JPH1049568A - 回路基板設計方法及び記録媒体 - Google Patents
回路基板設計方法及び記録媒体Info
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- JPH1049568A JPH1049568A JP9136907A JP13690797A JPH1049568A JP H1049568 A JPH1049568 A JP H1049568A JP 9136907 A JP9136907 A JP 9136907A JP 13690797 A JP13690797 A JP 13690797A JP H1049568 A JPH1049568 A JP H1049568A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 不要輻射を確実に削減できると共に製造コス
トを削減可能な回路基板設計方法及び記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 S3ないしS7では、仮想断面記述テー
ブルから読み出した仮想断面にて各信号線を仮想配線
し、その不要輻射量Xを算出する。さらに、不要輻射量
Xが許容値Aを越えていた信号線に対して、仮想断面の
改善を実施した改善解N1と、対策部品を挿入した改善
解N2を算出する。S8において、両改善解N1・N2
は、層構造記述テーブルより読み出した各層構造へ割り
付けられる。さらに、S9およびS10では、改善解N
1・N2と各層構造との組み合わせの中から実施可能解
Pを抽出し、その中から、製造コストと不要輻射量とに
基づいて、最適解Qを選択する。S11では、最適解Q
により決定される層構造へ各信号線を自動配線する。
トを削減可能な回路基板設計方法及び記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 S3ないしS7では、仮想断面記述テー
ブルから読み出した仮想断面にて各信号線を仮想配線
し、その不要輻射量Xを算出する。さらに、不要輻射量
Xが許容値Aを越えていた信号線に対して、仮想断面の
改善を実施した改善解N1と、対策部品を挿入した改善
解N2を算出する。S8において、両改善解N1・N2
は、層構造記述テーブルより読み出した各層構造へ割り
付けられる。さらに、S9およびS10では、改善解N
1・N2と各層構造との組み合わせの中から実施可能解
Pを抽出し、その中から、製造コストと不要輻射量とに
基づいて、最適解Qを選択する。S11では、最適解Q
により決定される層構造へ各信号線を自動配線する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、CAD
(Computer Aided Design)シス
テムなどを用いて、プリント基板などの回路基板に配す
る回路を構成する各要素間の接続情報から、各要素間の
信号線の配置などをレイアウトする回路基板設計方法及
び記録媒体に関し、特に、回路基板の電磁波障害を削減
する回路基板設計方法及び記録媒体に関するものであ
る。
(Computer Aided Design)シス
テムなどを用いて、プリント基板などの回路基板に配す
る回路を構成する各要素間の接続情報から、各要素間の
信号線の配置などをレイアウトする回路基板設計方法及
び記録媒体に関し、特に、回路基板の電磁波障害を削減
する回路基板設計方法及び記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリント基板を製造する場
合、例えば、IC(Integrated Circu
it)など、電子回路を構成する部品や部品間の信号線
などについて、画面上で回路基板上の配置をレイアウト
するCADシステムは、広く用いられている。近年で
は、各部品の位置や部品の端子間の接続などを示した接
続情報に基づいて、信号線の配線を自動的にレイアウト
するCADシステムも普及しつつある。
合、例えば、IC(Integrated Circu
it)など、電子回路を構成する部品や部品間の信号線
などについて、画面上で回路基板上の配置をレイアウト
するCADシステムは、広く用いられている。近年で
は、各部品の位置や部品の端子間の接続などを示した接
続情報に基づいて、信号線の配線を自動的にレイアウト
するCADシステムも普及しつつある。
【0003】また、プリント基板上に配する回路が複雑
かつ高密度になるに伴い、プリント基板のパターンから
生じる不要輻射によって、電磁波障害が発生し、回路に
悪影響をおよぼす虞れが高まっている。したがって、従
来より、該不要輻射を低減するために、許容できない範
囲の不要輻射が発生しやすい信号線について、信号線の
近傍に不要輻射を吸収するガードパターンを形成した
り、コンデンサなど、ノイズ対策コンポーネント(以下
では、単に対策部品と称する)を挿入したりする対策が
とられている。
かつ高密度になるに伴い、プリント基板のパターンから
生じる不要輻射によって、電磁波障害が発生し、回路に
悪影響をおよぼす虞れが高まっている。したがって、従
来より、該不要輻射を低減するために、許容できない範
囲の不要輻射が発生しやすい信号線について、信号線の
近傍に不要輻射を吸収するガードパターンを形成した
り、コンデンサなど、ノイズ対策コンポーネント(以下
では、単に対策部品と称する)を挿入したりする対策が
とられている。
【0004】従来の回路基板設計方法は、図15に示す
ように、ステップ101(以下では、S101のように
略称する)において、CADシステムを用いて、部品配
置や部品間の接続情報を決定すると共に、プリント基板
の層構造を決定する。次に、CADシステムを用いて、
部品間の信号線の配線が行われる(S102)。配線の
際、不要輻射を低減するために、設計者は、蓄積したノ
ウハウに基づいて、ガードパターンの形状、あるいは、
対策部品の大きさや挿入する位置を決定する。
ように、ステップ101(以下では、S101のように
略称する)において、CADシステムを用いて、部品配
置や部品間の接続情報を決定すると共に、プリント基板
の層構造を決定する。次に、CADシステムを用いて、
部品間の信号線の配線が行われる(S102)。配線の
際、不要輻射を低減するために、設計者は、蓄積したノ
ウハウに基づいて、ガードパターンの形状、あるいは、
対策部品の大きさや挿入する位置を決定する。
【0005】その後、S103において、実機を試作
し、電波暗室などにて不要輻射を測定する。これによ
り、不要輻射量やクロストークなどの問題点が抽出され
る。加えて、S104において、設計変更が必要か否か
が判定される。不要輻射が所望の範囲内に低減できるま
で(S104の判定がNOになるまで)、S102以降
の処理が繰り返され、例えば、ガードパターンの生成や
対策部品の挿入などのノイズ対策が行われる。
し、電波暗室などにて不要輻射を測定する。これによ
り、不要輻射量やクロストークなどの問題点が抽出され
る。加えて、S104において、設計変更が必要か否か
が判定される。不要輻射が所望の範囲内に低減できるま
で(S104の判定がNOになるまで)、S102以降
の処理が繰り返され、例えば、ガードパターンの生成や
対策部品の挿入などのノイズ対策が行われる。
【0006】さらに、これらのノイズ対策では、不要輻
射を抑制しきれない場合、S101へ戻り、より層数の
大きな多層基板へ層構造を変更して、グランドパターン
を強化したりする対策も行われている。一般に、基板の
層数を増加させると、基板自体や配線のコストが大幅に
上昇するため、最初に、対策部品やガードパターンの挿
入が試みられた後、最後に、層数を増加するか否かが決
定される。
射を抑制しきれない場合、S101へ戻り、より層数の
大きな多層基板へ層構造を変更して、グランドパターン
を強化したりする対策も行われている。一般に、基板の
層数を増加させると、基板自体や配線のコストが大幅に
上昇するため、最初に、対策部品やガードパターンの挿
入が試みられた後、最後に、層数を増加するか否かが決
定される。
【0007】上記方法では、S103にて不要輻射を測
定する際、実機を試作するために、測定期間が長くなる
と共に測定のコストが増加するという問題を生じてい
た。この問題を解決するために、近年では、不要輻射を
算出するシミュレータが開発されている。該シミュレー
タは、各部品の入出力持性、配線経路情報、および、プ
リント基板の材質、並びに、動作周波数などの情報に基
づいて、指定配線経路から放射する輻射量を求める。こ
れにより、実機を試作することなく、各配線が発生する
不要輻射を測定できるため、測定期間を短縮すると共
に、測定コストを抑制できる。
定する際、実機を試作するために、測定期間が長くなる
と共に測定のコストが増加するという問題を生じてい
た。この問題を解決するために、近年では、不要輻射を
算出するシミュレータが開発されている。該シミュレー
タは、各部品の入出力持性、配線経路情報、および、プ
リント基板の材質、並びに、動作周波数などの情報に基
づいて、指定配線経路から放射する輻射量を求める。こ
れにより、実機を試作することなく、各配線が発生する
不要輻射を測定できるため、測定期間を短縮すると共
に、測定コストを抑制できる。
【0008】しかしながら、この場合も、ガードパター
ンの形状、あるいは、対策部品の大きさや、挿入する場
所を指定する必要があるため、ノイズ対策を施しても、
必ずしも、不要輻射の削減に効果があるとは限らない。
特に、あまり回路の設計に習熟していない設計者が、ノ
イズ対策を講じた場合、逆に不要輻射量が増加する虞れ
もある。また、プリント基板の層数を増加させた場合
は、比較的確実に輻射量を下げることができるが、一方
で、製造コストが不所望に増加してしまう。
ンの形状、あるいは、対策部品の大きさや、挿入する場
所を指定する必要があるため、ノイズ対策を施しても、
必ずしも、不要輻射の削減に効果があるとは限らない。
特に、あまり回路の設計に習熟していない設計者が、ノ
イズ対策を講じた場合、逆に不要輻射量が増加する虞れ
もある。また、プリント基板の層数を増加させた場合
は、比較的確実に輻射量を下げることができるが、一方
で、製造コストが不所望に増加してしまう。
【0009】そこで、第1の従来技術(特開平5−33
4394号公報)では、不要輻射量に応じた大きさの対
策部品を自動的に選択する方法が開示されている。この
方法では、まず、各信号線から発生する不要輻射を算出
し、不要輻射が許容量を越えた信号線に対して、該不要
輻射量に応じた大きさの対策部品を挿入する。これによ
り、設計者が特に指定しなくても、適切な大きさの対策
部品を適切な場所に挿入できるため、確実に不要輻射を
削減することができる。
4394号公報)では、不要輻射量に応じた大きさの対
策部品を自動的に選択する方法が開示されている。この
方法では、まず、各信号線から発生する不要輻射を算出
し、不要輻射が許容量を越えた信号線に対して、該不要
輻射量に応じた大きさの対策部品を挿入する。これによ
り、設計者が特に指定しなくても、適切な大きさの対策
部品を適切な場所に挿入できるため、確実に不要輻射を
削減することができる。
【0010】一方、第2の従来技術(特開平6−187
397号公報)では、不要輻射量に応じた幅のガードパ
ターンを高速に設計する方法が開示されている。この方
法では、不要輻射量に応じて信号線の幅を変化させ、信
号線幅の大きいものから順番に配線する。その後、信号
線幅を元に戻し、必要であれば、開いた領域にガードパ
ターンを生成する。これにより、配線する段階におい
て、通常の配線自動レイアウト方法と同様の処理を行え
る。この結果、信号線の不要輻射を削減する場合でも、
従来と同程度の速度で高速に配線できる。
397号公報)では、不要輻射量に応じた幅のガードパ
ターンを高速に設計する方法が開示されている。この方
法では、不要輻射量に応じて信号線の幅を変化させ、信
号線幅の大きいものから順番に配線する。その後、信号
線幅を元に戻し、必要であれば、開いた領域にガードパ
ターンを生成する。これにより、配線する段階におい
て、通常の配線自動レイアウト方法と同様の処理を行え
る。この結果、信号線の不要輻射を削減する場合でも、
従来と同程度の速度で高速に配線できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来例では、所定の層構造を持つプリントに対して、レ
イアウトするため、信号線の不要輻射を十分に削減でき
ない虞れがある。すなわち、上記各従来例では、層構造
の決定後に、ノイズ対策として、ガードパターンを生成
したり、あるいは、対策部品の容量を選択したりしてい
る。したがって、ノイズ対策は、例えば、ガードパター
ン幅の選択など、平面方向での対策が主体となる。した
がって、個々の信号線の断面形状を自由には選択でき
ず、不要輻射の削減が不十分になる虞れがある。
従来例では、所定の層構造を持つプリントに対して、レ
イアウトするため、信号線の不要輻射を十分に削減でき
ない虞れがある。すなわち、上記各従来例では、層構造
の決定後に、ノイズ対策として、ガードパターンを生成
したり、あるいは、対策部品の容量を選択したりしてい
る。したがって、ノイズ対策は、例えば、ガードパター
ン幅の選択など、平面方向での対策が主体となる。した
がって、個々の信号線の断面形状を自由には選択でき
ず、不要輻射の削減が不十分になる虞れがある。
【0012】加えて、上記第1の従来例では、ノイズ対
策として、対策部品の挿入しか行わない。したがって、
簡単なガードパターンの生成によって、不要輻射量を削
減できる場合であっても、対策部品を挿入してしまう。
この結果、対策部品の消費量が増加し、回路の製造コス
トを増加させてしまう。一方、上記第2の従来例では、
ガードパターンの生成しか行わない。したがって、ガー
ドパターンの数が増加し、配線が困難になる。この結
果、自動配線が失敗しやすくなり、マニュアルによる配
線の修正が増加する。また、マニュアルでも修正しきれ
ない場合は、より高価な多層基板にプリント基板を変更
し、配線をやり直すなどの手間が必要となる。この結
果、回路製造時の手間が増加し、製造コストが増加して
しまう。
策として、対策部品の挿入しか行わない。したがって、
簡単なガードパターンの生成によって、不要輻射量を削
減できる場合であっても、対策部品を挿入してしまう。
この結果、対策部品の消費量が増加し、回路の製造コス
トを増加させてしまう。一方、上記第2の従来例では、
ガードパターンの生成しか行わない。したがって、ガー
ドパターンの数が増加し、配線が困難になる。この結
果、自動配線が失敗しやすくなり、マニュアルによる配
線の修正が増加する。また、マニュアルでも修正しきれ
ない場合は、より高価な多層基板にプリント基板を変更
し、配線をやり直すなどの手間が必要となる。この結
果、回路製造時の手間が増加し、製造コストが増加して
しまう。
【0013】したがって、上記各従来例は、削減可能な
不要輻射量、および、製造コストの点で、十分なものと
は言えない。
不要輻射量、および、製造コストの点で、十分なものと
は言えない。
【0014】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、より確実に不要輻射を削減で
きると共に、製造コストを削減可能な回路基板設計方法
及び記録媒体を提供することにある。
ものであり、その目的は、より確実に不要輻射を削減で
きると共に、製造コストを削減可能な回路基板設計方法
及び記録媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る回
路基板設計方法は、基板に配する回路を構成する要素の
接続関係を含む接続情報に基づき、各要素間の配線をレ
イアウトする回路基板設計方法であって、上記課題を解
決するために、上記接続情報に基づき、各配線の仮想配
線経路を決定する仮想配線工程と、当該仮想配線経路に
ノイズ対策が必要か否かを判定する判定工程と、ノイズ
対策が必要な場合、ノイズ対策を実施して、当該配線の
仮想断面を決定する仮想断面決定工程と、算出した仮想
断面を持つ各配線をレイアウト可能な、回路基板の層構
造を決定する層構造決定工程とを、各配線をレイアウト
する配線工程の前に含んでいることを特徴としている。
路基板設計方法は、基板に配する回路を構成する要素の
接続関係を含む接続情報に基づき、各要素間の配線をレ
イアウトする回路基板設計方法であって、上記課題を解
決するために、上記接続情報に基づき、各配線の仮想配
線経路を決定する仮想配線工程と、当該仮想配線経路に
