)に示すように、配線路から所定の距離L3,L4の任意点Aを想定した場合に、プレーン層上の等価インピーダンスZ2を想定する(図8(B)を参照)。この等価インピーダンスZ2は、任意点Aから各セルまでの距離の和L2の関数として与えられる。このL2は「L2=L3+L4」である。
【0055】
このインピーダンスZ2と距離L2との関係から、図7(C)に示すように、傾きとして表現できるインピーダンス特性a1を決定できる。そして、インピーダンスZ1とZ2の和をZとした場合に、このインピーダンスの和Zに対応するL2を求めて、これを楕円(長円部)の直径の半分とし、図8(A)に示すように、電源セルVCCとグラウンドセルGNDを楕円を焦点とする楕円を描画する。即ち、Z2が一定となるような任意点Aの軌跡を描く。
【0056】
基板レイアウトCAD処理部11はプリント基板設計CADの基本ツール(メイン要素)となるもので、その一部の要素に、本発明の実施形態によるバイパスコンデンサ配置評価ツール12をもつ。
【0057】
このバイパスコンデンサ配置評価ツール12には、プリント基板上に配置されたバイパスコンデンサの作用が及ばない、バイパスコンデンサの不足部分を強調表示するための図2に示すような多値レベル(ここではレベル1〜レベル5)の楕円領域作成処理を実行するためのパスコン情報管理テーブル(TC)と、余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサが配置されているか否かを図3に示すように領域比較により判断するための不要パスコン判断処理テーブル (TD)と、図4に示すような各電源プレーン毎のバイパスコンデンサの有効範囲を算出するパスコン有効範囲算出処理ルーチン(PE)と、当該算出された有効範囲の情報から、図5に示すような、バイパスコンデンサの不足領域を算出する処理ルーチン、当該不足領域を上記パスコン情報テーブル(TC)を用いて強調表示する処理ルーチン、及び余分な(過剰な)バイパスコンデンサを上記不要パスコン判断処理テーブル(TD)を用いて領域比較により判定し抽出して表示する処理ルーチンをもつパスコン表示処理ルーチン(PF)とが設けられる。
【0058】
バイパスコンデンサ配置評価ツール12は、操作入力部13より、例えばユーザが見たい有効範囲を示すインピーダンス情報(xΩ)、表示する電源エリアの指定等、各種の指定入力情報を受ける。又、パラメータ入力部14より、例えばデータカードによるバイパスコンデンサの有効範囲を示す円の半径を計算する式の係数の設定情報等を受ける。又、記憶部15をアクセスして、各基板毎の電源エリアの形状を示すデータ(座標値データ)が含まれる基板データ、各基板毎の層構造、各層の厚み、材質等のシミュレーション用のデータが含まれるライブラリ情報等を取得する。
【0059】
又、バイパスコンデンサ配置評価ツール12は表示制御部16を介してCADの表示部18に、プリント基板設計CADで扱う配線層のパターンレイアウト等を含む各種の基板情報を表示出力制御する。ここでは操作入力部13の指示に従う電源エリアについて、バイパスコンデンサが作用しない、バイパスコンデンサの不足している領域を強調表示した、パスコン不足領域強調表示画面19A、及び余分な(過剰な)バイパスコンデンサをユーザに提示する不要パスコン一覧18bを付加した不要パスコン表示画面19Bを選択的に表示出力制御する。この各表示処理については後述する。尚、この例では表示するバイパスコンデンサの有効範囲を示す楕円(領域)が電源エリアの形状により出力規制される。ここでは基板上に表示するバイパスコンデンサの有効範囲を示す各楕円と電源エリアの形状とのアンド(論理積演算)がとられ、電源エリアから食出した円が切欠かれ除去される。又、配線規則違反コンデンサ一覧表示制御部17を介して配線規則に違反するバイパスコンデンサの一覧を表示出力するがここではその詳細を省略する。
【0060】
