JP4070748B2 - 橋梁架設装置及び橋梁架設方法 - Google Patents
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この図5において、道路11等には、予め橋脚10が所定間隔で建築されており、また、道路11でない部分(図5(a)の右端部分)には、橋脚10の上端のゴムシュー18の上に、予め橋梁が架設され、この橋梁が製作ヤード12として利用される。
この製作ヤード12の上では、これから架設しようとする橋梁13が製作組み立てられ、前方台車14と後方台車15に載置される。橋梁13の先端部には、連結構17によって手延べ機16が取り付けられる。
橋梁13を移送して架設する橋脚10の上には、ゴムシュー18,サンドル材19,移送装置20が載せられる。ここで、橋梁13を移送するためには、移送しようとする橋脚10の高さを、製作ヤード12の上の前方台車14(後方台車15)の高さと略一致させなければならない。
この従来方法を図6に基づきさらに詳しく説明する。
調整高さが1〜2m程度であれば、高さが15cm程度のサンドル材19を多段に積み重ねて互いに固定し、その上に移送装置20を載せたものを移送方向に直行する位置に少なくとも2台取り付け、同様に、サンドル材19を多段に積み重ねて互いに固定し、このサンドル材19と橋梁13の下面との間に盛り替えジャッキ22を介在したものを移送方向に直行する位置に少なくとも2台取り付ける。
調整高さが2mを越して5m又はそれ以上になるようなことがある場合には、サンドル材19の下側と橋脚10との間に、台座26と高さが100cm程度のベント材23を多段に積み重ねて互いに固定し、つなぎ材24で相互間を連結するとともに、筋交い25で補強する。
この状態で橋梁13を所定位置まで移送する。
第1には、橋脚10の上のサンドル材19,ベント材23,移送装置20,盛り替えジャッキ22などを少しずつ除去しながら橋梁13をジャッキダウンする方法で、この方法が一般的である。この扛下作業の手順を図6にて説明すると、次のとおりである。
橋梁13の移送中は、移送装置20に橋梁13の荷重が掛けられ、盛り替えジャッキ22はやや縮めて荷重が掛けられていないが、橋梁13が所定位置まで移送されると、盛り替えジャッキ22の上端部を橋梁13の下面に固定した後、盛り替えジャッキ22を伸ばして橋梁13の全荷重を盛り替えジャッキ22に盛り替え、移送装置20を無荷重とし、移送装置20をサンドル材19の上から取り外して撤去する。撤去した位置に移送装置20の高さ分だけサンドル材19を挿入する。
盛り替えジャッキ22を縮めて移送装置20側のサンドル材19に橋梁13を盛り替え、盛り替えジャッキ22側の1段のサンドル材19を除去する。
除去したのち、盛り替えジャッキ22をのばして盛り替えジャッキ22側に橋梁13を盛り替え、移送装置20側の1段のサンドル材19を除去する。
すべてのサンドル材19が除去されたら、つなぎ材24、筋交い25を外した後、ベント材23を順次除去するが、このベント材23は、高さが高いので、サンドル材19を嵌め込みながら前記同様の方法を何回も繰り返しながら除去する。
最後に、図示しない盛り替えジャッキにより台座26を除去して橋梁13を橋脚10のゴムシュー18に載置架設する。架設後、ブラケット21を撤去する。
さらに、橋脚10に着脱自在にジャッキ取り付け部材30を取り付けたことにより、橋脚10へのジャッキ装置39、扛下用支柱32、送り出しステージ38の取り付け、取り外しが確実に、かつ、短時間でできる。
前記送り出しステージ38は、複数本の扛下用支柱32に着脱自在に取り付けられた梁材34、35にサンドル材19を載置し、サンドル材19の上に、橋梁13を移送する移送装置20と、この移送装置20と前記扛下用支柱32の上端の受け台43とへの盛り替えを行なう盛り替えジャッキ22とを据え付ける。
前記複数本の扛下用支柱32の間に、必要に応じて着脱自在につなぎ材24で連結された垂直な水平力補助支柱33を介在し、この水平力補助支柱33の下端部を橋脚10に着脱自在に取り付けられる補助ブラケット31に遊嵌し、これらの扛下用支柱32,水平力補助支柱33を着脱自在に筋交い25で連結する。
