JP4070288B2 - タイヤ騒音試験用ドラム - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、試験タイヤを外周面に接触させながら回転させてタイヤの騒音試験を行うタイヤ騒音試験用ドラムに係り、実車によるISO路面でのタイヤ騒音試験結果に対して相関性の高いタイヤ騒音試験結果が得られるタイヤ騒音試験用ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ騒音に関する室内での試験評価は、JASO C606−81で規格化された方法が従来用いられている。
【0003】
JASO C606−81で規格化された試験の方法は、サンドペーパー状のセーフティーウォークを貼り付けたドラム上で、タイヤ回転によるタイヤ騒音をタイヤ回転中心から1m、高さ0.25m離れた位置で測定し評価する試験方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、実車のタイヤ騒音試験に用いられるISO路面は、ISO規格10844で骨材やバインダー、路面の厚さ及び路面のきめ深さ(TD値)、空隙率そして吸音率などが細かく規定されている。なお、吸音率(垂直入射)は、ISO/CD10534(引用規格4)に規定された管内法で測定されたものである。
【0005】
このISO路面の最大の特徴は、吸音率10%以下と吸音特性で規定された路面のことである。
【0006】
そして、ISO路面で測定された実車のタイヤ騒音は、従来の密粒アスファルト混合物路面上で測定されたタイヤ騒音とは騒音レベルが明らかに異なり小さい。
【0007】
よって、ISO路面はタイヤ騒音に関しては低騒音路面であるといえる。
実車のタイヤ騒音試験に対する従来の室内試験方法のJASO方式は、ドラム上にサンドペーパー状のセーフティーウォークを貼り付けたものであるため、ドラム路面の吸音特性は全く無く、ISO路面の最大の特徴である吸音特性は再現されていない。
【0008】
ISO路面による実車の試験を行うには、屋外に広い試験スペースが必要であり、また、降雨時等の悪天候下ではタイヤ騒音試験を行えない問題がある。このため、ISO路面による実車の試験と同様の試験結果を室内の試験機で再現したいという要望がある。
【0009】
本発明は上記事実を考慮し、実車によるISO路面でのタイヤ騒音試験結果に対して相関性の高いタイヤ騒音試験結果が得られるタイヤ騒音試験用ドラムを提供することが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、試験タイヤを外周面に接触させながら回転させてタイヤ騒音試験を行うタイヤ騒音試験用ドラムであって、外周面に、骨材と前記骨材同士を結合するバインダーとの混合物を含む材料からなる疑似路面が設けられており、前記疑似路面は吸音率が3%以上10%以下の特性を有し、前記バインダーは引張強度が15kgf/cm2 以上であり、前記疑似路面の重量を100%としたときに、前記バインダーの重量の割合が4%以上7%以下であることを特徴としている。
【0011】
ISO規格10844では、試験路面の空隙率(Vc)が8%を越えてはならないことになっているが、路面の空隙率が要求を満足しない場合でも、吸音率αがα≦0.1%(10%)であれば、その路面は認められることになっている。
【0012】
本発明の吸音率が3%以上10%以下の特性を有する疑似路面は、ISO規格10844で要求されている吸音率α≦0.1(10%)を満足するので、ISO路面と同様の吸音特性となり、これを用いてタイヤ騒音を測定すれば、ISO路面にて試験タイヤのタイヤ騒音を測定して得られたタイヤ騒音試験結果に対して相関性の高いタイヤ騒音試験結果を得ることが可能となる。
【0013】
なお、ISO路面では、吸音率が10%以下と定められているので、疑似路面の吸音率が10%を越えると、ISO路面にて試験タイヤのタイヤ騒音を測定したときと同様のタイヤ騒音測定結果を得ることが出来なくなる。
【0014】
また、疑似路面の吸音率が3%未満になると、実際には吸音特性が殆ど無い状態であるので、ISO路面の特徴でもある吸音特性を再現することが出来なくなる。
【0015】
ISO路面で用いられる骨材を引張強度が15kgf/cm2 以上のバインダーで結合させて疑似路面を作製した場合、その疑似路面はアスファルトで骨材を結合したISO路面よりも強度が高くなり、ドラム回転で発生する遠心力に対する耐久性や試験タイヤとの長時間の接触によって発生するわだち(路面の変形)に対する耐わだち性に優れるものとなる。
