JP4070372B2 - 抗ウラシルモノクローナル抗体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウラシル及びチミンに強く反応するモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、該モノクローナル抗体を用いたウラシル及びチミンの免疫化学的測定法、及び該モノクローナル抗体を含有するDPD欠損症の診断薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、抗腫瘍剤の一つとして、フルオロウラシル等のフッ化ピリミジン系化合物が利用されている。しかし、癌患者の中には、その化合物の分解系代謝に関与する酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(dihydropyrimidine dehydrogenase:以下「DPD」と略す)が遺伝的に欠損している者が存在しており(白人乳ガン患者の約3%)、該DPD欠損患者にフッ化ピリミジン系抗腫瘍剤を投与した場合には、当該化合物が代謝されずに体内に残存する結果、死に至る副作用が起こることが報告されている(Biochim.Biophys.Acta 683,400−409(1980))。
生体内においては、ウラシル又はチミンは、通常DPDの働きによってそれぞれジヒドロウラシル又はジヒドロチミンに代謝されるが、DPD欠損患者はそれらが代謝されずに、血液又は尿中に多量のウラシル及びチミン、特にウラシルが多量に排出されることが知られている(Adv. Exp. Med. Biol., 253A,111-118(1989))。従って、フッ化ピリミジン系抗腫瘍剤を癌患者に投与する前に、血液中又は尿中のウラシル又はチミンの存在を測定することができれば、予めDPD欠損患者を選別することができ、その結果、抗腫瘍剤の投薬量を減量又は中止して重篤な副作用の発生を回避することが可能となる。
【0003】
従来、ウラシルを測定する方法としては、高速液体クロマトグラフイーを用いる方法や(Journalof Chromatography B,672(1995),233−239)、シュードウリジンに対するモノクローナル抗体を用いた免疫測定法が知られていた(特公平4−21479号公報)。しかし、前者の方法では、サンプルの調製が煩雑で多大の手間と修練を必要とし、また多検体を測定するには通常長時間を要し、更に測定装置や設備等に高額の費用を要する等の欠点があり、後者は進行癌の判定に利用される抗体であり、該抗体を用いる方法ではウラシルに対して30〜40%の反応性を有するが、シュードウリジンに対しても95〜99%もの高い反応性を示すため、ウラシルとシュードウリジンとの間で交差反応性を有するモノクローナル抗体を用いては、DPD欠損患者と欠損していない患者を区別することは不可能であった。
【0004】
斯かる状況の下、本発明者らは、ウラシルの生体内代謝物であるジヒドロウラシル、並びに腫瘍マーカーとして用いられるシュードウリジンに対して交差反応することなく、ウラシルに強く反応するモノクローナル抗体を見出した(WO99/20748号公報)。
しかし、斯かるモノクローナル抗体は、ジヒドロウラシルの代謝産物であり正常尿中に多量に存在するN−カルバミル−β−アラニンに対しても強く反応してしまい、また、ウラシルに対する反応性も必ずしも充分ではなかったことから、DPD欠損症の判定薬として用いるには問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ウラシル又はチミンに対してより高い特異性を有するモノクローナル抗体、該抗体を産生するためのハイブリドーマ、尿中のウラシル及びチミン量を正確に定量できる免疫化学的測定法、並びに該モノクローナル抗体を含有するDPD欠損症の診断薬を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、斯かる実状に鑑み、更に免疫原及び免疫方法について研究を進めた結果、5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシルを動物に投与することにより作製されたハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体が、特異的にウラシルのみならずチミンにも強く反応し、且つシュードウリジン、ジヒドロウラシル、ジヒドロチミン及びN−カルバミル−β−アラニンに対して低い反応性を示すか全く反応性を示さないという性質を有し、DPD欠損症の診断に極めて有用であることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明は、ウラシル及びチミンに対して強く反応し、N−カルバミル−β−アラニンに対して殆ど反応性を示さないことを特徴とするモノクローナル抗体を提供するものである。
【0008】
また本発明は、当該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを提供するものである。
【0009】
更に本発明は、当該モノクローナル抗体を用いることを特徴とするウラシル及び/又はチミンの免疫化学的測定法を提供するものである。
【0010】
更に本発明は、当該モノクローナル抗体を含有するDPD欠損症の診断薬を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のモノクローナル抗体は、ウラシル及びチミンに対して強く反応し、N−カルバミル−β−アラニンに対して殆ど反応性を示さないことを特徴とするものであるが、ここで「殆ど反応性を示さない」とは、N−カルバミル−β−アラニン濃度に対する用量反応性が見られないことをいう。
