JP4069292B2 - 洗車ブラシ用の洗浄片 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗車ブラシに好適に使用されて、自動車の塗装や外装品を損傷することなく洗浄可能であり、しかも低温での柔軟性および耐薬品性に優れると共に、業務用用途等の過酷な繰り返し使用に対応した洗浄片に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にガソリンスタンド等に設置されている自動洗車機は、図1に示す如く、制御下に回転可能な回転軸14の周りに多数の柔軟な洗浄片12を植設した洗車ブラシ10を備え、該洗車ブラシ10を回転させることで洗浄片12と被洗浄物である車体とを接触させ(図1(b)参照)、これに洗剤を噴射させて車体の表面の洗浄を行なうものである。
【0003】
これまで前記洗浄片12として、各種の布やナイロン等を材質とするものが一般に使用されていたが、これらの材質は以下の問題を内在していた。
▲1▼材質が布の場合
前記洗浄片の材質として各種の布が使用した場合、これは柔軟性が高く硬度が低いため、車体表面等に該洗浄による擦り傷等を生ずることは殆どない。しかし布は吸収した水分を保持し易いので、冬季や寒冷地では布中に保持した水分が凍結して柔軟性を低下させる難点がある。またこのように凍結した状態で洗浄を強行すると、自動車に擦り傷を与えるだけでなく、例えば車体を凹ませたり、ガラスを破損する等の重大なダメージに至る。
▲2▼材質がナイロンの場合
前記洗浄片の材質としてナイロンを使用すると、ナイロンは吸水性が殆どないため前述のような寒冷地での凍結等による欠点は回避し得る。しかしナイロンは一般的に硬度が高いので、洗浄中に自動車に擦りを付けてしまう欠点が挙げられる。
【0004】
そこで前述の各問題点に鑑み、硬度が低く、しかも吸水性を殆ど発現しないエチレン−酢酸ビニル(以下EVAと云う)樹脂の発泡体を材質とする洗浄片の使用が提案されている。前記EVA樹脂は、材質的に非常に柔軟であり、また発泡体とした際に内部の気泡がそれぞれ独立していて連泡率を小さくし得る特徴を有する。従って前述の如く、低い硬度および低い吸水率を発現させ得る。しかし、前記EVA樹脂発泡体を洗浄片12とした洗車ブラシ10は、その摩擦係数が高いために、実際の使用に当たっては、該洗浄片12が洗浄回転中に自動車の突起部、例えば外部アンテナ、ミラーその他の外装品に絡み付いてしまう難点がある。このような状況下で洗車ブラシ10での洗浄を続けると、前記洗浄片12が絡み付いたアンテナ等の部分が損壊してしまう等の問題が指摘される。
【0005】
前述したEVA樹脂発泡体の絡み付きを原因とする自動車外装品の損壊を防止する手段として、該外装品が損壊する程度の応力がかかった際に該EVA樹脂発泡体自身の構造を破壊することで、該外装品の損壊を回避する方法が考えられる。この方法は前記EVA樹脂発泡体の強度を制御することで可能であり、この強度の制御手段として、該発泡体の架橋度の調整、すなわち分子間結合の度合いの調整が考えられ、該強度を減少させるには該架橋度を小さくすればよい。しかし前記架橋度は、同時に発泡体の発泡に際して最も重要な要素の一つであり、該架橋度が小さくなるのに伴って、発泡体の粘度が低下してしまい安定な発泡体が得られなくなってしまう欠点が指摘される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解決するため、前記洗浄片12の材質の主原料として、例えばエチレン−エチルアクリレート(以下、EEAと云う)樹脂等のポリオレフィン系樹脂を採用することが考えられる。前記ポリオレフィン系樹脂を採用することで、柔軟性、吸水性および引張強度等の各物性値を所定の範囲内とした洗浄片12を製造し得る。しかし、前記EEA樹脂はエチルアクリレート基(前記EVA樹脂では酢酸ビニル基)といった短鎖分岐を数多く持っており柔軟性には優れている一方、引張強度および引裂強度といった機械的強度が低く、例えば業務用として実際使用される際の数千台に及ぶ洗車作業に対する耐久性が充分でなく、前記洗浄片12が断裂や摩耗を起こしてしまう問題を内在している。
【0007】
この問題は、前記EEA樹脂に代表されるポリオレフィン樹脂がチーグラ・ナッター触媒を利用して作られているため、ラメラ(ポリエチレンの折り畳み結晶)が厚く、該ラメラ間を繋ぐタイ分子の数が少ない構造をとっていることに起因している。具体的には前記タイ分子の数が、前記EEA樹脂の引張強度等の機械的物性に大きな影響を与え、該タイ分子の数が少ないと、そこから断裂が容易に発生し、その結果、該機械的物性が悪化してしまうためである。このような樹脂の機械的強度を向上させる手段の一つとして低倍率による発泡化が挙げられるが、この方法の場合、得られるEVA樹脂発泡体の硬度が高くなり、また柔軟性を失うという他の問題が顕在化してしまう。
