JP4070488B2 - 拡張バンド及びマンホールの接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可とう継手をマンホールの削孔部に固定する方法、かかる方法に用いる拡張バンド及びかかる拡張バンドを用いることによって得られるマンホールの接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水道の面整備に用いられる下水管きょの方向や勾配が変わるところとか、管径が変わるところに使用されるマンホールは、マンホールと本管の接続部にコンクリートを打設し巻立てする工法が行なわれていた。しかし、地盤沈下や地震等の地盤の歪で本管とマンホールの相対的位置が変位すると、コンクリート巻立て部がひび割れたり、マンホールよりの抜出しが発生し、不明水の浸入や下水が漏水する欠点があった。
【0003】
最近では、マンホールと本管の相対的位置が変位しても変位を吸収し止水性も維持できるゴム製の可とう継手が多く用いられるようになってきた。図7及び8は従来の可とう継手の取付状態及び拡張バンドを示す縦断面図及び部分縦断面図である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示すように、マンホール102に管103を取付角θで接続した状態でBのようなマンホール102よりの管103の抜け出し変位が発生した場合、可とう継手104には局所的に引張りがかかり、拡張バンド105のA部にはせん断力が局所的にかかる。
【0005】
また、図8に示すような切断部107を有する拡張バンド105が一般的に用いられ、拡張治具106等を用いて切断部107を拡張し、図8に示すようなくさび片108を切断部107に挿入する方法や、切断部の拡張バンド両端部にツメや係止部を設け拡径してツメを係止部に勘合し、固定する方法などが用いられている。
【0006】
しかし、前述の管の取付角θで抜け出し変位が発生すると、拡張バンドにはせん断力が働き、拡張バンドの切断部の1方側に集中して応力がかかる場合は、拡張バンドにネジレが生じ、係止部が外れ拡張バンドの脱落がおこる。
【0007】
上述のような現象は、地盤沈下や地震等で発生し易いが、拡張バンドに局所的にせん断力がかかっても、拡張バンドの脱落等のおきない方法が求められる。
【0008】
本発明の課題は、可とう継手とマンホール削孔部との間に、より一層高い密着性を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可とう継手を拡張してマンホールの削孔部に固定するために用いる拡張バンドであって、前記拡張バンドが、少なくとも 1 箇所に切断部を有する環状部材と、前記切断部の両端部をしゅう動可能な状態で収めると共に拡張バンドの円周線に沿う筒状の剛性カラーとを備えており、前記拡張バンドの拡径の際、前記剛性カラー内での前記切断部の両端部のしゅう動及び前記剛性カラー内での前記切断部の両端部の固定によって前記剛性カラーが前記環状部材の両端部間の円周線の欠落を補い得、前記切断部の両端部のそれぞれに複数の固定部が設けられており、前記剛性カラー内に、前記両端部の固定部とそれぞれ係合するとともに互いを離間させるための複数の係止部が設けられており、前記複数の固定部のいずれかと前記係止部との係合によって前記環状部材が拡径状態に固定され得、前記拡張バンドによって前記可とう継手のマンホール側筒状部の周方向へのほぼ均一な拡張が得られることを特徴とする拡張バンドに係るものである。
【0010】
また、本発明は、可とう継手を拡張してマンホールの削孔部に固定するために用いる拡張バンドであって、前記拡張バンドが、少なくとも1箇所に切断部を有する環状部材と、前記切断部の両端部をしゅう動可能な状態で収めると共に拡張バンドの円周線に沿う筒状の剛性カラーとを備えており、前記拡張バンドの拡径の際、前記剛性カラー内での前記切断部の両端部のしゅう動及び前記剛性カラー内での前記切断部の両端部の固定によって前記剛性カラーが前記環状部材の両端部間の円周線の欠落を補い得、前記切断部の両端部のそれぞれに固定具用留め部が設けられており、前記剛性カラーが窓を有しており、前記各固定具用留め部の間への前記窓からの固定具の挿入によって、前記環状部材が拡径状態に固定され得、前記拡張バンドによって前記可とう継手のマンホール側筒状部の周方向へのほぼ均一な拡張が得られることを特徴とする拡張バンドに係るものである。