ノイズ対策が必要か否かを判定する判定工程と、ノイズ
対策が必要な場合、ノイズ対策を実施して、当該配線の
仮想断面を決定する仮想断面決定工程と、算出した仮想
断面を持つ各配線をレイアウト可能な、回路基板の層構
造を決定する層構造決定工程とを、各配線をレイアウト
する配線工程の前に含んでいることを特徴としている。
【0016】なお、上記判定工程では、例えば、仮想配
線工程にて得られた仮想配線経路と、配線パターンを構
成する導体の導電率など、予め設定される基板の物性な
どによって求められる仮想配線の線路定数、および、該
配線に印加される信号の特性などに基づいて、当該仮想
配線経路から放射される不要輻射量を算出し、該不要輻
射量が許容値以上であるか否かによって、ノイズ対策が
必要であるか否かを判定できる。また、上記ノイズ対策
は、例えば、仮想断面を改善することによるグランド強
化、あるいは、コンデンサなどのノイズ対策部品の挿入
によって行われる。
線工程にて得られた仮想配線経路と、配線パターンを構
成する導体の導電率など、予め設定される基板の物性な
どによって求められる仮想配線の線路定数、および、該
配線に印加される信号の特性などに基づいて、当該仮想
配線経路から放射される不要輻射量を算出し、該不要輻
射量が許容値以上であるか否かによって、ノイズ対策が
必要であるか否かを判定できる。また、上記ノイズ対策
は、例えば、仮想断面を改善することによるグランド強
化、あるいは、コンデンサなどのノイズ対策部品の挿入
によって行われる。
【0017】上記構成では、層構造決定工程において、
仮想断面決定工程にて行われたノイズ対策に基づいて、
回路基板の層構造が決定される。したがって、個々の配
線の仮想断面の制約を違反しないように、すなわち、個
々の配線が理想的な仮想断面を持つように、回路基板層
の構造を決定できる。この結果、従来のように、予め与
えられた層構造に対してノイズ対策を実施する場合に比
べて、より確実に各配線から放射される不要輻射を削減
できる。
仮想断面決定工程にて行われたノイズ対策に基づいて、
回路基板の層構造が決定される。したがって、個々の配
線の仮想断面の制約を違反しないように、すなわち、個
々の配線が理想的な仮想断面を持つように、回路基板層
の構造を決定できる。この結果、従来のように、予め与
えられた層構造に対してノイズ対策を実施する場合に比
べて、より確実に各配線から放射される不要輻射を削減
できる。
【0018】また、従来のように、層構造の決定後に、
ノイズ対策を実施する場合、ノイズ対策が不十分である
ことが判明すると、新たに層構造を指定し、ノイズ対策
を再度試みる必要がある。ところが、上記構成では、ノ
イズ対策が必要か否かを判定する判定工程、および、ノ
イズ対策を行う仮想断面決定工程は、層構造の決定の前
に配されており、放射ノイズの評価およびノイズ対策
は、従来に比べて、早い段階で実施されている。これに
より、ノイズ対策に失敗する可能性が低くなるので、回
路基板設計時において、不要輻射に関するリワーク数や
試作回数を大幅に削減できる。この結果、設計時のフィ
ードバックループを大幅に削減でき、設計開発期間の短
縮が可能となる。
ノイズ対策を実施する場合、ノイズ対策が不十分である
ことが判明すると、新たに層構造を指定し、ノイズ対策
を再度試みる必要がある。ところが、上記構成では、ノ
イズ対策が必要か否かを判定する判定工程、および、ノ
イズ対策を行う仮想断面決定工程は、層構造の決定の前
に配されており、放射ノイズの評価およびノイズ対策
は、従来に比べて、早い段階で実施されている。これに
より、ノイズ対策に失敗する可能性が低くなるので、回
路基板設計時において、不要輻射に関するリワーク数や
試作回数を大幅に削減できる。この結果、設計時のフィ
ードバックループを大幅に削減でき、設計開発期間の短
縮が可能となる。
【0019】一方、請求項2の発明に係る回路基板設計
方法は、請求項1記載の発明の構成において、上記仮想
断面構造決定工程は、ノイズ対策として、仮想断面を改
善した場合の配線の仮想断面を求める第1の工程と、ノ
イズ対策として、ノイズ対策部品を挿入した場合の配線
の仮想断面を求める第2の工程とを含んでおり、上記層
構造決定工程は、上記第1あるいは第2工程にて算出し
た仮想断面を持つ各配線を層構造にレイアウトする際の
製造コスト、不要輻射量、および配線混雑度のうちの少
なくとも一つに基づいて、回路基板の目的への適合度を
示す評価値を算出する評価値算出工程と、算出した評価
値に基づいて、各配線の仮想断面および眉構造の組み合
わせを選択する選択工程とを含んでいることを特徴とし
ている。
方法は、請求項1記載の発明の構成において、上記仮想
断面構造決定工程は、ノイズ対策として、仮想断面を改
善した場合の配線の仮想断面を求める第1の工程と、ノ
イズ対策として、ノイズ対策部品を挿入した場合の配線
の仮想断面を求める第2の工程とを含んでおり、上記層
構造決定工程は、上記第1あるいは第2工程にて算出し
た仮想断面を持つ各配線を層構造にレイアウトする際の
製造コスト、不要輻射量、および配線混雑度のうちの少
なくとも一つに基づいて、回路基板の目的への適合度を
示す評価値を算出する評価値算出工程と、算出した評価
値に基づいて、各配線の仮想断面および眉構造の組み合
わせを選択する選択工程とを含んでいることを特徴とし
ている。
【0020】なお、上記ノイズ対策部品は、例えば、コ
ンデンサなどであり、上記第2の工程では、例えば、ノ
イズ対策部品を挿入した後、部品の配置を修正してノイ
ズ対策を実施すると共に、その場合の仮想断面が求めら
れる。また、上記評価値は、例えば、製造コストそのも
のであったり、製造コストと不要輻射量とに所定の重み
をつけて和をとったりして算出される。この評価値の算
出方法は、回路基板の目的に応じた製造コストや不要輻
射量などに応じて決定される。
ンデンサなどであり、上記第2の工程では、例えば、ノ
イズ対策部品を挿入した後、部品の配置を修正してノイ
ズ対策を実施すると共に、その場合の仮想断面が求めら
れる。また、上記評価値は、例えば、製造コストそのも
のであったり、製造コストと不要輻射量とに所定の重み
をつけて和をとったりして算出される。この評価値の算
出方法は、回路基板の目的に応じた製造コストや不要輻
射量などに応じて決定される。
【0021】上記構成では、配線を層構造にレイアウト
する際の製造コストなどから算出される評価値に基づい
て、選択工程にて、層構造が決定される。したがって、
回路基板の目的に応じて、仮想断面の改善によるグラン
ド強化およびノイズ対策部品の挿入という2つのノイズ
対策のうち、適切な対策を選択できる。これにより、従
来のノイズ対策部品を挿入してノイズ対策を実施する場
合に比べて、ノイズ対策部品の挿入数を削減できる。ま
た、従来のガードパターンを形成してノイズ対策を実施
する場合に比べて、ガードパターンの生成量を削減でき
る。さらに、ノイズ対策の後で層構造が決定されるた
め、平面的なガードパターンだけでなく立体的な仮想断
面を考慮してノイズ対策を実施できる。この結果、製造
コストや不要輻射量など、目的に適合した層構造および
ノイズ対策を持つ回路基板を確実に得ることができる。
したがって、従来のように使用者の熟練度に依存するこ
とがない。この結果、経験の浅い設計者であっても、高
品質の回路基板を作成できる。
する際の製造コストなどから算出される評価値に基づい
て、選択工程にて、層構造が決定される。したがって、
回路基板の目的に応じて、仮想断面の改善によるグラン
ド強化およびノイズ対策部品の挿入という2つのノイズ
対策のうち、適切な対策を選択できる。これにより、従
来のノイズ対策部品を挿入してノイズ対策を実施する場
合に比べて、ノイズ対策部品の挿入数を削減できる。ま
た、従来のガードパターンを形成してノイズ対策を実施
する場合に比べて、ガードパターンの生成量を削減でき
る。さらに、ノイズ対策の後で層構造が決定されるた
め、平面的なガードパターンだけでなく立体的な仮想断
面を考慮してノイズ対策を実施できる。この結果、製造
コストや不要輻射量など、目的に適合した層構造および
ノイズ対策を持つ回路基板を確実に得ることができる。
したがって、従来のように使用者の熟練度に依存するこ
とがない。この結果、経験の浅い設計者であっても、高
品質の回路基板を作成できる。
【0022】さらに、請求項3の発明に係る回路基板設
計方法は、請求項1または2記載の発明の構成におい
て、上記層構造決定工程は、上記仮想断面決定工程にて
指定された仮想断面を持つ各配線を、層構造へ割り付け
る割り付け工程と、各配線を層構造に割り付けた結果、
ノイズ対策が過剰になった場合、当該配線へ実施したノ
イズ対策を変更して、その仮想断面を修正する仮想断面
修正工程とを含んでいることを特徴としている。
計方法は、請求項1または2記載の発明の構成におい
て、上記層構造決定工程は、上記仮想断面決定工程にて
指定された仮想断面を持つ各配線を、層構造へ割り付け
る割り付け工程と、各配線を層構造に割り付けた結果、
ノイズ対策が過剰になった場合、当該配線へ実施したノ
イズ対策を変更して、その仮想断面を修正する仮想断面
修正工程とを含んでいることを特徴としている。
【0023】ところで、請求項1記載の回路基板設計方
法では、仮想断面決定工程にて、配線の仮想断面を求め
た後に、層構造決定工程にて、層構造を決定する。した
がって、層構造に各配線を割り付けた場合、例えば、配
線の近傍に配されるグランド層などによって、上記仮想
断面決定工程にて実施したノイズ対策が過剰になる場合
がある。ノイズ対策が過剰であると、例えば、ノイズ対
策部品の挿入量が不所望に多くなったり、仮想断面の形
状が不所望に複雑になったりする。この結果、回路基板
の製造コストが不所望に増加する虞れがある。
法では、仮想断面決定工程にて、配線の仮想断面を求め
た後に、層構造決定工程にて、層構造を決定する。した
がって、層構造に各配線を割り付けた場合、例えば、配
線の近傍に配されるグランド層などによって、上記仮想
断面決定工程にて実施したノイズ対策が過剰になる場合
がある。ノイズ対策が過剰であると、例えば、ノイズ対
策部品の挿入量が不所望に多くなったり、仮想断面の形
状が不所望に複雑になったりする。この結果、回路基板
の製造コストが不所望に増加する虞れがある。
【0024】ところが、上記構成では、仮想断面修正工
程を設けることにより、過剰なノイズ対策を防止でき
る。この結果、請求項1記載の回路基板設計方法に比べ
て、回路基板の製造コストを削減できる。
程を設けることにより、過剰なノイズ対策を防止でき
る。この結果、請求項1記載の回路基板設計方法に比べ
て、回路基板の製造コストを削減できる。
【0025】請求項4に記載の記録媒体は、コンピュー
タに、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回路基
板設計方法を実行させるプログラムを記録したコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体である。
タに、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回路基
板設計方法を実行させるプログラムを記録したコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体である。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図1
ないし図14に基づいて説明すると以下の通りである。
すなわち、本実施形態に係る回路基板設計方法は、例え
ば、CAD(Computer Aided Desi
gn)システムなどに供されている。このCADシステ
ムは、コンピュータを用いて、回路を構成する部品の配
置や部品間の信号線の配置を画面上で決定した後、実際
の基板を作成するものである。したがって、実際の基板
を作成する前に、各部品の配置を示す部品配置情報、お
よび、部品間の接続関係を示す接続基情報を作成でき
る。両情報は、従来と同様に、例えば、マウスなどの入
力装置の指示に応じて作成される。また、上記両情報
は、論理回路の真理値表などから自動作成してもよい。
さらに、本実施形態に係るCADシステムは、両情報に
基づいて、各部品間の各信号線の配線をレイアウトする
自動レイアウト機能も備えている。また、後述するよう
に、レイアウトした信号線から発生する不要輻射量Xを
算出する機能も備えている。
ないし図14に基づいて説明すると以下の通りである。
すなわち、本実施形態に係る回路基板設計方法は、例え
ば、CAD(Computer Aided Desi
gn)システムなどに供されている。このCADシステ
ムは、コンピュータを用いて、回路を構成する部品の配
置や部品間の信号線の配置を画面上で決定した後、実際
の基板を作成するものである。したがって、実際の基板
を作成する前に、各部品の配置を示す部品配置情報、お
よび、部品間の接続関係を示す接続基情報を作成でき
る。両情報は、従来と同様に、例えば、マウスなどの入
力装置の指示に応じて作成される。また、上記両情報
は、論理回路の真理値表などから自動作成してもよい。
さらに、本実施形態に係るCADシステムは、両情報に
基づいて、各部品間の各信号線の配線をレイアウトする
自動レイアウト機能も備えている。また、後述するよう
に、レイアウトした信号線から発生する不要輻射量Xを
算出する機能も備えている。
【0027】さらに、本実施形態に係るCADシステム
は、該回路を実現する基板として選択可能な層構造の組
を示す層記述テーブルと、各信号線の断面形状として選
択可能な断面(以下では、仮想断面と称する)の組を示
す仮想断面記述テーブルとを備えている。
は、該回路を実現する基板として選択可能な層構造の組
を示す層記述テーブルと、各信号線の断面形状として選
択可能な断面(以下では、仮想断面と称する)の組を示
す仮想断面記述テーブルとを備えている。
【0028】本実施形態に係る層記述テーブルは、例え
ば、以下の表1に示すように、実基板の層数と、グラン
ド層となる層番号との組み合わせを記述したものであ
る。また、各組み合わせには、実施可能解Pを探索する
順番(後述)を示すテーブル番号mが付されている。
ば、以下の表1に示すように、実基板の層数と、グラン
ド層となる層番号との組み合わせを記述したものであ
る。また、各組み合わせには、実施可能解Pを探索する
順番(後述)を示すテーブル番号mが付されている。
【0029】
【表1】
【0030】上記層記述テーブルを参照することによっ
て、テーブル番号mに対応する基板の層数およびグラン
ド層番号を読み出すことができる。さらに、テーブル番
号mを1増加させることによって、次の層構造を示すテ
ーブル番号mを取得することができる。加えて、テーブ
ル番号mを増加させていき、次の番号があるか否かによ
って、選択可能な層構造が残っているか否かを判定でき
る。
て、テーブル番号mに対応する基板の層数およびグラン
ド層番号を読み出すことができる。さらに、テーブル番
号mを1増加させることによって、次の層構造を示すテ
ーブル番号mを取得することができる。加えて、テーブ
ル番号mを増加させていき、次の番号があるか否かによ
って、選択可能な層構造が残っているか否かを判定でき
る。
【0031】例えば、上記の表1において、テーブル番
号mが6の場合に対応する基板1は、図2に示すよう
に、層数が6層であり、6層の導体層2…の間に絶縁層
3…を介在させた構成である。各導体層2のうち、第3
層2cおよび第4層2dは、グランド層に指定されてお
り、残つた第1層2a、第2層2b、第5層2e、およ
び、第6層2fに、信号線が配される。また、この基板
1の次に、不要輻射の吸収量が大きい基板は、テーブル
番号mが7の基板(図示せず)であり、グランド層が、
第2、第4および第6層の3層に増やされている。
号mが6の場合に対応する基板1は、図2に示すよう
に、層数が6層であり、6層の導体層2…の間に絶縁層
3…を介在させた構成である。各導体層2のうち、第3
層2cおよび第4層2dは、グランド層に指定されてお
り、残つた第1層2a、第2層2b、第5層2e、およ
び、第6層2fに、信号線が配される。また、この基板
1の次に、不要輻射の吸収量が大きい基板は、テーブル
番号mが7の基板(図示せず)であり、グランド層が、
第2、第4および第6層の3層に増やされている。
【0032】一方、本実施形態では、上記仮想断面を主
として、図3の(a)ないし(i)に示す形状に分類
し、さらに、各形状について、信号線幅sw、絶縁体厚