更に、本発明のモノクローナル抗体は、ウラシル及びチミンに対して強く反応し、N−カルバミル−β−アラニンに対して殆ど反応性を示さず、シュードウリジン、ジヒドロウラシル及びジヒドロチミンに対して殆ど反応性を示さないか低い反応性を示すものであることが好ましい。ここで「殆ど反応性を示さないか低い反応性を示す」とは、特定化合物濃度に対する用量反応性が見られないこと、又は特定化合物濃度に対する用量反応性が見られるが、特定吸収率における結合能(affinity)が低いことをいう。
より具体的には、ウラシル及びチミンとの交差反応性が90%以上のとき、N−カルバミル−β−アラニンとの交差反応性が10%以下であるモノクローナル抗体であり、特に好ましくはウラシル及びチミンとの交差反応性が90%以上のとき、N−カルバミル−β−アラニンとの交差反応性が10%以下であり、シュードウリジンとの交差反応性が33%以下であり、ジヒドロウラシルとの交差反応性が8%以下であり、ジヒドロチミンとの交差反応性が23%以下であるモノクローナル抗体が好ましい。
【0012】
本発明のモノクローナル抗体のグロブリンタイプは、ウラシル及び/又はチミンに強く反応し、N−カルバミル−β−アラニンに対して殆ど反応性を示さない限り特に限定されるものではなく、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDの何れであってもよいが、IgG、IgMが好ましい。
【0013】
本発明のモノクローナル抗体を産生する細胞株は、上記抗体の特徴を有する限り制限はないが、好適には抗体産生細胞とミエローマ細胞株との細胞融合により得られるハイブリドーマが挙げられる。
【0014】
本発明のモノクローナル抗体を得るための抗体産生細胞としては、免疫原として5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシルを用い、in vivoで動物を免役し、免疫された動物の脾細胞、リンパ節細胞又はB−リンパ球が使用される。ここで、5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシルにおける5位ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは臭素原子である。
尚、免疫に際しては、5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシルそれ自体では免疫原性が非常に弱いため、適当なシュレッパーに結合させてシュレッパー複合体として用いられることが望ましい。
【0015】
ここでシュレッパーとは、担体のことであり免疫原性が非常に弱いか、又はハプテン基のように単独では抗体生産能をもたない物質と結合して、免疫原性を増強するか、又は発現させる物質をいう。シュレッパーとしては、一般には分子量の比較的大きなタンパク質が用いられるが、その他、赤血球等の細胞や、多糖体等も用いられる。シュレッパーの例としては、スカシガイのヘモシアニン(KLH)、卵白アルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ウサギ血清アルブミン等が挙げられるが、特にKLH又はBSAが好ましい。
【0016】
5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシルとシュレッパーとの結合は、特に制限はされないが、例えば、混合酸無水物法(B.F. Erlanger et al.: J. Biol. Chem. 234 1090-1094(1954))又は活性化エステル法(A. B. KARU et al.:J.Agric. Food. Chem. 423-309(1994))等の公知の方法によって行うことができる。また、簡便な方法として、イムジェクト イムノーゲン EDC コンジュゲーション キット(Immject Immunogen EDC Conjugation Kit、Pierce社製)を用いて、添付のマニュアルに従って結合させる方法を挙げることもできる。
【0017】
免疫動物としては、マウス、ラット、ウマ、ヤギ、ウサギ等が使用され、これらの動物への抗原の投与は常法に従って行われる。例えば完全フロインドアジュバント、不完全フロインドアジュバント等のアジュバントと上記の5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシル−KLH又は5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシル−BSAとの懸濁液若しくは乳化液を調製し、これをマウス等の動物の静脈、皮下、皮内、腹腔内等に数回投与することによって動物を免疫する。
【0018】
免疫した動物から抗体産生細胞として例えば脾細胞を取得し、これとミエローマ細胞とを融合することにより、本発明のハイブリドーマを作製することができる。
【0019】