【0016】
疑似路面においてはバインダーの割合を調整することによって骨材間に吸音用の空隙を形成することができるが、バインダーの重量の割合が7%を越えると、疑似路面に形成される空隙が少なすぎて吸音率が3%未満に低下する。疑似路面の吸音率が3%未満になると、実際には吸音特性が殆ど無い状態であるので、ISO路面の特徴でもある吸音特性を再現することが出来なくなる。
【0017】
一方、バインダーの重量の割合が4%未満になると、バインダーの絶対量が不足し、骨材同士を結合する結合力(接着力)が低下し、疑似路面が強度不足となる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、試験タイヤを外周面に接触させながら回転させてタイヤ騒音試験を行うタイヤ騒音試験用ドラムであって、外周面に、骨材と前記骨材同士を結合するバインダーとの混合物を含む材料からなる疑似路面が設けられており、前記バインダーはエポキシ系樹脂であり、前記疑似路面の重量を100%としたときに、前記エポキシ系樹脂の重量の割合が4%以上7%以下であることを特徴としている。
【0019】
バインダーとしてのアスファルトとエポキシ系樹脂とを比較すると、エポキシ系樹脂の方が接着強度が高い。したがって、ISO路面で用いられる骨材をエポキシ系樹脂のバインダーで結合させて疑似路面を作製した場合、その疑似路面はアスファルトをバインダーとしたISO路面よりも強度(引っ張り、曲げ、圧縮等)が高い。したがって、本発明の疑似路面は、ドラム回転による遠心力に対して耐久性が高く、また、試験タイヤとの長時間の接触に対してもわだち(路面の変形)が発生し難い。
【0020】
ここで、疑似路面においてはエポキシ系樹脂の割合を調整することによって骨材間に吸音用の空隙を生じさせることができるが、エポキシ系樹脂の重量の割合が7%を越えると、疑似路面に形成される空隙が少なすぎて吸音率が3%未満に低下する。疑似路面の吸音率が3%未満になると、実際には吸音特性が殆ど無い状態であるので、ISO路面の特徴でもある吸音特性を再現することが出来なくなる。
【0021】
一方、エポキシ系樹脂の重量の割合が4%未満になると、バインダーの絶対量が不足し、骨材同士を結合する結合力(接着力)が低下し、疑似路面が強度不足となる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤ騒音試験用ドラム
において、前記疑似路面は、空隙率が4%以上8%以下であることを特徴としている。
【0023】
路面の空隙率と吸音率との間には相関関係がある。ISO路面の規格では、路面の空隙率が8%以下に定められているため、疑似路面の空隙率を8%以下に定めることにより、ISO路面と同等の特性が得られるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のタイヤ騒音試験用ドラムの一実施形態を図1乃至図4にしたがって説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態のタイヤ騒音試験用ドラム10は、ドラム本体11の外周表面に骨材をエポキシ系樹脂のバインダーで固めた疑似路面12が固着されている。
【0026】
この疑似路面12は、吸音率が3%以上10%以下、空隙率が4%以上8%以下に設定されている。
【0027】
次に、疑似路面12をドラム本体11の外周面に施工する工程を説明する。
(1) 図2に示すように、円筒状のドラム本体11の外周面両端部分に、環状の型枠14を取付ける。
(2) 更に、ドラム本体11の外周面に、一方の型枠14から他方の型枠14に向けてドラム軸方向に延びる横の型枠16をねじ止め等で仮止めする。この型枠16は後で取り外す。
(3) 図3(A)に示すように、横の型枠16をドラム回転軸の斜め上方付近に位置するようにドラム本体11を位置決めし、型枠16から上側のドラム外周面に硬化前の混合物18を載せ、その混合物18をローラー20等を用いてドラム外周面に転圧、施工する。
【0028】
また、混合物18をローラー20等によって圧力を加えて締め固めるが、ISO路面の規格と同じ空隙率(8%以下)となるように圧力の調整を行う。
【0029】
次に、骨材とバインダーとの混合物18について詳述する。
なお、通常骨材とは、粗骨材(砕石)、細骨材(砂)を指す。
