JP4070629B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力シャフトの回転駆動力を変速して出力シャフトに伝達する無段変速機構および有段回転伝達機構を備えて構成される動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このように無段変速機構および有段回転伝達機構を備えて構成される動力伝達装置は、例えば特許文献1に示されている。この特許文献1に開示の動力伝達装置(変速機)は、エンジンからの回転駆動力を受けるトルクコンバータと、このトルクコンバータの出力軸に繋がる入力シャフトと車輪側に繋がる出力シャフトとの間に並列に配設されたギヤ列(ギヤ式回転伝達機構すなわち有段回転伝達機構)およびベルト式無段変速機構とを有して構成されている。
【0003】
この特許文献1に開示の装置における動力伝達部材の配置を図4に示しており、回転軸O11を有する入力シャフトの上にベルト式無段変速機構のドライブプーリ501が配設され、回転軸O12を有する中間シャフトの上に配設されたドリブンプーリ502との間にVベルト503が掛けられており、両プーリ501,502のプーリ幅を調整する制御を行って無段変速制御が行われる。このように変速されたドリブンプーリ502の回転は、中間シャフト上に配設された出力ドライブギヤ510から出力シャフト(回転軸O13を有する)の上に配設されてこれと噛合する出力ドリブンギヤ511に伝達される。
【0004】
一方、入力シャフトには前進ロードライブギヤ505も設けられており、回転軸O13を有する出力シャフトに設けられた前進ロードリブンギヤ506と噛合しており、前進ロー変速段を設定可能である。入力シャフトにはさらに後進ドライブギヤ507が配設されており、これが後進アイドラギヤ508と噛合し、後進アイドラギヤ508は上記出力ドリブンギヤ511と噛合する。これにより後進方向の回転伝達がなされる。なお、出力シャフト上にはファイナルドライブギヤ515が設けられており、これが回転軸O14を有するディファレンシャル機構と一体に形成されたファイナルドリブンギヤ516と噛合しており、上記のように変速されて出力シャフトに伝達された回転駆動力が、これらファイナルドライブおよびドリブンギヤ515,516を介して車輪側に伝達される。
【0005】
無段変速機構および有段回転伝達機構を備えて構成される動力伝達装置としては、特許文献2に開示の構成のものもある。この装置は、ダンパーを介してエンジンと繋がる入力シャフトから出力シャフトに至る間に、ベルト式無段変速機構とギヤ列からなる有段回転伝達機構を並列に配設して構成される。有段回転伝達機構は入力シャフト上に配設された遊星歯車列から構成される前後進切換機構を備え、前後進切換設定のための前進(発進)クラッチおよび後進ブレーキが遊星歯車列に設けられている。さらに、ベルト式無段変速機構による動力伝達を選択設定するための直結クラッチが入力シャフト上に設けられている。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−150065号公報
【特許文献2】
特開2002−48213号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように無段変速機構と有段回転伝達機構とを組み合わせて変速機(動力伝達装置)を構成する場合、これら二つの機構を並列に配設するための組み合わせが多数考えられ、如何に効率よく且つコンパクトに配設するかということが重要である。特に、無段変速機構と有段回転伝達機構との選択切り換えのためのクラッチ手段や、有段回転伝達機構による前後進切換設定のためのクラッチ手段等を如何にコンパクトに配設するかが重要である。
【0008】