ミエローマ細胞株としては、マウス、ラット、ウマ、ヤギ、ウサギ又はヒト等に由来するものを広く使用することができるが、好適には用いる抗体産生細胞と同種の動物に由来するものであることが望ましく、例えば抗体産生細胞がマウスの脾細胞に由来する場合、その融合の相手としてはマウスから得られた骨髄腫株化細胞を用いることが好ましい。具体的には8−アザグアニン耐性マウス(BALB/c由来)骨髄腫細胞株であり、具体的にはP3/X63−Ag8(X63)〔Nature,256,495-497(1975)〕、P3/X63−Ag8.U1(P3U1)〔Current Topics.in Microbiology and Immunology,81 1-7(1987)〕、P3/NSI−1−Ag4−1(NS−1)〔Eur.J.Immuno Meth.,351-21(1976)〕、Sp2/O−Ag14(Sp2/O)〔Nature 276,269-270(1978)〕、FO〔J. Immuno.Meth., 35,1-21(1980)〕、MPC−11、X63.653、S194等を挙げることができ、好ましくはP3U1細胞である。
【0020】
抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、公知の方法(Nature 256,495-497(1975)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78,5122-5126(1981)等)又はこれらに準ずる方法によって行うことができる。即ち、上記抗体産生細胞とミエローマ細胞を例えば融合促進剤の存在下に通常の栄養培地中に共存させることによって行われる。融合促進剤としては、特に制限されることなく通常用いられるポリエチレングリコール、センダイウイルス等を使用することができるが(細胞組織化学(山下修二ら、日本組織細胞化学会編;学際企画、1986年)等)、細胞毒性が比較的少なく、融合操作が簡単なポリエチレングリコールが好ましい。また所望により、融合効率を高めるために、ジメチルスルホキシド等の補助剤を併用することもできる。また、上記融合促進剤を用いた融合法に代えて、電気処理による融合方法(電気融合法)を適宜採用することもできる。
【0021】
尚、抗体産生細胞とミエローマ細胞との使用比率は、通常の方法と同様の割合を使用することができ、例えばミエローマ細胞に対して抗体産生細胞を2〜10倍程度用いればよく、好ましくは4〜7倍程度である。
【0022】
抗体産生細胞とミエローマ細胞とが融合し、抗体生産能及び増殖能を獲得したハイブリドーマ群の選択は、通常の選択用培地を用いる培養によって行うことができる。選択用培地としては、例えばミエローマ細胞株として8−アザグアニン耐性株を使用する場合には、HAT培地を挙げることができる。かかるHAT培地での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の未融合細胞等が死滅するのに十分な期間、通常3〜10日間行えばよい。
【0023】
かくして得られるハイブリドーマは、次いで常法に従い目的とする抗ウラシルモノクローナル抗体を産生する株のスクリーニング、クローニングの工程に供される。
【0024】
本発明の抗ウラシルモノクローナル抗体産生株のスクリーニングは、上記の如くして得られたハイブリドーマ群を含む培養上清の一部をとり、これを試料として、一般に抗体検出に使用されている種々の方法(「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会社R&Dプラニング発行、第30頁〜第53頁、昭和57年3月5日)、例えば、放射性同位元素免疫測定法を用いて、その中に含まれるウラシルを検出、確認することによって行うことができる。なお、抗体検出方法としては、例えばELISA法、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、血球擬集反応及びオクタロニー等を挙げることができるが、感度、迅速性、正確性、安全性、自動化等の観点から、ELISA法、特に間接競合阻害ELISA法を利用することが好ましい。
【0025】
スクリーニングによりウラシルに特異的なモノクローナル抗体を産生することが判明したハイブリドーマは、例えば限界希釈により1ウェルに1個のハイブリドーマが含まれるように希釈する方法(限界希釈法)、軟寒天培地上に撒きコロニーをとる方法、マイクロマニピュレ一夕ーによって1個の細胞を取り出す方法、セルソータによって1個の細胞を分離方法(ソータークローン)等によりクローン化される。
斯かるクローニング法としては操作の簡便性から限界希釈法が好適に用いられ、具体的には、抗体価の認められたハイブリドーマを含むウェルについて、限界希釈法を1〜4回線り返して、安定して抗体価が認められたものを、抗ウラシルモノクローナル抗体産生細胞株として選択する。
【0026】
上記方法によって取得される本発明のハイブリドーマは、例えば10%のウシ胎児血清を含有するRPMI1640培地中に、例えば5×106細胞/mL以上において、必要に応じて凍結安定化剤として10%ジメチルスルホキシドを用いて、凍結することによって−80℃以下、例えば液体窒素中に−195℃で保存することができる。
【0027】
本発明のハイブリドーマは、後述するようにRPMI1640、DMEM、IMEM等の基本培地中での培養において安定であり、ウラシル及びチミンに対して特異的反応性を有し、シュードウリジン、ジヒドロウラシル及びN−カルバミル−β−アラニンに対して低い反応性を示すか殆ど反応性を示さないモノクローナル抗体を産生、分泌する。更に、これらのハイブリドーマは液体窒素中に安定に貯蔵し、それから容易に回収することができる。該本発明のハイブリドーマ(Mouse hybridoma CMU−1)は、ウラシル抗原に対して反応する純粋なモノクローナル抗体の、入手容易な供給物として有用であり、1999年9月7日に、通商産業省工業技術院生命工学技術研究所にブダペスト条約に基づき国際寄託され、受託番号「FERM BP−6870」が付与されている。