t、パターン間距離d、および、ガードパターン幅gw
で区別している。したがって、例えば、以下の表2に示
すように、各仮想断面は、形状を示す形状番号pや信号
線幅swなどの組み合わせで表現できる。また、各仮想
断面には、不要輻射の吸収量が小さく、かつ、構造が簡
単な順番に断面番号nが付されている。
として、図3の(a)ないし(i)に示す形状に分類
し、さらに、各形状について、信号線幅sw、絶縁体厚
t、パターン間距離d、および、ガードパターン幅gw
で区別している。したがって、例えば、以下の表2に示
すように、各仮想断面は、形状を示す形状番号pや信号
線幅swなどの組み合わせで表現できる。また、各仮想
断面には、不要輻射の吸収量が小さく、かつ、構造が簡
単な順番に断面番号nが付されている。
【0033】
【表2】
【0034】なお、表中に示す形状番号pは、仮想断面
の形状を示すものであり、図3(a)ないし(i)に示
す形状に対応している。例えば、形状番号pが1の場合
は、図3の(a)に示す形状11に対応している。この
形状11には、各部品問を接続する信号部21のみが設
けられており、ガードパターンやグランドプレーンなど
のグランドは設けられていない。また、形状番号pが2
の場合は、図3の(b)に示すように、信号部21の片
側のみに、不要輻射を吸収するガードパターン部22が
形成された形状12となる。また、形状番号p=3に対
応する形状13は、図3の(c)に示すように、信号部
21の両側にガードパターン部22a.22b(総称す
る場合は、参照符号22を付す)を備えている。一方、
図3の(d)ないし(f)に示す形状14ないし16
は、上記形状11ないし形状13へグランドプレーン2
3を付加した構成である。また、図3の(g)ないし
(h)に示す形状17ないし19は、信号部21の上層
および下層に、グランドプレーン23・23を付加した
構成である。なお、上記各グランドプレーン23と信号
21との間には、絶縁層3が設けられている。
の形状を示すものであり、図3(a)ないし(i)に示
す形状に対応している。例えば、形状番号pが1の場合
は、図3の(a)に示す形状11に対応している。この
形状11には、各部品問を接続する信号部21のみが設
けられており、ガードパターンやグランドプレーンなど
のグランドは設けられていない。また、形状番号pが2
の場合は、図3の(b)に示すように、信号部21の片
側のみに、不要輻射を吸収するガードパターン部22が
形成された形状12となる。また、形状番号p=3に対
応する形状13は、図3の(c)に示すように、信号部
21の両側にガードパターン部22a.22b(総称す
る場合は、参照符号22を付す)を備えている。一方、
図3の(d)ないし(f)に示す形状14ないし16
は、上記形状11ないし形状13へグランドプレーン2
3を付加した構成である。また、図3の(g)ないし
(h)に示す形状17ないし19は、信号部21の上層
および下層に、グランドプレーン23・23を付加した
構成である。なお、上記各グランドプレーン23と信号
21との間には、絶縁層3が設けられている。
【0035】また、上記表2において、上記信号線幅s
wは、上記信号部21のパターン幅であり、ガードパタ
ーン幅gwは、ガードパターン部22の幅である。ま
た、パターン間距離dは、図3の(b)に示すように、
ガードパターン部22と信号部21との距離を示してい
る。加えて、絶縁体厚tは、図3の(d)に示すよう
に、信号部21とグランドプレーン23との間に配され
る絶縁層3の厚さである。
wは、上記信号部21のパターン幅であり、ガードパタ
ーン幅gwは、ガードパターン部22の幅である。ま
た、パターン間距離dは、図3の(b)に示すように、
ガードパターン部22と信号部21との距離を示してい
る。加えて、絶縁体厚tは、図3の(d)に示すよう
に、信号部21とグランドプレーン23との間に配され
る絶縁層3の厚さである。
【0036】これにより、該仮想断面記述テーブルか
ら、断面番号nに基づいて、仮想断面の形状や、信号線
幅swなどを読み出すことができる。さらに、断面番号
nを1増加させることによって、不要輻射の吸収量が次
に大きな仮想断面を示す断面番号nを取得できる。加え
て、断面番号nを増加させていき、次の番号があるか否
かによって、各信号線について、選択可能な仮想断面が
残っているか否かを判定できる。
ら、断面番号nに基づいて、仮想断面の形状や、信号線
幅swなどを読み出すことができる。さらに、断面番号
nを1増加させることによって、不要輻射の吸収量が次
に大きな仮想断面を示す断面番号nを取得できる。加え
て、断面番号nを増加させていき、次の番号があるか否
かによって、各信号線について、選択可能な仮想断面が
残っているか否かを判定できる。
【0037】なお、上述の層構造記述テーブルおよび仮
想断面記述テーブルは、例えば、メモリやファイル装置
などの記憶装置に記憶されている。また、各テーブル、
あるいは、配置情報や接続情報などの処理は、従来と同
様に、コンピュータが所望のプログラムを実行すること
によって実現されている。
想断面記述テーブルは、例えば、メモリやファイル装置
などの記憶装置に記憶されている。また、各テーブル、
あるいは、配置情報や接続情報などの処理は、従来と同
様に、コンピュータが所望のプログラムを実行すること
によって実現されている。
【0038】上記構成のCADシステムにおいて、本実
施形態に係る回路基板設計方法は、概ね、図1に示すよ
うに、ステップ1ないしステップ11(以下では、S1
ないしS11のように略称する)の各工程を含んでい
る。
施形態に係る回路基板設計方法は、概ね、図1に示すよ
うに、ステップ1ないしステップ11(以下では、S1
ないしS11のように略称する)の各工程を含んでい
る。
【0039】すなわち、S1において、例えば、従来と
同様のCADシステムや、回路シミュレータなどを用い
て、部品の配置位置を示す部品配置情報、および、各部
品間の接続を示す接続基情報を決定する。
同様のCADシステムや、回路シミュレータなどを用い
て、部品の配置位置を示す部品配置情報、および、各部
品間の接続を示す接続基情報を決定する。
【0040】次に、S2において、導体の厚さなど、実
際の基板上に回路を形成した場合、各信号線の線路定数
を求めるための基本となる基板データと、各部品の入出
力持性を示すデバイスモデルなど、各信号線に印加され
る信号の特性を示す信号特性とを予め入力する。
際の基板上に回路を形成した場合、各信号線の線路定数
を求めるための基本となる基板データと、各部品の入出
力持性を示すデバイスモデルなど、各信号線に印加され
る信号の特性を示す信号特性とを予め入力する。
【0041】また、上述の表1に示す層構造記述テーブ
ルを参照する際に用いられるテーブル番号mの初期値と
して番号1が設定される。同様に、表2に示す仮想断面
記述テーブルの断面番号nの初期値として、番号1を指
定する。
ルを参照する際に用いられるテーブル番号mの初期値と
して番号1が設定される。同様に、表2に示す仮想断面
記述テーブルの断面番号nの初期値として、番号1を指
定する。
【0042】さらに、S3において、上記S1で入力さ
れた部品配置情報および接続情報から、各部品間の仮想
配線経路が算出される。例えば、図4に示すように、I
Cなどからなる3つの部品4・・・か配されており、接
続情報には、部品4aと部品4cとを接続するnet1
およびnet2と、部品4aと部品4cとを接続するn
et3とが記憶されている場合、図5に示すように、各
部品4は、マンハッタン長の仮想配線経路net1aな
いしnet3aで、それぞれ接続される。
れた部品配置情報および接続情報から、各部品間の仮想
配線経路が算出される。例えば、図4に示すように、I
Cなどからなる3つの部品4・・・か配されており、接
続情報には、部品4aと部品4cとを接続するnet1
およびnet2と、部品4aと部品4cとを接続するn
et3とが記憶されている場合、図5に示すように、各
部品4は、マンハッタン長の仮想配線経路net1aな
いしnet3aで、それぞれ接続される。
【0043】S4では、求められた各配線について、不
要輻射量Xを算出する。さらに、予め設定された不要輻
射量の許容値Aを越えている場合、ノイズ対策を施し
て、不要輻射量Xを許容値A以下に削減する(S5)。
本実施形態では、2種類のノイズ対策が実施されてい
る。第1のノイズ対策は、仮想断面を改善してグランド
を強化する方法である。この方法は、上記仮想断面記述
テーブルを参照して、より大きな断面番号nに対応した
仮想断面を読み出し、当該仮想断面を用いて、配線する
ことによって実現される。また、第2のノイズ対策は、
コンデンサなど、ノイズ対策コンポーネント(以下で
は、単に対策部品と称する)を挿入する方法である。こ
れにより、各信号線について、仮想断面形状を改善した
場合の配線情報m1と、対策部品を挿入した場合の配線
情報m2とが算出される。なお、ノイズ対策を施さない
場合の配線情報はm0と称し、上記各配線情報m0・m
1・m2を合わせて、配線情報mと総称するか、詳細は
後述する。
要輻射量Xを算出する。さらに、予め設定された不要輻
射量の許容値Aを越えている場合、ノイズ対策を施し
て、不要輻射量Xを許容値A以下に削減する(S5)。
本実施形態では、2種類のノイズ対策が実施されてい
る。第1のノイズ対策は、仮想断面を改善してグランド
を強化する方法である。この方法は、上記仮想断面記述
テーブルを参照して、より大きな断面番号nに対応した
仮想断面を読み出し、当該仮想断面を用いて、配線する
ことによって実現される。また、第2のノイズ対策は、
コンデンサなど、ノイズ対策コンポーネント(以下で
は、単に対策部品と称する)を挿入する方法である。こ
れにより、各信号線について、仮想断面形状を改善した
場合の配線情報m1と、対策部品を挿入した場合の配線
情報m2とが算出される。なお、ノイズ対策を施さない
場合の配線情報はm0と称し、上記各配線情報m0・m
1・m2を合わせて、配線情報mと総称するか、詳細は
後述する。
【0044】上記S3ないしS6の処理は、まだ処理し
ていない信号線がなくなるまで(S6の判定がYESに
なるまで)、繰り返される。なお、上記S3か特許請求
の範囲に記載の仮想配線工程に対応している。同様に、
S4が判定工程に、S5が仮想断面決定工程にそれぞれ
対応している。
ていない信号線がなくなるまで(S6の判定がYESに
なるまで)、繰り返される。なお、上記S3か特許請求
の範囲に記載の仮想配線工程に対応している。同様に、
S4が判定工程に、S5が仮想断面決定工程にそれぞれ
対応している。
【0045】許容値Aを越えた各信号線毎に、配線情報
m1・m2を算出するので、それらの組み合わせは、多
数考えられるが、本実施形態では、計算量を考慮して、
許容値Aを越えた信号線全てに対して、仮想断面形状を
改善した場合、および、対策部品を挿入した場合との2
つに特に注目し、配線情報m1ばかりを集めた改善解N
1と配線情報m2ばかりを集めた改善解N2とを算出す
る(S7)。なお、両改善解N1・N2を特に区別しな
いときは、単に改善解Nと称する。
m1・m2を算出するので、それらの組み合わせは、多
数考えられるが、本実施形態では、計算量を考慮して、
許容値Aを越えた信号線全てに対して、仮想断面形状を
改善した場合、および、対策部品を挿入した場合との2
つに特に注目し、配線情報m1ばかりを集めた改善解N
1と配線情報m2ばかりを集めた改善解N2とを算出す
る(S7)。なお、両改善解N1・N2を特に区別しな
いときは、単に改善解Nと称する。
【0046】上記S7にて、改善解Nが求められると、
各改善解Nには、記述テーブルと記述された層構造が割
り当てられる(S8)。さらに、各層構造について、実
施可能か否かが検討され、層構造と改善解Nとの組み合
わせの中から、実施可能解P…が抽出される(S9)。
本実施形態では、例えば、各層構造について、配線混雑
度αおよび配線混雑度αのバラツキγを算出し、それぞ
れが対応する許容値B、C以下であるか否かによって、
実施可能か否かを判定している。さらに、上記S9にて
算出した実施可能解Pの集合から、例えば、不要輻射量
の総和xや製造コストyなどを評価して、最適な解Qを
選択する(S10)。その後、選択した最適解Qによっ
て決まる層構造へ、実際に信号線が配線される(S1
1)。なお、上記S7ないしS10が特許請求の範囲に
記載の層構造決定工程に対応しており、S11が配線工
程に対応している。
各改善解Nには、記述テーブルと記述された層構造が割
り当てられる(S8)。さらに、各層構造について、実
施可能か否かが検討され、層構造と改善解Nとの組み合
わせの中から、実施可能解P…が抽出される(S9)。
本実施形態では、例えば、各層構造について、配線混雑
度αおよび配線混雑度αのバラツキγを算出し、それぞ
れが対応する許容値B、C以下であるか否かによって、
実施可能か否かを判定している。さらに、上記S9にて
算出した実施可能解Pの集合から、例えば、不要輻射量
の総和xや製造コストyなどを評価して、最適な解Qを
選択する(S10)。その後、選択した最適解Qによっ
て決まる層構造へ、実際に信号線が配線される(S1
1)。なお、上記S7ないしS10が特許請求の範囲に
記載の層構造決定工程に対応しており、S11が配線工
程に対応している。
【0047】続いて、上記各ステップをさらに詳細に説
明する。本実施形態に係る回路基板設計方法の場合、各
信号線について、必要に応じてノイズ対策を施して、改
善解N1・N2を求める工程、すなわち、図1に示すS
3ないしS5は、より詳細には、図6に示す各ステップ
を含んでいる。
明する。本実施形態に係る回路基板設計方法の場合、各
信号線について、必要に応じてノイズ対策を施して、改
善解N1・N2を求める工程、すなわち、図1に示すS
3ないしS5は、より詳細には、図6に示す各ステップ
を含んでいる。
【0048】すなわち、S21では、図1に示すS1お
よびS2において入力されたデータが、以下のステップ
S22ないしS34にて使用するために用意される。こ
のデータには、上記S1にて入力された部品配置情報お
よび接続情報が含まれている。また、基板に設けられる
導体の導電率および厚さ、並びに、導体間に設けられる
絶縁体の誘電率および厚さなど、伝送線路定数を求める
際に用いられる基板の物性定数などからなる基板データ
も含まれている。さらに、部品のデバイスモデル、入力
信号の振幅および周波数などを示す信号特性も上記デー
タの1つである。
よびS2において入力されたデータが、以下のステップ
S22ないしS34にて使用するために用意される。こ
のデータには、上記S1にて入力された部品配置情報お
よび接続情報が含まれている。また、基板に設けられる
導体の導電率および厚さ、並びに、導体間に設けられる
絶縁体の誘電率および厚さなど、伝送線路定数を求める
際に用いられる基板の物性定数などからなる基板データ
も含まれている。さらに、部品のデバイスモデル、入力
信号の振幅および周波数などを示す信号特性も上記デー
タの1つである。
【0049】また、上記S2にて入力された仮想断面記
述テーブル、および、各信号線から発生する不要輻射量
の許容値Aも用意される。この仮想断面記述テーブルの
断面番号nは、S21の処理が行われる度に、すなわ
ち、不要輻射量Xを算出する信号線が変わる度に、1に
初期化される。
述テーブル、および、各信号線から発生する不要輻射量
の許容値Aも用意される。この仮想断面記述テーブルの
断面番号nは、S21の処理が行われる度に、すなわ
ち、不要輻射量Xを算出する信号線が変わる度に、1に
初期化される。
【0050】さらに、S22では、CADシステムは、
上記S1で入力された部品配置情報および接続基情報に
基づいて、各信号線を仮想配線し、配線経路長1と、該
信号線の単位長当たりの線路定数とを算出する。本実施
形態では、各信号線は、マンハッタン長となるように配
される。ただし、接続要求が多端子(3端子以上)の場
合、全体の仮想配線経路が最小となるように2端子間の
接続要求に分割して処理している。
上記S1で入力された部品配置情報および接続基情報に
基づいて、各信号線を仮想配線し、配線経路長1と、該
信号線の単位長当たりの線路定数とを算出する。本実施
形態では、各信号線は、マンハッタン長となるように配
される。ただし、接続要求が多端子(3端子以上)の場
合、全体の仮想配線経路が最小となるように2端子間の
接続要求に分割して処理している。
【0051】例えば、図5に示すnet2aの場合、配
線経路長1は、12となる。本実施形態では、マンハッ