このような観点から見て、上記特許文献1の変速機構成(図4に示した変速機構成)の場合には、入力シャフト上に、ベルト式無段変速機構のドライブプーリと、前進ロー変速段を設定するための前進ロークラッチと、後進変速段を設定するための後退クラッチとが並列に配設されているため、入力シャフトの軸方向寸法が長くなり、変速機におけるこの入力シャフト配設部分が著しく突出するなどして、変速機をコンパクト化するのが難しいという問題がある。同様に、上記特許文献2の変速機構成の場合には、入力シャフト上に、ドライブプーリと、遊星歯車列からなる前後進切換機構と、前進(発進)クラッチと、後進ブレーキと、直結クラッチとが配設されており、変速機における入力シャフト配設部分の軸方向寸法および径方向寸法が大きくなり、変速機をコンパクト化するのが難しいという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みたもので、無段変速機構および有段回転伝達機構を備えて構成される動力伝達装置において、変速機ハウジング内のスペースを有効利用できるように各種クラッチ手段等の配設位置を工夫し、小型・コンパクト化を図り易い構成の動力伝達装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明に係る動力伝達装置は、入力シャフト(例えば、実施形態におけるプライマリーシャフト1)と出力シャフト(例えば、実施形態におけるカウンターシャフト3)との間に無段変速機構(例えば、実施形態におけるベルト式無段変速機構CVT)および有段回転伝達機構を並列に備えて構成される。そして、無段変速機構が、入力シャフトの回転を無段階に変速して中間シャフト(例えば、実施形態におけるセカンダリーシャフト2)に伝達するように構成され、有段回転伝達機構が、入力シャフトの回転を中間シャフトに伝達する第1回転伝達ギヤ列(例えば、実施形態におけるLOWもしくは前進用ギヤ列)と、中間シャフトの回転を出力シャフトに伝達する第2回転伝達ギヤ列(例えば、実施形態における前進出力伝達ギヤ列)と、入力シャフトの回転を出力シャフトに伝達する第3回転伝達ギヤ列(例えば、実施形態における後進用ギヤ列)とを有して構成される。
【0011】
その上で、入力シャフトの回転を、無段変速機構を介して中間シャフトに伝達し、さらに第2回転伝達ギヤ列を介して出力シャフトに伝達することを可能とする第1クラッチ手段(例えば、実施形態におけるCVTクラッチ21)が入力シャフト上に配設され、入力シャフトの回転を第1および第2回転伝達ギヤ列を介して出力シャフトに伝達することを可能とする第2クラッチ手段(例えば、実施形態におけるLOWクラッチ22)が中間シャフト上に配設され、入力シャフトの回転を第3回転伝達ギヤ列を介して出力シャフトに伝達することを可能とする第3クラッチ手段(例えば、実施形態における後進クラッチ23)が出力シャフト上に配設されている。
【0012】
以上のように、入力シャフト、中間シャフトおよび出力シャフトという3本のシャフトに跨って、無段変速機構および有段回転伝達機構(すなわち、第1〜第3回転伝達ギヤ列)を分散して配設し、且つ第1〜第3クラッチ手段を上記3本のシャフト上に分散して配設することにより、変速機ハウジング内のスペースを有効に且つ効率良く利用して各機構およびクラッチ手段をバランス良く配設することができ、動力伝達装置を小型・コンパクトに構成することができる。さらに、有段回転伝達機構による回転伝達を設定するための第2および第3クラッチ手段が回転伝達経路の下流側に位置する中間および出力シャフト上に配設されるため、これらクラッチ手段を解放して無段変速機構を介した回転伝達を行っているときに、これらクラッチ手段内における摩擦プレート間の相対回転差は小さく、引きずりトルク(ドラグトルク)が小さくなって燃費が向上し、且つクラッチの耐久性が向上する。
【0013】
なお、無段変速機構が、入力シャフトの上に設けられたドライブプーリと、中間シャフトの上に設けられたドリブンプーリと、ドライブプーリおよびドリブンプーリ間に掛けられたVベルトとを有して構成され、第1クラッチ手段がドライブプーリを構成する固定プーリ半体の背面に位置して入力シャフト上に設けられ、第1クラッチ手段により入力シャフトとドライブプーリを係脱可能であるように構成するのが好ましい。これにより、入力シャフト回りに構成部品を効率良く配置し、コンパクトな構成とすることができる。また、このように第1クラッチ手段(CVTクラッチ)を無段変速機構の回転伝達経路の上流側である入力シャフト上に配設することにより、エンジンスタート時に第1クラッチ手段の作動制御を適切に行ってドライブプーリおよびドリブンプーリのプーリ側圧の立ち上がり応答遅れによるベルトスリップの発生を防止することができる。
【0014】