【0028】
得られたハイブリドーマから目的とするモノクローナル抗体を製造するには、通常の細胞培養法や腹水形成法により該ハイブリドーマを培養し、培養上清あるいは腹水から該モノクローナル抗体を精製すればよい。培養上清もしくは腹水からのモノクローナル抗体の精製は、常法により行なうことができる。例えば、硫安分画、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うことができる。
【0029】
かくして得られた本発明のモノクローナル抗体は、後記実施例に示すように間接競合阻害ELISA法等を利用して、その交差反応性を評価することができ、ウラシル及びチミンに強く反応し、シュードウリジン、ジヒドロウラシル、ジヒドロチミン及びN−カルバミル−β−アラニンに対しては低い反応性を示すか殆ど反応性を示さず、ウラシル及びチミンに対して強い反応性と特異性を有していることが判明した。
【0030】
このように本発明のモノクローナル抗体は、ウラシル及びチミンに対して高い反応性を有し、且つシュードウリジン、ジヒドロウラシル、ジヒドロチミン及びN−カルバミル−β−アラニンに対しては低い反応性を示すか殆ど反応性を示さない、更にそれは本発明のハイブリドーマを培養することによって均一かつ大量に供給できるため、ウラシル及びチミンを免疫化学的に特異的に検出測定するための試薬として有用である。また当該モノクローナル抗体は、ウラシル及びチミンの精製にも用いることができる。
【0031】
かように、本発明のモノクローナル抗体が有する反応特異牲は、癌患者の尿中に爽雑物質として存在し得るシュードウリジン、ジヒドロウラシル、ジヒドロチミン及びN−カルバミル−β−アラニンに対して低い反応性を示すか殆ど反応性を示さないというものであるため、本発明のモノクローナル抗体は、特に癌患者を対象として、DPDの欠損に起因してウラシル及びチミンを尿中に排泄するDPD欠損患者とDPDを欠損していない患者とを選別するのに有用である。
【0032】
本発明のモノクローナル抗体を用いるウラシル及びチミンの免疫化学的測定方法としては、ウラシル及びチミンの存在が疑われる被検試料を対象として、それに含まれるウラシル及びチミンを特異的に検出若しくは測定(定量)するものであれば、特に制限はないが、好適には被験者の生体試料を本発明のモノクローナル抗体とともに、抗原−抗体複合体を形成する条件下でインキュベーションする工程、及び形成された抗原−抗体複合体を検出する工程を基本的に包含する測定法を挙げることができる。また、該測定法においては、直接法、間接法、競合法、サンドイッチ法等といった本発明の技術分野で通常行われている多くの改変を伴うことができる。具体的には、ELISA法、ラジオイムノアッセイ、蛍光免疫測定法、発光免疫測定法等が例示され、好ましくはELISA法が挙げられる。
例えば、ヒト尿サンプルを被験試料とした固相化ELISA法は、次の方法により行うことができる。
【0033】
まず、(a)本発明のモノクローナル抗体を任意の担体に固相化しておき、抗原と無関係なタンパク質により、該抗体で覆われていない固相表面を覆う。(b)該表面を洗浄後、被験試料としての尿サンプルと酵素標識抗原、例えば酵素で標識された(5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシル)−シュレッパー複合体を加え、競合反応させる。(c)これに酵素基質を加え、被験試料の添加による吸光度の減少を測定する。具体的には、被験試料の添加による吸光度の減少の有無を測定することにより尿サンプル中のウラシルの存在の有無が判定でき、また被験試料の添加による吸光度の減少の程度を測定することによって、予め既知量のウラシル及びチミンを用いて作成した標準線から、尿サンプル中のウラシル及びチミンの量を定量することができる。
【0034】
また、間接競合阻害ELISA法を用いれば、本発明のモノクローナル抗体は、被験試料中のウラシル及びチミンの量を、0.001〜2mg/mL、好ましくは0.005〜0.5mg/mLの範囲で測定できる。間接競合阻害ELISA法を用いた尿中ウラシル及びチミンの測定は、以下のような手順により行うことができる。
【0035】
(a)抗原として(5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシル)−シュレッパー複合体を担体に吸着させ、固相化する。(b)抗原が吸着していない固相表面を抗原と無関係なタンパク質によりブロッキングする。(c)この中に被験者の尿試料と本発明のモノクローナル抗体を加え、モノクローナル抗体を固相化抗原及び遊離ウラシル(又はチミン)と競合的に結合させて、固相化抗原−抗体複合体及び遊離ウラシル(又はチミン)−抗体複合体を生成させる。(d)遊離ウラシル(又はチミン)−抗体複合体を洗浄除去して、固相化抗原−抗体複合体に酵素で標識化された第二抗体を反応させる。(e)該酵素に対して適当な基質を用いて酵素反応させ、吸光度を測定する。
【0036】
上記(a)工程において、固相化抗原として用いられる(5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシル)−シュレッパー複合体としては、前述した各種の免疫原を利用することができる。尚、固相化抗原として、基本的には抗体産生細胞の調製に用いた免疫原と同一物を用いるのが好ましいが、5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシルと結合してなるシュレッパーは、固相化抗原と免疫原とで必ずしも同一でなくてもよく、例えば5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシル−BSA複合体を免疫原として用いる一方で、5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシル−KLHを固相化抗原に用いることも可能である。