【0011】
さらに、本発明は、マンホールの削孔部と管とが可とう継手によって接続されているマンホールの接続構造であって、前記可とう継手が前記削孔部に固定されるマンホール側筒状部を有しており、前記マンホール側筒状部が拡張バンドによって拡径され前記削孔部に固定されており、前記拡張バンドが、少なくとも1箇所に切断部を有する環状部材と、前記切断部の両端部を収めると共に拡張バンドの円周線に沿う筒状の剛性カラーとを備えており、前記剛性カラー内での前記切断部の両端部のしゅう動及び前記剛性カラー内での前記切断部の両端部の固定によって前記剛性カラーが前記環状部材の両端部間の円周線の欠落を補い、前記拡張バンドの前記切断部の両端部のそれぞれに複数の固定部が設けられており、前記剛性カラー内に、前記両端部の固定部とそれぞれ係合するとともに互いを離間させるための複数の係止部が設けられており、前記複数の固定部のいずれかと前記係止部との係合によってか、又は前記拡張バンドの前記切断部の両端部のそれぞれに固定具用留め部が設けられており、前記剛性カラーが窓を有しており、前記各固定具用留め部の間への前記窓からの固定具の挿入によって、前記環状部材が拡径状態に固定されており、前記拡張バンドによって前記可とう継手のマンホール側筒状部の周方向へのほぼ均一な拡張が得られていることを特徴とするマンホールの接続構造に係るものである。
【0012】
本発明者は、マンホールの削孔部に取付角を有する管を取り付ける際、マンホールの削孔部と可とう継手との接続部の密着性が十分でないことを見出した。
【0013】
マンホールの削孔部に可とう継手を取付けても、その後、管の取付角に合わせて可とう継手の管取付口を曲げた場合、マンホールの削孔部と可とう継手の間に水密性の劣る部分が生じるのである。
【0014】
本発明者の研究によれば、この原因は、マンホールの削孔部に可とう継手を固定するのに用いる拡張バンドにあることが分かった。
【0015】
つまり、マンホールの接続孔に可とう継手を固定するバンドは、一般的にリング状の剛性バンドを1箇所切断し、拡張冶具で切断部を開き固定するが、拡張冶具は拡張するほど水平方向に拡張力が働くため、切断部付近の拡張バンド端部は接続孔面への圧縮応力が掛かりにくく、拡張バンド端部で拡張バンドの円周線が断絶した状態で拡張固定され、可とう継手がマンホールの接続孔面に不十分にしか密着しないのである。
【0016】
かかる知見の下、本発明者は、可とう継手を高い密着性でマンホール削孔部に固定するため、種々の手段を検討した。
【0017】
その結果、本発明者は、拡張バンドの切断端部を剛性のカラー内に収納し、このカラー内でしゅう動させることによって、これら切断端部の間の円周線の欠落がカラーの外周によって補われて、拡張バンドがほぼ真円に近い状態に拡径し、可とう継手をマンホールの削孔部に高い密着性で固定できることを突き止め、本発明に至った。
【0018】
本発明では、拡張バンドは、少なくとも1箇所に切断部を有する環状部材と、前記切断部の両端部をしゅう動可能な状態で収めている剛性カラーとを備えている。
【0019】
環状とは、環のような形のことをいい、輪、螺旋、等が含まれる。本発明にかかる環状部材の形状としては、可とう継手のマンホール側筒状部をマンホールの削孔部に密着性よく固定できる形状である。
【0020】
本発明にかかる剛性カラーは、環状部材の切断部の両端部をしゅう動可能な状態で収納する。環状部材が拡張治具等によって拡径された場合、切断部の両端部は剛性カラー内を動き、両端部間が開く。環状部材の拡張により開いた切断部の両端部は、適切な手段によって固定される。
【0021】
本発明によれば、所定の環状部材を拡張冶具等で拡径するだけであるので、従来のように拡張作業が容易である。また、本発明によれば、環状部材の切断部の両端部を剛性カラー内で拡張バンドの円周線に沿って移動させて環状部材を拡径することができ、環状部材の切断部を覆う剛性カラーが環状部材の外周の欠落部分を補うので、環状部材の切断部付近でもほぼ均一なマンホール削孔部への圧着力を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