ドライブプーリのプーリ幅制御を行うドライブ油室がドライブプーリに設けられており、ドライブ油室と出力シャフト上に設けられる第3クラッチ手段の少なくとも一部とが軸直角方向に延びる略同一平面上に位置するように構成しても良い。ここで入力および出力シャフトの間には中間シャフトが介在しているため入力および出力シャフトの軸間距離設定が比較的自由であるので、入力および出力シャフトにそれぞれ配設される外形寸法の大きなドライブ油室および第3クラッチ手段を軸直角方向略同一平面上に配設することにより、これら部材をハウジング内に効率良く配設して内部スペースを有効に活用して装置を小型・コンパクト化することができる。
【0015】
また、入力シャフト上における駆動源(エンジン)の側の端部に、駆動源からの回転駆動力を入力シャフトに伝達するための連結回転機構(例えば、実施形態におけるトルクコンバータTC)が設けられ、入力シャフト上における連結回転機構と第1回転伝達ギヤ列との間に、ハウジング側から入力シャフト内を軸方向に延びて形成された油路内への作動油の受け渡しを行う作動油受け渡し部が設けられており、作動油受け渡し部と中間シャフト上に設けられる第2クラッチ手段とが軸直角方向に延びる略同一平面上に位置するように構成されるのが好ましい。これにより比較的径方向寸法の小さな作動油受け渡し部において、その外周側の空間を利用して径寸法の大きな第2クラッチ手段を配設し、動力伝達装置全体を小型・コンパクト化することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る変速機(動力伝達装置)を図1〜図3に示している。この変速機は、変速機ハウジングHSG内に、トルクコンバータTC、ベルト式無段変速機構CVT、有段回転伝達機構GT、および終減速機構FGを図示のように配設して構成されている。トルクコンバータTCの入力側部材(ポンプインペラ)はエンジン(図示せず)の出力軸に繋がり、トルクコンバータTCの出力側部材(タービンランナ)にはプライマリーシャフト(入力シャフト)1が繋がっており、エンジンの出力回転がトルクコンバータTCを介してプライマリーシャフト1に伝達される。プライマリーシャフト1の回転中心軸を符号O1で示す。
【0017】
ハウジングHSG内にはプライマリーシャフト1と所定間隔を有して平行に延びるセカンダリーシャフト(中間シャフト)2が回転自在に配設されており、これらプライマリーシャフト1とセカンダリーシャフト2とに跨って、ベルト式無段変速機構CVTが配設されている。セカンダリーシャフト2の回転中心軸を符号O2で示す。このベルト式無段変速機構CVTは、プライマリーシャフト1に支持されたドライブプーリ10と、セカンダリーシャフト2に支持されたドリブンプーリ15と、ドライブプーリ10およびドリブンプーリ15間に巻き掛けられた金属Vベルト14とを備える。
【0018】
ドライブプーリ10は、プライマリーシャフト1の上に相対回転自在に配設された固定側プーリ半体11と、固定側プーリ半体11と一体回転し且つこれに対して近接・離反するように軸方向に移動可能に配設された可動側プーリ半体12とを備えて構成される。可動プーリ半体12の側面にドライブ油室13が形成されており、ドライブ油室13にドライブ制御油圧を供給して可動側プーリ半体12の軸方向移動を制御するようになっている。ドリブンプーリ15は、セカンダリーシャフト2の上に結合して配設された固定側プーリ半体16と、固定側プーリ半体16と一体回転し且つこれに対して近接・離反するように軸方向に移動可能に配設された可動側プーリ半体17とを備えて構成される。この可動プーリ半体17の側面にはドリブン油室18が形成されており、ドリブン油室18にドリブン制御油圧を供給して可動側プーリ半体17の軸方向移動を制御するようになっている。
【0019】
無段変速機構CVTにおいては、上記のようにドライブ油室13およびドリブン油室18への油圧供給を制御してドライブプーリ10およびドリブンプーリ15のプーリ幅を可変調整し、金属Vベルト14の巻き掛け半径を可変設定し、ドライブプーリ10の回転を無段階に変速してドリブンプーリ15に伝達する変速制御を行う。なお、プライマリーシャフト1の上に、ドライブプーリ10の固定側プーリ半体11の背面側に位置してCVTクラッチ21が配設されており、プライマリーシャフト1の上に相対回転自在に配設されたドライブプーリ10をCVTクラッチ21によりプライマリーシャフト1に係脱可能となっている。このようにCVTクラッチ21を無段変速機構CVTの回転伝達経路の上流側であるプライマリーシャフト1上に配設することにより、エンジンスタート時にドライブ油室13およびドリブン油室18に供給されるプーリ幅制御油圧の立ち上がり応答遅れが生じたとしても、CVTクラッチ21の係合制御を適切に行って、この応答遅れを原因とするベルトスリップの発生を防止することができる。