又、バイパスコンデンサ配置評価ツール12には、図示しないが、オペレータ(ユーザ)が選択するためのバイパスコンデンサのセル名などの一覧画面や、バイパスコンデンサの配線路に関するパラメータの変更画面等を生成する一覧サブウィンドウ生成部、オペレータにより検索対象外とされたセル名以外のセル名のバイパスコンデンサをチェックし、対象となるバイパスコンデンサの配置場所の座標、配線路の配線長L1や配線幅Wなどを算出する配線チェック部、配線チェック部により算出された配線路の配線長L1や配線幅Wなどのパラメータおよびオペレータにより設定されたパラメータに基づいて、所定のアルゴリズムによりバイパスコンデンサの有効範囲を示す近似楕円の直径の半分を算出する計算部、エディタ画面上に一つのバイパスコンデンサに対して、4つの同心楕円を描画する描画部、所定の配線規則に基づいて、極端に配線が長いバイパスコンデンサ等、配線規則に従わない異常配線によるバイパスコンデンサをチェックする違反配線チェック部等が設けられる。
【0061】
バイパスコンデンサCは図7(A)に示すように、電源セルVCCとグラウンドセルGND間の配線路に接続されている。電源セルVCCとグラウンドセルGNDとは、電源層とグラウンド層と配線を電気的に接続するための孔である。
【0062】
一覧サブウィンドウ生成部は、抽出されたバイパスコンデンサのセル名や、各種パラメータのデフォルト値の一覧表示画面を生成してCADの表示部18に表示する。この一覧サブウィンドウ画面により、オペレータはバイパスコンデンサの配線路に関するパラメータを変更したり、対象外のバイパスコンデンサセル名を指定できる。
【0063】
配線チェック部は、オペレータにより検索対象外とされたセル名以外のセル名のバイパスコンデンサをチェックし、対象となるバイパスコンデンサの配置場所の座標、配線路の配線長L1や配線幅Wなどを算出する。ここで、配線路の配線長L1は、図7(A)に示すように、電源セルVCCとグラウンドセルGND間の配線路の長さである。計算部は、配線チェック部により算出された配線路の配線長L1や配線幅Wなどのパラメータ及びオペレータにより設定されたパラメータに基づいて、所定のアルゴリズムによりパスコンの有効範囲を示す近似楕円の直径の半分(rad1)を算出し、さらにrad1から4つの同心楕円を示すrad4までを算出する。ここで、計算部のパラメータには、抵抗率a0,配線厚tなどが含まれる。違反配線チェック部は、対象とするバイパスコンデンサが所定の配線規則を満足するか否かのチェックを行なう。このような処理を経て、描画部は、図8(C)に示すように、対象とするバイパスコンデンサの有効範囲を近似楕円として描画し、例えば周波数パラメータ毎に有効範囲が異なる同心楕円を描画する。ユーザはこの有効範囲の楕円描画による表示画面から、基板上においてバイパスコンデンサの効力が薄い箇所や過剰にバイパスコンデンサを配置している箇所を把握することができる。尚、このバイパスコンデンサの有効範囲を楕円で表示する技術については、特願平8−250553号(コンピュータ支援設計システム)にその詳細が開示されている。
【0064】
ここで上記バイパスコンデンサ配置評価ツール12に於いて、プリント基板で扱う電源各々のプリント基板上に於けるバイパスコンデンサの有効範囲を電源の種別毎にその電源エリア内においてのみ表示する多電源に対応した表示機能について、バイパスコンデンサの有効範囲参照処理、バイパスコンデンサの不足領域算出処理並びに当該不足領域の強調表示処理、余分なバイパスコンデンサの抽出処理並びに当該コンデンサの表示処理のそれぞれについて、その処理動作を図2、図3に示す説明図、及び、図4乃至図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0065】
尚、表示する電源エリアの指定はCADのサブウインドウ上で行なう。有効範囲を算出する際に、電源/グラウンドの信号名を抽出しておき、そのテーブルを作成しておく。
【0066】