【0008】
【発明の目的】
この発明は、従来の技術に係る洗浄片に内在していた問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、洗車ブラシを構成する洗浄片の原料として、メタロセン触媒を用いて、α−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(以下、Me−LLDPEと云う)樹脂を含有した物質を使用することで、得られる発泡体の硬度並びに引張強度および引裂強度等の各種機械的強度の物性値を制御し、洗車ブラシに好適に使用可能であり、かつ車体を損傷させることなく、さらに良好な耐久性をもって確実な洗浄を行ない得る洗浄片を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明の洗浄片は、洗車ブラシを構成する多数の柔軟な洗浄片であって、
前記洗浄片は、メタロセン触媒を用いてα−オレフィンを共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と、エチレン−エチルアクリレート樹脂とを含む樹脂の発泡体から構成することを特徴とする。
また、前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の別の発明に係る洗浄片は、 洗車ブラシを構成する多数の柔軟な洗浄片であって、
前記洗浄片は、メタロセン触媒を用いてα−オレフィンを共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と、エチレン−酢酸ビニル樹脂とを含む樹脂を、発泡倍率8〜15倍の発泡体とすることで、引張強度が1 . 3〜2 . 0MPaの範囲に設定され、その引裂強度が43〜60N / cmの範囲に設定されると共に、25%圧縮硬さが0 . 2MPa以下に設定されるようにしたことを特徴とする。
更に、前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の更に別の発明に係る洗浄片は、洗車ブラシを構成する多数の柔軟な洗浄片であって、
前記洗浄片は、メタロセン触媒を用いてα−オレフィンを共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含む樹脂を、発泡倍率8〜15倍の発泡体とすることで、引張強度が1 . 3〜2 . 0MPaの範囲に設定され、その引裂強度が43〜60N / cmの範囲に設定されると共に、25%圧縮硬さが0 . 2MPa以下に設定されるようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係る洗浄片につき、好適な実施例を挙げて、以下説明する。本願の発明者は、メタロセン触媒を用いて、α−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(以下、Me−LLDPEと云う)樹脂を含む樹脂を採用し、得られる発泡体の硬度並びに引張強度および引裂強度等の各種機械的強度の物性値を所定の範囲内とすることで、長期間に亘り洗浄に必要な機械的強度等を保持すると共に、車体を損傷させる畏れがなく、洗車ブラシに好適に使用し得る洗浄片が得られることを見出したものである。また好適な実施例に係る洗車ブラシは、その構造が前出した従来技術に係る洗車ブラシ10と殆ど同一であるので、構成等の詳細な記載は省略し、参照番号も同一のものを使用する。
【0011】
好適な実施例に係る洗浄片を採用した洗車ブラシ10は、図1に示す如く、制御下に回転する回転軸14と、この回転軸14に植設され、該軸14の回転時に被洗浄物である車体と接触して洗浄を行ない得る多数の洗浄片12とからなる。前記洗浄片14は、前記Me−LLDPE樹脂と、EEA樹脂等のボリオレフィン樹脂とを樹脂成分として、これに発泡剤および架橋剤等の所定の副原料を混合・発泡させて得られるMe−LLDPE樹脂含有発泡体(以下、発泡体と云う)から製造される。
【0012】