【0020】
なお、変速機ハウジングHSG内には、CVTクラッチ21を囲む形の凹部空間からなるクラッチ収容室7aを形成する第1隔成壁5が形成されており、クラッチ収容室7aは外部に開口している。CVTクラッチ21を配設した状態でクラッチ収容室7aを覆ってカバー5aがボルトにより固定されており、カバー5aを取り外した状態でCVTクラッチ21が外部から着脱可能となっている。変速機ハウジングHSG内にはさらに、収容室を二分割して第1収容室7bおよび第2収容室7cを形成する第2隔成壁6が設けられている。上記無段変速機構CVTは第1収容室7b内に配設されている。
【0021】
次に、有段回転伝達機構GTについて説明する。有段回転伝達機構GTは、入力ドライブギヤ31、この入力ドライブギヤ31と噛合するアイドラギヤ32、およびアイドラギヤ32と噛合するLOWドリブンギヤ33とからなるLOWギヤ列(前進用ギヤ列)を備える。入力ドライブギヤ31はプライマリーシャフト1と一体に形成されている。アイドラギヤ32は、プライマリーシャフト1と所定間隔を有して平行に延びるとともにハウジングHSGにより回転自在に支持されたアイドラシャフト4と一体に形成されている。このアイドラシャフト4の回転中心軸を符号O5で示す。入力ドリブンギヤ33は、セカンダリシャフト2の上に回転自在に配設されている。
【0022】
入力ドリブンギヤ33の内周部にワンウエイクラッチ24が配設されるとともに、入力ドリブンギヤ33に隣接してLOWクラッチ22が配設されている。このLOWクラッチ22は、ワンウエイクラッチ24を介して入力ドリブンギヤ33とセカンダリーシャフト2とを係脱自在に連結する。この結果、LOWクラッチ22を係合させると、LOWギヤ列を介して入力ドライブギヤ31からセカンダリーシャフト2への駆動方向の回転伝達が可能となるが、ワンウエイクラッチ24の作用によりこれと逆方向(エンジンブレーキが作用する方向)の回転伝達は行われない。なお、LOWクラッチ22が解放された状態では、LOWギヤ列を介した回転伝達はできない状態となる。
【0023】
有段回転伝達機構GTは、前進ドライブギヤ34およびこれと噛合する前進ドリブンギヤ35からなる前進出力伝達ギヤ列も備える。前進ドライブギヤ34はセカンダリーシャフト2に結合されて配設されており、前進ドリブンギヤ35はセカンダリーシャフト2と所定間隔を有して平行に延びるとともにハウジングHSGにより回転自在に支持されたカウンターシャフト3に結合されて配設されている。このカウンターシャフト3の回転中心軸を符号O3で示す。このため、セカンダリーシャフト2の回転は前進出力伝達ギヤ列を介してそのままカウンターシャフト3に伝達される。
【0024】
有段回転伝達機構GTはさらに、カウンターシャフト3の上に回転自在に配設されるとともに、上記アイドラギヤ32と噛合するリバースドリブンギヤ36も備える。これにより、入力ドライブギヤ31、アイドラギヤ32およびリバースドリブンギヤ36からなる後進用ギヤ列が構成される。リバースドリブンギヤ36には後進クラッチ23が設けられており、後進クラッチ23によりリバースドリブンギヤ36をカウンターシャフト3と係脱させることができる。このため、後進クラッチ23を係合させれば、後進用ギヤ列を介して回転動力伝達が行われる状態となる。
【0025】
カウンターシャフト3にはファイナルドライブギヤ37が一体に形成されており、このファイナルドライブギヤ37はファイナルドリブンギヤ38と噛合し、終減速機構FGを構成している。ファイナルドリブンギヤ38にはディファレンシャル機構40が取り付けられており、ファイナルドリブンギヤ38の回転はディファレンシャル機構40を介して左右のアクスルシャフト41,42に分割して伝達され、左右の車輪(図示せず)を駆動する。なお、これらファイナルドリブンギヤ38およびディファレンシャル機構40の回転中心軸を符号O4により示している。
【0026】
なお、有段回転伝達機構GTにおいて、前進ドライブギヤ34のみが第1収容室7b内に配設され、その他の有段回転伝達機構GTの構成部品はすべて第2収容室7c内に配設されており、前進ドライブギヤ34と前進ドリブンギヤ35とは第2隔成壁6に形成された開口部8を通して噛合する。また、終減速機構FGも第2収容室7c内に収容されている。