【0030】
粗骨材(砕石)としては、河川産の玉石を破砕した玉砕、原石山で採取し破砕した山砕があり、通常のアスファルアト舗装路には最大粒径13mmのものが多く使用される。細骨材(砂)としては、川砂、山砂、海砂があり、粒度は標準粒度範囲に入る為にはおのずと粒度範囲の制限を受ける。
【0031】
本実施形態の疑似路面12で用いる骨材は、ISO路面規格(ISO10844、以後同様)に合わせて最大粒径8mmのものを粗骨材として使用し、ISO路面規格の粒度曲線(ISO10844の付属書C設計のガイドラインに記載のアスファルト混合物の粒度曲線許容範囲参照)に合わせて粗骨剤、細骨材及びフィラーを調合して使用した。なお、骨材は十分に洗浄したものを使用した。
【0032】
エポキシ樹脂系のバインダーとしては、一例として、主剤であるエポキシ樹脂と硬化剤の2液反応型バインダーを使用することができる。
【0033】
上記骨材に、エポキシ樹脂バインダーの主剤と硬化剤とを混合したものを十分に攪拌混合して混合物18を得た。
【0034】
なお、混合物18の重量を100%としたときに、エポキシ樹脂バインダーの重量の割合は4%以上7%以下に設定する。
(4) 施工した混合物18が固まったら(図4参照。なお、符号18Aは骨材を表す。また、バインダーは図示せず。)、ドラム本体11を回転(本実施形態では、図3の矢印A方向)させ、図3(B)に示すように前回施工した部分の端部をドラム回転軸の斜め上方付近に位置するようにドラム本体11を位置決めし、端部から上側のドラム外周面に未硬化の混合物18を載せ、前述したように混合物18をローラー20等を用いてドラム外周面に転圧、施工する。
【0035】
以後同様にしてドラム外周面を全て混合物18で覆う。なお、混合物18の最終施工段階では、横の型枠16を外し、最初に施工した部分と継ぎ目が生じないように混合物18をドラム外周面に施工する。
【0036】
このようにして、ドラム本体11のドラム外周面に施工された混合物18が固化したものが疑似路面12となる。
【0037】
以下に本実施形態の疑似路面12の優れた点を述べる。
(1) 混合物18の重量を100%としたときに、エポキシ樹脂バインダーの重量の割合を4%以上7%以下に設定し、ISO路面の規格と同じ空隙率(8%以下)となるように固めたので、ISO路面と同様の吸音特性が得られる。このため、本実施形態のタイヤ騒音試験用ドラム10を用いてタイヤ騒音試験を行えば、実車によるISO路面でのタイヤ騒音試験結果に対して相関性の高いタイヤ騒音試験結果を室内の試験機で得ることができる。
(2) エポキシ樹脂系のバインダーは、通常のアスファルトバインダーよりも引張強度が高いので、本実施形態の疑似路面12はドラム回転時の遠心力にも充分耐えうる。また、試験タイヤとの接触による変形(わだち)が生じ難い。
(3) エポキシ樹脂系のバインダーは、アスファルトバインダーのように経時劣化を起こさないので、耐久性に優れる。また、アスファルトバインダーは温度上昇に伴って軟化し易いが、エポキシ樹脂系のバインダーは軟化し難い。
(4) 常温での施工が可能であり、アスファルト舗装路に対して施工が簡単である。
【0038】
なお、上記実施形態では、ドラム本体11の外周面に疑似路面12を直接施工する方法を説明したが、間接的に施工する他の施工方法もある。
【0039】
以下に、他の施工方法を説明する。
(1) 図5に示すように、ドラム外周面の曲率半径(一例として半径1000mm)に合わて円弧状に曲げた矩形の板材(鋼板等)22を作製する。なお、板材22はドラム外周を等分割する同一の周方向長さを有する。
(2) 円弧状の板材22の外周面の周方向両端部分にL字形状の型枠24をねじ等で仮止めし、外周面の幅方向両端付近に一方の型枠24から他方の型枠24に向けて延びる円弧形状の型枠26を取付ける。
(3) 型枠24及び型枠26で囲まれる板材22の外周面に混合物18を載せ、その混合物18を前述した方法と同様にローラー等を用いて外周面に転圧、施工する。
(4) 混合物18が完全に固まった後、板材22からL字形状の型枠24を取り外すと、疑似路面12の形成されたセグメント28が得られる。
(5) このようにして作製されたセグメント28をボルトを用いて図6及び図7に示すようにドラム本体11の外周面に周方向に並べて固定する。
【0040】
なお、ドラム外周面でのセグメント28とセグメント28との間の継ぎ目部分については、路面厚さが均一になる様に混合物18で補修を行う。