これらの図において、本発明による橋梁架設装置は、橋脚10に着脱自在に取り付けられたジャッキ取り付け部材としての複数個のブラケット30、このブラケット30で支持される複数本の扛下用支柱32、この扛下用支柱32を順次下降するジャッキ装置39、前記扛下用支柱32の上端部に着脱自在にとり付けられた複数台の移送装置20と盛り替えジャッキ22からなる送り出しステージ38等で構成されている。
前記橋脚10の両側面の上端部には、ブラケット固定金具47が固定的に設けられており、この2個のブラケット固定金具47の間にブラケット本体46が嵌め込まれボルト48によって着脱自在に取り付けられている。このブラケット本体46には、上下に貫通して前記扛下用支柱32の遊嵌する支柱挿入孔49が設けられており、この支柱挿入孔49の途中をピンからなる盛り替え用係止具44が水平方向に貫通するように係止具差し込み孔50が穿設されている。また、前記ブラケット本体46の下面の前記支柱挿入孔49の両側に位置してジャッキ装置39の2個1対のシリンダー51が下向きに取り付けられている。
この扛下用支柱32は、1つの橋脚10に対して4本がブラケット30に支持されている。これら4本の扛下用支柱32の上部から2番目の丸孔の係止部41に、橋梁13の移送方向に向けてそれぞれ梁材34が取り付けられ、これらの盛り替え用係止具44に梁材35と、必要高さまで多段にサンドル材19を積層し、移送方向前方左右には、移送装置20が着脱自在に取り付けられ、後方左右には、盛り替えジャッキ22が着脱自在に取り付けられ、送り出しステージ38が構成されている。
この状態で扛下用支柱32に梁材34,35を組み込み、その上に、サンドル材19を載せ、さらにその上に移送装置20と盛り替えジャッキ22を固定して、送り出しステージ38を構成する。
(1)図5の製作ヤード12から移送されてきた橋梁13は、図1(a)に示すように、エンドレスの移送装置20によって受け、かつ、移送される。このとき、移送装置20の内蔵ジャッキ36が上昇した状態にあって、扛下用支柱32の係止具42と盛り替えジャッキ22の上端部と橋梁13の下端面とは、やや隙間を有している。橋梁13の先端が複数の橋脚10の上を移送して対岸まで移送されると、橋梁13を橋脚10のゴムシュー18の上に載置するために、ジャッキダウン作業が各橋脚10について開始される。橋脚10のジャッキダウン作業は、すべての橋脚10について同時に行なうことが望ましいが、それは極めて困難であるから、橋梁13の連結部分の許容される曲げの範囲内で一方の橋脚10側から行なわれる。以下に、さらに詳しく説明する。
図4に基づきさらに詳しく説明すると、橋梁13を製作ヤード12で水平移送する場合には、前方台車14と後方台車15が橋梁13と一緒に移送されれば、橋梁13が一直線状であってもなくても問題はない。ところが、橋脚10の上の送り出しステージ38は、橋梁13と一緒に移送することができない。そこで、橋梁13の下面の小さな凹凸や傾斜面については、橋梁13の移送速度に合わせて送り出しステージ38の移送装置20による昇降動作を調整することにより水平移送が可能であるが、送り出しステージ38の移送装置20による昇降動作の許容範囲を超えるような場合には、ジャッキ装置39による支柱32の昇降動作も組み合わせることにより、より大きな位置変動に対応することができる。また、水平移送ではなく傾斜移送についてもより大きな位置変動に対応することができる。
例えば、扛下用支柱32の係止部41は、片方又は両方の外側面に突起や切り欠きを所定間隔で設けたものとし、また、盛り替え用係止具44とジャッキ側係止具45は、これに係合する1本又は2本の楔状とするなど、確実に橋梁13の荷重を受け止めることができ、かつ、確実に係止でき、さらに、盛り替え用係止具44とジャッキ側係止具45の係脱作業性のよいものであれば実施例に限られるものではない。
前記実施例では、図1(a)において、2本の扛下用支柱32の間にのみ筋交い25をX字状に取り付けたが、これに限られるものではなく、図1(a)に鎖線で示すように、梁材34と2本の扛下用支柱32の間にも筋交い25をそれぞれ取り付けるようにしてもよい。
Claims (9)