【0027】
また、プライマリーシャフト1上における入力ドライブギヤ31とトルクコンバータTCとの間の部分は、ハウジングHSGと一体に形成された作動油受け渡し部9により囲まれている。この作動油受け渡し部9において、プライマリーシャフト1内を軸方向に延びて形成された油路に対する作動油の受け渡しが行われ、トルクコンバータTCへの作動油給排や、ドライブ油室13への係合制御油圧の供給が行われる。作動油受け渡し部9とLOWクラッチ22とは軸直角方向に延びる同一平面上に位置しており、比較的径方向寸法の小さな作動油受け渡し部9の外周側の空間を利用して、径寸法の大きなLOWクラッチ22を近接して配設し、変速機の小型・コンパクト化を図っている。
【0028】
さらに、プライマリーシャフト1上に配設されたドライブプーリ10のドライブ油室13を構成する部材が、前進出力伝達ギヤ列(すなわち、前進ドライブギヤ34および前進ドリブンギヤ35)と軸直角方向に延びる同一平面上に位置しており、且つ、後進クラッチ23の端部も略同一平面上に位置している。プライマリーシャフト1およびカウンターシャフト3の間にはセカンダリーシャフト2が介在しているため両シャフト1,3の軸間距離設定が比較的自由であり、これら両シャフト1,3にそれぞれ配設される外形寸法の大きなドライブ油室13および後進クラッチ23を軸直角方向略同一平面上に配設することにより、これらをハウジングHSG内に効率良く配設してその内部スペースを有効に活用して変速機を小型・コンパクト化している。また、セカンダリーシャフト2とカウンターシャフト3との間で回転伝達を行う前進出力伝達ギヤ列34,35をドライブ油室13と軸直角方向の略同一平面内に配設することにより、径が大きなドライブ油室13の外周側空間を有効利用し、変速機をコンパクトにしている。
【0029】
以上説明した構成から分かるように、本実施形態の変速機においては、プライマリーシャフト1上にCVTクラッチ21が配設され、セカンダリーシャフト2の上にLOWクラッチ22が配設され、カウンターシャフト3の上に後進クラッチ23が配設されている。このように3本のシャフトに分散して各クラッチをバランス良く配設することにより、変速機の軸方向寸法を抑えて変速機を小型化している。また、LOWクラッチ22および後進クラッチ23は、有段回転伝達機構GTによる回転伝達経路の下流側に位置するセカンダリーシャフト2およびカウンターシャフト3の上に配設されているため、これらクラッチ22,23を解放して無段変速機構CVTを介した回転伝達を行っているときに、これらクラッチ内における摩擦プレート間の相対回転差は小さく、引きずりトルク(ドラグトルク)が小さいので燃費が向上し、且つクラッチの耐久性が向上する。
【0030】
以上のように構成された変速機(動力伝達装置)の変速作動について以下に説明する。エンジンからの回転駆動力はトルクコンバータTCを介してプライマリーシャフト1に伝達されるが、CVTクラッチ21、LOWクラッチ22および後進クラッチ23が解放された状態ではこの回転駆動力はカウンターシャフト3に伝達されず、ニュートラル状態となる。
【0031】
ニュートラル状態からLOWクラッチ22を係合させると、プライマリーシャフト1の回転駆動力は、LOWギヤ列(入力ドライブギヤ31、アイドラギヤ32およびLOWドリブンギヤ33)を介してセカンダリーシャフト2に伝達され、さらに、前進出力伝達ギヤ列(前進ドライブギヤ34および前進ドリブンギヤ35)を介してカウンターシャフト3に伝達される。そして、終減速機構FGを介して左右の車輪に伝達されてこれが駆動される。すなわち、LOWレンジが設定される。なお、LOWレンジにおいては、ワンウエイクラッチ24の作用により、車輪駆動方向の回転駆動力は伝達されるが、これと逆方向の回転駆動力は伝達されない。
【0032】
次に、CVTクラッチ21を係合させると、プライマリーシャフト1の回転駆動力はドライブプーリ10に伝達される。この状態で、ドライブ油室13およびドリブン油室18への供給油圧を制御してドライブプーリ10およびドリブンプーリ15のプーリ幅を可変制御し、無段変速制御が行われる。これにより、ドリブンプーリ15の回転が無段階に変速制御されてセカンダリーシャフト2に伝達され、さらに、前進出力伝達ギヤ列を介してカウンターシャフト3に伝達され、終減速機構FGを介して左右の車輪に伝達されてこれが駆動される。すなわち、CVTレンジ(前進無段変速レンジ)が設定される。