(1)マンホール
本発明は、種々のマンホール、例えば、小型マンホールや通常の1号マンホール、又はそれら以上の大きさのマンホールにも、種々の材質からなるマンホールにも、十分に適用することができる。
【0023】
(1−1)削孔部
本発明にかかるマンホールには、管を接続するための削孔部が設けられる。かかる削孔部の孔の大きさ、形状、形成手段等は特に制限されることがない。本発明にかかる可とう継手はかかるマンホールの削孔部に固定される。
【0024】
(2)管
本発明は、種々の管のマンホールへの接続に適用できる。かかる管としては、特に制限されることなく、種々の口径や材質、形状等からなる管を用いることができる。
【0025】
(2)可とう継手
本発明にかかる可とう継手はマンホールの削孔部に固定されるマンホール側筒状部を有する。本発明では、筒状とは、外周部と外周部に囲まれた内部空間を有する形状をいう。内部空間は、断面で見て、円形、三角形、四角形等の多角形、種々に変形し得る形状のものでよい。筒状には、円筒が含まれる。
【0026】
かかる可とう継手は、従来から用いられる種々の継手でよく、また、種々の材料から形成することができる。かかる材料としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、軟質プラスチック、熱可塑性エラストマー等の弾性材料等からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を挙げることができる。
【0027】
(3)拡張バンド
本発明の拡張バンドは、可とう継手を拡張してマンホールの削孔部に固定するために用いる。かかる拡張バンドは、少なくとも1箇所に切断部を有する環状部材と、この切断部をしゅう動可能な状態で収める剛性カラーとを備える。
【0028】
(4)環状部材
本発明にかかる環状部材は、少なくとも1箇所に切断部を有する。かかる環状部材は、拡張バンドの本体をなし、拡張バンド本来の機能を発揮する。
【0029】
かかる環状部材の切断部の両端部は、拡張バンドの拡張の際、剛性カラー内でしゅう動する。また、かかる環状部材の切断部の両端部の固定によって環状部材が拡張状態で固定される。
【0030】
(4−1)環状部材の拡張
本発明では、特に制限されることなく、ジャッキ等の拡張装置、種々の拡張手段を用いて環状部材を拡張することができる。
【0031】
(4−2)環状部材の固定
拡張によって開いた環状部材の切断部の両端部は、特に制限されない適切な手段によって拡張状態を維持するように固定することができる。
【0032】
適切な固定手段は、例えば、環状部材に設けられる爪等の突起部等の固定部、剛性カラーに設けられる係止部、環状部材に設けられる固定具用留め部とストッパー等のような固定具との組合せを挙げることができる。
【0033】
環状部材の切断部の両端部に固定部を設け、この固定部と係合する係止部を剛性カラー内に設け、固定部と係止部との係合によって環状部材を拡張した状態で固定することができる。
【0034】
また、環状部材の切断部の両端部に固定具用留め部を設け、剛性カラーに固定具を挿入するための窓を設け、この窓から固定具用留め部の間へ固定具を挿入することによって、環状部材を拡張した状態で固定することができる。
【0035】
かかる固定手段は、前述したような硬質樹脂、プラスチック、腐食し難い金属類等から形成することができる。
【0036】
本発明にかかる環状部材、環状部材に設けられる爪等の突起部等の固定部や固定具用留め部は、硬質塩化ビニル樹脂、ABS樹脂〔アクリロニトリルとブタジエンとスチレンの(三元)共重合体からなる樹脂〕、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、等の樹脂、ナイロン等、及び種々のプラスチックからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料、又は防錆処理鋼、ステンレス鋼等、腐食し難い金属類等からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料から形成することができる。
【0037】
(5)剛性カラー