- 架設位置より高い所から送り出された橋梁を橋脚の上で移送した後、ジャッキダウンしてその橋脚に架設する橋梁架設装置において、前記橋脚に着脱自在に取り付け可能なジャッキ取り付け部材と、このジャッキ取り付け部材に取り付けられた昇降用のジャッキ装置と、このジャッキ装置の可動側と前記ジャッキ取り付け部材の固定側に係合し、ジャッキ装置の昇降動作により盛り替えられて上下位置を可変可能な扛下用支柱と、この扛下用支柱の上部に着脱自在に設けられ前記橋梁を移送する送り出しステージとを具備したことを特徴とする橋梁架設装置。
- 架設位置より高い所から送り出された橋梁を橋脚の上で移送した後、ジャッキダウンしてその橋脚に架設する橋梁架設装置において、前記橋脚に着脱自在に取り付け可能なジャッキ取り付け部材と、このジャッキ取り付け部材に取り付けられた昇降用のジャッキ装置と、このジャッキ装置の可動側に設けられた反力梁と、所定間隔で係止部を有し、前記ジャッキ取り付け部材の固定側に穿設された垂直な支柱挿入孔と前記反力梁に穿設された垂直な支柱差し込み孔とに遊嵌して進退する扛下用支柱と、この扛下用支柱の上部に着脱自在に設けられ前記橋梁を移送する送り出しステージとを具備し、前記支柱挿入孔に交差する係止具差し込み孔への盛り替え用係止具の係脱と前記支柱差し込み孔に交差する係止具差し込み孔へのジャッキ側係止具の係脱とを前記ジャッキ装置の進退動にあわせて交互に行ない、前記扛下用支柱の上下位置を可変可能にしたことを特徴とする橋梁架設装置。
- 架設位置より高い所から送り出された橋梁を橋脚の上で移送した後、ジャッキダウンしてその橋脚に架設する橋梁架設装置において、前記橋脚の両側に着脱自在に取り付け可能な少なくとも2個のジャッキ取り付け部材と、このジャッキ取り付け部材に取り付けられ垂直方向に進退する少なくとも2個1対のジャッキからなるジャッキ装置と、このジャッキ装置のピストンロッドの先端部に設けられた反力梁と、所定間隔でピン挿入孔からなる係止部を有し、前記ジャッキ取り付け部材のブラケット本体に穿設された垂直な支柱挿入孔と前記反力梁に穿設された垂直な支柱差し込み孔とに遊嵌して進退する角型鋼管からなる扛下用支柱と、この扛下用支柱の上部の係止部に着脱自在に取り付けられ前記橋梁を移送する送り出しステージとを具備し、前記支柱挿入孔に交差する係止具差し込み孔へのピンからなる盛り替え用係止具の挿抜と前記支柱差し込み孔に交差する係止具差し込み孔へのピンからなるジャッキ側係止具の挿抜とを前記ジャッキ装置のピストンロッドの進退動にあわせて交互に行ない、前記扛下用支柱の上下位置を可変可能にしたことを特徴とする橋梁架設装置。
- 送り出しステージは、複数本の扛下用支柱に着脱自在に取り付けられた梁材にサンドル材を載置し、このサンドル材の上に、橋梁を移送する移送装置と、この移送装置と前記扛下用支柱の上端の受け台とへの盛り替えを行なう盛り替えジャッキとを据え付けたものからなる請求項1、2又は3記載の橋梁架設装置。
- 複数本の扛下用支柱の間に、着脱自在につなぎ材で連結された垂直な水平力補助支柱を介在し、この水平力補助支柱の下端部を橋脚に着脱自在に取り付けられる補助ブラケットに遊嵌し、これらの扛下用支柱,水平力補助支柱を着脱自在に筋交いで連結したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の橋梁架設装置。
- 架設しようとする橋梁を橋脚の上の扛下用支柱の上部に据え付けた送り出しステージで移送する工程と、
前記橋梁が所定位置まで移送されたとき、送り出しステージの盛り替えジャッキにより橋梁の荷重を扛下用支柱に盛り替える工程と、
扛下用支柱に盛り替えた後、送り出しステージを扛下用支柱から吊り降ろして解体撤去する工程と、
撤去後、扛下用支柱を、橋脚に取り付けたジャッキ装置の可動側に固定し、固定側を外す工程と、
ジャッキ装置により扛下用支柱を下降する工程と、
下降後、扛下用支柱の固定側を固定し、ジャッキ装置の可動側を元の位置まで戻す工程と、
これらの盛り替えとジャッキ装置の可動側の上下動とを繰り返して橋梁を橋脚にジャッキダウンする工程と、
ジャッキダウン後に扛下用支柱及びジャッキ装置を撤去する工程と
からなることを特徴とする橋梁架設方法。 - 架設しようとする橋梁を橋脚の上の扛下用支柱の上部に据え付けた送り出しステージで移送する工程と、
前記橋梁が所定位置まで移送されたとき、扛下用支柱の上部に据え付けた送り出しステージの盛り替えジャッキに橋梁の荷重を盛り替え、移送装置を下げて無荷重とした後、盛り替えジャッキを下降して扛下用支柱にて橋梁の荷重を受ける工程と、