そして図9に示すようなリストパネル(バイパスコンデンサ表示設定パネル)で一覧表示を行なう。
利用者はこのリスト中から対象とする電源エリアを選択して終了ボタンを押下する。
【0067】
この操作により、選択した電源エリアに接続されるバイパスコンデンサのコンデンサの有効範囲のみが描画対象となる。ここでは、対象となったバイパスコンデンサの有効範囲を画面上に楕円で描画する際に、電源エリアとのアンド(AND)をとって表示する。こうすることで、電源エリアを超えた(食み出した)部分の有効範囲を描画することはなくなり、同時に複数の電源を表示させても楕円が2つ以上の電源にまたがって表示されることがないため、各電源のバイパスコンデンサの有効範囲を容易かつ正確に把握することが可能となる。
【0068】
ここで本発明の実施形態に於ける各電源毎のバイパスコンデンサの有効範囲算出処理ルーチン(PE)による処理動作を図4を参照して説明する。
この各電源毎のバイパスコンデンサの有効範囲算出処理に於いては、CADの表示部19に表示された、電源の信号名一覧(図9参照)から表示する電源エリアが選択されることにより、その電源に設けられたバイパスコンデンサのセル名一覧(図示せず)がCADの表示部19に表示される(図4ステップS1 )。
【0069】
このセル名一覧から一つのセル名(No.i)が選択されると(図4ステップS2 )、その選択されたセル名(No.i)のフラグ(図示せず)をオンする(図4ステップS3 )。
【0070】
又、上記セル名一覧が表示された状態で、描画ボタン(図示せず)が押下されると(図4ステップS4 )、選択されたセル名全てのバイパスコンデンサについて(図4ステップS5 )、それぞれ所定の条件を満たしているか否か、即ち電源セルVCCとグラウンドセルGND間の配線路に接続されているか否かをチェックし(図4ステップS6 )、正しく接続されていれば(図4ステップS7 )、配線路の配線長(L1)、配線幅(W)、中心座標(x・y)、信号名(Ci)等を抽出し(図4ステップS8 )、所定の配線規則に従う配線ルール違反がないことを確認して(図4ステップS9 )、当該バイパスコンデンサ情報に従いバイパスコンデンサの信号名テーブル(図示せず)を更新する(図4ステップS10)とともに、有効範囲を示す楕円のデータを算出してパスコン情報管理テーブル(TC)内のパスコン有効領域テーブルを更新し、当該テーブルに登録された各バイパスコンデンサの有効範囲を示す楕円データを半径の大きい順にソートする(図5ステップS10,S12)。また、所定の配線規則に従う配線ルール違反があったときは、違反フラグをオンして当該違反内容を表示出力する。
【0071】
このようにして、バイパスコンデンサを対象としたパスコン有効範囲情報(有効範囲を示す楕円データ)がパスコン情報管理テーブル(TC)内にパスコン有効領域テーブルが作成された後、図9に示すバイパスコンデンサ表示設定パネル上で、バイパスコンデンサの有効範囲を表示するための電源の種類(信号名)が選択されることにより、その選択された電源のバイパスコンデンサの有効範囲が、バイパスコンデンサの不足している領域が算出され、当該不足領域を強調した表示形態でCADの表示部19に表示出力されるとともに、余分な(過剰な)バイパスコンデンサが存在するとき、そのバイパスコンデンサを抽出し、当該バイパスコンデンサをロケーション番号でパスコン一覧18bとしてCADの表示部19に表示出力する。
【0072】
この際のバイパスコンデンサの不足領域算出処理、並びに当該不足領域を強調した表示処理と、余分な(過剰な)バイパスコンデンサの抽出処理、並びに当該コンデンサの表示処理を図2、図3に示す説明図、及び図5、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0073】
ここでは先ず図9に示すバイパスコンデンサ表示設定パネル上で、バイパスコンデンサの有効範囲を表示するための電源の種類(信号名)が選択される(図5ステップS21,S22)と、その選択された電源のフラグ(No.j)をオンする(図5ステップS23)。