タン長さとなるように、各信号線の仮想配線経路を設定
しているので、例えば、各信号線の始点および終点の
x、y座標から容易に算出することができる。
線経路長1は、12となる。本実施形態では、マンハッ
タン長さとなるように、各信号線の仮想配線経路を設定
しているので、例えば、各信号線の始点および終点の
x、y座標から容易に算出することができる。
【0052】また、上述の表2に示す仮想断面記述テー
ブルから、断面番号nに応じた仮想断面の形状および寸
法を読み出す。例えば、各信号線において、最初にS2
2の処理を実行した場合、断面番号nが1に設定されて
いる。したがって、該仮想配線の形状は、図3の(a)
に示す形状11であり、信号線幅swは、0.1mmに
設定されている。次に、これらのデータと、上記S1に
て入力された基板デー夕とから、該仮想断面を持つ信号
線の単位長当たりの線路定数を算出する。
ブルから、断面番号nに応じた仮想断面の形状および寸
法を読み出す。例えば、各信号線において、最初にS2
2の処理を実行した場合、断面番号nが1に設定されて
いる。したがって、該仮想配線の形状は、図3の(a)
に示す形状11であり、信号線幅swは、0.1mmに
設定されている。次に、これらのデータと、上記S1に
て入力された基板デー夕とから、該仮想断面を持つ信号
線の単位長当たりの線路定数を算出する。
【0053】さらに、S23では、算出した線路定数
と、上記S21にて用意した部品のデバイスモデルとか
ら、信号の振幅、周期、立ち上がり、あるいは、立ち下
がりなどのような、信号特性を求める。これに基づい
て、当該配線経路に流れる電流値は、算出される。さら
に、これら電流値と配線経路とに基づいて、上記仮想断
面を持つ信号線から放射される不要輻射量Xを算出す
る。
と、上記S21にて用意した部品のデバイスモデルとか
ら、信号の振幅、周期、立ち上がり、あるいは、立ち下
がりなどのような、信号特性を求める。これに基づい
て、当該配線経路に流れる電流値は、算出される。さら
に、これら電流値と配線経路とに基づいて、上記仮想断
面を持つ信号線から放射される不要輻射量Xを算出す
る。
【0054】次に、S24では、算出した不要輻射量X
が、S21にて用意した許容値Aを越えるか否かを判定
する。許容値Aを越えていた場合、当該信号線の配線経
路を示す配線情報が、これまでにノイズ対策を施された
配線情報であるか否かを判定する(S25)。この判定
は、例えば、配線情報に、これまでに施されたノイズ対
策を示す属性(後述)が付加されているか否かによって
判定できる。最初にS25の処理を実行した場合は、該
信号線にはノイズ対策が施されていない。したがって、
その配線情報はm0である。この結果、当該信号線に対
応する2つの配線情報m1・m2を作成する(S2
6)。この配線情報m1は、当該信号線の仮想断面を改
善して不要輻射を削減する場合の配線情報を示してお
り、配線情報m2は、当該信号線に対策部品を挿入して
不要輻射を削減する場合の配線情報を示している。これ
らの配線情報m1およびm2は、配線情報m0を複写す
ると共に、m1あるいはm2を示す属性を付加して作成
される。この属性の有無によって、配線情報が、ノイズ
対策を施したか否かを判定できる。また、この属性の内
容によって、施したノイズ対策が、仮想断面の改善(グ
ランド強化)が、あるいは、対策部品挿入かが判定でき
る。
が、S21にて用意した許容値Aを越えるか否かを判定
する。許容値Aを越えていた場合、当該信号線の配線経
路を示す配線情報が、これまでにノイズ対策を施された
配線情報であるか否かを判定する(S25)。この判定
は、例えば、配線情報に、これまでに施されたノイズ対
策を示す属性(後述)が付加されているか否かによって
判定できる。最初にS25の処理を実行した場合は、該
信号線にはノイズ対策が施されていない。したがって、
その配線情報はm0である。この結果、当該信号線に対
応する2つの配線情報m1・m2を作成する(S2
6)。この配線情報m1は、当該信号線の仮想断面を改
善して不要輻射を削減する場合の配線情報を示してお
り、配線情報m2は、当該信号線に対策部品を挿入して
不要輻射を削減する場合の配線情報を示している。これ
らの配線情報m1およびm2は、配線情報m0を複写す
ると共に、m1あるいはm2を示す属性を付加して作成
される。この属性の有無によって、配線情報が、ノイズ
対策を施したか否かを判定できる。また、この属性の内
容によって、施したノイズ対策が、仮想断面の改善(グ
ランド強化)が、あるいは、対策部品挿入かが判定でき
る。
【0055】上記S26にて作成した配線情報m1に基
づいて、S27(特許請求の範囲に記載の第1の工程)
では、仮想断面記述テーブルの断面番号nを1増加させ
て、該信号線の仮想断面を変更する。さらに、新たな断
面番号nに基づいて、上述の表2に示す仮想断面記述テ
ーブルから、新たな形状番号pおよび信号線幅swなど
が読み出される。その後、上記S22およびS23にお
いて、新たな仮想断面を用いて当該信号線を配線した場
合の不要輻射を算出し、上記S24にて、許容値Aを越
えるか否かが再び判定される。
づいて、S27(特許請求の範囲に記載の第1の工程)
では、仮想断面記述テーブルの断面番号nを1増加させ
て、該信号線の仮想断面を変更する。さらに、新たな断
面番号nに基づいて、上述の表2に示す仮想断面記述テ
ーブルから、新たな形状番号pおよび信号線幅swなど
が読み出される。その後、上記S22およびS23にお
いて、新たな仮想断面を用いて当該信号線を配線した場
合の不要輻射を算出し、上記S24にて、許容値Aを越
えるか否かが再び判定される。
【0056】S25ないしS27は、仮想断面によっ
て、当該信号線の不要輻射Xが許容値A以下に削減され
るまで繰り返される。2回目以降は、既に配線情報がm
1に設定されているので、上記S25の判定の判定がY
ESとなる。その後、S28にて、定義された配線情報
がm2であるか否かが判定される。この場合は、配線情
報m1が定義されているので、判定は、常にNOとな
り、S27の処理が実行される。上記S22ないしS2
8を繰り返すことによって、当該信号線について、仮想
断面を改善して不要輻射量Xを許容値A以下に抑制した
場合の配線情報m1が得られる。
て、当該信号線の不要輻射Xが許容値A以下に削減され
るまで繰り返される。2回目以降は、既に配線情報がm
1に設定されているので、上記S25の判定の判定がY
ESとなる。その後、S28にて、定義された配線情報
がm2であるか否かが判定される。この場合は、配線情
報m1が定義されているので、判定は、常にNOとな
り、S27の処理が実行される。上記S22ないしS2
8を繰り返すことによって、当該信号線について、仮想
断面を改善して不要輻射量Xを許容値A以下に抑制した
場合の配線情報m1が得られる。
【0057】本実施形態では、形状番号pは、構成が簡
単で、かつ、不要輻射の吸収量が小さいものから順番に
付されている。また、S27にて、仮想断面記述テーブ
ルから仮想断面を読み出す際、形状番号pを1ずつ増加
させて仮想断面を変更している。したがって、上記S2
2ないしS28の繰り返しが終了した場合(S24でY
ESの場合)、上記不要輻射量Xを許容値A以下に抑制
可能な仮想断面のうち、最も構成が簡単な仮想断面が選
択されている。
単で、かつ、不要輻射の吸収量が小さいものから順番に
付されている。また、S27にて、仮想断面記述テーブ
ルから仮想断面を読み出す際、形状番号pを1ずつ増加
させて仮想断面を変更している。したがって、上記S2
2ないしS28の繰り返しが終了した場合(S24でY
ESの場合)、上記不要輻射量Xを許容値A以下に抑制
可能な仮想断面のうち、最も構成が簡単な仮想断面が選
択されている。
【0058】一方、S29(第2の工程)では、上記S
26にて作成された配線情報m2に基づいて、該信号線
に、対策部品が挿入される。また、これに伴つて、部品
の配置が改善される。その後は、配線情報m1の場合と
同様に、S22へ戻る。これにより、新たな対策部品に
基づいて、不要輻射が算出され、上記S24にて、許容
値Aを越えるか否かが再び判定される。2回目以降は、
S25およびS28の判定がYESになるため、再度対
策部品の挿入と部品配置の変更とが試みられる。
26にて作成された配線情報m2に基づいて、該信号線
に、対策部品が挿入される。また、これに伴つて、部品
の配置が改善される。その後は、配線情報m1の場合と
同様に、S22へ戻る。これにより、新たな対策部品に
基づいて、不要輻射が算出され、上記S24にて、許容
値Aを越えるか否かが再び判定される。2回目以降は、
S25およびS28の判定がYESになるため、再度対
策部品の挿入と部品配置の変更とが試みられる。
【0059】上記S22ないしS25、並びに、S28
およびS29を繰り返すことによって、当該信号線につ
いて、対策部品を挿入して不要輻射量Xを許容値A以下
に削減した場合の配線情報m2が得られる。仮想断面の
改善の場合と同様に、繰り返しが終了した場合(S24
でYESの場合)、必要最低限な対策部品が挿入されて
いる。
およびS29を繰り返すことによって、当該信号線につ
いて、対策部品を挿入して不要輻射量Xを許容値A以下
に削減した場合の配線情報m2が得られる。仮想断面の
改善の場合と同様に、繰り返しが終了した場合(S24
でYESの場合)、必要最低限な対策部品が挿入されて
いる。
【0060】なお、本実施形態では、2つのノイズ対策
を実施する際、対策部品の挿入や仮想断面の改善を、そ
れぞれ順番に繰り返しているが、これに限らず、最初に
算出した不要輻射量Xに基づいて、対策部品の挿入箇所
や大きさ、並びに、仮想断面を決定してもよい。
を実施する際、対策部品の挿入や仮想断面の改善を、そ
れぞれ順番に繰り返しているが、これに限らず、最初に
算出した不要輻射量Xに基づいて、対策部品の挿入箇所
や大きさ、並びに、仮想断面を決定してもよい。
【0061】また、特に対策を施さなくても、不要輻射
量Xが許容値A以下の場合(1回目に実行されるS24
にて、YESの場合)、上記S25ないしS29の処理
は行われない。したがって、当該配線経路に対応する配
線情報は、ノイズ対策を施さない配線情報m0となる。
量Xが許容値A以下の場合(1回目に実行されるS24
にて、YESの場合)、上記S25ないしS29の処理
は行われない。したがって、当該配線経路に対応する配
線情報は、ノイズ対策を施さない配線情報m0となる。
【0062】何れの場合であっても、S24にて、不要
輻射量Xが許容値A以下の場合、S30およびS31に
て、配線情報の属性の有無および内容によって、配線情
報の種類が判定され、それぞれに応じた処理が行われ
る。具体的には、配線情報がm0の場合(S30でNO
の場合)、該配線経路は、ノイズ対策が不要な配線経路
の集合G0に追加される(S32)。また、配線情報が
m1の場合(S30およびS31で共にYESの場
合)、該配線経路は、仮想断面形状の改善によるノイズ
対策を実施した場合の集合G1に追加される(S3
3)。さらに、配線情報がm2の場合(S30がYES
で、かつ、S31がNOの場合)、該配線経路は、対策
部品の挿入によってノイズ対策を実施した場合の集合G
1に加えられる(S34)。
輻射量Xが許容値A以下の場合、S30およびS31に
て、配線情報の属性の有無および内容によって、配線情
報の種類が判定され、それぞれに応じた処理が行われ
る。具体的には、配線情報がm0の場合(S30でNO
の場合)、該配線経路は、ノイズ対策が不要な配線経路
の集合G0に追加される(S32)。また、配線情報が
m1の場合(S30およびS31で共にYESの場
合)、該配線経路は、仮想断面形状の改善によるノイズ
対策を実施した場合の集合G1に追加される(S3
3)。さらに、配線情報がm2の場合(S30がYES
で、かつ、S31がNOの場合)、該配線経路は、対策
部品の挿入によってノイズ対策を実施した場合の集合G
1に加えられる(S34)。
【0063】本実施形態に係る回路基板設計方法では、
図1のS7に示すように、ノイズ対策として、配線情報
m1のみを選択した改善解N1と、配線情報m2のみを
集めた改善解N2との2つの場合について、特に注目す
る。当該改善解N1は、上記集合G0およびG1上記集
合G0とG1との和集合として算出される。一方、改善
解N2は、上記集合G0とG2との和集合として求めら
れる。
図1のS7に示すように、ノイズ対策として、配線情報
m1のみを選択した改善解N1と、配線情報m2のみを
集めた改善解N2との2つの場合について、特に注目す
る。当該改善解N1は、上記集合G0およびG1上記集
合G0とG1との和集合として算出される。一方、改善
解N2は、上記集合G0とG2との和集合として求めら
れる。
【0064】次に、図1に示すS8およびS9では、上
記改善解N1・N2に基づいて、実際の層構造を割り当
て、実施可能な解の集合Nを求める。本実施形態に係る
回路基板設計方法の場合、上記S8およびS9は、より
詳細には、図7に示す各ステップを含んでいる。
記改善解N1・N2に基づいて、実際の層構造を割り当
て、実施可能な解の集合Nを求める。本実施形態に係る
回路基板設計方法の場合、上記S8およびS9は、より
詳細には、図7に示す各ステップを含んでいる。
【0065】すなわち、S41では、以下のステップS
42ないしS52にて使用するためのデータが用意され
る。このデータには、上記S2にて入力される配線混雑
度の許容値B、および、配線混雑度のバラツキの許容値
Cが含まれている。また、上述の表1および表2に示す
層構造記述テーブルおよび仮想断面記述テーブルも用意
される。さらに、上記S7にて算出した上記改善解N1
・N2も、上記データ中に含まれている。
42ないしS52にて使用するためのデータが用意され
る。このデータには、上記S2にて入力される配線混雑
度の許容値B、および、配線混雑度のバラツキの許容値
Cが含まれている。また、上述の表1および表2に示す
層構造記述テーブルおよび仮想断面記述テーブルも用意
される。さらに、上記S7にて算出した上記改善解N1
・N2も、上記データ中に含まれている。
【0066】S42では、実施可能解Pを探索する際の
候補の初期値、すなわち、改善解Nと層構造との組み合
わせの初期値を設定する。本実施形態に係る回路基板設
計方法では、探索方法として、縦型探索法を採用してい
る。したがって、例えば、図8に示すように、何もノイ
ズ対策を施さない初期解P0を頂点する木構造を用いて
実施可能解Pの全ての候補を表現した場合、例えば、改
善解N1でテーブル番号3の組み合わせP13が、上記
候補の初期値として設定される。なお、図8に関して
は、次の候補の探索方法と共に後で詳細に説明する。
候補の初期値、すなわち、改善解Nと層構造との組み合
わせの初期値を設定する。本実施形態に係る回路基板設
計方法では、探索方法として、縦型探索法を採用してい
る。したがって、例えば、図8に示すように、何もノイ
ズ対策を施さない初期解P0を頂点する木構造を用いて
実施可能解Pの全ての候補を表現した場合、例えば、改
善解N1でテーブル番号3の組み合わせP13が、上記
候補の初期値として設定される。なお、図8に関して
は、次の候補の探索方法と共に後で詳細に説明する。
【0067】S43では、選択した改善解Nから、ノイ
ズ対策を施した信号線の配線情報mを読み出し、各配線
情報mが示す信号線の仮想断面形状にグランド層が含ま
れているか否かを判定する。上記改善解N中に含まれる
全ての信号線の仮想断面形状が、図3の(d)ないし
(i)のいずれでもない場合、S43の判定はNOとな
る。判定がNOの場合は、上記層構造記述テーブルのテ
ーブル番号mの初期値として、1が設定され、後述する
S46へ進む。
ズ対策を施した信号線の配線情報mを読み出し、各配線
情報mが示す信号線の仮想断面形状にグランド層が含ま
れているか否かを判定する。上記改善解N中に含まれる
全ての信号線の仮想断面形状が、図3の(d)ないし
(i)のいずれでもない場合、S43の判定はNOとな
る。判定がNOの場合は、上記層構造記述テーブルのテ
ーブル番号mの初期値として、1が設定され、後述する
S46へ進む。
【0068】一方、グランド層が含まれていた場合、C
AD上の信号線名が設定される(S44)。CADシス
テムでは、信号線やガードパターンなどのパターンを指
定する際、信号線名が必要となる。本実施形態では、ガ
ードパターンやガードプレーンを自動生成するため、こ
れらに使用する信号線名の集合を予め用意しておき、上
記各信号線を生成する際、当該集合から信号線名を取り