【0041】
なお、上記実施形態では、骨材を結合するバインダーとしてエポキシ樹脂系のバインダーを用いたが、アスファルトよりも引張強度の高いバインダー、即ち、引張強度が15kgf/cm2 以上のバインダーであれば、エポキシ樹脂系のバインダー以外のバインダーを用いても良いのは勿論である。
(試験例)
バインダー量が各々異なる(バインダー量4%、5%、6%及び7%)疑似路面を複数作製し、バインダー量と空隙率との関係を調べた結果、図8に示すような結果が得られた。バインダー量と空隙率との相関は図8に示すような相関があり、バインダー量により空隙率は変化する。バインダー量を4%以上7%以下に定めると、それに伴い疑似路面の空隙率は13%以下4%以上となることが分かる。
【0042】
ここで、ISO路面の規格では、空隙率は8%を越えてはならないとあるので、空隙率が8%以下となるようなバインダー量に決めることが必要である。
【0043】
また、上記バインダー量が各々異なる疑似路面を用い、バインダー量と吸音率との関係を調べた結果、図9に示すような結果が得られた。バインダー量と吸音率との相関は図9に示すような相関がありバインダー量によって吸音率は変化する。
【0044】
ISO路面では、空隙率が要求を満足しない場合でも、吸音率αがα≦0.1、即ち10%以下であればその路面は認められることになっているので、図9に示す試験結果より、吸音率を10%以下とするには、バインダー量を3%以上とすれば良いことが分かる。
【0045】
また、疑似路面の吸音率が3%未満になると、実際には吸音特性が殆ど無い状態となり、ISO路面の特徴でもある吸音特性を再現することが出来なくなる。したがって、図9の試験結果から疑似路面のバインダー量を7%以下とすれば良いことが分かる。
【0046】
ISO路面に用いるアスファルトバインダーと本実施形態の疑似路面に用いたエポキシ系樹脂バインダーの引張強度を測定した結果、図10に示すような結果が得られた。試験結果で示すように、エポキシ系樹脂バインダーの引張強度がアスファルトバインダーの引張強度よりも大きいことは明らかである。
【0047】
引張強度試験方法:骨材とバインダー(アスファルトとエポキシ系樹脂)をISO路面と同じ混合比で混ぜて作製したコアサンプルを使用、つまり疑似路面のサンプルで試験を実施した。
【0048】
次に、ISO路面と本実施形態の疑似路面との吸音率を測定した結果、図11に示すような結果が得られた(なお、骨材は両者共同じものを使用し、バインダー量も同じにした。)。試験結果で示すように、本実施形態の疑似路面は、ISO路面とほぼ同様の吸音率を得ていることは明らかである。
【0049】
また、本実施形態の疑似路面のきめ深さ(TD値)は平均約0.4mmとISO路面と同等レベルであった。
【0050】
さらに、JASOで規格化された試験方法によって測定したタイヤ騒音、実路ISO路面で測定したタイヤ騒音と本実施形態のタイヤ騒音試験用ドラムで測定したタイヤ騒音の比較を行った。JASOの試験方法は、タイヤ騒音試験用ドラム中心から1m、高さ0.25mの位置1カ所で測定するが、今回の試験方法はタイヤ中心から1m、高さ0.25mの位置でタイヤ前後1mの区間における複数位置(4cm毎)で全51カ所の音圧レベルを測定し、得られた音圧レベルP1 〜P51dB(A)は次のように平均値をもって評価した。
平均値=10×log10 {(10P1/10 +10P2/10 ・・・+10P51/10)/51 なお、試験にはタイヤサイズPSR 195/70R14 S270のタイヤを用いた。
【0051】
試験の結果は図12及び図13に示す通りであり、従来のJASO法のセーフティーウォーク路面のスペクトルは、パターンピッチ成分(630Hz )が最も目立ち、ISOの実路面とは異なる形のスペクトルとなった。
【0052】
これに対し、本実施形態のタイヤ騒音試験用ドラムのスペクトルは、吸音特性を有する実路ISO路面のスペクトル(800〜1kHz をピークとする)の構成と類似しており、ISO路面におけるタイヤ騒音試験用ドラム騒音の特徴と表していることが分かる。
【0053】
次に、実路のISO路面におけるタイヤ騒音、従来のJASO法(セーフティーウォーク路面)におけるタイヤ騒音及び、本実施形態のタイヤ騒音試験用ドラムを用いたタイヤ騒音の相関関係を求めた。速度、荷重及び空気圧条件は、実路ISO路面と同じ条件で比較を行った。
【0054】
