JP4068783B2 - 膜形成装置及び膜形成方法における膜の均一性を向上させる方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の膜形成装置及び基板の膜形成方法における膜の均一性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では,基板である例えば半導体ウェハ(以下「ウェハ」とする)表面にレジスト液を塗布し,レジスト膜を形成するレジスト塗布処理,ウェハにパターンを露光する露光処理,露光後のウェハに対して現像を行う現像処理等が各処理装置において行われ,ウェハに所定の回路パターンを形成する。
【0003】
上述のウェハ上にレジスト膜を形成するレジスト塗布処理は,通常,レジスト塗布装置において行われる。このレジスト塗布装置は,処理容器内にウェハを吸引して保持する回転支持部材であるスピンチャックを有しており,このスピンチャックは,ウェハを高速回転させることができる機能を有している。そして,ウェハの中心に吐出されたレジスト液をウェハの回転によって拡散させるいわゆるスピンコーティング方式により,ウェハ上に均一なレジスト膜が形成されるように構成されている。
【0004】
一方,図13,14に示すように,例えばスピンチャック101の吸着面102は,ウェハWを直接支持する支持部102aとウェハWを吸引する吸引部102bを有しており,この吸引部102bは,吸着面102の中心部にある主吸引口103と連通している。そして,この主吸引口103から吸引部102bを介してウェハWを吸引し,ウェハWが高速回転してもずれないようにウェハWを強力に吸着していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,近年,半導体を用いた製品の微小化が進むにつれ,厚みが0.35mm程度の薄いウェハに,より均一性の高いレジスト膜を形成する必要性が高まっている。しかし,このような薄いウェハを従来のスピンチャックに吸着保持すると,その吸引力によりウェハが部分的歪んでしまい,その後レジスト液が適切に供給されたとしても,その歪みが原因で高精度の均一なレジスト膜が形成されないことがあり,場合によっては,その部分を製品として使用できないことも起こり得る。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり,薄いウェハ等の基板を吸着保持しても,基板が歪まずに基板上に均一な膜が形成される膜形成装置と,基板上に均一な膜が形成される方法を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,基板を吸着した状態で回転させる回転支持部材を有し,前記基板上に供給された処理液を前記回転支持部材の回転によって基板上に拡散させて,基板上に膜を形成する膜形成装置であって,前記回転支持部材の支持面に,弾性を有する歪み抑制部材が前記支持面を覆うようにして設けられ,前記歪み抑制部材は,その外周部が通気性を持たない材質からなり,前記外周部を除く内周部は,通気性のある材質からなることを特徴とする,膜形成装置が提供される。なお,基板の歪みを抑制するためには,前記歪み抑制部材の硬さが,アスカC10〜30(日本ゴム協会標準規格SRIS 0101)程度のものを使用するのが好ましい。
【0008】
このように,前記支持面に弾性を有する歪み抑制部材を設けることにより,前記回転支持部材の吸引力によって引き起こされる基板の歪みが緩和されるため,たとえ薄い基板が前記回転支持部材に吸着保持された場合においても,基板が歪まず基板の処理面が水平に保たれる。したがって,この状態で基板を回転させて処理液を拡散させると,基板上に均一な膜が形成される。
【0012】
また本発明によれば,外周部に通気性のないものを用い,内周部に通気性のあるものを用いることにより,外周部では,周辺から歪み抑制部材を通って気体が前記吸引部に流入し,前記吸引源からの吸引力が低下することが防止される。また内周部では,内周部全面で基板を吸引して,基板を前記回転支持部材に吸着することができる。
【0013】
さらに,前記歪み抑制部材の通気性を持たない材質は,その材質を微小な空間が材質内に分散されている構造を有するものであってもよい。このように,通気性の無いことに加え,材質内に前記空間を含有することにより,同一材質のものであっても,さらに歪み抑制効果を高めることが可能である。したがって,基板が吸着される際の基板の歪みが抑えられ,基板上に形成させる膜の均一性が向上する。
【0014】
また,前記通気性のある材質は,多孔質の構造を有するものであってもよい。このように,多孔質のものは通気性を有する上弾力性も有しているため,上述した歪み抑制効果を維持しながら基板を全面で吸着することが可能となる。なお,多孔質とは,材質内に多くの微小な空間が形成されており,それらが繋がっているため通気性を有するようになったものである。
【0020】