出すことによって、当該パターンの信号線名を設定して
いる。また、これらグランド層に割り付けられる信号線
には、通常の信号線とは異なる属性が付加されている。
AD上の信号線名が設定される(S44)。CADシス
テムでは、信号線やガードパターンなどのパターンを指
定する際、信号線名が必要となる。本実施形態では、ガ
ードパターンやガードプレーンを自動生成するため、こ
れらに使用する信号線名の集合を予め用意しておき、上
記各信号線を生成する際、当該集合から信号線名を取り
出すことによって、当該パターンの信号線名を設定して
いる。また、これらグランド層に割り付けられる信号線
には、通常の信号線とは異なる属性が付加されている。
【0069】さらに、最初の層構造を示すテーブル番号
m、およびグランド層の層番号が設定される(S4
5)。例えば、上記改善解N中に含まれる全ての信号線
の仮想断面形状が、図3の(a)ないし(e)のいずれ
かである場合、グランド層の数は、最大1である。した
がって、表1に示す層構造記述テーブルにおいて、テー
ブル番号mの初期値として、1つのグランド層を持つテ
ーブル番号mのうちの最小値、すなわちテーブル番号3
が選択される。また、上記改善解N中に、例えば、仮想
断面の形状が、図3の(g)に示す形状17である信号
線が含まれている場合、テーブル番号mの初期値は、グ
ランド層とグランド層との間に信号線配線可能層(以下
では配線可能層と略称する)を含む層構造の内、最小の
テーブル番号(表1の場合は4)が選択される。さら
に、上記層構造記述テーブルから、テーブル番号mに対
応する基板の層数、および、グランド層の層番号が読み
出される。テーブル番号mの初期値が3の場合、図9の
(b)に示すように、基板31の層数は4となり、グラ
ンド層は、第2層32bおよび第3層32cとなる。な
お、第1層32aおよび第4層32dは、配線可能層と
して使用される。
m、およびグランド層の層番号が設定される(S4
5)。例えば、上記改善解N中に含まれる全ての信号線
の仮想断面形状が、図3の(a)ないし(e)のいずれ
かである場合、グランド層の数は、最大1である。した
がって、表1に示す層構造記述テーブルにおいて、テー
ブル番号mの初期値として、1つのグランド層を持つテ
ーブル番号mのうちの最小値、すなわちテーブル番号3
が選択される。また、上記改善解N中に、例えば、仮想
断面の形状が、図3の(g)に示す形状17である信号
線が含まれている場合、テーブル番号mの初期値は、グ
ランド層とグランド層との間に信号線配線可能層(以下
では配線可能層と略称する)を含む層構造の内、最小の
テーブル番号(表1の場合は4)が選択される。さら
に、上記層構造記述テーブルから、テーブル番号mに対
応する基板の層数、および、グランド層の層番号が読み
出される。テーブル番号mの初期値が3の場合、図9の
(b)に示すように、基板31の層数は4となり、グラ
ンド層は、第2層32bおよび第3層32cとなる。な
お、第1層32aおよび第4層32dは、配線可能層と
して使用される。
【0070】層構造が決定されると、改善解Nに含まれ
る全ての信号線に対して、初期層割り付けを行う(S4
6)。なお、S46の具体的な処理は、後述する。
る全ての信号線に対して、初期層割り付けを行う(S4
6)。なお、S46の具体的な処理は、後述する。
【0071】さらに、S47では、各層の配線混雑度α
を求める。当該配線混雑度αは、基板面積をSa、配線
不可能領域をSbとすると、下式(1)に示すように、
配線領域βを用いて、 α=β/(Sa−Sb) ・・・(1) となる。上式(1)中、配線不可能領域Sbは、スルー
ホール領域と部品のピン領域の和として算出する。
を求める。当該配線混雑度αは、基板面積をSa、配線
不可能領域をSbとすると、下式(1)に示すように、
配線領域βを用いて、 α=β/(Sa−Sb) ・・・(1) となる。上式(1)中、配線不可能領域Sbは、スルー
ホール領域と部品のピン領域の和として算出する。
【0072】さらに、上記配線領域βは、下式(2)に
示すように、 β=Σ{ls×(sw+ds)+lg×(gw+dg)} ・・・(2) となる。なお、上記lsは、各信号線の配線経路長であ
り、lgは、各信号線に付加されたガードパターンの長
さである。また、swおよびgwは、各信号線および各
ガードパターンのパターン幅である。さらに、dsおよ
びdgは、パターン間の絶縁距離である。
示すように、 β=Σ{ls×(sw+ds)+lg×(gw+dg)} ・・・(2) となる。なお、上記lsは、各信号線の配線経路長であ
り、lgは、各信号線に付加されたガードパターンの長
さである。また、swおよびgwは、各信号線および各
ガードパターンのパターン幅である。さらに、dsおよ
びdgは、パターン間の絶縁距離である。
【0073】上記S47にて算出した配線混雑度α・・
・に基づいて、S48では、各層の配線混雑度αのバラ
ツキγを算出し、当該バラツキγが許容値C以下か否か
を判定する。次に、S49では、仮想断面の制約を違反
しないように、配線混雑度αの高い層に配された信号線
を、より配線混雑度αの低い層へ移動させる。その後、
上記バラツキγが許容値C以内になるまで、S47以降
の処理を繰り返す。
・に基づいて、S48では、各層の配線混雑度αのバラ
ツキγを算出し、当該バラツキγが許容値C以下か否か
を判定する。次に、S49では、仮想断面の制約を違反
しないように、配線混雑度αの高い層に配された信号線
を、より配線混雑度αの低い層へ移動させる。その後、
上記バラツキγが許容値C以内になるまで、S47以降
の処理を繰り返す。
【0074】上記S47ないしS49の処理により、バ
ラツキγが許容値C以内に抑えられると、各層の配線混
雑度α…が、予め定められた配線混雑度αの許容値B以
下か否かを判定する(S50)。許容値Bを下回ってい
た場合は、実施可能解Pの1つとして、改善解Nを所定
の層構造へ割り付けて得られた解を登録する(S5
1)。その後、S52では、新たな改善解N、あるい
は、新たな層構造を選択して、新しい実施可能解Pを探
索する。S43ないしS52の処理を繰り返すことによ
り、改善解Nと層構造との全ての組み合わせから、実施
可能解Pの集合を求める。
ラツキγが許容値C以内に抑えられると、各層の配線混
雑度α…が、予め定められた配線混雑度αの許容値B以
下か否かを判定する(S50)。許容値Bを下回ってい
た場合は、実施可能解Pの1つとして、改善解Nを所定
の層構造へ割り付けて得られた解を登録する(S5
1)。その後、S52では、新たな改善解N、あるい
は、新たな層構造を選択して、新しい実施可能解Pを探
索する。S43ないしS52の処理を繰り返すことによ
り、改善解Nと層構造との全ての組み合わせから、実施
可能解Pの集合を求める。
【0075】例えば、以下の表3に示すように、4つの
層構造(テーブル番号mが1〜4)が記述された層構造
記述テーブルと、改善解N1・N2とを組み合わせる場
合、
層構造(テーブル番号mが1〜4)が記述された層構造
記述テーブルと、改善解N1・N2とを組み合わせる場
合、
【0076】
【表3】
【0077】両者の組み合わせは、図8に示すように、
ノイズ対策を施さない初期解P0を除いて、6つの組み
合わせが考えられる。すなわち、仮想断面を改善した改
善解N1に対応して、テーブル番号mが3および4の層
構造と組み合わせた実施可能解P13・P14があり、
対策部品を挿入した改善解N2に対応して、テーブル番
号mが1ないし4の層構造を組み合わせた実施可能解P
21・P22・P23・P24が存在する。なお、仮想
断面を改善した改善解N1の場合、グランド層を必要と
するため、グランド層を持たない層構造(テーブル番号
m=1、2)は、実施できない。したがって、改善解N
1の場合、テーブル番号mの初期値は、3となる。
ノイズ対策を施さない初期解P0を除いて、6つの組み
合わせが考えられる。すなわち、仮想断面を改善した改
善解N1に対応して、テーブル番号mが3および4の層
構造と組み合わせた実施可能解P13・P14があり、
対策部品を挿入した改善解N2に対応して、テーブル番
号mが1ないし4の層構造を組み合わせた実施可能解P
21・P22・P23・P24が存在する。なお、仮想
断面を改善した改善解N1の場合、グランド層を必要と
するため、グランド層を持たない層構造(テーブル番号
m=1、2)は、実施できない。したがって、改善解N
1の場合、テーブル番号mの初期値は、3となる。
【0078】上記各実施可能解Pは、配線密度を緩和す
る改善と、グランドを強化する改善との2つの関係によ
って、初期解P0を頂点にした木構造で表現できる。例
えば、上記両実施可能解P21・P22の関係は、グラ
ンド層の変化がなく、配線可能層が増加しているため、
配線密度を緩和する改善となる。また、上記両実施可能
解P21・P23の関係は、配線可能層の数に変化がな
く、グランド層が増加しているので、グランドを強化す
る改善となる。
る改善と、グランドを強化する改善との2つの関係によ
って、初期解P0を頂点にした木構造で表現できる。例
えば、上記両実施可能解P21・P22の関係は、グラ
ンド層の変化がなく、配線可能層が増加しているため、
配線密度を緩和する改善となる。また、上記両実施可能
解P21・P23の関係は、配線可能層の数に変化がな
く、グランド層が増加しているので、グランドを強化す
る改善となる。
【0079】一般に、木構造の探索手法として、横型検
索と縦型検索との2つの手法が広く行われているが、本
実施形態では、探索手法の一例として、縦型検索を採用
している。したがって、本実施形態に係る回路基板設計
方法を具備したCADシステムの場合、実施可能解P
は、P13、P14、P21、P23、P24、P22
の順番で探索される。
索と縦型検索との2つの手法が広く行われているが、本
実施形態では、探索手法の一例として、縦型検索を採用
している。したがって、本実施形態に係る回路基板設計
方法を具備したCADシステムの場合、実施可能解P
は、P13、P14、P21、P23、P24、P22
の順番で探索される。
【0080】本実施形態では、各実施可能解Pは、再帰
処理によって求められ、各実施可能解Pにおいて、次の
実施可能解Pを探索する場合、グランド強化による改
善、および、対策部品挿入による改善は、層構造に対応
するテーブル番号mを増加させて探索する。また、テー
ブル番号mか、層構造記述テーブルを超過した場合、そ
れ以上の層構造が存在しないと判定する。さらに、初期
解P0では、グランドを強化する場合は、改善解N1を
選択し、対策部品を挿入する場合は、改善解N2を選択
する。これにより、上記S52で、新たな実施可能解P
を探索できる。
処理によって求められ、各実施可能解Pにおいて、次の
実施可能解Pを探索する場合、グランド強化による改
善、および、対策部品挿入による改善は、層構造に対応
するテーブル番号mを増加させて探索する。また、テー
ブル番号mか、層構造記述テーブルを超過した場合、そ
れ以上の層構造が存在しないと判定する。さらに、初期
解P0では、グランドを強化する場合は、改善解N1を
選択し、対策部品を挿入する場合は、改善解N2を選択
する。これにより、上記S52で、新たな実施可能解P
を探索できる。
【0081】次に、上記S46の具体的な処理内容につ
いて、図9に示す工程断面図を参照して、図10に示す
フローチャートに基づき、ステップ毎に説明すると以下
の通りである。
いて、図9に示す工程断面図を参照して、図10に示す
フローチャートに基づき、ステップ毎に説明すると以下
の通りである。
【0082】すなわち、S61では、改善解Nから、各
信号線を示す配線情報mを取り出す。次に、取り出した
信号線の仮想断面形状を違反しないように、該信号線が
通過する層の初期層を指定する(S62)。本実施形態
では、S62において、上記S45にて指定した層構造
と、上記仮想断面形状とを比較し、近傍グランドレベル
が同一、または、それ以上になる層を初期層として割り
付ける。例えば、図9の(a)に示すように、取り出し
た信号線35の仮想断面形状が形状13だった場合、図
9の(c)に示すように、該信号線35の初期層とし
て、第1層32aが指定される。なお、仮想断面形状
は、改善解Nから読み出した配線情報mから、該信号線
35の持つ仮想断面を示す断面番号nを読み出し、仮想
断面記述テーブルから、該断面番号nに対応する形状番
号pを読み出すことによって取得できる。
信号線を示す配線情報mを取り出す。次に、取り出した
信号線の仮想断面形状を違反しないように、該信号線が
通過する層の初期層を指定する(S62)。本実施形態
では、S62において、上記S45にて指定した層構造
と、上記仮想断面形状とを比較し、近傍グランドレベル
が同一、または、それ以上になる層を初期層として割り
付ける。例えば、図9の(a)に示すように、取り出し
た信号線35の仮想断面形状が形状13だった場合、図
9の(c)に示すように、該信号線35の初期層とし
て、第1層32aが指定される。なお、仮想断面形状
は、改善解Nから読み出した配線情報mから、該信号線
35の持つ仮想断面を示す断面番号nを読み出し、仮想
断面記述テーブルから、該断面番号nに対応する形状番
号pを読み出すことによって取得できる。
【0083】次のS63では、信号線近傍のグランドプ
レーンやガードパターンを読み出して、上記初期層に割
り付けた場合の当該信号線の仮想断面を求め、これに基
づいて、近傍のグランドレベルが改善されたか否かを判
定する。改善された場合は、該信号線がノイズ対策を施
した信号線か否かを判定する(S64)。ノイズ対策を
施した信号線のときは、S65ないしS68において、
グランドレベルの改善によって、施したノイズ対策が過
剰になった場合、適切なノイズ対策へ変更する。なお、
上記S62が、特許請求の範囲に記載の割り付け工程に
対応しており、S65ないしS68の処理が仮想断面修
正工程に対応している。
レーンやガードパターンを読み出して、上記初期層に割
り付けた場合の当該信号線の仮想断面を求め、これに基
づいて、近傍のグランドレベルが改善されたか否かを判
定する。改善された場合は、該信号線がノイズ対策を施
した信号線か否かを判定する(S64)。ノイズ対策を
施した信号線のときは、S65ないしS68において、
グランドレベルの改善によって、施したノイズ対策が過
剰になった場合、適切なノイズ対策へ変更する。なお、
上記S62が、特許請求の範囲に記載の割り付け工程に
対応しており、S65ないしS68の処理が仮想断面修
正工程に対応している。
【0084】具体的には、上記S65およびS66に
て、対策部品の削除が検討される。すなわち、該信号線
の配線経路の中に、対策部品を挿入したか否かを求め
る。挿入していた場合には、改善された近傍グランドレ
ベルにおいて、当該対策部品を削除したときの不要輻射
量Xを再度計算し、不要輻射量Xが基準値(不要輻射の
許容値A)以下になるか否か、すなわち、当該対策部品
を削除可能か否かを判定する(S65)。削除可能であ
った場合、当該対策部品を削除し、これに伴って、接続
情報などを更新する(S66)。
て、対策部品の削除が検討される。すなわち、該信号線
の配線経路の中に、対策部品を挿入したか否かを求め
る。挿入していた場合には、改善された近傍グランドレ
ベルにおいて、当該対策部品を削除したときの不要輻射
量Xを再度計算し、不要輻射量Xが基準値(不要輻射の
許容値A)以下になるか否か、すなわち、当該対策部品
を削除可能か否かを判定する(S65)。削除可能であ
った場合、当該対策部品を削除し、これに伴って、接続
情報などを更新する(S66)。
【0085】また、上記S67およびS68では、当該
信号線の仮想断面の変更が検討される。すなわち、該信
号線の配線経路に関して、ガードパターンを挿入したか
否かを求める。挿入していた場合には、改善された近傍
グランドレベルにおいて、当該ガードパターンを削除し
たときの不要輻射量Xを再度計算し、不要輻射量Xが許
容値A以下になるか否か、すなわち、当該ガードパター
ンを削除可能であるか否かを判定する(S67)。削除
可能であった場合、当該ガードパターンを削除し、これ
に伴って、接続情報などを更新する。(S68)。
信号線の仮想断面の変更が検討される。すなわち、該信
号線の配線経路に関して、ガードパターンを挿入したか
否かを求める。挿入していた場合には、改善された近傍
グランドレベルにおいて、当該ガードパターンを削除し
たときの不要輻射量Xを再度計算し、不要輻射量Xが許
容値A以下になるか否か、すなわち、当該ガードパター