【0037】
抗原を固相化する担体としては、特に制限されず、ELISA法において常用されるものをいずれも使用することができる。例えば、ポリスチレン又はポリビニール製のマイクロプレート又はビーズが挙げられるが、96穴マイクロプレートを用いるのが好ましい。抗原の濃度は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、通常0.01〜100μg/mL程度、好ましくは0.4〜50μg/mLの範囲が適している。また、その容量は、担体として96穴マイクロプレートを使用する場合にはウエルの底面を覆うのに十分な量であればよく、通常1ウエルあたり20〜100μL程度が望ましい。
【0038】
吸着条件は、特に制限はないが、通常4〜40℃程度で1時間〜一晩程度静置する方法が適しており、好ましくは4℃程度で一晩程度の静置又は37℃程度で2時間程度の静置である。
【0039】
(b)工程において、ブロッキングに使用されるタンパクとしては、例えば、子牛血清、卵白アルブミン、ウシ血清アルブミン、ウシ胎児血清、スキムミルク、ゼラチン等が使用でき、好ましくはゼラチン又は子牛血清である。ブロッキングの条件は、特に制限はないが、通常4〜40℃程度で1時間〜一晩程度静置する方法が適しており、好ましくは4℃程度で一晩程度の静置又は37℃程度で2時間程度の静置である。ブロッキング後、マイクロプレートを緩衝液で洗浄する。ここで用いられる緩衝液としては、特に制限はされないが、例えば、Tween20を含むリン酸塩緩衝液(PBS)(pH7.3〜7.7)が適している。
【0040】
(c)工程において、具体的条件としては特に制限はないが、通常室温〜40℃程度で0.5〜3時間程度静置する方法が適しており、好ましくは37℃程度で1時間程度である。反応後、マイクロプレートを緩衝液で洗浄する。ここで用いられる緩衝液としては、特に制限はされないが、例えば、Tween20を含むPBS(pH7.3〜7.7)が適している。
【0041】
(d)工程において、第二抗体としては、例えばアルカリホスファターゼ(AP)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)、β−ガラクトシダーゼ(β−GS)、グルコースオキシダーゼ(GO)、ウレアーゼ等の酵素で標識した酵素標識抗マウス免疫グロブリン抗体が使用できる。好ましくは、AP標識抗マウス免疫グロブリン抗体である。第二抗体は通常希釈して使用されるが、ウラシル−シュレッパー複合体を介してマイクロプレートに結合したモノクローナル抗体(第一抗体)に対して約100〜10,000倍、好ましくは約200〜1000倍となるように希釈した第二抗体を用いることが望ましい。その希釈にはブロッキングで使用するものをPBSで希釈した溶液、例えば0.1%ゼラチンを含むPBS(pH7.3〜7.7)を用いることが望ましい。反応は、特に制限されないが通常約37℃で約1時間程度行なわれ、反応後、緩衝液で洗浄する。以上の反応により第二抗体が、固相化抗原を介してマイクロプレートに結合したモノクローナル抗体に結合する。
【0042】
(e)工程において、結合した第二抗体の酵素と基質との反応によって、基質を発色させるか又は該反応系に更に発色試薬を加えて、吸光度の変化を測定する。より具体的には、例えば、第二抗体に結合させる標識酵素としてアルカリホスファターゼを使用する場合には、p−ニトロフェニルリン酸を基質として用いて酵素反応によって発色させ、2NのNaOHを加えて酵素反応を止め、415nmでの吸光度を測定する方法が適している。
【0043】
一方、第二抗体に結合させる標識酵素としてペルオキシダーゼを使用する場合には、基質として過酸化水素、発色試薬としてo−フェニレンジアミンを使用することが望ましい。この場合、特に制限されないが、通常、発色試薬溶液を加え約25℃で約10分間反応させた後、4N硫酸を加えることにより酵素反応を停止させる方法が用いられる。
【0044】
発色試薬としてo−フェニレンジアミンを使用する場合、492nmにおける吸光度を測定する。尚、ここで、アビジン−ビオチンシステムによる増感法を利用することもできる。
【0045】
上記免疫化学的測定法を実施するに際しては、本発明の抗ウラシルモノクローナル抗体を含有するDPD欠損症の診断薬として用いることが簡便である。
具体的には、被検試料中のウラシル及びチミンを検出又は定量するために用いられる診断薬であって、本発明のモノクローナル抗体、又は該モノクローナル抗体に加えて更にウラシル若しくは5−ハロゲノ−1−カルボキシメチルウラシルとシュレッパーとの結合物を含むキットである。
【0046】
また、該診断薬は、本発明のモノクローナル抗体に加えて、固相担体、標識剤、標識剤に応じた基質(検出用試薬)、抗原、二次抗体(例えば抗マウスイムノグロブリン等)の中から選択される少なくとも1〜5種を組み合わせたセットであってもよい。尚、セット中に標識剤が含まれる場合は、該標識剤は予め二次抗体等の任意成分にコンジュゲートされていてもよい。斯かる標識剤としては放射性同位元素、酵素、蛍光物質等の種々の化合物が挙げられるが、操作性等の種々の観点から酵素が好ましい。