前記Me−LLDPE樹脂は、メタロセン触媒を用いて、α−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEと云う)樹脂のことである。前記LLDPE樹脂は、エチレンと、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテン等のα−オレフィンとの共重合体であり、該共重合によりエチル分岐、n−ブチル分岐またはn−ヘキシル分岐等がその構造内に導入された低密度ポリエチレンのことである。前記メタロセン触媒は、別名カミンスキー触媒と呼ばれ、例えば二塩化ジルコノセンとメチルアルミノキサンを組み合わせた構造を有し、エチレンに対して高い重合活性を示し、その活性点が均一(シングルサイト触媒 Single Site Catalysts(SSC))である特徴を有する。そして前記メタロセン触媒は、均一系触媒であるため、ポリマ−の分子構造を精密に設計でき、該ポリマ−の微細分子構造や共重合反応性を自由に制御し得る特徴も有する。
【0013】
また前記メタロセン触媒の如きSSCは、前記チーグラ・ナッター触媒等に代表される従来の触媒、所謂マルチサイト触媒(Multi Site Catalysts(MSC))と呼ばれる触媒に較べて分子量分布が狭く、かつ各分子のコモノマー含量がほぼ等しいため、得られるLLDPE樹脂の分子量や、短鎖分岐の濃度の分布が小さく、その結果、構造均一性が高いという点でも優れている。
【0014】
前述したメタロセン触媒を用いて、α−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の各種機械的強度が、従来のポリオレフィン径樹脂のそれより高くなるのは以下の理由による。すなわち、前記ラメラの厚みをより薄くできるため、その分ラメラとラメラの間を繋ぐタイ分子の数が相対的に多くできる。従って、前記タイ分子の数が少ない時に比較して、強い引張りまたは引裂きの力を分散させて、その結果、引張強度および引裂強度に優れた物性を発現することになる。
【0015】
前記Me−LLDPE樹脂の全樹脂成分中における含有量、すなわち後述([0016])する各種ポリオレフィン系樹脂との混合割合は、少なくとも30重量部以上、好ましくは50重量部以上に設定される。このような混合割合とすることで、混合されて得られる前記樹脂成分と、発泡剤等のその他副原料との混合・混練容易性が高くなる。そして更に、前記Me−LLDPE樹脂の優れる物理的強度と、EVA樹脂やEEA樹脂等の各種ポリオレフィン系樹脂が有する柔軟性とを併有した好適な発泡体の製造もより容易となる効果を奏する。
【0016】
前記ポリオレフィン系樹脂としては、エチレンと、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたは各アクリル酸アルキルエステル(この際のエステル含有量;45モル%以内)との共重合体や、これらの2種類以上の混合物が使用される。その他、前述の共重合体または混合物と、アイソタクチックポリプロピレンまたはアタクチックポリプロピレンとの混合物の使用も可能である。なお塩素含有量60重量%までの塩素化物についても使用可能である。殊に前記ポリオレフィン系樹脂としては、発泡体になった際に従来技術で説明したEVA樹脂や、該EVA樹脂から得られる発泡体とほぼ同等の物性値を備え、低い引張強度を発現するEEA樹脂が好適である。
【0017】
前記発泡剤としては、無機または有機発泡剤を制限することはなく使用することができる。具体的には、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジニトロソテレフタルアミド、アゾビスイソブチロニトリルおよびスルホニルヒドラジド類等が挙げられる。これらの中ではアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルおよびスルホニルヒドラジド類が好ましい。発泡剤の配合量は、一般的に前記Me−LLDPE樹脂を含む樹脂100重量部に対して、3〜30重量部であり、所望の発泡倍率に応じて設定される。
【0018】
また発泡状態を制御するために、尿素を主成分とする化合物、酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物、各種脂肪酸または各種脂肪酸の金属塩等の発泡助剤を添加してもよい。さらに物性改善のため、必要に応じて充填剤としてのカーボンブラック、炭酸カルシウム、アスベストまたは各種金属酸化物等を混合するようにしてもよい。殊にカーボンブラックまたは炭酸カルシウムがコスト低減に好適である。
【0019】