ンを削除可能であるか否かを判定する(S67)。削除
可能であった場合、当該ガードパターンを削除し、これ
に伴って、接続情報などを更新する。(S68)。
【0086】例えば、図9の(c)に示すように信号線
35を割り付けた場合、当該信号線35近傍の仮想断面
形状は、図9の(d)に示す形状16となる。さらに、
初期入力の仮想断面形状(形状13)と初期層に割り付
けた場合の仮想断面形状(形状16)とを比較して、近
傍グランドレベルが改善されていると判定する。該判定
は、例えば、各仮想断面形状を示す形状番号pの比較
や、両形状13・16を持つ信号線から輻射する不要輻
射量Xの比較などによって判定できる。
35を割り付けた場合、当該信号線35近傍の仮想断面
形状は、図9の(d)に示す形状16となる。さらに、
初期入力の仮想断面形状(形状13)と初期層に割り付
けた場合の仮想断面形状(形状16)とを比較して、近
傍グランドレベルが改善されていると判定する。該判定
は、例えば、各仮想断面形状を示す形状番号pの比較
や、両形状13・16を持つ信号線から輻射する不要輻
射量Xの比較などによって判定できる。
【0087】この場合は、配線情報がm1のノイズ対策
が施されているため、S65ないしS68にて、ノイズ
対策の簡略化が検討される。グランドプレーン23は、
ガードプレーンの効果があるため、不要輻射を吸収量で
きる。したがって、ガードパターン22a・22bを削
除した場合でも、当該信号線35の不要輻射量Xは、許
容値A以下になる。この結果、図9の(e)に示すよう
に、信号線35の新たな仮想断面形状として、形状14
が選択される。なお、新たな信号線の仮想断面形状は、
図3の(a)ないし図3の(i)に示す各形状11ない
し19から、形状13よりも不要輻射の吸収量が大き
く、かつ、形状16とグランドプレーンが同一であると
共に、最も構造が簡単な形状(形状14)を選択しても
よい。これらの結果、図9の(f)に示すように、形状
14の仮想断面形状を持つ信号線35aが基坂上に配さ
れる。
が施されているため、S65ないしS68にて、ノイズ
対策の簡略化が検討される。グランドプレーン23は、
ガードプレーンの効果があるため、不要輻射を吸収量で
きる。したがって、ガードパターン22a・22bを削
除した場合でも、当該信号線35の不要輻射量Xは、許
容値A以下になる。この結果、図9の(e)に示すよう
に、信号線35の新たな仮想断面形状として、形状14
が選択される。なお、新たな信号線の仮想断面形状は、
図3の(a)ないし図3の(i)に示す各形状11ない
し19から、形状13よりも不要輻射の吸収量が大き
く、かつ、形状16とグランドプレーンが同一であると
共に、最も構造が簡単な形状(形状14)を選択しても
よい。これらの結果、図9の(f)に示すように、形状
14の仮想断面形状を持つ信号線35aが基坂上に配さ
れる。
【0088】さらに、上記S64にて、近傍グランドが
改善されていないと判定した場合や、上記S65にて、
該信号線がノイズ対策を施していない信号線である場
合、あるいは、上記S65ないしS68にて、当該信号
線のノイズ対策を適切に変更した場合は、S69におい
て、全ての信号線へ初期層が割り付けられたか否かを判
定し、未だ割り付けられていない信号線がある場合は、
S61以降の処理を繰り返す。
改善されていないと判定した場合や、上記S65にて、
該信号線がノイズ対策を施していない信号線である場
合、あるいは、上記S65ないしS68にて、当該信号
線のノイズ対策を適切に変更した場合は、S69におい
て、全ての信号線へ初期層が割り付けられたか否かを判
定し、未だ割り付けられていない信号線がある場合は、
S61以降の処理を繰り返す。
【0089】続いて、実施可能解Pの集合から、最適解
Qを選択する工程(図1に示すS10)について、図1
1に示すフローチャートに基づき、ステップ毎に説明す
る。
Qを選択する工程(図1に示すS10)について、図1
1に示すフローチャートに基づき、ステップ毎に説明す
る。
【0090】すなわち、S71において、各実施可能解
Pの集合から、最適解Qを求める際に必要となるデータ
が用意される。該データには、対策部品など各使用部品
の単価と、基板層毎の単価と、解の選択方法と、上記実
施可能解Pの集合とが含まれている。本実施形態では、
上記解の選択方法として、後述の評価関数を用いて、コ
ストと性能とのバランスを取る方式と、コスト優先方式
と、性能優先(ノイズ対策優先)の3つの方法に対応し
た場合について説明する。
Pの集合から、最適解Qを求める際に必要となるデータ
が用意される。該データには、対策部品など各使用部品
の単価と、基板層毎の単価と、解の選択方法と、上記実
施可能解Pの集合とが含まれている。本実施形態では、
上記解の選択方法として、後述の評価関数を用いて、コ
ストと性能とのバランスを取る方式と、コスト優先方式
と、性能優先(ノイズ対策優先)の3つの方法に対応し
た場合について説明する。
【0091】S72およびS73では、指定された解の
選択に基づいて、実行する処理を択する。評価関数を用
いて選択する場合(S72でYESの場合)は、S74
ないしS76の処理が行われる。具体的には、各実施可
能解Pについて、全ての信号線から放射される不要輻射
量Xの総和xを算出する(S74)。また、各実施可能
解Pについて、部品の種類、個数、および単価、並び
に、基板の層数に応じた単価に基づいて、コストの総和
yを算出する(S75)。なお、部品の単価は、例え
ば、部品の種類毎に単価を記憶したテーブルなどから取
得する。さらに、S76では、それぞれの実施可能解P
について、例えば、以下に示す評価間数の式(3)に基
づいて評価値zを求め、評価値zが最小となる実施可能
解Pを最適解Qとして選択する。
選択に基づいて、実行する処理を択する。評価関数を用
いて選択する場合(S72でYESの場合)は、S74
ないしS76の処理が行われる。具体的には、各実施可
能解Pについて、全ての信号線から放射される不要輻射
量Xの総和xを算出する(S74)。また、各実施可能
解Pについて、部品の種類、個数、および単価、並び
に、基板の層数に応じた単価に基づいて、コストの総和
yを算出する(S75)。なお、部品の単価は、例え
ば、部品の種類毎に単価を記憶したテーブルなどから取
得する。さらに、S76では、それぞれの実施可能解P
について、例えば、以下に示す評価間数の式(3)に基
づいて評価値zを求め、評価値zが最小となる実施可能
解Pを最適解Qとして選択する。
【0092】 z=a×x+b×y ・・・(3) なお、上式(3)において、a、bは、回路基板の目的
によって決まる定数である。
によって決まる定数である。
【0093】一方、コスト優先の方式が指定された場合
(S72でN0、かつ、S73でYESの場合)、上記
S75と同様に、各実施可能解Pについて、コストの総
和yを算出し(S77)、これが最小になる実施可能解
Pを最適解Qとして選択する(S78)。
(S72でN0、かつ、S73でYESの場合)、上記
S75と同様に、各実施可能解Pについて、コストの総
和yを算出し(S77)、これが最小になる実施可能解
Pを最適解Qとして選択する(S78)。
【0094】また、ノイズ対策優先の方式が指定された
場合(S72・S73共にNOの場合、上記S74と同
様に、各実施可能解Pについて、不要輻射量Xの総和x
を算出し、これが最小になる実施可能解Pを最適解Qと
して選択する(S80)。
場合(S72・S73共にNOの場合、上記S74と同
様に、各実施可能解Pについて、不要輻射量Xの総和x
を算出し、これが最小になる実施可能解Pを最適解Qと
して選択する(S80)。
【0095】なお、上記S74ないしS76、S77お
よびS78、あるいは、S79およびS80が、それぞ
れ、特許請求の範囲に記載の評価値算出工程および選択
工程に対応している。なお、上記S77およびS78で
は、コストの総和yが評価値であり、S79およびS8
0では、不要輻射量Xの総和xが評価値である。
よびS78、あるいは、S79およびS80が、それぞ
れ、特許請求の範囲に記載の評価値算出工程および選択
工程に対応している。なお、上記S77およびS78で
は、コストの総和yが評価値であり、S79およびS8
0では、不要輻射量Xの総和xが評価値である。
【0096】次に、上記最適解Qを実際に配線する工程
(図1に示すS11)について、図12に示すフローチ
ャートに基づき、さらに詳細に説明する。
(図1に示すS11)について、図12に示すフローチ
ャートに基づき、さらに詳細に説明する。
【0097】すなわち、S81において、各信号線の仮
想断面情報、接続情報、上記最適解Qによって決まる基
板の層構造など、自動配線に必要なデータを用意する。
続いて、仮想断面情報に基づいて、ガードパターンが必
要な信号線と、それ以外の一般の信号線に大きく分類す
る。なお、ガードパターンが必要な信号線は、一般の信
号線に比べて、早く配線される。また、各分類に含まれ
る信号線の中で、配線経路長1が短い順番に配線順序を
指定する(S82)。
想断面情報、接続情報、上記最適解Qによって決まる基
板の層構造など、自動配線に必要なデータを用意する。
続いて、仮想断面情報に基づいて、ガードパターンが必
要な信号線と、それ以外の一般の信号線に大きく分類す
る。なお、ガードパターンが必要な信号線は、一般の信
号線に比べて、早く配線される。また、各分類に含まれ
る信号線の中で、配線経路長1が短い順番に配線順序を
指定する(S82)。
【0098】続いて、ガードパターンが必要な各信号線
について、配線経路を生成する(S83)。具体的に
は、各信号線について、図1に示すS8にて求めた層割
り付けを考慮して、各層に配線優先度を与える。そし
て、各信号線の配線は、当該優先度を各層における単位
長当たりの重みとして、重み付き迷路法を用いて行われ
る。これにより、上記初期配線割り付けを考慮して、各
信号線を配線できる。上記配線優先度は、初期配線層に
割り付けられた層が最も高く、初期配線層に指定されて
いないか、仮想断面情報を違反しない層、仮想断面情報
の制約を違反する層、配線不可能な層(例えば、グラン
ド層)の順番に、次第に低く設定される。
について、配線経路を生成する(S83)。具体的に
は、各信号線について、図1に示すS8にて求めた層割
り付けを考慮して、各層に配線優先度を与える。そし
て、各信号線の配線は、当該優先度を各層における単位
長当たりの重みとして、重み付き迷路法を用いて行われ
る。これにより、上記初期配線割り付けを考慮して、各
信号線を配線できる。上記配線優先度は、初期配線層に
割り付けられた層が最も高く、初期配線層に指定されて
いないか、仮想断面情報を違反しない層、仮想断面情報
の制約を違反する層、配線不可能な層(例えば、グラン
ド層)の順番に、次第に低く設定される。
【0099】例えば、図2に示す6層の基板1におい
て、ある信号線の初期配線割り付けが第2層2bに設定
されていた場合、以下の表4に示すように、配線優先度
が与えられる。
て、ある信号線の初期配線割り付けが第2層2bに設定
されていた場合、以下の表4に示すように、配線優先度
が与えられる。
【0100】
【表4】
【0101】上記表4において、第2層2bは、初期配
線層であるため、その優先度が最優先の1に設定されて
いる。これに基づいて、単位長当たりの配線重みは、1
に設定されている。また、第5層2eは、グランド層
(第4層2d)との関係が第2層2bと同様である。し
たがって、その優先度は、次に優先度の高い2に設定さ
れており、配線重みは2に設定される。さらに、第1層
2aおよび第6層2fは、その優先度および配線重み
は、第2層2bよりも優先度の低い3に設定されてい
る。なお、第3層2cおよび第4層2dは、グランド層
であるため、優先度が設定されず、配線重みとして、∞
が与えられる。
線層であるため、その優先度が最優先の1に設定されて
いる。これに基づいて、単位長当たりの配線重みは、1
に設定されている。また、第5層2eは、グランド層
(第4層2d)との関係が第2層2bと同様である。し
たがって、その優先度は、次に優先度の高い2に設定さ
れており、配線重みは2に設定される。さらに、第1層
2aおよび第6層2fは、その優先度および配線重み
は、第2層2bよりも優先度の低い3に設定されてい
る。なお、第3層2cおよび第4層2dは、グランド層
であるため、優先度が設定されず、配線重みとして、∞
が与えられる。
【0102】また、S84では、図13に示すように、
各信号線41の接続端子41a・41bの近傍に、ガー
ドパターンを生成するために必要な仮想接続点42・4
2を配置する。ただし、部品4近傍の領域43・43
は、当該部品の制約によって、仮想接続点42・42の
配置が禁止されている。また、同図では、信号線41の
仮想断面形状が、図3の(e)に示す形状15であるた
め、信号線41の側方の一方に設けられた領域44は、
信号線41によって、仮想接続点42・42の配置が禁
止されている。
各信号線41の接続端子41a・41bの近傍に、ガー
ドパターンを生成するために必要な仮想接続点42・4
2を配置する。ただし、部品4近傍の領域43・43
は、当該部品の制約によって、仮想接続点42・42の
配置が禁止されている。また、同図では、信号線41の
仮想断面形状が、図3の(e)に示す形状15であるた
め、信号線41の側方の一方に設けられた領域44は、
信号線41によって、仮想接続点42・42の配置が禁
止されている。
【0103】さらに、図14に示すように、上記S84
にて生成した仮想接続点42・42間にガードパターン
45を配線し、該ガードパターン45と他のグランドネ
ットとが分離しないように、近傍のラインと接続する
(S85)。もし、S84およびS85にて生成したガ
ードパターン45が、他の信号線と接触するなどの理由
によって、実際には配線できない場合(S86にてNO
の場合)、S87において、例えば、仮想接続点42・
42や、ガードパターン45に接続するラインの変更、
あるいは、ガードパターン45の配線経路を変更などを
試みる。その後、S84ないしS87の処理を繰り返し
て、ガードパターン45を生成する。
にて生成した仮想接続点42・42間にガードパターン
45を配線し、該ガードパターン45と他のグランドネ
ットとが分離しないように、近傍のラインと接続する
(S85)。もし、S84およびS85にて生成したガ
ードパターン45が、他の信号線と接触するなどの理由
によって、実際には配線できない場合(S86にてNO
の場合)、S87において、例えば、仮想接続点42・
42や、ガードパターン45に接続するラインの変更、
あるいは、ガードパターン45の配線経路を変更などを
試みる。その後、S84ないしS87の処理を繰り返し
て、ガードパターン45を生成する。
【0104】上記S83ないしS87のステップは、全
てのガードパターンが必要な信号線41を配線するまで
(S88の判定がYESになるまで)繰り返される。
てのガードパターンが必要な信号線41を配線するまで
(S88の判定がYESになるまで)繰り返される。
【0105】その後は、全ての信号線の配線が終了する
まで(S90の判定がYESになるまで)、一般の信号
線の配線(S89)を繰り返す。一般の各信号線の配線
経路は、上記S83と略同様に、各信号線の断面形状を
保持できるように各配線可能層へ優先順位を付加して、
重みつき迷路法を用いて生成する。なお、配線方法は、
重みつき迷路に限らず、他の配線方法を用いてもよい。
まで(S90の判定がYESになるまで)、一般の信号
線の配線(S89)を繰り返す。一般の各信号線の配線
経路は、上記S83と略同様に、各信号線の断面形状を
保持できるように各配線可能層へ優先順位を付加して、
重みつき迷路法を用いて生成する。なお、配線方法は、
重みつき迷路に限らず、他の配線方法を用いてもよい。
【0106】図1に示すように、本実施形態に係る回路
基板設計方法には、部品の配置情報や接続基情報に基づ
いて、各配線の仮想配線経路を算出する仮想配線工程
(S3)と、基板データ、信号特性、および該仮想配線
経路に基づいて、各配線の不要輻射量Xを算出し、ノイ
ズ対策か必要か否かを判定する判定工程(S4)と、ノ
イズ対策が必要な場合、ノイズ対策を実施して、当該配
線の仮想断面を決定する仮想断面決定工程(S5)と、
算出した仮想断面を持つ各配線をレイアウト可能な、層
綴造を決定する層構造決定工程(S7ないしS10)と
の各工程が、該層構造にて、各配線をレイアウトする配
線工程(S11)の前に設けられている。