本発明にかかる剛性カラーは、拡張バンドの拡張の際、剛性カラー内での環状部材の切断部のしゅう動を可能にする。
【0038】
また、かかる剛性カラーは、環状部材の切断部の端部を固定する係止部を設けることによって、環状部材を拡張状態で固定する働きを担うことができる。
【0039】
このように、本発明にかかる剛性カラーは、その内部で、環状部材の拡張に伴う切断端部の移動を可能とする一方、その外周で、拡張バンドの周方向へのほぼ均一な拡張を可能とする。
【0040】
本発明にかかる剛性カラーや、剛性カラーに設けられる係止部は、前述したような樹脂、ナイロン、プラスチック、腐食し難い金属類等から形成することができる。
【0041】
(6)マンホールの接続構造
本発明のマンホールの接続構造は、マンホールの削孔部と管とを可とう継手によって接続するに際し、前述する拡張バンドによって可とう継手をマンホールの削孔部に固定することで施工することができる。
【0042】
かかるマンホールの接続構造では、可とう継手のマンホール側筒状部が拡張バンドによって拡張されマンホールの削孔部に固定される。
【0043】
可とう継手の管への接続には、通常のように、可とう継手の管側筒状部を管に固定することで行なうことができる。
【0044】
本発明のマンホールの接続構造では、剛性カラー内での環状部材の切断部のしゅう動及び固定によって拡張バンドが拡張状態で固定されており、可とう継手のマンホール側筒状部がマンホールの削孔部方向へほぼ均一に拡張しているので、極めて高い水密性を有する。
【0045】
図面を参照して、本発明をより一層詳細に説明する。
図1は、本発明の1例の拡張バンドを示す斜視図である。図2は図1の拡張バンドの正面図である。図3は図2の拡張バンドを拡張装置で拡張する状態を示す正面図である。図4は本発明の他の例の拡張バンドを示す正面図である。図5は本発明の更に他の例の拡張バンドを示す斜視図である。図6は本発明の1例のマンホール構造の縦断面図である。
【0046】
本発明においては、マンホール接続孔に可とう継手を剛性バンドで拡張固定する場合に、図1〜5に示す拡張バンドを用いることができる。
【0047】
図1は本発明の1例の拡張バンド1を示している。図1では、拡張バンド1が拡張するようすを拡大して示す。環状部材2の切断部3は両端部3a,3b共に剛性カラー4の中央部にあり、環状部材2のバンド係止爪5a,5bと剛性カラー4のカラー係止爪6a,6bとが剛性カラー4内で係合している。図2は図1の拡張バンド1の正面図であり、拡張バンド1の全体を示す。
【0048】
図3は図2の拡張バンド1を拡張装置で拡張する場合を示す。ジャッキ7の一方側には軸受け台座8が、他方側には拡張治具9に連結されるジャッキ台座10が設けられている。軸受け台座8は拡張バンド1にあてがわれ、拡張治具9の拡張係止部11,12は拡張バンド1の拡張支持部13,14に係止される。
【0049】
ジャッキ7をジャッキアップすることにより、拡張係止部11,12の間が拡がり、拡張バンド1が拡張及び拡径され、バンド係止爪5a,5bとカラー係止爪6a,6bとがそれぞれ係合して、拡張バンド1が拡張状態で固定される。
【0050】
図1〜3に示すように、拡張バンド1の環状部材2には、切断部3が設けられており、切断部3の両端部3a,3bは、剛性カラー4の両端部より内部に挿入されている。
【0051】
拡張バンド1は、図3に示すように、ジャッキ7及び拡張冶具9で拡張した時には、図1に詳細に示すように、環状部材2の両端部3a,3bは剛性カラー4で繋がった状態で剛性カラー4内の空間に沿って移動し、その間隔を拡げる。
【0052】
このように、拡張バンド1は、拡張バンドの円周線を確保した状態で拡張することができ、接続孔への均一な圧縮応力が得られることで、マンホールの削孔部と可とう継手との間で優れた水密性を得ることができる。
【0053】
本発明では、図1に詳細に示すように、環状部材2の両端部3a,3b付近にバンド係止爪5a,5bのような固定部を設け、剛性カラー4内にカラー係止爪6a,6bのような係止部を設け、拡張時に両者を係合することにより、環状部材2を容易に拡張固定することができる。
【0054】
図4は本発明の他の例の拡張バンド21が、2箇所の切断部23a,23bにおいて拡張する状態を示す。
【0055】