【0074】
更に、その後、上記バイパスコンデンサ表示設定パネル上で、描画ボタン(例えば全表示)が押下されると(図5ステップS24)、全てのバイパスコンデンサを対象に、選択された電源の信号名をもつバイパスコンデンサについて、その各バイパスコンデンサの有効範囲を示す楕円の描画データが生成され、更にその楕円の描画データをもとに、バイパスコンデンサの不足している領域が算出され、当該不足領域がCADの表示部19に強調表示されるとともに、余分な(過剰な)バイパスコンデンサが抽出されると、当該バイパスコンデンサがその配置位置でハイライト表示され、又はロケーション番号でパスコン一覧18bとしてCADの表示部19に表示される(図5ステップS25〜S27、図6ステップS28〜S37)。
【0075】
図2に於いて、楕円1〜4は、それぞれ上記した有効範囲算出アルゴリズムに於いてユーザにより指定されたインピーダンスZa、Zb、Zc、Zdに対応する楕円とする。
【0076】
ここでは強調表示領域を以下のように定義する。
*レベル1の領域:
楕円1で覆われている領域。最もコンデンサの効いている領域(コンデンサの作用が最も大きい領域)である。
【0077】
*レベル2の領域:
楕円2で覆われている領域。但しレベル1の領域を除く。
*レベル3の領域:
楕円3で覆われている領域。但しレベル1,2の領域を除く。
【0078】
*レベル4の領域:
楕円3で覆われている領域。但しレベル1,2,3の領域を除く。
*レベル5の領域:
バイパスコンデンサの有効範囲外の領域(コンデンサの作用が及ばない領域)である。またレベル1から4のいずれの領域にも属さない領域。
【0079】
上記した条件のもとにバイパスコンデンサの作用が及ばない、バイパスコンデンサの不足領域を強調表示する際の描画処理を以下に示す。
1).レベル1から5までの領域を表示するテーブルをパスコン情報管理テーブル(TC)上に用意する。
【0080】
2).レベル5の領域に今対象となっている電源の外形を加える(図5ステップS27参照)。
3).すべてのバイパスコンデンサの有効範囲(半径)を計算する(図6ステップS28,…参照)。
【0081】
4).すべてのコンデンサの楕円4に対して以下の処理を行なう(図6ステップS29,…参照)。
4a).レベル5の領域から楕円4の領域を削除する(図6ステップS33参照)。(「レベル5領域」AND NOT(「楕円4の領域」))。
【0082】
4b).レベル4の領域に楕円4の領域を加える(図6ステップS34参照)。 (「レベル4領域」OR「楕円4の領域」)。
5).すべてのコンデンサの楕円3に対して以下の処理を行なう。
【0083】
5a).レベル4の領域から楕円3の領域を削除する(図6ステップS33参照)。(「レベル4領域」AND NOT(「楕円3の領域」))。
5b).レベル3の領域に楕円3の領域を加える(図6ステップS34参照)。 (「レベル3領域」OR「楕円3の領域」)。
【0084】
6).すべてのコンデンサの楕円2に対して以下の処理を行なう。
6a).レベル3の領域から楕円2の領域を削除する(図6ステップS33参照)。(「レベル3領域」AND NOT(「楕円2の領域」))。
【0085】
6b).レベル2の領域に楕円2の領域を加える(図6ステップS34参照)。 (「レベル2領域」OR「楕円2の領域」)。
7).すべてのコンデンサの楕円1に対して以下の処理を行なう。
【0086】
7a).レベル2の領域から楕円1の領域を削除する(図6ステップS33参照)。(「レベル2領域」AND NOT(「楕円1の領域」))。
7b).レベル1の領域に楕円1の領域を加える(図6ステップS34参照)。 (「レベル1領域」OR「楕円1の領域」)。
【0087】