基板設計方法には、部品の配置情報や接続基情報に基づ
いて、各配線の仮想配線経路を算出する仮想配線工程
(S3)と、基板データ、信号特性、および該仮想配線
経路に基づいて、各配線の不要輻射量Xを算出し、ノイ
ズ対策か必要か否かを判定する判定工程(S4)と、ノ
イズ対策が必要な場合、ノイズ対策を実施して、当該配
線の仮想断面を決定する仮想断面決定工程(S5)と、
算出した仮想断面を持つ各配線をレイアウト可能な、層
綴造を決定する層構造決定工程(S7ないしS10)と
の各工程が、該層構造にて、各配線をレイアウトする配
線工程(S11)の前に設けられている。
【0107】上記構成では、S3ないしS5において、
各配線の仮想断面を求める。また、S3ないしS5で
は、不要輻射量Xに応じて、必要であれば、ノイズ対策
を施す。その後、S7ないしS10において、ノイズ対
策後の個々の仮想断面が制約を違反しないように、基板
1の層構造が決定される。これにより、個々の配線が理
想的な仮想断面を持つように基板1の層構造を決定でき
る。この結果、従来のように、予め与えられた層構造に
対してノイズ対策を実施する場合に比べて、より確実に
各配線から放射される不要輻射を削減できる。この結
果、電磁波障害(EMI)を削減した回路基板を設計す
ることができる。
各配線の仮想断面を求める。また、S3ないしS5で
は、不要輻射量Xに応じて、必要であれば、ノイズ対策
を施す。その後、S7ないしS10において、ノイズ対
策後の個々の仮想断面が制約を違反しないように、基板
1の層構造が決定される。これにより、個々の配線が理
想的な仮想断面を持つように基板1の層構造を決定でき
る。この結果、従来のように、予め与えられた層構造に
対してノイズ対策を実施する場合に比べて、より確実に
各配線から放射される不要輻射を削減できる。この結
果、電磁波障害(EMI)を削減した回路基板を設計す
ることができる。
【0108】また、従来のように、層構造の決定後に、
ノイズ対策を実施する場合、ノイ対策が不十分であるこ
とが判明すると、新たに層構造を指定し、ノイズ対策を
再度試みる必要がある。ところが、上記構成では、ノイ
ズ対策が必要か否かを判定する判定工程およびノイズ対
策を行う仮想断面決定工程は、層構造の決定の前に配さ
れており、放射ノイズの評価およびノイズ対策は、従来
に比べて、早い段階で実施されている。したがって、不
適切な層構造の指定に起因したノイズ対策の失敗を防止
できる。これにより、ノイズ対策に失敗する可能性が低
くなるので、回路基板設計時において、不要輻射に関す
るリワーク数や試作回数を大幅に削減できる。この結
果、設計時のフィードバックループを大幅に削減でき、
設計開発期間の短縮が可能となる。
ノイズ対策を実施する場合、ノイ対策が不十分であるこ
とが判明すると、新たに層構造を指定し、ノイズ対策を
再度試みる必要がある。ところが、上記構成では、ノイ
ズ対策が必要か否かを判定する判定工程およびノイズ対
策を行う仮想断面決定工程は、層構造の決定の前に配さ
れており、放射ノイズの評価およびノイズ対策は、従来
に比べて、早い段階で実施されている。したがって、不
適切な層構造の指定に起因したノイズ対策の失敗を防止
できる。これにより、ノイズ対策に失敗する可能性が低
くなるので、回路基板設計時において、不要輻射に関す
るリワーク数や試作回数を大幅に削減できる。この結
果、設計時のフィードバックループを大幅に削減でき、
設計開発期間の短縮が可能となる。
【0109】さらに、本実施形態に係る回路基板設計方
法には、図6に示すように、ノイズ対策が必要な各配線
について、仮想断面を改善してノイズ対策を施す第1の
工程(S27)と、コンデンサなどの対策部品を挿入し
てノイズ対策を施す第2の工程(S29)とが設けられ
ている。これにより、2つのノイズ対策を実施した場合
の仮想断面が算出できる。加えて、図1に示すように、
各ノイズ対策と層構造との組み合わせの中から実施可能
解Pを抽出し(S9)、その中から最適解Qを選択する
工程(S10)が設けられている。最適解Qは、図11
に示すように、基板1の使用目的に応じて決定される算
出方法によって、目的への適合度を示す評価値を算出し
た後、該評価値に基づいて決定される(S75ないしS
80)。
法には、図6に示すように、ノイズ対策が必要な各配線
について、仮想断面を改善してノイズ対策を施す第1の
工程(S27)と、コンデンサなどの対策部品を挿入し
てノイズ対策を施す第2の工程(S29)とが設けられ
ている。これにより、2つのノイズ対策を実施した場合
の仮想断面が算出できる。加えて、図1に示すように、
各ノイズ対策と層構造との組み合わせの中から実施可能
解Pを抽出し(S9)、その中から最適解Qを選択する
工程(S10)が設けられている。最適解Qは、図11
に示すように、基板1の使用目的に応じて決定される算
出方法によって、目的への適合度を示す評価値を算出し
た後、該評価値に基づいて決定される(S75ないしS
80)。
【0110】上記評価値は、例えば、S74ないしS7
6では、不要輻射量の総和xとコストの総和yに基づい
て、上述の式(3)によって、算出されている。この場
合は、不要輻射量の総和xとコストの総和yとのバラン
スのとれた実施可能解Pが最適解Qとして選択される。
また、S77およびS78では、コストの総和yそのも
のを評価値として、コストが最小となる最適解Qが選択
される。なお、本実施形態では、上記S9にて、各配線
を層構造に割り付け、配線混雑度αおよび配線混雑度の
バラツキγか、それぞれの許容値B・Cを越える組み合
わせを、実施可能解Pから省いている。なお、評価値の
算出方法は、この方法に限るものではなく、基板1の使
用目的に応じて、様々な算出方法を適用できる。
6では、不要輻射量の総和xとコストの総和yに基づい
て、上述の式(3)によって、算出されている。この場
合は、不要輻射量の総和xとコストの総和yとのバラン
スのとれた実施可能解Pが最適解Qとして選択される。
また、S77およびS78では、コストの総和yそのも
のを評価値として、コストが最小となる最適解Qが選択
される。なお、本実施形態では、上記S9にて、各配線
を層構造に割り付け、配線混雑度αおよび配線混雑度の
バラツキγか、それぞれの許容値B・Cを越える組み合
わせを、実施可能解Pから省いている。なお、評価値の
算出方法は、この方法に限るものではなく、基板1の使
用目的に応じて、様々な算出方法を適用できる。
【0111】S75ないしS80に示すように、本実施
形態では、評価値の算出工程、および、該評価値に基づ
き、層構造を決定する工程を備えている。したがって、
回路基板の目的に応じて、仮想断面の改善によるグラン
ド強化およびノイズ対策部品の挿入という2つのノイズ
対策のうち、適切な対策を選択できる。これにより、従
来のように、対策部品を挿入してノイズ対策を実施する
場合に比べて、ノイズ対策部品の挿入数を削減できる。
また、従来のガードパターンを形成してノイズ対策を実
施する場合に比べて、ガードパターンの生成量を削減で
きる。
形態では、評価値の算出工程、および、該評価値に基づ
き、層構造を決定する工程を備えている。したがって、
回路基板の目的に応じて、仮想断面の改善によるグラン
ド強化およびノイズ対策部品の挿入という2つのノイズ
対策のうち、適切な対策を選択できる。これにより、従
来のように、対策部品を挿入してノイズ対策を実施する
場合に比べて、ノイズ対策部品の挿入数を削減できる。
また、従来のガードパターンを形成してノイズ対策を実
施する場合に比べて、ガードパターンの生成量を削減で
きる。
【0112】さらに、ノイズ対策の後で層構造が決定さ
れるため、平面的なガードバターンだけでなく、立体的
な仮想断面を考慮してノイズ対策を実施できる。この結
果、製造コストや不要輻射量など、目的に適合した層構
造およびノイズ対策を持つ回路基板を確実に得ることが
できる。したがって、従来のように使用者の熟練度に依
存することない。この結果、経験の浅い設計者であって
も、高品質の回路基板を作成できる。
れるため、平面的なガードバターンだけでなく、立体的
な仮想断面を考慮してノイズ対策を実施できる。この結
果、製造コストや不要輻射量など、目的に適合した層構
造およびノイズ対策を持つ回路基板を確実に得ることが
できる。したがって、従来のように使用者の熟練度に依
存することない。この結果、経験の浅い設計者であって
も、高品質の回路基板を作成できる。
【0113】なお、本実施形態では、ノイズ対策とし
て、仮想断面を改善した場合を集めた改善解N1と、対
策部品を挿入した場合を集めた改善解N2とを求め、両
改善解N1・N2と各層構造との組み合わせの中から、
最適解Qを求めているが、これに限るものではない。例
えば、各配線毎にノイズ対策を選択してもよい。ただ
し、この場合は、配線の数が増えるに伴って、計算量お
よび計算時間が極めて増加する。したがって、全ての配
線毎にノイス対策を選択するのではなく、その中から幾
つかを計算する方がよい。本実施形態では、選択方法の
一例として、上記改善解N1・N2のみを算出してい
る。これにより、少ない計算量で、最適解Qを算出でき
る。
て、仮想断面を改善した場合を集めた改善解N1と、対
策部品を挿入した場合を集めた改善解N2とを求め、両
改善解N1・N2と各層構造との組み合わせの中から、
最適解Qを求めているが、これに限るものではない。例
えば、各配線毎にノイズ対策を選択してもよい。ただ
し、この場合は、配線の数が増えるに伴って、計算量お
よび計算時間が極めて増加する。したがって、全ての配
線毎にノイス対策を選択するのではなく、その中から幾
つかを計算する方がよい。本実施形態では、選択方法の
一例として、上記改善解N1・N2のみを算出してい
る。これにより、少ない計算量で、最適解Qを算出でき
る。
【0114】また、本実施形態では、実施可能解Pを探
索する際、縦型探索法を用いて、改善解Nと層構造との
全ての組み合わせを探索しているが、これに限るもので
はない。横型探索法を用いてもよいし、しらみつぶしに
探索してもよい。また、全ての組み合わせを探索するの
ではなく、コストが大き過ぎる枝などの探索を省いて、
計算時間を短縮してもよい。ただし、実施可能解Pの候
補全てを探索せず、例えば、ユーザ指定などによって、
探索する解の候補数を限定した場合には、計算時間が短
縮される一方で、求めた最適解Qが探索方法によって互
いに異なることがある。
索する際、縦型探索法を用いて、改善解Nと層構造との
全ての組み合わせを探索しているが、これに限るもので
はない。横型探索法を用いてもよいし、しらみつぶしに
探索してもよい。また、全ての組み合わせを探索するの
ではなく、コストが大き過ぎる枝などの探索を省いて、
計算時間を短縮してもよい。ただし、実施可能解Pの候
補全てを探索せず、例えば、ユーザ指定などによって、
探索する解の候補数を限定した場合には、計算時間が短
縮される一方で、求めた最適解Qが探索方法によって互
いに異なることがある。
【0115】さらに、本実施形態では、層構造および仮
想断面を選択する際、層構造記述テーブルおよび仮想断
面記述テーブルを、テーブル番号mあるいは断面番号n
により参照して、層構造を決定しているが、これに限る
ものではない。他の形式のテーブルを参照するなど、他
の選択方法を用いてもよい。ただし、両番号m・nを用
いて参照することによって、次に使用する層構造あるい
は仮想断面を容易に選択できる。さらに、表の大きさに
よって、次の層構造あるいは仮想断面があるか否かも判
定できる。したがって、選択時の計算量を削減でき、高
速に回路基板を設計することができる。
想断面を選択する際、層構造記述テーブルおよび仮想断
面記述テーブルを、テーブル番号mあるいは断面番号n
により参照して、層構造を決定しているが、これに限る
ものではない。他の形式のテーブルを参照するなど、他
の選択方法を用いてもよい。ただし、両番号m・nを用
いて参照することによって、次に使用する層構造あるい
は仮想断面を容易に選択できる。さらに、表の大きさに
よって、次の層構造あるいは仮想断面があるか否かも判
定できる。したがって、選択時の計算量を削減でき、高
速に回路基板を設計することができる。
【0116】ところで、上記構成では、仮想断面決定工
程にて、配線の仮想断面を求めた後で、層構造決定工程
にて、層構造を決定している。したがって、層構造に各
配線を割り付けた場合、例えば、配線の近傍に配される
グランド層などによって、上記仮想断面決定工程にて実
施したノイズ対策が過剰になる場合がある。ノイズ対策
が過剰であると、例えば、対策部品の挿入量が不所望に
多くなったり、仮想断面の形状が不所望に複雑になった
りする。対策部品の挿入量が多くなると、材料費や加工
コストが増加する。また、仮想断面の形状が不所望に複
雑になると、配線に失敗しやすくなり、リワーク数や試
作回数が増加する。また、いずれの場合でも、配線や部
品の密度が増加するため、層構造を決定する際、不所望
に複雑な層構造を決定する恐れがある。これらの結果、
回路基板の製造コストは、不所望に増加する。
程にて、配線の仮想断面を求めた後で、層構造決定工程
にて、層構造を決定している。したがって、層構造に各
配線を割り付けた場合、例えば、配線の近傍に配される
グランド層などによって、上記仮想断面決定工程にて実
施したノイズ対策が過剰になる場合がある。ノイズ対策
が過剰であると、例えば、対策部品の挿入量が不所望に
多くなったり、仮想断面の形状が不所望に複雑になった
りする。対策部品の挿入量が多くなると、材料費や加工
コストが増加する。また、仮想断面の形状が不所望に複
雑になると、配線に失敗しやすくなり、リワーク数や試
作回数が増加する。また、いずれの場合でも、配線や部
品の密度が増加するため、層構造を決定する際、不所望
に複雑な層構造を決定する恐れがある。これらの結果、
回路基板の製造コストは、不所望に増加する。
【0117】ところが、本実施形態に係る回路基板設計
方法は、上記構成に加えて、図10に示すように、指定
された仮想断面を持つ各配線を、層構造へ割り付ける割
り付け工程(S62)と、各配線を層構造に割り付けた
結果、ノイズ対策が過剰になった場合、当該配線へ実施
したノイズ対策を変更して、その仮想断面を修正する仮
想断面修正工程(S65ないしS68)とを含んでい
る。これにより、過剰なノイズ対策を防止でき、より適
切なノイズ対策を選択できる。この結果、回路基板の製
造コストをさらに削減できる。
方法は、上記構成に加えて、図10に示すように、指定
された仮想断面を持つ各配線を、層構造へ割り付ける割
り付け工程(S62)と、各配線を層構造に割り付けた
結果、ノイズ対策が過剰になった場合、当該配線へ実施
したノイズ対策を変更して、その仮想断面を修正する仮
想断面修正工程(S65ないしS68)とを含んでい
る。これにより、過剰なノイズ対策を防止でき、より適
切なノイズ対策を選択できる。この結果、回路基板の製
造コストをさらに削減できる。
【0118】また、本実施形態では、上記仮想断面修正
工程は、配線工程(図1のS11)の前に、仮想断面と
層構造とに基づいて行われている。したがって、実際に
レイアウトしてからノイズ対策を修正する場合に比べ
て、計算量を削減できる。
工程は、配線工程(図1のS11)の前に、仮想断面と
層構造とに基づいて行われている。したがって、実際に
レイアウトしてからノイズ対策を修正する場合に比べ
て、計算量を削減できる。
【0119】なお、以上で説明した本発明の回路基板設
計方法は、例えば図16の模式図に示すような回路基板
設計装置により実行される。この回路基板設計装置は、
コンピュータ本体201、グラフィックディスプレイ装
置202、磁気テープ204が装着される磁気テープ装
置203、キーボード205、マウス206、CD−R
OM(Compact Disk−Read Only
Memory)208が装着されるCD−ROM装置
207、および通信モデム209を含む。
計方法は、例えば図16の模式図に示すような回路基板
設計装置により実行される。この回路基板設計装置は、
コンピュータ本体201、グラフィックディスプレイ装
置202、磁気テープ204が装着される磁気テープ装
置203、キーボード205、マウス206、CD−R
OM(Compact Disk−Read Only
Memory)208が装着されるCD−ROM装置
207、および通信モデム209を含む。
【0120】回路基板設計方法を実行するプログラム
(回路基板設計プログラム)は、磁気テープ204やC
D−ROM208等の記録媒体によって供給される。そ
して、コンピュータ本体201により回路基板設計プロ