本発明によれば,基板の裏面と接する支持部を有する支持面に吸着されている基板の表面に処理液を供給する工程と,前記支持面を回転させて基板上の処理液を拡散させて,前記処理液の膜を形成する工程とを有する膜形成方法において,弾性を有する歪み抑制部材を少なくとも前記支持部に設けて,基板吸着の際の基板の歪みを抑え,前記歪み抑制部材は,その外周部が通気性を持たない材質からなり,前記外周部を除く内周部は,通気性のある材質からなることを特徴とする膜形成方法における膜の均一性を向上させる方法が提供される。このように,外周部に通気性のないものを用い,内周部に通気性のあるものを用いることにより,外周部では,周辺から歪み抑制部材を通って気体が流入し,基板の吸着力が低下することが防止される。また内周部では,内周部全面で基板を吸引して,基板を好適に吸着することができる。
【0021】
また,上記発明における前記歪み抑制部材の通気性を持たない材質は,微小な空間が材質内に分散されている構造を有するようにしてもよい。このように,通気性の無いことに加え,材質内に前記空間を含有することにより,前記歪み抑制部材の効果をさらに高めることが可能である。したがって,基板が吸着される際の基板の歪みがより一層抑えられ,基板上に形成させる膜の均一性が向上する。
【0022】
また,上記歪み抑制部材の通気性のある材質は,多孔質の構造を有するものであってもよい。このように,多孔質のものは通気性を有する上弾力性も有しているため,上述した歪み抑制効果を維持しながら基板を全面で吸着することが可能となる。なお,多孔質とは,材質内に多くの微小な空間が形成されており,それらが繋がっているため通気性を有するようになったものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかるレジスト塗布装置を有する塗布現像処理システム1の平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0024】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0025】
カセットステーション2では,載置部となるカセット載置台5上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0026】
ウェハ搬送体7は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。このウェハ搬送体7は後述するように処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできるように構成されている。
【0027】
処理ステーション3では,その中心部に主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には各種処理装置が多段に配置されて処理装置群を構成している。該塗布現像処理システム1においては,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されており,第1及び第2の処理装置群G1,G2は現像処理システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,カセットステーション2に隣接して配置され,第4の処理装置群G4は,インターフェイス部4に隣接して配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。前記主搬送装置13は,これらの処理装置群G1〜G5に配置されている後述する各種処理装置に対して,ウェハWを搬入出可能である。
【0028】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すように,本実施の形態にかかる膜形成装置としてのレジスト塗布装置17と,ウェハWに現像液を供給して処理する現像処理装置18とが下から順に2段に配置されている。第2の処理装置群G2の場合も同様に,レジスト塗布装置19と,現像処理装置20とが下から順に2段に積み重ねられている
【0029】
第3の処理装置群G3では,例えば図3に示すように,ウェハWを冷却処理するクーリング装置30,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置31,ウェハWを待機させるエクステンション装置32,レジスト液中の溶剤を乾燥させるプリベーキング装置33,34及び現像処理後の加熱処理を施すポストベーキング装置35,36等が下から順に例えば7段に重ねられている。
【0030】
第4の処理装置群G4では,例えばクーリング装置40,載置したウェハWを自然冷却させるエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,クーリング装置43,露光処理後の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキング装置44,45,ポストベーキング装置46,47等が下から順に例えば8段に積み重ねられている。