8).それぞれの領域に対して色分け表示、またはユーザ指定による個別表示を行なう。例えばレベル1領域を茶(低輝度)、レベル2領域を赤(低輝度)、レベル3領域を橙(低輝度)、レベル4領域を黄(低輝度)、レベル5領域を緑(高輝度)で表示する。
【0088】
このような表示により、バイパスコンデンサが不足している部分の領域を視覚的、直観的に判断でき、バイパスコンデンサの不足領域を容易かつ的確に認識できる。
【0089】
次に余分なコンデンサの抽出処理を図2,図3に示す説明図、及び図4乃至図6に示すフローチャートを参照して説明する。
あるバイパスコンデンサの全有効範囲が、他のバイパスコンデンサによって覆われている場合、このコンデンサを余分なバイパスコンデンサ、即ち「過剰コンデンサ」として抽出する。実際には有効範囲である楕円1から楕円4のどのレベルで過剰コンデンサを判断するかによって結果は異なってくるが、いずれも同様にアルゴリズムであるため、ここでは「楕円1」に対してのアルゴリズムを示す。この「過剰コンデンサ」の抽出処理は図6に示すフローチャートのステップS35,S36に於いて実行され、その余分なコンデンサの表示処理は図6に示すフローチャートのステップS37に於いて実行される(ここでは対象コンデンサをその配置位置上でハイライト表示する場合を例にとっている)。
【0090】
1)パスコン情報管理テーブル(TC)内のパスコン有効領域テーブルを、コンデンサの楕円1の半径(有効範囲の面積)が大きい順にソートする(図4ステップS12参照)。
【0091】
2)バイパスコンデンサのテーブル(パスコン有効領域テーブル)順に、以下の処理を行なう。
3)バイパスコンデンサiの楕円1の領域を処理レベル1の領域に加える。
【0092】
4)バイパスコンデンサiの領域を加える前のレベル1の領域と、加えた後のレベル1の領域を比べ、変化がなければ「過剰コンデンサ」とする(図3(b)参照)。
【0093】
5)過剰コンデンサである余分なコンデンサはユーザが分かり易い形で表示する。例えば当該コンデンサの配置位置上でハイライト表示する。又はコンデンサのロケーション番号を不要パスコン一覧18bにてリスト表示する。
【0094】
これによりバイパスコンデンサが余分に配置された際に、当該コンデンサをユーザに分り易く表示できる。
尚上記実施形態に於けるシステムは、例えば磁気ディスク等の記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御される各種のコンピュータによって実現されるもので、上記した実施形態に於いて、バイパスコンデンサの有効範囲算出処理ルーチン(PE)、及び当該算出された有効範囲の情報からバイパスコンデンサの不足領域を算出する処理ルーチン、当該不足領域を上記パスコン情報テーブル(TC)を用いて強調表示する処理ルーチン、及び余分な(過剰な)バイパスコンデンサを上記不要パスコン判断処理テーブル (TD)を用いて領域比較により判定し抽出して表示する処理ルーチンをもつパスコン表示処理ルーチン(PF)を含む処理プログラムを、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、フラッシュメモリ等の記録媒体に格納し、必要に応じ、CADシステム又は他のコンピュータシステムにインストールして使用することが可能である。即ち、本発明の実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。
【0095】
次に、図10を参照して本発明の他の実施形態による、コンデンサの配置機能について説明する。
ここでは、バイパスコンデンサをユーザが配置する機能に、コンデンサのセル形状の回りにある一定の有効範囲を付加表示する。有効範囲である楕円の中心は各パッドの中心とし、大きさは配線のない(即ち前述したZ1=0)状態で計算した半径とする。これをデフォルトの有効範囲とする。何オームの「デフォルトの有効範囲」を表示しながら配置作業をするかはユーザがメニューで設定できるようにする。