グラムが実行され、操作者がグラフィックディスプレイ
装置202を見ながらキーボード205またはマウス2
06を操作することによって、回路基板の設計が行われ
る。なお、回路基板設計プログラムは他のコンピュータ
より通信回線を経由し、通信モデム209を介してコン
ピュータ本体201に供給されてもよいし、コンピュー
タ本体201内のハードディスクやROM(Rando
m Access Memory)に記憶されていても
良い。
(回路基板設計プログラム)は、磁気テープ204やC
D−ROM208等の記録媒体によって供給される。そ
して、コンピュータ本体201により回路基板設計プロ
グラムが実行され、操作者がグラフィックディスプレイ
装置202を見ながらキーボード205またはマウス2
06を操作することによって、回路基板の設計が行われ
る。なお、回路基板設計プログラムは他のコンピュータ
より通信回線を経由し、通信モデム209を介してコン
ピュータ本体201に供給されてもよいし、コンピュー
タ本体201内のハードディスクやROM(Rando
m Access Memory)に記憶されていても
良い。
【0121】
【発明の効果】請求項1の発明に係る回路基板設計方法
は、以上のように、接続情報に基づき、各配線の仮想配
線経路を決定する仮想配線工程と、当該仮想配線経路に
ノイズ対策が必要か否かを判定する判定工程と、ノイズ
対策が必要な場合、ノイズ対策を実施して、当該配線の
仮想断面を決定する仮想断面決定工程と、算出した仮想
断面を持つ各配線をレイアウト可能な、回路基板の層構
造を決定する層構造決定工程とを、各配線をレイアウト
する配線工程の前に含んでいる構成である。
は、以上のように、接続情報に基づき、各配線の仮想配
線経路を決定する仮想配線工程と、当該仮想配線経路に
ノイズ対策が必要か否かを判定する判定工程と、ノイズ
対策が必要な場合、ノイズ対策を実施して、当該配線の
仮想断面を決定する仮想断面決定工程と、算出した仮想
断面を持つ各配線をレイアウト可能な、回路基板の層構
造を決定する層構造決定工程とを、各配線をレイアウト
する配線工程の前に含んでいる構成である。
【0122】上記構成では、層構造決定工程において、
仮想断面決定工程にて行われたノイズ対策に基づいて、
回路基板の層構造が決定される。したがって、個々の配
線が理想的な仮想断面を持つように、回路基板層の構造
を決定できる。この結果、従来に比べて、より確実に各
配線から放射される不要輻射を削減できるという効果を
奏する。
仮想断面決定工程にて行われたノイズ対策に基づいて、
回路基板の層構造が決定される。したがって、個々の配
線が理想的な仮想断面を持つように、回路基板層の構造
を決定できる。この結果、従来に比べて、より確実に各
配線から放射される不要輻射を削減できるという効果を
奏する。
【0123】さらに、ノイズ対策が必要か否かを判定す
る判定工程、および、ノイズ対策を行う仮想断面決定工
程は、層構造の決定の前に配されており、放射ノイズの
評価およびノイズ対策が、より早い段階で実施される。
これにより、ノイズ対策に失敗する可能性を低減でき
る。この結果、設計時のフィードバックループを大幅に
削減でき、設計開発期間を短縮できるという効果を併せ
て奏する。
る判定工程、および、ノイズ対策を行う仮想断面決定工
程は、層構造の決定の前に配されており、放射ノイズの
評価およびノイズ対策が、より早い段階で実施される。
これにより、ノイズ対策に失敗する可能性を低減でき
る。この結果、設計時のフィードバックループを大幅に
削減でき、設計開発期間を短縮できるという効果を併せ
て奏する。
【0124】請求項2の発明に係る回路基板設計方法
は、以上のように、請求項1記載の発明の構成におい
て、上記仮想断面構造決定工程は、ノイズ対策として、
仮想断面を改善した場合の配線の仮想断面を求める第1
の工程と、ノイズ対策として、ノイズ対策部品を挿入し
た場合の配線の仮想断面を求める第2の工程とを含んで
おり、上記層構造決定工程は、上記第1あるいは第2工
程にて算出した仮想断面を持つ各配線を層構造にレイア
ウトする際の製造コスト、不要輻射量、および配線混雑
度のうちの少なくとも一つに基づいて、回路基板の目的
への適合度を示す評価値を算出する評価値算出工程と、
算出した評価値に基づいて、各配線の仮想断面および層
構造の組み合わせを選択する選択工程とを含んでいる構
成である。
は、以上のように、請求項1記載の発明の構成におい
て、上記仮想断面構造決定工程は、ノイズ対策として、
仮想断面を改善した場合の配線の仮想断面を求める第1
の工程と、ノイズ対策として、ノイズ対策部品を挿入し
た場合の配線の仮想断面を求める第2の工程とを含んで
おり、上記層構造決定工程は、上記第1あるいは第2工
程にて算出した仮想断面を持つ各配線を層構造にレイア
ウトする際の製造コスト、不要輻射量、および配線混雑
度のうちの少なくとも一つに基づいて、回路基板の目的
への適合度を示す評価値を算出する評価値算出工程と、
算出した評価値に基づいて、各配線の仮想断面および層
構造の組み合わせを選択する選択工程とを含んでいる構
成である。
【0125】上記構成では、配線を層構造にレイアウト
する際の製造コストなどから算出される評価値に基づい
て、選択工程にて、層構造が決定される。したがって、
回路基板の目的に応じて、仮想断面の改善によるグラン
ド強化およびノイズ対策部品の挿入という2つのノイズ
対策のうち、適切な対策を選択できる。この結果、製造
コストや不要輻射量など、目的に適合した層構造および
ノイズ対策を持つ回路基板を確実に得ることができると
いう効果を奏する。加えて、使用者の熟練度に依存しな
いため、経験の浅い設計者であっても、高品質の回路基
板を作成できるという効果を併せて奏する。
する際の製造コストなどから算出される評価値に基づい
て、選択工程にて、層構造が決定される。したがって、
回路基板の目的に応じて、仮想断面の改善によるグラン
ド強化およびノイズ対策部品の挿入という2つのノイズ
対策のうち、適切な対策を選択できる。この結果、製造
コストや不要輻射量など、目的に適合した層構造および
ノイズ対策を持つ回路基板を確実に得ることができると
いう効果を奏する。加えて、使用者の熟練度に依存しな
いため、経験の浅い設計者であっても、高品質の回路基
板を作成できるという効果を併せて奏する。
【0126】請求項3の発明に係る回路基板設計方法
は、以上のように、請求項1または2記載の発明の構成
において、上記層構造決定工程は、上記仮想断面決定工
程にて指定された仮想断面を持つ各配線を、層構造へ割
り付ける割り付け工程と、各配線を層構造に割り付けた
結果、ノイズ対策が過剰になった場合、当該配線へ実施
したノイズ対策を変更して、その仮想断面を修正する仮
想断面修正工程とを含んでいる構成である。
は、以上のように、請求項1または2記載の発明の構成
において、上記層構造決定工程は、上記仮想断面決定工
程にて指定された仮想断面を持つ各配線を、層構造へ割
り付ける割り付け工程と、各配線を層構造に割り付けた
結果、ノイズ対策が過剰になった場合、当該配線へ実施
したノイズ対策を変更して、その仮想断面を修正する仮
想断面修正工程とを含んでいる構成である。
【0127】上記構成では、仮想断面修正工程を設ける
ことにより、層構造決定前に仮想断面を決定することに
起因する過剰なノイズ対策を防止できる。この結果、請
求項1記載の回路基板設計方法に比べて、回路基板の製
造コストを削減できるという効果を奏する。
ことにより、層構造決定前に仮想断面を決定することに
起因する過剰なノイズ対策を防止できる。この結果、請
求項1記載の回路基板設計方法に比べて、回路基板の製
造コストを削減できるという効果を奏する。
【0128】請求項4の発明に係る記録媒体は、上記し
た請求項1〜請求項3の回路基板設計方法を実行するプ
ログラムを記録した記録媒体であり、コンピュータ等に
供給されることで、上記回路基板設計方法を実行する。
た請求項1〜請求項3の回路基板設計方法を実行するプ
ログラムを記録した記録媒体であり、コンピュータ等に
供給されることで、上記回路基板設計方法を実行する。
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、プリン
ト基板のレイアウト方法の概略を説明するフローチャー
トである。
ト基板のレイアウト方法の概略を説明するフローチャー
トである。
【図2】上記レイアウト方法において、信号線を配線す
るプリント基板の構造の一例を示す断面図である。
るプリント基板の構造の一例を示す断面図である。
【図3】上記レイアウト方法で信号線を配線する際、各
信号線に割り当てる仮想断面形状の一例を示すものであ
り、(a)ないし(i)は、各仮想断面形状を示す断面
図である。
信号線に割り当てる仮想断面形状の一例を示すものであ
り、(a)ないし(i)は、各仮想断面形状を示す断面
図である。
【図4】上記レイアウト方法において、各部品問の接続
要求を示す説明図である。
要求を示す説明図である。
【図5】上記レイアウト方法において、各部品間に生成
した仮想配線経路を示す説明図である。
した仮想配線経路を示す説明図である。
【図6】上記レイアウト方法において、ノイズ対策を示
す改善解を算出する工程を詳細に示すフローチャートで
ある。
す改善解を算出する工程を詳細に示すフローチャートで
ある。
【図7】上記レイアウト方法において、層構造へ仮想配
線を割り付けて実施可能解の集合を求める工程を詳細に
示すフローチャートである。
線を割り付けて実施可能解の集合を求める工程を詳細に
示すフローチャートである。
【図8】上記レイアウト方法において、実施可能解の探
索方法を示す説明図である。
索方法を示す説明図である。
【図9】図7の動作を説明する工程断面図である。
【図10】図7に示すフローチャートの一工程を、さら
に詳細に示すフローチャートである。
に詳細に示すフローチャートである。
【図11】上記レイアウト方法において、実施可能解か
ら、最適解となる層構造を求める工程を詳細に示すフロ
ーチャートである。
ら、最適解となる層構造を求める工程を詳細に示すフロ
ーチャートである。
【図12】上記レイアウト方法において、最適解となる
層構造へ、実際に各信号線を割り付ける工程を詳細に示
すフローチャートである。
層構造へ、実際に各信号線を割り付ける工程を詳細に示
すフローチャートである。
【図13】図12に示すフローチャートにおいて、仮想
接続点の配置例を示す説明図である。
接続点の配置例を示す説明図である。
【図14】図12に示すフローチャートにおいて、ガー
ドパターンの配置例を示す説明図である。
ドパターンの配置例を示す説明図である。
【図15】従来例を示すものであり、プリント基板のレ
イアウト方法の概略を示すフローチャートである。
イアウト方法の概略を示すフローチャートである。
【図16】本発明の回路基板設計方法を実行する回路基
板設計装置の一例を示す模式図である。
板設計装置の一例を示す模式図である。
1 基板(回路基板) 4 部品(要素) 11−19 形状(仮想断面) 35 信号線(配線) 41 信号線(配線) net1a−net3a 仮想配線経路 P13、P14、P21−P24 実施可能解
Claims (4)
- 【請求項1】 基板に配する回路を構成する要素の接続
関係を含む接続情報に基づき、各要素間の配線をレイア
ウトする回路基板設計方法であって、上記接続情報に基
づき、各配線の仮想配線経路を決定する仮想配線工程
と、当該仮想配線経路にノイズ対策が必要か否かを判定
する判定工程と、ノイズ対策が必要な場合、ノイズ対策
を実施して、当該配線の仮想断面を決定する仮想断面決
定工程と、算出した仮想断面を持つ各配線をレイアウト
可能な、回路基板の層構造を決定する層構造決定工程と
を、各配線をレイアウトする配線工程の前に含んでいる
ことを特徴とする回路基板設計方法。 - 【請求項2】 上記仮想断面構造決定工程は、ノイズ対
策として、仮想断面を改善した場合の配線の仮想断面を
求める第1の工程と、ノイズ対策として、ノイズ対策部
品を挿入した場合の配線の仮想断面を求める第2の工程
とを含んでおり、上記層構造決定工程は、上記第1ある
いは第2工程にて算出した仮想断面を持つ各配線を層構
造にレイアウトする際の製造コスト、不要輻射量、およ
び配線混雑度のうちの少なくとも一つに基づいて、回路
基板の目的への適合度を示す評価値を算出する評価値算
出工程と、算出した評価値に基づいて、各配線の仮想断
面および層構造の組み合わせを選択する選択工程とを含
んでいることを特徴とする請求項1記載の回路基板設計
方法。 - 【請求項3】 上記層構造決定工程は、上記仮想断面決
定工程にて指定された仮想断面を持つ各配線を、層構造
へ割り付ける割り付け工程と、各配線を層構造に割り付
けた結果、ノイズ対策が過剰になった場合、当該配線へ
施したノイズ対策を変更して、その仮想断面を修正する
仮想断面修正工程とを含んでいることを特徴とする請求
項1または2記載の回路基板設計方法。 - 【請求項4】 コンピュータに、請求項1乃至請求項3
のいずれかに記載の回路基板設計方法を実行させるプロ
グラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9136907A JPH1049568A (ja) | 1996-05-31 | 1997-05-27 | 回路基板設計方法及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13915096 | 1996-05-31 | ||
JP8-139150 | 1996-05-31 | ||
JP9136907A JPH1049568A (ja) | 1996-05-31 | 1997-05-27 | 回路基板設計方法及び記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1049568A true JPH1049568A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=26470372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9136907A Pending JPH1049568A (ja) | 1996-05-31 | 1997-05-27 | 回路基板設計方法及び記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1049568A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6598208B2 (en) | 2000-02-28 | 2003-07-22 | Nec Corporation | Design and assisting system and method using electromagnetic position |
US6754876B2 (en) | 2000-07-12 | 2004-06-22 | Nec Corporation | System and method for designing a printed board adapted to suppress electromagnetic interference |
US6774641B2 (en) | 2001-06-20 | 2004-08-10 | Nec Corporation | Printed circuit board design support apparatus, method, and program |
JP2006526883A (ja) * | 2003-03-06 | 2006-11-24 | サンミナエスシーアイ コーポレイション | バイア構造の高周波性能を最適化する方法 |
JP2008140149A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Mitsubishi Electric Corp | 多層配線構造検討システム |
JP2015507385A (ja) * | 2011-12-02 | 2015-03-05 | ヴァレオ セキュリテ アビタクル | 自動車のオープニングパネルにおける作用をトリガーするためのセンサ |
-
1997
- 1997-05-27 JP JP9136907A patent/JPH1049568A/ja active Pending
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