【0031】
インターフェイス部4の中央部にはウェハ搬送体50が設けられている。このウェハ搬送体50はX方向(図1中の上下方向),Z方向(垂直方向)の移動とθ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第4の処理装置群G4に属するエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,周辺露光装置51及び図示しない露光装置に対してアクセスできるように構成されている。
【0032】
上述したレジスト塗布装置17の構成について説明する。図4に示すように,このレジスト塗布装置17のケーシング17a内には,ウェハWを水平に吸着保持する回転支持部材としてのスピンチャック61が設けられている。このスピンチャック61下方には,このスピンチャック61を回転させる,例えばモータ等を備えた駆動機構67が取り付けられている。それ故,ウェハWをスピンチャック61に吸着保持させ,高速回転させることができる。
【0033】
前記スピンチャック61におけるウェハWに裏面に接する支持面としての吸着面62は,図5に示すように,その中央部に吸引ポンプ64に通じる吸引源としての主吸引口63を有し,この主吸引口63の周辺部には後述するシート65を支持する支持部62aとウェハWを吸引する吸引部62bとを有している。前記支持部62aは,細長に突状に形成されており,放射状に複数個設けられている。また,吸着面62の外周にも吸引部62bの気密性を保つため,支持部62aが形成されている。吸引部62bは,前記吸着面62の支持部62aの無い部分であり,主吸引口63と連通している。なお,スピンチャック61の材質は,ポリアセタールが使用され,支持部62a及び吸引部62bの材質も同様である。
【0034】
また,図6,図7に示すように前記吸着面62上には,ウェハWと前記支持部62aとの間に歪み抑制部材としてのシート65が設けられている。このシート65は,弾性を有して通気性を持たない材質,例えば低発泡シリコーンゴムからなる。この低発泡シリコーンゴムは微小な空間が材質内に分散されているものである。シート65は,少なくとも上面が水平な薄膜状に形成されており,吸着面62全面を覆うようにして支持部材62aに接着されている。
【0035】
また,シート65は,ウェハWを吸着するための吸引口65aを複数個有しており,これらの吸引口65aは,図7に示すように吸着面62の吸引部62bに対応する位置に例えば放射状に設けられている。かかる構成により,前記主吸引口63からの吸引により,吸引部62a及び吸引口65aを介してウェハWをシート65上に吸着させることができる。なお,シート65の厚みは,薄すぎるとウェハWの吸引によるたわみを緩和するというこのシート65の機能を低下させてしまい,厚すぎると高速回転させた場合に,遠心力によりシート65自体が歪みウェハWを偏心させてしまうため,適度の厚み,例えば3mm程度にするのが好ましい。
【0036】
一方,上述したスピンチャック61の駆動機構67には,スピンチャック61を上下に移動自在とする機能が備えられており,ウェハWの搬入出時にスピンチャック61を上下に移動させて,主搬送装置13との間でウェハWの受け渡しが行われる。
【0037】
また,このスピンチャック61の周縁部外方には,上面が開口したカップ70がスピンチャック61を取り囲むようにして設けられている。このカップ70は,スピンチャック61の側方と下方を包囲し,処理中のウェハWが収容されるように形成されている。従って,塗布処理中にウェハWの回転によってウェハWから周囲へ飛散するレジスト液を回収し,飛散したレジスト液によって周辺装置が汚染されることが防止できる。また,カップ70の底部には,連通接続された排液用の排液管71が設けられており,上述したように回収したレジスト液をこの排液管71から排出させる。
【0038】
さらに,スピンチャック61上方には,例えばウェハWにレジスト液を吐出する吐出ノズル73と,ウェハWにレジスト液の溶剤を吐出する溶剤吐出ノズル74が備えられている。この吐出ノズル73は,ウェハW中心の上方に移動自在である。したがって,上述した駆動機構67によって回転されているウェハWの中心に,吐出ノズル73からレジスト液が吐出され,いわゆるスピンコーティング方式によりウェハW上に所定のレジスト膜が形成されように構成されている。
【0039】
次に,以上のように構成されているレジスト塗布装置17の作用について,塗布現像処理システム1で行われるフォトリソグラフィー工程のプロセスと共に説明する。
【0040】
先ず,未処理のウェハWがウェハ搬送体7によってカセットCから1枚取りだされ,そこで第3の処理装置群G3に属するアドヒージョン装置31に搬入され,レジスト液の密着性を向上させる例えばHMDSが表面に塗布される。次いで,ウェハWは,主搬送装置13によって,クーリング装置30に搬送され,所定の温度に冷却される。その後ウェハWは,膜形成装置としてのレジスト塗布装置17又は19に搬送される。