前記架橋剤としては、少なくとも前記樹脂成分を構成する前記Me−LLDPE樹脂およびポリオレフィン系樹脂の流動開始温度以上の分解温度を有し、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生してポリオレフィン系樹脂の分子間に架橋結合を発生させる有機過酸化物が挙げられる。前記有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス−ターシャリーブチルパーオキシヘキセン、1,3−ビス−ターシャリーパーオキシイソプロピルベンゼン等が使用可能である。
【0020】
前記洗浄片12を構成する発泡体が発現すべき物性としては、洗車時に自動車への傷の付き易さの指標となる柔軟性を示す硬度と、使用における充分な洗車機能を発現すると共に、経時変化に対する耐久性を示す引張強度等の機械的強度が挙げられる。殊に前記硬度としては、使用時の回転状態を考慮して25%圧縮硬さが採用されている。
【0021】
前記硬度については、該硬度を表す25%圧縮硬さが、0.2MPa以下、好ましくは0.12MPa以下であることが望まれる。前記25%圧縮硬さが0.2MPaを越えると、通常の使用に当たって車体に擦り傷等を付けてしまうことが経験的に知られているので注意が必要である。この硬度は、基本的に前記Me−LLDPE樹脂の密度と、前記洗浄片12を構成する樹脂発泡体の発泡倍率とによって決定される物性値である。
【0022】
前記Me−LLDPE樹脂においては、その密度が0.88〜0.93g/cm 3 設定された物質を使用する。これは前記EVA樹脂が酢酸ビニル基の、EEA樹脂がエチルアタリレート基の含有量の増加に伴い柔軟性が増すのと同様に、LLDPEは共重合させる短鎖分岐(α−オレフィン)の数の増加により、密度低下が図られて短鎖分岐の数が多くなり、これにより得られるLLDPEの結晶形成が阻害され、非晶性、すなわち柔軟性が増すことを利用して硬度を所望の範囲にするためである。そして前記密度が0.88g/cm3未満の場合、硬度を表す25%圧縮硬さが0.2MPaを越えてしまうことが考えられ、また0.93g/cm3を越える場合、得られるMe−LLDPE樹脂の融点が高くなってしまい、その結果、該樹脂と発泡剤や架橋剤との混練時における必要温度の増大による各種の弊害、具体的には該発泡剤や架橋剤の混練時における熱分解、各種混練機器の耐熱性向上に係る維持コストおよび使用エネルギー量等のランニングコストの増大等の問題をもたらす。このように制御することで、前述の硬度を達成し得る発泡体の基となる中間材料たる樹脂混練物を得ることができる。
【0023】
また前記発泡倍率については、8〜15倍、好ましくは8〜12倍程度の範囲であれば、前記Me−LLDPE樹脂を含む樹脂混練物を使用した発泡体、すなわち洗浄片12が前述の値を達成し得る。なお、主原料たる樹脂の種類・混合割合によっては、発泡倍率の設定によって本発明に係る各物性値の範囲をから外れることがあるため注意が必要である。基本的に発泡倍率が高くなるに従って、前記洗浄片12を構成する発泡体の構造が疎となるため、引張強度等は悪化し、25%圧縮硬さは良化する。この他、前記発泡体原料中の混合される充填材の量に反して硬度が低下することも知られている。前記発泡倍率は、8倍未満となると硬度が高くなってしまい、15倍を越えると後述([0025])する引張強度が低下してしまう。この発泡倍率は、前記主原料樹脂に加えられる前述[0017]した発泡剤等の量によって、容易に設定可能である。
【0024】
前記引張強度としては、1.3〜2.0MPa(JIS K 6767に準拠)の範囲が好適であり、基本的に発泡体構造中の分子間力等、すなわちMe−LLDPEの短鎖分岐数や、前述[0019]した架橋剤等の使用量によって決定されるものである。引張強度が1.3MPa未満であっても、通常状態の洗浄には充分使用し得るが、長期間に亘る経時的な使用においては発泡体が断裂してしまい必要な洗浄力が得られなくなってしまう。また2.0MPaを越えると、回転中の洗浄片が自動車のミラー等の外装品に巻き付いた際に、該外装品を損壊させてしまう畏れが高くになり、本発明の洗浄片として採用し得ない。
【0025】
前記引裂強度としては、43〜60N/cm(JIS K 6767に準拠)の範囲が好適である。この数値は、前記引張強度に比例的なものであり、基本的に発泡体構造中の分子間力によって決定されるものである。この引裂強度が43N/cm未満であっても、通常状態の洗浄には充分使用し得るが、長期間に亘る経時的な使用においては発泡体が断裂してしまって必要な洗浄力が得られなくなってしまう。また63N/cmを越えると、回転中の洗浄片が自動車のミラー等の外装品に巻き付いた際に、該外装品を損壊させてしまう畏れが高くなり、本発明の洗浄片として採用し得ない。