【0033】
一方、ニュートラル状態から、後進クラッチ23を係合させると、プライマリーシャフト1の回転駆動力は後進用ギヤ列(入力ドライブギヤ31、アイドラギヤ32およびリバースドリブンギヤ36)を介してカウンターシャフト3に伝達される。このとき、カウンターシャフト3の回転方向は、上記LOWレンジおよびCVTレンジのときと逆方向であり、この回転駆動力が終減速機構FGを介して左右の車輪に伝達されてこれが後進方向に駆動される。すなわち、後進レンジが設定される。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力シャフト、中間シャフトおよび出力シャフトという3本のシャフトに跨って、無段変速機構および有段回転伝達機構(すなわち、第1〜第3回転伝達ギヤ列)を分散して配設し、且つ第1〜第3クラッチ手段を上記3本のシャフト上に分散して配設して動力伝達装置を構成しているので、変速機ハウジング内のスペースを有効に且つ効率良く利用して各機構およびクラッチ手段をバランス良く配設することができ、動力伝達装置を小型・コンパクトに構成することができる。さらに、有段回転伝達機構による回転伝達を設定するための第2および第3クラッチ手段が回転伝達経路の下流側に位置する中間および出力シャフト上に配設されるため、これらクラッチ手段を解放して無段変速機構を介した回転伝達を行っているときに、これらクラッチ手段内における摩擦プレート間の相対回転差は小さく、引きずりトルク(ドラグトルク)が小さくなって燃費が向上し、且つクラッチの耐久性が向上する。
【0035】
なお、無段変速機構が、入力シャフトの上に設けられたドライブプーリと、中間シャフトの上に設けられたドリブンプーリと、ドライブプーリおよびドリブンプーリ間に掛けられたVベルトとを有して構成され、第1クラッチ手段がドライブプーリを構成する固定プーリ半体の背面に位置して入力シャフト上に設けられ、第1クラッチ手段により入力シャフトとドライブプーリを係脱可能であるように構成するのが好ましい。これにより、入力シャフト回りに構成部品を効率良く配置し、コンパクトな構成とすることができる。また、このように第1クラッチ手段(CVTクラッチ)を無段変速機構の回転伝達経路の上流側である入力シャフト上に配設することにより、エンジンスタート時に第1クラッチ手段の作動制御を適切に行ってドライブプーリおよびドリブンプーリのプーリ側圧の立ち上がり応答遅れによるベルトスリップの発生を防止することができる。
【0036】
ドライブプーリのプーリ幅制御を行うドライブ油室がドライブプーリに設けられており、ドライブ油室と出力シャフト上に設けられる第3クラッチ手段の少なくとも一部とが軸直角方向に延びる略同一平面上に位置するように構成しても良い。ここで入力および出力シャフトの間には中間シャフトが介在しているため入力および出力シャフトの軸間距離設定が比較的自由であるので、入力および出力シャフトにそれぞれ配設される外形寸法の大きなドライブ油室および第3クラッチ手段を軸直角方向略同一平面上に配設することにより、これら部材をハウジング内に効率良く配設して内部スペースを有効に活用して装置を小型・コンパクト化(特に、軸方向寸法を短縮化)することができる。
【0037】
また、入力シャフト上における駆動源(エンジン)の側の端部に、駆動源からの回転駆動力を入力シャフトに伝達するための連結回転機構(例えば、実施形態におけるトルクコンバータTC)が設けられ、入力シャフト上における連結回転機構と第1回転伝達ギヤ列との間に、ハウジング側から入力シャフト内を軸方向に延びて形成された油路内への作動油の受け渡しを行う作動油受け渡し部が設けられており、作動油受け渡し部と中間シャフト上に設けられる第2クラッチ手段とが軸直角方向に延びる略同一平面上に位置するように構成されるのが好ましい。これにより比較的径方向寸法の小さな作動油受け渡し部において、その外周側の空間を利用して径寸法の大きな第2クラッチ手段を配設し、動力伝達装置全体を小型・コンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る変速機の内部構成を示す断面図である。
【図2】上記変速機の軸配列位置を示す側面概略図である。