【0041】
このレジスト塗布装置17又は19においてレジスト膜が形成されたウェハWは,その後主搬送装置13により,プリベーキング装置33若しくは34,クーリング装置40に順次搬送される。その後ウェハWは,各処理装置において露光処理,現像処理等の所定の処理が行われ,一連の塗布現像処理が終了する。
【0042】
上述したレジスト塗布装置17の作用について詳しく説明すると,先ず前処理が終了したウェハWが,主搬送装置13によってレジスト塗布装置17内に搬入され,スピンチャック61上方の所定位置で停止される。そして,主搬送装置13が,ウェハWを保持した状態で下降し,駆動機構67により予め上昇して待機していたスピンチャック61上にウェハWを載置する。このとき,吸引ポンプ64が作動し,主吸引口63からの吸引が開始され,吸着面62の支持部62a及び吸引口65aを介してウェハWを吸引し,ウェハWはシート65を介してスピンチャック61上に吸着保持される。
【0043】
その後,主搬送装置13がレジスト塗布装置17外に退避すると共に,スピンチャック61が駆動機構67により下降され,カップ70内の所定の位置で停止する。次に,駆動機構67の回転機構によりスピンチャック61上のウェハWが所定の回転数,例えば2000rpmで高速回転される。そして,先ずウェハW中心上方に位置する溶剤供給ノズル74から所定の溶剤が吐出され,ウェハW表面に溶剤が塗布される。次いで,吐出ノズル73からレジスト液が吐出され,このレジスト液はウェハWの回転によりウェハW表面全面に拡散される。その後,さらに高速回転,例えば3500rpmにし,余計なレジスト液を振り切ってウェハW上に所定の厚さでかつ厚みの均一なレジスト膜が形成される。そして,ウェハWの回転が停止され,ウェハW上にレジスト膜を形成するレジスト塗布処理が終了する。
【0044】
その後,ウェハWは,駆動機構67により再び上昇され,主吸引口65aからの吸引が解除された後,主搬送装置13に受け渡され,その後レジスト塗布装置17から搬出される。
【0045】
この実施の形態では,スピンチャック61の吸着面62とその上に吸着保持されるウェハWとの間にシート状で低発泡シリコーンゴム製のシート65が存在しているため,吸引により引き起こされるウェハWの部分的な歪みが緩和される。それ故,ウェハWの表面の水平が維持され,その上にレジスト液が塗布されるので従来に比べてより厚みの均一なレジスト膜が形成される。この効果は実験でも確認されており,この実験の結果を図8,9に示す。図8は,ウェハWと吸着面62との間にシート65を挟まない従来の装置を用いてウェハW上にレジスト膜を形成した場合のウェハW上の各測定点における膜厚を示す。また,図9は,ウェハWと吸着面62との間に低発泡シリコーンゴム製のシート65を設けた場合の各測定点の膜厚を示す。なお,この実験では,ウェハWはリチウムタンタルからなる厚さ0.35mmのものを使用し,支持部62aの材質としてポリアセタールを使用した。また,ウェハWのレジスト液の塗布時の回転数は2000rpmである。図8及び9中,CはウェハWの中心,EはウェハWの周縁を示す。
【0046】
この実験によると,図8に示すように従来はウェハW上のレジスト膜の厚みの差は,最も差が顕著なところで130Å程度あるが,シート65を設けることにより,図9に示すようにその差が50Å以内に収まっている。従って,シート65を設けることにより,レジスト膜の均一性の向上が図られることが確認できる。
【0047】
なお,シート65の材質として低発泡シリコーンゴムを使用したが,弾性を有し通気性を持たない他のゴム,例えばフッ素ゴム,シリコーンゴム,エチレンプロピレンターポリマー,ウタレン,クロロプレーン,導電性クロロプレンゴム,伝導性シリコーンゴム等を使用してもよい。また,本実施の形態では,支持部62aがポリアセタールの場合であったが,支持部62aが例えばステンレス等の金属である場合には,シート65の材質として上述した低発泡シリコーンゴム等の他フッ素ゴム,シリコンーゴム,エチレンプロピレンターポリマー,ウタレン,クロロプレーン等を用いてもよい。
【0048】
また,シート65の材質として,通気性の持たないものを用いたため,気体がこのシート65自体から漏れることが防止され,吸着部62bの気密性が維持されるため,ウェハWの吸引力が維持される。
【0049】
また,本実施の形態では,シート65に放射状に多数の吸引口62aを設け,吸着引力を分散させることによりウェハWのある部分に荷重が集中することを抑制した。なお,この吸引口62aは,放射状である必要はなく,同心円状に設けられてもよいし,偏りがないように散在させてもよい。また吸引口62aの開口形状も,必ずしも円形である必要はない。
【0050】