このように、剛性カラー24を用いた拡張バンド21に2箇所の切断部23a,23bを設ける場合、各々に拡張冶具29a,29bを取付け、ジャッキ27で同時に2つの切断部23a,23bを拡張するとともに、環状部材22の両端部を剛性カラー24内で固定することができる。
【0056】
2箇所以上の切断部を有する拡張バンドは、削孔径の大きいマンホールに可とう継手を固定する場合に有用である。マンホールの接続孔が大きいと、拡張バンドの円周が長くなり、1箇所の切断部の拡張バンドではバンド全周を均一に広げることが難しくなるからである。
【0057】
なお、図4において、環状部材22、剛性カラー24、ジャッキ27、拡張治具29a,29b、ジャッキ台座30a,30bや、拡大図としては示さないバンド係止爪25a,25b、カラー係止爪、拡張係止部、拡張支持部等は、図1〜3と同様のものである。
【0058】
図5は本発明の更に他の例の拡張バンド41を示すもので、剛性カラー44は中央部の内周側に窓55を有する。窓55からは、剛性カラー44の中央部に、環状部材42の切断部43が見える。切断部43の両端部43a,43bにはストッパー止め部45a,45bが相対する位置に設けられている。
【0059】
この例の拡張バンド41では、拡張支持部53,54間を拡張してストッパー止め部45a,45b間を拡げたときに、これらの間に、ストッパー46を窓55から挿入し、拡張バンド41を拡張した状態で固定することができる。この結果前述の拡張バンドと同様な効果が得られる。
【0060】
図6は本発明の1例のマンホール接続構造61を示すもので、マンホール62の削孔部62aと管63とが可とう継手64によって接続されている。可とう継手64は削孔部62aに固定されるマンホール側筒状部65を有しており、マンホール側筒状部65は拡張バンド1によって拡張され、削孔部62aに固定されている。
【0061】
拡張バンド1は、図1に示すように、少なくとも1箇所に切断部3を有する環状部材2と、切断部3の両端部3a,3bを収めている剛性カラー4とを備えている。環状部材2は、剛性カラー4内での切断部3の両端部3a,3bのしゅう動及び切断部3の両端部3a,3bの固定によって拡張状態で固定されている。
【0062】
図6では、管63は取付角θでマンホール62の削孔部62aに取り付けられる。可とう継手64の管側筒状部66を管63の取付角θ方向に曲げても、マンホール側筒状部65は拡張バンド1によって高い密着性でマンホール62の削孔部62aに固定されるので、マンホール接続構造についての漏水や不明水の侵入等の問題がない。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の環状部材を拡張冶具等で拡径するだけであるので、従来のように拡張作業が容易である。
【0064】
また、本発明によれば、環状部材の切断部の両端部を剛性カラー内で拡張バンドの円周線に沿って移動させて環状部材を拡径することができ、環状部材の切断部を覆う剛性カラーが環状部材の外周の欠落部分を補うので、環状部材の切断部付近でもほぼ均一なマンホール削孔部への圧着力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1例の拡張バンドを示す斜視図である。
【図2】 図1の拡張バンドの正面図である。
【図3】 図2の拡張バンドを拡張装置で拡張する状態を示す正面図である。
【図4】 本発明の他の例の拡張バンドを示す正面図である。
【図5】 本発明の更に他の例の拡張バンドを示す斜視図である。
【図6】 本発明の1例のマンホール構造の縦断面図である。
【図7】 従来の可とう継手の取付状態を示す縦断面図である。
【図8】 従来の可とう継手の拡張バンドを示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1,21,41 拡張バンド
2,22,42 環状部材
3,23,43 切断部
3a,3b,43a,43b 両端部
4,24,44 剛性カラー
5a,5b バンド係止爪
6a,6b カラー係止爪
7 ジャッキ
8 軸受け台座
9 拡張治具
10 ジャッキ台座
11,12 拡張係止部
13,14、53,54 拡張支持部
45a,45b ストッパー止め部
46 ストッパー
55 窓