【図3】上記実施形態に係る変速機の動力伝達経路構成を示すスケルトン図である。
【図4】従来の変速機の動力伝達経路構成を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
1 プライマリーシャフト(入力シャフト)
2 セカンダリーシャフト(中間シャフト)
3 カウンターシャフト(出力シャフト)
4 アイドラシャフト
9 作動油受け渡し部
10 ドライブプーリ
13 ドライブ油室
14 Vベルト
15 ドリブンプーリ
21 CVTクラッチ(第1クラッチ手段)
22 LOWクラッチ(第2クラッチ手段)
23 後進クラッチ(第3クラッチ手段)
31 入力ドライブギヤ(第1および第3回転伝達ギヤ列)
32 アイドラギヤ(第1および第3回転伝達ギヤ列)
33 LOWドリブンギヤ(第1回転伝達ギヤ列)
34 前進ドライブギヤ(第2回転伝達ギヤ列)
35 前進ドリブンギヤ(第2回転伝達ギヤ列)
36 リバースドリブンギヤ(第3回転伝達ギヤ列)
TC トルクコンバータ(連結回転機構)
CVT ベルト式無段変速機構
GT 有段回転伝達機構

Claims (4)

  1. 入力シャフトと出力シャフトとの間に無段変速機構および有段回転伝達機構を並列に有して構成され、
    前記無段変速機構は、前記入力シャフトの回転を無段階に変速して中間シャフトに伝達するように構成され、
    前記有段回転伝達機構は、前記入力シャフトの回転を前記中間シャフトに伝達する第1回転伝達ギヤ列と、前記中間シャフトの回転を前記出力シャフトに伝達する第2回転伝達ギヤ列と、前記入力シャフトの回転を前記出力シャフトに伝達する第3回転伝達ギヤ列とを備え、
    前記入力シャフトの回転を、前記無段変速機構を介して前記中間シャフトに伝達し、さらに前記第2回転伝達ギヤ列を介して前記出力シャフトに伝達することを可能とする第1クラッチ手段が前記入力シャフト上に配設され、
    前記入力シャフトの回転を、前記第1および前記第2回転伝達ギヤ列を介して前記出力シャフトに伝達することを可能とする第2クラッチ手段が、前記中間シャフト上に配設され、
    前記入力シャフトの回転を、前記第3回転伝達ギヤ列を介して前記出力シャフトに伝達することを可能とする第3クラッチ手段が、前記出力シャフト上に配設されて構成されることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記無段変速機構が、前記入力シャフトの上に設けられたドライブプーリと、前記中間シャフトの上に設けられたドリブンプーリと、前記ドライブプーリおよび前記ドリブンプーリ間に掛けられたVベルトとを有して構成され、
    前記第1クラッチ手段が前記ドライブプーリを構成する固定プーリ半体の背面に位置して前記入力シャフト上に設けられ、前記第1クラッチ手段により前記入力シャフトと前記ドライブプーリを係脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記無段変速機構が、前記入力シャフトの上に設けられたドライブプーリと、前記中間シャフトの上に設けられたドリブンプーリと、前記ドライブプーリおよび前記ドリブンプーリ間に掛けられたVベルトとを有して構成され、
    前記ドライブプーリのプーリ幅制御を行うドライブ油室が前記ドライブプーリに設けられており、
    前記ドライブ油室と前記出力シャフト上に設けられる前記第3クラッチ手段の少なくとも一部とが軸直角方向に延びる略同一平面上に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  4. 前記入力シャフト上における前記駆動源の側の端部に、前記駆動源からの回転駆動力を前記入力シャフトに伝達するための連結回転機構が設けられ、
    前記入力シャフト上における前記連結回転機構と前記第1回転伝達ギヤ列との間に、ハウジング側から前記入力シャフト内を軸方向に延びて形成された油路内への作動油の受け渡しを行う作動油受け渡し部が設けられており、
    前記作動油受け渡し部と、前記中間シャフト上に設けられる前記第2クラッチ手段とが軸直角方向に延びる略同一平面上に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の動力伝達装置。
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