【0047】
さらに、当該診断薬には、測定の便宜上、適当な抗体若しくは抗原の希釈液、反応希釈液、緩衝液、洗浄剤、基質溶解剤、反応停止液、固相吸着抑制剤等が含まれていてもよい。
【0048】
【実施例】
実施例1 5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシル−シュレッパー複合体の調製
イムジェクト イムノーゲン EDC コンジュゲーション キット(Immject Immunogen EDC Conjugation Kit 、Pierce社製)を用い、添付のマニュアルに従って、5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシルにウシ血清アルブミン(BSA)又はヘモシアニン(KLH)を結合させ、5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシル−BSA(又はKLH)複合体を調製した。具体的には、次の方法によって調製した。
【0049】
1)5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシル4mgを、1mL容量のconjugation buffer(0.1M MES(2−(N−Morpholino)-ethane sulfonic acid)、0.9M NaCl、0.02%、NaN3 、pH4.7)に溶解した。
2)BSA(又はKLH)10mgを1mLのconjugation bufferに溶解した。
3)2)で調製したBSA(又はKLH)溶液200μLに、1)の5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシル溶液50μL及び1−エチル−3−(3−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド(EDC)125μL(KLHの場合は50μL)を加えた。
4)3)の溶液を37℃で2時間放置後、10,000rpm で、5分間遠心し、沈殿物を除いた。
5)4)で得られた溶液をD−ソルト デキストラン脱塩化カラム(D−salt Dextran Desalting Column)に添加し、溶出液を0.5mL/tubeで分画した。それぞれの画分の280nm及び260nmにおける吸収を測定し、最初のピーク画分を集め、5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシル−BSA(又はKLH)複合体溶液とした。
6)複合体の確認は、5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシルのピリミジン骨格構造に由来するOD260nm付近の吸光度を分析することにより行った。その結果、5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシル−BSA複合体に関して、BSA1分子あたりに7.31個の5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシルが結合したと推定された。また、5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシルKLH複合体に関しては、KLH1分子あたり26個の5−ブロモ−1−カルボキシメチルウラシルが結合したと推定された。
かかる複合体は、ハイブリドーマ及びモノクローナル抗体の取得に利用することができる。
【0050】
実施例2 抗体産生細胞の作製
BALB/cマウス5匹に10μgの抗原(5−ブロモ−1−カルボキシルウラシル−KLH結合体)を含む完全フロインドアジュバント200μLを腹腔内注射した。2週間後に10μgの抗原を含む、不完全フロインドアジュバント200μLをマウスの腹腔内投与した。
2週間後に眼底採血を行い、この血清を抗体として用い、ウラシルによる抗原抗体結合反応の阻害を調べた。ウラシルでの阻害が最も強く認められた血清が採取されたマウスに10μgの抗原を含むPBS溶液を200μLを静脈内投与し、3日後に脾臓を無菌的に摘出した。脾臓をRPMI1640培地で2回洗浄後、クリーンベンチ内に移し、更に2回洗浄をおこなった。シャーレ中で脾臓をつぶし、脾細胞をRPMI1640培地中に懸濁させた。細胞懸濁液を15mLの遠心管に移し、1000rpm 室温下で7分間遠心し、上清を取り除いた。
沈殿した細胞をRPMI1640培地10mLに懸濁させ、そのまま3分間室温で静置した。遠心管の底に沈んだ組織塊を吸い取らないように細胞懸濁液を50mLの遠心管に移し、1000rpm 室温下で7分間遠心を行い上清を除き最終的に10mLになるようにRPMI1640培地を加えた。脾細胞の有核細胞数を血算板を用いて算定した。以上の操作で調整した脾細胞をミエローマとの細胞融合に用いた。
【0051】
実施例3 細胞融合
(1)ミエローマ細胞の調製
ミエローマとして8−アザグアニン耐性マウス(BALB/c由来)骨髄腫細胞株化細胞であるP3U1細胞を用いた。P3U1細胞は予め10%FBSを含むRPMI1640培地で継代培養しておいた。
継代培養1日目のP3U1細胞を50mL遠心管に移し、1000rpm 、室温で5分間遠心した。上清液を取り除き、沈殿したP3U1細胞を10mLのRPMI1640培地に懸濁した。細胞数は血算板を用いて算定した。かかる操作で調製したミエローマ(P3U1細胞)を細胞融合に用いた。
【0052】
(2)細胞融合