このように、バイパスコンデンサを配置する際に、その大まかな有効範囲をユーザが容易に把握でき、これにより効率のよい部品配置が可能となる。
【0096】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によればバイパスコンデンサが不足している領域(バイパスコンデンサの作用が及ばない領域)を利用者が容易かつ的確に把握でき
【0097】
また、本発明によれば余分な(有効に作用しない無用な)バイパスコンデンサが配置された場合に、当該コンデンサを容易かつ的確に把握でき
【0098】
また、本発明によればバイパスコンデンサを配置する際に、そのコンデンサの概略有効範囲をユーザが容易に把握でき、これにより部品配置作業を効率よく実行でき
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による要部のシステム構成要素を示す機能ブロック図。
【図2】上記実施形態に於ける楕円領域作成処理手順を示す動作説明図。
【図3】上記実施形態に於ける不要パスコン判断処理手順を示す動作説明図。
【図4】上記実施形態に於ける各電源毎のバイパスコンデンサの有効範囲算出処理ルーチン(PE)を示すフローチャート。
【図5】上記実施形態に於けるパスコン表示処理ルーチン(PF)を示すフローチャート。
【図6】上記実施形態に於けるパスコン表示処理ルーチン(PF)を示すフローチャート。
【図7】上記実施形態に於いて、バイパスコンデンサの有効範囲を近似楕円として描画する際の処理動作を説明するための動作原理図。
【図8】上記実施形態に於いて、バイパスコンデンサの有効範囲を近似楕円として描画する際の処理動作を説明するための動作原理図。
【図9】上記実施形態に於けるバイパスコンデンサ表示設定パネルの一構成例を示す図。
【図10】本発明の他の実施形態によるバイパスコンデンサの配置機能説明図。
【符号の説明】
11…基板レイアウトCAD処理部、
12…バイパスコンデンサ配置評価ツール、
13…操作入力部、
14…パラメータ入力部、
15…記憶部、
16…表示制御部、
17…配線規則違反コンデンサ一覧表示制御部、
18…不要パスコン一覧表示制御部、
18b…不要パスコン一覧、
19…CADの表示部、
19A…パスコン不足領域強調表示画面、
19B…不要パスコン一覧を付加した不要パスコン表示画面、
TC…パスコン情報管理テーブル、
TD…不要パスコン判断処理テーブル、
PE…バイパスコンデンサの有効範囲算出処理ルーチン、
PF…パスコン表示処理ルーチン。

Claims (3)

  1. プリント基板の電源回路に介在されるバイパスコンデンサの配置状態を評価する機能をもつプリント基板設計CADシステムであって、
    電源及びグラウンドの外形情報と、配線パターンの幅及び長さを含むプリント基板のレイアウト情報と、プリント基板の構造及び材質情報と、バイパスコンデンサの有効範囲を示すインピーダンス設定情報とをもとに、プリント基板上に配置されたバイパスコンデンサの有効範囲を算出する有効範囲算出手段と、
    上記有効範囲算出手段で算出されたバイパスコンデンサの有効範囲情報と電源及びグラウンド外形情報とをもとにプリント基板上でバイパスコンデンサが不足している領域を抽出する不足領域抽出手段と、
    上記不足領域抽出手段で抽出されたバイパスコンデンサの不足している領域を表示画面上に表示する表示手段と、
    を具備したことを特徴とするプリント基板設計CADシステム。
  2. 上記表示手段は、上記バイパスコンデンサが不足している領域を特定の色又は表示形態でパターン表示する請求項1に記載のプリント基板設計CADシステム。
  3. 上記表示手段は、バイパスコンデンサが不足している領域を、その度合いにより色分けして又は表示形態を変えて段階表示する請求項1に記載のプリント基板設計CADシステム。
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