61 マンホール接続構造
62 マンホール
62a 削孔部
63 管
64 可とう継手
65 マンホール側筒状部
66 管側筒状部
Claims (4)
- 可とう継手を拡張してマンホールの削孔部に固定するために用いる拡張バンドであって、
前記拡張バンドが、少なくとも 1 箇所に切断部を有する環状部材と、前記切断部の両端部をしゅう動可能な状態で収めると共に拡張バンドの円周線に沿う筒状の剛性カラーとを備えており、前記拡張バンドの拡径の際、前記剛性カラー内での前記切断部の両端部のしゅう動及び前記剛性カラー内での前記切断部の両端部の固定によって前記剛性カラーが前記環状部材の両端部間の円周線の欠落を補い得、前記切断部の両端部のそれぞれに複数の固定部が設けられており、前記剛性カラー内に、前記両端部の固定部とそれぞれ係合するとともに互いを離間させるための複数の係止部が設けられており、前記複数の固定部のいずれかと前記係止部との係合によって前記環状部材が拡径状態に固定され得、前記拡張バンドによって前記可とう継手のマンホール側筒状部の周方向へのほぼ均一な拡張が得られることを特徴とする拡張バンド。 - 可とう継手を拡張してマンホールの削孔部に固定するために用いる拡張バンドであって、
前記拡張バンドが、少なくとも 1 箇所に切断部を有する環状部材と、前記切断部の両端部をしゅう動可能な状態で収めると共に拡張バンドの円周線に沿う筒状の剛性カラーとを備えており、前記拡張バンドの拡径の際、前記剛性カラー内での前記切断部の両端部のしゅう動及び前記剛性カラー内での前記切断部の両端部の固定によって前記剛性カラーが前記環状部材の両端部間の円周線の欠落を補い得、前記切断部の両端部のそれぞれに固定具用留め部が設けられており、前記剛性カラーが窓を有しており、前記各固定具用留め部の間への前記窓からの固定具の挿入によって、前記環状部材が拡径状態に固定され得、前記拡張バンドによって前記可とう継手のマンホール側筒状部の周方向へのほぼ均一な拡張が得られることを特徴とする拡張バンド。 - マンホールの削孔部と管とが可とう継手によって接続されているマンホールの接続構造であって、
前記可とう継手が前記削孔部に固定されるマンホール側筒状部を有しており、前記マンホール側筒状部が拡張バンドによって拡径され前記削孔部に固定されており、前記拡張バンドが、少なくとも1箇所に切断部を有する環状部材と、前記切断部の両端部を収めると共に拡張バンドの円周線に沿う筒状の剛性カラーとを備えており、前記剛性カラー内での前記切断部の両端部のしゅう動及び前記剛性カラー内での前記切断部の両端部の固定によって前記剛性カラーが前記環状部材の両端部間の円周線の欠落を補い、前記拡張バンドの前記切断部の両端部のそれぞれに複数の固定部が設けられており、前記剛性カラー内に、前記両端部の固定部とそれぞれ係合するとともに互いを離間させるための複数の係止部が設けられており、前記複数の固定部のいずれかと前記係止部との係合によって前記環状部材が拡径状態に固定されており、前記拡張バンドによって前記可とう継手のマンホール側筒状部の周方向へのほぼ均一な拡張が得られていることを特徴とするマンホールの接続構造。 - マンホールの削孔部と管とが可とう継手によって接続されているマンホールの接続構造であって、
前記可とう継手が前記削孔部に固定されるマンホール側筒状部を有しており、前記マンホール側筒状部が拡張バンドによって拡径され前記削孔部に固定されており、前記拡張バンドが、少なくとも1箇所に切断部を有する環状部材と、前記切断部の両端部を収めると共に拡張バンドの円周線に沿う筒状の剛性カラーとを備えており、前記剛性カラー内での前記切断部の両端部のしゅう動及び前記剛性カラー内での前記切断部の両端部の固定によって前記剛性カラーが前記環状部材の両端部間の円周線の欠落を補い、前記拡張バンドの 前記切断部の両端部のそれぞれに固定具用留め部が設けられており、前記剛性カラーが窓を有しており、前記各固定具用留め部の間への前記窓からの固定具の挿入によって、前記環状部材が拡径状態に固定されており、前記拡張バンドによって前記可とう継手のマンホール側筒状部の周方向へのほぼ均一な拡張が得られていることを特徴とするマンホールの接続構造。
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