(1)で調製したP3U1細胞と実施例2で調製した感作細胞群の細胞数を数え、P3U1細胞(細胞数):感作細胞群(細胞数)=1:5の割合で混和し、室温にて10分間静置した。その後、1000rpm、室温で遠心し(5分間)、上清を除去し、遠心管をたたいて沈殿した細胞をほぐした。ほぐれた細胞の入った遠心管を回転させながら、10秒間、総細胞数2×108 個あたり1mL容量の50%ポリエチレングリコール(平均分子量1000)を添加し、そのまま50秒間回転を続けた。引き続き遠心管を回転させながら、15mLのRPMI1640培地を3分間で添加し、更に25mLのRPMI1640培地を1分間で添加した。軽くピペッティングを行い、内容液を均一にし、1000rpm 、室温で5分間遠心した。上清を取り除き、沈殿を10%牛胎児血清を含むHAT培地に懸濁させた(感作細胞として1.6×106 個/mLとした。)この細胞懸濁液を200〜250μL/ウェルとなるように96穴平底プレートにまいた。37℃、5%CO2 下で静置しながら、10〜14日間培養した。
【0053】
実施例4 ハイブリドーマの選択
実施例3で得られたハイブリドーマ細胞について、以下に示すELISAによるスクリーニング操作を行い、細胞の選別を行った。
96穴イムノプレートに、ウラシル−BSA複合体10μg/mL(BSA換算)を50μL/ウェル入れ、4℃で一晩静置した。静置後、0.1%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(和光純薬工業製、Tween 20相当品)を含むPBS(pH7.3〜7.7、日水製薬製;以下、PBS−Tと称する。)で7回洗浄した後、0.2%ゼラチン200μLを入れ、37℃で2時間又は4℃で一晩放置した。
その後PBS−Tで5回洗浄後、ウェルに、(i)実施例3で得られたハイブリドーマ培養上清液30μLとPBS30μLとを混合し、37℃で1時間反応させた液、(ii)予めハイブリドーマ培養上清液30μLと1mg/mLになるようにPBSに溶解させたウラシル溶液30μLとを混合し、37℃で1時間反応させた後、又は(iii)1μg/mL正常マウスIgG(Biological社製)を、それぞれ50μL/ウェルの割合で入れ、37℃、1時間放置した。次いで該ウェルをPBS−Tで5回洗浄し、0.1%ゼラチンで1000倍希釈したアルカリフォスファターゼ(AP)標識抗マウス多価免疫グロブリン抗体(Sigma社製)を50μL/ウェル入れ、37℃で1時間放置した。その後、PBS−Tで5回洗浄後、1mg/mLになるようにp−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム(和光純薬工業社製)を基質緩衝液に溶解した溶液を100μL/ウェルに入れ、37℃で30分放置した後、2N NaOHを50μL/ウェル入れてプレートミキサーで混合して反応を停止させ、マイクロプレートリーダーにて415nmの吸光度を測定した。
なお、吸収率は、下記式1により計算した。
【0054】
【数1】
【0055】
ODPBS :ハイブリドーマ培養上清をPBSのみで前処理した時のELISAの吸光度
ODuracil:ハイブリドーマ培養上清をウラシルで前処理した時のELISAの吸光度
ODcontrol:正常マウスIgGのみで処理した時のELISAの吸光度
【0056】
実施例5 クローニング
実施例4で得られたモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを公知慣用の限界希釈法を用いて2回クローニングを行った。
具体的には、実施例4で得られたモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの細胞数を数え、1個/0.2mL/ウェルで10%FBS及び10%BM condimedH1(登録商標、ベーリンガーマンハイム社製)を含むRPMI 1640培地を用いてまき込み、CO2 濃度5%、37℃で10〜14日間培養した。
得られたクローンを実施例4に記載する方法と同様のELISA法を用いて選別を行った後、同様の方法で再クローニングし、上記と同様のELISA法を用いて選別を行った。その結果、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマがウラシル及びチミンに特異的な抗体を産生する細胞としてクローン化された(2D3,2H10)。そのうちの1つである2D3を「Mouse hybridoma CMU−1」として、ブタペスト条約に基づき、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託した(受託番号:FERM BP−6870)。
【0057】
実施例6 抗ウラシルモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの保存
実施例5で得られたハイブリドーマを、10%FBS及び10%DMSOを含むRPMI 1640培地において1×107 細胞/mLとなるように調製し、クライオチューブ(ヌンク社製)に1mLずつ分注した。これを−90℃のディープフリーザーで凍結後、液体窒素中に保存した。
【0058】
実施例7 モノクローナル抗体の調製及びその評価
実施例5で得られたモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ「Mouse hybridoma CMU−1」を10%FBS及び10%BM condimed H1(ベーリンガー社製)を含むRPMI1640培地でCO2 濃度5%、37℃で2〜3日間培養した。