【0026】
【製造方法の一例】
以下に本発明に係る洗車ブラシの洗浄片を好適に製造する方法の一例を以下に記載する。前記Me−LLDPE樹脂およびポリオレフィン系樹脂等からなる樹脂成分と、架橋剤、発泡剤、発泡助剤、充填剤および所望の各種副原料等とを、バンバリーミキサー等の従来公知の混練器を用いて充分に混練して樹脂混練物とする。そして前記樹脂混練物を所定の金型等を用いて加圧・加熱下に充填、前記架橋剤および発泡剤を完全に分解した後に減圧状態とすることで一度に膨張させる、所謂一段発泡法や、該金型による一次発泡で得られる一次(中間)発泡体を常圧下にさらに加熱して二次発泡させる、所謂二段発泡法により所望の密度としたMe−LLDPE樹脂含有発泡体を得る。
【0027】
前記一段発泡法は、使用する装置および操作等が簡便で、かつ得られる発泡体の強度が二段発泡法に較べて高く発現するものであるので好適に採用されるが、前述の何れの方法であっても本発明に係る好適な洗浄片12の製造は可能であり、実際には得るべき該洗浄片12の発泡倍率等の諸物性値により適宜選択される。通常、前記発泡倍率が10〜15倍程度の場合は、前記一段発泡法の採用が好適である。
【0028】
なお、ここでは化学的発泡法および押出成形を採用して前述の所要形状に成形したが、所定の物性を満足すると共に、所要形状への成形が可能であれば、如何なる公知の発泡法や成形法であっても採用は可能である。殊に樹脂成分内に、前述([0015])した如く、Me−LLDPE樹脂を30重量部以上、好適には50重量部以上混合させることで、全原料の混合・混練は容易に実施可能となる。
【0029】
【実験例】
以下に本発明に係る洗車ブラシに好適に採用し得る洗浄片の実験例を示す。なお、本実験例では樹脂成分を構成するMe−LLDPE樹脂以外の樹脂として、EEA樹脂を使用した例を示すが、殊にこの実験例に記載された内容に限定されるものではない。
【0030】
(実験1) Me−LLDPE樹脂の含有量について
前記洗浄片の原料として以下の表1に記載する各原料および副原料を使用し、かつ該表1に記載される一次加熱条件とすると共に、同じく記載される発泡倍率8〜15倍(参照として見掛け密度0.06〜0.15g/cm3)となるように設定した一段発泡法により、実施例1〜5および比較例1〜3に係る試験片発泡体を夫々製造し、JIS K 6767に準拠した方法等を用いて引張強度(MPa)、引裂強度(N/cm)および25%圧縮硬さ(MPa)の測定を夫々行ない、その測定物性値から本発明に係る洗浄片としての評価を○または×により行なった。なお全原料の混合・混練には、ニーダ(1リットルニーダ;トーシン製)およびロール(10inchロール;コビキ製)を夫々25minおよび7min使用して実施し、一次加圧加熱時に掛けられる温度は158℃×40min、圧力は8.0MPaに設定した。また使用した各原料は、以下に述べる。
【0031】
使用した各原料は以下の通りである。
・Me−LLDPE(A):商品名1P53A;東ソー製(密度0.89g/cm3)
・Me−LLDPE(B):商品名7P04B;東ソー製(密度0.90g/cm3)
・EEA樹脂A:商品名NUC6220;日本ユニカー製
・EEA樹脂B:商品名NUC6221;日本ユニカー製
・EVA樹脂:商品名#540;東ソー製
・発泡剤:アゾジカルボンアミド
・発泡助剤A:酸化亜鉛
・発泡助剤B:ステアリン酸亜鉛
・造核剤:重炭酸カルシウム
・架橋剤:ジクミルパーオキサイド
【0032】
【表1】
Figure 0004069292
【0033】
(実験1の結果)
得られた各物性値および評価を上記表1に併せて示す。ここから実施例に掛かる試験片は、比較例に係る試験片に較べて、引張強度、引裂強度および25%圧縮硬さについて、何れも良好であることが確認された。
【0034】
(実験2) Me−LLDPE樹脂の発泡倍率について
実験1の実施例3および4並びに比較例3に係る発泡体の組成を基本として、下記の表2に示すように原料中の発泡剤の添加量を変化させることで、発泡倍率を変動させた実施例6および実施例7並びに比較例4に係る発泡体から該実験1と同様な試験片を作製し、各測定および評価を行なった。なお全原料の混合・混練条件等については実験1と同様とし、一次加圧加熱時に掛けられる温度は154℃×40min、圧力は8.0MPaに設定した。また参考として、表2中に実験1の実施例3および4並びに比較例3を併記する。