さらに,ウェハWと支持部62aとの間に歪み抑制部材を設けるという観点から,図10に示すように支持部62a上にのみ歪み抑制部材85を設けるようにしてもよい。すなわち,歪み抑制部材85をシート状に設けるのではなく,各支持部62aの形状に合わせて,複数の歪み抑制部材85を設けるようにしてもよい。
【0051】
また,図11,図12に示すようにシート状の歪み抑制部材95の外周部95aの材質に弾性を有しかつ通気性を持たない,例えば低発泡性シリコーンゴムを用い,その内側の内周部95bに弾性を有し通気性のある,例えば多孔質の素材を用いるようにしてもよい。こうすることによって,歪み防止部材95上のウェハWを,別途吸引口を設けることなく内周部95b全面で吸着でき,また外周部95aで外気の流入を遮断し,主吸引口63の吸引力を維持することができる。
【0052】
以上の実施の形態では,ウェハWにレジスト液を塗布し,レジスト膜を形成する膜形成装置であったが,本発明は,絶縁膜等の他の膜形成装置,例えばSOD,SOG膜形成装置においても適用できる。また,ウェハW以外の基板例えばLCD基板の膜形成装置にも適用される。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば,歪み抑制部材により,基板にかかる吸着力により基板が歪むことが抑制され,この基板上には,より斑のない均一な膜が形成できる。したがって,半導体デバイスとして使用できる面積が増え,歩留まりの向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるレジスト塗布装置が組み込まれた塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】本実施の形態にかかるレジスト塗布装置の縦断面の説明図である。
【図5】レジスト塗布装置におけるスピンチャックの平面の説明図である。
【図6】レジスト塗布装置のスピンチャック上に歪み抑制部材が設けられ,ウェハが吸着された状態を示した縦断面の説明図である。
【図7】図6における歪み抑制部材を有するスピンチャックの平面の説明図である。
【図8】従来のレジスト塗布装置を用いてウェハにレジスト膜を形成した場合の各測定点における膜厚を示すグラフである。
【図9】本実施の形態のレジスト塗布装置を用いてウェハにレジスト膜を形成した場合の各測定点における膜厚を示すグラフである。
【図10】スピンチャック上の歪み抑制部材の他の形態を示したスピンチャックの縦断面の説明図である。
【図11】歪み抑制部材の他の形態を示した平面図である。
【図12】図11に示した歪み抑制部材を用いた場合のスピンチャックの縦断面の説明図である。
【図13】従来のレジスト塗布装置におけるスピンチャックの吸着面を示した平面の説明図である。
【図14】図13のスピンチャックにウェハを吸着させた状態を示した縦断面の説明図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
17 レジスト塗布装置
61 スピンチャック
62 吸着面
62a 支持部
62b 吸着部
63 主吸引口
64 吸引ポンプ
65 シート
65a 吸引口
W ウェハ
Claims (6)
- 基板を吸着した状態で回転させる回転支持部材を有し,前記基板上に供給された処理液を前記回転支持部材の回転によって基板上に拡散させて,基板上に膜を形成する膜形成装置であって,
前記回転支持部材の支持面に,弾性を有する歪み抑制部材が前記支持面を覆うようにして設けられ,
前記歪み抑制部材は,その外周部が通気性を持たない材質からなり,前記外周部を除く内周部は,通気性のある材質からなることを特徴とする,膜形成装置。 - 前記歪み抑制部材の前記通気性のある材質の構造は,多孔質であることを特徴とする,請求項1に記載の膜形成装置。
- 前記歪み抑制部材の通気性を持たない材質は,微小な空間が材質内に分散されている構造を有していることを特徴とする,請求項1または2に記載の膜形成装置。
- 基板の裏面と接する支持部を有する支持面に吸着されている基板の表面に処理液を供給する工程と,
前記支持面を回転させて基板上の処理液を拡散させて,前記処理液の膜を形成する工程とを有する膜形成方法において,
弾性を有する歪み抑制部材を少なくとも前記支持部に設けて,基板吸着の際の基板の歪みを抑え,
前記歪み抑制部材は,その外周部が通気性を持たない材質からなり,前記外周部を除く内周部は,通気性のある材質からなることを特徴とする,膜形成方法における膜の均一性を向上させる方法。 - 前記歪み抑制部材の前記通気性のある材質の構造は,多孔質であることを特徴とする,請求項4に記載の膜形成方法における膜の均一性を向上させる方法。
- 前記歪み抑制部材の通気性を持たない材質は,微小な空間が材質内に分散されている構造を有することを特徴とする,請求項4または5に記載の膜形成方法における膜の均一性を向上させる方法。
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