結果は、図14及び図15に示す通りであり、実路ISO路面との相関関係は、従来のJASO法(セーフティーウォーク路面)に対して本実施形態のタイヤ騒音試験用ドラムを用いたタイヤ騒音試験の方が高く、実路ISO路面のタイヤ騒音の予測は本実施形態のタイヤ騒音試験用ドラムを用いた場合でも可能であることが分かる。よって、本実施形態のタイヤ騒音試験用ドラムによって、ISO路面のドラム上での再現が可能であることが分かる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載のタイヤ騒音試験用ドラムは上記の構成としたので、これを用いてタイヤ騒音試験を行えば、実車によるISO路面でのタイヤ騒音試験結果に対して相関性の高いタイヤ騒音試験結果を室内の試験機でも得ることが可能となる、という優れた効果を有する。また、耐久性が高く、かつ、ISO路面の同様の空隙率となる、という優れた効果を有する。
【0056】
請求項2に記載のタイヤ騒音試験用ドラムは上記の構成としたので、耐久性が高く、かつ、ISO路面の同様の空隙率となる、という優れた効果を有する。
【0057】
請求項3に記載のタイヤ騒音試験用ドラムは上記の構成としたので、疑似路面の吸音率をISO路面と同等に設定することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るタイヤ騒音試験用ドラムの斜視図である。
【図2】 疑似路面を形成する前のドラム本体の斜視図である。
【図3】 (A)及び(B)は、ドラム本体の外周面に疑似路面を施工する過程を示す説明図である。
【図4】 固まった混合物(疑似路面)の拡大断面図である。
【図5】 疑似路面施工前のセグメントの斜視図である。
【図6】 疑似路面の施工されたセグメントの斜視図である。
【図7】 セグメントを取り付けたタイヤ騒音試験用ドラムの側面図である。
【図8】 バインダー量と空隙率との関係を示したグラフである。
【図9】 バインダー量と吸音率との関係を示したグラフである。
【図10】 アスファルトバインダーとエポキシ系樹脂バインダーの強度測定した結果である。
【図11】 ISO路面と本実施形態の疑似路面との吸音率を測定した結果である。
【図12】 JASO法のセーフティーウォーク路面の形成されたタイヤ騒音試験用ドラムで試験を行った場合のタイヤ騒音のスペクトルと、本実施形態の疑似路面の形成されたタイヤ騒音試験用ドラムで試験を行った場合のタイヤ騒音のスペクトルを表すグラフである。
【図13】 ISO路面で試験を行った場合のタイヤ騒音のスペクトルを表すグラフである。
【図14】 ISO路面で試験を行った場合のタイヤ騒音と本実施形態の疑似路面の形成されたタイヤ騒音試験用ドラムで試験を行った場合のタイヤ騒音との相関関係を示すグラフである。
【図15】 ISO路面で試験を行った場合のタイヤ騒音とJASO法のセーフティーウォーク路面の形成されたタイヤ騒音試験用ドラムで試験を行った場合のタイヤ騒音との相関関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 タイヤ騒音試験用ドラム
12 疑似路面
18A 骨材
18 混合物
Claims (3)
- 試験タイヤを外周面に接触させながら回転させてタイヤ騒音試験を行うタイヤ騒音試験用ドラムであって、
外周面に、骨材と前記骨材同士を結合するバインダーとの混合物を含む材料からなる疑似路面が設けられており、
前記疑似路面は吸音率が3%以上10%以下の特性を有し、
前記バインダーは引張強度が15kgf/cm2 以上であり、前記疑似路面の重量を100%としたときに、前記バインダーの重量の割合が4%以上7%以下であることを特徴とするタイヤ騒音試験用ドラム。 - 試験タイヤを外周面に接触させながら回転させてタイヤ騒音試験を行うタイヤ騒音試験用ドラムであって、
外周面に、骨材と前記骨材同士を結合するバインダーとの混合物を含む材料からなる疑似路面が設けられており、
前記バインダーはエポキシ系樹脂であり、前記疑似路面の重量を100%としたときに、前記エポキシ系樹脂の重量の割合が4%以上7%以下であることを特徴とするタイヤ騒音試験用ドラム。 - 前記疑似路面は、空隙率が4%以上8%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ騒音試験用ドラム。
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