【0035】
【表2】
Figure 0004069292
【0036】
(実験2の結果)
得られた各物性値および評価を上記表2に併せて示す。ここから各実施例については、発泡倍率が大きくなることによって、25%圧縮硬さがより好適なものとなる一方、引張強度および引裂強度は充分な数値を維持することが確認された。また比較例4については、発泡倍率が増加と共に25%圧縮硬さはより良化したが、他の強度データは悪化し、長時間に亘る使用に耐えないことが確認された。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る洗浄片によれば、洗浄片の樹脂としてメタロセン触媒を用いてα−オレフィンを共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン(Me−LLDPE)樹脂を、少なくとも30重量部使用するようにすることで、得られる発泡体の物性値を、引張強度を1.3〜2.0MPa、引裂強度を43〜60N/cm、25%圧縮硬さを2.0MPa以下に夫々設定し、これにより車体を損傷することなく確実な洗浄を行ない得ると共に、これまでより格段に長時間の稼働に耐え得る洗浄片を得ることができる。また前記Me−LLDPE樹脂の密度を、0.88〜0.93g/cm 3 設定することで、好適な柔軟性を容易に発現し得る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄片を使用した洗車ブラシの構造と、稼働した際の動きを示す概略図である。

Claims (8)

  1. 洗車ブラシを構成する多数の柔軟な洗浄片であって、
    前記洗浄片は、メタロセン触媒を用いてα−オレフィンを共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と、エチレン−エチルアクリレート樹脂とを含む樹脂の発泡体から構成されてい
    ことを特徴とする洗浄片。
  2. 前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂含有発泡体の発泡倍率は、8〜15倍の範囲に設定される請求項1記載の洗浄片。
  3. 前記直鎖状低密度ポリエチレン含有発泡体は、その引張強度が1.3〜2.0MPaの範囲に設定され、その引裂強度が43〜60N/cmの範囲に設定されると共に、25%圧縮硬さが0.2MPa以下に設定される請求項1または2に記載の洗浄片。
  4. 洗車ブラシを構成する多数の柔軟な洗浄片であって、
    前記洗浄片は、メタロセン触媒を用いてα−オレフィンを共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と、エチレン−酢酸ビニル樹脂とを含む樹脂を、発泡倍率8〜15倍の発泡体とすることで、引張強度が1 . 3〜2 . 0MPaの範囲に設定され、その引裂強度が43〜60N / cmの範囲に設定されると共に、25%圧縮硬さが0 . 2MPa以下に設定されるようにした
    ことを特徴とする洗浄片。
  5. 洗車ブラシを構成する多数の柔軟な洗浄片であって、
    前記洗浄片は、メタロセン触媒を用いてα−オレフィンを共重合させた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含む樹脂を、発泡倍率8〜15倍の発泡体とすることで、引張強度が1 . 3〜2 . 0MPaの範囲に設定され、その引裂強度が43〜60N / cmの範囲に設定されると共に、25%圧縮硬さが0 . 2MPa以下に設定されるようにした
    ことを特徴とする洗浄片。
  6. 前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、その密度が0.88〜0.93g/cm3に設定される請求項1〜5の何れか一項に記載の洗浄片。
  7. 前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、全樹脂成分中100重量部に対して30重量部以上使用される請求項1〜6の何れか一項に記載の洗浄片。
  8. 前記発泡体は、一段発泡法により発泡倍率10〜15倍の範囲で発泡されている請求項1〜7の何れか一項に記載の洗浄片。
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