前記橋梁の荷重を扛下用支柱で受けた後、送り出しステージを扛下用支柱から吊り降ろし、送り出しステージを解体撤去する工程と、
送り出しステージの撤去後、橋脚にジャッキ取り付け部材を介して取り付けたジャッキ装置の可動側に設けた係止具差し込み孔と扛下用支柱に所定間隔で設けた係止部とにジャッキ側係止具を係合して扛下用支柱を固定し、ジャッキ取り付け部材の固定側に設けた係止具差し込み孔と扛下用支柱の係止部とに係合する盛り替え用係止具を外す工程と、
ジャッキ装置により扛下用支柱を下降した後、固定側の係止具差し込み孔と扛下用支柱の他の係止部に盛り替え用係止具を係合して扛下用支柱を固定し、前記ジャッキ側係止具を外して、ジャッキ装置の可動側を元の位置まで戻す工程と、
これらの盛り替え用係止具とジャッキ側係止具の係脱とジャッキ装置の可動側の上下動とを繰り返して橋梁を橋脚にジャッキダウンする工程と、
橋梁のジャッキダウン後にジャッキ取り付け部材,扛下用支柱を撤去する工程と
からなることを特徴とする橋梁架設方法。 - 橋脚の架設位置より高い位置から送り出された橋梁をジャッキダウンして橋脚に架設する橋梁架設方法において、
前記橋脚にジャッキ装置を有するジャッキ取り付け部材を取り付ける工程と、
このジャッキ取り付け部材の固定側の支柱挿入孔と前記ジャッキ装置の可動側に設けられた反力梁の支柱差し込み孔とに上下動自在に扛下用支柱を挿入する工程と、
挿入された扛下用支柱の上部に送り出しステージを取り付ける工程と、
前記扛下用支柱の所定間隔の係止部と前記支柱挿入孔に交差する固定側の係止具差し込み孔への盛り替え用係止具の係脱と前記扛下用支柱の他の係止部と前記支柱差し込み孔に交差する可動側の係止具差し込み孔へのジャッキ側係止具の係脱とを前記ピストンロッドの進退動にあわせて交互に行ない、送り出しステージを上昇させる工程と、
送り出しステージの移送装置で橋梁の荷重を受けて移送する工程と
からなることを特徴とする橋梁架設方法。 - 橋脚の架設位置より高い位置から送り出された橋梁をジャッキダウンして橋脚に架設する橋梁架設方法において、
前記橋脚にジャッキ装置を有するジャッキ取り付け部材を取り付ける工程と、
このジャッキ取り付け部材の固定側の支柱挿入孔と前記ジャッキ装置の可動側に設けられた反力梁の支柱差し込み孔とに上下動自在に扛下用支柱を挿入する工程と、
挿入された扛下用支柱の上部に送り出しステージを取り付ける工程と、
前記扛下用支柱の所定間隔の係止部と前記支柱挿入孔に交差する固定側の係止具差し込み孔への盛り替え用係止具の係脱と前記扛下用支柱の他の係止部と前記支柱差し込み孔に交差する可動側の係止具差し込み孔へのジャッキ側係止具の係脱とを前記ピストンロッドの進退動にあわせて交互に行ない、送り出しステージを上昇させる工程と、
送り出しステージの移送装置で橋梁の荷重を受けて移送する工程と、
前記橋梁が所定位置まで移送されたとき、扛下用支柱の上部に据え付けた送り出しステージの盛り替えジャッキに橋梁の荷重を盛り替え、移送装置を下げて無荷重とした後、盛り替えジャッキを下降して扛下用支柱にて橋梁の荷重を受ける工程と、
前記橋梁の荷重を扛下用支柱で受けた後、送り出しステージを扛下用支柱から吊り降ろし、送り出しステージを解体撤去する工程と、
送り出しステージの撤去後、橋脚にジャッキ取り付け部材を介して取り付けたジャッキ装置の可動側に設けた係止具差し込み孔と扛下用支柱に所定間隔で設けた係止部とにジャッキ側係止具を係合して扛下用支柱を固定し、ジャッキ取り付け部材の固定側に設けた係止具差し込み孔と扛下用支柱の係止部とに係合する盛り替え用係止具を外す工程と、
ジャッキ装置により扛下用支柱を下降した後、固定側の係止具差し込み孔と扛下用支柱の他の係止部に盛り替え用係止具を係合して扛下用支柱を固定し、前記ジャッキ側係止具を外して、ジャッキ装置の可動側を元の位置まで戻す工程と、
これらの盛り替え用係止具とジャッキ側係止具の係脱とジャッキ装置の可動側の上下動とを繰り返して橋梁を橋脚にジャッキダウンする工程と、
橋梁のジャッキダウン後にジャッキ取り付け部材,扛下用支柱を撤去する工程と
からなることを特徴とする橋梁架設方法。
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