得られたハイブリドーマ培養上清液を用いて、実施例4に記載した間接競合阻害ELISA法に準じて、本発明のモノクローナル抗体CMU−1の反応性を調べた。
具体的には、ウラシル−BSA複合体(10μg/mL)を50μLづつ96穴イムノプレート(イムノプレートI、Nunc社製)に分注し、4℃で一晩静置した後、1ウェルあたり0.1%のTween 20を含有したPBS−Tを200μL用いて、合計5回洗浄した。次いで、ブロッキングとして、上記ウェルに0.2%ゼラチン含有PBSを200μL/ウェル添加し、4℃で終夜静置した後、PBS−Tを用いて5回洗浄して、プレートを調製した。
【0059】
一方、(i)30μLのハイブリドーマ培養上清にPBSを30μL加えたもの、(ii)30μLのハイブリドーマ培養上清にウラシル(0.03−1.0mg/mL)を含有するPBSを30μL加えて37℃で1時間放置したもの、又は(iii)1μL/mLの正常マウスIgG(Biologicals社製)を、それぞれ50μL/ウェルの割合で上記の抗原を吸着させた96穴プレートに添加し、37℃1時間放置した。次に、これをPBS−Tで5回洗浄し、0.1%ゼラチン含有PBSで1000倍に希釈したアルカリホスファターゼ標識抗マウス抗体(二次抗体、Sigma社製)50μL/ウェルを添加し、37℃で1時間放置した。次にPBS−Tで5回洗浄し、酵素基質溶液(1mg/mL p−nitrophenyl phosphate 、pH9.8)を100μL/ウェル加え、37℃で30分間放置した。次いで、2NNaOHを50μL/ウェル加え、反応を停止させ、プレートリーダーで415nmの吸光度を測定した。尚、比較として、WO99/20748号公報に記載のハイブリドーマFERM BP−6141を用い同様の操作を行った。結果を図1に示す。なお、吸収率は前述の式1により求めた。
【0060】
図1からわかるように、本発明のモノクローナル抗体は、ウラシルの量を0.005〜0.5mg/mLの範囲で検出できることが分かった。また、ハイブリドーマFERM BP−6141由来のモノクローナル抗体SU−1に比べ、ウラシルの検出感度が大幅に増強していることが分かった。
【0061】
実施例8 交差反応性試験
実施例7と同様にして、他の化合物と本発明のモノクローナル抗体との反応性を調べた。具体的には、実施例7において、ウラシルとの阻害を調べるために行った(ii)の工程で、ウラシル(1mg/mL)の代わりに、シュードウリジン、ジヒドロウラシル、ジヒドロチミン、チミン、シトシン、N−カルバミル−β−アラニン(1mg/mL)をそれぞれ用いて、同様にして実験を行い、ウラシル系化合物と本発明のモノクローナル抗体との反応性を調べた。尚、比較として、WO99/20748号公報に記載のハイブリドーマFERM BP−6141由来のモノクローナル抗体SU−1を用いた。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
上記の結果、本発明モノクローナル抗体は、ウラシル及びチミンに対し強く反応し、用量反応性が見られた。しかし、N−カルバミル−β−アラニン、ジヒドロウラシル、ジヒドロチミン、シュードウリジン及びシトシンに対しては反応性が低かった。これに対し、比較抗体はウラシル又はチミンよりもN−カルバミル−β−アラニンに対する反応性が高かった。
また、本発明抗体はN−カルバミル−β−アラニン、ジヒドロウラシル、ジヒドロチミン及びシトシンに対しては用量反応性がなく、シュードウリジンに対しては用量反応性が見られた。そこで用量反応性の認められたウラシル、チミン及びシュードウリジンの濃度と吸収率の関係を調べた。結果を図2に示すと伴に、吸収率30%(ED30)のときの各化合物の濃度(mg/mL)を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
上記の結果、ウラシルはシュードウリジンの1/13の濃度で同様の吸収率を示し、チミンはシュードウリジンの1/26の濃度で同様の吸収率を示した。つまり、シュードウリジンに比してウラシルは13倍の、チミンは26倍の結合能を示した。
【0066】
【発明の効果】
本発明のモノクローナル抗体は、ウラシル及びチミンに対して高感度且つ特異的に反応することにより、試料中のウラシル及びチミンを簡便、迅速、且つ選択的に測定することができる。更に当該モノクローナル抗体はシュードウリジン、ジヒドロウラシル及びN−カルバミル−β−アラニン等に対しては低い反応性を示すか殆ど反応性を示さないという特徴を有することからヒト尿試料を用いたDPD欠損症の診断に有用であり、特にフッ化ピリミジン系抗腫瘍剤の投与が禁忌であるDPD欠損癌患者のスクリーニングに極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のモノクローナル抗体(CMU−1)とSU−1について、ウラシルに対する反応性を間接競合阻害ELISA法で調べた結果を示す図である(実施例8)。
【図2】図2は、本発明のモノクローナル抗体について、ウラシル、チミン及びシュードウリジンの濃度と吸収率の関係を示した図である。
Claims (4)
- 受託番号FERM BP−6870として寄託されたハイブリドーマ。
- 請求項1に記載のハイブリドーマにより産生される抗ウラシルモノクローナル抗体。
- 請求項2に記載のモノクローナル抗体を用いることを特徴とするウラシル及びチミンの免疫化学的測定法。
- 請求項2に記載のモノクローナル抗体を含有するDPD欠損症の診断薬。
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